画像記録システム及び画像記録方法
【課題】刻印情報に誤りのある画像が記録されることを防止可能な画像記録システムを提供する
【解決手段】画像記録システムは、携帯機器が工事部位に固定された設置型情報記録媒体から工事部位を特定する工事部位IDを読み取ったとき(S102)から携帯機器が工事部位を撮影したとき(S103)までの経過時間が基準時間内であるか否かを判定し(S105)、前記経過時間が基準時間内であると判定された場合(S105でYES)、工事部位IDと工事部位に関する情報とが関連付けられたテーブルの中から、携帯機器が読み取った情報に一致する工事部位IDを検索し(S108)、該検索したIDに関連付けられている工事部位に関する情報を携帯機器が撮影した画像に刻印し(S109)、情報が刻印された画像を記憶する(S110)。
【解決手段】画像記録システムは、携帯機器が工事部位に固定された設置型情報記録媒体から工事部位を特定する工事部位IDを読み取ったとき(S102)から携帯機器が工事部位を撮影したとき(S103)までの経過時間が基準時間内であるか否かを判定し(S105)、前記経過時間が基準時間内であると判定された場合(S105でYES)、工事部位IDと工事部位に関する情報とが関連付けられたテーブルの中から、携帯機器が読み取った情報に一致する工事部位IDを検索し(S108)、該検索したIDに関連付けられている工事部位に関する情報を携帯機器が撮影した画像に刻印し(S109)、情報が刻印された画像を記憶する(S110)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録システムに関する。より詳しくは、携帯機器によって撮影された画像を記録するための画像記録システム及び画像記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築工事や土木工事が実施される際には、工事の品質確認や実施確認のために、デジタルカメラやスチールカメラによって工事の状況を撮影した工事写真を工事発注者に提出することが行われている。工事写真を撮影する際には、いつ、誰が、どのような工事を行ったのかを証拠として残すために、施工日付、施工業者、工事内容などを記した黒板を工事写真に写し込むことが行われている。
【0003】
また工事写真の整理や工事進捗管理を容易にすることなどを目的として、特許文献1〜4には、工程データや設計図面データなど工事に関する情報を、工事写真データに刻印したり、或いは工事写真データと関連付けて保存することが開示されている。そのうち特許文献1では、携帯電話器などの携帯機器によって、建材の撮影を行うとともに、ICタグに記憶された建材に関する情報を読み取って撮影画像に刻印することが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−293051号公報
【特許文献2】特開2007−164741号公報
【特許文献3】特開2001−349059号公報
【特許文献4】特開2002−288272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで上述のように黒板を用いる場合には、故意或いは過失で黒板に虚偽の内容が記載された状態で撮影が行われることで、誤った情報が撮影画像に刻印される虞れがある。また写真撮影のために、「黒板を持つ人」と「写真を撮影する人」の2人が必要となるため、施工作業が頻繁に中断し得る。
【0006】
また特許文献1では、画像に刻印される情報の改ざん防止を図るべく、情報の情報記録媒体としてICタグを用いているが、建材の撮影とICタグの読み取りとを携帯機器によって行っていることに起因して、画像の捏造が行われる虞れがある。すなわち、携帯機器の所持者が、第1の建材に付されたICタグの読み取りを行ってから別の場所に移動して第2の建材の撮影を行なった場合、画像中に映し出された建材は第2の建材であるにも関わらず、画像中に刻印された情報は第1の建材に関するものとなる。この結果、画像中に映し出された第2の建材は、第1の建材であると誤って認識される。
【0007】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、携帯機器によって撮影された画像を記録するための画像記録システム及び画像記録方法であって、刻印情報に誤りのある画像が記録されることを防止可能な画像記録システム及び画像記録方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る画像記録システムは、撮影対象物に固定または近接して配置され、前記撮影対象物を特定する情報が記憶された設置型情報記録媒体、及び前記撮影対象物を撮影し、前記設置型情報記録媒体から前記撮影対象物を特定する情報を読み取ることが可能な携帯機器を備えた画像記録システムであって、
前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであるか否かを判定する判定手段と、前記撮影対象物を特定する情報と前記撮影対象物に関する情報とを関連付けて記憶する情報記憶手段と、前記判定手段によって、前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであると判定された場合、前記情報記憶手段に記憶された前記撮影対象物を特定する情報のうち、前記携帯機器が読み取った前記撮影対象物を特定する情報に一致する情報を検索するとともに、該検索した情報に関連付けられている前記撮影対象物に関する情報を前記携帯機器が撮影した画像に刻印する刻印手段と、前記刻印手段によって情報が刻印された画像を記憶する画像記憶手段とを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第2の観点に係る画像記録方法は、撮影対象物に固定または近接して配置され、前記撮影対象物を特定する情報が記憶された設置型情報記録媒体、及び前記撮影対象物を撮影し、前記設置型情報記録媒体から前記撮影対象物を特定する情報を読み取ることが可能な携帯機器を用いた画像記録方法であって、前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップで前記画像が前記情報が特定する撮影対象物を撮影したものであると判定された場合、前記撮影対象物を特定する情報と前記撮影対象物に関する情報とが関連付けられたテーブルの中から、前記携帯機器が読み取った情報に一致する前記撮影対象物を特定する情報を検索するとともに、該検索した情報に関連付けられている前記撮影対象物に関する情報を前記携帯機器が撮影した画像に刻印する刻印ステップと、前記刻印ステップで情報が刻印された画像を記憶する画像記憶ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、前記携帯機器による撮影画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものでない場合には、前記撮影画像は、画像記憶手段に記憶されることがない。よって、前記画像記憶手段に記憶される画像は、前記読み取られた情報が特定する工事部位が撮影されたものとなる。そして、前記画像記憶手段に保管される画像には、前記読み取られた情報と前記情報記憶手段において関連付けられた撮影対象物に関する情報が刻印されることから、情報記憶手段における情報の関連付けが正確に行われることで、刻印情報に誤りがある画像が画像記憶手段に記憶されることが防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
<実施の形態1>
以下、この発明の実施の形態1について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は繰り返さない。図1は、実施の形態1における画像記録システム1の全体構成を示す図である。
【0012】
画像記録システム1は、携帯機器2と、サーバ3と、携帯型情報記録媒体4と、設置型情報記録媒体5とを含んでいる。携帯機器2と携帯型情報記録媒体4とは工事現場で作業を行う作業者によって所持され、サーバ3は工事現場から離れて位置する事務所に配置され、設置型情報記録媒体5は工事現場における工事部位毎に設けられて、それぞれ対応する工事部位に固定されている。
【0013】
携帯型情報記録媒体4は、RFID(Radio Frequency Identification)タグによって構成され、携帯型情報記録媒体4には、作業者を特定する作業者ID12が書き込まれている。
【0014】
各設置型情報記録媒体5は、携帯型情報記録媒体4と同様にRFIDタグによって構成され、各設置型情報記録媒体5には、それぞれ対応する工事部位を特定する工事部位ID14が書き込まれている。
【0015】
図2は、建造物の基礎部分8に固定された設置型情報記録媒体5を示しており、図2に示す設置型情報記録媒体5には、基礎部分8を特定する工事部位ID14が記憶されている。
【0016】
携帯機器2は、別体である携帯型撮影機器6と携帯型リーダ機器7とから構成されている。
【0017】
携帯型撮影機器6は、工事部位を撮影するために作業者に所持されるものであって、デジタルカメラ、デジタルカメラ機能付き携帯電話機によって構成され、Bluetoothや赤外線などの無線通信或いはメモリ媒体により、撮影した画像を携帯型リーダ機器7に送信する。
【0018】
図3は、携帯型撮影機器6が建設物の基礎部分8を撮影している状態を示している。携帯型撮影機器6は、テンキーなどの操作部10を有しており、この操作部10からの入力操作が行われることで、撮影したり、撮影した画像を携帯型リーダ機器7に送信する。
【0019】
携帯型リーダ機器7は、ICタグリーダ/ライタ、 ICタグリーダ/ライタ付きPDA(Personal Digital Assistant)、 ICタグリーダ/ライタ付き携帯電話機、ICタグリーダ/ライタ付きPC(PersonalComputer)によって構成され、携帯型情報記録媒体4や設置型情報記録媒体5に記憶されたデータを無線通信により読み込み、また無線通信によるインターネット接続を介してサーバ3にデータを送信する。
【0020】
図4は、携帯型リーダ機器7が携帯型情報記録媒体4からデータを読み込んでいる状態を示し、図5は、携帯型リーダ機器7が設置型情報記録媒体5からデータを読み込んでいる状態を示している。携帯型リーダ機器7は、各種情報の表示が可能な表示面11を有しており、表示面11に設けられたタッチパネルから入力操作が行われることで、携帯型情報記録媒体4や設置型情報記録媒体5からデータを読み込んだり、サーバ3にデータを送信する。
【0021】
サーバ3は、各種情報を記憶可能な記憶部(図示せず)を有しており、記憶部には、工事の工程を示すテーブル9が記憶されている。図6は、サーバ3に記憶されたテーブル9を示している。テーブル9には、工事現場の各工事部位を特定する工事部位ID14と、各工事部位に対する作業内容13と、各工事部位に対する作業を行う作業者を特定する作業者ID12とが互いに関連付けられて書き込まれている。
【0022】
次に図7を用いて本実施形態の画像記録システム1における処理の流れを説明する。
【0023】
作業者は、工事現場に到着すると、図4に示すように携帯型リーダ機器7を携帯型情報記録媒体4に近づけた状態で携帯型リーダ機器7のタッチパネルの入力操作を行う。この入力操作により、携帯型リーダ機器7は、携帯型情報記録媒体4に記憶された作業者ID12を読み込む(S101)。
【0024】
次に、作業者は、工事作業に着手すると、図5に示すように携帯型リーダ機器7を設置型情報記録媒体5に近づけた状態でタッチパネルの入力操作を行う。この入力操作により、携帯型リーダ機器7は、設置型情報記録媒体5に記憶された工事部位ID14を読み込む(S102)。
【0025】
次に、作業者は、工事作業を終了したときに、図3に示すように携帯型撮影機器6のレンズを工事部位に向けた状態で操作部10の入力操作を行う。この入力操作により、携帯型撮影機器6は、工事部位の画像を撮影し(S103)、さらに撮影した画像を携帯型リーダ機器7に送信する(S104)。
【0026】
次に、携帯型リーダ機器7は、S102で工事部位ID14を読み込んだ時刻T1からS103で携帯型撮影機器6が画像を撮影した時刻T2までの経過時間が、基準時間以内であるか否かを判定する(S105)。ここで基準時間は、携帯型リーダ機器7による工事部位ID14の読み込み後に、作業者が別の場所に移動して、読み込んだ工事部位ID14が特定する工事部位とは異なる工事部位の撮影を行うことが不可能な時間に設定されている。よって前記経過時間が基準時間以内である場合には、作業者は、工事部位ID14の読み込みを行ってから別の場所に移動せずに撮影を行っているため、ステップS103で撮影された画像は、ステップS102で読み取られた工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものであることが保証される。このことから、ステップS105で前記経過時間が基準時間以内であるか否かを判定することは、ステップS103で撮影された画像が、ステップS102で読み取られた工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものであるか否かを判定していることになる。
【0027】
そして前記経過時間が基準時間以内ではないと判定した場合(S105でNO)、すなわちステップS103で撮影された画像がステップS102で読み取られた工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものでない場合、携帯型リーダ機器7は、表示面11(図4、5参照)にサーバ3に画像を送信することが出来ない旨のエラーメッセージを表示する(S106)。この後、携帯型リーダ機器7は、作業者によって工事部位ID14の読み込み操作が行われるまで待機し、読み込み操作が行われた際にはS102に復帰して、工事部位ID14を読み込む。
【0028】
一方、S105で前記経過時間が基準時間以内であると判定した場合(S105でYES)、すなわちS103で撮影された画像が、S102で読み取られた工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものである場合、携帯型リーダ機器7は、S101で読み取った作業者ID12と、S102で読み取った工事部位ID14と、S104で携帯型撮影機器6から受信した画像とを、無線通信を介してサーバ3に送信する(S107)。
【0029】
次に、サーバ3は、テーブル9(図6参照)に書き込まれた作業者ID12と工事部位ID14のうち、S107で携帯型リーダ機器7から受信した作業者ID12及び工事部位ID14に一致するIDを検索する(S108)。
【0030】
次に、サーバ3は、S108で検索した作業者ID12及び工事部位ID14にテーブル9で関連付けられている作業内容13を、携帯型リーダ機器7から受信した画像に刻印する(S109)。
【0031】
図8は、作業内容13が刻印された画像18を示している。画像18には、テーブル9で作業者「DD職長」を特定する作業者ID12「A00026」と工事部位1を特定する工事部位ID14「KS−00321」とに関連付けられた「鉄骨柱建て方」が、作業内容として刻印されている。この「鉄骨柱建て方」は、工事現場で「DD職長」が工事部位1に対して撮影作業を行なうことで、S101で「DD職長」が所持する携帯型情報記録媒体4の作業者ID12「A00026」が読み取られ、さらにS102で工事部位1に固定された設置型情報記録媒体5の工事部位ID14「KS−00321」が読み取られた結果、画像18に刻印されたものである。
【0032】
また図8に示す画像18には、作業者名「DD職長」と、画像撮影日「2008/2/25」とが刻印されている。図7では、これらの情報を画像に刻印するための処理については図示を省略したが、作業者名「DD職長」は、S101で読み取られた作業者ID「A00026」に対応する作業者名がテーブル9で検索されて刻印されたものであり、画像撮影日は、S103が実行された時刻T2(携帯型撮影機器6が画像を撮影した時刻)が刻印されたものである。なお画像には作業者名の代わりに作業者が属する組織が刻印されてもよい。この場合、サーバ3の記憶部には、作業者ID12と作業者の属する組織の名称とが関連付けられたテーブルが記憶される。そして画像記録システム1の処理には、前記テーブルに書き込まれた作業者ID12のうち、S101で読み取られた作業者ID12と一致するIDを検索する処理と、検索した作業者IDと前記テーブルで関連付けられた組織の名称を画像に刻印する処理とが追加される。
【0033】
図7に戻り、S109が実行されると、サーバ3は、S109で作業内容13が刻印された画像を記憶部における所定の領域に記憶する(S110)。これにより図7に示す処理は終了する。
【0034】
本実施形態によれば、携帯型リーダ機器7による工事部位ID14の読み込み後から携帯型撮影機器6による画像の撮影までの経過時間が基準時間を超えているか否かを判定することで、撮影画像が、工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものであるか否かを判定し、撮影画像が、工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものでない場合には、撮影画像と工事部位ID14とは、サーバ3に送信されない。このため、作業者が工事部位の撮影と工事部位ID14の読み込みとを別の場所で行うことにより、撮影画像が工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものでない場合には、撮影画像は、サーバ3に保管されず、工事部位ID14はサーバ3に送信されない。この結果、サーバ3に保管される画像は、これと共にサーバ3が受信した工事部位ID14が特定する工事部位が撮影されたものとなる。そして、サーバ3に保管される画像には、サーバ3が受信した工事部位ID14とテーブル9において関連付けられた作業内容が刻印されることから、テーブル9における情報の関連付けが正確に行われることで、刻印情報に誤りがある画像がサーバ3に保管されることが防止される。具体的には、サーバ3に保管された画像に刻印された作業内容13は、その画像に映し出された工事部位に対して確実に実施されたものとなる。
【0035】
また、作業員は、携帯型撮影機器6の撮影に要する作業と携帯型リーダ機器7のID読み込みに要する作業とを行うことで、作業内容13などの工事部位に関する情報が刻印された画像を得ることができるため、該画像を得るために黒板を使用する必要がない。このため、一人の作業者による作業で、工事部位に関する情報が刻印された画像を得ることができる。
【0036】
また、作業内容13や撮影日時が画像に刻印されるために、工事写真の整理に要する手間が低減される。
【0037】
また、情報記録媒体として情報の改ざんが困難であるRFIDタグが用いられていることから、画像に刻印される情報の改ざんを防止出来る。
【0038】
また、サーバ3において、画像が記憶される記憶部の領域が複数の者によってアクセス可能に設定されることで、前記記憶部の領域に記憶された画像を前記複数の者によって監視することが出来るため、サーバ3に保管された画像の改ざんを防止できる。
【0039】
また、工事監理者や設計者や工事発注者など工事に関する業務を行うあらゆる立場の者が前記記憶部の領域にアクセス可能な者に設定されることで、工事品質確認の高度化や、工程管理の合理化が図られる。
【0040】
なお図7に示す処理では、S107で画像と作業者ID12と工事部位ID14とがまとめてサーバ3に送信されるが、作業者ID12と工事部位ID14とは、それらの読み込み処理が実行された直後(S101の直後、S102の直後)にサーバ3に送信されるようにしてもよい。この場合、サーバ3は、作業者ID12や工事部位ID14を携帯型リーダ機器7から受信するたびに、これらのIDと一致する作業者ID12と工事部位ID14とをテーブル9において検索する。そして、サーバ3は、携帯型リーダ機器7から画像を受信した後に、検索した作業者ID12と工事部位ID14とに関連付けられた作業内容13を画像に刻印する。
【0041】
また本実施形態では、設置型情報記録媒体5は、工事部位に固定されることとしたが、工事部位に近接して配置されてもよい。この場合においても、図7のS105に示す基準時間が調整されることで、工事部位ID14の読み込み後に、作業者が別の場所に移動して異なる工事部位の撮影を行うことで得られた画像が、サーバ3に保管されることを防止することが出来る。
【0042】
また、携帯型撮影機器6は、携帯型リーダ機器7及び携帯型情報記録媒体4の所持者に同行する同行者によって所持されてもよい。この場合においても、工事部位ID14の読み込みから携帯型撮影機器6が画像を撮影するまでの時間が制限されていることで、同行者が、工事部位ID14の読み取り後に別の場所に移動して異なる工事部位を撮影した画像がサーバ3に保管されることを防止することが出来る。
【0043】
また本実施形態では、図7に示す処理の代わりに図9に示す処理が実行されてもよい。
【0044】
図9に示す処理では、図7のステップS101〜S104に対応するステップS201〜S204の処理が行われた後、S202の実行時と同様、作業者が携帯型リーダ機器7への入力作業を行うことで、携帯型リーダ機器7は、設置型情報記録媒体5に記憶された工事部位ID14を読み込む(S205)。
【0045】
そして携帯型リーダ機器7は、ステップS202で読み込まれた工事部位ID14と、ステップS205で読み込まれた工事部位ID14とが一致するか否かを判定する(S206)。
【0046】
ここでS206において、S202,S205で読み込まれた工事部位ID14が一致する場合には、S202,S205のID読み込み処理が、S203の撮影処理の前後で行われていることから、作業者は、工事部位ID14の読み込みと、工事部位の撮影とを同じ場所で行ったものと認められる。このため、S206で工事部位ID14が一致する場合には、携帯型撮影機器6によって撮影された画像は、携帯型リーダ機器7によって読み取られた工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものであることが保証される。このことから、ステップS206で工事部位ID14が一致するか否かを判定することは、携帯型撮影機器6によって撮影された画像が、携帯型リーダ機器7によって読み取られた工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものであるか否かを判定していることになる。
【0047】
そしてS206で工事部位ID14が一致しないと判定した場合(S206でNO)、すなわち携帯型撮影機器6によって撮影された画像は、携帯型リーダ機器7によって読み取られた工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものでない場合、携帯型リーダ機器7は、表示面11(図4、5参照)にサーバ3に画像を送信することが出来ない旨のエラーメッセージを表示する(S207)。
【0048】
一方、S206で工事部位IDが一致すると判定した場合(S206でYES)、すなわち携帯型撮影機器6によって撮影された画像は、携帯型リーダ機器7によって読み取られた工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものである場合、携帯型リーダ機器7は、作業者ID12と、S202,S205で読み込まれた工事部位ID14と、携帯型撮影機器6から受信した画像とを、無線通信を介してサーバ3に送信する(S208)。そして、この後、図7のS108〜S110に対応するS209〜S211までの処理が実行される。
【0049】
この処理によれば、S202,S205で読み込まれた工事部位ID14が一致するか判定することで、撮影画像が、工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものであるか否かを判定し、作業者が工事部位の撮影と工事部位ID14の読み込みとを別の場所で行うことで、撮影画像が、工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものでない場合には、撮影画像と工事部位ID14とは、サーバ3に送信されない。このため、サーバ3に保管される画像は、サーバ3が受信した工事部位ID14が特定する工事部位が撮影されたものとなる。これにより、刻印情報に誤りがある画像がサーバ3に保管されることが防止される。
【0050】
また、携帯型撮影機器6と携帯型リーダ機器7との代わりに、携帯型撮影機器6と携帯型リーダ機器7とを一体化した携帯機器(携帯型撮影機器6及び携帯型リーダ機器7の機能を有する携帯機器)が用いられてもよい。このようにすることで、作業者が所持する機器の数を少なくすることが出来る。前記一体化された携帯機器としては、ICタグリーダ/ライタおよびカメラ付き携帯電話、ICタグリーダ/ライタおよびカメラ付きPDA、ICタグリーダ/ライタおよびカメラ付きPC、ICタグリーダ/ライタ付きカメラが使用され得て、作業者は、携帯機器への入力操作を行うことで、携帯機器に、工事部位の撮影や、作業者ID12・工事部位ID14の読み込みを行わせることが出来る。
【0051】
図10は、携帯型撮影機器6と携帯型リーダ機器7とが一体化された携帯機器を用いる場合における画像記録システムの処理を示している。
【0052】
図10に示す処理は、図7に示す処理に対応するものであって、前記一体化された携帯機器は、作業者の入力操作により、作業者ID12の読み込み(S301)、工事部位ID14の読み込み(S302)、工事部位の撮影(S303)を行った後、工事部位ID14を読み込んだ時刻T1(S302の実行時刻)から画像を撮影した時刻T2(S303の実行時刻)までの経過時間が基準時間以内であるか否かを判定する(S304)。
【0053】
そしてS304で前記経過時間が基準時間以内ではないと判定した場合には(S304でNO)、携帯機器は、該携帯機器の表示面にサーバに画像を送信することが出来ない旨のエラーメッセージを表示する(S305)。
【0054】
一方、S304で前記経過時間が基準時間以内であると判定した場合には(S304でYES)、携帯機器は、S301で読み取った作業者ID12と、S302で読み取った工事部位ID14と、S303で撮影した画像とを、無線通信を介してサーバ3に送信する(S306)。そして、この後、図7に示すステップS108〜S110に対応するステップS307〜S309までの処理がサーバにおいて実行される。
【0055】
なお上述のように携帯型撮影機器6と携帯型リーダ機器7とが一体化された携帯機器を用いる場合には、図10に示す処理の代わりに図11に示す処理が実行されてもよい。
図11に示す処理は、図9に示す処理に対応するものであって、携帯機器は、作業者ID12の読み込み(S401)、工事部位ID14の読み込み(S402)、工事部位の撮影(S403)を行った後、S402の実行時と同様、作業者が携帯機器への入力操作を行うことによって、設置型情報記録媒体5に記憶された工事部位ID14を読み込む(S404)。
【0056】
そして、携帯機器は、S402で読み込まれた工事部位ID14と、ステップS404で読み込んだ工事部位ID14とが一致するか否かを判定する(S405)。
【0057】
工事部位ID14が一致しないと判定した場合(S405でNO)、携帯機器は、該携帯機器の表示面にサーバ3に画像を送信することが出来ない旨のエラーメッセージを表示する(S406)。
【0058】
一方、S405で工事部位ID14が一致すると判定した場合には(S405でYES)、携帯機器は、S401で読み取った作業者ID12と、S402,S404で読み取った工事部位ID14と、S403で撮影した画像とを、無線通信を介してサーバ3に送信する(S407)。そして、この後、図9に示すステップS209〜S211に対応するステップS408〜S410までの処理がサーバにおいて実行される。
【0059】
<実施の形態2>
次に実施の形態2について説明する。なお、以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明を行う。図12は、実施の形態2における画像記録システム20の全体構成を示す図である。
【0060】
画像記録システム20は、携帯機器21と、携帯型情報記録媒体22と、設置型情報記録媒体23とを含んでいる。携帯機器21と携帯型情報記録媒体22とは工事現場で作業を行う作業者によって所持され、設置型情報記録媒体23は工事現場における工事部位毎に設けられて、それぞれ対応する工事部位に固定されている。携帯機器21は、別体である携帯型撮影機器24と携帯型リーダ機器25とから構成されている。
【0061】
携帯型リーダ機器25には、各種情報を記憶可能な記憶部が設けられており、記憶部には、図6に示すテーブル9が予め記憶されている。
【0062】
携帯型情報記録媒体22及び携帯型撮影機器24は、実施の形態1と同様の構成を有している。このため、説明を省略する。
【0063】
次に、本実施形態の画像記録システム20における処理の流れを図13を用いて説明する。なおS501〜S505に至る処理は、図7に示すS101〜S105に至る処理と同様である。このため、S501〜S505に至る処理については説明を省略し、以下では、S505以降の処理について説明する。
【0064】
S505で工事部位ID14の読み込みから画像撮影までの経過時間が基準時間以内ではないと判定した場合には(S505でNO)、携帯型リーダ機器25は、該携帯型リーダ機器25の記憶部に画像を記憶することが出来ない旨のエラーメッセージを表示する(S506)。
【0065】
一方、携帯型リーダ機器25は、前記経過時間が基準時間以内であると判定した場合(S505でYES)、記憶部のテーブル9に書き込まれている作業者ID12と工事部位ID14のうち、S501で読み取った作業者ID12、S502で読み取った工事部位ID14に一致するIDを検索する(S507)。
【0066】
次に、携帯型リーダ機器25は、S507で検索した作業者ID12と工事部位ID14とにテーブル9で関連付けられた作業内容13を、S504で携帯型撮影機器24から受信した画像に刻印する(S508)。この結果、図8に示した画像と同様、作業内容13が刻印された画像が携帯型リーダ機器25で得られる。
【0067】
次に、携帯型リーダ機器25は、作業内容13が刻印された画像を記憶部における所定の領域に記憶する(S509)。これにより図13に示す処理は終了する。
【0068】
図13に示す処理は、図7に示す処理と同様、携帯型リーダ機器25による工事部位ID14の読み込み後から携帯型撮影機器24による画像の撮影までの経過時間が基準時間を超えているか否かを判定することで、撮影画像が、工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものであるか否かを判定するものであり、前記経過時間が基準時間を超えていることから、撮影画像が、工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものでない場合には、携帯型撮影機器24の撮影画像は携帯型リーダ機器25に保管されない。この結果、携帯型リーダ機器25に保管される画像は、携帯型リーダ機器25によって読み込まれた工事部位ID14が特定する工事部位が撮影されたものとなる。そして、携帯型リーダ機器25に保管される画像には、携帯型リーダ機器25が読み取った工事部位ID14とテーブル9において関連付けられた作業内容が刻印されることから、刻印情報に誤りがある画像が携帯型リーダ機器25に保管されることが防止される。
【0069】
また、携帯型撮影機器24の撮影画像を保管する装置として携帯型リーダ機器25を使用していることから、画像保管用の装置として、図1のサーバ3のように事務所等に配置されて工事現場における機器と通信を行う装置を必要としない。このため本実施形態の画像記録システム20は、事務所との通信が困難な工事現場で撮影した写真を管理する場合に適用出来る。
【0070】
また本実施形態では、図13に示す処理に代えて図14に示す処理が実行されてもよい。
図14に示す処理では、図13のステップS501〜S504に対応するステップS601〜S604の処理が行われた後、作業者が携帯型リーダ機器25への入力作業を行うことで、携帯型リーダ機器25は、設置型情報記録媒体5に記憶された工事部位ID14を読み込む(S605)。
【0071】
そして、携帯型リーダ機器25は、S602で読み込まれた工事部位ID14と、ステップS605で読み込まれた工事部位ID14とが一致するか否かを判定する(S606)。
【0072】
これらの工事部位ID14が一致しないと判定した場合(S606でNO)、携帯型リーダ機器25は、該携帯型リーダ機器25の記憶部に画像を記憶することが出来ない旨のエラーメッセージを表示する(S607)。
【0073】
一方、S606で工事部位ID14が一致すると判定した場合には(S606でYES)、携帯型リーダ機器25は、記憶部のテーブル9に書き込まれている作業者ID12と工事部位ID14のうち、S601で読み取った作業者ID12、S602,S605で読み取った工事部位ID14に一致するIDを検索する(S608)。そして、この後、図13のステップS508〜S509に対応するステップS609〜S610の処理が実行される。
【0074】
図13に示す処理は、図9に示す処理と同様、携帯型撮影機器24による撮影の前後で、携帯型リーダ機器25によって読み込まれた工事部位ID14が一致するか否か判定することで、撮影画像が、工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものであるか否かを判定するものであり、作業者が撮影と工事部位ID14の読み込みとを別の場所で行うことで、撮影画像が、工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものでない場合には、撮影画像は、携帯型リーダ機器25に保管されない。この結果、携帯型リーダ機器25に保管される画像は、携帯型リーダ機器25によって読み込まれた工事部位ID14が特定する工事部位が撮影されたものとなる。これにより、刻印情報に誤りがある画像が携帯型リーダ機器25に保管されることが防止される。
【0075】
なお本実施形態では、携帯型撮影機器24と携帯型リーダ機器25との代わりに、携帯型撮影機器24と携帯型リーダ機器25とを一体化した携帯機器が用いられてもよい。この一体化された携帯機器としては、ICタグリーダ/ライタおよびカメラ付き携帯電話、 ICタグリーダ/ライタおよびカメラ付きPDA、ICタグリーダ/ライタおよびカメラ付きPC、ICタグリーダ/ライタ付きカメラが使用される。
【0076】
図15は、携帯型撮影機器24と携帯型リーダ機器25とが一体化された携帯機器を用いる場合における画像記録システムの処理を示している。以下、図15に示す処理を説明する。なお前記一体化された携帯機器には、上述の携帯型リーダ機器25と同様、各種情報を記憶可能な記憶部が設けられており、記憶部には、図6に示すテーブル9が予め記憶されている。
【0077】
図15に示す処理は、図13に示す処理に対応するものであって、前記一体化された携帯機器は、作業者の入力操作により、作業者ID12の読み込み(S701)、工事部位ID14の読み込み(S702)、工事部位の画像の撮影(S703)を行った後、工事部位ID14を読み込んだ時刻T1(S702の実行時刻)から工事部位の画像を撮影した時刻T2(S703の実行時刻)までの経過時間が基準時間以内であるか否かを判定する(S704)。
【0078】
そしてS704で前記経過時間が基準時間以内ではないと判定した場合には(S704でNO)、携帯機器は、該携帯機器の記憶部に画像を記憶することが出来ない旨のエラーメッセージを表示する(S705)。
【0079】
一方、S704で前記経過時間が基準時間以内であると判定した場合には(S704でYES)、携帯機器は、記憶部のテーブル9に書き込まれている作業者ID12と工事部位ID14のうち、S701で読み取った作業者ID12、及びS702で読み取った工事部位ID14に一致するIDを検索する(S706)。
【0080】
次に、携帯機器は、S706で検索した作業者ID12と工事部位ID14とにテーブル9で関連付けられた作業内容13を、S703で撮影した画像に刻印する(S707)。
【0081】
次に、携帯機器は、作業内容13が刻印された画像を記憶部における所定の領域に記憶する(S708)。これにより、図15に示す処理は終了する。
【0082】
なお上述のように携帯型撮影機器24と携帯型リーダ機器25とを一体化した携帯機器を用いる場合には、図15に示す処理の代わりに図16に示す処理が実行されてもよい。
【0083】
図16に示す処理は、図14に示す処理に対応するものであって、携帯機器は、作業者ID12の読み込み(S801)、工事部位ID14の読み込み(S802)、工事部位の撮影(S803)を行った後、S802の実行時と同様、作業者が携帯機器への入力操作を行うことによって、設置型情報記録媒体5に記憶された工事部位ID14を読み込む(S804)。
【0084】
そして、携帯機器は、S802で読み込まれた工事部位ID14と、ステップS804で読み込んだ工事部位ID14とが一致するか否かを判定する(S805)。
【0085】
工事部位ID14が一致しないと判定した場合(S805でNO)、携帯機器は、該携帯機器の記憶部に画像を記憶することが出来ない旨のエラーメッセージを表示する(S806)。
【0086】
一方、S805で工事部位ID14が一致すると判定した場合には(S805でYES)、
携帯機器は、記憶部のテーブル9に書き込まれている作業者ID12と工事部位ID14のうち、S801で読み取った作業者ID12、及びS402で読み取った工事部位ID14に一致するIDを検索する(S806)。そして、この後、図15のステップS707〜708に対応するステップS808〜809の処理が携帯機器において実行される。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】実施の形態1における画像記録システムの全体構成を示す図である。
【図2】建造物の基礎部分に固定された設置型情報記録媒体を示す写真である。
【図3】携帯型撮影機器が建設物の基礎部分を撮影している状態を示す写真である。
【図4】携帯型リーダ機器が携帯型情報記録媒体からデータを読み込んでいる状態を示す写真である。
【図5】携帯型リーダ機器が設置型情報記録媒体からデータを読み込んでいる状態を示す写真である。
【図6】サーバに記憶されたテーブルを示す図である。
【図7】実施の形態1の画像記録システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】作業内容が刻印された画像を示す図である。
【図9】実施の形態1の画像記録システムにおける他の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】実施の形態1において携帯型撮影機器と携帯型リーダ機器とが一体化された携帯機器を用いる場合における処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】実施の形態1において携帯型撮影機器と携帯型リーダ機器とが一体化された携帯機器を用いる場合における他の処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】実施の形態2における画像記録システムの全体構成を示す図である。
【図13】実施の形態2の画像記録システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】実施の形態2の画像記録システムにおける他の処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】実施の形態2において携帯型撮影機器と携帯型リーダ機器とが一体化された携帯機器を用いる場合における処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】実施の形態2において携帯型撮影機器と携帯型リーダ機器とが一体化された携帯機器を用いる場合における他の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
1、20 画像記録システム
2、21 携帯機器
3 サーバ
4、22 携帯型情報記録媒体
5、23 設置型情報記録媒体、
6、24 携帯型撮影機器
7、25 携帯型リーダ機器
9 テーブル
12 作業者ID(作業者を特定する情報)
13 作業内容(作業内容を示す情報、撮影対象物に関する情報)
14 工事部位ID(工事部位を特定する情報、撮影対象物を特定する情報)
18 画像
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録システムに関する。より詳しくは、携帯機器によって撮影された画像を記録するための画像記録システム及び画像記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築工事や土木工事が実施される際には、工事の品質確認や実施確認のために、デジタルカメラやスチールカメラによって工事の状況を撮影した工事写真を工事発注者に提出することが行われている。工事写真を撮影する際には、いつ、誰が、どのような工事を行ったのかを証拠として残すために、施工日付、施工業者、工事内容などを記した黒板を工事写真に写し込むことが行われている。
【0003】
また工事写真の整理や工事進捗管理を容易にすることなどを目的として、特許文献1〜4には、工程データや設計図面データなど工事に関する情報を、工事写真データに刻印したり、或いは工事写真データと関連付けて保存することが開示されている。そのうち特許文献1では、携帯電話器などの携帯機器によって、建材の撮影を行うとともに、ICタグに記憶された建材に関する情報を読み取って撮影画像に刻印することが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−293051号公報
【特許文献2】特開2007−164741号公報
【特許文献3】特開2001−349059号公報
【特許文献4】特開2002−288272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで上述のように黒板を用いる場合には、故意或いは過失で黒板に虚偽の内容が記載された状態で撮影が行われることで、誤った情報が撮影画像に刻印される虞れがある。また写真撮影のために、「黒板を持つ人」と「写真を撮影する人」の2人が必要となるため、施工作業が頻繁に中断し得る。
【0006】
また特許文献1では、画像に刻印される情報の改ざん防止を図るべく、情報の情報記録媒体としてICタグを用いているが、建材の撮影とICタグの読み取りとを携帯機器によって行っていることに起因して、画像の捏造が行われる虞れがある。すなわち、携帯機器の所持者が、第1の建材に付されたICタグの読み取りを行ってから別の場所に移動して第2の建材の撮影を行なった場合、画像中に映し出された建材は第2の建材であるにも関わらず、画像中に刻印された情報は第1の建材に関するものとなる。この結果、画像中に映し出された第2の建材は、第1の建材であると誤って認識される。
【0007】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、携帯機器によって撮影された画像を記録するための画像記録システム及び画像記録方法であって、刻印情報に誤りのある画像が記録されることを防止可能な画像記録システム及び画像記録方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る画像記録システムは、撮影対象物に固定または近接して配置され、前記撮影対象物を特定する情報が記憶された設置型情報記録媒体、及び前記撮影対象物を撮影し、前記設置型情報記録媒体から前記撮影対象物を特定する情報を読み取ることが可能な携帯機器を備えた画像記録システムであって、
前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであるか否かを判定する判定手段と、前記撮影対象物を特定する情報と前記撮影対象物に関する情報とを関連付けて記憶する情報記憶手段と、前記判定手段によって、前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであると判定された場合、前記情報記憶手段に記憶された前記撮影対象物を特定する情報のうち、前記携帯機器が読み取った前記撮影対象物を特定する情報に一致する情報を検索するとともに、該検索した情報に関連付けられている前記撮影対象物に関する情報を前記携帯機器が撮影した画像に刻印する刻印手段と、前記刻印手段によって情報が刻印された画像を記憶する画像記憶手段とを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第2の観点に係る画像記録方法は、撮影対象物に固定または近接して配置され、前記撮影対象物を特定する情報が記憶された設置型情報記録媒体、及び前記撮影対象物を撮影し、前記設置型情報記録媒体から前記撮影対象物を特定する情報を読み取ることが可能な携帯機器を用いた画像記録方法であって、前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップで前記画像が前記情報が特定する撮影対象物を撮影したものであると判定された場合、前記撮影対象物を特定する情報と前記撮影対象物に関する情報とが関連付けられたテーブルの中から、前記携帯機器が読み取った情報に一致する前記撮影対象物を特定する情報を検索するとともに、該検索した情報に関連付けられている前記撮影対象物に関する情報を前記携帯機器が撮影した画像に刻印する刻印ステップと、前記刻印ステップで情報が刻印された画像を記憶する画像記憶ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、前記携帯機器による撮影画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものでない場合には、前記撮影画像は、画像記憶手段に記憶されることがない。よって、前記画像記憶手段に記憶される画像は、前記読み取られた情報が特定する工事部位が撮影されたものとなる。そして、前記画像記憶手段に保管される画像には、前記読み取られた情報と前記情報記憶手段において関連付けられた撮影対象物に関する情報が刻印されることから、情報記憶手段における情報の関連付けが正確に行われることで、刻印情報に誤りがある画像が画像記憶手段に記憶されることが防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
<実施の形態1>
以下、この発明の実施の形態1について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は繰り返さない。図1は、実施の形態1における画像記録システム1の全体構成を示す図である。
【0012】
画像記録システム1は、携帯機器2と、サーバ3と、携帯型情報記録媒体4と、設置型情報記録媒体5とを含んでいる。携帯機器2と携帯型情報記録媒体4とは工事現場で作業を行う作業者によって所持され、サーバ3は工事現場から離れて位置する事務所に配置され、設置型情報記録媒体5は工事現場における工事部位毎に設けられて、それぞれ対応する工事部位に固定されている。
【0013】
携帯型情報記録媒体4は、RFID(Radio Frequency Identification)タグによって構成され、携帯型情報記録媒体4には、作業者を特定する作業者ID12が書き込まれている。
【0014】
各設置型情報記録媒体5は、携帯型情報記録媒体4と同様にRFIDタグによって構成され、各設置型情報記録媒体5には、それぞれ対応する工事部位を特定する工事部位ID14が書き込まれている。
【0015】
図2は、建造物の基礎部分8に固定された設置型情報記録媒体5を示しており、図2に示す設置型情報記録媒体5には、基礎部分8を特定する工事部位ID14が記憶されている。
【0016】
携帯機器2は、別体である携帯型撮影機器6と携帯型リーダ機器7とから構成されている。
【0017】
携帯型撮影機器6は、工事部位を撮影するために作業者に所持されるものであって、デジタルカメラ、デジタルカメラ機能付き携帯電話機によって構成され、Bluetoothや赤外線などの無線通信或いはメモリ媒体により、撮影した画像を携帯型リーダ機器7に送信する。
【0018】
図3は、携帯型撮影機器6が建設物の基礎部分8を撮影している状態を示している。携帯型撮影機器6は、テンキーなどの操作部10を有しており、この操作部10からの入力操作が行われることで、撮影したり、撮影した画像を携帯型リーダ機器7に送信する。
【0019】
携帯型リーダ機器7は、ICタグリーダ/ライタ、 ICタグリーダ/ライタ付きPDA(Personal Digital Assistant)、 ICタグリーダ/ライタ付き携帯電話機、ICタグリーダ/ライタ付きPC(PersonalComputer)によって構成され、携帯型情報記録媒体4や設置型情報記録媒体5に記憶されたデータを無線通信により読み込み、また無線通信によるインターネット接続を介してサーバ3にデータを送信する。
【0020】
図4は、携帯型リーダ機器7が携帯型情報記録媒体4からデータを読み込んでいる状態を示し、図5は、携帯型リーダ機器7が設置型情報記録媒体5からデータを読み込んでいる状態を示している。携帯型リーダ機器7は、各種情報の表示が可能な表示面11を有しており、表示面11に設けられたタッチパネルから入力操作が行われることで、携帯型情報記録媒体4や設置型情報記録媒体5からデータを読み込んだり、サーバ3にデータを送信する。
【0021】
サーバ3は、各種情報を記憶可能な記憶部(図示せず)を有しており、記憶部には、工事の工程を示すテーブル9が記憶されている。図6は、サーバ3に記憶されたテーブル9を示している。テーブル9には、工事現場の各工事部位を特定する工事部位ID14と、各工事部位に対する作業内容13と、各工事部位に対する作業を行う作業者を特定する作業者ID12とが互いに関連付けられて書き込まれている。
【0022】
次に図7を用いて本実施形態の画像記録システム1における処理の流れを説明する。
【0023】
作業者は、工事現場に到着すると、図4に示すように携帯型リーダ機器7を携帯型情報記録媒体4に近づけた状態で携帯型リーダ機器7のタッチパネルの入力操作を行う。この入力操作により、携帯型リーダ機器7は、携帯型情報記録媒体4に記憶された作業者ID12を読み込む(S101)。
【0024】
次に、作業者は、工事作業に着手すると、図5に示すように携帯型リーダ機器7を設置型情報記録媒体5に近づけた状態でタッチパネルの入力操作を行う。この入力操作により、携帯型リーダ機器7は、設置型情報記録媒体5に記憶された工事部位ID14を読み込む(S102)。
【0025】
次に、作業者は、工事作業を終了したときに、図3に示すように携帯型撮影機器6のレンズを工事部位に向けた状態で操作部10の入力操作を行う。この入力操作により、携帯型撮影機器6は、工事部位の画像を撮影し(S103)、さらに撮影した画像を携帯型リーダ機器7に送信する(S104)。
【0026】
次に、携帯型リーダ機器7は、S102で工事部位ID14を読み込んだ時刻T1からS103で携帯型撮影機器6が画像を撮影した時刻T2までの経過時間が、基準時間以内であるか否かを判定する(S105)。ここで基準時間は、携帯型リーダ機器7による工事部位ID14の読み込み後に、作業者が別の場所に移動して、読み込んだ工事部位ID14が特定する工事部位とは異なる工事部位の撮影を行うことが不可能な時間に設定されている。よって前記経過時間が基準時間以内である場合には、作業者は、工事部位ID14の読み込みを行ってから別の場所に移動せずに撮影を行っているため、ステップS103で撮影された画像は、ステップS102で読み取られた工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものであることが保証される。このことから、ステップS105で前記経過時間が基準時間以内であるか否かを判定することは、ステップS103で撮影された画像が、ステップS102で読み取られた工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものであるか否かを判定していることになる。
【0027】
そして前記経過時間が基準時間以内ではないと判定した場合(S105でNO)、すなわちステップS103で撮影された画像がステップS102で読み取られた工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものでない場合、携帯型リーダ機器7は、表示面11(図4、5参照)にサーバ3に画像を送信することが出来ない旨のエラーメッセージを表示する(S106)。この後、携帯型リーダ機器7は、作業者によって工事部位ID14の読み込み操作が行われるまで待機し、読み込み操作が行われた際にはS102に復帰して、工事部位ID14を読み込む。
【0028】
一方、S105で前記経過時間が基準時間以内であると判定した場合(S105でYES)、すなわちS103で撮影された画像が、S102で読み取られた工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものである場合、携帯型リーダ機器7は、S101で読み取った作業者ID12と、S102で読み取った工事部位ID14と、S104で携帯型撮影機器6から受信した画像とを、無線通信を介してサーバ3に送信する(S107)。
【0029】
次に、サーバ3は、テーブル9(図6参照)に書き込まれた作業者ID12と工事部位ID14のうち、S107で携帯型リーダ機器7から受信した作業者ID12及び工事部位ID14に一致するIDを検索する(S108)。
【0030】
次に、サーバ3は、S108で検索した作業者ID12及び工事部位ID14にテーブル9で関連付けられている作業内容13を、携帯型リーダ機器7から受信した画像に刻印する(S109)。
【0031】
図8は、作業内容13が刻印された画像18を示している。画像18には、テーブル9で作業者「DD職長」を特定する作業者ID12「A00026」と工事部位1を特定する工事部位ID14「KS−00321」とに関連付けられた「鉄骨柱建て方」が、作業内容として刻印されている。この「鉄骨柱建て方」は、工事現場で「DD職長」が工事部位1に対して撮影作業を行なうことで、S101で「DD職長」が所持する携帯型情報記録媒体4の作業者ID12「A00026」が読み取られ、さらにS102で工事部位1に固定された設置型情報記録媒体5の工事部位ID14「KS−00321」が読み取られた結果、画像18に刻印されたものである。
【0032】
また図8に示す画像18には、作業者名「DD職長」と、画像撮影日「2008/2/25」とが刻印されている。図7では、これらの情報を画像に刻印するための処理については図示を省略したが、作業者名「DD職長」は、S101で読み取られた作業者ID「A00026」に対応する作業者名がテーブル9で検索されて刻印されたものであり、画像撮影日は、S103が実行された時刻T2(携帯型撮影機器6が画像を撮影した時刻)が刻印されたものである。なお画像には作業者名の代わりに作業者が属する組織が刻印されてもよい。この場合、サーバ3の記憶部には、作業者ID12と作業者の属する組織の名称とが関連付けられたテーブルが記憶される。そして画像記録システム1の処理には、前記テーブルに書き込まれた作業者ID12のうち、S101で読み取られた作業者ID12と一致するIDを検索する処理と、検索した作業者IDと前記テーブルで関連付けられた組織の名称を画像に刻印する処理とが追加される。
【0033】
図7に戻り、S109が実行されると、サーバ3は、S109で作業内容13が刻印された画像を記憶部における所定の領域に記憶する(S110)。これにより図7に示す処理は終了する。
【0034】
本実施形態によれば、携帯型リーダ機器7による工事部位ID14の読み込み後から携帯型撮影機器6による画像の撮影までの経過時間が基準時間を超えているか否かを判定することで、撮影画像が、工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものであるか否かを判定し、撮影画像が、工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものでない場合には、撮影画像と工事部位ID14とは、サーバ3に送信されない。このため、作業者が工事部位の撮影と工事部位ID14の読み込みとを別の場所で行うことにより、撮影画像が工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものでない場合には、撮影画像は、サーバ3に保管されず、工事部位ID14はサーバ3に送信されない。この結果、サーバ3に保管される画像は、これと共にサーバ3が受信した工事部位ID14が特定する工事部位が撮影されたものとなる。そして、サーバ3に保管される画像には、サーバ3が受信した工事部位ID14とテーブル9において関連付けられた作業内容が刻印されることから、テーブル9における情報の関連付けが正確に行われることで、刻印情報に誤りがある画像がサーバ3に保管されることが防止される。具体的には、サーバ3に保管された画像に刻印された作業内容13は、その画像に映し出された工事部位に対して確実に実施されたものとなる。
【0035】
また、作業員は、携帯型撮影機器6の撮影に要する作業と携帯型リーダ機器7のID読み込みに要する作業とを行うことで、作業内容13などの工事部位に関する情報が刻印された画像を得ることができるため、該画像を得るために黒板を使用する必要がない。このため、一人の作業者による作業で、工事部位に関する情報が刻印された画像を得ることができる。
【0036】
また、作業内容13や撮影日時が画像に刻印されるために、工事写真の整理に要する手間が低減される。
【0037】
また、情報記録媒体として情報の改ざんが困難であるRFIDタグが用いられていることから、画像に刻印される情報の改ざんを防止出来る。
【0038】
また、サーバ3において、画像が記憶される記憶部の領域が複数の者によってアクセス可能に設定されることで、前記記憶部の領域に記憶された画像を前記複数の者によって監視することが出来るため、サーバ3に保管された画像の改ざんを防止できる。
【0039】
また、工事監理者や設計者や工事発注者など工事に関する業務を行うあらゆる立場の者が前記記憶部の領域にアクセス可能な者に設定されることで、工事品質確認の高度化や、工程管理の合理化が図られる。
【0040】
なお図7に示す処理では、S107で画像と作業者ID12と工事部位ID14とがまとめてサーバ3に送信されるが、作業者ID12と工事部位ID14とは、それらの読み込み処理が実行された直後(S101の直後、S102の直後)にサーバ3に送信されるようにしてもよい。この場合、サーバ3は、作業者ID12や工事部位ID14を携帯型リーダ機器7から受信するたびに、これらのIDと一致する作業者ID12と工事部位ID14とをテーブル9において検索する。そして、サーバ3は、携帯型リーダ機器7から画像を受信した後に、検索した作業者ID12と工事部位ID14とに関連付けられた作業内容13を画像に刻印する。
【0041】
また本実施形態では、設置型情報記録媒体5は、工事部位に固定されることとしたが、工事部位に近接して配置されてもよい。この場合においても、図7のS105に示す基準時間が調整されることで、工事部位ID14の読み込み後に、作業者が別の場所に移動して異なる工事部位の撮影を行うことで得られた画像が、サーバ3に保管されることを防止することが出来る。
【0042】
また、携帯型撮影機器6は、携帯型リーダ機器7及び携帯型情報記録媒体4の所持者に同行する同行者によって所持されてもよい。この場合においても、工事部位ID14の読み込みから携帯型撮影機器6が画像を撮影するまでの時間が制限されていることで、同行者が、工事部位ID14の読み取り後に別の場所に移動して異なる工事部位を撮影した画像がサーバ3に保管されることを防止することが出来る。
【0043】
また本実施形態では、図7に示す処理の代わりに図9に示す処理が実行されてもよい。
【0044】
図9に示す処理では、図7のステップS101〜S104に対応するステップS201〜S204の処理が行われた後、S202の実行時と同様、作業者が携帯型リーダ機器7への入力作業を行うことで、携帯型リーダ機器7は、設置型情報記録媒体5に記憶された工事部位ID14を読み込む(S205)。
【0045】
そして携帯型リーダ機器7は、ステップS202で読み込まれた工事部位ID14と、ステップS205で読み込まれた工事部位ID14とが一致するか否かを判定する(S206)。
【0046】
ここでS206において、S202,S205で読み込まれた工事部位ID14が一致する場合には、S202,S205のID読み込み処理が、S203の撮影処理の前後で行われていることから、作業者は、工事部位ID14の読み込みと、工事部位の撮影とを同じ場所で行ったものと認められる。このため、S206で工事部位ID14が一致する場合には、携帯型撮影機器6によって撮影された画像は、携帯型リーダ機器7によって読み取られた工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものであることが保証される。このことから、ステップS206で工事部位ID14が一致するか否かを判定することは、携帯型撮影機器6によって撮影された画像が、携帯型リーダ機器7によって読み取られた工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものであるか否かを判定していることになる。
【0047】
そしてS206で工事部位ID14が一致しないと判定した場合(S206でNO)、すなわち携帯型撮影機器6によって撮影された画像は、携帯型リーダ機器7によって読み取られた工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものでない場合、携帯型リーダ機器7は、表示面11(図4、5参照)にサーバ3に画像を送信することが出来ない旨のエラーメッセージを表示する(S207)。
【0048】
一方、S206で工事部位IDが一致すると判定した場合(S206でYES)、すなわち携帯型撮影機器6によって撮影された画像は、携帯型リーダ機器7によって読み取られた工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものである場合、携帯型リーダ機器7は、作業者ID12と、S202,S205で読み込まれた工事部位ID14と、携帯型撮影機器6から受信した画像とを、無線通信を介してサーバ3に送信する(S208)。そして、この後、図7のS108〜S110に対応するS209〜S211までの処理が実行される。
【0049】
この処理によれば、S202,S205で読み込まれた工事部位ID14が一致するか判定することで、撮影画像が、工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものであるか否かを判定し、作業者が工事部位の撮影と工事部位ID14の読み込みとを別の場所で行うことで、撮影画像が、工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものでない場合には、撮影画像と工事部位ID14とは、サーバ3に送信されない。このため、サーバ3に保管される画像は、サーバ3が受信した工事部位ID14が特定する工事部位が撮影されたものとなる。これにより、刻印情報に誤りがある画像がサーバ3に保管されることが防止される。
【0050】
また、携帯型撮影機器6と携帯型リーダ機器7との代わりに、携帯型撮影機器6と携帯型リーダ機器7とを一体化した携帯機器(携帯型撮影機器6及び携帯型リーダ機器7の機能を有する携帯機器)が用いられてもよい。このようにすることで、作業者が所持する機器の数を少なくすることが出来る。前記一体化された携帯機器としては、ICタグリーダ/ライタおよびカメラ付き携帯電話、ICタグリーダ/ライタおよびカメラ付きPDA、ICタグリーダ/ライタおよびカメラ付きPC、ICタグリーダ/ライタ付きカメラが使用され得て、作業者は、携帯機器への入力操作を行うことで、携帯機器に、工事部位の撮影や、作業者ID12・工事部位ID14の読み込みを行わせることが出来る。
【0051】
図10は、携帯型撮影機器6と携帯型リーダ機器7とが一体化された携帯機器を用いる場合における画像記録システムの処理を示している。
【0052】
図10に示す処理は、図7に示す処理に対応するものであって、前記一体化された携帯機器は、作業者の入力操作により、作業者ID12の読み込み(S301)、工事部位ID14の読み込み(S302)、工事部位の撮影(S303)を行った後、工事部位ID14を読み込んだ時刻T1(S302の実行時刻)から画像を撮影した時刻T2(S303の実行時刻)までの経過時間が基準時間以内であるか否かを判定する(S304)。
【0053】
そしてS304で前記経過時間が基準時間以内ではないと判定した場合には(S304でNO)、携帯機器は、該携帯機器の表示面にサーバに画像を送信することが出来ない旨のエラーメッセージを表示する(S305)。
【0054】
一方、S304で前記経過時間が基準時間以内であると判定した場合には(S304でYES)、携帯機器は、S301で読み取った作業者ID12と、S302で読み取った工事部位ID14と、S303で撮影した画像とを、無線通信を介してサーバ3に送信する(S306)。そして、この後、図7に示すステップS108〜S110に対応するステップS307〜S309までの処理がサーバにおいて実行される。
【0055】
なお上述のように携帯型撮影機器6と携帯型リーダ機器7とが一体化された携帯機器を用いる場合には、図10に示す処理の代わりに図11に示す処理が実行されてもよい。
図11に示す処理は、図9に示す処理に対応するものであって、携帯機器は、作業者ID12の読み込み(S401)、工事部位ID14の読み込み(S402)、工事部位の撮影(S403)を行った後、S402の実行時と同様、作業者が携帯機器への入力操作を行うことによって、設置型情報記録媒体5に記憶された工事部位ID14を読み込む(S404)。
【0056】
そして、携帯機器は、S402で読み込まれた工事部位ID14と、ステップS404で読み込んだ工事部位ID14とが一致するか否かを判定する(S405)。
【0057】
工事部位ID14が一致しないと判定した場合(S405でNO)、携帯機器は、該携帯機器の表示面にサーバ3に画像を送信することが出来ない旨のエラーメッセージを表示する(S406)。
【0058】
一方、S405で工事部位ID14が一致すると判定した場合には(S405でYES)、携帯機器は、S401で読み取った作業者ID12と、S402,S404で読み取った工事部位ID14と、S403で撮影した画像とを、無線通信を介してサーバ3に送信する(S407)。そして、この後、図9に示すステップS209〜S211に対応するステップS408〜S410までの処理がサーバにおいて実行される。
【0059】
<実施の形態2>
次に実施の形態2について説明する。なお、以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明を行う。図12は、実施の形態2における画像記録システム20の全体構成を示す図である。
【0060】
画像記録システム20は、携帯機器21と、携帯型情報記録媒体22と、設置型情報記録媒体23とを含んでいる。携帯機器21と携帯型情報記録媒体22とは工事現場で作業を行う作業者によって所持され、設置型情報記録媒体23は工事現場における工事部位毎に設けられて、それぞれ対応する工事部位に固定されている。携帯機器21は、別体である携帯型撮影機器24と携帯型リーダ機器25とから構成されている。
【0061】
携帯型リーダ機器25には、各種情報を記憶可能な記憶部が設けられており、記憶部には、図6に示すテーブル9が予め記憶されている。
【0062】
携帯型情報記録媒体22及び携帯型撮影機器24は、実施の形態1と同様の構成を有している。このため、説明を省略する。
【0063】
次に、本実施形態の画像記録システム20における処理の流れを図13を用いて説明する。なおS501〜S505に至る処理は、図7に示すS101〜S105に至る処理と同様である。このため、S501〜S505に至る処理については説明を省略し、以下では、S505以降の処理について説明する。
【0064】
S505で工事部位ID14の読み込みから画像撮影までの経過時間が基準時間以内ではないと判定した場合には(S505でNO)、携帯型リーダ機器25は、該携帯型リーダ機器25の記憶部に画像を記憶することが出来ない旨のエラーメッセージを表示する(S506)。
【0065】
一方、携帯型リーダ機器25は、前記経過時間が基準時間以内であると判定した場合(S505でYES)、記憶部のテーブル9に書き込まれている作業者ID12と工事部位ID14のうち、S501で読み取った作業者ID12、S502で読み取った工事部位ID14に一致するIDを検索する(S507)。
【0066】
次に、携帯型リーダ機器25は、S507で検索した作業者ID12と工事部位ID14とにテーブル9で関連付けられた作業内容13を、S504で携帯型撮影機器24から受信した画像に刻印する(S508)。この結果、図8に示した画像と同様、作業内容13が刻印された画像が携帯型リーダ機器25で得られる。
【0067】
次に、携帯型リーダ機器25は、作業内容13が刻印された画像を記憶部における所定の領域に記憶する(S509)。これにより図13に示す処理は終了する。
【0068】
図13に示す処理は、図7に示す処理と同様、携帯型リーダ機器25による工事部位ID14の読み込み後から携帯型撮影機器24による画像の撮影までの経過時間が基準時間を超えているか否かを判定することで、撮影画像が、工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものであるか否かを判定するものであり、前記経過時間が基準時間を超えていることから、撮影画像が、工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものでない場合には、携帯型撮影機器24の撮影画像は携帯型リーダ機器25に保管されない。この結果、携帯型リーダ機器25に保管される画像は、携帯型リーダ機器25によって読み込まれた工事部位ID14が特定する工事部位が撮影されたものとなる。そして、携帯型リーダ機器25に保管される画像には、携帯型リーダ機器25が読み取った工事部位ID14とテーブル9において関連付けられた作業内容が刻印されることから、刻印情報に誤りがある画像が携帯型リーダ機器25に保管されることが防止される。
【0069】
また、携帯型撮影機器24の撮影画像を保管する装置として携帯型リーダ機器25を使用していることから、画像保管用の装置として、図1のサーバ3のように事務所等に配置されて工事現場における機器と通信を行う装置を必要としない。このため本実施形態の画像記録システム20は、事務所との通信が困難な工事現場で撮影した写真を管理する場合に適用出来る。
【0070】
また本実施形態では、図13に示す処理に代えて図14に示す処理が実行されてもよい。
図14に示す処理では、図13のステップS501〜S504に対応するステップS601〜S604の処理が行われた後、作業者が携帯型リーダ機器25への入力作業を行うことで、携帯型リーダ機器25は、設置型情報記録媒体5に記憶された工事部位ID14を読み込む(S605)。
【0071】
そして、携帯型リーダ機器25は、S602で読み込まれた工事部位ID14と、ステップS605で読み込まれた工事部位ID14とが一致するか否かを判定する(S606)。
【0072】
これらの工事部位ID14が一致しないと判定した場合(S606でNO)、携帯型リーダ機器25は、該携帯型リーダ機器25の記憶部に画像を記憶することが出来ない旨のエラーメッセージを表示する(S607)。
【0073】
一方、S606で工事部位ID14が一致すると判定した場合には(S606でYES)、携帯型リーダ機器25は、記憶部のテーブル9に書き込まれている作業者ID12と工事部位ID14のうち、S601で読み取った作業者ID12、S602,S605で読み取った工事部位ID14に一致するIDを検索する(S608)。そして、この後、図13のステップS508〜S509に対応するステップS609〜S610の処理が実行される。
【0074】
図13に示す処理は、図9に示す処理と同様、携帯型撮影機器24による撮影の前後で、携帯型リーダ機器25によって読み込まれた工事部位ID14が一致するか否か判定することで、撮影画像が、工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものであるか否かを判定するものであり、作業者が撮影と工事部位ID14の読み込みとを別の場所で行うことで、撮影画像が、工事部位ID14が特定する工事部位を撮影したものでない場合には、撮影画像は、携帯型リーダ機器25に保管されない。この結果、携帯型リーダ機器25に保管される画像は、携帯型リーダ機器25によって読み込まれた工事部位ID14が特定する工事部位が撮影されたものとなる。これにより、刻印情報に誤りがある画像が携帯型リーダ機器25に保管されることが防止される。
【0075】
なお本実施形態では、携帯型撮影機器24と携帯型リーダ機器25との代わりに、携帯型撮影機器24と携帯型リーダ機器25とを一体化した携帯機器が用いられてもよい。この一体化された携帯機器としては、ICタグリーダ/ライタおよびカメラ付き携帯電話、 ICタグリーダ/ライタおよびカメラ付きPDA、ICタグリーダ/ライタおよびカメラ付きPC、ICタグリーダ/ライタ付きカメラが使用される。
【0076】
図15は、携帯型撮影機器24と携帯型リーダ機器25とが一体化された携帯機器を用いる場合における画像記録システムの処理を示している。以下、図15に示す処理を説明する。なお前記一体化された携帯機器には、上述の携帯型リーダ機器25と同様、各種情報を記憶可能な記憶部が設けられており、記憶部には、図6に示すテーブル9が予め記憶されている。
【0077】
図15に示す処理は、図13に示す処理に対応するものであって、前記一体化された携帯機器は、作業者の入力操作により、作業者ID12の読み込み(S701)、工事部位ID14の読み込み(S702)、工事部位の画像の撮影(S703)を行った後、工事部位ID14を読み込んだ時刻T1(S702の実行時刻)から工事部位の画像を撮影した時刻T2(S703の実行時刻)までの経過時間が基準時間以内であるか否かを判定する(S704)。
【0078】
そしてS704で前記経過時間が基準時間以内ではないと判定した場合には(S704でNO)、携帯機器は、該携帯機器の記憶部に画像を記憶することが出来ない旨のエラーメッセージを表示する(S705)。
【0079】
一方、S704で前記経過時間が基準時間以内であると判定した場合には(S704でYES)、携帯機器は、記憶部のテーブル9に書き込まれている作業者ID12と工事部位ID14のうち、S701で読み取った作業者ID12、及びS702で読み取った工事部位ID14に一致するIDを検索する(S706)。
【0080】
次に、携帯機器は、S706で検索した作業者ID12と工事部位ID14とにテーブル9で関連付けられた作業内容13を、S703で撮影した画像に刻印する(S707)。
【0081】
次に、携帯機器は、作業内容13が刻印された画像を記憶部における所定の領域に記憶する(S708)。これにより、図15に示す処理は終了する。
【0082】
なお上述のように携帯型撮影機器24と携帯型リーダ機器25とを一体化した携帯機器を用いる場合には、図15に示す処理の代わりに図16に示す処理が実行されてもよい。
【0083】
図16に示す処理は、図14に示す処理に対応するものであって、携帯機器は、作業者ID12の読み込み(S801)、工事部位ID14の読み込み(S802)、工事部位の撮影(S803)を行った後、S802の実行時と同様、作業者が携帯機器への入力操作を行うことによって、設置型情報記録媒体5に記憶された工事部位ID14を読み込む(S804)。
【0084】
そして、携帯機器は、S802で読み込まれた工事部位ID14と、ステップS804で読み込んだ工事部位ID14とが一致するか否かを判定する(S805)。
【0085】
工事部位ID14が一致しないと判定した場合(S805でNO)、携帯機器は、該携帯機器の記憶部に画像を記憶することが出来ない旨のエラーメッセージを表示する(S806)。
【0086】
一方、S805で工事部位ID14が一致すると判定した場合には(S805でYES)、
携帯機器は、記憶部のテーブル9に書き込まれている作業者ID12と工事部位ID14のうち、S801で読み取った作業者ID12、及びS402で読み取った工事部位ID14に一致するIDを検索する(S806)。そして、この後、図15のステップS707〜708に対応するステップS808〜809の処理が携帯機器において実行される。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】実施の形態1における画像記録システムの全体構成を示す図である。
【図2】建造物の基礎部分に固定された設置型情報記録媒体を示す写真である。
【図3】携帯型撮影機器が建設物の基礎部分を撮影している状態を示す写真である。
【図4】携帯型リーダ機器が携帯型情報記録媒体からデータを読み込んでいる状態を示す写真である。
【図5】携帯型リーダ機器が設置型情報記録媒体からデータを読み込んでいる状態を示す写真である。
【図6】サーバに記憶されたテーブルを示す図である。
【図7】実施の形態1の画像記録システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】作業内容が刻印された画像を示す図である。
【図9】実施の形態1の画像記録システムにおける他の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】実施の形態1において携帯型撮影機器と携帯型リーダ機器とが一体化された携帯機器を用いる場合における処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】実施の形態1において携帯型撮影機器と携帯型リーダ機器とが一体化された携帯機器を用いる場合における他の処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】実施の形態2における画像記録システムの全体構成を示す図である。
【図13】実施の形態2の画像記録システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】実施の形態2の画像記録システムにおける他の処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】実施の形態2において携帯型撮影機器と携帯型リーダ機器とが一体化された携帯機器を用いる場合における処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】実施の形態2において携帯型撮影機器と携帯型リーダ機器とが一体化された携帯機器を用いる場合における他の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
1、20 画像記録システム
2、21 携帯機器
3 サーバ
4、22 携帯型情報記録媒体
5、23 設置型情報記録媒体、
6、24 携帯型撮影機器
7、25 携帯型リーダ機器
9 テーブル
12 作業者ID(作業者を特定する情報)
13 作業内容(作業内容を示す情報、撮影対象物に関する情報)
14 工事部位ID(工事部位を特定する情報、撮影対象物を特定する情報)
18 画像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影対象物に固定または近接して配置され、前記撮影対象物を特定する情報が記憶された設置型情報記録媒体、及び前記撮影対象物を撮影し、前記設置型情報記録媒体から前記撮影対象物を特定する情報を読み取ることが可能な携帯機器を備えた画像記録システムであって、
前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであるか否かを判定する判定手段と、
前記撮影対象物を特定する情報と前記撮影対象物に関する情報とを関連付けて記憶する情報記憶手段と、
前記判定手段によって、前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであると判定された場合、前記情報記憶手段に記憶された前記撮影対象物を特定する情報のうち、前記携帯機器が読み取った前記撮影対象物を特定する情報に一致する情報を検索するとともに、該検索した情報に関連付けられている前記撮影対象物に関する情報を前記携帯機器が撮影した画像に刻印する刻印手段と、
前記刻印手段によって情報が刻印された画像を記憶する画像記憶手段とを有することを特徴とする画像記録システム。
【請求項2】
前記判定手段は、前記携帯機器が前記設置型情報記録媒体から情報を読み取ったときから前記携帯機器が撮影を行うまでの経過時間が所定時間内であるか否かを判定することによって、前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の画像記録システム。
【請求項3】
前記判定手段は、前記携帯機器が撮影を行う前後で、前記携帯機器が前記設置型情報記録媒体から読み取った情報が一致するか否かを判定することによって、前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の画像記録システム。
【請求項4】
前記携帯機器と無線通信を介して接続されたサーバをさらに備えた請求項1に記載の画像記録システムであって、
前記携帯機器は、前記判定手段を構成すべく、前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであるか否かを判定するとともに、前記画像が、前記情報が特定する撮影対象物を撮影したものであると判定した場合に、前記撮影対象物を特定する情報と撮影した画像とを無線通信を介して前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記情報記憶手段を構成すべく、前記撮影対象物を特定する情報と前記撮影対象物に関する情報とを関連付けて記憶し、さらに前記刻印手段を構成すべく、前記情報記憶手段に記憶された前記撮影対象物を特定する情報のうち、前記携帯機器から受信した前記撮影対象物を特定する情報に一致する情報を検索し、検索した情報に関連付けられた前記撮影対象物に関する情報を前記携帯機器から受信した画像に刻印し、さらに前記画像記憶手段を構成すべく、前記作業内容を示す情報が刻印された画像を記憶することを特徴とする画像記録システム。
【請求項5】
請求項1に記載の画像記録システムであって、
前記携帯機器は、前記判定手段を構成すべく、前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであるか否かを判定し、前記情報記憶手段を構成すべく、前記撮影対象物を特定する情報と前記撮影対象物に関する情報とを関連付けて記憶し、前記刻印手段を構成すべく、前記判定手段によって前記画像が前記情報が特定する撮影対象物を撮影したものであると判定された場合、前記情報記憶手段に記憶された前記撮影対象物を特定する情報のうち、前記携帯機器が読み取った前記撮影対象物を特定する情報に一致する情報を検索するとともに、検索した情報に関連付けられている前記撮影対象物に関する情報を前記携帯機器が撮影した画像に刻印し、前記画像記憶手段を構成すべく、前記刻印手段によって情報が刻印された画像を記憶することを特徴とする画像記録システム。
【請求項6】
前記携帯機器は、前記撮影対象物を撮影する携帯型撮影機器と、前記設置型情報記録媒体から前記撮影対象物を特定する情報を読み取ることが可能な携帯型リーダ機器とから構成されていることを特徴とする請求項1ないし5に記載の画像記録システム。
【請求項7】
前記携帯機器の所持者を特定する情報が記憶された携帯型情報記録媒体をさらに備え、前記設置型情報記録媒体には前記撮影対象物としての工事部位を特定する情報が記憶され、前記携帯機器が、前記設置型情報記録媒体及び前記携帯型情報記録媒体のそれぞれから情報を読み取ることが可能な請求項1に記載の画像記録システムであって、
前記情報記憶手段は、前記工事部位を特定する情報と、前記工事部位に対する作業内容を示す情報と、前記工事部位に対する作業を行う作業者を特定する情報とを互いに関連付けて記憶し、
前記刻印手段は、前記情報記憶手段に記憶された前記工事部位を特定する情報及び前記作業者を特定する情報のうち、前記携帯機器が読み取った前記工事部位を特定する情報及び前記所持者を特定する情報に一致する情報を検索するとともに、検索した情報に関連付けられた前記作業内容を示す情報を前記携帯型撮影機器が撮影した画像に刻印することを特徴とする画像記録システム。
【請求項8】
撮影対象物に固定または近接して配置され、前記撮影対象物を特定する情報が記憶された設置型情報記録媒体、及び前記撮影対象物を撮影し、前記設置型情報記録媒体から前記撮影対象物を特定する情報を読み取ることが可能な携帯機器を用いた画像記録方法であって、
前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで前記画像が前記情報が特定する撮影対象物を撮影したものであると判定された場合、前記撮影対象物を特定する情報と前記撮影対象物に関する情報とが関連付けられたテーブルの中から、前記携帯機器が読み取った情報に一致する前記撮影対象物を特定する情報を検索するとともに、該検索した情報に関連付けられている前記撮影対象物に関する情報を前記携帯機器が撮影した画像に刻印する刻印ステップと、
前記刻印ステップで情報が刻印された画像を記憶する画像記憶ステップとを有することを特徴とする画像記録方法。
【請求項9】
前記判定ステップでは、前記携帯機器が前記設置型情報記録媒体から情報を読み取ったときから前記携帯機器が撮影を行うまでの経過時間が所定時間内であるか否かを判定することによって、前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであるか否かを判定することを特徴とする請求項8に記載の画像記録方法。
【請求項10】
前記判定ステップでは、前記携帯機器が撮影を行う前後で、前記携帯機器が前記設置型情報記録媒体から読み取った情報が一致するか否かを判定することによって、前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであるか否かを判定することを特徴とする請求項8に記載の画像記録方法。
【請求項11】
携帯機器の所持者を特定する情報が記憶された携帯型情報記録媒体をさらに用い、前記設置型情報記録媒体には前記撮影対象物としての工事部位を特定する情報が記憶され、前記携帯機器が、前記設置型情報記録媒体及び前記携帯型情報記録媒体から、それぞれ前記所持者を特定する情報及び前記工事部位を特定する情報を読み取ることが可能な請求項8に記載の画像記録方法であって、
前記刻印ステップでは、前記工事部位を特定する情報と、前記工事部位に対する作業内容を示す情報と、前記工事部位に対する作業を行う作業者を特定する情報とが互いに関連付けられたテーブルの中から、前記携帯機器が読み取った情報に一致する前記作業者を特定する情報及び前記作業内容を示す情報を検索するとともに、検索した情報に関連付けられた前記作業内容を示す情報を前記携帯機器が撮影した前記工事部位の画像に刻印することを特徴とする画像記録方法。
【請求項1】
撮影対象物に固定または近接して配置され、前記撮影対象物を特定する情報が記憶された設置型情報記録媒体、及び前記撮影対象物を撮影し、前記設置型情報記録媒体から前記撮影対象物を特定する情報を読み取ることが可能な携帯機器を備えた画像記録システムであって、
前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであるか否かを判定する判定手段と、
前記撮影対象物を特定する情報と前記撮影対象物に関する情報とを関連付けて記憶する情報記憶手段と、
前記判定手段によって、前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであると判定された場合、前記情報記憶手段に記憶された前記撮影対象物を特定する情報のうち、前記携帯機器が読み取った前記撮影対象物を特定する情報に一致する情報を検索するとともに、該検索した情報に関連付けられている前記撮影対象物に関する情報を前記携帯機器が撮影した画像に刻印する刻印手段と、
前記刻印手段によって情報が刻印された画像を記憶する画像記憶手段とを有することを特徴とする画像記録システム。
【請求項2】
前記判定手段は、前記携帯機器が前記設置型情報記録媒体から情報を読み取ったときから前記携帯機器が撮影を行うまでの経過時間が所定時間内であるか否かを判定することによって、前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の画像記録システム。
【請求項3】
前記判定手段は、前記携帯機器が撮影を行う前後で、前記携帯機器が前記設置型情報記録媒体から読み取った情報が一致するか否かを判定することによって、前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の画像記録システム。
【請求項4】
前記携帯機器と無線通信を介して接続されたサーバをさらに備えた請求項1に記載の画像記録システムであって、
前記携帯機器は、前記判定手段を構成すべく、前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであるか否かを判定するとともに、前記画像が、前記情報が特定する撮影対象物を撮影したものであると判定した場合に、前記撮影対象物を特定する情報と撮影した画像とを無線通信を介して前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記情報記憶手段を構成すべく、前記撮影対象物を特定する情報と前記撮影対象物に関する情報とを関連付けて記憶し、さらに前記刻印手段を構成すべく、前記情報記憶手段に記憶された前記撮影対象物を特定する情報のうち、前記携帯機器から受信した前記撮影対象物を特定する情報に一致する情報を検索し、検索した情報に関連付けられた前記撮影対象物に関する情報を前記携帯機器から受信した画像に刻印し、さらに前記画像記憶手段を構成すべく、前記作業内容を示す情報が刻印された画像を記憶することを特徴とする画像記録システム。
【請求項5】
請求項1に記載の画像記録システムであって、
前記携帯機器は、前記判定手段を構成すべく、前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであるか否かを判定し、前記情報記憶手段を構成すべく、前記撮影対象物を特定する情報と前記撮影対象物に関する情報とを関連付けて記憶し、前記刻印手段を構成すべく、前記判定手段によって前記画像が前記情報が特定する撮影対象物を撮影したものであると判定された場合、前記情報記憶手段に記憶された前記撮影対象物を特定する情報のうち、前記携帯機器が読み取った前記撮影対象物を特定する情報に一致する情報を検索するとともに、検索した情報に関連付けられている前記撮影対象物に関する情報を前記携帯機器が撮影した画像に刻印し、前記画像記憶手段を構成すべく、前記刻印手段によって情報が刻印された画像を記憶することを特徴とする画像記録システム。
【請求項6】
前記携帯機器は、前記撮影対象物を撮影する携帯型撮影機器と、前記設置型情報記録媒体から前記撮影対象物を特定する情報を読み取ることが可能な携帯型リーダ機器とから構成されていることを特徴とする請求項1ないし5に記載の画像記録システム。
【請求項7】
前記携帯機器の所持者を特定する情報が記憶された携帯型情報記録媒体をさらに備え、前記設置型情報記録媒体には前記撮影対象物としての工事部位を特定する情報が記憶され、前記携帯機器が、前記設置型情報記録媒体及び前記携帯型情報記録媒体のそれぞれから情報を読み取ることが可能な請求項1に記載の画像記録システムであって、
前記情報記憶手段は、前記工事部位を特定する情報と、前記工事部位に対する作業内容を示す情報と、前記工事部位に対する作業を行う作業者を特定する情報とを互いに関連付けて記憶し、
前記刻印手段は、前記情報記憶手段に記憶された前記工事部位を特定する情報及び前記作業者を特定する情報のうち、前記携帯機器が読み取った前記工事部位を特定する情報及び前記所持者を特定する情報に一致する情報を検索するとともに、検索した情報に関連付けられた前記作業内容を示す情報を前記携帯型撮影機器が撮影した画像に刻印することを特徴とする画像記録システム。
【請求項8】
撮影対象物に固定または近接して配置され、前記撮影対象物を特定する情報が記憶された設置型情報記録媒体、及び前記撮影対象物を撮影し、前記設置型情報記録媒体から前記撮影対象物を特定する情報を読み取ることが可能な携帯機器を用いた画像記録方法であって、
前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで前記画像が前記情報が特定する撮影対象物を撮影したものであると判定された場合、前記撮影対象物を特定する情報と前記撮影対象物に関する情報とが関連付けられたテーブルの中から、前記携帯機器が読み取った情報に一致する前記撮影対象物を特定する情報を検索するとともに、該検索した情報に関連付けられている前記撮影対象物に関する情報を前記携帯機器が撮影した画像に刻印する刻印ステップと、
前記刻印ステップで情報が刻印された画像を記憶する画像記憶ステップとを有することを特徴とする画像記録方法。
【請求項9】
前記判定ステップでは、前記携帯機器が前記設置型情報記録媒体から情報を読み取ったときから前記携帯機器が撮影を行うまでの経過時間が所定時間内であるか否かを判定することによって、前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであるか否かを判定することを特徴とする請求項8に記載の画像記録方法。
【請求項10】
前記判定ステップでは、前記携帯機器が撮影を行う前後で、前記携帯機器が前記設置型情報記録媒体から読み取った情報が一致するか否かを判定することによって、前記携帯機器により撮影が行われた画像が、前記携帯機器により前記設置型情報記録媒体から読み取られた情報が特定する撮影対象物を撮影したものであるか否かを判定することを特徴とする請求項8に記載の画像記録方法。
【請求項11】
携帯機器の所持者を特定する情報が記憶された携帯型情報記録媒体をさらに用い、前記設置型情報記録媒体には前記撮影対象物としての工事部位を特定する情報が記憶され、前記携帯機器が、前記設置型情報記録媒体及び前記携帯型情報記録媒体から、それぞれ前記所持者を特定する情報及び前記工事部位を特定する情報を読み取ることが可能な請求項8に記載の画像記録方法であって、
前記刻印ステップでは、前記工事部位を特定する情報と、前記工事部位に対する作業内容を示す情報と、前記工事部位に対する作業を行う作業者を特定する情報とが互いに関連付けられたテーブルの中から、前記携帯機器が読み取った情報に一致する前記作業者を特定する情報及び前記作業内容を示す情報を検索するとともに、検索した情報に関連付けられた前記作業内容を示す情報を前記携帯機器が撮影した前記工事部位の画像に刻印することを特徴とする画像記録方法。
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図8】
【図12】
【図7】
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【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
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【図12】
【公開番号】特開2010−53573(P2010−53573A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−218693(P2008−218693)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
【出願人】(501267357)独立行政法人建築研究所 (28)
【出願人】(508260278)株式会社 SOCTED (2)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(504136568)国立大学法人広島大学 (924)
【出願人】(501267357)独立行政法人建築研究所 (28)
【出願人】(508260278)株式会社 SOCTED (2)
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