説明

画像表示装置及び該画像表示装置に用いられる伝送信号制御方法

【課題】画像表示装置におけるEMI放射レベルを低減する。
【解決手段】信号処理手段(映像信号処理回路26b)では、極性反転通知信号生成部(インバート信号生成部45)が、各データ線駆動回路(ソースドライバ)毎に、データ信号に対して、伝送される前の階調レベルと比較して変化量が所定値よりも大きい場合は、当該データ信号の極性を全て反転して該当するデータ線駆動回路へ伝送すると共に、当該データ信号の極性が反転されていることを示す極性反転通知信号(インバート信号)を生成して通知信号伝送配線を介してデータ線駆動回路へ伝送する。極性反転通知信号初期極性設定部(インバート信号初期極性設定部46)により、極性反転通知信号生成部(インバート信号生成部45)で生成される極性反転通知信号(インバート信号)の初期極性が各通知信号伝送配線毎に設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像表示装置及び該画像表示装置に用いられる伝送信号制御方法に係り、特に、大型かつ高精細のため、映像信号に基づくデータ信号の伝送配線が複雑になる場合に適用して好適な画像表示装置及び該画像表示装置に用いられる伝送信号制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置などの画像表示装置では、表示パネルを駆動するためのドライバICや、入力された映像信号に対して、タイミング制御や並べ替えなどの処理を行って同ドライバICへ出力するタイミングコントローラIC、及び、これらのICに電源を供給するための電源回路などが設けられている。ここで、表示パネルを駆動するためのドライバICに入力されるデータ信号の伝送について検討する。ドライバICとタイミングコントローラICとは、データ信号伝送配線を介して電気的に接続されている。この配線を介してデータ信号を伝送する方式としては、たとえばCMOS伝送などのパラレル伝送方式や、RSDS(Reduced Swing Differential Signaling)伝送及びmini−LVDS(Low Voltage Differential Signaling)伝送などの差動信号伝送方式がある。
【0003】
このデータ信号の伝送が、画像表示装置におけるEMI(Electro Magnetic Interference 、電磁妨害)放射レベルを悪化させる原因の1つとなっている。特に、CMOS伝送では、入力される映像信号の階調レベルに対応した数のデータ信号伝送配線において、同データ信号が電源電圧とグラウンドレベルとの範囲(たとえば、3.3V〜0V)内でスイングして信号波形が変化するため、大きなEMI放射の原因となる。このEMI放射を低減するために、インバート信号を用いる伝送方法がある。この伝送方法では、階調レベルに対応した数のデータ信号伝送配線において、映像信号を全てスイングさせるのではなく、伝送される前の階調レベルと比較して変化量が大きい場合は、インバート信号を変化させる一方、データ信号の極性を全て反転するようになっている。ところが、この伝送方法を用いても、入力される映像信号の階調レベルや、データ信号伝送配線の配置、あるいは画像表示装置のシステムとしてのグラウンドループなどの影響により、特に大型高精細の画像表示装置では、EMI放射レベルが大きく、さらなる対策が必要となる場合が多い。
【0004】
この場合、インバート信号の極性は、前階調との映像信号の極性変化量で判定されるため、高レベル(以下、“H”という)でも低レベル(以下、“L”という)”でも、画像表示装置が正常に動作するため、インバート信号の初期状態の極性は不定状態となっていることが多い。また、画像表示装置の消費電流の変動を回避することを目的として、インバート信号の極性を全て同一極性に固定する場合も多い。この状態では、画像表示装置全体の電流ループのうちの一部の電流ループで電磁界が干渉し、強めあっている箇所が多く発生している可能性があり、EMI放射レベルが悪化する可能性がある。
【0005】
この種の関連技術としては、たとえば、特許文献1に記載された液晶表示装置の駆動回路がある。
この駆動回路では、図19に示すように、コントローラ2により、4つの出力ポート毎に、バスラインへの出力に極性の変化を生じさせるデータ信号が過半数以上ある場合には、全データ信号の極性が反転されて、各出力ポートから各々データBUS−A1〜24、BUS−B1〜24、BUS−C1〜24、BUS−D1〜24がバスラインへ出力される。また、コントローラ2により、4つの出力ポート毎に、バスラインへ出力されるデータ信号の極性が反転されていることを示す極性反転信号INV−A〜Dが出力されるので、バスラインへのデータの極性の変化量を、転送するデータ信号の半数以下に低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−166740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記関連技術では、次のような課題があった。
すなわち、特許文献1に記載された駆動回路では、バスラインで転送されるデータの極性の変化量が低減されるが、電流により生ずる磁界を相互に相殺する構成になっていない。このため、液晶表示装置全体で見た場合の電流の向きに関しては制御されず、この構成のみではEMIが十分に低減されないという課題がある。
【0008】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、EMI放射レベルが低減される画像表示装置及び該画像表示装置に用いられる伝送信号制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明の第1の構成は、所定列のデータ線、所定行の走査線、及び前記各データ線と前記各走査線との交差箇所に設けられている画素を有する表示パネルと、該表示パネルの前記データ線側に配置され、伝送されたデータ信号に基づく画素データを、該当する表示領域の前記各データ線に書き込む複数のデータ線駆動回路と、与えられた走査制御信号に基づいて、前記各走査線を所定の順序で駆動するための走査線駆動信号を出力する走査線駆動回路と、与えられた映像信号に基づいて、前記データ信号を生成して該当する前記データ線駆動回路へデータ信号伝送配線を介して伝送すると共に、前記走査制御信号を生成して前記走査線駆動回路へ与える信号処理手段とを有する画像表示装置に係り、前記信号処理手段は、前記各データ線駆動回路毎に、前記データ信号に対して、伝送される前の階調レベルと比較して変化量が所定値よりも大きい場合は、当該データ信号の極性を全て反転して該当する前記データ線駆動回路へ伝送すると共に、当該データ信号の極性が反転されていることを示す極性反転通知信号を生成して通知信号伝送配線を介して前記データ線駆動回路へ伝送する極性反転通知信号生成部と、該極性反転通知信号生成部で生成される前記極性反転通知信号の初期極性を、前記各通知信号伝送配線毎に設定する極性反転通知信号初期極性設定部とが設けられ、前記各データ線駆動回路は、前記極性反転通知信号に基づいて、伝送された前記データ信号の極性を反転する構成とされていることを特徴としている。
【0010】
この発明の第2の構成は、所定列のデータ線、所定行の走査線、及び前記各データ線と前記各走査線との交差箇所に設けられている画素を有する表示パネルと、該表示パネルの前記データ線側に配置され、伝送されたデータ信号に基づく画素データを、該当する表示領域の前記各データ線に書き込む複数のデータ線駆動回路と、与えられた走査制御信号に基づいて、前記各走査線を所定の順序で駆動するための走査線駆動信号を出力する走査線駆動回路と、与えられた映像信号に基づいて、前記データ信号を生成して該当する前記データ線駆動回路へデータ信号伝送配線を介して伝送すると共に、前記走査制御信号を生成して前記走査線駆動回路へ与える信号処理手段とを有する画像表示装置に用いられる伝送信号制御方法に係り、前記信号処理手段では、極性反転通知信号生成部が、前記各データ線駆動回路毎に、前記データ信号に対して、伝送される前の階調レベルと比較して変化量が所定値よりも大きい場合は、当該データ信号の極性を全て反転して該当する前記データ線駆動回路へ伝送すると共に、当該データ信号の極性が反転されていることを示す極性反転通知信号を生成して通知信号伝送配線を介して前記データ線駆動回路へ伝送し、極性反転通知信号初期極性設定部が、前記極性反転通知信号生成部で生成される前記極性反転通知信号の初期極性を、前記通知信号伝送配線毎に設定し、前記各データ線駆動回路では、前記極性反転通知信号に基づいて、伝送された前記データ信号の極性を反転することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
この発明の構成によれば、画像表示装置のEMI放射レベルを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の画像表示装置の構成の概念を示す図である。
【図2】この発明の第1の実施形態である画像表示装置の要部の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図2中のデータ線駆動回路24,25及び映像信号処理回路26bの内部の構成を示す図である。
【図4】図3中のインバート信号初期極性設定部46によるインバート信号nA,nB,nC,nDの初期極性の設定例を示す図である。
【図5】図3中のインバート信号生成部45の機能を説明する図である。
【図6】図3中のインバート信号生成部45の機能を説明する図である。
【図7】データバス34,39,54,59のある時点における電流の向きの例を示す図である。
【図8】接続基板24a,25aのグラウンドパターンが板金フレーム13に接続された状態でのデータバス34,39,54,59のある時点における電流の向き、及び、電流による磁界の向きの例を示す図である。
【図9】図9が、板金フレーム13の内部のある時点における電流ループ及び磁界の向きの例を示す図である。
【図10】この発明の第2の実施形態である図3中のインバート信号初期極性設定部46によるインバート信号nA,nB,nC,nDの初期極性の他の設定例を示す図である。
【図11】板金フレーム13の内部のある時点における電流ループ及び磁界の向きの例を示す図である。
【図12】この発明の画像表示装置の変形例を示す図である。
【図13】この発明の画像表示装置の他の変形例を示す図である。
【図14】この発明の画像表示装置の他の変形例を示す図である。
【図15】この発明の画像表示装置の他の変形例を示す図である。
【図16】この発明の画像表示装置の他の変形例を示す図である。
【図17】この発明の画像表示装置の他の変形例を示す図である。
【図18】各データバスのある時点における電流の向きの変形例を示す図である。
【図19】関連技術に係る液晶表示装置の駆動回路の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記極性反転通知信号生成部(インバート信号生成部)が、上記データ信号に対して、伝送される前のデータ信号と比較して極性が変化するデータが過半数よりも多い場合に、当該データ信号の極性を全て反転する画像表示装置を実現する。
【0014】
また、上記各データ線駆動回路は、上記表示パネルの上下の上記データ線側にそれぞれ配置され、上記極性反転通知信号初期極性設定部は、上記極性反転通知信号生成部で生成される上記極性反転通知信号の初期極性を、上記表示パネルの上側に配置されているデータ線駆動回路と下側に配置されているデータ線駆動回路とで互いに逆極性に設定する。
【0015】
また、上記各データ線駆動回路は、上記表示パネルの上下の上記データ線側にそれぞれ配置され、上記極性反転通知信号初期極性設定部は、上記極性反転通知信号生成部で生成される上記極性反転通知信号の初期極性を、上記表示パネルの左上側に配置されているデータ線駆動回路と左下側に配置されているデータ線駆動回路とで互いに逆極性に設定すると共に、上記表示パネルの右上側に配置されているデータ線駆動回路と右下側に配置されているデータ線駆動回路とで互いに逆極性に設定し、かつ、上記表示パネルの左上側に配置されているデータ線駆動回路と右上側に配置されているデータ線駆動回路とで互いに逆極性に設定する。
【0016】
また、上記画像表示装置は、上記表示パネルの上側に配置され、同表示パネルの上側に配置されている上記各データ線駆動回路と該当する上記データ線とを接続するための第1の基板と、上記表示パネルの下側に配置され、同表示パネルの下側に配置されている上記各データ線駆動回路と該当する上記データ線とを接続するための第2の基板と、導電性の素材で構成され、上記第1の基板のグラウンドパターンの左側端部、ほぼ中心部及び右側端部が電気的に接続されていると共に、上記第2の基板のグラウンドパターンの左側端部、ほぼ中心部及び右側端部が電気的に接続されている筐体とを有する。
【0017】
また、この発明は、所定列のデータ線、所定行の走査線、及び上記各データ線と上記各走査線との交差箇所に設けられている画素を有する表示パネルと、同表示パネルの上記データ線側に配置され、伝送されたデータ信号に基づく画素データを、該当する表示領域の上記各データ線に書き込む2つのデータ線駆動回路と、与えられた走査制御信号に基づいて、上記各走査線を所定の順序で駆動するための走査線駆動信号を出力する走査線駆動回路と、与えられた映像信号に基づいて、上記データ信号を生成して該当する上記各データ線駆動回路へ各データ信号伝送配線を介してそれぞれ伝送すると共に、上記走査制御信号を生成して上記走査線駆動回路へ与える信号処理手段とを有する画像表示装置に係り、上記信号処理手段は、上記データ信号の電流の向きを、一方の上記データ線駆動回路と他方の上記データ線駆動回路とで互いに逆に設定する。上記2つのデータ線駆動回路は、特に、この形態では、上記表示パネルの上下の上記データ線側にそれぞれ配置されている。
【0018】
また、この発明は、所定列のデータ線、所定行の走査線、及び上記各データ線と上記各走査線との交差箇所に設けられている画素を有する表示パネルと、同表示パネルの上下の上記データ線側にそれぞれ配置され、伝送されたデータ信号に基づく画素データを、該当する表示領域の上記各データ線に書き込む2つのデータ線駆動回路と、与えられた走査制御信号に基づいて、上記各走査線を所定の順序で駆動するための走査線駆動信号を出力する走査線駆動回路と、与えられた映像信号に基づいて、上記データ信号を生成して該当する上記各データ線駆動回路へ各データ信号伝送配線を介してそれぞれ伝送すると共に、上記走査制御信号を生成して上記走査線駆動回路へ与える信号処理手段とを有する画像表示装置に係り、上記信号処理手段は、上記データ信号を上記各データ信号伝送配線に対して同一位相で送出する構成とされ、上記各データ信号伝送配線は、上記データ信号の電流の向きが、一方の上記データ線駆動回路と他方の上記データ線駆動回路とで互いに逆になるように配置されている。
【0019】
また、この発明は、所定列のデータ線、所定行の走査線、及び上記各データ線と上記各走査線との交差箇所に設けられている画素を有する表示パネルと、同表示パネルの左上、左下、右上及び右下の上記データ線側に配置され、伝送されたデータ信号に基づく画素データを、該当する表示領域の上記各データ線に書き込む4つのデータ線駆動回路と、与えられた走査制御信号に基づいて、上記各走査線を所定の順序で駆動するための走査線駆動信号を出力する走査線駆動回路と、与えられた映像信号に基づいて、上記データ信号を生成して該当する上記各データ線駆動回路へ各データ信号伝送配線を介してそれぞれ伝送すると共に、上記走査制御信号を生成して上記走査線駆動回路へ与える信号処理手段とを有する画像表示装置に係り、上記信号処理手段は、上記データ信号を上記各データ信号伝送配線に対して同一位相で送出する構成とされ、上記各データ信号伝送配線は、上記データ信号の電流の向きが、上記表示パネルの左上側に配置されている上記データ線駆動回路と左下側に配置されている上記データ線駆動回路とで互いに逆になると共に、上記表示パネルの右上側に配置されている上記データ線駆動回路と右下側に配置されている上記データ線駆動回路とで互いに逆になり、かつ、上記表示パネルの左上側に配置されている上記データ線駆動回路と右上側に配置されている上記データ線駆動回路とで互いに逆になるように配置されている。
【0020】
図1は、この発明の画像表示装置の構成の概念を示す図である。
この画像表示装置は、接続基板11と、接続基板12と、板金フレーム13とを有している。図示しない表示パネルは、たとえば液晶パネルであり、接続基板11は、上記表示パネルの上側に配置されている複数のデータ線駆動回路(ソースドライバ)と上記表示パネルの該当するデータ線とを接続する。接続基板12は、上記表示パネルの下側に配置されている複数のデータ線駆動回路(ソースドライバ)と上記表示パネルの該当するデータ線とを接続する。板金フレーム13には、上記表示パネル、接続基板11及び接続基板12が収容されている。この画像表示装置では、接続基板11上の電流により発生する磁界と、接続基板12の電流が与える磁界とが相殺される。また、接続基板12上の電流により発生する磁界と、接続基板11の電流が与える磁界とが相殺される。
【実施形態1】
【0021】
図2は、この発明の第1の実施形態である画像表示装置の要部の電気的構成を示すブロック図である。
この形態の画像表示装置は、液晶表示装置であり、同図に示すように、表示パネル21と、走査ドライバ22,23と、データ線駆動回路24,25と、信号処理基板26とを有している。表示パネル21は、液晶パネルで構成され、図示しない所定列のデータ線、所定行の走査線、及び同各データ線と同各走査線との交差箇所に設けられている画素を有している。
【0022】
走査ドライバ22は、信号処理基板26から与えられた走査制御信号ct1に基づいて、左側の各走査線を所定の順序(たとえば、線順次)で駆動するための走査線駆動信号を出力する。走査ドライバ23は、信号処理基板26から与えられた走査制御信号ct2に基づいて、右側の各走査線を線順次で駆動するための走査線駆動信号を出力する。データ線駆動回路24は、表示パネル21の上側のデータ線側に、たとえば、COG(Chip On Glass )、COF(Chip On Film)、TCP(Tape Carrier Package)などにより、図示しない複数のソースドライバが配置され、信号処理基板26から伝送されたパラレル(たとえば、8ビット)のデータ信号v1に基づく画素データを、該当する(すなわち、割り当てられている)表示領域の各データ線に書き込む。データ線駆動回路25は、表示パネル21の下側のデータ線側に、上側と同様に図示しない複数のソースドライバが配置され、信号処理基板26から伝送されたパラレルのデータ信号v2に基づく画素データを、該当する表示領域の各データ線に書き込む。
【0023】
信号処理基板26は、電源回路26aと、映像信号処理回路(IC)26bとを有している。電源回路26aは、たとえばパソコンやモニタセットなどから供給される入力電源Pを元に、DC/DCコンバータなどにより、この画像表示装置に必要な電源を生成して供給する。映像信号処理回路26bは、与えられた映像信号viに対して、予め決められた伝送フォーマットへの並び替え及び出力タイミング制御などを行い、データ信号v1,v2を生成してデータ線駆動回路24,25へ伝送すると共に、走査制御信号ct1,ct2を生成して走査ドライバ22,23へ与える。
【0024】
図3は、図2中のデータ線駆動回路24,25及び映像信号処理回路26bの内部の構成を示す図である。
データ線駆動回路24は、図3に示すように、接続基板24aに実装されている。接続基板24aは、ソースドライバ31,32、及びCMOSインタフェース(CMOS−TxA)33が実装され、また、データバス(データ信号伝送配線)34及び通知信号伝送配線35が設けられている。また、接続基板24aは、CMOSインタフェース(CMOS−TxB)36、及びソースドライバ37,38が実装され、また、データバス(データ信号伝送配線)39、通知信号伝送配線40が設けられている。上記ソースドライバ31,32,37,38は、図示しないFPC(Flexible Printed Circuit)、COF(Chip On Film)又はTCP(Tape Carrier Package)などを介して表示パネル21の該当するデータ線と接続されている。データ線駆動回路25は、接続基板25aに実装されている。接続基板25aは、ソースドライバ51,52、及びCMOSインタフェース(CMOS−TxC)53が実装され、また、データバス(データ信号伝送配線)54及び通知信号伝送配線55が設けられている。また、接続基板25aは、CMOSインタフェース(CMOS−TxD)56、及びソースドライバ57,58が実装され、また、データバス(データ信号伝送配線)59、通知信号伝送配線60が設けられている。上記ソースドライバ51,52,57,58は、図示しないFPC、COF又はTCPなどを介して表示パネル21の該当するデータ線と接続されている。
【0025】
映像信号処理回路26bは、インタフェースコネクタ(I/F CN)41,42、タイミングコントローラ(Tcon)43,44、インバート信号生成部45、及びインバート信号初期極性設定部46が設けられ、フレキシブル基板(FPC)47,48を介して接続基板24aと接続されていると共に、フレキシブル基板(FPC)49,50を介して接続基板25aと接続されている。インタフェースコネクタ(I/F CN)41,42には、映像信号viが入力される。タイミングコントローラ(Tcon)43,44は、入力される映像信号viに対して、予め決められた伝送フォーマットへの並び替え及び出力タイミング制御などを行い、データ信号v1,v2を生成する。
【0026】
インバート信号生成部45は、ソースドライバ31,32に伝送するためのデータ信号v1に対して、伝送される前の階調レベルと比較して変化量が所定値よりも大きい場合は、同データ信号v1の極性を全て反転してCMOSインタフェース(CMOS−TxA)33及びデータバス34を介して同ソースドライバ31,32へ伝送すると共に、同データ信号v1の極性が反転されていることを示すインバート信号(極性反転通知信号)nAを生成して通知信号伝送配線35を介して同ソースドライバ31,32へ伝送する。また、インバート信号生成部45は、ソースドライバ37,38に伝送するためのデータ信号v1に対して、伝送される前の階調レベルと比較して変化量が所定値よりも大きい場合は、同データ信号v1の極性を全て反転してCMOSインタフェース(CMOS−TxB)36及びデータバス39を介して同ソースドライバ37,38へ伝送すると共に、同データ信号v1の極性が反転されていることを示すインバート信号(極性反転通知信号)nBを生成して通知信号伝送配線40を介して同ソースドライバ37,38へ伝送する。
【0027】
インバート信号生成部45は、ソースドライバ51,52に伝送するためのデータ信号v2に対して、伝送される前の階調レベルと比較して変化量が所定値よりも大きい場合は、同データ信号v2の極性を全て反転してCMOSインタフェース(CMOS−TxC)53及びデータバス54を介して同ソースドライバ51,52へ伝送すると共に、同データ信号v2の極性が反転されていることを示すインバート信号(極性反転通知信号)nCを生成して通知信号伝送配線55を介して同ソースドライバ51,52へ伝送する。また、インバート信号生成部45は、ソースドライバ57,58に伝送するためのデータ信号v2に対して、伝送される前の階調レベルと比較して変化量が所定値よりも大きい場合は、同データ信号v2の極性を全て反転してCMOSインタフェース(CMOS−TxD)56及びデータバス59を介して同ソースドライバ57,58へ伝送すると共に、同データ信号v2の極性が反転されていることを示すインバート信号(極性反転通知信号)nDを生成して通知信号伝送配線60を介して同ソースドライバ57,58へ伝送する。この場合、インバート信号生成部45は、データ信号v1,v2に対して、伝送される前の同データ信号v1,v2と比較して極性が変化するデータが過半数よりも多い場合に、当該データ信号v1,v2の極性を全て反転する。上記データバス34,39,54,59は、CMOS伝送方式でパラレルの8ビットのデータ信号を伝送する場合、R(赤),G(緑),B(青)の階調も含まれるので、8×3(R,G,B)=24本が必要となる。また、クロック信号の伝送線も必要である。
【0028】
インバート信号初期極性設定部46は、インバート信号生成部45で生成されるインバート信号nA,nB,nC,nDの初期極性を、通知信号伝送配線35,40,55,60毎に設定する。ソースドライバ31,32は、インバート信号nAに基づいて、伝送されたデータ信号v1の極性を反転(すなわち、元の極性に戻す)する。ソースドライバ37,38は、インバート信号nBに基づいて、伝送されたデータ信号v1の極性を反転(すなわち、元の極性に戻す)する。ソースドライバ51,52は、インバート信号nCに基づいて、伝送されたデータ信号v2の極性を反転(すなわち、元の極性に戻す)する。ソースドライバ57,58は、インバート信号nDに基づいて、伝送されたデータ信号v2の極性を反転(すなわち、元の極性に戻す)する。
【0029】
図4は、図3中のインバート信号初期極性設定部46によるインバート信号nA,nB,nC,nDの初期極性の設定例を示す図である。
このインバート信号初期極性設定部46では、図4に示すように、インバート信号(INVERT )nA,nB,nC,nDの初期極性を、表示パネル21の上側に配置されているソースドライバ31,32,37,38と下側に配置されているソースドライバ51,52,57,58とで互いに逆極性に設定する。すなわち、インバート信号(INVERT )nA,nBの初期極性は“L”、及び、インバート信号(INVERT )nC,nDの初期極性が“H”に設定される。
【0030】
図5及び図6は、図3中のインバート信号生成部45の機能を説明する図である。
図5(a)に示すように、インバート信号がない場合、たとえば4ビットのデータバスD0,D1,D2,D3にて、n+1画素からn+2画素に移行する際に4ビットのデータが変動するが、図5(b)に示すように、インバート信号生成部45によるインバート信号がある場合、n+1画素からn+2画素に移行する際は、インバート信号のみ、つまり1ビットのデータが変動する。この場合、図6に示すように、N(n,n+1,…)画素目の入力階調とN−1画素目の出力階調とのビットデータを比較して変化量が過半数よりも多い場合にインバート信号が出力される。これにより、インバート信号があることで、データバスの変化量を減らすことが可能であることが分かる。このデータバスの変化量を減らすということは、つまり、EMI放射レベルを低減させることである。
【0031】
ここで、インバート信号の極性について説明する。
図5(b)において、n画素目のD0〜D3のデータは全て“L”(“0”)であり、“0000”と表される。このとき、インバート信号の極性は、“L”となっているが、“H”であってもよく、もしn画素目のインバート信号が“H”である場合は、(n+1)画素目のインバート信号の極性は“H”となり、(n+2)画素目のインバート信号の極性が“L”となる。つまり、データバスが変化する点においてインバート信号の極性が変化すればよい。このように、インバート信号の初期状態の極性は、“L”又は“H”のいずれでも良いことになる。
【0032】
図7は、データバス34,39,54,59のある時点における電流の向きの例を示す図、図8は、接続基板24a,25aのグラウンドパターンが板金フレーム13に接続された状態でのデータバス34,39,54,59のある時点における電流の向き、及び、電流による磁界の向きの例を示す図、及び図9が、板金フレーム13の内部のある時点における電流ループ及び磁界の向きの例を示す図である。
これらの図を参照して、この形態の画像表示装置に用いられる伝送信号制御方法の処理内容について説明する。
この画像表示装置では、インバート信号生成部45により、データ信号v1,v2に対して、伝送される前の同データ信号v1,v2と比較して極性が変化するデータが過半数よりも多い場合に、当該データ信号v1,v2の極性が全て反転される。また、インバート信号初期極性設定部46により、インバート信号生成部45で生成されるインバート信号の初期極性が、表示パネル21の上側に配置されているデータ線駆動回路24と下側に配置されているデータ線駆動回路25とで互いに逆極性に設定される。また、導電性の素材で構成された筐体に、接続基板24aのグラウンドパターンの左側端部、ほぼ中心部及び右側端部が電気的に接続されていると共に、接続基板25aのグラウンドパターンの左側端部、ほぼ中心部及び右側端部が電気的に接続されている。
【0033】
すなわち、図7に示すように、インバート信号(INVERT )nA,nBの初期極性は“L”、及び、インバート信号(INVERT )nC,nDの初期極性が“H”に設定され、ある時点におけるデータバス34,39,54,59上の各データ信号の電流の向きが、接続基板24aと接続基板25aとで逆向きになる。これにより、図8に示すように、各FG(フレームグラウンド)の箇所において、板金フレーム13(筐体)に、接続基板24aのグラウンドパターンの左側端部、ほぼ中心部及び右側端部が電気的に接続されていると共に、接続基板25aのグラウンドパターンの左側端部、ほぼ中心部及び右側端部が電気的に接続されている場合、画像表示装置全体としての一部の電流ループが、ある時点において逆向きとなる箇所ができ、この箇所における磁界が逆向きとなって相殺される。この結果、図9に示すように、電流ループAが作る磁界と電流ループCが作る磁界、電流ループAが作る磁界と電流ループBが作る磁界、電流ループBが作る磁界と電流ループDが作る磁界、及び、電流ループCが作る磁界と電流ループDが作る磁界がそれぞれ相殺される。この場合、この画像表示装置全体としては、時計方向の電流ループが発生する。
【0034】
以上のように、この第1の実施形態では、ある時点におけるデータバス34,39,54,59上の各データ信号の電流の向きが、接続基板24aと接続基板25aとで逆向きになるので、画像表示装置内部の電流ループによる磁界の一部が相殺され、EMI放射レベルが低減される。
【実施形態2】
【0035】
図10は、この発明の第2の実施形態である図3中のインバート信号初期極性設定部46によるインバート信号nA,nB,nC,nDの初期極性の他の設定例を示す図である。
この形態のインバート信号初期極性設定部46では、図10に示すように、インバート信号生成部45で生成されるインバート信号nA,nB,nC,nDの初期極性を、表示パネル21の左上側に配置されているソースドライバ31,32と左下側に配置されているソースドライバ51,52とで互いに逆極性に設定すると共に、同表示パネル21の右上側に配置されているソースドライバ37,38と右下側に配置されているソースドライバ57,58とで互いに逆極性に設定し、かつ、同表示パネル21の左上側に配置されているソースドライバ31,32と右上側に配置されているソースドライバ37,38とで互いに逆極性に設定する。すなわち、インバート信号(INVERT )nA,nDの初期極性は“L”、及び、インバート信号(INVERT )nB,nCの初期極性が“H”に設定される。
【0036】
図11は、板金フレーム13の内部のある時点における電流ループ及び磁界の向きの例を示す図である。
この画像表示装置では、インバート信号初期極性設定部46により、インバート信号生成部45で生成されるインバート信号nA,nB,nC,nDの初期極性が、ソースドライバ31,32とソースドライバ51,52とで互いに逆極性に設定されると共に、ソースドライバ37,38とソースドライバ57,58とで互いに逆極性に設定され、かつ、ソースドライバ31,32とソースドライバ37,38とで互いに逆極性に設定される。この結果、図11に示すように、電流ループAが作る磁界と電流ループCが作る磁界、及び、電流ループBが作る磁界と電流ループDが作る磁界がそれぞれ相殺され、また、電流ループAが作る磁界と電流ループBが作る磁界、及び、電流ループCが作る磁界と電流ループDが作る磁界がそれぞれ強め合う。この場合、左側に時計方向の電流ループが発生する一方、右側に反時計方向の電流ループが発生するので、この画像表示装置全体としては、これらの電流ループによる磁界が相殺され、第1の実施形態と比較して、さらにEMI放射レベルが低減される。
【0037】
以上、この発明の実施形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成は同実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。
たとえば、図12に示す画像表示装置では、図7中の接続基板24a,25aに代えて、接続基板24b,25bが設けられている。接続基板24bでは、左側に、信号出力IC33A、データバス34及びソースドライバ31A,32A、右側に、信号出力IC36A、データバス39及びソースドライバ37A,38Aが設けられている。また、接続基板25bでは、左側に、信号出力IC53A、データバス54及びソースドライバ51A,52A、右側に、信号出力IC56A、データバス59及びソースドライバ57A,58Aが設けられている。信号出力IC33A,36A,53A,56Aは、CMOS伝送に対応している。この画像表示装置の動作では、信号処理基板26により、ある時点におけるデータバス34,39,54,59上の各データ信号の電流の向きが、接続基板24bと接続基板25bとで互いに逆に設定される。これにより、第1の実施形態とほぼ同様の利点がある(請求項6、7又は請求項12、13に対応)。
【0038】
また、図13に示す画像表示装置では、図12中の接続基板24b,25bに代えて、接続基板24c,25cが設けられている。接続基板24cでは、左側に、差動信号出力IC33B、データバス34D及びソースドライバ31B,32B、右側に、差動信号出力IC36B、データバス39D及びソースドライバ37B,38Bが設けられている。また、接続基板25bでは、左側に、差動信号出力IC53B、データバス54D及びソースドライバ51B,52B、右側に、差動信号出力IC56B、データバス59D及びソースドライバ57B,58Bが設けられている。差動信号出力IC33B,36B,53B,56B、データバス34D,39D,54D,59D、及びソースドライバ31B,32B,37B,38B,51B,52B,57B,58Bは、差動伝送に対応している。この画像表示装置の動作では、信号処理基板26により、ある時点におけるデータバス34D,39D上の差動信号(データ信号)の出力部のペアの極性(+/−)とデータバス54D,59D上の差動信号(データ信号)の出力部のペアの極性(−/+)とが逆位相となり、接続基板24cと接続基板25cとで電流が互いに逆向きに設定される。これにより、第1の実施形態とほぼ同様の利点がある(請求項6、7又は請求項12、13に対応)。
【0039】
また、図14に示す画像表示装置では、図12中の接続基板25b及び信号処理基板26に代えて、異なる構成の接続基板25d及び信号処理基板26Aが設けられている。接続基板25dでは、図12中のデータバス54,59に代えて、データバス54A,59Aが設けられている。データバス54A,59Aは、ある時点における同データバス54A,59A上の各データ信号の電流の向きが、データバス34,39上の各データ信号の電流の向きに対して互いに逆になるように配置されている。また、信号処理基板26Aは、各データ信号をデータバス34,39,54A,59Aに対して同一位相で送出する。この画像表示装置の動作では、ある時点におけるデータバス34,39,54A,59A上の各データ信号の電流の向きが、接続基板24bと接続基板25dとで互いに逆になる。これにより、第1の実施形態とほぼ同様の利点があり(請求項8に対応)、また、信号処理基板26Aが、信号処理基板26よりも簡単な構成となる。
【0040】
また、図15に示す画像表示装置では、図13中の接続基板25c及び信号処理基板26に代えて、異なる構成の接続基板25e及び信号処理基板26Aが設けられている。接続基板25eでは、図13中のデータバス54D,59Dに代えて、データバス54E,59Eが設けられている。データバス54E,59Eは、ある時点における同データバス54E,59E上の各データ信号の電流の向きが、データバス34D,39D上の各データ信号の電流の向きに対して互いに逆になるように配置されている。また、信号処理基板26Aは、各データ信号をデータバス34D,39D,54E,59Eに対して同一位相で送出する。この画像表示装置の動作では、ある時点におけるデータバス34D,39D,54E,59E上の各データ信号の電流の向きが、接続基板24cと接続基板25eとで互いに逆になる。これにより、第1の実施形態とほぼ同様の利点があり(請求項8に対応)、また、信号処理基板26Aが、信号処理基板26よりも簡単な構成となる。
【0041】
また、図16に示す画像表示装置では、図12中の接続基板24b,25b及び信号処理基板26に代えて、異なる構成の接続基板24d,25f及び信号処理基板26Aが設けられている。接続基板24dでは、図12中のデータバス39に代えて、データバス39Aが設けられている。接続基板25fでは、図12中のデータバス54に代えて、図14と同様に、データバス54Aが設けられている。また、信号処理基板26Aは、各データ信号をデータバス34,39A,54A,59に対して同一位相で送出する。この画像表示装置の動作では、ある時点におけるデータバス34,39A,54A,59上の各データ信号の電流の向きは、データバス34とデータバス54Aとで互いに逆になると共に、データバス39Aとデータバス59とで互いに逆になり、かつ、データバス34とデータバス39Aとで互いに逆になる。これにより、第2の実施形態とほぼ同様の利点があり(請求項9に対応)、また、信号処理基板26Aが、信号処理基板26よりも簡単な構成となる。
【0042】
また、図17に示す画像表示装置では、図13中の接続基板24c,25c及び信号処理基板26に代えて、異なる構成の接続基板24e,25g及び信号処理基板26Aが設けられている。接続基板24eでは、図13中のデータバス39Dに代えて、データバス39Eが設けられている。接続基板25gでは、図13中のデータバス54Dに代えて、図15と同様に、データバス54Eが設けられている。また、信号処理基板26Aは、各データ信号をデータバス34D,39E,54E,59Dに対して同一位相で送出する。この画像表示装置の動作では、ある時点におけるデータバス34D,39E,54E,59D上の各データ信号の電流の向きは、データバス34Dとデータバス54Eとで互いに逆になると共に、データバス39Eとデータバス59Dとで互いに逆になり、かつ、データバス34Dとデータバス39Eとで互いに逆になる。これにより、第2の実施形態とほぼ同様の利点があり(請求項9に対応)、また、信号処理基板26Aが、信号処理基板26よりも簡単な構成となる。
【0043】
また、各データバスのある時点における電流の向きは、種々の変形例がある。
たとえば、図18(a)に示すように、接続基板が2枚で構成されている場合、表示パネル21の左上側に接続基板61、及び右上側に接続基板62が配置されている。接続基板61では、たとえば図3と同様に、図示しないソースドライバ31,32、及びCMOSインタフェース(CMOS−TxA)33が実装されている共に、データバス34及び通知信号伝送配線35が設けられ、また、接続基板62では、CMOSインタフェース(CMOS−TxB)36、及びソースドライバ37,38が実装されていると共に、データバス39及び通知信号伝送配線40が設けられている。この場合、ある時点におけるデータバス34,39上の各データ信号の電流の向きが、接続基板61と接続基板62とで逆向きになる。これにより、上記各実施形態とほぼ同様の作用、効果が得られ、EMI放射レベルが低減される。
【0044】
また、図18(b)に示すように、接続基板が2枚で構成されている場合、表示パネル21の上側に接続基板63、及び下側に接続基板64が配置されている。接続基板63では、図3と同様に、図示しないソースドライバ31,32、及びCMOSインタフェース(CMOS−TxA)33が実装され、また、データバス34及び通知信号伝送配線35が設けられ、CMOSインタフェース(CMOS−TxB)36、及びソースドライバ37,38が実装され、データバス39、通知信号伝送配線40が設けられている。また、接続基板64では、ソースドライバ51,52、及びCMOSインタフェース(CMOS−TxC)53が実装され、また、データバス54及び通知信号伝送配線55が設けられ、CMOSインタフェース(CMOS−TxD)56、及びソースドライバ57,58が実装され、また、データバス59、通知信号伝送配線60が設けられている。この場合、ある時点におけるデータバス34,39及びデータバス54,59上の各データ信号の電流の向きが、接続基板63と接続基板64とで逆向きになる。これにより、上記実施形態とほぼ同様の作用、効果が得られ、EMI放射レベルが低減される。
【0045】
また、図18(c)に示すように、接続基板が3枚で構成されている場合、図18(a)と同様に、表示パネル21の左上側に接続基板61、及び右上側に接続基板62が配置され、また、図18(b)と同様に、表示パネル21の下側に接続基板64が配置されている。この場合、ある時点におけるデータバス34,39及びデータバス54,59上の各データ信号の電流の向きが、接続基板61,62と接続基板64とで逆向きになる。これにより、上記実施形態とほぼ同様の作用、効果が得られ、EMI放射レベルが低減される。
【0046】
また、図18(d)に示すように、接続基板が4枚で構成されている場合、図18(a)と同様に、表示パネル21の左上側に接続基板61、及び右上側に接続基板62が配置され、また、表示パネル21の左下側に接続基板65、及び右下側に接続基板66が配置されている。接続基板65では、ソースドライバ51,52、及びCMOSインタフェース(CMOS−TxC)53が実装され、また、データバス54及び通知信号伝送配線55が設けられている。接続基板66では、CMOSインタフェース(CMOS−TxD)56、及びソースドライバ57,58が実装され、また、データバス59、通知信号伝送配線60が設けられている。この場合、ある時点におけるデータバス34,39及びデータバス54,59上の各データ信号の電流の向きが、上記第2の実施形態と同様となり、同様の効果が得られ、EMI放射レベルが低減される。
【0047】
また、図18(e)に示すように、接続基板が4枚で構成されている場合、図18(d)と同様に、表示パネル21の左上側に接続基板61、及び右上側に接続基板62が配置され、左下側に接続基板65、及び右下側に接続基板66が配置されている。この場合、ある時点におけるデータバス34,39及びデータバス54,59上の各データ信号の電流の向きが、上記第1の実施形態と同様となり、同様の効果が得られ、EMI放射レベルが低減される。
【産業上の利用可能性】
【0048】
この発明は、液晶表示装置の他、たとえばプラズマ表示装置など、画像表示装置全般に適用でき、特に、大型かつ高精細で、データ信号の伝送配線が複雑になる場合に有効である。
【符号の説明】
【0049】
13 板金フレーム(筐体)
21 表示パネル
22,23 走査ドライバ(走査線駆動回路)
24,25 データ線駆動回路
24a,25a 接続基板(基板)
24b,25b 接続基板(基板)
24c,25c 接続基板(基板)
24d,25f 接続基板
24e,25g 接続基板
25d 接続基板
25e 接続基板
26,26A 信号処理基板(信号処理手段)
26a 電源回路(信号処理手段の一部)
26b 映像信号処理回路(信号処理手段の一部)
31,32,37,38,51,52,57,58 ソースドライバ(データ線駆動回路の一部)
31A,32A,37A,38A,51A,52A,57A,58A ソースドライバ(データ線駆動回路の一部)
31B,32B,37B,38B,51B,52B,57B,58B ソースドライバ(データ線駆動回路の一部)
33,36,53,56 CMOSインタフェース(データ線駆動回路の一部)
33A,36A,53A,56A 信号出力IC(データ線駆動回路の一部)
33B,36B,53B,56B 差動信号出力IC
34,39,54,59 データバス(データ信号伝送配線)
34D,39D,54D,59D データバス(データ信号伝送配線)
35,40,55,60 通知信号伝送配線
39E データバス
43,44 タイミングコントローラ
45 インバート信号生成部(極性反転通知信号生成部)
46 インバート信号初期極性設定部(極性反転通知信号初期極性設定部)
54A,59A データバス(データ信号伝送配線)
54E,59E データバス(データ信号伝送配線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定列のデータ線、所定行の走査線、及び前記各データ線と前記各走査線との交差箇所に設けられている画素を有する表示パネルと、
該表示パネルの前記データ線側に配置され、伝送されたデータ信号に基づく画素データを、該当する表示領域の前記各データ線に書き込む複数のデータ線駆動回路と、
与えられた走査制御信号に基づいて、前記各走査線を所定の順序で駆動するための走査線駆動信号を出力する走査線駆動回路と、
与えられた映像信号に基づいて、前記データ信号を生成して該当する前記データ線駆動回路へデータ信号伝送配線を介して伝送すると共に、前記走査制御信号を生成して前記走査線駆動回路へ与える信号処理手段とを有する画像表示装置であって、
前記信号処理手段は、
前記各データ線駆動回路毎に、前記データ信号に対して、伝送される前の階調レベルと比較して変化量が所定値よりも大きい場合は、当該データ信号の極性を全て反転して該当する前記データ線駆動回路へ伝送すると共に、当該データ信号の極性が反転されていることを示す極性反転通知信号を生成して通知信号伝送配線を介して前記データ線駆動回路へ伝送する極性反転通知信号生成部と、
該極性反転通知信号生成部で生成される前記極性反転通知信号の初期極性を、前記各通知信号伝送配線毎に設定する極性反転通知信号初期極性設定部とが設けられ、
前記各データ線駆動回路は、
前記極性反転通知信号に基づいて、伝送された前記データ信号の極性を反転する構成とされていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記極性反転通知信号生成部は、
前記データ信号に対して、伝送される前のデータ信号と比較して極性が変化するデータが過半数よりも多い場合に、当該データ信号の極性を全て反転する構成とされていることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記各データ線駆動回路は、
前記表示パネルの上下の前記データ線側にそれぞれ配置され、
前記極性反転通知信号初期極性設定部は、
前記極性反転通知信号生成部で生成される前記極性反転通知信号の初期極性を、前記表示パネルの上側に配置されているデータ線駆動回路と下側に配置されているデータ線駆動回路とで互いに逆極性に設定する構成とされていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記各データ線駆動回路は、
前記表示パネルの上下の前記データ線側にそれぞれ配置され、
前記極性反転通知信号初期極性設定部は、
前記極性反転通知信号生成部で生成される前記極性反転通知信号の初期極性を、前記表示パネルの左上側に配置されているデータ線駆動回路と左下側に配置されているデータ線駆動回路とで互いに逆極性に設定すると共に、前記表示パネルの右上側に配置されているデータ線駆動回路と右下側に配置されているデータ線駆動回路とで互いに逆極性に設定し、かつ、前記表示パネルの左上側に配置されているデータ線駆動回路と右上側に配置されているデータ線駆動回路とで互いに逆極性に設定する構成とされていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記表示パネルの上側に配置され、該表示パネルの上側に配置されている前記各データ線駆動回路と該当する前記データ線とを接続するための第1の基板と、
前記表示パネルの下側に配置され、該表示パネルの下側に配置されている前記各データ線駆動回路と該当する前記データ線とを接続するための第2の基板と、
導電性の素材で構成され、前記第1の基板のグラウンドパターンの左側端部、ほぼ中心部及び右側端部が電気的に接続されていると共に、前記第2の基板のグラウンドパターンの左側端部、ほぼ中心部及び右側端部が電気的に接続されている筐体とを有することを特徴とする請求項3又は4記載の画像表示装置。
【請求項6】
所定列のデータ線、所定行の走査線、及び前記各データ線と前記各走査線との交差箇所に設けられている画素を有する表示パネルと、
該表示パネルの前記データ線側に配置され、伝送されたデータ信号に基づく画素データを、該当する表示領域の前記各データ線に書き込む2つのデータ線駆動回路と、
与えられた走査制御信号に基づいて、前記各走査線を所定の順序で駆動するための走査線駆動信号を出力する走査線駆動回路と、
与えられた映像信号に基づいて、前記データ信号を生成して該当する前記各データ線駆動回路へ各データ信号伝送配線を介してそれぞれ伝送すると共に、前記走査制御信号を生成して前記走査線駆動回路へ与える信号処理手段とを有する画像表示装置であって、
前記信号処理手段は、
前記データ信号の電流の向きを、一方の前記データ線駆動回路と他方の前記データ線駆動回路とで互いに逆に設定する構成とされていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項7】
前記各データ線駆動回路は、
前記表示パネルの上下の前記データ線側にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項6記載の画像表示装置。
【請求項8】
所定列のデータ線、所定行の走査線、及び前記各データ線と前記各走査線との交差箇所に設けられている画素を有する表示パネルと、
該表示パネルの上下の前記データ線側にそれぞれ配置され、伝送されたデータ信号に基づく画素データを、該当する表示領域の前記各データ線に書き込む2つのデータ線駆動回路と、
与えられた走査制御信号に基づいて、前記各走査線を所定の順序で駆動するための走査線駆動信号を出力する走査線駆動回路と、
与えられた映像信号に基づいて、前記データ信号を生成して該当する前記各データ線駆動回路へ各データ信号伝送配線を介してそれぞれ伝送すると共に、前記走査制御信号を生成して前記走査線駆動回路へ与える信号処理手段とを有する画像表示装置であって、
前記信号処理手段は、
前記データ信号を前記各データ信号伝送配線に対して同一位相で送出する構成とされ、
前記各データ信号伝送配線は、
前記データ信号の電流の向きが、一方の前記データ線駆動回路と他方の前記データ線駆動回路とで互いに逆になるように配置されていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項9】
所定列のデータ線、所定行の走査線、及び前記各データ線と前記各走査線との交差箇所に設けられている画素を有する表示パネルと、
該表示パネルの左上、左下、右上及び右下の前記データ線側に配置され、伝送されたデータ信号に基づく画素データを、該当する表示領域の前記各データ線に書き込む4つのデータ線駆動回路と、
与えられた走査制御信号に基づいて、前記各走査線を所定の順序で駆動するための走査線駆動信号を出力する走査線駆動回路と、
与えられた映像信号に基づいて、前記データ信号を生成して該当する前記各データ線駆動回路へ各データ信号伝送配線を介してそれぞれ伝送すると共に、前記走査制御信号を生成して前記走査線駆動回路へ与える信号処理手段とを有する画像表示装置であって、
前記信号処理手段は、
前記データ信号を前記各データ信号伝送配線に対して同一位相で送出する構成とされ、
前記各データ信号伝送配線は、
前記データ信号の電流の向きが、前記表示パネルの左上側に配置されている前記データ線駆動回路と左下側に配置されている前記データ線駆動回路とで互いに逆になると共に、前記表示パネルの右上側に配置されている前記データ線駆動回路と右下側に配置されている前記データ線駆動回路とで互いに逆になり、かつ、前記表示パネルの左上側に配置されている前記データ線駆動回路と右上側に配置されている前記データ線駆動回路とで互いに逆になるように配置されていることを特徴とする画像表示装置。
【請求項10】
所定列のデータ線、所定行の走査線、及び前記各データ線と前記各走査線との交差箇所に設けられている画素を有する表示パネルと、
該表示パネルの前記データ線側に配置され、伝送されたデータ信号に基づく画素データを、該当する表示領域の前記各データ線に書き込む複数のデータ線駆動回路と、
与えられた走査制御信号に基づいて、前記各走査線を所定の順序で駆動するための走査線駆動信号を出力する走査線駆動回路と、
与えられた映像信号に基づいて、前記データ信号を生成して該当する前記データ線駆動回路へデータ信号伝送配線を介して伝送すると共に、前記走査制御信号を生成して前記走査線駆動回路へ与える信号処理手段とを有する画像表示装置に用いられる伝送信号制御方法であって、
前記信号処理手段では、
極性反転通知信号生成部が、前記各データ線駆動回路毎に、前記データ信号に対して、伝送される前の階調レベルと比較して変化量が所定値よりも大きい場合は、当該データ信号の極性を全て反転して該当する前記データ線駆動回路へ伝送すると共に、当該データ信号の極性が反転されていることを示す極性反転通知信号を生成して通知信号伝送配線を介して前記データ線駆動回路へ伝送し、
極性反転通知信号初期極性設定部が、前記極性反転通知信号生成部で生成される前記極性反転通知信号の初期極性を、前記通知信号伝送配線毎に設定し、
前記各データ線駆動回路では、
前記極性反転通知信号に基づいて、伝送された前記データ信号の極性を反転することを特徴とする伝送信号制御方法。
【請求項11】
前記極性反転通知信号生成部では、
前記データ信号に対して、伝送される前のデータ信号と比較して極性が変化するデータ信号が過半数よりも多い場合に、当該データ信号の極性を全て反転することを特徴とする請求項10記載の伝送信号制御方法。
【請求項12】
前記各データ線駆動回路は、前記表示パネルの上下の前記データ線側にそれぞれ配置され、
前記極性反転通知信号初期極性設定部が、前記極性反転通知信号生成部で生成される前記極性反転通知信号の初期極性を、前記表示パネルの上側に配置されているデータ線駆動回路と下側に配置されているデータ線駆動回路とで互いに逆極性に設定することを特徴とする請求項10又は11記載の伝送信号制御方法。
【請求項13】
前記各データ線駆動回路は、前記表示パネルの上下の前記データ線側にそれぞれ配置され、
前記極性反転通知信号初期極性設定部が、前記極性反転通知信号生成部で生成される前記極性反転通知信号の初期極性を、前記表示パネルの左上側に配置されているデータ線駆動回路と左下側に配置されているデータ線駆動回路とで互いに逆極性に設定すると共に、前記表示パネルの右上側に配置されているデータ線駆動回路と右下側に配置されているデータ線駆動回路とで互いに逆極性に設定し、かつ、前記表示パネルの左上側に配置されているデータ線駆動回路と右上側に配置されているデータ線駆動回路とで互いに逆極性に設定することを特徴とする請求項10又は11記載の伝送信号制御方法。
【請求項14】
所定列のデータ線、所定行の走査線、及び前記各データ線と前記各走査線との交差箇所に設けられている画素を有する表示パネルと、
該表示パネルの前記データ線側に配置され、伝送されたデータ信号に基づく画素データを、該当する表示領域の前記各データ線に書き込む複数のデータ線駆動回路と、
与えられた走査制御信号に基づいて、前記各走査線を所定の順序で駆動するための走査線駆動信号を出力する走査線駆動回路と、
与えられた映像信号に基づいて、前記データ信号を生成して該当する前記各データ線駆動回路へ各データ信号伝送配線を介してそれぞれ伝送すると共に、前記走査制御信号を生成して前記走査線駆動回路へ与える信号処理手段とを有する画像表示装置に用いられる伝送信号制御方法であって、
前記信号処理手段が、前記データ信号の電流の向きを、一方の前記データ線駆動回路と他方の前記データ線駆動回路とで互いに逆に設定することを特徴とする伝送信号制御方法。
【請求項15】
前記各データ線駆動回路が、前記表示パネルの上下の前記データ線側にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項14記載の伝送信号制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−83699(P2012−83699A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105735(P2011−105735)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【出願人】(303018827)NLTテクノロジー株式会社 (547)
【Fターム(参考)】