説明

画像表示装置

【課題】画像表示装置において、簡単な構成によって、外光が反射板で反射することによる画像の表示輝度への影響を抑える。
【解決手段】画像表示装置は、外光強度センサ6と、ガンマ電圧供給部22と、マイクロコンピュータ24等を備える。ガンマ電圧供給部22は、複数のガンマ生成回路31、32、33と、複数の入力スイッチ41、42、43と、複数の出力スイッチ51、52、53とを備える。ガンマ生成回路31〜33は、互いに異なるガンマ電圧を生成する。マイクロコンピュータ24は、外光強度センサ6の測定値に基いて、入力スイッチ41〜43、及び出力スイッチ51〜53のオン、オフを制御することにより、ガンマ生成回路31〜33のいずれかを選択して、その選択したガンマ生成回路により生成されるガンマ電圧を液晶駆動部に供給する。液晶駆動部において、このガンマ電圧で液晶セルの液晶画素が駆動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示する画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像表示装置としては、図4に示す構成のものが知られている。図4に示す画像表示装置70は、多数の液晶画素を有する液晶セル71と、光源72と、反射板73と、光学シート類74とを備えている。光源72は、液晶セル71の背後に配置されており、反射板73は、光源72の背後に配置されている。光学シート類74は、液晶セル71と光源72との間に配置されている。そして、光源72から放射された光及び反射板73で反射された光をバックライト光75として、そのバックライト光75を液晶セル71の液晶画素に透過させることにより、画像を表示するようになっている。
【0003】
一方、外光の強さに応じて、コントラストを強調するように、画像信号に対して補正処理を行うようにした画像表示装置が知られている(例えば特許文献1参照)。また、外光の強さに応じて、色光に色再現性重視のスペクトル分布を持たせる第1のモードと、輝度重視のスペクトル分布を持たせる第2のモードの設定を行うと共に、設定されたモードに応じた入力画像信号の階調特性の可変設定および画像表示素子の駆動電圧範囲の可変設定のうち少なくとも一方を行うようにした映像信号処理装置が知られている(例えば特許文献2参照)。また、外光の強さに応じて、ガンマ補正特性を改善するように、画像信号に対して補正処理を行うようにした表示制御装置が知られている(例えば特許文献3乃至特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−17306号公報
【特許文献2】特開2003−158747号公報
【特許文献3】特開平6−83287号公報
【特許文献4】特開2006−227332号公報
【特許文献5】特開2004−151187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した従来の画像表示装置70においては、例えば携帯型のものなどの場合に、屋外で使用されることがある。画像表示装置70を屋外使用すると、外光76が画像表示装置70内に侵入して反射板73で反射し、その反射板73で反射した外光76が画像の表示輝度に影響を与えてしまう。
【0006】
例えば、暗い場所で見たときの表示輝度特性を図5の曲線A(暗室)で示すように設計したとする。図5において、横軸は、画像信号の示す輝度値であり、縦軸は、画像信号の示す輝度値に対してディスプレイで表示すべき表示輝度である。しかし、外光76が強い場所で見たときの表示輝度特性は、図5の曲線B(外光)で示すように、低階調領域で表示輝度が高くなってしまう。すなわち、低階調領域が白浮きしてしまい、黒いところが、黒く見えない状態になってしまう。
【0007】
そこで、外光76が反射板73で反射することによる表示輝度への影響を抑えることが望まれる。また、この場合、簡単な構成によって、外光76が反射板73で反射することによる表示輝度への影響を抑えることが望まれる。例えば、外光76の強さに応じて画像信号の示す輝度値を補正するのでは、画像信号の複雑な処理が必要であり、複雑な構成になってしまう。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成によって、外光が反射板で反射することによる画像の表示輝度への影響を抑えることができる画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、液晶画素が多数配列されて構成された液晶セルと、光を放射する光源と、光源から放射された光を反射する反射板と、液晶セルの液晶画素を駆動する液晶駆動部とを備え、光源から放射された光及び反射板で反射された光を液晶セルの液晶画素に透過させることにより、画像を表示する画像表示装置において、外光の強さを測定する外光強度センサと、外光強度センサの測定値に基いて、外光が反射板で反射することによる画像の表示輝度への影響を除去するように、画像の表示輝度を調整する表示輝度調整手段とを備え、表示輝度調整手段は、液晶駆動部が液晶セルの液晶画素を駆動するための駆動電圧であるガンマ電圧を調整することにより、外光が反射板で反射することによる画像の表示輝度への影響を除去するように、画像の表示輝度を調整するものである。
【0010】
請求項2の発明は、表示輝度調整手段は、互いに異なるガンマ電圧を生成する複数のガンマ生成回路と、外光強度センサの測定値に基いて、複数のガンマ生成回路のいずれかを選択して、その選択したガンマ生成回路により生成されるガンマ電圧を液晶駆動部に供給するガンマ電圧選択手段とを有するものである。
【0011】
請求項3の発明は、複数のガンマ生成回路は、各々、画像信号の示す多階調の輝度値に対応して、複数の異なるガンマ電圧を生成するものである。
【0012】
請求項4の発明は、表示輝度調整手段は、液晶駆動部が液晶セルの液晶画素を駆動するための駆動電圧であるガンマ電圧を調整することに加え、光源が放射する光の強度を調整することにより、外光が反射板で反射することによる画像の表示輝度への影響を除去するように、画像の表示輝度を調整するものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1乃至請求項3の発明によれば、外光が反射板で反射することによる画像の表示輝度への影響を除去するように、画像の表示輝度が調整される。従って、外光が反射板で反射することによる画像の表示輝度への影響を抑えることができる。しかも、液晶画素を駆動するための駆動電圧であるガンマ電圧を調整することにより、画像の表示輝度を調整する構成であるので、簡単な構成によって、外光が反射板で反射することによる画像の表示輝度への影響を抑えることができる。
【0014】
請求項4の発明によれば、請求項1乃至請求項3の発明と同様に、外光が反射板で反射することによる画像の表示輝度への影響を抑えることができる。しかも、液晶画素を駆動するための駆動電圧であるガンマ電圧を調整することと、光源が放射する光の強度を調整することにより、画像の表示輝度を調整する構成であるので、簡単な構成によって、外光が反射板で反射することによる画像の表示輝度への影響を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像表示装置の概略構成を示す断面図。
【図2】同画像表示装置の電気的ブロック構成図。
【図3】同画像表示装置のガンマ電圧供給部の構成を示す電気的ブロック構成図。
【図4】従来の画像表示装置の構成を示す断面図。
【図5】従来の画像表示装置の表示輝度特性を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した実施形態による画像表示装置について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態による画像表示装置の構成を示す。画像表示装置1は、液晶セル2と、光源3と、反射板4と、光学シート類5と、外光強度センサ6等を備える。これら液晶セル2、光源3、反射板4、光学シート類5、及び外光強度センサ6は、筐体7内に収納されている。
【0017】
液晶セル2は、液晶画素が縦横に多数配列されて構成されたものである。液晶セル2の各液晶画素は、電圧が印加されることにより駆動されて、光の透過率が変化する。液晶セル2の各液晶画素は、駆動されていない(電圧が印加されていない)ときには、光を透過しない状態となり、駆動されている(電圧が印加されている)ときには、光を透過する状態となる。また、液晶セル2の各液晶画素は、駆動電圧(印加電圧)の大きさに応じて光透過率が変化し、駆動電圧が小さいほど光透過率が低くなり、駆動電圧が大きいほど光透過率が高くなる。液晶セル2は、筐体7の画像表示開口8に臨むように配置されている。
【0018】
光源3は、液晶セル2の液晶画素に透過させる光を放射するものであり、液晶セル2の背後(画像表示開口8と反対側の場所)に配置されている。光源3は、例えば、冷陰極管やLEDである。
【0019】
反射板4は、光源3から放射された光を反射するものであり、光源3の背後(液晶セル2の配置されている側と反対側の場所)に配置されている。すなわち、反射板4は、光源3から液晶セル2の反対側に向かって放射された光を反射して液晶セル2に向かわせるものである。光源3から放射された光及び反射板4で反射された光は、液晶セル2のバックライト光11となって、液晶セル2の駆動されている液晶画素を透過する。光学シート類5は、液晶セル2と光源3との間に配置されている。
【0020】
外光強度センサ6は、外光12の強さを測定するものであり、筐体7の測定開口9に臨むように配置されている。また、外光強度センサ6は、照度センサであり、液晶セル2の液晶画素の配列面の近くであって、画像表示開口8の近くに配置されている。すなわち、外光強度センサ6は、外光12による液晶セル2の液晶画素の配列面上の照度を、外光12の強さとして測定する。
【0021】
このような構成の画像表示装置1は、光源3から放射された光及び反射板4で反射された光をバックライト光11として、そのバックライト光11を液晶セル2の液晶画素に透過させることにより、画像を表示するようになっている。すなわち、液晶セル2の液晶画素の配列面が画像表示面となって、液晶セル2の液晶画素の配列面上に画像が表示される。
【0022】
また、この画像表示装置1は、外光強度センサ6により、外光12の強さ(外光12による液晶セル2の液晶画素の配列面上の照度)を測定して、その測定値に基いて、自動的に、外光12が反射板4で反射することによる画像の表示輝度への影響を抑えるように、画像の表示輝度を調整する機能を備えている。外光12が反射板4で反射することによる画像の表示輝度への影響とは、外光12が画像表示装置1内に侵入して(画像表示開口8及び液晶セル2の液晶画素を透過して)反射板4で反射し、その反射板4で反射した外光12が画像の表示輝度に与える影響であって、画像の表示輝度が高くなってしまう影響である。
【0023】
図2は、画像表示装置1の電気的ブロック構成を示す。画像表示装置1は、上述の構成に加え、画像処理部21と、ガンマ電圧供給部22と、液晶駆動部23と、画像表示装置1の動作を制御するマイクロコンピュータ24等を備える。
【0024】
液晶セル2の各液晶画素は、液晶駆動部23により電圧が印加されて駆動される。光源3は、マイクロコンピュータ24による制御のもと、光を放射する。外光強度センサ6は、マイクロコンピュータ24による制御のもと、外光12の強さ(外光12による液晶セル2の液晶画素の配列面上の照度)を測定し、その測定値を出力する。この測定値は、マイクロコンピュータ24に入力される。
【0025】
画像処理部21は、マイクロコンピュータ24による制御のもと、画像を表示するための画像信号を生成し、その画像信号を液晶駆動部23に供給する。ここで、画像信号は、液晶セル2の各液晶画素の出力すべき輝度値(各液晶画素の設定すべき光の透過率に対応する値)を示す信号である。液晶セル2の各液晶画素の出力すべき輝度値は、1、2、・・・、Nの多階調(本実施形態では、256階調(N=256))である。すなわち、画像処理部21は、画像信号として、液晶セル2の各液晶画素の出力すべき多階調の輝度値を示す信号を生成し、その信号を液晶駆動部23に供給する。
【0026】
ガンマ電圧供給部22は、マイクロコンピュータ24による制御のもと、液晶セル2の液晶画素を駆動するための駆動電圧であるガンマ電圧を液晶駆動部23に供給する。すなわち、ガンマ電圧供給部22は、ガンマ電圧として、液晶セル2の各液晶画素の出力すべき多階調の輝度値に対応して、すなわち、画像信号の示す多階調の輝度値に対応して、複数の異なるガンマ電圧V、V、・・・、V(V<V<・・・<V)(本実施形態では、256階調に対応して、256種のガンマ電圧(N=256))を液晶駆動部23に供給する。
【0027】
液晶駆動部23は、画像処理部21から供給される画像信号に基いて、液晶セル2の各液晶画素の輝度が画像処理部21から供給される画像信号の示す輝度値と対応する輝度となるように、液晶セル2の各液晶画素を駆動する。このとき、液晶駆動部23は、液晶セル2の各液晶画素をガンマ電圧供給部22から供給されるガンマ電圧V、V、・・・、Vで駆動する。すなわち、液晶駆動部23は、液晶セル2の各液晶画素について、画像信号の示す輝度値が1である液晶画素をガンマ電圧Vで駆動し、画像信号の示す輝度値が2である液晶画素をガンマ電圧Vで駆動し、・・・、画像信号の示す輝度値がNである液晶画素をガンマ電圧Vで駆動する。
【0028】
ガンマ電圧供給部22及びマイクロコンピュータ24は、後述するように、外光強度センサ6の測定値に基いて、外光12が反射板4で反射することによる画像の表示輝度への影響を除去するように、画像の表示輝度を調整する。ガンマ電圧供給部22及びマイクロコンピュータ24によって、表示輝度調整手段が構成されている。
【0029】
図3は、ガンマ電圧供給部22の電気的ブロック構成を示す。ガンマ電圧供給部22は、複数のガンマ生成回路31、32、33と、複数の入力スイッチ41、42、43と、複数の出力スイッチ51、52、53とを備える。
【0030】
ガンマ生成回路31、32、33は、各々、画像信号の示す多階調の輝度値に対応して、複数の異なるガンマ電圧V、V、・・・、Vを生成する。ガンマ生成回路31、32、33は、各々、例えばラダー回路等により構成されており、電源回路(不図示)から供給されるガンマ生成元電圧から、ガンマ電圧V、V、・・・、Vを生成する。
【0031】
ガンマ生成回路31、32、33は、ガンマ電圧V、V、・・・、Vとして、互いに異なるガンマ電圧を生成する。すなわち、ガンマ生成回路31は、ガンマ電圧V、V、・・・、Vとして、V[1]、V[1]、・・・、V[1]を生成し、ガンマ生成回路32は、ガンマ電圧V、V、・・・、Vとして、V[2]、V[2]、・・・、V[2]を生成し、ガンマ生成回路33は、ガンマ電圧V、V、・・・、Vとして、V[3]、V[3]、・・・、V[3]を生成する。
【0032】
ここで、ガンマ生成回路31が生成するガンマ電圧V[1]、V[1]、・・・、V[1]は、外光12の強さ(外光12による液晶セル2の液晶画素の配列面上の照度)が通常レベルよりも強いときに、その外光12が反射板4で反射することによる画像の表示輝度への影響を除去するように、設定された電圧である。また、ガンマ生成回路32が生成するガンマ電圧V[2]、V[2]、・・・、V[2]は、外光12の強さが通常レベルのときに、その外光12が反射板4で反射することによる画像の表示輝度への影響を除去するように、設定された電圧である。また、ガンマ生成回路33が生成するガンマ電圧V[3]、V[3]、・・・、V[3]は、外光12の強さが通常レベルよりも弱いときに、その外光12が反射板4で反射することによる画像の表示輝度への影響を除去するように、設定された電圧である。
【0033】
これらガンマ生成回路31、32、33が生成するガンマ電圧V[i]、V[i]、・・・、V[i](i=1、2、3)の電圧値は、外光12が反射板4で反射することによる画像の表示輝度への影響が除去されるように、試験によって求められた電圧値である。
【0034】
入力スイッチ41、42、43、及び出力スイッチ51、52、53は、各々、例えばトランジスタにより構成されており、マイクロコンピュータ24による制御のもと、オン、オフされる。入力スイッチ41、42、43、及び出力スイッチ51、52、53がオン、オフされることにより、ガンマ生成回路31、32、33によるガンマ電圧V、V、・・・、Vの生成、及び液晶駆動部23へのガンマ電圧V、V、・・・、Vの供給が制御される。
【0035】
マイクロコンピュータ24は、外光強度センサ6の測定値に基いて、入力スイッチ41、42、43、及び出力スイッチ51、52、53をオン、オフする。
【0036】
すなわち、マイクロコンピュータ24は、外光強度センサ6の測定値が第1の閾値以上のときに、外光12の強さが通常レベルよりも強いと判断して、入力スイッチ41及び出力スイッチ51をオンにすると共に、入力スイッチ42、43及び出力スイッチ52、53をオフにする。これにより、ガンマ生成回路31によりガンマ電圧V[1]、V[1]、・・・、V[1]が生成されて、そのガンマ電圧V[1]、V[1]、・・・、V[1]がV、V、・・・、Vとして液晶駆動部23に供給される。
【0037】
また、マイクロコンピュータ24は、外光強度センサ6の測定値が第1の閾値未満で第2の閾値(第2の閾値は、第1の閾値よりも小さい)以上のときに、外光12の強さが通常レベルであると判断して、入力スイッチ42及び出力スイッチ52をオンにすると共に、入力スイッチ41、43及び出力スイッチ51、53をオフにする。これにより、ガンマ生成回路32によりガンマ電圧V[2]、V[2]、・・・、V[2]が生成されて、そのガンマ電圧V[2]、V[2]、・・・、V[2]がV、V、・・・、Vとして液晶駆動部23に供給される。
【0038】
また、マイクロコンピュータ24は、外光強度センサ6の測定値が第2の閾値未満のときに、外光12の強さが通常レベルよりも弱いと判断して、入力スイッチ43及び出力スイッチ53をオンにすると共に、入力スイッチ41、42及び出力スイッチ51、52をオフにする。これにより、ガンマ生成回路33によりガンマ電圧V[3]、V[3]、・・・、V[3]が生成されて、そのガンマ電圧V[3]、V[3]、・・・、V[3]がV、V、・・・、Vとして液晶駆動部23に供給される。
【0039】
つまり、マイクロコンピュータ24は、外光強度センサ6の測定値に基いて、入力スイッチ41、42、43、及び出力スイッチ51、52、53をオン、オフすることにより、ガンマ生成回路31、32、33のいずれかを選択して、その選択したガンマ生成回路31、32、33により生成されるガンマ電圧V、V、・・・、Vを液晶駆動部23に供給する。マイクロコンピュータ24によって、ガンマ電圧選択手段が構成されている。
【0040】
このように、ガンマ電圧供給部22及びマイクロコンピュータ24の働きにより、外光強度センサ6の測定値に基いて(外光12の強さに応じて)、ガンマ電圧供給部22から液晶駆動部23に供給されるガンマ電圧V、V、・・・、Vが調整される。そして、ガンマ電圧供給部22から液晶駆動部23に供給されるガンマ電圧V、V、・・・、Vが調整されることにより、液晶駆動部23において、その調整後のガンマ電圧V、V、・・・、Vで液晶セル2の液晶画素が駆動されることになり、画像の表示輝度が調整される。
【0041】
すなわち、ガンマ電圧供給部22及びマイクロコンピュータ24は、外光強度センサ6の測定値に基いて、液晶駆動部23に供給するガンマ電圧V、V、・・・、V(液晶駆動部23が液晶セル2の液晶画素を駆動するための駆動電圧)を調整することにより、画像の表示輝度を調整する。
【0042】
このとき、外光強度センサ6の測定値が第1の閾値以上のとき(外光12の強さが通常レベルよりも強いとき)には、液晶駆動部23に供給されるガンマ電圧V、V、・・・、Vは、ガンマ生成回路31により生成されたガンマ電圧V[1]、V[1]、・・・、V[1]となるように調整される。また、外光強度センサ6の測定値が第1の閾値未満で第2の閾値以上のとき(外光12の強さが通常レベルのとき)には、液晶駆動部23に供給されるガンマ電圧V、V、・・・、Vは、ガンマ生成回路32によりガンマ電圧V[2]、V[2]、・・・、V[2]となるように調整される。また、外光強度センサ6の測定値が第2の閾値未満のとき(外光12の強さが通常レベルよりも弱いとき)には、液晶駆動部23に供給されるガンマ電圧V、V、・・・、Vは、ガンマ生成回路33によりガンマ電圧V[3]、V[3]、・・・、V[3]となるように調整される。
【0043】
すなわち、ガンマ電圧供給部22及びマイクロコンピュータ24は、外光強度センサ6の測定値に基いて、液晶駆動部23に供給するガンマ電圧V、V、・・・、V(液晶駆動部23が液晶セル2の液晶画素を駆動するための駆動電圧)を調整することにより、外光12が反射板4で反射することによる画像の表示輝度への影響を除去するように、画像の表示輝度を調整する。
【0044】
このような構成の画像表示装置1によれば、外光12が反射板4で反射することによる画像の表示輝度への影響を除去するように、画像の表示輝度が調整される。従って、外光12が反射板4で反射することによる画像の表示輝度への影響を抑えることができる。しかも、液晶セル2の液晶画素を駆動するための駆動電圧であるガンマ電圧を調整することにより画像の表示輝度を調整する構成であるので、簡単な構成によって、外光12が反射板4で反射することによる画像の表示輝度への影響を抑えることができる。
【0045】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能である。例えば、ガンマ電圧供給部は、3つのガンマ生成回路を備えた構成に限られず、2つのガンマ生成回路を備えた構成でもよいし、4つ以上のガンマ生成回路を備えた構成でもよい。ガンマ生成回路の個数に応じて、マイクロコンピュータにおける外光の強度を判断する閾値を設定すればよい。また、外光強度センサは、光の受光強度に応じた信号を出力するものであれば、照度センサ以外のセンサであってもよい。
【0046】
また、ガンマ電圧を調整することに加え、光源が放射する光の強度を調整することにより、外光が反射板で反射することによる画像の表示輝度への影響を除去するように、画像の表示輝度を調整するようにしてもよい。この場合、外光が反射板で反射することによる画像の表示輝度への影響が除去されるような、ガンマ生成回路が生成するガンマ電圧の電圧値と光源が放射する光の強度の組合せを、試験によって求めておけばよい。また、この場合、マイクロコンピュータが外光強度センサの測定値に基いて、光源が放射する光の強度を調整すればよく、ガンマ電圧供給部、光源、及びマイクロコンピュータによって、表示輝度調整手段が構成される。
【符号の説明】
【0047】
1 画像表示装置
2 液晶セル
3 光源
4 反射板
5 光学シート類
6 外光強度センサ
7 筐体
8 画像表示開口
9 測定開口
11 バックライト光
12 外光
21 画像処理部
22 ガンマ電圧供給部(表示輝度調整手段)
23 液晶駆動部
24 マイクロコンピュータ(表示輝度調整手段、ガンマ電圧選択手段)
31、32、33 ガンマ生成回路
41、42、43 入力スイッチ
51、52、53 出力スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶画素が多数配列されて構成された液晶セルと、光を放射する光源と、前記光源から放射された光を反射する反射板と、前記液晶セルの液晶画素を駆動する液晶駆動部とを備え、
前記光源から放射された光及び前記反射板で反射された光を前記液晶セルの液晶画素に透過させることにより、画像を表示する画像表示装置において、
外光の強さを測定する外光強度センサと、
前記外光強度センサの測定値に基いて、外光が前記反射板で反射することによる画像の表示輝度への影響を除去するように、画像の表示輝度を調整する表示輝度調整手段とを備え、
前記表示輝度調整手段は、前記液晶駆動部が前記液晶セルの液晶画素を駆動するための駆動電圧であるガンマ電圧を調整することにより、外光が前記反射板で反射することによる画像の表示輝度への影響を除去するように、画像の表示輝度を調整する、ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記表示輝度調整手段は、
互いに異なるガンマ電圧を生成する複数のガンマ生成回路と、
前記外光強度センサの測定値に基いて、前記複数のガンマ生成回路のいずれかを選択して、その選択したガンマ生成回路により生成されるガンマ電圧を前記液晶駆動部に供給するガンマ電圧選択手段とを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記複数のガンマ生成回路は、各々、画像信号の示す多階調の輝度値に対応して、複数の異なるガンマ電圧を生成する、ことを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記表示輝度調整手段は、前記液晶駆動部が前記液晶セルの液晶画素を駆動するための駆動電圧であるガンマ電圧を調整することに加え、前記光源が放射する光の強度を調整することにより、外光が前記反射板で反射することによる画像の表示輝度への影響を除去するように、画像の表示輝度を調整する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−226168(P2012−226168A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94412(P2011−94412)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】