説明

画像記録体の製造装置

【課題】硬化させる第1硬化性溶液層を基材とし、これにインクによる画像が一体的に形成された画像記録体が得られる画像記録体の製造装置を提供すること。
【解決手段】例えば、ベルト状の搬送ベルト10を備え、搬送ベルト10の周囲に、搬送ベルト10の移動方向(矢印方向)における上流側から順に、搬送ベルト10上に、硬化性材料が含まれる硬化性溶液を供給し硬化性溶液層12Aを形成する硬化性溶液層形成装置12と、インクを、硬化性溶液層12Aに付与し画像Tを形成するインクジェット記録ヘッド14と、硬化性溶液層12Aを硬化させる刺激を硬化性溶液層12Aに供給する刺激供給装置18と、硬化させた硬化性溶液層12Aを搬送ベルト10から剥離する剥離爪20と、を有する画像記録体の製造装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録体の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、プラスチックフィルム上にUV−IJで印字・硬化後、ラミネート加工を行い、さらに、そのフィルムを真空成形などによって加工するため、加工時の像割れ・キズ等が生じにくくすることが提案されている。
また、特許文献2には、基材上に重合性の下塗り液を塗布する。下塗り液を半硬化させた後、重合性インクを印字し、硬化させることで、基材密着性向上、カール低減、吐出安定性向上させることが提案されている。
また、特許文献3には。インクジェット記録画像の上から、エネルギー硬化性コート液を塗布・硬化させることで、インク吸収性の低い媒体に対してもにじみがおきず、かつ耐擦性、耐オゾン性が向上することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−87246公報
【特許文献2】特開2008−248071公報
【特許文献3】特開2007−76087公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、硬化させる第1硬化性溶液層を基材とし、これにインクによる画像が一体的に形成された画像記録体が得られる画像記録体の製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
支持体と、
外部からの第1刺激により硬化する第1硬化性材料を少なくとも含む第1硬化性溶液を、前記支持体上に供給し、第1硬化性溶液層を形成する第1硬化性溶液層形成手段と、
インクを、前記第1硬化性溶液層に付与するインク付与手段と、
前記インクが付与された前記第1硬化性溶液層の第1硬化性材料を硬化させる前記第1刺激を供給する第1刺激供給手段と、
前記硬化させた第1硬化性溶液層を前記支持体から剥離する剥離手段と、
を具備し、
前記硬化させた第1硬化性溶液層を基材とし、当該基材に前記インクによる画像を有する画像記録体の製造装置。
【0006】
請求項2に係る発明は、
前記第1硬化性溶液層形成手段が、局所的に前記第1硬化性溶液層を形成する手段である請求項1に記載の画像記録体の製造装置。
【0007】
請求項3に係る発明は、
画像情報を受け付ける画像情報受付部を有し、
前記第1硬化性溶液形成手段が、前記画像情報受付部が受け付けた画像情報に応じた平面形状の前記第1硬化性溶液層をインクジェット方式で形成する手段である請求項2に記載の画像記録体の製造装置。
【0008】
請求項4に係る発明は、
前記支持体における前記第1硬化性溶液層の形成面側に、局所的に開口部を有する枠体が配置され、
前記第1硬化性溶液層形成手段が、前記枠体の開口部に前記第1硬化性溶液層を形成する手段である請求項2に記載の画像記録体の製造装置。
【0009】
請求項5に係る発明は、
外部からの第2刺激により硬化する第2硬化性材料を少なくとも含む第2硬化性溶液を、前記インクが付与された前記第1硬化性溶液層上に供給し、第2硬化性溶液層を形成する第2硬化性溶液層形成手段と、
前記第2硬化性溶液層の第2硬化性材料を硬化させる前記第2刺激を供給する第2刺激供給手段と、
を具備する請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像記録体の製造装置。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、硬化させる第1硬化性溶液層を基材とし、これにインクによる画像が一体的に形成された画像記録体が得られる。
請求項2に係る発明によれば、裁断工程を省略することができる。
請求項3に係る発明によれば、目的とする形状の画像記録体を必要なときに必要とする数得られる。
請求項4に係る発明によれば、第1硬化性溶液の粘度に依存せず、予め定められた平面形状の画像記録体が得られる。
請求項5に係る発明によれば、硬化させる第2硬化性溶液層を保護層とする画像記録体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施形態に係る画像記録体の製造装置を示す構成図である。
【図2】第1実施形態に係る画像記録体の製造装置における画像記録体の作製プロセスを示す工程図である。
【図3】第2実施形態に係る画像記録体の製造装置における画像記録体の作製プロセスを示す工程図である。
【図4】第3実施形態に係る画像記録体の製造装置における画像記録体の作製プロセスを示す工程図である。
【図5】第4実施形態に係る画像記録体の製造装置を示す構成図である。
【図6】第4実施形態に係る画像記録体の製造装置における画像記録体の作製プロセスを示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一例である実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、実質的に等しい機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る画像記録体の製造装置を示す構成図である。図2は、第1実施形態に係る画像記録体の製造装置における画像記録体の作製プロセスを示す工程図である。なお、図2は、平面、及び断面の双方の工程図である。
【0014】
第1実施形態に係る画像記録体の製造装置は、図1に示すように、例えば、ベルト状の搬送ベルト10(支持体の一例)を備え、搬送ベルト10の移動方向(矢印方向)における上流側から順に、搬送ベルト10上に硬化性材料が含まれる硬化性溶液を供給し硬化性溶液層12Aを形成する硬化性溶液層形成装置12(第1硬化性溶液層形成手段の一例)と、インクを硬化性溶液層12Aに付与し、画像Tを形成するインクジェット記録ヘッド14(インク付与手段の一例)と、硬化性溶液層12Aの表面を平坦化する平坦化装置16と、硬化性溶液層12A(それに含まれる第1硬化性材料)を硬化させる刺激を硬化性溶液層12Aに供給する刺激供給装置18(第1刺激供給手段の一例)と、硬化させた硬化性溶液層12Aを搬送ベルト10から剥離する剥離爪20(剥離手段の一例)と、が配置されている。
【0015】
(搬送ベルト)
搬送ベルト10は、図示しないが、例えば、無端状のベルトであり、回転駆動されるように、複数の支持ロールにより、内周面側から張力を付与しつつ支持されている。
搬送ベルト10の材料としては、一般に搬送ベルトとして用いられている公知の材料、例えば、各種の樹脂、各種のゴム、金属材料等が挙げられる。搬送ベルト10は、単層構成でもよいし、積層構成でもよい。
また、搬送ベルト10は、硬化性溶液層12Aに接する表面に表面離型層を設けてもよい。表面離型層に用いられる材料としては、例えば、フッ素系樹脂材料等が挙げられる。
【0016】
なお、搬送ベルト10に代えて、例えば、ドラム状の回転部材を適用してもよい。
【0017】
(硬化性溶液層形成装置)
硬化性溶液層形成装置12は、例えば、公知の供給法(塗布法:例えば、ダイ塗布法、バー塗布法、スプレー方式の塗布法、エアーナイフ方式の塗布法、ブレード方式の塗布法、ロール方式の塗布法等)などを利用した装置が適用される。
また、硬化性溶液層形成装置12は、インクジェット方式の塗布法を利用した装置(インクジェット記録ヘッド)を適用してもよい。
【0018】
(インクジェット記録ヘッド)
インクジェット記録ヘッド14は、例えば、搬送ベルト10の移動方向上流側から、ブラックインクを付与するための記録ヘッド14Kと、シアンインクを付与するための記録ヘッド14Cと、マゼンタインクを付与するための記録ヘッド14Mと、イエローインクを付与するための記録ヘッド14Yと、の各色の記録ヘッドを含んで構成されている。無論、記録ヘッド14の構成は上記構成に限られず、例えば、記録ヘッド14Kのみで構成してもよいし、記録ヘッド14C、記録ヘッド14M、及び記録ヘッド14Yのみで構成してもよい。
【0019】
各記録ヘッド14は、例えば、張力が掛けられて回転支持された搬送ベルト10における非屈曲領域上で、且つ搬送ベルト10表面と記録ヘッド14のノズル面との距離が例えば0.7から1.5mmにして配置されている。
各記録ヘッド14は、例えば、張力が掛けられて回転支持された搬送ベルト10における非屈曲領域上で、搬送ベルト10表面と各記録ヘッド14のノズル面との距離が任意の距離で配置されている。任意の距離とは各記録ヘッド14が搬送ベルト10上に塗布・形成される硬化性溶液層12Bの最上面と接触しない距離であり、具体的には、各記録ヘッド14のノズル面と硬化性溶液層12Bの最上面との距離は好ましくは0.5mm以上2.5mm以下、より好ましくは1.0mm以上2.0mm以下である。
【0020】
また、各記録ヘッド14は、例えば、記録媒体Pの幅と同等又はそれ以上の幅を持つライン型インクジェット記録ヘッドが望ましいが、従来のスキャン型のインクジェット記録ヘッドを用いてもよい。
各記録ヘッド14のインク付与方式は、圧電素子駆動型、発熱素子駆動型等、インクを付与し得る方式であれば制限はない。なお、インクの詳細については後述する。
【0021】
(平坦化装置)
平坦化装置16は、例えば、硬化性溶液層12Aの幅と同等又はそれ以上の幅を持つ無端状のベルト16Aと、無端状のベルト16Aを内周面側から張力を掛けつつ回転するように支持する複数(本実施形態では4つ)の支持ロール16Bとで構成されている。無端状のベルト16Aは、2つの支持ロール16Bに挟まれた領域で非屈曲領域を形成しており、この非屈曲領域において硬化性溶液層12Aと接触するように配設されている。そして、無端状のベルト16Aにおける、硬化性溶液層12Aと接触する非屈曲領域の内周面には、これと接触して支持する支持板16Cが配置されている。
【0022】
そして、平坦化装置16は、無端状のベルト16Aの内部に刺激供給装置18が内蔵されており、当該無端状のベルト16A(及び支持板16C)を介して、硬化性溶液層12Aに対する刺激供給装置18による刺激の付与が行われるように構成されている。つまり、平坦化装置16、つまり、無端状のベルト16Aの上記非屈曲領域において、硬化性溶液層12Aの平坦化と共に、刺激供給装置18による刺激付与を行う。
【0023】
なお、平坦化装置16では、無端状のベルト16Aと搬送ベルト10とで硬化性用液層12Aを挟み込んだ状態で、刺激供給装置18による刺激付与を行うこととなることから、硬化性溶液層12A(特に、硬化反応がラジカル反応により進行するラジカル硬化性材料を含む硬化性溶液層12A)の硬化反応効率も向上させる機能も有する。
【0024】
平坦化装置16における無端状のベルト16Aは、刺激供給装置18により供給される刺激に対して透過性を有するものであることがよい。また、無端状のベルト16Aは、耐刺激性を有するものであることがよい。
【0025】
例えば、刺激供給装置18が紫外線照射装置である場合、無端状のベルト16Aは、紫外線透過性を有し、紫外線に対する耐久性を有するものがよい。具体的には、例えば、搬送ベルト10は、その紫外線透過率が70%以上であることがよい。
紫外線透過性を有し、紫外線に対する耐久性を有する無端状のベルト16Aの材料としては、具体的には、例えば、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)、ポリイミドフイルム、ポリオレフィン系フィルム等が挙げられる。
【0026】
また、無端状のベルト16Aは、硬化性溶液層12Aに接する表面に表面離型層を設けてもよい。表面離型層に用いられる材料としては、例えば、フッ素系樹脂材料等が挙げられる。
この中でも、上記刺激に対する透過性を有する材料を用いることがよい。また、上記刺激に対する透過し難い材料を用いる場合は、透過性が発現する膜厚まで表面離型層の膜厚を薄くすることがよい。
【0027】
ここで、支持板16Cも、無端状のベルト16Aと同様に、刺激供給装置18により供給される刺激に対して透過性を有するものであることがよい。また、支持板16Cは、耐刺激性を有するものであることがよい。このような支持板16Cとしては、例えば、石英基板やガラス基板等が挙げられる。
【0028】
平坦化装置16は、上記無端状のベルト16Aを採用した形態を説明したが、これに限定されるわけではなく、例えば、ロール状の部材を採用した形態であってもよい。
【0029】
(刺激供給装置)
刺激供給装置18は、平坦化装置16における無端状のベルト16Aの内部に設けられ、平滑化領域の無端状のベルト16Aを介して、搬送ベルト10及び無端状のベルト16Aの両方に接触した状態の硬化性溶液層12Aに刺激を供給する。
なお、刺激供給装置18の配置位置は、上記に限られず、硬化性溶液層12Aへのインク付与後であれば特に制限はなく、平坦化装置16の外部であってもよく、例えば、搬送ベルト10の硬化性溶液層12Aの形成面とは反対の面側に配設してもよい。
【0030】
刺激供給装置18の種類は、適用する硬化性溶液に含まれる硬化性材料の種類に応じて選択される。具体的には、例えば、紫外線の照射により硬化する紫外線硬化性材料を適用する場合、刺激供給装置18としては硬化性溶液(これにより形成された硬化性溶液層12A)に紫外線を照射する紫外線照射装置を適用する。
また、電子線の照射により硬化する電子線硬化性材料を適用する場合、刺激供給装置18として硬化性溶液(これにより形成された硬化性溶液層12A)に電子線を照射する電子線照射装置を適用する。
また、熱の付与により硬化する熱硬化性材料を適用する場合、刺激供給装置18として硬化性溶液(これにより形成された硬化性溶液層12A)に熱を付与する熱付与装置を適用する。
【0031】
ここで、紫外線照射装置としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、デイープ紫外線ランプ、マイクロ波を用い外部から無電極で水銀灯を励起するランプ、紫外線レーザー、キセノンランプ、UV−LEDなどが適用される。
ここで、紫外線の照射条件としては、特に制限はなく、紫外線硬化性材料種、硬化性溶液層12Aの厚みなどに応じて選択し得るが、例えば、メタルハライドランプを用いた場合で、積算光量20mJ/cm以上1000mJ/cm以下等である。
【0032】
また、電子線照射装置としては、例えば、走査型/カーテン型等があり、カーテン型はフィラメントで生じた熱電子を、真空チャンバー内のグリッドによって引き出し、さらに高電圧(例えば70乃至300kV)によって、一気に加速させ、電子流となり、窓箔を通過して、大気側に放出する装置である。電子線の波長は一般的に1nmより小さく、またエネルギーは大きいもので数MeVに及ぶが、電子線の波長数がpmのオーダーでエネルギーが数十keV以上数百keV以下が適用される。
ここで、電子線の照射条件としては、特に制限はなく、電子線硬化性材料種、硬化性溶液層12Aの厚みなどに応じて選択し得るが、例えば、電子線量は5kGy以上100kGy以下レベル等である。
【0033】
また、熱付与装置としては、例えば、ハロゲンランプ、セラミックヒータ、ニクロム線ヒータ、マイクロ波加熱、赤外線ランプなどが適用される。また、熱付与装置としては、電磁誘導方式の加熱装置も適用される。
ここで、熱の付与条件としては、特に制限はなく、熱硬化性材料種、硬化性溶液層12Aの厚みなどに応じて選択し得るが、例えば、空気中において、200℃環境で5min等である。
【0034】
(画像記録体の作製プロセス)
以下、第1実施形態に係る画像記録体の製造装置の画像記録体の作製プロセスにつき、説明する。
【0035】
第1実施形態に係る画像記録装置では、まず、搬送ベルト10が回転駆動され、硬化性溶液層形成装置12により、搬送ベルト10表面に硬化性溶液を供給して、硬化性溶液層12Aを形成する(図2(A)参照)。この硬化性溶液層12Aは、例えば、帯状となるように連続的に形成する。
【0036】
ここで、硬化性溶液層12Aの層厚(平均膜厚)は、特に制限はないが、1μm以上5mm以下が望ましい。
【0037】
次に、前記硬化性溶液層12Aに、インクジェット記録ヘッド14によりインクを付与する。インクジェット記録ヘッド14は画像情報に基づき、硬化性溶液層12Aの画像が形成される領域にインクを付与する。これによりインクによる画像Tが形成される(図2(B)参照)。
【0038】
次に、搬送ベルト10で搬送されてきた硬化性溶液層12Aを、平坦化装置16(その無端状のベルト16A)と当該搬送ベルト10とで挟み込む。そして、この状態で、刺激供給装置18によって、平坦化装置16における無端状のベルト16Aを介して硬化性溶液層12A(その硬化材料)を硬化させる刺激を付与し、画像T(インク)を保持した硬化性溶液層12Aを硬化させる(図2(C)参照)。
【0039】
ここで、刺激供給量としては、例えば刺激が紫外線である場合、積算光量で10mJ/cm以上1000mJ/cm以下範囲がよい。
【0040】
次に、硬化された硬化性溶液層12Aは、搬送ベルト10上から剥離爪20により剥離させる(図2(D)参照)。その後、硬化された硬化性溶液層12Aは、不図示の搬送部材により搬送させる。
なお、剥離手段としては、剥離爪20による剥離に限られず、内周面に支持ロールを配置して搬送ベルト10に屈曲領域を設け、その屈曲領域において硬化された硬化性溶液層12A自身の「こし」の強さにより剥離する形態であってもよい。
【0041】
このようにして、画像Tが形成されると共に硬化された硬化性溶液層12A、つまり、硬化させた硬化性溶液層12Aを基材100Aとし、当該基材100Aにインクによる画像Tを有する画像記録体100が得られる。
なお、本実施形態では、例えば、複数の画像Tが形成された帯状の画像記録体100が得られることから、必要に応じて、得られた画像記録体100に対して裁断加工が施される。
【0042】
以上説明した本実施形態に係る画像記録体の製造装置では、硬化前の硬化性溶液層12Aにインクを付与して画像Tを形成した後、硬化性溶液層12Aを硬化させ、これを基材100Aとして利用することから、硬化後の硬化性溶液層12A、つまり基材100A(その非画像部)と画像Tとで段差等がなく、密着性が増した状態となる。
したがって、本実施形態に係る画像記録体の製造装置では、硬化させる硬化性溶液層12Aを基材とし、これにインクによる画像Tが一体的に形成された画像記録体100が得られる。
その結果、画像堅牢性、画像保存性、画像耐擦性を持つ画像記録体100となる。
また、基材100Aと画像Tとの画像堅牢性、画像保存性、画像耐擦性を持たせるために、下処理(紫外線処理、コロナ処理等)を施す必要がなく、画像記録体100を作製する上で、作製プロセスの簡易化、装置の小サイズ化、低コスト化が実現される。
【0043】
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態に係る画像記録体の製造装置における画像記録体の作製プロセスを示す工程図である。なお、図3は、平面、及び断面の双方の工程図である。
【0044】
第2実施形態に係る画像記録装置では、第1実施形態と同様な装置を用い、次に示す画像記録体の作製プロセスを行う。
【0045】
まず、搬送ベルト10が回転駆動され、硬化性溶液層形成装置12により、搬送ベルト10表面に硬化性溶液を供給して、硬化性溶液層12Aを形成する(図3(A)参照)。この硬化性溶液層12Aは、例えば、予め定められた平面形状となるように形成する。この平面形状は、得られる画像記録体100が目的とする形状であれば、特に制限はなく、画像記録体100の用途に応じて、各種図形(例えば矩形、円形、ハート、星等)や、文字等が挙げられる(本実施形態ではハート型を示している)。そして、予め定められた平面形状の硬化性溶液層12Aを、例えば、一定の間隔(パターン化)して配列させて形成する。
【0046】
ここで、硬化性溶液層12Aは、予め定められた平面形状となるように形成された形態を説明するが、これに限られず、局所的に硬化性溶液層12Aを形成する形態であればよい。この「局所的に硬化性溶液層12Aを形成する」とは、搬送ベルト10表面における通常使われる領域の全域に硬化性溶液層12Aを形成するのではなく、例えば、搬送ベルト10の幅方向及び搬送方向に対して非連続で硬化性溶液層12Aを形成することを意味する。つまり、硬化性溶液層12Aは、ある平面形状のものを搬送ベルト10の幅方向及び搬送方向に対して非連続で形成する。なお、局所的に形成された複数の硬化性溶液層12Aは、互いの平面形状が同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0047】
また、本実施形態に係る画像記録装置では、画像情報受付部15Aと、制御部15Bと、を有し、画像記録装置の外部からインクジェット記録ヘッド14により形成する硬化性溶液層12Aの平面形状に関する情報(画像情報)を画像情報受付部15Aで受け付け、制御部15Bにより画像情報受付部15Aで受け付けた画像情報に応じた平面形状の硬化性溶液層12Aを形成するようにインクジェット記録ヘッド14を制御してもよい。
なお、画像情報受付部15Aは、例えば、CD−R(Compact Disc−Recordable)、FD(フロッピー(登録商標)ディスク)、MD(Mini Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)等の画像記録媒体から該画像記録媒体に記録されている画像情報を読み取るための一般的な読取装置や、無線又は有線通信網を介して画像情報を取得するための一般的な通信装置等が採用される。
また、制御部15Bは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を含むマイクロコンピュータで構成されている。この制御部15Bでは、CPUによりROMやハードディスク等に記憶されているプログラムに従って画像記録装置(インクジェット記録ヘッド)の制御を行う。
【0048】
これら以外は、第1実施形態と同様にして、インクジェット記録ヘッド14により硬化性溶液層12Aにインクを付与して画像Tを形成し(図3(B)参照)、インクが付与された硬化性溶液層12Aを平坦化装置16(その無端状のベルト16A)と搬送ベルト10とで挟み込んだ状態で、刺激供給装置18によって硬化性溶液層12Aを硬化させ(図3(C)参照)、硬化された硬化性溶液層12Aを搬送ベルト10上から剥離させる(図3(D)参照)。
【0049】
このようにして、予め定められた平面形状の硬化性溶液層12Aであって画像Tが形成されると共に硬化された硬化性溶液層12A、つまり、予め定められた平面形状の硬化させた硬化性溶液層12Aを基材100Aとし、当該基材100Aにインクによる画像Tを有する画像記録体100が得られる。
【0050】
以上説明した本実施形態に係る画像記録体の製造装置では、予め定められた平面形状の未硬化の硬化性溶液層12Aにインクを付与して画像Tを形成した後、硬化性溶液層12Aを硬化させ、これを基材100Aとして利用することから、硬化性溶液層12Aを硬化させた後、裁断工程を経ることなく、つまり、裁断工程を省略して、画像記録体が得られる。
その結果、裁断工程が省かれるので、画像記録体100の作製プロセスの迅速化が図れると共に、裁断によるゴミ(不要部)の発生がないことから、環境性に富み、材料使用量の低減化も図れ、低コスト化も実現される。
また、液体状の硬化性溶液層12Aの平面形状により、得られる画像記録体100の平面形状を決定されるため、複雑な平面形状の画像記録体100であっても、小ロットで、他数の平面形状の画像記録体100を低コストで得られる。特に、インクジェット記録ヘッド14により、画像情報に応じた平面形状の硬化性溶液層12Aを形成することで、目的とする形状の画像記録体を必要なときに必要とする数得られる。
【0051】
(第3実施形態)
図4は、第3実施形態に係る画像記録体の製造装置における画像記録体の作製プロセスを示す工程図である。なお、図4は、平面、及び断面の双方の工程図である。
【0052】
第3実施形態に係る画像記録装置では、第1実施形態と同様な装置を用い、次に示す画像記録体の作製プロセスを行う。
【0053】
まず、搬送ベルト10上に、予め定められた平面形状の開口部22Aを有する板状の枠体22を配置する(図4(A))。そして、搬送ベルト10が回転駆動され、硬化性溶液層形成装置12により、搬送ベルト10上の枠体22の開口部22Aに硬化性溶液を供給して、硬化性溶液層12Aを形成する(図4(B)参照)。具体的には、例えば、枠体22の開口部22Aの内壁と当該開口部22Aにより露出した搬送ベルト10の表面とで囲まれた領域に、硬化性溶液を供給して、硬化性溶液層12Aを形成する。これにより、開口部22Aの平面形状と同様な平面形状の硬化性溶液層12Aが形成される。
【0054】
ここで、この開口部22Aの平面形状も、第2実施形態と同様に、得られる画像記録体100が目的とする形状であれば、特に制限はなく、画像記録体100の用途に応じて、各種図形(例えば矩形、円形、ハート、星等)や、文字等が挙げられる(本実施形態ではハート型を示している)。そして、枠体22には、予め定められた平面形状の開口部22Aを、例えば、一定の間隔(パターン化)して配列させて設けている。
また、この開口部22Aの平面形状も、第2実施形態と同様に、予め定められた平面形状となるように形成された形態を説明するが、これに限られず、枠体22が局所的に開口部22Aを有する形態であればよい。この「枠体22が局所的に開口部22Aを有する」とは、枠体22における全域に開口部22Aを設けるではなく、例えば、枠体22の幅方向及びその搬送方向に対して非連続で開口部22Aを設けることを意味する。つまり、開口部22Aは、ある平面形状のものを枠体22の幅方向及びその搬送方向に対して非連続で設ける。なお、局所的に形成された複数の開口部22Aは、互いの平面形状が同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0055】
これら以外は、第1実施形態と同様にして、インクジェット記録ヘッド14により硬化性溶液層12Aにインクを付与して画像Tを形成し(図4(C)参照)、インクが付与された硬化性溶液層12Aを平坦化装置16(その無端状のベルト16A)と搬送ベルト10とで挟み込んだ状態で、刺激供給装置18によって硬化性溶液層12Aを硬化させ(図4(D)参照)、硬化された硬化性溶液層12Aを枠体22ごと搬送ベルト10上から剥離させる(図4(E)参照)。そして、枠体22の開口部22Aから硬化された硬化性溶液層12Aを離脱させる(図4(F)参照)。
【0056】
このようにして、予め定められた平面形状の硬化性溶液層12Aであって画像Tが形成されると共に硬化された硬化性溶液層12A、つまり、予め定められた平面形状の硬化させた硬化性溶液層12Aを基材100Aとし、当該基材100Aにインクによる画像Tを有する画像記録体100が得られる。
【0057】
以上説明した本実施形態に係る画像記録体の製造装置では、第2実施形態と同様に、枠体22の開口部22Aの平面形状に応じた平面形状の未硬化の硬化性溶液層12Aにインクを付与して画像Tを形成した後、硬化性溶液層12Aを硬化させ、これを基材100Aとして利用することから、硬化性溶液層12Aを硬化させた後、裁断工程を経ることなく、つまり、裁断工程を省略して、画像記録体が得られる。
また、枠体22の開口部22Aに硬化性溶液層12Aが保持されて平面形状を保たせることから、硬化性溶液の粘度に依存せず、予め定められた形状の画像記録体が得られる。
その結果、第2実施形態と同様に、裁断工程が省かれるので、画像記録体100の作製プロセスの迅速化が図れると共に、裁断によるゴミ(不要部)の発生がないことから、環境性に富み、材料使用量の低減化も図れ、低コスト化も実現される。
また、第2実施形態と同様に、液体状の硬化性溶液層12Aの平面形状により、得られる画像記録体100の平面形状を決定されるため、複雑な平面形状の画像記録体100であっても、小ロットで、他数の平面形状の画像記録体100を低コストで得られる。
【0058】
(第4実施形態)
図5は、第4実施形態に係る画像記録体の製造装置を示す概略構成図である。図6は、第4実施形態に係る画像記録体の製造装置における画像記録体の作製プロセスを示す工程図である。なお、図6は、平面、及び断面の双方の工程図である。
【0059】
第4実施形態に係る画像記録体の製造装置は、図5に示すように、第1実施形態において、インクジェット記録ヘッド14によるインクの付与後であって刺激供給装置18による刺激の付与前に、硬化性溶液層12A上に、第2硬化性材料が含まれる第2硬化性溶液を供給し第2硬化性溶液層13Aを形成する第2硬化性溶液層形成装置13(第2硬化性溶液層形成手段の一例)を具備している。
以下、本実施形態においては、硬化性材料が含まれる硬化性溶液を供給して形成される硬化性溶液層12Aを「第1硬化性材料が含まれる第1硬化性溶液を供給して形成される第1硬化性溶液層12A」と称し、当該第1硬化性溶液層12Aを形成する形成装置を「第1硬化性溶液層形成装置12」と称して説明する。
また、本実施形態においては、第1硬化性溶液に含まれる第1硬化性材料を硬化させる第1刺激と、第2硬化性溶液に含まれる第2硬化性材料を硬化させる第2刺激と、が同じ刺激である形態として説明する。つまり、本実施形態では、第1硬化性溶液層12Aの硬化を行う第1刺激付与手段と第2硬化性溶液層13Aの硬化を行う第2刺激付与手段とが、刺激供給装置18が兼ねる形態を説明する。無論、それぞれの刺激が異なる形態であってもよい。
【0060】
また、本実施形態に係る画像記録体の製造装置は、平坦化装置16としてロール状部材が配置されている。刺激供給装置18が、搬送ベルト10における第1硬化性溶液層12Aの形成面とは反対側に、平坦化装置16と搬送ベルト10を介して対向して配設されている。また、平坦化装置16と搬送ベルト10を介して対向する位置(刺激供給装置18と搬送ベルト10との間の位置)に、当該搬送ベルト10と接触して支持する支持板16Dが配置されている。
【0061】
ここで、第2硬化性溶液層形成装置13は、第1硬化性溶液層形成装置12と同様の装置が適用される。本実施形態では、第2硬化性溶液層形成装置13として、インクジェット方式の塗布法を利用した装置(インクジェット記録ヘッド)を適用した形態を説明する。
【0062】
また、平坦化装置16としてのロール状部材は、例えば、シャフト(芯ロール)と、シャフトの周囲に配設された弾性層(例えば、ゴム層)とで構成された、所謂ゴムロールが採用される。無論、当該ロール状部材は、この構成に限られず、例えば、ゴムロールの外周面に表面離型層(例えばフッ素樹脂層)を設けた形態であってもよい。
【0063】
また、搬送ベルト10は、刺激供給装置18による刺激の付与を搬送ベルト10側から行う、即ち刺激が搬送ベルト10を透過した後に第1硬化性溶液層12A及び硬化性溶液層13Aに供給されることから、第1硬化性溶液層12A及び第2硬化性溶液層13Aに刺激を供給(到達)させるため、刺激透過性を有するものであることがよい。また、搬送ベルト10は、耐刺激性を有するものであることがよい。
【0064】
例えば、刺激供給装置18が紫外線照射装置である場合、搬送ベルト10は、紫外線透過性を有し、紫外線に対する耐久性を有するものがよい。具体的には、例えば、搬送ベルト10は、その紫外線透過率が70%以上であることがよい。
紫外線透過性を有し、紫外線に対する耐久性を有する搬送ベルト10の材料としては、具体的には、例えば、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)、ポリイミドフイルム、ポリオレフィン系フィルム等が挙げられる。
【0065】
搬送ベルト10における第1硬化性溶液層12Aに接する表面に表面離型層を設ける場合、その材料としても、上記刺激に対する透過性を有する材料を用いることがよい。また、上記刺激に対する透過性し難い材料を用いる場合は、透過性が発現する膜厚まで表面離型層の膜厚を薄くすることがよい。
【0066】
ここで、支持板16Dも、搬送ベルト10と同様に、刺激供給装置18により供給される刺激に対して透過性を有するものであることがよい。また、支持板16Dは、耐刺激性を有するものであることがよい。このような支持板16Dとしては、例えば、ガラス基板等が挙げられる。
【0067】
これら以外の装置構成は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0068】
以下、第4実施形態に係る画像記録体の製造装置の画像記録体の作製プロセスにつき、説明する。
【0069】
第4実施形態に係る画像記録装置では、第1実施形態と同様に、第1硬化性溶液層形成装置12により、搬送ベルト10表面に第1硬化性溶液を供給して、第1硬化性溶液層12Aを形成し(図6(A)参照)、インクジェット記録ヘッド14により、硬化性溶液層12Aにインクを付与して、画像Tを形成する(図6(B)参照)。
【0070】
次に、第2硬化性溶液層形成装置13により、第1硬化性溶液層12A表面に第2硬化性溶液を供給して、第2硬化性溶液層13Aを形成する(図6(C))
ここで、第2硬化性溶液層13Aの層厚(平均膜厚)は、特に制限はないが、第1硬化性溶液層13Aよりも薄いことがよく、1μm以上5mm以下が望ましく、3μm以上3mm以下がより望ましい。
【0071】
次に、搬送ベルト10で搬送されてきた第1硬化性溶液層12A及び第2硬化性溶液層13Aの積層体を、平坦化装置16(そのロール状部材)と当該搬送ベルト10とで挟み込む。そして、この状態で、刺激供給装置18によって、搬送ベルト10(及び支持板16D)を介して第1硬化性溶液層12A(その硬化材料)及び第2硬化性溶液層13Aを硬化させる刺激を付与し、画像T(インク)を保持した第1硬化性溶液層12A及びこれに積層した第2硬化性溶液層13Aを硬化させる(図6(D)参照)。
【0072】
次に、硬化された第1硬化性溶液層12A及び第2硬化性溶液層13Aは、搬送ベルト10上から剥離爪20により剥離させる(図6(E)参照)。
【0073】
これら以外の作製プロセスは、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0074】
以上説明した本実施形態に係る画像記録体の製造装置では、インクが付与された第1硬化性溶液層12A上に、第2硬化性溶液層13Aを形成し、これを硬化させることから、画像Tが形成されると共に硬化された第1硬化性溶液層12A、つまり、硬化させた第1硬化性溶液層12Aを基材100Aとし、当該基材100Aにインクによる画像Tを有し、この基材100A上に硬化された第2硬化性溶液層13A、つまり硬化させた第2硬化性溶液層を保護層100Bとして有する画像記録体100が得られる。
【0075】
また、硬化前の第1硬化性溶液層12Aにインクを付与して画像Tを形成した後、その硬化前に、第2硬化性溶液層13Aを形成し、共に硬化させている。このため、硬化された第1硬化性溶液層12Aである基材100Aと、硬化された第2硬化性溶液層13Aとを保護層100Bと、が密着性が良く、保護層100Bが剥れ難い画像記録体100が得られる。
なお、硬化前の第1硬化性溶液層12Aに第2硬化性溶液層13Aを形成した形態に限られず、硬化後の第1硬化性溶液層12Aに第2硬化性溶液層13Aを形成し、刺激供給装置18とは別途、第2硬化性溶液を硬化させる刺激を付与する刺激供給装置を設けて、これにより第2硬化性溶液層13Aを硬化させる形態であってもよい。
【0076】
また、硬化された第2硬化性溶液層13Aは、第2硬化性溶液(第2硬化性溶液層)として、透明(例えば光透過率50%以上)なものを採用すると、表面保護層(画像表示面側の保護層)として機能させ、着色(例えば白色)されたものを採用すると、裏面保護層(画像表示側とは反対の面の保護層)と機能させ得る。
【0077】
以下、上記第1〜第4実施形態に係る画像記録装置に用いられる、硬化性溶液(第1硬化性溶液)、第2硬化性溶液、及びインクについて詳述する。
【0078】
<硬化性溶液(第1硬化性溶液)>
硬化性溶液について詳細に説明する。
硬化性溶液は、外部からの刺激(エネルギー)により硬化する硬化性材料を少なくとも含んでいる。ここで、硬化性溶液に含有される「外部からの刺激(エネルギー)により硬化する硬化性材料」とは、外部からの刺激によって硬化し、「硬化性樹脂」となる材料を意味する。具体的には、例えば、硬化性のモノマー、硬化性のマクロマー、硬化性のオリゴマー、硬化性のプレポリマー等が挙げられる。
【0079】
硬化性材料としては、例えば、紫外線硬化性材料、電子線硬化性材料、熱硬化性材料等が挙げられる。紫外線硬化性材料は、硬化がし易く、他のものに比べ硬化速度も速く、取り扱いやすいため、最も望ましい。電子線硬化性材料は、重合開始剤が不要であり、硬化後の層の着色制御が実施しやすい。熱硬化性材料は、大掛りな装置を必要とすることなく硬化される。なお、硬化性材料は、これらに限られず、例えば湿気、酸素等により硬化する硬化性材料を適用してもよい。なお、ここで言う硬化性材料は、硬化後は不可逆である。
【0080】
紫外線硬化性材料を硬化することにより得られる「紫外線硬化性樹脂」としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂などが挙げられる。そして、その硬化性溶液は、紫外線硬化性のモノマー、紫外線硬化性のマクロマー、紫外線硬化性のオリゴマー、及び紫外線硬化性のプレポリマーの少なくとも1種を含んでいる。また、硬化性溶液は、紫外線硬化反応を進行させるための紫外線重合開始剤を含んでいることが望ましい。さらに硬化性溶液は、必要に応じて、重合反応をより進行させるための、反応助剤、重合促進剤等を含んでいてもよい。
【0081】
ここで、紫外線硬化性のモノマーとしては、例えば、アルコール/多価アルコール/アミノアルコール類のアクリル酸エステル、アルコール/多価アルコール類のメタクリル酸エステル、アクリル脂肪族アミド、アクリル脂環アミド、アクリル芳香族アミド類等のラジカル硬化性材料;エポキシモノマー、オキセタンモノマー、ビニルエーテルモノマー等のカチオン硬化性材料;などが挙げられる。上記紫外線硬化性のマクロマー、紫外線硬化性のオリゴマー、紫外線硬化性のプレポリマーとしては、これらモノマーを重合させたものの他、エポキシ、ウレタン、ポリエステル、ポリエーテル骨格に、アクリロイル基やメタクリロイル基の付加した、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエステルメタクリレート等のラジカル硬化性材料が挙げられる。
【0082】
硬化反応がラジカル反応により進行するタイプである場合、紫外線重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、チオキサントン系、ベンジルジメチルケタール、α-ヒドロキシケトン、α-ヒドロキシアルキルフェノン、 α-アミノケトン、α-アミノアルキルフェノン、モノアシルフォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイド、ヒドロキシベンゾフェノン、アミノベンゾフェノン、チタノセン型、オキシムエステル型、オキシフェニル酢酸エステル型などが挙げられる。
【0083】
また硬化反応がカチオン反応により進行するタイプである場合、紫外線重合開始剤としては、例えば、アリールスルホニウム塩、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、アレン-イオン錯体誘導体、トリアジン系開始剤等が挙げられる。
【0084】
電子線硬化性材料を硬化することにより得られる「電子線硬化性樹脂」としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。そして、その硬化性溶液は、電子線硬化性のモノマー、電子線硬化性のマクロマー、電子線硬化性のオリゴマー、及び電子線硬化性のプレポリマーの少なくとも1種を含んでいる。
【0085】
ここで、電子線硬化性のモノマー、電子線硬化性のマクロマー、電子線硬化性のオリゴマー、電子線硬化性のプレポリマーとしては、紫外線硬化性の材料と同様のものが挙げられる。
【0086】
熱硬化性材料を硬化することにより得られる「熱硬化性樹脂」としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。そして、その硬化性溶液は、熱硬化性のモノマー、熱硬化性のマクロマー、熱硬化性のオリゴマー、及び熱硬化性のプレポリマーの少なくとも1種を含んでいる。また重合の際に硬化剤を添加してもよい。また、硬化性溶液は、熱硬化反応を進行させるための熱重合開始剤を含んでもよい。
【0087】
ここで、熱硬化性のモノマーとしては、例えば、フェノール、ホルムアルデヒド、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン、シアヌリル酸アミド、尿素、グリセリン等のポリアルコール、無水フタル酸、無水マレイン酸、アジピン酸等の酸などが挙げられる。熱硬化性のマクロマー、熱硬化性のオリゴマー、熱硬化性のプレポリマーとしては、これらのモノマーを重合させたものや、エポキシプレポリマー、ポリエステルプレポリマーなどが挙げられる。
【0088】
熱重合開始剤としては、例えば、プロトン酸/ルイス酸等の酸、アルカリ触媒、金属触媒などが挙げられる。
【0089】
以上のように、硬化性材料は、紫外線、電子線、熱等の外部エネルギーにより硬化(例えば、重合反応が進行することによる硬化)するものであれば何でもよい。
上記硬化性材料の中でも、画像記録の高速化という観点を考慮すると、硬化速度の速い材料(例えば、重合の反応速度が速い材料)が望ましい。このような硬化性材料としては、例えば、放射線硬化型の硬化性材料(上記紫外線硬化性材料、電子線硬化性材料等)が挙げられる。
【0090】
硬化性材料は、中間転写体等との濡れ性を考慮して、Siやフッ素等による変性がされていてもよい。また硬化性材料は、硬化速度と硬化度を考慮すると、多官能のプレポリマーを含有するのが望ましい。
【0091】
また、硬化性溶液には、上記硬化反応に寄与する主成分(モノマー、マクロマー、オリゴマー、及びプレポリマー、重合開始剤等)を溶解又は分散するための水や有機溶媒を含んでいてもよい。但し、当該主成分の比率が例えば30質量%以上、望ましくは60質量%以上、より望ましくは90質量%以上の範囲が挙げられる。
【0092】
また、硬化性溶液は、硬化後の層を着色制御を行う目的で各種色材を含んでいてもよい。
【0093】
また、硬化性溶液の粘度は、5mPa・sから10000mPa・sが望ましく、より望ましくは10mPa・sから1000mPa・sであり、さらに望ましくは15mPa・sから500mPa・sの範囲が挙げられる。また、硬化性溶液の粘度は、インクの粘度よりも高いことがよい。
【0094】
上記硬化性溶液は、画像ムラ及び色間にじみの抑制という観点から、インク中の記録材(例えば色材)を固定化する材料を含むことが望ましい。
また、これらの材料としては、インクに対して吸液性を有する材料(吸液性材料)が好ましい。吸液性材料とは、吸液性材料とインクを質量比30:100で24時間混合した後、混合液中からフィルターにより吸液性材料を取り出した時、吸液性材料の質量がインク混合前に対して5%以上増加するものである。
このように、硬化性溶液がインク吸液性材料を含有することによって、速やかにインク液体成分(例えば、水、水性溶媒)が、樹脂層に取り込まれ画像が固定化するため、インク間の境界部での混色が抑制され、画像ムラが抑制され、さらには転写時の圧力によるインクの転写ムラが軽減される。
【0095】
吸液性材料は、例えば樹脂(以下、吸液樹脂と称する場合がある)や、表面親インク性を持たせた無機粒子(例えば、シリカ、アルミナ、ゼオライトなど)等があげられ、用いるインクに応じて選択される。
具体的には、インクとして水性インクを用いる場合は、吸液性材料として吸水材料を用いることが望ましい。また、インクとして油性インクを用いる場合は、吸液性材料として吸油材料を用いることが望ましい。
【0096】
吸水材料としては、具体的には、例えば、ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸及びその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸及びその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸及びその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸及びその塩構造を有する脂肪族又は芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸及びその塩構造を有する脂肪族又は芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸及びその塩から構成される共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸及びその塩構造を有する脂肪族又は芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、ポリマレイン酸及びその塩、スチレン−マレイン酸及びその塩から構成される共重合体等、前記それぞれの樹脂のスルホン酸変性体、それぞれの樹脂のリン酸変性体等、等が挙げられ、望ましくは、ポリアクリル酸及びその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸及びその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸及びその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸及びその塩構造を有する脂肪族又は芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸及びその塩から構成される共重合体、が挙げられる。これら樹脂は、未架橋でも架橋されていてもよい。
【0097】
また吸油材料としては、具体的には、例えば、ヒドロキシステアリン酸、コレステロール誘導体、ベンジリデンソルビトールといった低分子ゲル化剤や、ポリノルボルネン、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン共重合体、各種ロジン類等が挙げられ、望ましくは、ポリノルボルネン、ポリプロピレン、ロジン類が挙げられる。
【0098】
吸液性材料が粒子状である場合には、硬化性溶液の安定性と画質との両立といった観点から、体積平均粒径が0.05μm以上25μmの範囲であることが望ましく、0.5μm以上10μm以下がより望ましい。
【0099】
この吸液性材料の硬化性溶液全体に対する比率は、例えば質量比で10%以上望ましくは20%以上であり、より望ましくは25%以上70%以下の範囲が挙げられる。
【0100】
次に、硬化性溶液に含まれる、その他の添加剤について説明する。
硬化性溶液は、インクの成分を凝集又は増粘させる成分を含んでもよい。
【0101】
この機能を有する成分は、上記吸液樹脂粒子を構成する樹脂(樹脂吸水性樹脂)の官能基として含んでもよいし、化合物として含んでもよい。当該官能基としては、例えば、カルボン酸、多価金属カチオン、ポリアミン類等などが挙げられる。
【0102】
また、当該化合物としては、無機電解質、有機酸、無機酸、有機アミンなどの凝集剤が好適に挙げられる。
【0103】
凝集剤は単独で使用しても、あるいは2種類以上を混合して使用しても構わない。また、凝集剤の含有量としては、0.01質量%以上30質量%以下であることが望ましい。より望ましくは、0.1質量%以上15質量%以下であり、更に望ましくは、1質量%以上15質量%以下である。
【0104】
<第2硬化性溶液>
次に、第2硬化性溶液について説明する。
第2硬化性溶液としては、上記硬化性溶液(第1硬化性溶液)と同様のものが挙げられる。
また、第2硬化性溶液としては、硬化性の着色インク(例えば、紫外線硬化型の白色インク)を適用してもよい。
【0105】
<インク>
インクとしては、溶媒として水性溶媒を含む水性インク、溶媒として油性溶媒を含む油性インク、紫外線硬化型インク、相変化型ワックスインクなどが挙げられる。
ここで、これらインクの構成については、特に制限はなく、公知の構成のものが適応される。
【0106】
なお、上記実施形態に係る実施形態に係る画像記録体の製造装置では、支持体として搬送ベルト10を適用し、搬送ベルト10を回転駆動させることで、形成した硬化性溶液層を搬送しつつ、インク付与、硬化、剥離を行う形態を説明したがこれに限られず、非移動の(例えば、プラスチック板やガラス板等)を適用し、形成した硬化性溶液層を非移動の状態でインク付与、硬化、剥離を行う形態であってもよい。
【0107】
上記実施形態に係る実施形態に係る画像記録体の製造装置により、得られる画像記録体は、例えば、シール・ラベルや、ID(Identification))カードなどのプラスチックカード類、プラスチック製品等に利用され得る。
【0108】
[試験例]
以下、上記実施形態の作用・効果を確認するため、以下のような試験を行った。
【0109】
上記第1実施形態に従って、画像記録体を作製した。
得られた画像記録体を観察したところ、基材の非画像部と画像との段差がなく、画像が基材に一体化されて形成されていることが確認された。
【0110】
ここで、主な部材は、以下のものを用いた
・搬送ベルト10:厚さ0.1mm、ベルト幅350mm、外径Φ168mmのポリイミド樹脂製無端ベルトにフッ素系樹脂を被覆したもの(プロセス速度:200mm/s)
・硬化性溶液層形成装置12:スリットダイコータ(硬化性溶液層12Aの層厚15μm)
・平坦化装置16(無端状のベルト16A):厚さ0.1mm、ベルト幅350mm、外径Φ168mmのポリオレフィン製無端ベルトにフッ素系樹脂を被覆したもの
・インクジェット記録ヘッド14 : 14174ノズル/解像度1200dpi(dpi:1インチ当たりのドット数)の記録ヘッド(600dpi/7087ノズルヘッドを千鳥に2列配置した12インチの試作ヘッド、4色分(Black,Cyan,Magenta,Yellow)を並列に配置した構成)
・刺激供給装置18:メタルハライドランプ(紫外線照射強度240W/cmを積算光量で100mJ/cm照射)
【0111】
また、硬化性溶液、各色のインクは、以下のものを用いた。
【0112】
(硬化性溶液)
・シリコン変性ポリウレタンアクリレート:10質量%
・ポリアクリル酸ナトリウム
(吸水樹脂、ボールミル粉砕により数平均粒子径3.5μmとしたもの):25質量部
・トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート(UV硬化モノマー):52質量%
・2−ヒドロキシプロピルアクリレート(UV硬化モノマー):10質量%
・イルガキュア754(チバ・ジャパン株式会社製、UV開始剤):3質量%
上記組成を混合し硬化性溶液を得た。なお、粘度は948mPa・sであった。
【0113】
(インク)
−ブラックインク−
・Mogul L(キャボット社製)(顔料/表面官能基無し):4質量%
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合:0.6質量%
・ジエチレングリコール:15質量%
・ジグリセリンエチレンオキサイド付加物:5質量%
・ポリオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル:0.75質量%
・イオン交換水:残部
この液体のpHは8.2、体積平均粒子径は120nm、表面張力は32mN/m、粘度は3.3mPa・sであった。
【0114】
−シアンインク−
・C.I.Pigment Blue 15:3:4質量%
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合体:0.6質量%
・ジエチレングリコール:20質量%
・グリセリン:5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1質量%
・イオン交換水:残部
この液体のpHは8.8、体積平均粒子径は92nm、表面張力は31mN/m、粘度は3.1mPa・sであった。
【0115】
−マゼンタインク−
・C.I.Pigment Red 122:4質量%
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合体:0.75質量%
・ジエチレングリコール:20質量%
・グリセリン:5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1質量%
・イオン交換水:残部
この液体のpHは8.6、体積平均粒子径は106nm、表面張力は31mN/m、粘度は3.2mPa・sであった。
【0116】
−イエローインク−
・C.I.Pigment Yellow 128:4質量%
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合体:0.6質量%
・ジエチレングリコール:20質量%
・グリセリン:5質量%
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:1質量%
・イオン交換水:残部
この液体のpHは8.7、体積平均粒子径は115nm、表面張力は31mN/m、粘度は3.2mPa・sであった。
【符号の説明】
【0117】
10 搬送ベルト
12 硬化性溶液層形成装置(第1硬化性溶液層形成装置)
12A 硬化性溶液層(第1硬化性溶液層)
13 第2硬化性溶液層形成装置
13A 第2硬化性溶液層
14(14Y、14M、14C、14K) インクジェット記録ヘッド
16 平坦化装置
16A 無端状のベルト
16B 支持ロール
16C 支持板
16D 支持板
18 刺激供給装置
20 剥離爪
22 枠体
22A 開口部
100 画像記録体
100A 基材
100B 保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、
外部からの第1刺激により硬化する第1硬化性材料を少なくとも含む第1硬化性溶液を、前記支持体上に供給し、第1硬化性溶液層を形成する第1硬化性溶液層形成手段と、
インクを、前記第1硬化性溶液層に付与するインク付与手段と、
前記インクが付与された前記第1硬化性溶液層の第1硬化性材料を硬化させる前記第1刺激を供給する第1刺激供給手段と、
前記硬化させた第1硬化性溶液層を前記支持体から剥離する剥離手段と、
を具備し、
前記硬化させた第1硬化性溶液層を基材とし、当該基材に前記インクによる画像を有する画像記録体の製造装置。
【請求項2】
前記第1硬化性溶液層形成手段が、局所的に前記第1硬化性溶液層を形成する手段である請求項1に記載の画像記録体の製造装置。
【請求項3】
画像情報を受け付ける画像情報受付部を有し、
前記第1硬化性溶液形成手段が、前記画像情報受付部が受け付けた画像情報に応じた平面形状の前記第1硬化性溶液層をインクジェット方式で形成する手段である請求項2に記載の画像記録体の製造装置。
【請求項4】
前記支持体における前記第1硬化性溶液層の形成面側に、局所的に開口部を有する枠体が配置され、
前記第1硬化性溶液層形成手段が、前記枠体の開口部に前記第1硬化性溶液層を形成する手段である請求項2に記載の画像記録体の製造装置。
【請求項5】
外部からの第2刺激により硬化する第2硬化性材料を少なくとも含む第2硬化性溶液を、前記インクが付与された前記第1硬化性溶液層上に供給し、第2硬化性溶液層を形成する第2硬化性溶液層形成手段と、
前記第2硬化性溶液層の第2硬化性材料を硬化させる前記第2刺激を供給する第2刺激供給手段と、
を具備する請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像記録体の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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