説明

画像読み取り装置および画像処理装置

【課題】画像の読み取りを開始するまでに要する時間の短縮化を図る。
【解決手段】原稿を受光部18で読み取って得られる読み取り画像データに、シェーディング補正部52にてシェーディング補正を施した後、後処理部53で各種画像処理を施して出力画像データとして出力する画像読み取り動作を実行する前に、原稿を受光部18で読み取って得られる読み取り画像データに、シェーディング補正部52にてシェーディング補正を施した後、原稿サイズ検出部54で原稿のサイズ(主走査方向長さ)を検出する原稿サイズ検出動作を実行し、読み取り動作における各種設定を行う。原稿サイズ検出動作では、既に補正データ格納部55に格納されている取得済補正データを用いてシェーディング補正を実行し、画像読み取り動作では、新たに取得した新規補正データを用いてシェーディング補正を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読み取り装置および画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
公報記載の従来技術として、光電変換部で光電変換された原稿の画像データにシェーディング補正を行う画像読み取り装置において、シェーディング補正に使用するシェーディング補正データ(SHD補正値)を記憶するメモリ(SHDメモリ)を、省電力モードへの移行後も電源をオフしない構成とし、省電力モードへの移行直前にシェーディング補正値を演算してメモリに記憶させておくものが存在する(特許文献1参照)。また、この特許文献1には、シェーディング補正データを記憶するメモリを、不揮発性メモリで構成することについても記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−183431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、画像の読み取りを開始するまでに要する時間の短縮化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、原稿の画像を読み取る読み取り手段と、前記読み取り手段に起因する読み取り特性を補正するためのシェーディング補正データを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記シェーディング補正データを用いて、前記読み取り手段による読み取り画像データを補正する補正手段と、前記補正手段にて前記補正が施された前記読み取り画像データに基づいて、前記読み取り手段による読み取り動作の設定を把握するための第1の処理を実行する第1処理手段と、前記第1の処理にて把握された設定に基づいて前記読み取り手段にて読み取り動作が行われることに伴い、前記補正手段にて前記補正が施された読み取り画像データに、出力画像データを作成するための第2の処理を実行する第2処理手段と、読み書き可能であって、電源を供給しなくても、記憶している情報を保持することが可能な不揮発性メモリを備え、前記取得手段によって過去に取得された取得済シェーディング補正データを格納する格納手段と、前記第1処理手段が前記第1の処理を実行する場合に、前記補正手段が使用する前記シェーディング補正データとして、前記格納手段から読み出した前記取得済シェーディング補正データを設定し、前記第2処理手段が前記第2の処理を実行する場合に、当該補正手段が使用する当該シェーディング補正データとして、前記取得手段が新たに取得した新規シェーディング補正データを設定する設定手段とを含む画像読み取り装置である。
請求項2記載の発明は、前記格納手段は、取得する際の取得条件が異なる複数の前記取得済シェーディング補正データを、複数の当該取得済シェーディング補正データの取得条件とともに格納し、前記設定手段は、前記第1処理手段が前記第1の処理を実行する場合に、前記補正手段が使用する前記シェーディング補正データとして、複数の前記取得済シェーディング補正データのそれぞれにおける前記取得条件が、予め決められた条件を満足する取得済シェーディング補正データを選択することを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置である。
請求項3記載の発明は、前記格納手段における前記不揮発性メモリが、MRAM、FeRAM、PRAM、ReRAMのいずれかであることを特徴とする請求項1または2記載の画像読み取り装置である。
【0006】
請求項4記載の発明は、原稿の画像を読み取る読み取り手段に起因する読み取り特性を補正するためのシェーディング補正データを取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記シェーディング補正データを用いて、前記読み取り手段による読み取り画像データを補正する補正手段と、前記補正手段にて前記補正が施された前記読み取り画像データに基づいて、前記読み取り手段による読み取り動作の設定を把握するための第1の処理を実行する第1処理手段と、前記第1の処理にて把握された設定に基づいて前記読み取り手段にて読み取り動作が行われることに伴い、前記補正手段にて前記補正が施された読み取り画像データに、出力画像データを作成するための第2の処理を実行する第2処理手段と、読み書き可能であって、電源を供給しなくても、記憶している情報を保持することが可能な不揮発性メモリを備え、前記取得手段によって過去に取得された取得済シェーディング補正データを格納する格納手段と、前記第1処理手段が前記第1の処理を実行する場合に、前記補正手段が使用する前記シェーディング補正データとして、前記格納手段から読み出した前記取得済シェーディング補正データを設定し、前記第2処理手段が前記第2の処理を実行する場合に、当該補正手段が使用する当該シェーディング補正データとして、前記取得手段が新たに取得した新規シェーディング補正データを設定する設定手段とを含む画像処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、画像の読み取りを開始するまでに要する時間の短縮化を図ることができる。
請求項2記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、第1の処理の結果における誤差を、より少なくすることができる。
請求項3記載の発明によれば、例えば不揮発性メモリとしてEEPROMあるいはフラッシュメモリを用いた場合と比較して、不揮発性メモリからの取得済シェーディング補正データの読み取りをより高速に行うことができる。
請求項4記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、画像の読み取りを開始するまでに要する時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態における画像読み取り装置の構成の一例を示す側面図である。
【図2】受光部の構成を示す図である。
【図3】制御・画像処理ユニットのハードウェアブロック図である。
【図4】制御・画像処理ユニットのソフトウェアブロック図である。
【図5】MRAM(補正データ格納部)に格納される取得済補正データを、テーブルとして示す図である。
【図6】「電源オフ」、「通常モード(電源オン)」および「省電力モード(電源オン)」のそれぞれにおける給電状態を説明するための図である。
【図7】「電源オフ」あるいは「省電力モード(電源オン)」から、「通常モード(電源オン)」に移行する場合における、制御・画像処理ユニットでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】新規補正データの取得手順を示すフローチャート(サブルーチン)である。
【図9】「通常モード(電源オン)」から、「電源オフ」あるいは「省電力モード(電源オン)」に移行する場合における、制御・画像処理ユニットでの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される画像読み取り装置10の構成の一例を示す側面図である。なお、図1は、画像読み取り装置10をフロント側からみた図である。
この画像読み取り装置10は、図中上部側に開口が設けられるとともに、内部には原稿の画像を読み取るための機構が設けられた筐体11と、長方形状の形状を有し且つ筐体11の開口に取り付けられた、可視領域において透明なガラスからなる原稿台12とを備える。この原稿台12は、画像の読み取り対象となる原稿(図示せず)を積載するために用いられる。なお、本実施の形態では、図1に示す原稿台12において、図中手前側から奥側へと向かう方向が原稿の画像を読み取る際の主走査方向となり、図中左側側から右側へと向かう方向が原稿の画像を読み取る際の副走査方向となる。
【0010】
また、画像読み取り装置10は、筐体11の内部に設けられ、原稿台12に沿って第1の速度で副走査方向に移動するフルレートキャリッジ13と、フルレートキャリッジ13の移動に連動して、原稿台12に沿って第1の速度の半分となる第2の速度で副走査方向に移動するハーフレートキャリッジ15とを備える。これらのうち、フルレートキャリッジ13は、原稿台12の上に置かれた原稿に光を照射する光源装置14Aおよび光源装置14Aからの光を原稿に向けて反射する光源ミラー14Bと、原稿から得られた反射光をハーフレートキャリッジ15側に反射する第1ミラー16Aとを備えている。一方、ハーフレートキャリッジ15は、第1ミラー16Aからの反射光を結像部に向けて反射する第2ミラー16Bおよび第3ミラー16Cを有している。ここで、光源装置14A、光源ミラー14B、第1ミラー16A、第2ミラー16Bおよび第3ミラー16Cは、それぞれ、主走査方向に沿って延びる形状を有している。
【0011】
また、この画像読み取り装置10は、第3ミラー16Cから反射された光学像を光学的に縮小する結像用レンズ17と、結像用レンズ17による結像位置に取り付けられ、結像用レンズ17によって結像された光学像を受光するとともに光電変換し、読み取り画像データとして出力する受光部18をさらに備えている。本実施の形態では、後述するように、受光部18として、主走査方向に沿って設けられた赤色用、緑色用および青色用の各撮像素子列を、副走査方向に並べて配置したものを用いている。これにより、読み取り手段の一例としてのフルレートキャリッジ13、ハーフレートキャリッジ15、結像用レンズ17および受光部18を用いて、原稿台12に積載された原稿に形成された画像を、フルカラー画像として読み取るようになっている。
【0012】
さらに、この画像読み取り装置10は、画像読み取り装置10における各部の動作を制御し、且つ、受光部18から入力される原稿の読み取り画像データに各種画像処理を施す制御・画像処理ユニット19を備えている。
【0013】
さらにまた、この画像読み取り装置10において、原稿台12の図中左側端部となる部位には、主走査方向に沿って延びる白基準部材20が、原稿台12の上面に密着して取り付けられている。この白基準部材20は、例えば二軸延伸ポリエステルフィルムからなる白色のテープにて構成されている。なお、この白基準部材20は、後述するように、読み取り動作におけるシェーディング補正で使用するシェーディング補正データを作成するための基準として用いられる。
【0014】
そして、この画像読み取り装置10は、原稿台12が取り付けられた筐体11の上方に、筐体11に対して開閉自在に取り付けられ、閉じられた際に原稿台12に原稿を押さえて固定する押さえ板21と、筐体11側に取り付けられ、筐体11に対する押さえ板21の開閉を検知する開閉検知センサ22とを備えている。また、この画像読み取り装置10は、筐体11の内部に取り付けられ、筐体11内部の温度を検知する温度センサ23および筐体11内部の湿度を検知する湿度センサ24と、画像読み取り装置10を構成する各部に給電を行う電源25とを備えている。
【0015】
図2は、上述した画像読み取り装置10で用いられる受光部18の構成を説明するための図である。
受光部18は、長方形状の基板180と、この基板180の一方の面に並べて取り付けられた3本の撮像素子列181、182、183とを備えている。また、撮像素子列181、182、183は、それぞれ、主走査方向FSに沿って設けられている。ここで、撮像素子列181、182、183は、それぞれ、例えば正方形状の撮像素子(フォトダイオード)PDを主走査方向FSに複数(この例ではk個)並べて構成されている。また、撮像素子列181、182、183は、上述したようにこの順に副走査方向SSに並べて配置されている。このとき、撮像素子列181とこれに隣接する撮像素子列182とは副走査方向SSに距離Gだけ離れて配置されており、撮像素子列182とこれに隣接する撮像素子列183とは副走査方向SSに距離Gだけ離れて配置されている。したがって、撮像素子列181と撮像素子列183とは、副走査方向SSに距離2Gだけ離れていることになる。
【0016】
そして、副走査方向SSの最上流側に位置する撮像素子列181には、赤色光を選択的に透過するフィルタが取り付けられており、撮像素子列181は赤色光検出用のイメージセンサとして機能している。また、撮像素子列181よりも副走査方向SSの下流側に位置する撮像素子列182には、緑色光を選択的に透過するフィルタが取り付けられており、撮像素子列182は緑色光検出用のイメージセンサとして機能している。さらに、撮像素子列182よりも副走査方向SSの下流側且つ最下流側に位置する撮像素子列183は、青色光を選択的に透過するフィルタが取り付けられており、撮像素子列183は青色光検出用のイメージセンサとして機能している。そこで、以下の説明においては、各撮像素子列を、それぞれ、赤色撮像素子列181、緑色撮像素子列182、青色撮像素子列183と呼ぶことにする。
【0017】
続いて、画像読み取り装置10に設けられる制御・画像処理ユニット19について、より詳細な説明を行う。
図3は、制御・画像処理ユニット19のハードウェアブロック図を示している。
本実施の形態の制御・画像処理ユニット19は、原稿の画像読み取りに際して画像読み取り装置10の各部の動作を制御する制御部40と、原稿を読み取って得られた読み取り画像データに処理を施す画像処理部50とを備えている。
【0018】
これらのうち、制御部40は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)401と、メモリバスを介してCPU401に接続されるROM(Read Only Memory)402およびDRAM(Dynamic Random Access Memory)403と、インタフェース回路(I/F)404とを有している。ここで、インタフェース回路404は、CPU401と、開閉検知センサ22、ユーザからの指示を受け付けるとともにユーザに対して情報を表示するユーザ・インタフェース(UI)31、光源装置14Aを駆動する発光駆動部32、受光部18を駆動する受光駆動部33、フルレートキャリッジ13およびハーフレートキャリッジ15を駆動する走査駆動部34、そして電源25を駆動する電源駆動部35とを接続している。
【0019】
制御部40において、CPU401は、ROM402に記憶されたプログラム(以下では制御プログラムと呼ぶ)を読み出し、DRAM403との間でデータの授受を行いながら処理を実行する。また、CPU401は、インタフェース回路404を介して、インタフェース回路404に接続される各部との間で、データの授受を行う。
【0020】
一方、画像処理部50は、受光部18から入力されてくる読み取り画像データに処理を施して出力する機能を備えたASIC(Application Specific Integrated Circuit)501と、外部バスを介してASIC501に接続されるMRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)502とを有している。また、AISC501は、CPU5011と、内部バスの一例であるメモリバス(図示せず)を介してCPU5011に接続されるROM5012、DRAM5013、SRAM(Static Random Access Memory)5014と、リアル・タイム・クロック(RTC)5015と、インタフェース回路5016とを有している。ここで、インタフェース回路5016は、CPU5011と、受光部18、温度センサ23、湿度センサ24、そしてパーソナルコンピュータやプリンタ等の外部機器100とを接続している。なお、外部機器100は、画像処理が施された出力画像データを出力する対象となっている。
【0021】
画像処理部50のASIC501において、CPU5011は、ROM5012に記憶されたプログラム(以下では処理プログラムと呼ぶ)を読み出し、DRAM5013およびSRAM5014との間でデータの授受を行いながら処理を実行する。また、ASIC501において、CPU5011は、インタフェース回路5016を介して、インタフェース回路5016に接続される各部との間でデータの授受を行う。さらに、画像処理部50のASIC501において、RTC5015は、現在時刻の計時を行っている。一方、画像処理部50において、ASIC501に外付けされるMRAM502は、ASIC501(CPU5011)からの要求に応じて、ASIC5011との間でデータの授受を行う。
【0022】
ここで、制御部40に設けられるROM402、および、画像処理部50のASIC501に設けられるROM5012は、例えばUV−EPROM(Ultra-Violet Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)など、電源を供給しなくても、記憶している情報を保持することが可能な不揮発性メモリで構成されている。
また、制御部40に設けられるDRAM403、および、画像処理部50のASIC501に設けられるDRAM5013およびSRAM5014は、電源を供給しないと、記憶している情報を保持することができない揮発性メモリで構成されている。
これに対し、画像処理部50に設けられるMRAM502は、電源を供給しなくても、記憶している情報を保持することが可能な不揮発性メモリで構成されている。ただし、MRAM502は、ROM402やROM5012として用いられるUV−EPROMやEEPROMに比べて、より高速にデータの読み書きを行うことができるようになっている。特にこの例では、画像処理部50のASIC501において、MRAM502が、DRAM5013よりも高クロックであって、SRAM5014と共通のクロックにてデータの読み書きを行う。
【0023】
図4は、制御・画像処理ユニット19のソフトウェアブロック図を示している。
まず、制御部40は、画像読み取り装置10の動作を統括制御する統括制御部41と、統括制御部41による統括制御の下で各部を制御する発光制御部42、受光制御部43、走査制御部44および給電制御部45とを備えている。ここで、発光制御部42は発光駆動部32を、受光制御部43は受光駆動部33を、走査制御部44は走査駆動部34を、そして給電制御部45は電源駆動部35を、それぞれ制御する。また、統括制御部41は、開閉検知センサ22およびUI31との間で、データの授受を行う。
【0024】
さらに、制御部40は、統括制御部41、発光制御部42、受光制御部43、走査制御部44および給電制御部45がそれぞれ実行する制御プログラムを格納する制御プログラム格納部46と、各制御部が制御を実行する際に生じる作業データを格納する作業データ格納部47とを備えている。
【0025】
なお、本実施の形態では、統括制御部41、発光制御部42、受光制御部43、走査制御部44および給電制御部45の機能が、CPU401(および各種制御プログラム)によって実現され、制御プログラム格納部46の機能が、ROM402によって実現され、作業データ格納部47の機能が、DRAM403によって実現される。
【0026】
次に、画像処理部50は、受光部18から入力される読み取り画像データに前処理を施す前処理部51と、前処理が施された読み取り画像データに、シェーディング補正データ(以下では、単に補正データと呼ぶ)を用いてシェーディング補正を施すシェーディング補正部52と、シェーディング補正が施された読み取り画像データに他の画像処理を施し、外部機器100に対し出力画像データとして出力する後処理部53とを備える。ここで、前処理部51、シェーディング補正部52および後処理部53は、受光部18を構成する、赤色撮像素子列181より出力される赤色画像データ(R)、緑色撮像素子列182より出力される緑色画像データ(G)、そして、青色撮像素子列より出力される青色画像データ(B)のそれぞれに対して、主走査方向1ライン分ずつ処理を施す。
【0027】
なお、前処理部51では、前処理として、アナログ増幅処理やアナログ/ディジタル変換(A/D変換)処理などを実行する。また、第2処理手段の一例としての後処理部53では、後処理として、赤緑青3色の撮像素子列の副走査方向ギャップ(距離G:図2参照)に起因する各色間の時間的なずれを補正するギャップ補正処理、主走査方向および副走査方向に対して拡大、縮小処理を施す拡大縮小処理、MTF補正や平滑化を行うフィルタ処理、コントラストを調整するコントラスト調整処理、原稿の下地除去を行う地肌除去処理などを実行することで、出力画像データの作成を行う。
【0028】
また、補正手段の一例としてのシェーディング補正部52は、シェーディング補正で使用する補正データを格納する使用データ格納部52aを備えている。この使用データ格納部52aは、赤色画像データに対するシェーディング補正で使用する補正データ(以下では、使用補正データ(赤)と呼ぶ)、緑色画像データに対するシェーディング補正で使用する補正データ(以下では、使用補正データ(緑)と呼ぶ)、そして、青色画像データに対するシェーディング補正で使用する補正データ(以下では、使用補正データ(青)と呼ぶ)を格納している。したがって、使用データ格納部52aは、主走査方向3ライン分(3×k個)の補正データを格納している。そして、これら使用補正データ(赤)、使用補正データ(緑)および使用補正データ(青)は、それぞれが主走査方向1ライン分の撮像素子の数に対応するk個(図2参照)の補正値を有している。
【0029】
さらに、画像処理部50は、シェーディング補正部52によってシェーディング補正が施された読み取り画像データに基づき、読み取り対象となる原稿のサイズ(この例では、原稿台12に置かれた原稿の主走査方向長さ)を検出する、第1処理手段の一例としての原稿サイズ検出部54をさらに備えている。そして、この例では、原稿サイズ検出部54が、それぞれにシェーディング補正が施された赤色画像データ、緑色画像データおよび青色画像データに基づいて、原稿のサイズを検出するようになっている。なお、原稿サイズ検出部54による原稿のサイズの検出結果は、制御部40に設けられた統括制御部41に出力される。
【0030】
さらにまた、画像処理部50は、シェーディング補正部52でこれから使用するために取得した、あるいは、過去に取得しシェーディング補正部52で既に使用した各色の補正データを、後述する他のデータと対応付けた取得済補正データ(取得済シェーディング補正データ)として格納する補正データ格納部55と、新たに作成した取得済補正データを補正データ格納部55に格納させるとともに、補正データ格納部55に格納される取得済補正データから、シェーディング補正部52で使用する各色の補正データすなわち使用データ格納部52aに格納させる使用補正データ(赤)、使用補正データ(緑)および使用補正データ(青)を設定する補正データ設定部56と、現在時刻の計時を行うとともにその結果を補正データ設定部56に出力する計時部57とを備える。なお、補正データ設定部56には、温度センサ23による温度検知結果および湿度センサ24による湿度検知結果が入力されるようになっている。また、本実施の形態では、補正データ格納部55が格納手段の一例として、補正データ設定部56が設定手段の一例として、それぞれ機能している。
【0031】
そして、画像処理部50は、前処理部51、シェーディング補正部52(使用データ格納部52aを除く)、後処理部53、原稿サイズ検出部54および補正データ設定部56がそれぞれ実行する処理プログラムを格納する処理プログラム格納部58と、各処理部が処理を実行する際に生じる画像データ(および作業データ)を格納する画像データ格納部59とを備えている。
【0032】
なお、本実施の形態では、前処理部51、シェーディング補正部52(使用データ格納部52aを除く)、後処理部53、原稿サイズ検出部54および補正データ設定部56の機能が、ASIC501に設けられたCPU5011(および各種処理プログラム)によって実現され、使用データ格納部52aの機能が、ASIC501に設けられたSRAM5014によって実現される。また、本実施の形態では、処理プログラム格納部58の機能がASIC501に設けられたROM5012によって実現され、画像データ格納部59の機能がDRAM5013によって実現され、計時部57の機能が、ASIC501に設けられたRTC5015によって実現される。さらに、本実施の形態では、補正データ格納部55の機能が、MRAM502によって実現される。
【0033】
続いて、画像処理部50のASIC501に設けられたMRAM502(補正データ格納部55)に格納されるデータ(取得済補正データ)について説明を行う。
図5は、MRAM502に格納される取得済補正データを、テーブルとして示す図である。
この例において、MRAM502には、5つの取得済補正データが格納されている。なお、以下の説明においては、これら5つの取得済補正データを、それぞれ、第1取得済補正データSHD−A、第2取得済補正データSHD−B、第3取得済補正データSHD−C、第4取得済補正データSHD−D、そして第5取得済補正データSHD−Eと呼ぶことにする。
【0034】
そして、これら5つの取得済補正データは、それぞれ、赤用の補正データ(複数の補正値)、緑用の補正データ(複数の補正値)および青用の補正データ(複数の補正値)と、これら各色用の補正データが取得された日時(取得日時)、これら各色用の補正データが取得された際の環境条件(気温および湿度)と、これら各色用の補正データがシェーディング補正部52でシェーディング補正に使用された回数(使用回数)とを含んでいる。また、これら5つの取得済補正データにおいて、赤用の補正データ、緑用の補正データおよび青用の補正データは、それぞれ、各撮像素子列を構成する複数の撮像素子(k個)に対応付けられたk個の補正値を有している。
【0035】
ここで、第1取得済補正データSHD−Aは、赤用の補正データ(第1赤用補正データRAと称する)としてのk個の補正値(第1赤用補正値:RA1〜RAk)と、緑用の補正データ(第1緑用補正データGAと称する)としてのk個の補正値(第1緑用補正値:GA1〜GAk)と、青用の補正データ(第1青用補正データBAと称する)としてのk個の補正値(第1青用補正値:BA1〜BAk)とを有しており、これらに加えて、第1取得日時DTAと、第1気温TAと、第1湿度HAと、第1使用回数NAとを有している。
【0036】
また、第2取得済補正データSHD−Bは、赤用の補正データ(第2赤用補正データRBと称する)としてのk個の補正値(第2赤用補正値:RB1〜RBk)と、緑用の補正データ(第2緑用補正データGBと称する)としてのk個の補正値(第2緑用補正値:GB1〜GBk)と、青用の補正データ(第2青用補正データBBと称する)としてのk個の補正値(第2青用補正値:BB1〜BBk)とを有しており、これらに加えて、第2取得日時DTBと、第2気温TBと、第2湿度HBと、第2使用回数NBとを有している。
【0037】
さらに、第3取得済補正データSHD−Cは、赤用の補正データ(第3赤用補正データRCと称する)としてのk個の補正値(第3赤用補正値:RC1〜RCk)と、緑用の補正データ(第3緑用補正データGCと称する)としてのk個の補正値(第3緑用補正値:GC1〜GCk)と、青用の補正データ(第3青用補正データBCと称する)としてのk個の補正値(第3青用補正値:BC1〜BCk)とを有しており、これらに加えて、第3取得日時DTCと、第3気温TCと、第3湿度HCと、第3使用回数NCとを有している。
【0038】
さらにまた、第4取得済補正データSHD−Dは、赤用の補正データ(第4赤用補正データRDと称する)としてのk個の補正値(第4赤用補正値:RD1〜RDk)と、緑用の補正データ(第4緑用補正データGDと称する)としてのk個の補正値(第4緑用補正値:GD1〜GDk)と、青用の補正データ(第4青用補正データBDと称する)としてのk個の補正値(第4青用補正値:BD1〜BDk)とを有しており、これらに加えて、第4取得日時DTDと、第4気温TDと、第4湿度HDと、第4使用回数NDとを有している。
【0039】
そして、第5取得済補正データSHD−Eは、赤用の補正データ(第5赤用補正データREと称する)としてのk個の補正値(第5赤用補正値:RE1〜REk)と、緑用の補正データ(第5緑用補正データGEと称する)としてのk個の補正値(第5緑用補正値:GE1〜GEk)と、青用の補正データ(第5青用補正データBEと称する)としてのk個の補正値(第5青用補正値:BE1〜BEk)とを有しており、これらに加えて、第5取得日時DTEと、第5気温TEと、第5湿度HEと、第5使用回数NEとを有している。
【0040】
なお、これら5つの取得済補正データ(第1取得済補正データSHD−A、第2取得済補正データSHD−B、第3取得済補正データSHD−C、第4取得済補正データSHD−Dおよび第5取得済補正データSHD−E)は、少なくともその取得日時(第1取得日時DTA、第2取得日時DTB、第3取得日時DTC、第4取得日時DTDおよび第5取得日時DTE)が異なっている。
【0041】
また、例えば画像読み取り装置10が出荷される際において、MRAM502(補正データ格納部55)には、上述した取得済補正データは格納されておらず、空の状態となっている。そして、画像読み取り装置10の使用回数が増加するにつれて、MRAM502に格納される取得済補正データの数が増加していき、取得済補正データの数が最大の5個となった後は、後述する手順によって古い取得済補正データを新しい取得済補正データに書き換えていくことで、5個の取得済補正データを格納する状態を維持するようになっている。
【0042】
ではここで、本実施の形態の画像読み取り装置10を用いた、原稿の画像読み取り動作について説明する。
画像読み取り装置10の電源がオンに設定されているときに、押さえ板21が開状態に設定されることに伴って露出した原稿台12の上に、原稿が積載される。その後、押さえ板21が開状態から閉状態に設定されることで、原稿台12と押さえ板21との間に原稿が挟まれる。このとき、原稿を構成する四辺のうち、主走査方向に沿う一辺は、白基準部材20に隣接し且つ白基準部材20に沿うように、また、副走査方向に沿う一辺は、原稿台12の一端(例えば図1において奥側となる端部)に沿うように、原稿台12に積載される。
【0043】
次に、原稿台12に原稿が積載された状態で、開閉検知センサ22が、押さえ板21の開状態から閉状態への移行を検知すると、押さえ板21が閉状態に移行するまでの間に、第1の処理の一例としての原稿サイズの検出が行われる。原稿サイズの検出では、まず、発光制御部42が、図1において図中実線で示す位置で停止するフルレートキャリッジ13に搭載された光源装置14Aを点灯させる。これに伴い、光源装置14Aからの光が、光源装置14Aからの光が、直接あるいは光源ミラー14Bを介して、原稿台12に積載された原稿の読み取り対象面に照射される。このとき、光源装置14Aの主走査方向長さは、この画像読み取り装置10で読み取ることが可能な原稿の主走査方向長さよりも大きくなるように設定されており、光源装置14Aからの光は、原稿の主走査方向の一端よりも外側まで照射される。
【0044】
そして、原稿の読み取り対象面からの反射光の一部が、第1ミラー16A、第2ミラー16Bおよび第3ミラー16Cの順に反射されて結像用レンズ17に導かれ、受光部18の受光面にて結像される。受光制御部43は、受光部18を構成する赤色撮像素子列181、緑色撮像素子列182および青色撮像素子列183による受光結果を、それぞれ、周期的(主走査方向1ライン分ずつに対応)に出力させるように制御する。そして、この制御を、複数回にわたって実行することで、原稿サイズの検出のための読み取りが完了する。なお、この間、受光部18からは、赤色画像データ(R)、緑色画像データ(G)および青色画像データ(B)を含む読み取り画像データが、制御・画像処理ユニット19に設けられた画像処理部50に向けて出力される。
【0045】
また、画像処理部50では、原稿サイズ検出部54が、前処理部51にて前処理が施され、さらにシェーディング補正部52にてシェーディング補正が施された読み取り画像データに基づいて、原稿サイズの検出を行う。このとき、原稿台12上において原稿が存在する領域では、光源装置14Aからの出力光が原稿にて反射する一方、原稿台12上において原稿が存在しない領域では、光源装置14Aからの出力光がそのまま抜けていくため、読み取り画像データには原稿の有無に対応したコントラストが存在することになる。そこで、原稿サイズ検出部54は、このコントラストすなわち、各撮像素子からの出力値の大きさが変化する領域を原稿の端部として把握し、この原稿のサイズを検出する。そして、制御部40に設けられた統括制御部41は、原稿サイズ検出部54にて検出された原稿サイズに基づき、この原稿に対する読み取り条件を設定する。
【0046】
続いて、統括制御部41が、UI31等を介した画像読み取り動作の開始指示を受け付けると、走査制御部44が、図1に示すフルレートキャリッジ13およびハーフレートキャリッジ15を、2:1の速度比で、図中実線で示す位置から図中破線で示す位置に向かう矢印方向に移動させる。また、発光制御部42は、フルレートキャリッジ13に搭載された光源装置14Aを点灯させ、光源装置14Aからの光が、直接あるいは光源ミラー14Bを介して、原稿台12に積載された原稿の読み取り対象面に照射される。そして、原稿の読み取り対象面からの反射光の一部が、第1ミラー16A、第2ミラー16Bおよび第3ミラー16Cの順に反射されて結像用レンズ17に導かれ、受光部18の受光面にて結像される。受光制御部43は、受光部18を構成する赤色撮像素子列181、緑色撮像素子列182および青色撮像素子列183による受光結果を、それぞれ、主走査方向1ライン分ずつ出力させるように制御している。そして、この制御を、原稿台12に積載された原稿の副走査方向全域に亘って実行することで、原稿の読み取りが完了する。なお、この間、受光部18からは、赤色画像データ(R)、緑色画像データ(G)および青色画像データ(B)を含む読み取り画像データが、制御・画像処理ユニット19に設けられた画像処理部50に向けて出力される。
【0047】
また、画像処理部50では、受光部18から入力される読み取り画像データに対し、前処理部51が前処理を施し、続いて、シェーディング補正部52が、前処理が施された読み取り画像データに対し、使用データ格納部52aに格納される各色の使用補正データを用いて、色毎にシェーディング補正を行う。さらに、画像処理部50では、後処理部53が、シェーディング補正までが施された読み取り画像データに後処理を施し、得られた出力画像データを外部機器100に向けて出力する。このとき、前処理部51、シェーディング補正部52および後処理部53では、入力されてくる読み取り画像データに対し、主走査方向1ライン分ずつ処理を行う。
【0048】
ところで、本実施の形態の画像読み取り装置10は、例えばUI31を介してユーザから受け付けた指示に基づき、電源オフの状態から電源オンの状態に移行し、逆に、電源オンの状態から電源オフの状態に移行する。そして、本実施の形態の画像読み取り装置10は、電源オンの状態において、画像読み取り装置10の各部に電力供給を行う通常モード、あるいは、通常モードに比べて電力消費を抑制するために、画像読み取り装置10の一部にのみ電力供給を行う省電力モードに設定される。
【0049】
図6は、「電源オフ」、「通常モード(電源オン)」および「省電力モード(電源オン)」のそれぞれにおける給電状態を説明するための図である。なお、図6は、本実施の形態の画像読み取り装置10を構成する各部のうち、発光駆動部32、受光駆動部33、走査駆動部34、開閉検知センサ22、制御部40におけるCPU401およびDRAM403、画像処理部50におけるASIC501およびMRAM502、のそれぞれに対する給電状態を示している。
【0050】
例えば「電源オフ」の場合、発光駆動部32、受光駆動部33、走査駆動部34、開閉検知センサ22、制御部40におけるCPU401およびDRAM403、画像処理部50におけるASIC501およびMRAM502、のすべてに対する給電が「オフ」に設定される。
【0051】
また、「通常モード(電源オン)」の場合、発光駆動部32、受光駆動部33、走査駆動部34、開閉検知センサ22、制御部40におけるCPU401およびDRAM403、画像処理部50におけるASIC501およびMRAM502、のすべてに対する給電が「オン」に設定される。特に、「通常モード(電源オン)」の場合、制御部40に設けられたCPU401および画像処理部50に設けられたASIC501は、それぞれフル稼働が可能な「オン(通常状態)」に設定される。
【0052】
一方、「省電力モード(電源オン)」の場合、発光駆動部32、受光駆動部33、走査駆動部34、画像処理部50におけるMRAM502、のそれぞれに対する給電が「オフ」に設定される。また、「省電力モード(電源オン)」の場合、「電源オフ」の場合とは異なり、開閉検知センサ22、制御部40におけるCPU401およびDRAM403、画像処理部50におけるASIC501、のそれぞれ対する給電が「オン」に設定される。ただし、「省電力モード(電源オン)」の場合、制御部40に設けられたCPU401および画像処理部50に設けられたASIC501は、上述したオン(通常状態)に比べて、電力消費量が低減された「オン(待機状態)」に設定される。ここで、「オン(通常状態)」に対し、「オン(待機状態)」では、例えばCPU401(ASIC501におけるCPU5011)が動作するクロック周波数を低下させたり、このクロック周波数の供給自体を停止させたりすることで、電力消費量の低減を図っている。また、本実施の形態では、AISC501がオン(待機状態)に設定された場合に、ASIC501に設けられたSRAM5014(使用データ格納部52a)への給電が中止されるようになっている。
【0053】
なお、画像読み取り装置10が「電源オフ」に設定されている場合、「電源オフ」から「通常モード(電源オン)」に移行しない限り、原稿台12に積載された原稿の画像を読み取ることはできない。また、画像読み取り装置10が「通常モード(電源オン)」に設定されている場合、原稿台12に積載された原稿の画像を読み取ることができるが、画像読み取り装置10が「省電力モード(電源オン)」に設定されている場合、「省電力モード(電源オン)」から「通常モード(電源オン)」に移行しない限り、原稿台12に積載された原稿の画像を読み取ることはできない。
【0054】
図7は、「電源オフ」あるいは「省電力モード(電源オン)」から、「通常モード(電源オン)」に移行する場合における、制御・画像処理ユニット19での処理の流れを示すフローチャートである。
画像読み取り装置10が「電源オフ」あるいは「省電力モード(電源オン)」に設定された状態において、制御部40が、電源オン指示あるいは通常モードへの復帰指示を受け付ける(ステップ101)。ここで、電源オン指示は、例えばUI31に設けられた電源スイッチが接続されることに伴って発生する。また、通常モードへの復帰指示は、例えばUI31に設けられた復帰ボタンが押下されること、あるいは、開閉検知センサ22による押さえ板21の閉状態から開状態への移行が検知されることに伴って発生する。なお、これらの指示は、制御部40における統括制御部41に入力される。
【0055】
ステップ101で指示を受け付けることに伴い、制御部40では、統括制御部41が、給電制御部45を介して電源駆動部35を制御し、画像読み取り装置10を構成する各部への給電を開始あるいは再開させることにより、画像読み取り装置10を「電源オフ」あるいは「省電力モード(電源オン)」から「通常モード(電源オン状態)」に移行させる(ステップ102)。
【0056】
次に、画像処理部50に設けられた補正データ設定部56は、統括制御部41から受けた指示に基づいて補正データ格納部55の記憶内容を参照し、補正データ格納部55に取得済補正データが存在しているか否かを判断する(ステップ103)。
【0057】
ステップ103において否定の判断(NO)を行った場合、補正データ設定部56は、新たな補正データ(新規補正データ)を取得し(ステップ104)、取得した新規補正データを構成する赤用の補正データ、緑用の補正データおよび青用の補正データを、シェーディング補正部52に設けられた使用データ格納部52aに転送し(ステップ105)、後述するステップ109へと進む。なお、ステップ104における新規補正データの取得手順については後述する。
【0058】
一方、ステップ103において肯定の判断(YES)を行った場合、補正データ設定部56は、計時部57から現在時刻を取得するとともに、温度センサ23および湿度センサ24から現在の環境条件(温度、湿度)を取得する(ステップ106)。そして、補正データ設定部56は、補正データ格納部55に格納されている1個以上5個以下の取得済補正データの中に、ステップ106で取得した各条件(現在時刻、気温、湿度)に基づく基準を満たす補正データ(取得済補正データ)が存在しているか否かを判断する(ステップ107)。
【0059】
ステップ107において肯定の判断(YES)を行った場合、補正データ設定部56は、上記基準を満たす1個以上の取得済補正データのうち最も基準に近い取得済補正データを基準内補正データとして選択し、この基準内補正データを構成する赤用の補正データ、緑用の補正データおよび青用の補正データを、シェーディング補正部52に設けられた使用データ格納部52aに転送する(ステップ108)。これに伴い、使用データ格納部52aでは、基準内補正データを構成する赤用の補正データ、緑用の補正データおよび青用の補正データが、それぞれ、使用補正データ(赤)、使用補正データ(緑)および使用補正データ(青)として格納される。
【0060】
それから、押さえ板21が開状態に設定された原稿台12に原稿が積載され、続いて押さえ板21が開状態から閉状態へと移行することで、原稿がセットされる(ステップ109)。押さえ板21が開状態から閉状態へと移行する間に、制御部40および画像処理部50により、原稿台12に積載された原稿のサイズ(主走査方向の長さ)が検出される(ステップ110)。
【0061】
そして、制御部40に設けられた統括制御部41は、ステップ110で検出された原稿のサイズに基づき、この原稿に対する読み取り条件を決定する(ステップ111)。なお、ここでいう読み取り条件とは、読み取り動作の設定に対応するものであって、原稿を読み取る際のフルレートキャリッジ13およびハーフレートキャリッジ15の副走査方向の移動距離、走査に伴って、赤色撮像素子列181から出力される赤色画像データ(R)、緑色撮像素子列182より出力される緑色画像データ(G)、および青色撮像素子列183より出力される青色画像データ(B)のうち、各色の出力画像データとして使用する撮像素子の数などである。
【0062】
続いて、UI31等を介して原稿の読み取り開始指示が受け付けられる(ステップ112)と、統括制御部41は、画像読み取り装置10を用いた原稿の画像読み取り動作を実行させ(ステップ113)、一連の処理を完了する。
【0063】
一方、ステップ107において否定の判断(NO)を行った場合、補正データ設定部56は、上記基準を満たさない1個以上の取得済補正データのうち最も基準に近い取得済補正データを基準外補正データとして選択し、この基準外補正データを構成する赤用の補正データ、緑用の補正データおよび青用の補正データを、シェーディング補正部52に設けられた使用データ格納部52aに転送する(ステップ114)。これに伴い、使用データ格納部52aでは、基準外補正データを構成する赤用の補正データ、緑用の補正データおよび青用の補正データが、それぞれ、使用補正データ(赤)、使用補正データ(緑)および使用補正データ(青)として格納される。
【0064】
それから、押さえ板21が開状態に設定された原稿台12に原稿が積載され、続いて押さえ板21が開状態から閉状態へと移行することで、原稿がセットされる(ステップ115)。押さえ板21が開状態から閉状態へと移行する間に、制御部40および画像処理部50により、原稿台12に積載された原稿のサイズ(主走査方向の長さ)が検出される(ステップ116)。
【0065】
そして、制御部40に設けられた統括制御部41は、ステップ110で検出された原稿のサイズに基づき、この原稿に対する読み取り条件を決定する(ステップ117)。なお、ここでいう読み取り条件は、上記ステップ111で説明したものと同じである。
【0066】
次に、補正データ設定部56は、新たな補正データ(新規補正データ)を取得し(ステップ118)、取得した新規補正データを構成する赤用の補正データ、緑用の補正データおよび青用の補正データを、シェーディング補正部52に設けられた使用データ格納部52aに転送し(ステップ119)、上述したステップ112へと進む。これに伴い、使用データ格納部52aでは、新規補正データを構成する赤用の補正データ、緑用の補正データおよび青用の補正データが、それぞれ、使用補正データ(赤)、使用補正データ(緑)および使用補正データ(青)として格納される。すなわち、ステップ119では、ステップ114において使用データ格納部52aに格納されていた、基準外補正データを構成する赤用の補正データ、緑用の補正データおよび青用の補正データが、ステップ118で新たに取得された、新規補正データ(取得済補正データ)を構成する赤用の補正データ、緑用の補正データおよび青用の補正データによって、それぞれ上書きされる。
【0067】
続いて、UI31等を介して原稿の読み取り開始指示が受け付けられる(ステップ112)と、統括制御部41は、画像読み取り装置10を用いた原稿の画像読み取り動作を実行させ(ステップ113)、一連の処理を完了する。
【0068】
ではここで、図7に示すステップ107における、基準を満たす補正データの判断基準について説明する。
ステップ107では、補正データ設定部56が、例えば補正データ格納部55に格納される1個以上5個以下の取得済補正データのそれぞれにおける取得日時を参照し、これらのうち、ステップ106で得られた現在時刻と同日に取得された1個以上の取得済補正データが存在する場合に、肯定の判断(YES)を行う。そして、ステップ107で肯定(YES)の判断を行った場合、補正データ設定部56は、ステップ108において、現在時刻と同日に取得された1個以上の取得済補正データの中で、最も現在時刻に近い取得済補正データを、基準内補正データとして選択する。
【0069】
一方、ステップ107において、例えば補正データ格納部55に格納される1個以上5個以下の取得済補正データのそれぞれにおける取得日時を参照した際に、ステップ106で得られた現在時刻と同日に取得された1個以上の取得済補正データが存在しなかった場合に、補正データ設定部56は否定の判断(NO)を行う。そして、ステップ107で否定の判断を行った場合、補正データ設定部56は、ステップ114において、現在時刻と異なる日(前日以前)に取得された1個以上の取得済補正データの中で、最も現在時刻に近い取得済補正データを、基準外補正データとして選択する。
【0070】
ここで、ステップ108における基準内補正データの選択手法、および、ステップ114における基準外補正データの選択手法については、上述した取得時刻に基づくものだけでなく、例えば現在の気温および湿度に基づくもの(現在の気温および湿度に最も近い条件で取得された取得済補正データを、基準内補正データとして選択するもの)であってもよく、取得日時と環境条件とを組み合わせた結果に基づくものであってもよい。
【0071】
図8は、図7に示すステップ104およびステップ118で実行される新規補正データの取得手順を示すフローチャート(サブルーチン)である。
新規補正データを取得するにあたり、補正データ設定部56は、まず、計時部57から現在時刻を取得するとともに、温度センサ23および湿度センサ24から現在の環境条件(温度、湿度)を取得する(ステップ201)。次に、制御部40により、画像読み取り装置10に設けられた白基準部材20の読み取り動作が実行され(ステップ202)、補正データ設定部56により、各色の補正データの演算が実行される(ステップ203)。そして、補正データ設定部56は、ステップ201で取得した各条件(現在時刻(取得日時)、気温、湿度)と、ステップ203で得られた各色の補正データと、使用回数(0回)を対応付けて得られた新規補正データを、新たな取得済補正データとして補正データ格納部55に格納させ(ステップ204)、一連の処理を完了する。
【0072】
なお、ステップ202の白基準部材20の読み取り動作は、次のようにして行われる。
まず、走査制御部44が、図1に示すフルレートキャリッジ13およびハーフレートキャリッジ15を、2:1の速度比で、図中実線に示す位置から、図中に示す矢印方向とは反対側に移動させ、フルレートキャリッジ13に設けられた第1ミラー16Aが、白基準部材20の直下となる位置で、フルレートキャリッジ13およびハーフレートキャリッジ15を停止させる。続いて、発光制御部42が、フルレートキャリッジ13に搭載された光源装置14Aを点灯させ、光源装置14Aからの光が、直接あるいは光源ミラー14Bを介して、原稿台12に密着して取り付けられた白基準部材20の読み取り対象面に照射される。そして、白基準部材20の読み取り対象面からの反射光の一部が、第1ミラー16A、第2ミラー16Bおよび第3ミラー16Cの順に反射されて結像用レンズ17に導かれ、受光部18の受光面にて結像される。受光制御部43は、受光部18を構成する赤色撮像素子列181、緑色撮像素子列182および青色撮像素子列183による受光結果を、それぞれ、周期的(主走査方向1ライン分ずつに対応)に出力させるように制御する。そして、この制御を、複数回にわたって実行することで、白基準部材20の読み取りが完了する。なお、この間、受光部18からは、赤色画像データ(R)、緑色画像データ(G)および青色画像データ(B)を含む主走査方向Nライン(Nは複数)分の読み取り画像データが、制御・画像処理ユニット19に設けられた画像処理部50に向けて出力される。
【0073】
また、上述したステップ203では、画像処理部50に設けられた補正データ設定部56が、受光部18から入力され、前処理部51にて前処理が施されたNライン分の読み取り画像データに基づいて、各色の補正データを演算する。より具体的に説明すると、補正データ設定部56は、白基準部材20を赤色撮像素子列181によって読み取ることで得られたNライン分の赤色画像データを用い、各撮像素子(各画素)について平均化を行うことで、主走査方向1ライン分の赤用の補正データを求める。また、補正データ設定部56は、白基準部材20を緑色撮像素子列182によって読み取ることで得られたNライン分の緑色画像データを用い、各撮像素子(各画素)について平均化を行うことで、主走査方向1ライン分の緑用の補正データを求める。さらに、補正データ設定部56は、白基準部材20を青色撮像素子列183で読み取ることによって得られたNライン分の青用画像データを用い、各撮像素子(各画素)について平均化を行うことで、主走査方向1ライン分の青用の補正データを求める。
【0074】
ではここで、図8に示すステップ204における、新規補正データを新たな取得済補正データとして補正データ格納部55に格納させる手順について説明する。
ステップ204では、補正データ設定部56が、補正データ格納部55に既に何個の取得済補正データを格納しているか否かを確認する。ここで、補正データ格納部55に例えば取得済補正データが全く格納されていない場合、補正データ設定部56は、新たな取得済補正データを、第1取得済補正データSHD−Aとして補正データ格納部55に格納させる。また、補正データ格納部55に例えば1個以上4個以下の取得済補正データが格納されている場合、補正データ設定部56は、新たな取得済補正データを、空いている第2取得済補正データSHD−B〜第5取得済補正データSHD−Eのいずれかとして補正データ格納部55に格納させる。一方、補正データ格納部55に例えば既に5個の取得済補正データ(第1取得済補正データSHD−A〜第5取得済補正データSHD−E)が格納されている場合、補正データ設定部56は、補正データ格納部55に格納されている5個の取得済補正データのそれぞれにおける取得日時を参照し、これらのうち、現在時刻から最も遠い(最も古い)取得済補正データを、新たな取得済補正データにて上書きする。なお、補正データ格納部55に例えば既に5個の取得済補正データが格納されている場合において、補正データ設定部56は、補正データ格納部55に格納されている5個の取得済補正データのそれぞれにおける使用回数を参照し、これらのうち、使用回数が最も多い取得済補正データを、新たな取得済補正データにて上書きするようにしてもよい。また、なお、補正データ格納部55に例えば既に5個の取得済補正データが格納されている場合において、補正データ設定部56は、補正データ格納部55に格納されている5個の取得済補正データのそれぞれにおける環境条件(温度および湿度)を参照し、これらのうち、今回の環境条件に最も近い取得済補正データを、新たな取得済補正データにて上書きするようにしてもよい。
【0075】
図9は、「通常モード(電源オン)」から、「電源オフ」あるいは「省電力モード(電源オン)」に移行する場合における、制御・画像処理ユニット19での処理の流れを示すフローチャートである。
画像読み取り装置10が「通常モード(電源オン)」に設定された状態において、制御部40が、電源オフ指示あるいは省電力モードへの移行指示を受け受ける(ステップ301)。ここで、電源オフ指示は、例えばUI31に設けられた電源スイッチが切断されることに伴って発生する。また、省電力モードへの移行指示は、例えばUI31に設けられた移行ボタンが押下されること、あるいは、最後に画像読み取り動作を実行してからの経過時間が予め決められた設定期間を経過することに伴って発生する。なお、これらの指示は、制御部40における統括制御部41に入力される。
【0076】
ステップ301で指示を受け付けることに伴い、画像処理部50に設けられた補正データ設定部56は、計時部57から現在時刻を取得する(ステップ302)。そして補正データ設定部56は、ステップ302で取得した現在時刻に基づき、この時点で補正データ取得条件を満たしているか否かを判断する(ステップ303)。なお、ステップ303では、補正データ設定部56が、例えば補正データ格納部55に格納される1個以上5個以下の取得済補正データのそれぞれにおける取得日時を参照し、これらのうちで最も新しい取得日時とステップ302で取得された現在時刻との時間差が予め決められた基準時間差以上となっている場合、あるいは、これらのうちで最も新しい取得日時とステップ302で取得された現在時刻とで日付が異なっている場合に、肯定の判断(YES)を行う。
【0077】
ステップ303において肯定の判断(YES)を行った場合、補正データ設定部56は、新たな補正データ(新規補正データ)を取得し(ステップ304)、後述するステップ305に進む。なお、ステップ304における新規補正データの取得手順は、図8に示した通りである。
【0078】
一方、ステップ303において否定の判断(NO)を行った場合、補正データ設定部56は、この時点で、シェーディング補正部52の使用データ格納部52aに格納されている使用補正データ(赤)、使用補正データ(緑)および使用補正データ(青)を参照し、補正データ格納部55に格納される1個以上5個以下の取得済補正データのうち、これら使用補正データ(赤)、使用補正データ(緑)および使用補正データ(青)の元となる取得済補正データの使用回数に1回を加えることで更新を行う(ステップ306)。
【0079】
そして、制御部40では、統括制御部41が、給電制御部45を介して電源駆動部35を制御し、図6に示したように、画像読み取り装置10を構成する各部への給電をすべて中止あるいは一部中止させることにより、画像読み取り装置10を、「通常モード(電源オン)」から「電源オフ」あるいは「省電力モード(電源オン)」に移行させ(ステップ305)、一連の処理を完了する。なお、ステップ305において、画像読み取り装置10が「通常モード(電源オン)」から「電源オフ」あるいは「省電力モード(電源オン)」に移行することに伴い、画像処理部50に設けられたASIC501では、SRAM5014に対する給電が中止される。したがって、SRAM5014すなわち使用データ格納部52aに格納されていた、使用補正データ(赤)、使用補正データ(緑)および使用補正データ(青)の内容は消去される。一方、ステップ305において、画像読み取り装置10が「通常モード(電源オン)」から「電源オフ」あるいは「省電力モード(電源オン)」に移行することに伴い、画像処理部50に設けられたMRAM502に対する給電も中止される。ただし、MRAM502すなわち補正データ格納部55に格納されていた1個以上5個以下の取得済補正データの内容は、消去されることなくそのまま残る。
【0080】
なお、本実施の形態では、画像処理部50において補正データ格納部55を構成する不揮発性メモリとして、MRAM502を用いていたが、これに限られるものではない。例えば、補正データ格納部55として使用する不揮発性メモリとして、FeRAM(Ferroelectric RAM)、PRAM(Phase change RAM)、ReRAM(Resistance RAM)などを用いてもかまわない。
【0081】
また、本実施の形態では、画像処理部においてASIC501とMRAM502とを別体として構成していたがこれに限られるものではなく、ASIC501にMRAM502を内蔵させるようにしてもよい。そして、このような構成を採用する場合は、例えば使用データ格納部52aの機能をMRAM502に持たせることにより、MRAM502から補正データを直接に読み込ませるようにしてもかまわない。
【符号の説明】
【0082】
10…画像読み取り装置、11…筐体、12…原稿台、13…フルレートキャリッジ、15…ハーフレートキャリッジ、17…結像用レンズ、18…受光部、19…制御・画像処理ユニット、20…白基準部材、21…押さえ板、22…開閉検知センサ、23…温度センサ、24…湿度センサ、25…電源、31…UI、32…発光駆動部、33…受光駆動部、34…走査駆動部、35…電源駆動部、40…制御部、41…統括制御部、42…発光制御部、43…受光制御部、44…走査制御部、45…給電制御部、46…制御プログラム格納部、47…作業データ格納部、50…画像処理部、51…前処理部、52…シェーディング補正部、52a…使用データ格納部、53…後処理部、54…原稿サイズ検出部、55…補正データ格納部、56…補正データ設定部、57…計時部、58…処理プログラム格納部、59…画像データ格納部、401…CPU、402…ROM、403…DRAM、404…インタフェース回路、501…ASIC、5011…CPU、5012…ROM、5013…DRAM、5014…SRAM、5015…RTC、5016…インタフェース回路、502…MRAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段に起因する読み取り特性を補正するためのシェーディング補正データを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記シェーディング補正データを用いて、前記読み取り手段による読み取り画像データを補正する補正手段と、
前記補正手段にて前記補正が施された前記読み取り画像データに基づいて、前記読み取り手段による読み取り動作の設定を把握するための第1の処理を実行する第1処理手段と、
前記第1の処理にて把握された設定に基づいて前記読み取り手段にて読み取り動作が行われることに伴い、前記補正手段にて前記補正が施された読み取り画像データに、出力画像データを作成するための第2の処理を実行する第2処理手段と、
読み書き可能であって、電源を供給しなくても、記憶している情報を保持することが可能な不揮発性メモリを備え、前記取得手段によって過去に取得された取得済シェーディング補正データを格納する格納手段と、
前記第1処理手段が前記第1の処理を実行する場合に、前記補正手段が使用する前記シェーディング補正データとして、前記格納手段から読み出した前記取得済シェーディング補正データを設定し、前記第2処理手段が前記第2の処理を実行する場合に、当該補正手段が使用する当該シェーディング補正データとして、前記取得手段が新たに取得した新規シェーディング補正データを設定する設定手段と
を含む画像読み取り装置。
【請求項2】
前記格納手段は、取得する際の取得条件が異なる複数の前記取得済シェーディング補正データを、複数の当該取得済シェーディング補正データの取得条件とともに格納し、
前記設定手段は、前記第1処理手段が前記第1の処理を実行する場合に、前記補正手段が使用する前記シェーディング補正データとして、複数の前記取得済シェーディング補正データのそれぞれにおける前記取得条件が、予め決められた条件を満足する取得済シェーディング補正データを選択することを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
【請求項3】
前記格納手段における前記不揮発性メモリが、MRAM、FeRAM、PRAM、ReRAMのいずれかであることを特徴とする請求項1または2記載の画像読み取り装置。
【請求項4】
原稿の画像を読み取る読み取り手段に起因する読み取り特性を補正するためのシェーディング補正データを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記シェーディング補正データを用いて、前記読み取り手段による読み取り画像データを補正する補正手段と、
前記補正手段にて前記補正が施された前記読み取り画像データに基づいて、前記読み取り手段による読み取り動作の設定を把握するための第1の処理を実行する第1処理手段と、
前記第1の処理にて把握された設定に基づいて前記読み取り手段にて読み取り動作が行われることに伴い、前記補正手段にて前記補正が施された読み取り画像データに、出力画像データを作成するための第2の処理を実行する第2処理手段と、
読み書き可能であって、電源を供給しなくても、記憶している情報を保持することが可能な不揮発性メモリを備え、前記取得手段によって過去に取得された取得済シェーディング補正データを格納する格納手段と、
前記第1処理手段が前記第1の処理を実行する場合に、前記補正手段が使用する前記シェーディング補正データとして、前記格納手段から読み出した前記取得済シェーディング補正データを設定し、前記第2処理手段が前記第2の処理を実行する場合に、当該補正手段が使用する当該シェーディング補正データとして、前記取得手段が新たに取得した新規シェーディング補正データを設定する設定手段と
を含む画像処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate