説明

画像表示装置、及び画像表示装置の制御方法

【課題】複数の言語OSDデータを搭載した画像表示装置の異常発生時に、異常発生メッセージが複数の言語を切り替えながら表示されるようにする。
【解決手段】制御手段20は、異常検知手段40により、異常が発生したことを検知した場合に、異常時言語設定情報212に格納された複数の言語設定情報に基づき、第1の時間の経過ごとに言語を切り替えながら、異常を通知する異常発生メッセージを表示手段(画像投写手段10)により表示する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置、及び画像表示装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像表示装置(例えば、プロジェクター)において、複数言語のOSD(オンスクリーンディスプレイ)データを搭載し、多くの国や地域で使用できるようにしたものが知られている。
このような画像表示装置では、OSDデータの言語はメニュー操作で切り替えるのが一般的であり、通常、初回使用時に使用する言語を設定してしまえば、以後、他の言語のOSDデータを使うことはほとんどない。
しかし、複数の国籍の人が働くような職場においては、必ずしも全ての人が表示される言語(OSD言語)を理解できるとはいえない。通常通り動作しているときは問題なくても、なんらかの異常が発生し、対処についての詳細メッセージが表示された場合、表示された言語を理解できる人がその場にいなければ、すぐに対処できない虞があった。
このように画像表示装置に異常が発生した場合、メニュー操作でOSD言語を切り替えようとしても、電源オフ操作以外の操作が制限されることがあり、別の言語で異常状態のメッセージを確認することができなかった。
特許文献1には音声を使ってOSD言語を切り替える方法が開示されている。このような装置を使えば、音声入力でOSD言語を切り替えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−46612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし音声入力によるODS言語の切り替えでは、周囲の騒音や発音の仕方により、入力した音声が正しく認識されず、異常状態に直ちに対処することができない虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係る画像表示装置は、入力する画像情報に応じた画像を表示手段に表示する画像表示装置であって、複数の言語ごとのOSDデータ群と、前記OSDデータ群のうち、通常使用する言語を示す通常時言語設定情報、及び異常発生時に使用する複数の言語を示す異常時言語設定情報とを格納する記憶手段と、前記OSDデータ群のうち、表示するOSDデータの言語を設定する、言語設定手段と、当該画像表示装置の異常が発生したことを検知する異常検知手段と、前記異常検知手段により、前記異常が発生したことを検知した場合に、前記異常を通知する異常発生メッセージを前記表示手段に表示する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記異常時言語設定情報に格納された複数の言語設定情報に基づき、第1の時間経過ごとに前記言語を切り替える、ことを特徴とする。
【0007】
本適用例によれば、画像表示装置に異常が発生した場合、異常時言語設定情報に予め格納された複数の言語設定情報に基づき、第1の時間の経過ごとに切換処理により異常発生メッセージの言語を切り替えるので、いずれかの言語を理解できる人が異常発生メッセージを見れば、異常発生の内容を理解でき、発生した異常に対処することが可能となる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に記載の画像表示装置において、入力操作を受け付ける入力操作手段をさらに備え、前記制御手段は、前記異常発生メッセージ表示中に前記入力操作手段により、所定の切替操作を受け付けた場合、前記第1の時間経過ごとの前記切替処理に代えて、前記切替操作によって前記言語を切り替える、ことを特徴とする。
【0009】
本適用例によれば、画像表示装置に異常が発生し、第1の時間の経過ごとに異常発生メッセージの言語を切り替えて表示しているときに、所定の切替操作を受け付けることにより、第1の時間の経過ごとに行う言語の切替処理に代えて、切替操作によって言語を切り替える。これにより、切替操作を受け付けるたびに異常発生メッセージの言語を切り替えるので、第1の時間を経過しても他の言語に切り替わることがなく、異常発生メッセージが、理解できる言語で表示された状態に留めることが可能となる。
【0010】
[適用例3]上記適用例に記載の画像表示装置において、前記記憶手段は、前記異常検知手段によって前記異常が検知された場合にセットされる異常検知フラグをさらに備え、前記制御手段は、前記異常発生メッセージ表示している状態において、(1)所定の電源オフ操作を受け付けた時に前記異常検知フラグをクリアし、(2)第2の時間が経過した場合に当該画像表示装置の電源をオフし、前記制御手段は、当該画像表示装置が電源オンしたときに、前記異常検知フラグがセットされていた場合、前記異常発生メッセージを前記言語を切り替えながら前記表示手段に表示する、ことを特徴とする。
【0011】
本適用例によれば、画像表示装置は、異常発生メッセージを表示している状態において、異常発生状態が第2の時間を経過して、電源がオフされた場合、次回起動時に異常検知フラグがセットされていれば、異常が発生していたことを検知し、最後に発生した異常についての異常発生メッセージを、言語を切り替えながら表示する。これにより、異常が発生したときに認知されず、異常発生を知らずに電源が遮断されたような場合でも、次回起動時には異常発生メッセージをいずれかの言語により表示し、発生した異常を理解することが可能となる。
【0012】
[適用例4]本適用例に係る画像表示装置の制御方法は、入力する画像情報に応じた画像を表示する表示手段と、複数の言語ごとのOSDデータ群と、前記OSDデータ群のうち、通常使用する言語を示す通常時言語設定情報、及び異常発生時に使用する複数の言語を示す異常時言語設定情報とを格納する記憶手段と、を備えた画像表示装置の制御方法であって、前記OSDデータ群のうち、表示するOSDデータの言語を設定する、言語設定ステップと、当該画像表示装置の異常が発生したことを検知する異常検知ステップと、前記異常検知ステップにより、前記異常が発生したことを検知した場合に、前記異常を通知する異常発生メッセージを前記表示手段に表示する異常表示ステップと、前記異常表示ステップにより、前記異常発生メッセージが表示される際に、前記異常時言語設定情報に格納された複数の言語設定情報に基づき、第1の時間経過ごとに前記言語を切り替える言語切替ステップと、を有することを特徴とする。
【0013】
本適用例によれば、画像表示装置に異常が発生した場合、異常時言語設定情報に予め格納された複数の言語設定情報に基づき、第1の時間の経過ごとに切換処理により異常発生メッセージの言語を切り替えるので、いずれかの言語を理解できる人が異常発生メッセージを見れば、異常発生の内容を理解でき、発生した異常に対処することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】プロジェクターの回路構成を示すブロック図。
【図2】言語設定メニューを示す図。
【図3】プロジェクター動作中に、異常発生が検知された時の画面遷移を示す図。(a)は日本語、(b)は英語、(c)は中国語での異常発生メッセージを示す。
【図4】プロジェクター起動時に、前回使用時の異常発生が検知された時の画面遷移を示す図。(a)は日本語、(b)は英語、(c)は中国語での異常発生メッセージを示す。
【図5】プロジェクターが投写中に異常発生を検知したときの動作を示すフローチャート。
【図6】プロジェクターがスタンバイ中に電源オン操作を検出したときの動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態であるプロジェクターについて説明する。しかし、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態における特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0016】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のプロジェクターの回路構成を示すブロック図である。
図1に示すように、プロジェクター1は、画像投写手段10、OSD処理手段16、画像信号処理手段17、画像信号入力手段18、制御手段20、記憶手段21、入力操作手段23、光源制御手段25、電源部31、異常検知手段40等で構成されており、これらは図示しない筐体の内部に収容されている。
【0017】
画像投写手段10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動手段14等を含んでいる。画像投写手段10は、光源11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bで変調し、投写レンズ13から投写することによってスクリーンSC等に画像を表示する。画像投写手段10が表示手段に相当する。
【0018】
光源11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R,12G,12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。
光源11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R),緑色(G),青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R,12G,12Bに入射する。
【0019】
液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R,12G,12Bには、マトリックス状に配列された複数の画素(図示せず)が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。
液晶駆動手段14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。
形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によってスクリーンSC等に拡大投写される。
【0020】
本実施形態では、光源11として光源ランプ11aを用いて投写するプロジェクター1を例示したが、本発明は、光源としてLED(Light emitting diode)光源やレーザー光源などを用いて投写するプロジェクターにも適用することができる。なお、本実施形態では、画像投写手段10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを用いた透過型液晶方式の投写光学系を例示したが、反射型液晶表示方式やマイクロミラーデバイス方式(ライトスイッチ表示方式)など、他の表示方式の光変調装置を採用しても良い。
【0021】
制御手段20は、図示しないCPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)等を備え、記憶手段21に記憶されている制御プログラム(図示せず)に従って動作することによりプロジェクター1の動作を統括制御する。つまり、制御手段20は、記憶手段21とともにコンピューターとして機能する。制御手段20は、時間を計時する第1タイマー201、第2タイマー202と、後述する記憶手段21のOSD画像データ210のうち、いずれの言語を使用するかを設定する言語設定手段203とを備える。
【0022】
記憶手段21は、フラッシュメモリーやFeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリー)等の書き換え可能な不揮発性のメモリーにより構成されている。プロジェクター1の動作を制御するための制御プログラムや、プロジェクター1の動作条件等を規定する各種設定データ、メニュー画像やメッセージ画像を表示するためのOSD画像データ210等が記憶されている。
本実施形態では、OSD画像データ210の他に、通常動作時の言語を示す通常時言語設定情報211、異常発生時に表示する複数の言語を示す異常時言語設定情報212と、プロジェクター1に異常が発生したことを示す異常検知フラグ213が保存される。
【0023】
入力操作手段23は、プロジェクター1が、ユーザーからの入力操作を受け付けるものである。入力操作手段23は、図示は省略するが、ユーザーがプロジェクター1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えており、プロジェクター1の筐体外面に備えられる本体キー、または遠隔操作で入力操作を行うリモートコントローラー(リモコン)で構成される。
入力操作手段23が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを交互に切り替えるための電源キーや、画像信号入力手段18に入力される複数の画像入力端子を切り替えるための入力切替キー、各種設定を行うための設定メニューを重畳表示させるメニューキー、メニューからユーザーが設定項目を選択するカーソルキー、決定キー、エスケープキー等がある。
【0024】
ユーザーが入力操作手段23の各種操作キーを操作すると、入力操作手段23は、ユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御手段20に出力する。リモートコントローラーは、ユーザーの操作内容に応じた赤外線等の操作信号を発し、リモコン信号受信手段がこれを受信して制御情報として制御手段20に伝達する。
【0025】
画像信号入力手段18は、複数の画像入力端子を備えており、各画像入力端子より、ビデオ再生装置やパーソナルコンピューター等、外部の画像出力装置から、図示しないケーブルを介して画像情報が入力される。また、画像信号入力手段18は、図示しない無線信号受信手段を備え、無線信号受信手段を介して外部機器と無線通信(電波通信、光無線通信など)することによって画像情報を入力する構成としてもよい。
【0026】
画像信号処理手段17は、画像信号入力手段18から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bの各画素の階調を表す画像情報に変換する。ここで、変換された画像情報は、R,G,Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R,12G,12Bのすべての画素に対応する複数の画素値によって構成されている。画素値とは、対応する画素の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素を透過し射出する光の強弱(階調)が規定される。
【0027】
OSD処理手段16は、制御手段20の指示に基づいて、投写画像上に、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理手段16は、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報(OSDデータ)を、OSDデータ群としてのOSD画像データ210から選択する。
制御手段20が、OSD画像の重畳表示を指示すると、OSD処理手段16は、必要なOSD画像情報をOSD画像データ210から読み出し、投写画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像信号処理手段17から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、液晶駆動手段14に出力される。
なお、制御手段20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理手段16は、画像信号処理手段17から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動手段14に出力する。
【0028】
液晶駆動手段14は、OSD処理手段16から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13から投写される。
【0029】
光源制御手段25は、制御手段20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止とを制御し、光源11の点灯、及び消灯を切り替える。
【0030】
電源部31には、電源端子30を介してAC100V等の電力が外部から供給される。電源部31は、供給された電力(交流電力)を所定の直流電力に変換して、プロジェクター1の各部に電力を供給する。また、電源部31は、制御手段20の指示に基づいて、画像の投写に必要な電力(動作電力)を各部に供給する状態(電源オン状態)と、動作電力の供給を停止して、電源をオンにするための操作を待機する状態(スタンバイ状態)とを切り替えることができる。
【0031】
異常検知手段40は、プロジェクター1に異常が発生したことを検知し、その検知結果を制御手段20に出力する。
【0032】
図2は本実施形態のプロジェクター1のOSD言語設定メニュー画面の一例を示す図である。
図2では、通常時(通常動作時)は日本語で、異常時(異常発生時)は、日本語、英語(English)、中国語(中文)の言語によってOSDが表示されるように設定されており、異常発生時には3つの言語が2秒ごとに切り替わるように設定されている。これらの設定情報は通常時言語設定情報211、及び異常時言語設定情報212に保存される。
【0033】
次に、本実施形態のプロジェクター1の画面遷移の一例を図3、及び図4を用いて説明する。なお、図3、及び図4では図2で示した言語設定がなされているものとする。
図3はプロジェクター1が動作中に異常検知手段40によって異常な温度上昇が検知されたときの画面遷移を示す図である。異常が検知されると、異常時言語設定情報212に保存された表示言語の順に異常発生メッセージが表示される。
【0034】
図3では異常時言語設定情報212に保存された設定により、まず(a)に示すように1番目に設定されている日本語で異常発生メッセージが表示される。(a)のメッセージを表示し2秒経過すると、(b)に遷移し、2番目に設定されている英語により異常発生メッセージが表示される。さらに(b)のメッセージを表示し2秒経過すると、(c)に遷移し、3番目に設定されている中国語により異常発生メッセージが表示される。さらに(c)のメッセージを表示し2秒経過すると、1番目の(a)に遷移し、以降繰り返す。
【0035】
図4はプロジェクター1が起動時に、異常検知フラグ213によって、前回使用時に異常が発生していたことを検知した場合の画面遷移を示す図である。起動時に異常検知フラグ213がセットされていた場合、異常時言語設定情報212に保存された表示言語の順に異常発生メッセージが表示される。
【0036】
図4では異常時言語設定情報212に保存された設定により、まず(a)に示すように1番目に設定されている日本語で異常発生メッセージが表示される。(a)のメッセージを表示し2秒経過すると、(b)に遷移し、2番目に設定されている英語により異常発生メッセージが表示される。さらに(b)のメッセージを表示し2秒経過すると、(c)に遷移し、3番目に設定されている中国語により異常発生メッセージが表示される。さらに(c)のメッセージを表示し2秒経過すると、1番目の(a)に遷移し、以降繰り返す。
なお、図4(b)、図4(c)では異常発生メッセージの最初の行が日本語になっているが、実際にはそれぞれ、英語、中国語で表示される。また、図3、及び図4では発生した異常の種類(警告の種類)と簡単なチェック項目のみ表示しているが、実際には発生した異常への対処方法を示す詳細な文章や、チェックする箇所を示すイラストなどが表示されることが好ましい。
【0037】
次に、本実施形態のプロジェクター1の動作を図5、及び図6のフローチャートを用いて説明する。
【0038】
(投写中に異常を検知した場合の動作)
図5に示すように、プロジェクター1が投写中に、異常検知手段40により異常発生が検知されると(ステップS101)、制御手段20は異常検知フラグ213をセットし(ステップS102)、ステップS103に遷移する。
【0039】
ステップS103において制御手段20は、第2タイマー202による計時をスタートし、ステップS105に遷移する。
【0040】
ステップS105において言語設定手段203は、異常時言語設定情報212の1番目の言語(図2の例では日本語)に設定し、ステップS106に遷移する。
【0041】
ステップS106において制御手段20は、画像投写手段10から異常が発生したことを示す異常発生メッセージを投写し、ステップS107に遷移する。このときの異常発生メッセージを図3に示す。
【0042】
ステップS107において制御手段20は、第1タイマー201による計時をスタートし、ステップS108に遷移する。
【0043】
ステップS108において制御手段20は、入力操作手段23より電源オフ操作を検出したか否かを調べる。電源オフ操作を検出した場合(ステップS108:Y)、ステップS114に遷移する。電源オフ操作を検出していない場合(ステップS108:N)、ステップS109に遷移する。
【0044】
ステップS109において制御手段20は、第2タイマー202が時間T2(例えば30秒)を経過したか否かを調べる。第2タイマー202が時間T2を経過した場合(ステップS109:Y)、ステップS115に遷移する。第2タイマー202が時間T2を経過していない場合(ステップS109:N)、ステップS110に遷移する。
【0045】
ステップS110において制御手段20は、入力操作手段23より所定の切替操作(例えばカーソルキー)を検出したか否かを調べる。切替操作を検出した場合(ステップS110:Y)、ステップS112に遷移する。切替操作を検出していない場合(ステップS110:N)、ステップS111に遷移する。
【0046】
ステップS111において制御手段20は、第1タイマー201が第1の時間としての時間T1(例えば2秒)を経過したか否かを調べる。第1タイマー201が時間T1を経過した場合(ステップS111:Y)、ステップS113に遷移する。第1タイマー201が時間T1を経過していない場合(ステップS111:N)、ステップS108に遷移する。
【0047】
ステップS112において制御手段20は、第1タイマー201、及び第2タイマー202による計時を停止し、ステップS113に遷移する。
【0048】
ステップS113において言語設定手段203は、異常時言語設定情報212の次の言語に切り替えて設定し、ステップS106に遷移する。なお、図2では異常時の言語は3種なので、3番目の中国語を表示していた場合は1番目の日本語に戻る。
【0049】
ステップS114において制御手段20は、異常検知フラグ213をクリアし、ステップS115に遷移する。
【0050】
ステップS115において制御手段20は、光源制御手段25により、光源11を消灯し、ステップS116に遷移する。
【0051】
ステップS116において制御手段20は、プロジェクター1をスタンバイ状態に移行させ、本動作フローを終了する。
【0052】
(スタンバイ中に電源オン操作を検出したときの動作)
図6に示すように、プロジェクター1がスタンバイ中に、入力操作手段23の電源キー入力などによる電源オン操作を検出すると(ステップS201)、言語設定手段203は通常時言語設定情報211に保存された言語に設定し(ステップS202)、ステップS203に遷移する。
【0053】
ステップS203において制御手段20は、異常検知フラグ213がセットされているか否かを調べる。異常検知フラグ213がセットされている場合(ステップS203:Y)、ステップS205に遷移する。異常検知フラグ213がセットされていない場合、即ちクリアされている場合(ステップS203:N)、ステップS217に遷移する。
【0054】
ステップS205において言語設定手段203は、異常時言語設定情報212の1番目の言語(図2では日本語)に設定し、ステップS206に遷移する。
【0055】
ステップS206において制御手段20は、画像投写手段10より前回使用時に異常が発生していたことを示す異常発生メッセージを投写し、ステップS207に遷移する。このときの異常発生メッセージを図4に示す。
【0056】
ステップS207において制御手段20は、第1タイマー201による計時をスタートし、ステップS208に遷移する。
【0057】
ステップS208において制御手段20は、入力操作手段23より所定の確認操作(例えば決定キー)を検出したか否かを調べる。確認操作を検出した場合(ステップS208:Y)、ステップS213に遷移する。確認操作を検出していない場合(ステップS208:N)、ステップS209に遷移する。
【0058】
ステップS209において制御手段20は、入力操作手段23より所定の切替操作(例えばカーソルキー)を検出したか否かを調べる。切替操作を検出した場合(ステップS209:Y)、ステップS210に遷移する。切替操作を検出していない場合(ステップS209:N)、ステップS211に遷移する。
【0059】
ステップS210において制御手段20は、第1タイマー201による計時を停止し、ステップS212に遷移する。
【0060】
ステップS211において制御手段20は、第1タイマー201が時間T1(例えば2秒)を経過したか否かを調べる。第1タイマー201が時間T1を経過した場合(ステップS211:Y)、ステップS212に遷移する。第1タイマー201が時間T1を経過していない場合(ステップS211:N)、ステップS208に遷移する。
【0061】
ステップS212において制御手段20は、異常時言語設定情報212の次の言語に切り替えて設定し、ステップS206に遷移する。なお、図2では異常時の言語は3種なので、3番目の中国語を表示していた場合は1番目の日本語に戻る。
【0062】
ステップS213において言語設定手段203は、通常動作時に設定される通常時言語設定情報211の言語に設定し、ステップS214に遷移する。
【0063】
ステップS214において制御手段20は、画像投写手段10により投写されていた異常発生メッセージを消去(投写中止)し、ステップS215に遷移する。
【0064】
ステップS215において制御手段20は、異常検知フラグ213をクリアし、ステップS216に遷移する。
【0065】
ステップS216において制御手段20は、第1タイマー201による計時を停止し、ステップS217に遷移する。
【0066】
ステップS217において制御手段20は、画像信号入力手段18に入力される画像信号に基づく画像データを画像投写手段10より投写開始し、プロジェクター1を通常動作状態に移行する。
【0067】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、プロジェクター1に異常が発生した場合、異常時言語設定情報212に予め格納された複数の言語設定情報に基づき、時間T1の経過ごとに切換処理により異常発生メッセージの言語を切り替えるので、いずれかの言語を理解できる人が異常発生メッセージを見れば、異常発生の内容を理解でき、発生した異常に対処することが可能となる。
【0068】
また、プロジェクター1に異常が発生し、時間T1の経過ごとに異常発生メッセージの言語を切り替えて表示しているときに、所定の切替操作を受け付けることにより、時間T1の経過ごとに行う言語の切替処理に代えて、切替操作によって言語を切り替える。これにより、切替操作を受け付けるたびに異常発生メッセージの言語を切り替えるので、時間T1を経過しても他の言語に切り替わることがなく、異常発生メッセージが、理解できる言語で表示された状態に留めることが可能となる。
【0069】
また、プロジェクター1は、異常発生メッセージを表示している状態において、異常発生状後が時間T2を経過して、電源がオフされた場合、次回起動時に、異常検知フラグ213がセットされていれば、異常が発生していたことを検知し、最後に発生した異常についての異常発生メッセージを、言語を切り替えながら表示する。これにより、異常が発生したときに認知されず、異常発生を知らずに電源が遮断されたような場合でも、次回起動時には異常発生メッセージをいずれかの言語により表示し、発生した異常を理解することが可能となる。
【0070】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
(変形例1)
上記実施形態では、異常発生時に、予め設定された複数の言語を切替ながら、異常発生メッセージを表示するようにしているが、各メッセージに対応した音声ガイダンスデータを備え、メッセージと同時に出力するようにしてもよい。これにより、異常発生時に表示手段が正しく表示できない状態でも、いずれかの言語の音声により、異常発生を確認させることが可能となる。
【符号の説明】
【0071】
1…プロジェクター、10…画像投写手段、11…光源、12R、12G、12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動手段、16…OSD処理手段、17…画像信号処理手段、18…画像信号入力手段、20…制御手段、201…第1タイマー、202…第2タイマー、21…記憶手段、210…OSD画像データ、211…通常時言語設定情報、212…異常時言語設定情報、213…異常検知フラグ、23…入力操作手段、25…光源制御手段、30…電源端子、31…電源部、40…異常検知手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力する画像情報に応じた画像を表示手段に表示する画像表示装置であって、
複数の、言語ごとのOSDデータからなるOSDデータ群と、前記OSDデータ群のうち、通常使用する言語を示す通常時言語設定情報、及び異常発生時に使用する複数の言語を示す異常時言語設定情報を格納する記憶手段と、
前記OSDデータ群のうち、表示するOSDデータの言語を設定する、言語設定手段と、
当該画像表示装置の異常が発生したことを検知する異常検知手段と、
前記異常検知手段により、前記異常が発生したことを検知した場合に、前記異常を通知する異常発生メッセージを前記表示手段に表示する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記異常時言語設定情報に格納された複数の言語設定情報に基づき、第1の時間の経過ごとに切替処理により前記言語を切り替える、
ことを特徴とする、画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置であって、
入力操作を受け付ける入力操作手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記異常発生メッセージの表示中に前記入力操作手段により、所定の切替操作を受け付けた場合、前記第1の時間の経過ごとに行う前記切替処理に代えて、前記切替操作によって前記言語を切り替える、
ことを特徴とする、画像表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像表示装置であって、
前記記憶手段は、前記異常検知手段によって前記異常が検知された場合にセットされる異常検知フラグをさらに備え、
前記制御手段は、前記異常発生メッセージを表示している状態において、
(1)所定の電源オフ操作を受け付けた時に前記異常検知フラグをクリアし、
(2)第2の時間が経過した場合に当該画像表示装置の電源をオフし、
前記制御手段は、当該画像表示装置が電源をオンされたたときに、前記異常検知フラグがセットされていた場合、前記異常発生メッセージを、前記言語を切り替えながら前記表示手段に表示する、
ことを特徴とする、画像表示装置。
【請求項4】
入力する画像情報に応じた画像を表示する表示手段と、
複数の言語ごとのOSDデータ群と、前記OSDデータ群のうち、通常使用する言語を示す通常時言語設定情報、及び異常発生時に使用する複数の言語を示す異常時言語設定情報を格納する記憶手段と、
を備えた画像表示装置の制御方法であって、
前記OSDデータ群のうち、表示するOSDデータの言語を設定する、言語設定ステップと、
当該画像表示装置の異常が発生したことを検知する異常検知ステップと、
前記異常検知ステップにより、前記異常が発生したことを検知した場合に、前記異常を通知する異常発生メッセージを前記表示手段に表示する異常表示ステップと、
前記異常表示ステップにより、前記異常発生メッセージが表示される際に、前記異常時言語設定情報に格納された複数の言語設定情報に基づき、第1の時間が経過するごとに前記言語を切り替える言語切替ステップと、
を有することを特徴とする、画像表示装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−109261(P2013−109261A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255861(P2011−255861)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】