説明

画像表示装置及び画像表示装置の制御方法

【課題】画像の画質を常に精度よく調整することができる画像表示装置を提供する。
【解決手段】画像表示装置100は、画像信号を取得する入力画像制御部170と、画像信号に基づく画像の画質を調整する画質調整部180と、画像信号に基づく画像を表示するための画像出力部190と、自装置の周辺の照度を測定し、該照度を表す第1照度を出力するセンサー121と、他の装置に備えられたセンサーが測定した照度を表す情報を受信し、該照度を表す第2照度を出力する受信部110と、履歴における第1照度と履歴における第2照度とが近似しているか否かに応じて、第1照度又は第2照度を選択し、選択した該照度に基づいて、画質調整部180を制御するMPU160と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置及び画像表示装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
筐体の天面の照明センサーにより周囲の照度を測定し、測定した照度に基づいて、光源から射出される光の強さ及び画像の画質を調整する画像表示装置(プロジェクター)が知られている。この画像表示装置が棚などに収納された状態で使用された場合、照明センサーに入射する外光が遮蔽されてしまうため、照明センサーは、周囲の照度を測定することができないという問題がある。
【0003】
また、リモートコントローラーが照明センサーを備えている画像投影システムも知られている(特許文献1参照)。このリモートコントローラーは、自らが備える照明センサーが測定した照度を画像表示装置に送信する。特許文献1に開示された画像表示装置は、画像表示装置が棚などに収納されたことで画像表示装置に入射する外光が遮蔽されている場合でも、リモートコントローラーから受信した照度に基づいて、光源から射出される光の強さ(発光量)を調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−244671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、画像表示装置は、ユーザーによる持ち運びが可能であるため、棚などに常に収納された状態で使用されるとは限らない。外光が遮蔽されている場所で画像表示装置が使用されなければ、画像表示装置が備える照明センサーのほうが、リモートコントローラーが備える照明センサーよりも周辺の照度を正しく測定できる場合もある。このような場合、画像表示装置は、画像表示装置が備える照明センサーが測定した照度に基づくほうが、リモートコントローラーが備える照明センサーが測定した照度に基づくよりも、光源の発光量及び画像の画質を精度よく調整できる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された画像表示装置は、リモートコントローラーが備える照明センサーが測定した照度のみに基づいて、光源の発光量を調整していた。このため、特許文献1に開示された画像表示装置は、光源の発光量を精度よく調整することができない場合があった。したがって、このような画像表示装置において、リモートコントローラーが備える照度センサーが測定した照度のみに基づいて、画像の画質を調整するようにした場合、適切に調整することができない場合がある。
【0007】
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、光源の発光量及び画像の画質を常に精度よく調整することができる画像表示装置及び画像表示装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、画像信号を取得する入力画像制御部と、前記画像信号が表す画像の画質を調整する画質調整部と、前記画質調整部で調整された画像信号に基づく画像を表示するための画像出力部と、自装置の周辺の照度を測定し、該照度を表す第1照度を出力する第1センサーと、他の装置に備えられた第2センサーが測定した照度を表す情報を第2照度として受信する受信部と、前記第1照度及び前記第2照度を履歴として記憶するメモリーと、前記履歴における前記第1照度と前記履歴における前記第2照度とを比較した結果に応じて、前記第1照度又は前記第2照度を選択し、選択した該照度に基づいて、前記画質調整部を制御する制御部と、を備えることを特徴とする画像表示装置である。
画像表示装置は、自装置のセンサーが測定した第1照度、又はリモートコントローラーのセンサーが測定した第2照度を選択し、選択した照度に基づいて画質調整部を制御するので、これにより、画像の画質を常に精度よく調整することができる。また、画像表示装置は、片方のセンサーが有効に機能しない状況においても、その状況をユーザーに意識させることなく、画像の画質を常に精度よく調整することができる。
【0009】
また、本発明は、前記制御部が、前記履歴における前記第1照度と前記履歴における前記第2照度との差が所定の値のより小さい場合、前記第2照度を選択することを特徴とする画像表示装置である。
画像表示装置は、自装置のセンサー及びリモートコントローラーのセンサーのいずれも周辺の照度を測定できる場合、リモートコントローラーのセンサーが測定した第2照度を優先し、この第2照度に基づいて光源の発光量を制御するので、これにより、画像の画質を常に精度よく調整することができる。
【0010】
また、本発明は、前記制御部が、前記履歴における前記第1照度と前記履歴における前記第2照度との差が所定の値より大きく、且つ、前記履歴における前記第1照度の変化が前記履歴における前記第2照度の変化よりも少ない場合、前記第2照度を選択することを特徴とする画像表示装置である。
画像表示装置は、自装置のセンサーが周辺の照度を測定できない場合、リモートコントローラーのセンサーが測定した照度に基づいて光源の発光量を制御するので、これにより、画像の画質を常に精度よく調整することができる。
【0011】
また、本発明は、前記制御部が、前記履歴における前記第1照度と前記履歴における前記第2照度との差が所定の値より大きく、且つ、前記履歴における前記第2照度の変化が前記履歴における前記第1照度の変化よりも少ない場合、前記第1照度を選択することを特徴とする画像表示装置である。
画像表示装置は、リモートコントローラーのセンサーが周辺の照度を測定できない場合、自装置のセンサーが測定した照度に基づいて光源の発光量を制御するので、これにより、画像の画質を常に精度よく調整することができる。
【0012】
また、本発明は、前記制御部が、前記履歴における前記第1照度と前記履歴における前記第2照度との差が所定の値より大きく、且つ、前記履歴における前記第2照度の変化が所定の値よりも大きい又は変化の間隔が予め定められた時間間隔よりも小さい場合、前記第1照度を選択することを特徴とする画像表示装置である。
画像表示装置は、リモートコントローラーのセンサーがスクリーンの投写面を向いている等の理由により周辺の照度を測定できない場合、自装置のセンサーが測定した照度に基づいて光源の発光量を制御するので、これにより、画像の画質を常に精度よく調整することができる。
【0013】
また、本発明は、前記画質調整部が調整した画像信号に基づく画像を表示するための光源を有する光源部を備え、前記光源部が、前記制御部が選択した前記第1照度又は前記第2照度に基づいて、前記光源の発光量を調整することを特徴とする画像表示装置である。
画像表示装置は、自装置のセンサーが測定した照度、又はリモートコントローラーのセンサーが測定した照度を選択するので、これにより、選択した照度に基づいて光源の発光量を常に精度よく調整することができる。また、画像表示装置は、片方のセンサーが有効に機能しない状況においても、その状況をユーザーに意識させることなく、光源の発光量を常に精度よく調整することができる。
【0014】
また、本発明は、入力画像の画質を調整する画質調整部と、前記画質調整部で調整された画像信号に基づく画像を表示するための画像出力部と、を備えた画像表示装置における制御方法であって、前記画像表示装置に備えられた第1センサーによって周辺の照度を測定し、該照度を表す第1照度を出力し、他の装置に備えられた第2センサーが測定した照度を表す情報を第2照度として受信し、前記第1照度及び前記第2照度を履歴として記憶し、前記履歴における前記第1照度と前記履歴における前記第2照度との差が所定の値より小さいか否かに応じて、前記第1照度又は前記第2照度を選択し、選択した該照度に基づいて、前記画質調整部を制御することを特徴とする画像表示装置の制御方法である。
画像表示装置は、自装置のセンサーが測定した照度、又はリモートコントローラーのセンサーが測定した照度を選択するので、これにより、選択した照度に基づいて画質を常に精度よく調整することができる。また、画像表示装置は、片方のセンサーが有効に機能しない状況においても、その状況をユーザーに意識させることなく、画質を常に精度よく調整することができる。
【0015】
本発明によれば、画像表示装置は、自装置のセンサーが測定した照度、又はリモートコントローラーのセンサーが測定した照度を選択し、選択した照度に基づいて光源の発光量及び画像の画質を制御するので、これにより、光源の発光量及び画像の画質を常に精度よく調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態における、画像表示装置の構成を表すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態における、センサーの配置、及び操作部の操作ボタンの配置を表す図である。
【図3】本発明の一実施形態における、照度IDと照度範囲との対応関係を表す照度ID対応テーブルである。
【図4】本発明の一実施形態における、画像出力部の構成を表す図である。
【図5】本発明の一実施形態における、リモートコントローラーの構成を表すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態における、センサーの配置、及び操作部の操作ボタンの配置を、リモートコントローラーの上面側から表す図である。
【図7】本発明の一実施形態における、センサーの配置、及び操作部の操作ボタンの配置を、リモートコントローラーの天面側から表す図である。
【図8】本発明の一実施形態における、オート・カラー・オプティマイザー実行ボタンが押下された場合のリモートコントローラーの動作手順を表すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態における、オート・カラー・オプティマイザー機能を実行中であるリモートコントローラーの動作手順を表すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態における、カラーモード・ボタンが押下された場合のリモートコントローラーの動作手順を表すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態における、オート・カラー・オプティマイザー実行ボタンの押下が通知された場合の画像表示装置の動作手順を表すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態における、カラーモード・ボタンの押下が通知された場合の画像表示装置の動作手順を表すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態における、リモートコントローラーから照度IDが通知された場合の画像表示装置の動作手順を表すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施形態における、取得タイマーがタイムアウトした場合の画像表示装置の動作手順を表すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態における、オート・カラー・オプティマイザー機能を実行中である画像表示装置が、履歴における照度IDを選択する手順を表すフローチャートである。
【図16】本発明の一実施形態における、画像表示装置のセンサーが周辺の照度を測定出来ていないと画像表示装置が判定する場合の履歴における照度IDを表す図である。
【図17】本発明の一実施形態における、リモートコントローラーのセンサーが周辺の照度を測定出来ていないと画像表示装置が判定する場合の履歴における照度IDの第1例を表す図である。
【図18】本発明の一実施形態における、リモートコントローラーのセンサーが周辺の照度を測定出来ていないと画像表示装置が判定する場合の履歴における照度IDの第2例を表す図である。
【図19】本発明の一実施形態における、画像表示装置のセンサー、及びリモートコントローラーのセンサーが、それぞれの周辺の照度を測定出来ていると画像表示装置が判定する場合の履歴における照度IDの例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の一実施形態における画像表示システムは、画像表示装置(例えば、液晶表示装置、プロジェクター)と、リモートコントローラー(リモコン)とを備える。画像表示装置は、入力された画像信号に所定の画質調整を施し、画質調整後の画像信号に基づく画像を、光源から射出された光によりスクリーンに投写する。スクリーンに画像を投写する際、画像表示装置は、センサーが測定した照度に基づいて、光源の発光量、及び画像の画質を精度よく調整する。
【0018】
まず、画像表示装置の構成について説明する。
図1には、画像表示装置の構成がブロック図により表されている。画像表示装置100は、受信部110と、操作部120と、センサー121と、RAM(Random Access Memory)130と、ROM(Read Only Memory)140と、NVRAM(Non Volatile RAM)150と、MPU(Micro Processing Unit、マイクロプロセッサ)160と、入力画像制御部170と、画質調整部180と、画像出力部190とを備える。
【0019】
受信部110は、センサーが測定した照度を表す情報(照度ID)を、リモートコントローラーから赤外線により受信し、この情報をMPU160に出力する。ここで、照度IDとは、センサーが測定した照度が属する照度範囲を識別するための識別情報(ID)である。例えば、照度範囲0〜19[ルクス]には、照度ID0が識別情報として割り当てられる。また、例えば、照度範囲20〜24[ルクス]には、照度ID1が識別情報として割り当てられる。
【0020】
また、受信部110は、リモートコントローラーへの操作入力に応じたボタン押下情報を、そのリモートコントローラーから赤外線により受信し、受信したボタン押下情報をMPU160に出力する。例えば、受信部110は、オート・カラー・オプティマイザー実行ボタン(図7を用いて後述する)が押下操作されたことを表す情報(キーコード)を、リモートコントローラーから赤外線により受信し、この情報をMPU160に出力する。また、受信部110は、カラーモード・ボタン(図7を用いて後述する)が押下操作されたことにより指定されたカラーモードを表す情報(キーコード)を、リモートコントローラーから赤外線により受信し、この情報をMPU160に出力する。
【0021】
操作部120は、ユーザーが操作入力をするための操作ボタンを有するパネルであり、画像表示装置100の天面に備えられる。操作部120は、ボタン押下などの操作入力を受け付け、この操作入力に応じたボタン押下情報をMPU160に出力する。例えば、操作部120は、光源の発光量、及び画像の画質を調整(Visual setup)するための画質調整パラメーターを指定する操作入力を受け付ける。また、操作部120は、カラーモード(例えば、ダイナミックモード、リビングモード、又はシアターモード)を指定するための操作入力を受け付ける。また、操作部120は、画像信号が入力される画像入力系統(Source)を指定するための操作入力を受け付ける。また、操作部120は、出力する音声の音量(Volume)を調整するための操作入力を受け付ける。また、操作部120は、操作メニュー画面(Menu)を表示させるための操作入力を受け付ける。
【0022】
センサー121は、画像表示装置100の周辺(測定範囲)の照度を測定し、測定した照度を表す情報をMPU160に出力する。図2には、センサーの配置、及び操作部の操作ボタンの配置が表されている。センサー121は、画像表示装置100の天面に備えられる。これにより、センサー121は、画像表示装置100の天面に入射する外光(周辺外光)による、画像表示装置100の周辺の照度を測定することができる。ただし、画像表示装置100が棚などに収納された状態で使用されている場合には、画像表示装置100の天面に入射する外光が遮蔽されることがある。
【0023】
図1に戻り、画像表示装置の構成の説明を続ける。NVRAM150は、不揮発性RAMであり、操作入力によりユーザーが指定した画質調整パラメーターの値を記憶する。RAM130は、ワークメモリーと、フレームメモリーとを備える。ワークメモリーには、プログラムを実行する際に生成される各種のデータが記憶される。また、フレームメモリーには、入力画像制御部170に入力された画像信号に基づく画像フレームデータが一時記憶される。
【0024】
ROM140は、画像表示装置100を動作させるためのプログラムを記憶する。このプログラムは、画像表示装置100の起動時にRAM130のワークメモリーに展開される。また、ROM140は、画質調整パラメーターの値を色調モード毎に予め記憶する。色調モード毎の画質調整パラメーターとしては、例えば、光源の発光量(明るさ)、及び画質(カラーモード、ブライトネス、コントラスト、色合い、色の濃さ、シャープネス、及び色温度など)がある。
【0025】
また、ROM140は、照度IDと照度範囲との対応関係を予め記憶する。図3には、照度IDと照度範囲との対応関係が、照度ID対応テーブルにより表されている。以下では、一例として、照度ID0には、照度範囲0〜19[ルクス]が対応する。また、照度ID1には、照度範囲20〜24[ルクス] が対応する。また、照度ID2には、照度範囲25〜29[ルクス] が対応する。また、照度ID3には、照度範囲30〜64[ルクス] が対応する。また、照度ID4には、照度範囲65〜80[ルクス] が対応する。また、照度ID5には、照度範囲81〜96[ルクス] が対応する。また、照度ID6には、照度範囲97〜192[ルクス] が対応する。また、照度ID7には、照度範囲193〜240[ルクス] が対応する。また、照度ID8には、照度範囲241〜288[ルクス] が対応する。また、照度ID9には、照度範囲289〜480[ルクス] が対応する。また、照度ID10には、照度範囲481〜600[ルクス] が対応する。また、照度ID11には、照度範囲601〜720[ルクス] が対応する。また、照度ID12には、照度範囲721〜測定最大値[ルクス] が対応する。
【0026】
また、照度ID0は、色調モード0の確定範囲である。すなわち、センサーにより測定された照度が、色調モード0の確定範囲にある場合、画像表示装置100は、色調モード0に対応する画質調整パラメーターの値に基づいて、光源の発光量及び画像の画質を調整する。同様に、照度ID3は、色調モード1の確定範囲である。また、照度ID6は、色調モード2の確定範囲である。また、照度ID9は、色調モード3の確定範囲である。また、照度ID12は、色調モード4の確定範囲である。このように、センサーにより測定された照度が確定範囲にある場合、色調モードは、その確定範囲に対応する色調モードに切り替わる。
【0027】
一方、照度ID1、2、4、5、7、8、10及び11に対応する照度範囲は、それぞれヒステリシスの不感帯である。センサーにより測定された照度がヒステリシスの不感帯にある場合、色調モードは切り替わらない。
【0028】
図1に戻り、画像表示装置の構成の説明を続ける。MPU160には、リモートコントローラーへの操作入力に応じたボタン押下情報と、リモートコントローラーが備えるセンサーが測定した照度に基づく照度IDとが、受信部110から入力される。また、MPU160は、センサー121が測定した照度を表す情報を、センサー121から取得する。
【0029】
また、MPU160は、受信部110から入力されたボタン押下情報に基づいて、オート・カラー・オプティマイザー(Auto Color Optimizer)機能を実行する。ここで、オート・カラー・オプティマイザー機能とは、センサーが測定した照度に応じて、画像表示装置が色調モードを最適に選択する機能、すなわち、画像表示装置が光源の発光量及び画像の画質を最適に調整する機能である。また、MPU160は、照度を表す情報をセンサー121から一定周期(例えば、100[ms]周期)で取得するための取得タイマーを、起動(オン)又は停止(オフ)させる。
【0030】
また、MPU160には、操作部120への操作入力に応じたボタン押下情報が、操作部120から入力される。MPU160は、ボタン押下情報に基づいて、入力画像制御部170が有する複数の画像入力系統(例えば、ビデオ(Video)、DVD/USB(Digital Versatile Disc/Universal Serial Bus))から、画像信号を取得する画像入力系統を選択する。
【0031】
MPU160は、NVRAM150にアクセスし、ユーザーが指定した画質調整パラメーターの値を取得して、画質調整部180に出力する。また、MPU160は、受信部110又は操作部120からのボタン押下情報が表すカラーモードに対応する色調モードの画質調整パラメーターの値を、ROM140から取得して画質調整部180に出力する。
【0032】
ここで、カラーモード「DVD/USB」には、例えば、色調モード2が対応する。また、カラーモード「ビデオ」には、例えば、色調モード3が対応する。
【0033】
MPU160は、受信部110から入力された照度IDを、リモートコントローラーからの照度IDの履歴として、RAM130のワークメモリーに記憶させる。一方、MPU160は、センサー121が測定した照度が属する照度範囲に対応する照度IDを、照度を表す情報と対応関係(図3を参照)とに基づいて求め、求めた照度IDを画像表示装置100の照度IDの履歴として、RAM130のワークメモリーに記憶させる。
【0034】
MPU160は、履歴における画像表示装置100の照度IDと、履歴におけるリモートコントローラーからの照度IDとが近似しているか否かを判定する。MPU160は、この判定に応じて、履歴における画像表示装置100の照度ID、又は履歴におけるリモートコントローラーからの照度IDを選択する。
【0035】
画像表示装置100は、自装置のセンサーが測定した第1照度、又はリモートコントローラーのセンサーが測定した第2照度を選択し、選択した照度に基づいて光源の発光量及び画像の画質を制御するので、これにより、光源の発光量及び画像の画質を常に精度よく調整することができる。また、画像表示装置100は、片方のセンサーが有効に機能しない状況においても、その状況をユーザーに意識させることなく、光源の発光量及び画像の画質を常に精度よく調整することができる。
【0036】
より具体的には、MPU160は、履歴における画像表示装置100の照度IDと、履歴におけるリモートコントローラーからの照度IDとが近似していない場合、履歴における照度IDを次のように選択する。
【0037】
MPU160は、履歴における画像表示装置100の照度IDの変化が、履歴におけるリモートコントローラーの照度IDの変化よりも少ない場合(図16を用いて後述する)、画像表示装置100のセンサー121が周辺の照度を正しく測定出来ていないと判定し、履歴におけるリモートコントローラーからの照度IDを選択する。ここで、履歴における照度IDの変化が少ないか否かは、例えば、照度IDの前回の変化から今回の変化までの時間間隔(頻度)の比較に基づいて判定されてもよい。また、履歴における照度IDの変化が少ないか否かは、例えば、照度IDの変化量の比較に基づいて判定されてもよい。
【0038】
画像表示装置100は、自装置のセンサー121が周辺の照度を測定できない場合、リモートコントローラーのセンサーが測定した照度に基づいて光源の発光量及び画像の画質を制御するので、これにより、光源の発光量及び画像の画質を常に精度よく調整することができる。
【0039】
また、MPU160は、履歴におけるリモートコントローラーからの照度IDの変化が、履歴における画像表示装置100の照度IDの変化よりも少ない場合(図17を用いて後述する)、リモートコントローラーのセンサーが周辺の照度を正しく測定出来ていないと判定し、履歴における画像表示装置100の照度IDを選択する。
【0040】
画像表示装置100は、リモートコントローラーのセンサーが周辺の照度を測定できない場合、自装置のセンサー121が測定した照度に基づいて光源の発光量及び画像の画質を制御するので、これにより、光源の発光量及び画像の画質を常に精度よく調整することができる。
【0041】
また、MPU160は、履歴におけるリモートコントローラーからの照度IDの変化が、予め定められた閾値よりも大きい又は予め定められた時間間隔よりも頻繁である場合(図18を用いて後述する)、リモートコントローラーのセンサーがスクリーンの投写面に向いているなどの理由により周辺の照度を正しく測定出来ていないと判定し、履歴における画像表示装置100の照度IDを選択する。
【0042】
画像表示装置100は、リモートコントローラーのセンサーがスクリーンの投写面を向いている等の理由により周辺の照度を測定できない場合、自装置のセンサー121が測定した照度に基づいて光源の発光量及び画像の画質を制御するので、これにより、光源の発光量及び画像の画質を常に精度よく調整することができる。
【0043】
一方、MPU160は、履歴における画像表示装置100の照度IDと、履歴におけるリモートコントローラーからの照度IDとが近似している場合(図19を用いて後述する)、画像表示装置100のセンサー121、及びリモートコントローラーのセンサーが、それぞれの周辺の照度を正しく測定出来ていると判定し、履歴におけるリモートコントローラーからの照度IDを優先して選択する。
【0044】
画像表示装置は、自装置のセンサー121及びリモートコントローラーのセンサーのいずれも周辺の照度を測定できる場合、リモートコントローラーのセンサーが測定した第2照度を優先し、この第2照度に基づいて光源の発光量及び画像の画質を制御するので、これにより、光源の発光量及び画像の画質を常に精度よく調整することができる。
【0045】
MPU160は、履歴における選択した照度IDに対応する色調モードの画質調整パラメーターの値を、ROM140から取得して画質調整部180及び画像出力部190に出力する。MPU160は、履歴における選択した該照度IDに基づく画質調整パラメーターにより、画像出力部190が有する光源(図4を用いて後述する)の発光量を制御する。また、MPU160は、履歴における該選択した照度IDに基づく画質調整パラメーターの値により、画質調整部180に所定の画質調整を実行させる。
【0046】
入力画像制御部170は、複数の画像入力系統を有する。入力画像制御部170は、MPU160により選択された画像入力系統から画像信号を取得し、取得した画像信号を画質調整部180に出力する。
【0047】
画質調整部180には、色調モードに対応する画質調整パラメーターと、ユーザーが指定した画質調整パラメーターの値とが、MPU160から入力される。また、画質調整部180には、入力画像制御部170から画像信号が入力される。画質調整部180は、各画質調整パラメーターの値に基づいて、画像信号に所定の画質調整を施し、画質調整後の画像信号を画像出力部190に出力する。
【0048】
画像表示装置100は、自装置のセンサー121が測定した照度、又はリモートコントローラーのセンサーが測定した照度を選択するので、これにより、選択した照度に基づいて画質を常に精度よく調整することができる。また、画像表示装置100は、片方のセンサーが有効に機能しない状況においても、その状況をユーザーに意識させることなく、画質を常に精度よく調整することができる。
【0049】
画像出力部190には、画質調整後の画像信号が画質調整部180から入力される。画像信号出力デバイス140は、入力された画像信号に応じた画像をスクリーンに投写する。 図4には、画像出力部の構成例がブロック図により表されている。画像出力部190は、照明部10と、画像投写部50とを備える。照明部10は、光源部11と、第1フライアイレンズ12と、第2フライアイレンズ13とを有する。光源部11は、光源14と、リフレクター15とを有する。
【0050】
光源14は、赤色光LRと、青色光LBと、緑色光LGとを、それぞれ独立に射出する。リフレクター15は、光源14が射出した光を反射する。フライアイレンズ12及び13は、複数のレンズ16及び17を有し、光源14が射出した光の照度分布を、画像投写部50において均一化させる。
【0051】
画像投写部50は、色分離合成部20と、投写光学系40とを有する。色分離合成部20は、ダイクロイックミラー21及び22と、反射ミラー23〜25と、リレーレンズ26〜28と、透過型液晶ライトバルブ30〜32と、クロスダイクロイックプリズム33とを有する。
【0052】
光源14が射出した光は、色分離合成部20に入射する。ここで、光源14が射出した光は、色分離合成部20の透過型液晶ライトバルブ(光変調素子)30〜32において、フライアイレンズ12及び13によって照度分布が均一化されている。
【0053】
ダイクロイックミラー21及び22は、所定の色光を選択的に反射し、それ以外の波長の光を透過する。例えば、ダイクロイックミラー21及び22は、ガラス表面に誘電体多層膜が積層されることにより製造されてもよい。
【0054】
ダイクロイックミラー21は、光源14が射出した光のうち、赤色光LRを透過させるとともに、青色光LB及び緑色光LGを反射する。また、ダイクロイックミラー22は、ダイクロイックミラー21が反射した青色光LBを透過させるとともに、緑色光LGを反射する。
【0055】
このようにして、光源14が射出した赤色光LRは、ダイクロイックミラー21を透過した後、反射ミラー25により反射され、赤色光用透過型液晶ライトバルブ30に入射される。また。光源14が射出した緑色光LGは、ダイクロイックミラー22により反射され、緑色光用透過型液晶ライトバルブ31に入射される。また、光源14が射出した青色光LBは、ダイクロイックミラー22を透過し、リレーレンズ26と、反射ミラー23と、リレーレンズ27と、反射ミラー24と、リレーレンズ28とからなるリレー系29を経て、青色光用透過型液晶ライトバルブ32に入射される。
【0056】
透過型液晶ライトバルブ30〜32は、光変調素子である。透過型液晶ライトバルブ30により変調された赤色光LRは、クロスダイクロイックプリズム33に入射する。また、透過型液晶ライトバルブ31により変調された緑色光LGは、赤色光LRと異なる方向からクロスダイクロイックプリズム33に入射する。また、透過型液晶ライトバルブ32により変調された青色光LBは、赤色光LR及び緑色光LGと異なる方向からクロスダイクロイックプリズム33に入射する。
【0057】
クロスダイクロイックプリズム33は、直角プリズムが貼り合わされた構造を有し、その構造の内面には、赤色光LRを反射するミラー面と、青色光LBを反射するミラー面とが十字状に形成されている。赤色光LR、緑色光LG、及び青色光LBはこれらのミラー面により合成され、合成された光が画像を形成する。
【0058】
投写光学系40は、投写レンズ48を有する。クロスダイクロイックプリズム33により形成された画像は、投写レンズ48によりスクリーン9に拡大投写される。このようにして、画像投写部50は、光源14の発光を利用して、スクリーン9に画像を投写する。
【0059】
次に、リモートコントローラーの構成について説明する。
図5には、リモートコントローラーの構成がブロック図により表されている。リモートコントローラー200は、センサー210と、操作部220と、RAM230と、ROM240と、MPU250と、情報送信部260とを備える。
【0060】
センサー210は、リモートコントローラー200の周辺(測定範囲)の照度を測定し、測定した照度を表す情報をMPU250に出力する。図6には、センサーの配置、及び操作部の操作ボタンの配置が、リモートコントローラーの上面側から表されている。センサー210は、リモートコントローラー200の天面に備えられる。これにより、センサー121は、リモートコントローラー200の天面に入射する外光(周辺外光)による、リモートコントローラー200の周辺の照度を測定することができる。
【0061】
図5に戻り、リモートコントローラーの構成の説明を続ける。操作部220は、ユーザーが操作入力をするための操作ボタンを、リモートコントローラー200の天面に有する。操作部220は、ボタン押下などの操作入力を受け付け、この操作入力に応じたボタン押下情報をMPU250に出力する。
【0062】
図7には、センサーの配置、及び操作部の操作ボタンの配置が、リモートコントローラーの天面側から表されている。図7に表されているように、センサー210は、リモートコントローラー220の天面において、ユーザーの手により覆われない位置に配置される。
【0063】
操作部220は、ボタン押下などの操作入力を受け付け、この操作入力に応じたボタン押下情報をMPU250に出力する。操作部220は、例えば、カラーモードを指定するための操作入力を、カラーモード・ボタン222が押下操作されることにより受け付ける。また、例えば、操作部220は、オート・カラー・オプティマイザー機能を実行させるための操作入力を、オート・カラー・オプティマイザー実行ボタン221が押下操作されることにより受け付ける。
【0064】
オート・カラー・オプティマイザー実行ボタン221は、MPU250による制御に応じて点灯又は消灯する。具体的には、オート・カラー・オプティマイザー機能が実行中であること(カラーモードが「オート」であること)を表すために、オート・カラー・オプティマイザー実行ボタン221は、MPU250による制御に応じて点灯する。一方、オート・カラー・オプティマイザー機能が実行中でない(停止中である)ことを表すために、オート・カラー・オプティマイザー実行ボタン221は、MPU250による制御に応じて消灯する。
【0065】
図5に戻り、リモートコントローラーの構成の説明を続ける。RAM230は、ワークメモリーを備える。ワークメモリーには、プログラムを実行する際に生成される各種のデータが記憶される。ROM240は、リモートコントローラー200を動作させるためのプログラムを記憶する。このプログラムは、リモートコントローラー200の起動時にRAM230のワークメモリーに展開される。また、ROM140は、照度IDと照度範囲との対応関係を表す照度ID対応テーブルを予め記憶する。この照度ID対応テーブルは、画像表示装置100のROM140(図1を参照)に記憶されている照度ID対応テーブル(図3を参照)と同じものである。
【0066】
MPU250には、リモートコントローラー200への操作入力に応じたボタン押下情報が、操作部220から入力される。また、MPU250は、オート・カラー・オプティマイザー実行ボタン221が消灯しているか否か、又は点灯しているか否かを判定する。また、MPU250は、ボタン押下情報を情報送信部260に出力する。また、MPU250は、照度を表す情報をセンサー210から一定周期(例えば、100[ms]周期)で取得し、取得した照度を表す情報に対応する照度IDを画像表示装置100に通知するための通知タイマーを、起動(オン)又は停止(オフ)させる。
【0067】
また、MPU250には、センサー210が測定した照度を表す情報が、センサー210から入力される。MPU250は、センサー210が測定した照度が属する照度範囲に対応する照度IDを、照度を表す情報と対応関係(図3を参照)とに基づいて求め、求めた照度IDを情報送信部260に出力する。なお、MPU250は、求めた照度IDを、履歴におけるリモートコントローラー200の照度IDとしてRAM230のワークメモリーに記憶させてもよい。
【0068】
情報送信部260には、ボタン押下情報(キーコード)と照度IDとが、MPU160から入力される。このボタン押下情報には、例えば、オート・カラー・オプティマイザー実行ボタン221が押下されたことを表す情報、及び、カラーモードを表す情報がある。情報送信部260は、ボタン押下情報と照度IDとを赤外線に変換して、画像表示装置100(図1を参照)に送信する。
【0069】
次に、画像表示装置及びリモートコントローラーの動作手順を説明する。
図8は、オート・カラー・オプティマイザー実行ボタンが押下された場合における、リモートコントローラーの動作手順を表すフローチャートである。オート・カラー・オプティマイザー実行ボタンが押下された場合、リモートコントローラー200のMPU250(図5を参照)は、オート・カラー・オプティマイザー実行ボタンが消灯しているか否かを判定する(ステップS1)。
【0070】
オート・カラー・オプティマイザー実行ボタンが消灯している場合(ステップS1−Yes)、MPU250は、オート・カラー・オプティマイザー実行ボタン押下を、画像表示装置に通知する(ステップS2)。そして、MPU250は、オート・カラー・オプティマイザー実行ボタンを点灯させる(ステップS3)。さらに、MPU250は、通知タイマーをオンにする(ステップS4)。これにより、リモートコントローラー200におけるオート・カラー・オプティマイザー機能は実行中となる。
【0071】
また、MPU250は、リモートコントローラー200が備えるセンサー210から、周辺外光に応じた照度を表す情報を取得し、取得した情報に対応する照度IDを求める(ステップS5)。そして、MPU250は、求めた照度IDを画像表示装置100に通知する(ステップS6)。
【0072】
一方、ステップS1において、オート・カラー・オプティマイザー実行ボタンの照明が点灯している場合(ステップS1−No)、MPU250は、オート・カラー・オプティマイザー実行ボタンを消灯させる(ステップS7)。そして、MPU250は、通知タイマーをオフにする(ステップS8)。これにより、リモートコントローラー200におけるオート・カラー・オプティマイザー機能は停止中となる。
【0073】
図9は、オート・カラー・オプティマイザー機能を実行中であるリモートコントローラーの動作手順を表すフローチャートである。オート・カラー・オプティマイザー機能を実行中に通知タイマーがタイムアウトした場合、リモートコントローラー200のMPU250は、リモートコントローラー200が備えるセンサー210から照度を表す情報を取得し、取得した情報に対応する照度IDを求める(ステップSa1)。そして、MPU250は、求めた照度IDを画像表示装置100に通知する(ステップSa2)。
【0074】
図10は、カラーモード・ボタンが押下された場合のリモートコントローラーの動作手順を表すフローチャートである。カラーモード・ボタンが押下された場合、リモートコントローラー200のMPU250は、カラーモード・ボタンが押下されたことを画像表示装置100に通知する(ステップSb1)。そして、MPU250は、オート・カラー・オプティマイザー実行ボタンが点灯しているか否かを判定する(ステップSb2)。
【0075】
オート・カラー・オプティマイザー実行ボタンが点灯している場合(ステップSb2−Yes)、MPU250は、オート・カラー・オプティマイザー実行ボタンを消灯させる(ステップSb3)。そして、MPU250は、通知タイマーをオフにする(ステップSb4)。一方、ステップSb2において、オート・カラー・オプティマイザー実行ボタンが消灯している場合(ステップSb2−No)、MPU250は、カラーモード・ボタンが押下された場合の処理を終了させる。
【0076】
図11は、オート・カラー・オプティマイザー実行ボタンの押下が通知された場合の画像表示装置の動作手順を表すフローチャートである。オート・カラー・オプティマイザー実行ボタンの押下が通知された場合、画像表示装置100のMPU160(図1を参照)は、画像表示装置100におけるオート・カラー・オプティマイザー機能が停止中であるか否かを判定する(ステップSc1)。
【0077】
画像表示装置100におけるオート・カラー・オプティマイザー機能が停止中である場合(ステップSc1−Yes)、MPU160は、取得タイマーをオンにする(ステップSc2)。これにより、画像表示装置100におけるオート・カラー・オプティマイザー機能は実行中となる。また、MPU160は、RAM130(図1を参照)のワークメモリーに記憶されている履歴における照度IDを初期化(クリア)する(ステップSc3)。一方、ステップSc1において、画像表示装置100におけるオート・カラー・オプティマイザー機能が実行中である場合(ステップSc1−No)、MPU160は、取得タイマーをオフにする(ステップSc4)。これにより、画像表示装置100におけるオート・カラー・オプティマイザー機能は停止中となる。
【0078】
図12は、カラーモード・ボタンの押下が通知された場合の画像表示装置の動作手順を表すフローチャートである。カラーモード・ボタンの押下が通知された場合、画像表示装置100のMPU160は、画像表示装置100におけるオート・カラー・オプティマイザー機能が実行中であるか否かを判定する(ステップSd1)。画像表示装置100におけるオート・カラー・オプティマイザー機能が実行中である場合(ステップSd1−Yes)、MPU160は、取得タイマーをオフにする(ステップSd2)。これにより、画像表示装置100におけるオート・カラー・オプティマイザー機能は停止中となる。
【0079】
また、MPU160は、リモートコントローラー200から受信したキーコードにより指定されたカラーモードに対応する色調モードの画質調整パラメーターの値に基づいて、画質調整部180(図1を参照)に画質を調整させる。また、MPU160は、リモートコントローラー200から受信したキーコードにより指定されたカラーモードに対応する色調モードの画質調整パラメーターの値に基づいて、画像出力部190(図1を参照)に光源の発光量及び画像の画質を調整させる(ステップSd3)。一方、ステップSd1において、画像表示装置100におけるオート・カラー・オプティマイザー機能が実行中でない(停止中である)場合(ステップSd1−No)、MPU160は、ステップSd3に処理を進める。
【0080】
図13は、リモートコントローラーから照度IDが通知された場合の画像表示装置の動作手順を表すフローチャートである。オート・カラー・オプティマイザー機能を実行中に、リモートコントローラー200から照度IDが通知された場合、画像表示装置100のMPU160は、今回の通知が、前回の通知から規定時間以上が経過している通知であるか否かを判定する(ステップSe1)。今回の通知が、前回の通知から規定時間以上経過している通知である場合(ステップSe1−Yes)、MPU160は、RAM130(図1を参照)のワークメモリーに記憶されている履歴における照度IDを初期化(クリア)する(ステップSe2)。
【0081】
そして、MPU160は、リモートコントローラー200から通知された照度IDを、履歴におけるリモートコントローラー200からの照度IDとして、RAM130のワークメモリーに記憶させる(ステップSe3)。さらに、MPU160は、RAM130のワークメモリーに記憶されている履歴における照度IDを基に、オート・カラー・オプティマイザー機能を実行する(ステップSe4)。ここで、RAM130に記憶されている履歴における照度IDのうち、履歴におけるリモートコントローラー200からの照度ID、及び、履歴における画像表示装置100の照度IDのいずれが選択されるかについては、図15を用いて後述する。
【0082】
一方、ステップSe1において、今回の通知が、前回の通知から規定時間以上経過している通知でない場合(ステップSe1−No)、MPU160は、ステップSe3に処理を進める。
【0083】
図14は、取得タイマーがタイムアウトした場合の画像表示装置の動作手順を表すフローチャートである。オート・カラー・オプティマイザー機能を実行中に、取得タイマーがタイムアウトした場合、MPU160は、画像表示装置100が備えるセンサー121から照度を表す情報を取得し、取得した情報に対応する照度IDを求める(ステップSf1)。
【0084】
そして、MPU160は、求めた照度IDを、履歴における画像表示装置100の照度IDとしてRAM130のワークメモリーに記憶させる(ステップSf2)。さらに、MPU160は、RAM130のワークメモリーに記憶された履歴における照度IDを基に、オート・カラー・オプティマイザー機能を実行する(ステップSf3)。ここで、RAM130に記憶されている履歴における照度IDのうち、履歴におけるリモートコントローラー200からの照度ID、及び、履歴における画像表示装置100の照度IDは、次のように選択される。
【0085】
図15は、オート・カラー・オプティマイザー機能を実行中である画像表示装置が、履歴における照度IDを選択する手順を表すフローチャートである。オート・カラー・オプティマイザー機能を実行中に、画像表示装置100のMPU160(図1を参照)は、RAM130のワークメモリーにアクセスし、履歴におけるリモートコントローラー200からの照度IDを参照する(ステップSg1)。そして、MPU160は、リモートコントローラー200から通知された照度IDが、履歴における照度IDに規定数以上存在するか否かを判定する(ステップSg2)。
【0086】
リモートコントローラー200から通知された照度IDが、履歴における照度IDに規定数以上存在する場合(ステップSg2−Yes)、MPU160は、RAM130のワークメモリーにアクセスし、履歴における画像表示装置100の照度IDを参照する(ステップSg3)。また、MPU160は、履歴における画像表示装置100の照度IDの変化と、履歴におけるリモートコントローラー200からの照度IDの変化とが、近似しているか否かを判定する(ステップSg4)。
【0087】
履歴における画像表示装置100の照度IDの変化と、履歴におけるリモートコントローラー200からの照度IDの変化とが、近似している場合(ステップSg4−Yes)、MPU160は、履歴におけるリモートコントローラー200からの照度IDを選択し、色調モードを決定するための情報として利用する(ステップSg5)。MPU160は、履歴における選択した照度IDに基づいて色調モードを決定する。MPU160は、決定した色調モードの画質調整パラメーターを、画質調整部180及び画像出力部190に出力する(ステップSg6)。
【0088】
一方、ステップSg4において、履歴における画像表示装置100の照度IDの変化と、履歴におけるリモートコントローラー200からの照度IDの変化とが、近似していない場合(ステップSg4−No)、MPU160は、履歴における画像表示装置100の照度IDと、履歴におけるリモートコントローラー200からの照度IDとの変化傾向を判定する(ステップSg7)。履歴における画像表示装置100の照度IDの変化が少ない場合、MPU160は、ステップSg5に処理を進める。
【0089】
また、履歴におけるリモートコントローラー200からの照度IDの変化が、履歴における画像表示装置100の照度IDの変化よりも少ない場合、MPU160は、履歴における画像表示装置100の照度IDを選択し、色調モードを決定するための情報として利用する。また、履歴におけるリモートコントローラー200からの照度IDの変化が、予め定められた閾値よりも大きい又は予め定められた時間間隔よりも頻繁である場合も、MPU160は、履歴における画像表示装置100の照度IDを選択し、色調モードを決定するための情報として利用する(ステップSg8)。
【0090】
また、ステップSg2において、リモートコントローラー200から通知された照度IDが、履歴における照度IDに規定数以上存在しない場合(ステップSg2−No)、MPU160は、ステップSg8に処理を進める。
【0091】
次に、履歴における照度IDについて説明する。
図16は、画像表示装置のセンサーが周辺の照度を測定出来ていないと画像表示装置が判定する場合の履歴における照度IDを表す図である。照度IDの変化量及び変化の頻度について比較すると、図16に表された例では、画像表示装置100の履歴における照度IDの変化は、履歴におけるリモートコントローラー200の照度IDの変化よりも少ない。この場合、MPU160は、画像表示装置100のセンサー121(図1を参照)が周辺の照度を正しく測定出来ていないと判定する。
【0092】
図17は、リモートコントローラーのセンサーが周辺の照度を測定出来ていないと画像表示装置が判定する場合の履歴における照度IDの第1例を表す図である。照度IDの変化量及び変化の頻度について比較すると、図17に表された例では、履歴におけるリモートコントローラー200からの照度IDの変化は、履歴における画像表示装置100の照度IDの変化よりも少ない。この場合、MPU160は、リモートコントローラー200のセンサー210(図5を参照)が周辺の照度を正しく測定出来ていないと判定する。
【0093】
図18は、リモートコントローラーのセンサーが周辺の照度を測定出来ていないと画像表示装置が判定する場合の履歴における照度IDの第2例を表す図である。図18に表された例では、履歴におけるリモートコントローラー200からの照度IDは、照度ID2から照度ID9まで値7だけ変化している。照度IDの変化量について比較すると、履歴におけるリモートコントローラー200からの照度IDの変化が、予め定められた閾値(例えば、閾値3)よりも大きい。この場合、MPU160は、リモートコントローラー200のセンサー210がスクリーン9(図4を参照)の投写面に向いているなどの理由により周辺の照度を正しく測定出来ていないと判定する。
【0094】
図19は、画像表示装置のセンサー、及びリモートコントローラーのセンサーが、それぞれの周辺の照度を測定出来ていると画像表示装置が判定する場合の履歴における照度IDを表す図である。照度IDの変化量及び変化の頻度について比較すると、図19に表された例では、履歴における画像表示装置100の照度IDと、履歴におけるリモートコントローラー200からの照度IDとが近似(連動)している。この場合、MPU160は、画像表示装置100のセンサー121、及びリモートコントローラー200のセンサー210が、それぞれの周辺の照度を正しく測定出来ていると判定する。
【0095】
以上のように、画像表示装置100は、画像信号を取得する入力画像制御部170と、前記画像信号が表す画像の画質を調整する画質調整部180と、画質調整部180で調整された画像信号に基づく画像を表示するための画像出力部190と、自装置の周辺の照度を測定し、該照度を表す第1照度を出力するセンサー121と、他の装置に備えられたセンサー210が測定した照度を表す情報(照度ID)を第2照度として受信する受信部110と、前記第1照度及び前記第2照度を履歴として記憶するRAM130と、前記履歴における前記第1照度と前記履歴における前記第2照度とを比較した結果に応じて、前記第1照度又は前記第2照度を選択し、選択した該照度に基づいて、画質調整部180を制御するMPU160とを備える。
【0096】
画像表示装置は、自装置のセンサーが測定した第1照度、又はリモートコントローラーのセンサーが測定した第2照度を選択し、選択した照度に基づいて光源の発光量及び画像の画質を制御するので、これにより、光源の発光量及び画像の画質を常に精度よく調整することができる。また、画像表示装置は、片方のセンサーが有効に機能しない状況においても、その状況をユーザーに意識させることなく、光源の発光量及び画像の画質を常に精度よく調整することができる。
【0097】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
例えば、上記実施例では、測定した照度によって光源の発光量および画像の画質を調整しているが、これに限らず、光源の発光量のみを調整してもよいし、画像の画質のみを調整してもよい。
【0098】
また、上述した画像投写部50は、透過型液晶ライトバルブ30〜32を用いて画像をスクリーンに投射するタイプであったが、反射型液晶ライトバルブを用いて投射するタイプであってもよいし、デジタルミラーデバイスを用いたDMD方式であってもよい。また、3つの透過型液晶ライトバルブ30〜32によりカラー画像を投射する3LCD方式に限らず、1つの液晶ライトバルブを用いてRGBに対応する画像を時分割表示してカラー画像を投射する方式、カラーホイールを備えた単板DMD方式、及び3DMD方式のいずれにも本発明を適用可能である。
【0099】
また、リモートコントローラー200が実行する通信方式は、赤外線によるものに限定されなくてよい。
【0100】
また、例えば、リモートコントローラー200は、画像表示装置100の履歴における照度IDを画像表示装置100から受信し、履歴における画像表示装置100の照度ID、又は履歴におけるリモートコントローラー200の照度IDを選択して、選択した該照度を画像表示装置100に通知することにより、画像表示装置100が備える光源の発光量及び画像の画質を制御してもよい。
【0101】
また、例えば、リモートコントローラー200が備えるセンサーと画像表示装置100が備えるセンサーの両方が有効に機能しない場合、画像表示装置100は、オート・カラー・オプティマイザー機能の実行を一時停止してもよい。
【0102】
なお、以上に説明した画像表示装置を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリー(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0103】
9…スクリーン、10…照明部、11…光源部、12…第1フライアイレンズ、13…第2フライアイレンズ、14…光源、15…リフレクター、16,17…レンズ、20…色分離合成部、21,22…ダイクロイックミラー、23,24,25…反射ミラー、26,27,28…リレーレンズ、29…リレー系、30…赤色光用透過型液晶ライトバルブ(光変調素子)、31…緑色光用透過型液晶ライトバルブ(光変調素子)、32…青色光用透過型液晶ライトバルブ(光変調素子)、33…クロスダイクロイックプリズム、40…投写光学系、48…投写レンズ、50…画像投写部、100…画像表示装置(プロジェクター)、110…受信部、120…操作部、121…センサー、130…RAM、140…ROM、150…NVRAM、160…MPU、170…入力画像制御部、180…画質調整部、190…画像出力部、200…リモートコントローラー、210…センサー、220…操作部、221…オート・カラー・オプティマイザー実行ボタン、222…カラーモード・ボタン、230…RAM、240…ROM、250…MPU、260…情報送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像信号を取得する入力画像制御部と、
前記画像信号が表す画像の画質を調整する画質調整部と、
前記画質調整部で調整された画像信号に基づく画像を表示するための画像出力部と、
自装置の周辺の照度を測定し、該照度を表す第1照度を出力する第1センサーと、
他の装置に備えられた第2センサーが測定した照度を表す情報を第2照度として受信する受信部と、
前記第1照度及び前記第2照度を履歴として記憶するメモリーと、
前記履歴における前記第1照度と前記履歴における前記第2照度とを比較した結果に応じて、前記第1照度又は前記第2照度を選択し、選択した該照度に基づいて、前記画質調整部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記履歴における前記第1照度と前記履歴における前記第2照度との差が所定の値のより小さい場合、前記第2照度を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記履歴における前記第1照度と前記履歴における前記第2照度との差が所定の値より大きく、且つ、前記履歴における前記第1照度の変化が前記履歴における前記第2照度の変化よりも少ない場合、前記第2照度を選択することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記履歴における前記第1照度と前記履歴における前記第2照度との差が所定の値より大きく、且つ、前記履歴における前記第2照度の変化が前記履歴における前記第1照度の変化よりも少ない場合、前記第1照度を選択することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記履歴における前記第1照度と前記履歴における前記第2照度との差が所定の値より大きく、且つ、前記履歴における前記第2照度の変化が所定の値よりも大きい又は変化の間隔が予め定められた時間間隔よりも小さい場合、前記第1照度を選択することを特徴とする請求項1、請求項2及び請求項4のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記画質調整部が調整した画像信号に基づく画像を表示するための光源を有する光源部を備え、
前記光源部は、前記制御部が選択した前記第1照度又は前記第2照度に基づいて、前記光源の発光量を調整することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の画像表示装置。
【請求項7】
入力画像の画質を調整する画質調整部と、前記画質調整部で調整された画像信号に基づく画像を表示するための画像出力部と、を備えた画像表示装置における制御方法であって、
前記画像表示装置に備えられた第1センサーによって周辺の照度を測定し、該照度を表す第1照度を出力し、
他の装置に備えられた第2センサーが測定した照度を表す情報を第2照度として受信し、
前記第1照度及び前記第2照度を履歴として記憶し、
前記履歴における前記第1照度と前記履歴における前記第2照度との差が所定の値より小さいか否かに応じて、前記第1照度又は前記第2照度を選択し、選択した該照度に基づいて、前記画質調整部を制御する
ことを特徴とする画像表示装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−134601(P2012−134601A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282741(P2010−282741)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】