説明

画像表示装置

【課題】インフォーメーションパネル、玩具、絵本、学習教材等、様々な分野に用いることが可能な、複数画像の表示が可能な画像表示装置を提供する。
【解決手段】複数の画像を合成して構成された絵柄部を有する画像シートと、中央部に窓部を有する外枠と、透明シートに、一定線幅の複数の縦線及び横線が、一定の線間隔を置いて直角に交わって引かれたマスク版と、を具備し、前記画像シートは前記外枠に固定され、前記マスク版は、前記窓部に形成されたくぼみ部に、前記絵柄部上で、移動可能に設けられ、前記外枠を回転させることにより、前記マスク版が前記絵柄部上で重力方向に移動し、表示画像を切り替えることを特徴とする画像表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インフォーメーションパネル、玩具、絵本、学習教材等、様々な分野に用いることが可能な、複数画像の表示が可能な画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来様々な分野において、画像を複数の等間隔の帯状に分割し、分割された画像を一つ置きに消去して作成されたパターン印刷物の上に、前記分割幅と同幅の透過部と非透過部とを交互に配列したマスク版を載せ、マスク版を所定の位置に重ね合わせることにより、画像を表示させる方法が利用されている。
例えば本出願人は先に、背景部と、パターンの角度がそれぞれ異なる複数の規則的な万線状パターンを有する判別パターン部とを有する印刷物上に、印刷物の万線状パターンと干渉するピッチの万線状パターンを有する判別具を載せて、判別具を回転させることにより複数の画像を形成させる方法を提案した。
【特許文献1】特開平10−297077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の方法では、マスク版の移動や画像切り替えが一瞬にして行われるものではなく、インフォーメーションパネルや玩具等の様々な分野で実用化されるには至らなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、表示装置本体を回転させるだけで画像の切り替えが可能な画像表示装置を見出し、本発明に至った。
【0005】
本発明の第1の発明は、複数の画像を合成して構成された絵柄部を有する外枠と、透明シートに、一定線幅の複数の縦線及び/又は横線が、等間隔で描かれたマスク版と、を具備し、前記マスク版は、前記絵柄部上で、移動可能に設けられ、前記外枠を回転させることにより、前記マスク版が重力方向に移動し、表示画像を切り替えることを特徴とする画像表示装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の画像表示装置は、装置全体を回転させることにより、自動的に絵柄を切り替えることができる。精度良く簡単に画像切り替えが可能であるため、インフォーメーションパネル、玩具、絵本、学習教材等、様々な分野に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明にかかる画像表示装置の一例を示す斜視図であり、図2は図1に示す画像表示装置の構造説明図である。また、図3は、本発明の画像表示装置の使用説明図であり、図4は、図2に示す画像シートの説明図である。
【0008】
本発明の画像表示装置1は、図2に示すように、絵柄部5を有する画像シート3と外枠7とマスク版11とからなる。外枠7は、中央部に窓部9を有し、窓部9において画像シート3の絵柄部5上にマスク版11が重ねられる。画像シート3は、外枠7に固定して設けられ、マスク版11はくぼみ部である窓部9内に移動可能に設けられる。
【0009】
また、ここでは示していないが、窓部9のマスク版11の前面に、ブラスチック等の透明シートを設けることにより、マスク版11が窓部9からはずれることを防止できる。
【0010】
マスク版11は、正方形の透明シートに、一定線幅の複数の縦線及び横線が、一定の線間隔をおいて等間隔で描かれ、縦線と横線とは直角に交わって設けられる。これによりマスク版11に透明な方眼部15が形成される。尚、横線及び縦線の線幅と線間隔とは、同じ長さである。マスク版11の形状は、特に正方形に限定するものではなく、長方形でもよい。
【0011】
外枠7の形状は、特に限定するものではないが、本実施形態では、画像表示装置1を90度ずつ回転させて、4種の画像を表示させることから、正方形または長方形が好ましい。
【0012】
窓部9は、一角が上向きに配置された正方形状または長方形状であり、窓部9の一辺の長さがマスク版11の一辺の長さよりマスク版11の線幅分長い大きさである。これにより、窓部9とマスク版11との間にマスク版の方眼1マス分の幅の隙間13が生じ、外枠7を回転させたとき、重力により窓部9内でマスク版11が移動する。
【0013】
画像表示装置1は、マスク版11を重力により移動させることから、立てて用いることが好適である。
【0014】
画像シート3の絵柄部5は、図4に示すように、図4(a)に示す4種の画像31、33、35、37を図4(b)に示す様に一枚に合成した合成画像39である。4種の画像31、33、35、37は、それぞれ図4(a)に示すように、マスク版11と同様の方眼に分割され、マスク版11の方眼に重なる箇所のみの画像で形成されたマスク版11の下絵用画像である。また画像が90度ずつ回転して順に表示されることを考慮して、それぞれの画像は予め90度ずつ回転させて構成されている。
【0015】
また、絵柄部5上でマスク版11が方眼1マス分移動して、表示を切り替えることから、4種の画像31、33、35、37の合成は、マスク版11の方眼1マス分ずつ位置をずらして合成される。図4(c)に、4種の画像の合成位置の説明図として合成画像39の一部を示す。合成画像39をマスク版11の方眼と同サイズの方眼で区切ると、図中、aで示す部分には画像Aの一部が、bで示す部分には画像Bの一部が、cで示す部分には画像Cの一部が、またdで示す部分には画像Dの一部が形成される。
【0016】
以上のように4種の画像を合成することにより、4種の画像を切り替えて表示可能となる。図5、図6を用いて説明する。本発明では、図5に示すように、マスク版41を合成画像39の上に重ねる。これにより、図6(a)に示すように、マスク版41の透明部に、aで示す部分のみが現れ、b、c、及びdで示す部分は、マスク版41の縦線又は横線に隠される。次に、装置を90度回転することにより、図6(b)に示すように、マスク版41が方眼1マス分移動し、dで示す部分のみが現れ、a、b、及びcで示す部分は、マスク版41の縦線又は横線に隠される。更に、装置を90度回転することにより、図6(c)に示すように、マスク版41が方眼1マス分移動し、cで示す部分のみが現れ、a、b、及びdで示す部分は、マスク版41の縦線又は横線に隠される。更に、装置を90度回転することにより、図6(d)に示すように、マスク版41が方眼1マス分移動し、bで示す部分のみが現れ、a、c、及びdで示す部分は、マスク版41の縦線又は横線に隠される。ここで、実際は装置の回転により、合成画像39及びマスク版41も回転するが、図6(b)、(c)、(d)においては、合成画像39及びマスク版41の回転は描かず、マスク版41の移動のみ説明した。
【0017】
次に本発明の画像表示装置の使用方法を説明する。
図3(a)に示すように、窓部9に画像Aが表示された状態で、図中右回転に外枠7を90度回転させると、マスク版11は重力により移動方向21の矢印方向に移動し、図3(b)に示す様に、窓部9に画像Dが表示される。更に、同様に外枠7を図中右回転に90度回転させると、図3(c)に示す様に、窓部9に画像Cが表示され、更に同様に外枠7を図中右回転に90度回転させると、図3(d)に示す様に、窓部9に画像Bが表示される。図中、目印23は、外枠7の回転位置を示すためのものである。
【0018】
画像表示装置1を回転させる方法は、特に限定するものではないが、モーターを用いる方法が好適に利用可能である。図7に示すように、少なくとも画像表示部が透明のケース47に、画像表示装置1を収納して固定し、モーター43により回転する回転軸45をケース47に取り付ける。一定時間毎に、90度ずつ回転軸45が回転するように設定することにより、自動表示切り替えが可能となる。また、図7に示すモーター付きの画像表示装置を複数台並べて設置すれば、より多くの情報表示が可能となる。
【0019】
このように、本発明によれば、装置全体を回転させることにより、自動的に絵柄を切り替えることができる。精度良く簡単に画像切り替えが可能であるため、インフォーメーションパネル、玩具、絵本、学習教材等、様々な分野に用いることができる。
【0020】
なお、本発明はその技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、前述した実施形態では、4種の画像を表示させたが、2種類の画像を表示させることもできる。2種類の画像を表示させる場合は、表示装置を180度回転させて画像の切り替えを行ってもよいし、前記実施形態において、縦線又は横線のみが一定間隔で引かれているマスク版を用いて、90度回転させることにより表示を切り替えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の画像表示装置の一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1の画像表示装置の構造説明図である。
【図3】本発明の画像表示装置の使用説明図である。
【図4】図2に示す絵柄部5の説明図である。
【図5】図2に示す絵柄部5の説明図である。
【図6】図2に示す絵柄部5の説明図である。
【図7】モーター付き画像表示装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0022】
1………画像表示装置
3………画像シート
5………絵柄部
7………外枠
9………窓部
11………マスク版
13………隙間
15………方眼部
21………移動方向
23………目印
31………画像
33………画像
35………画像
37………画像
39………合成画像
41………マスク版
43………モーター
45………回転軸
47………ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を合成して構成された絵柄部を有する外枠と、
透明シートに、一定線幅の複数の縦線及び/又は横線が、等間隔で描かれたマスク版と、を具備し、
前記マスク版は、前記絵柄部上で、移動可能に設けられ、前記外枠を回転させることにより、前記マスク版が重力方向に移動し、表示画像を切り替えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記マスク版は、複数の縦線と横線とが、直角に交わって描かれていることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記マスク版は正方形又は長方形であり、前記外枠の中央部に設けられた正方形または長方形のくぼみ部に備えられ、前記くぼみ部の一辺の長さは、前記マスク版の一辺の長さより前記マスク版の線幅分長いことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−139852(P2007−139852A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−329819(P2005−329819)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】