説明

画像記録装置及びその制御方法

【課題】画像記録装置において、適切なミシン刃の交換時期を判断することが可能な技術を提供する。
【解決手段】ウェブ4に画像の記録を行う画像記録部7と、ミシン目加工を施すミシン目加工部9を備える画像記録装置1において、ミシン目検出部10は、ウェブ4に加工されたミシン目を検出する。正常にミシン目が加工できた場合のミシン目の状態を示すミシン目情報を記憶しておき、制御部2が、ミシン目情報記憶部17に記憶されているミシン目情報を参照して、ミシン目検出部10において検出した、ウェブ4のうち画像記録の対象となっていない部分に加工されたミシン目に基づき、ミシン刃が交換時期であるか否かを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続する記録媒体に画像を記録し、ミシン目の加工を行う画像記録装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
記録媒体の所望の位置にミシン目加工を施すミシン目加工装置を搭載した画像記録装置が、広く一般的に知られている。ミシン目加工装置は、記録媒体を挟んでミシン刃とアンビルローラまたは受け刃とが対向して配置され、ミシン刃をアンビルローラ等に当接させることで、記録媒体にミシン目を形成する。
【0003】
ミシン刃は、ミシン目加工を繰り返すうちに磨耗して、切れ味が悪くなり、やがてミシン目の加工不良を生じる。このため、ミシン刃が劣化し、ミシン目の加工不良を生じる前にミシン刃を交換することが必要となる。
【0004】
なお、上記の刃の磨耗や交換に関しては、ミシン目加工を行うためのミシン刃に限らず、連続する記録媒体を切断するためのカッター等にも同様のことが言える。
例えば、特許文献1においては、カッターがロール紙をカットした累積回数を記憶し、累積回数が所定の回数になった場合は、カッターの寿命となったと判断し、ユーザに通知する技術について提供されている。
【0005】
また、特許文献2においては、カッターがロール紙をカットするのにかかるカット所要時間やカッターモータの電流値を測定し、所定の閾値を超えた場合には、カッター交換要と判断し、ユーザに通知する技術について提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−39318号公報
【特許文献2】特開平10−315198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の特許文献1や2に記載されている技術によれば、カットした累積回数やカット所要時間からカッターの寿命を推定しているのであり、実際にカッターの切れ味が劣化しているか否かを判断しているわけではない。このため、カッターの使用環境や条件によっては、適切な時期にカッターの交換を通知することができない可能性がある。
【0008】
また、特許文献2に記載されている技術によれば、連続する記録媒体(ロール紙)を高速で搬送しながらカットする画像記録装置においては、カット所要時間の変化は即座に紙詰まりを生じさせることから、カット所要時間に変化が生じるまでカッター刃を交換しない、ということは好ましくない。更には、カット所要時間やカッターモータの電流値の変化がカッターの劣化によるものか、あるいはカッターモータの劣化やカッターモータ周辺装置の不具合によるものかの区別がつかない。
【0009】
本発明は、前述した課題に鑑みて、画像記録装置において、適切なミシン刃の交換時期を判断することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、開示の画像記録装置によれば、記録媒体に画像の記録を行う画像記録部と、ミシン目加工を施すミシン目加工部を備える画像記録装置であって、前記記録媒体に加工されたミシン目を検出する検出部と、正常にミシン目が加工できた場合のミシン目の状態を示すミシン目情報を記憶するミシン目情報記憶部と、前記ミシン目情報記憶部に記憶されている前記ミシン目情報を参照して、前記検出部において検出した、前記記録媒体のうち画像記録の対象となっていない部分に加工されたミシン目に基づき、ミシン刃が交換時期であるか否かを判断する制御部と、を備える構成とする。
【0011】
あるいは、開示の画像記録装置の制御方法によれば、記録媒体に画像の記録を行う画像記録部と、ミシン目加工を施すミシン目加工部を備える画像記録装置の制御方法であって、前記記録媒体に加工されたミシン目を検出し、予め記憶部に記憶しておいた、正常にミシン目が加工できた場合のミシン目の状態を示すミシン目情報を参照して、前記検出した、前記記録媒体のうち画像記録の対象となっていない部分に加工されたミシン目に基づき、ミシン刃が交換時期であるか否かを判断する構成とする。
【発明の効果】
【0012】
開示の本発明によれば、画像記録装置のミシン刃の交換時期を適切に判断することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態に係る画像記録装置の構成図である。
【図2】ミシン刃の制御方法を示す図である。
【図3】ミシン目検出部の他の構成例を示す図である。
【図4】ミシン目検出部の出力波形の概略図を示す。
【図5】実施形態に係る画像記録装置の制御方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る画像記録装置の構成図である。図1に示す画像記録装置1は、上位装置20と接続され、上位装置20からの命令にしたがって、連続する記録媒体(ウェブ)4に画像記録を行う。ウェブ4は、搬送系により搬送される過程で、画像記録やミシン目加工及び所定長への切断等の処理がなされる。以下、ウェブ4が搬送される過程に沿って、本実施形態に係る画像記録装置1の各部の動作について説明する。
【0015】
媒体収納部3は、ロール状に巻かれたウェブ4を回転可能に軸支する。媒体収納部3には、機械式または磁気式の回転ブレーキが組み込まれており、引き出されたウェブ4に制動をかけて、ウェブ4に所定の張力を発生させる。
【0016】
ウェブ4は、媒体収納部3において発生するバックテンションと、図1においては不図示のモータにより駆動されるローラ対8により与えられる搬送力とにより、ドラム5の外周面に垂直抗力が与えられる。そして、ドラム5とウェブ4との間の摩擦力によりウェブ4はドラムに保持され、所定の速度で搬送される。
【0017】
ドラムの回転軸には、たとえばロータリーエンコーダ等からなる搬送情報生成部6が接続されており、ウェブ4の搬送距離に応じた搬送情報として、周期的なパルスを生成する。
【0018】
画像記録部7は、ドラム5の外径に沿った近接する位置に配置され、例えばライン型インクジェットヘッドのインクを吐出させて、画像記録を行う。インクの吐出タイミングは、搬送情報生成部6において生成した搬送情報に基づき、制御部2が画像記録部7の制御を行うことによる。
【0019】
ウェブ4の両面に画像記録を行う場合には、画像記録部7及びドラム5はそれぞれ2組を備える構成となり、各組の画像記録部7がウェブ4の裏面及び表面のそれぞれに画像記録を行う。
【0020】
ウェブ4は、ローラ対8の間を通過した後、ミシン目加工部9へと搬送される。ミシン目加工部9は、ミシン刃9aとアンビルローラ9bとを有し、ミシン刃9a及びアンビルローラ9bは、ウェブ4の搬送速度と同じ周速度で回転している。ウェブ4を、ミシン目加工部9のミシン刃9aとアンビルローラ9bとの間を通過させることで、ウェブ4にミシン目が形成される。ウェブ4にミシン目を形成するか否か、及びミシン目を形成する位置(ページやウェブ4の幅方向に関する位置)等の情報は、上位装置20から入力されるジョブに含まれている。
【0021】
本実施形態に係る画像記録装置1は、ミシン刃9a及びアンビルローラ9bのウェブ4の搬送方向に関して下流にセンサ等のミシン目検出部10を設けている。ミシン目加工部9は、通常のミシン目加工処理、すなわち、画像記録を行ったウェブ4にミシン目加工を施す処理のほか、制御部2の制御により、例えば損紙等の画像記録の対象となっていない部分に、ミシン刃9aの状態を確認するためのミシン目加工を施す。
【0022】
ミシン目検出部10は、損紙等に形成されたミシン目を検出する。ミシン目情報記憶部17は、正常なミシン刃9aがミシン目加工を施した場合のミシン目の状態に係わる情報を、予め記憶しておく。以下の説明においては、「正常な」ミシン刃9aとは、ミシン刃9aが磨耗しておらず、その切断能力が良好な状態であることをいう。制御部2は、ミシン目情報記憶部17に記憶している情報を参照して、ミシン目検出部10において検出したミシン目が「正常な」ミシン刃9aにより加工されたものであるかを判断することにより、ミシン刃9aが交換時期であるか否かを判断する。本実施形態に係る画像記録装置1において、ミシン刃9aの交換時期を判断する具体的な方法については、後に詳しく説明する。
【0023】
ウェブ4は、ミシン目加工部9においてミシン目加工が施されると、カッター部12に搬送される。ミシン目加工部9とカッター部12との間に設けられたローラ対11は、ウェブ4をカッター部12の側へ安定的に供給する。これとともに、ローラ対11とローラ対8との間でウェブ4を弛ませることなく搬送することにより、ミシン目加工部9は、搬送方向に沿ったミシン目を形成する。
【0024】
カッター部12は、例えばロータリーカッターを用いて、搬送されるウェブ4の搬送動作を止めることなく、連続的にページごとに切断する。
なお、カッター部12におけるウェブ4の切断タイミングは、搬送情報生成部6からのウェブ搬送距離に同期して出力されるエンコーダ信号のカウント値に基づく。これにより、連続するウェブ4を所定長のシートに切断する。このような制御により、画像記録装置1全体のスループットを低下させることなく、画像記録及び切断動作を行うことが可能となる。
【0025】
カッター部12において切断されたシートは、シートの幅方向に延出して表面側及び裏面側に設けられたガイド13の間を、シート面を挟むようにガイドされて通過する。このようにして、切断されたシートは、排出ローラ14に受け渡され、排出部15へと排出される。
【0026】
図2は、ミシン刃9aの制御方法を示す図である。次に、図2を参照して、本実施形態に係る画像記録装置1が、ミシン目加工部9のミシン刃9aが交換時期であるか否かを判断する方法について、具体的に説明する。
【0027】
図2(a)は、本実施形態に係る画像記録装置1のミシン目加工部9及びミシン目検出部10の上面図を示し、図2(b)は、側面図を示す。図2に示す構成例では、ミシン目加工部9は、ミシン刃9a、アンビルローラ9b、ミシン刃切り替え部9c、ミシン刃横移動部9d及びミシン刃横移動ガイド9eを有する。
【0028】
画像記録装置1の制御部2がミシン刃切り替え部9cを制御して、ミシン刃9aをアンビルローラ9bに当接または離間をさせ、ミシン目加工のオン/オフの切り替えを実施する。
【0029】
ミシン刃9aは、ミシン刃横移動部9dに取り付けられており、ミシン刃横移動部9dは、ミシン刃横移動ガイド9eに沿って移動可能である。制御部2は、ミシン刃横移動部9dを制御することで、ミシン刃9aをウェブ4の幅方向の任意の位置に移動させる。
【0030】
図2に示すようなミシン刃加工部9を複数配置することで、複数箇所にミシン目加工を施すことが可能となる。
ミシン目検出部10については、例えば、光学式の透過型センサにより構成され、発光側10aと受光側10bとが、ウェブ4を挟んで対向するように配置される。ミシン目検出部10は、図2に示すとおり、ミシン目加工部9の搬送方向に関して下流の位置であって、且つミシン目加工部9が「基準位置」にあるときにミシン刃9aをオンの状態に切り替えて施したミシン目が、ミシン目検出部10の検出範囲に含まれる位置に配置される。ここで、「基準位置」とは、ミシン刃9aが交換時期であるか否かの判断に用いるためにミシン目加工を施す、ウェブ4の幅方向に関する位置である。基準位置は、予め画像記録装置1において設定しておく。
【0031】
ウェブ4のミシン目が加工された部分には、周期的に切断穴が形成されている。ミシン目検出部10は、周期的な切断穴を透過する光を受光することで、ミシン目16を検出する。具体的には、ミシン目の長さ及び深さ等を検出する。
【0032】
以降の説明においては、ミシン目検出部10に透過型センサを利用する場合を例に説明するが、例えば反射型センサを用いることとしても、ミシン目の検出が可能である。すなわち、ミシン目検出部10に反射型センサを利用した場合、ウェブ4のミシン目の形成されていない箇所では、反射型センサからの発光素子から出射した光は、ウェブ4で反射し、反射型センサの受光素子において、反射光を受光する。これに対して、切断穴の形成されている箇所では、反射光を受光しない。これにより、ミシン目を検出する。
【0033】
図3は、ミシン目検出部10の他の構成例を示す図である。ミシン目検出部10は、図3(a)に示すように、ライン型のセンサで構成することとしてもよいし、図3(b)に示すように、ミシン刃横移動部9dと連動してミシン刃9aと同様に横方向、すなわちウェブ4の幅方向に関して移動可能な構成としてもよい。
【0034】
ミシン目検出部10が図3に示す構成をとることで、「基準位置」でミシン目検出を行う必要がなくなり、ウェブ4の幅方向に関して任意の位置でミシン目を検出することが可能となる。
【0035】
なお、ウェブ4の幅方向に関して任意の位置で損紙等に加工されたミシン目を検出するためには、ミシン目検出部10が図3(a)に示すように、ライン型のセンサからなる場合には、センサの検出幅は、ウェブ4の幅以上であることが必要である。
【0036】
また、ミシン目検出部10が、図3(b)に示す構成をとる場合には、ミシン目の検出に利用する光学センサは、反射型センサであることが望ましい。これは、反射型センサを採用した場合には、ウェブ4に関して一方の側にミシン目検出部10を設けることで足りるため、ミシン目検出部10がミシン目加工部9のミシン刃横移動部9dと連動してミシン刃9aと共にウェブ4の幅方向に関して移動させるための構造を簡素化できるためである。
【0037】
本実施形態に係る画像記録装置1は、図3に示すように、ミシン目加工部9のミシン刃9aが交換時期であるか否かを判断するために、下流に設けられたミシン目検出部10において、発光素子から出射した光を受光素子において受光するレベルにより、加工されたミシン目の状態を判断する。
【0038】
図4は、本実施形態に係る画像記録装置1のミシン目検出部10の出力波形の概略図を示す。図4(a)は、ウェブ4の幅方向に関する断面図であり、ミシン目加工部9がウェブ4に施した正常なミシン目16aと、切断深さが不足しているミシン目16b及び切断長が不足しているミシン目16cを示す。図4(b)は、図4(a)に示すミシン目16a〜16cにそれぞれ対応するミシン目検出部10の出力波形図である。
【0039】
ミシン目加工部9のミシン刃9aの切断能力が良好な場合には、ミシン目の切断深さ及びミシン目の長さは、ミシン刃9aや用紙の種類等により、それぞれ所定値以上が確保される。このことを利用して、ミシン目検出部10において検出した受光レベルが、「所定値α以上の領域が所定値β以上の長さを有する」との条件を満たしている場合には、正常なミシン目が加工できていると判断する。所定値α及びβとしては、ウェブ4の厚み及びミシン刃9aの1枚の刃による切断長に対して所定の割合(例えば、90〜80%)となる値を設定する。
【0040】
所定値αやβ等のミシン目情報は、図1のミシン目情報記憶部17に記憶されている。画像記録装置1の制御部2は、ミシン目情報記憶部17にされているミシン目情報とミシン目検出部10において取得した値とを比較して、検出したミシン目が正常に加工されているかを判断する。ここでの「ミシン目情報」とは、切断能力の低下していないミシン刃9aにより形成された例えばミシン目の長さ及び深さ等の、ミシン目の状態を示す情報をいう。
【0041】
受光レベルが上記条件を満たさない場合には、ミシン刃9aが劣化し、正常にミシン目が加工できなかったと判断する。図4に示す例では、ミシン目16bのように、受光レベルα´が所定値αに満たない場合や、ミシン目16bのように、長さβ´が所定値βに満たない場合がこれに相当する。ミシン刃9aの劣化により正常にミシン目加工ができなかったと判断した場合には、ミシン刃9aの交換をユーザに通知する処理等を実行する。
【0042】
ミシン目検出部10において検出した受光レベルが上記条件を所定回数以上満たした場合や、上記条件を満たすミシン目が所定長以上連続して検出された場合に、ミシン刃9aの交換時期と判断することとしてもよい。
【0043】
更には、ミシン目検出部10が検出した受光レベルの値を積分し、得られた積分値を利用して、ミシン刃9aの交換時期を判断することもできる。
図5は、本実施形態に係る画像記録装置1の制御方法を示したフローチャートである。図5を参照して、損紙等の画像記録対象となっていない部分にミシン目加工を施し、ミシン目検出部10において検知したミシン目に基づき、ミシン刃9aが交換時期であるか否かを判断する方法について説明する。
【0044】
まず、ステップS1で、上位装置20からウェブ4への画像記録に係わるジョブが入力されたか否かを判定し、ジョブの入力を認識すると、ステップS2に進み、ウェブ4の搬送を開始させる。
【0045】
ステップS3で、画像記録の対象となっていない部分の「基準位置」に所定量のミシン目を加工する。ここで、基準位置とは、先に図2の説明において述べたとおり、ミシン刃9aが交換時期であるか否かを判断するためにミシン目加工を施すウェブ4の幅方向に関する位置である。画像記録装置1の制御部2は、予め設定しておいた基準位置にしたがって、ミシン目加工部9のミシン刃横移動部9dを制御することにより、基準位置でのミシン目加工を行う。
【0046】
ステップS4で、ステップS3において加工したミシン目を読み取る。先に説明したとおり、ミシン目の読み取りは、ミシン目検出部10において行う。ステップS5で、ミシン目検出部10において検出したウェブ4の切断深さ及び切断長が、所定の「条件」を満たす範囲内にあるか否かを判定する。具体的には、ミシン目検出部10において検出したミシン目の切断深さ所定値α以上であり、且つミシン目の長さが所定値β以上であるか否かを判定する。条件を満たす場合には、特に処理を行わず、ステップS8に進む。条件を満たさない場合には、ステップS6に進む。
【0047】
ステップS6において、ミシン刃9aの交換時期である旨をユーザに通知し、ステップS7で、ステップS1において認識したジョブに含まれるジョブ情報を参照し、ミシン目加工の設定が「オン」であるか否かを判定する。ミシン目加工の設定が「オン」である場合には、画像記録は行わず、ステップS13に進む。ここでは、劣化したミシン刃9aを用いてミシン目加工を行った場合には、廃紙となる可能性が高いため、無駄な画像記録を行わないこととしている。ミシン目加工の設定が「オフ」である場合には、ミシン刃9aを利用しないため、そのまま画像記録を行うこととして、ステップS8に進む。
【0048】
ステップS8で、画像記録を行い、ステップS9で、ジョブ情報を参照して、ミシン目加工が「オン」に設定されている場合にはミシン刃を移動し、ステップS10で、ミシン目加工を施し、ステップS11に進む。なお、ステップS9において、ミシン目加工が「オフ」に設定されている場合には、特に処理を行わず、ステップS11に進む。
【0049】
ステップS11では、カッター部12においてウェブ4の切断を行い、ステップS12で、最終画像まで画像記録、必要なミシン目加工及びウェブ4の切断が完了したか否かを判定する。最終画像の記録がまだ完了していない場合には、ステップS8に戻り、上記の処理を繰り返す。最終画像の記録が完了している場合には、ステップS13に進む。
【0050】
ステップS13で、所定長に切断して得られたシートが全て排出部15に排出されると、ウェブ4の搬送を停止させ、処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る画像記録装置1において図5に示す制御を行うことにより、ミシン刃9aの磨耗具合に応じた適切な時期に、ミシン刃9aの交換時期であることを判断することができる。これにより、ユーザ等へのミシン刃9aの交換時期である旨の通知をすることが可能となる。
【0051】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、本発明は、前述した実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明をなすことができる。例えば本発明は、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、更には各実施形態の異なる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 画像記録装置
2 制御部
3 媒体収納部
4 ウェブ
5 ドラム
6 搬送情報生成部
7 画像記録部
8 ローラ対
9 ミシン目加工部
9a ミシン刃
9b アンビルローラ
9c ミシン刃切り替え部
9d ミシン刃横移動部
9e ミシン刃横移動ガイド
10 ミシン目検出部
11 ローラ対
12 カッター部
13 ガイド
14 排出ローラ
15 排出部
16、16a〜16c ミシン目
17 ミシン目情報記憶部
20 上位装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像の記録を行う画像記録部と、ミシン目加工を施すミシン目加工部を備える画像記録装置であって、
前記記録媒体に加工されたミシン目を検出する検出部と、
正常にミシン目が加工できた場合のミシン目の状態を示すミシン目情報を記憶するミシン目情報記憶部と、
前記ミシン目情報記憶部に記憶されている前記ミシン目情報を参照して、前記検出部において検出した、前記記録媒体のうち画像記録の対象となっていない部分に加工されたミシン目に基づき、ミシン刃が交換時期であるか否かを判断する制御部と、
を備えることを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記ミシン目加工部は、前記記録媒体の幅方向に関して所定の位置にミシン目加工を施し、
前記検出部は、前記記録媒体のうち画像記録の対象となっていない部分に加工されたミシン目を、前記所定の位置で検出する
ことを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記ミシン目情報記憶部は、前記ミシン目加工部において前記ミシン刃が正常に加工したミシン目について前記検出部が検出することにより得られる情報を、前記ミシン目情報として記憶する
ことを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記ミシン目情報とは、前記ミシン目が正常に加工したミシン目の長さ及び深さを含む情報からなる
ことを特徴とする請求項3記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記ミシン目加工部は、
前記記録媒体の幅方向に関して前記ミシン刃を移動させるミシン目移動部
を備え、
前記検出部は、前記ミシン目移動部に搭載され、該ミシン目移動部による前記ミシン刃の移動とともに移動して、前記記録媒体のうち画像記録の対象となっていない部分に形成された前記ミシン目を検出する
ことを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記検出部は、少なくとも前記記録媒体の幅以上の幅を有するライン型のセンサからなる
ことを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記ミシン刃が交換時期と判断した場合には、上位装置から入力された命令を参照し、該命令にミシン目加工を施す旨の指示が含まれないときは、該命令にしたがって画像記録処理を実行させる
ことを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【請求項8】
記録媒体に画像の記録を行う画像記録部と、ミシン目加工を施すミシン目加工部を備える画像記録装置の制御方法であって、
前記記録媒体に加工されたミシン目を検出し、
予め記憶部に記憶しておいた、正常にミシン目が加工できた場合のミシン目の状態を示すミシン目情報を参照して、前記検出した、前記記録媒体のうち画像記録の対象となっていない部分に加工されたミシン目に基づき、ミシン刃が交換時期であるか否かを判断する、
ことを特徴とする画像記録装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−156642(P2011−156642A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22185(P2010−22185)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)