画像読取装置
【課題】キャリッジに収納されたイメージセンサによって、コンタクトガラス上の原稿から画像を読み取る画像読取装置に関し、装置の小型化に対応しつつ、付勢手段によって、イメージセンサをコンタクトガラス側に付勢し得る画像読取装置を提供する。
【解決手段】多機能機1は、第1キャリッジ30のセンサ収納部31に収納されたイメージセンサ20を、第1キャリッジ30と共にスライド軸25に沿ってスライド移動させることによって、コンタクトガラス16上の原稿から画像を読み取る。スプリング36は、センサ収納部31に収納されたイメージセンサ20の読取面21に隣接する位置において、第1キャリッジ30のスプリング取付部32と、ホルダ部材35の被付勢部35Bの間に配設されており、被付勢部35Bを介して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16側に付勢する。
【解決手段】多機能機1は、第1キャリッジ30のセンサ収納部31に収納されたイメージセンサ20を、第1キャリッジ30と共にスライド軸25に沿ってスライド移動させることによって、コンタクトガラス16上の原稿から画像を読み取る。スプリング36は、センサ収納部31に収納されたイメージセンサ20の読取面21に隣接する位置において、第1キャリッジ30のスプリング取付部32と、ホルダ部材35の被付勢部35Bの間に配設されており、被付勢部35Bを介して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16側に付勢する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリッジに収納されたイメージセンサによって、コンタクトガラス上の原稿から画像を読み取る画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像読取装置として、所謂、フラットベッドタイプの装置が知られている。これらの画像読取装置は、その装置筐体上面に、原稿がセットされるコンタクトガラスを有している。画像読取装置は、装置筐体内部に配設されたイメージセンサによって、コンタクトガラス上にセットされた原稿の画像を読み取るように構成されている。そして、イメージセンサは、装置筐体内部に配設されたレールに対してスライド移動可能に取り付けられたキャリッジに搭載されている。イメージセンサは、原稿の画像を読み取る際には、キャリッジと共にレールに沿ってスライド移動するように構成されている。
【0003】
このような画像読取装置に関する発明として、特許文献1記載の発明が知られている。特許文献1記載の画像読取装置では、イメージセンサは、レールに沿ってスライド移動可能なキャリッジ上に載置されている。イメージセンサは、イメージセンサの下面とキャリッジの上面との間に介在するスプリングによって、コンタクトガラスが位置する上方に向かって付勢されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−163291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1記載の画像読取装置においては、スプリングが、イメージセンサの下面とキャリッジの上面の間に配設されている。その為、スプリングを限界まで縮めたとしても、スプリングが、或る程度の高さを占有してしまう。よって、近年要望されている装置の小型化に関する障害となってしまう。
【0006】
本発明は、キャリッジに収納されたイメージセンサによって、コンタクトガラス上の原稿から画像を読み取る画像読取装置に関し、装置の小型化に対応しつつ、付勢手段によって、イメージセンサをコンタクトガラス側に付勢し得る画像読取装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る画像読取装置は、コンタクトガラスと、イメージセンサと、キャリッジと、レール部材と、付勢部材とを有し、キャリッジのセンサ収納部に収納されたイメージセンサを、前記キャリッジと共にレール部材に沿ってスライド移動させることによって、コンタクトガラス上にセットされた原稿から画像を読み取り得る。前記画像読取装置によれば、付勢部材は、センサ収納部に収納されたイメージセンサの読取面に隣接する被付勢部を介して、前記イメージセンサをコンタクトガラス側へ付勢するので、付勢部材がイメージセンサの下面とセンサ収納部の底面の間に位置することはない。これにより、前記画像読取装置は、その上下方向における装置の小型化に対応し得る。又、前記付勢部材の上端は、前記コンタクトガラスの下方であり、前記イメージセンサの下面よりも上方に位置しているので、前記画像読取装置によれば、付勢部材の付勢力によって、イメージセンサを確実に、コンタクトガラス側へ付勢し得る。
【0008】
そして、本発明の他の側面に係る画像読取装置においては、前記被付勢部は、前記コンタクトガラスの読取面に隣接しつつ、且つ、相互に対向する2箇所に位置し、前記付勢部材は、前記2箇所の被付勢部を介して、前記イメージセンサをコンタクトガラス側に付勢する。従って、前記画像読取装置によれば、被付勢部に対して、付勢部材の付勢力を作用させることで、イメージセンサを、コンタクトガラスに対して適正な状態を維持しつつ、コンタクトガラス側へ付勢し得る。
【0009】
又、本発明の他の側面に係る画像読取装置においては、前記キャリッジは、前記被付勢部の下方に、前記付勢部材の下端部が取り付けられる取付部を有し、前記取付部は、前記センサ収納部に収納された前記イメージセンサの下面よりも、前記コンタクトガラス側に位置する。従って、前記画像読取装置によれば、より確実に、付勢部材の付勢力によって、イメージセンサをコンタクトガラス側へ付勢し得る。
【0010】
そして、本発明の他の側面に画像読取装置は、支持凹部と、被付勢部を有するホルダ部材を、前記イメージセンサと前記キャリッジの間において、上下動可能に有している。前記ホルダ部材において、支持凹部は、前記コンタクトガラス側が開放された凹状に形成され、前記イメージセンサの下面と当接して、イメージセンサを支持する。そして、被付勢部は、支持凹部におけるコンタクトガラス側の端縁から、前記支持凹部の外側に向かって延出される。従って、前記画像読取装置によれば、ホルダ部材の被付勢部に対して、付勢部材の付勢力を作用させることで、イメージセンサを、コンタクトガラスに対して適正な状態を維持しつつ、コンタクトガラス側へ付勢し得る。
【0011】
又、本発明の他の側面に係る画像読取装置において、前記ホルダ部材は、係合フックを有し、前記付勢部材の付勢力によって、コンタクトガラス側へ所定量移動した場合に、前記係合フックは、前記キャリッジに形成された被係合部と係合する。従って、前記画像読取装置によれば、係合フックと被係合部が協働することで、付勢部材の付勢力によって、ホルダ部材がキャリッジから外れることを防止でき、ホルダ部材の紛失等を防止し得る。
【0012】
そして、本発明の他の側面に係る画像読取装置において、前記イメージセンサは、スライド移動方向に直交する第1方向に長辺を有し、前記第1方向における前記イメージセンサの端部の内、少なくとも一方に位置する前記被付勢部を介して、前記コンタクトガラス側に付勢されている。従って、前記画像読取装置によれば、少なくとも、長辺方向におけるイメージセンサの一端部において、装置の小型化に対応しつつ、付勢部材の付勢力によって、イメージセンサをコンタクトガラス側へ付勢し得る。
【0013】
又、本発明の他の側面に係る画像読取装置において、前記イメージセンサは、第1方向に長辺を有し、前記第1方向における前記イメージセンサの中央部分に位置する前記被付勢部を介して、前記コンタクトガラス側に付勢されている。従って、前記画像読取装置によれば、長辺方向におけるイメージセンサの中央部分において、装置の小型化に対応しつつ、付勢部材の付勢力によって、イメージセンサをコンタクトガラス側へ付勢し得る。
【0014】
そして、本発明の他の側面に係る画像読取装置において、前記被付勢部は、スペーサを有しており、前記スペーサは、前記コンタクトガラスの下面と前記被付勢部の上面との間に設けられ、前記コンタクトガラスの下面と当接する。従って、前記画像読取装置によれば、被付勢部は、付勢部材の付勢力によって、イメージセンサをコンタクトガラス側に付勢する機能を果たすと共に、イメージセンサの読取面をコンタクトガラス上の原稿から一定の距離に保つ機能を果たす。これにより、前記画像読取装置によれば、イメージセンサの読取面を、コンタクトガラス上の原稿に対して適正な位置にすることができ、もって、イメージセンサによる画像の読取品質を、良好な状態とし得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係る多機能機1の外観斜視図である。
【図2】上記多機能機1のスキャナユニット10の内部構成を示す平面図である。
【図3】上記多機能機1の第1キャリッジ30に搭載されたイメージセンサ20の平面図である。
【図4】上記第1キャリッジ30の構成を示す外観斜視図である。
【図5】上記第1キャリッジ30に取り付けられたホルダ部材35の断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る第2キャリッジ40に搭載されたイメージセンサ20の外観斜視図である。
【図7】上記第2キャリッジ40に取り付けられたホルダ部材45の断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る第3キャリッジ50に搭載されたイメージセンサ20の平面図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る第4キャリッジ60に搭載されたイメージセンサ20の平面図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る第5キャリッジ70に搭載されたイメージセンサ20の外観斜視図である。
【図11】上記第5キャリッジ70に取り付けられたホルダ部材75の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る画像読取装置を、スキャナユニット10を有する多機能機1に具体化した実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態に係る多機能機1の概略構成について、図1及び図2を参照しつつ説明する。尚、以下の説明において、多機能機1が使用可能に設置された状態を基準として、図1に示す上下方向を定義する。図1における右下側を前側とし、図1における左上側を後側とする。又、多機能機1を前側から見たときを左右の基準とし、図1における左下側を左側とし、右上側を右側とする。
【0018】
図1に示すように、多機能機1は、本体筐体2と、上部カバー3とを有している。本体筐体2は、上面に原稿載置台11を有している。原稿載置台11は、コンタクトガラス16により構成される。コンタクトガラス16は、所謂「プラテンガラス」である。コンタクトガラス16は、本体筐体2の左右方向に沿って長辺が位置する最大原稿サイズよりもやや大きな長方形状に形成されている。コンタクトガラス16は、原稿がコンタクトガラス16上にセットされ、後述するスキャナユニット10を構成するイメージセンサ20が移動されて画像が読み取られる際に用いられる。
【0019】
又、本体筐体2は、本体筐体2内における上側部分において、コンタクトガラス16の下方に、スキャナユニット10を有している。スキャナユニット10は、イメージセンサ20、第1キャリッジ30、スライド軸25、読取搬送モータ、及びフラットケーブル等を有する。スキャナユニット10は、コンタクトガラス16上にセットされた原稿の画像を読み取る。スキャナユニット10の構成については、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0020】
そして、本体筐体2は、スキャナユニット10の下方に、制御部、ファクシミリ部、及び画像形成部等を収納している。制御部は、CPU、ROM、及びRAM等を有している。制御部は、多機能機1におけるスキャナ機能、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能を実現する為の制御の中枢を担う。
【0021】
ファクシミリ部は、制御部による制御に基づいて、スキャナユニット10により読み取った原稿の画像を、ネットワーク網を介して、ユーザ所望の相手先にファクシミリ通信する。又、ファクシミリ部は、ネットワーク網を介して、ファクシミリデータを受信し得る。受信したファクシミリデータは、制御部によって画像形成部を制御することで、給紙カセット7内の用紙等に印刷出力される。即ち、多機能機1は、スキャナユニット10、ファクシミリ部、及び画像形成部を制御することで、ファクシミリ機能を実現する。
【0022】
画像形成部は、制御部による制御に基づいて、入力された画像データを給紙カセット7内の用紙へ印刷出力する。多機能機1は、スキャナユニット10により読み取った画像に基づく画像データを対象として、画像形成部を制御することで、コピー機能を実現する。又、多機能機1は、ネットワーク網を介して入力された印刷データを対象として、画像形成部を制御することで、プリンタ機能を実現する。
【0023】
更に、本体筐体2の前側上面には、操作パネル5、及び液晶ディスプレイ6が配設されている。操作パネル5は、多機能機1に対する種々の指示を入力する際に操作される。液晶ディスプレイ6は、多機能機1に関する種々の情報を表示し、ユーザのその情報の内容を報知する。
【0024】
又、本体筐体2の前面には、給紙カセット7が脱着可能に取り付けられる。給紙カセット7は、被記録媒体である用紙を積層状態で収容している。用紙は、画像形成部による画像の印刷出力に用いられる。
【0025】
そして、上部カバー3は、本体筐体2上面の後端縁を軸に開閉自在に配設されており、閉じた場合に本体筐体2上面、即ち、原稿載置台11、及びコンタクトガラス16を覆う。従って、上部カバー3は、コンタクトガラス16上にセットされた原稿をその位置に固定し得る。
【0026】
又、上部カバー3は、自動原稿搬送装置(ADF:Auto Document Feeder)4を有している。自動原稿搬送装置4は、上部カバー3の左側に配設されている。自動原稿搬送装置4は、不図示の原稿トレイ内の原稿を連続して一枚ずつ給紙し、所定の搬送経路に沿って搬送した後、不図示の排紙トレイに排紙する。多機能機1は、自動原稿搬送装置4により原稿を搬送する途中で、スキャナユニット10により画像を読み取る方式で、原稿の画像を読み取り得る。
【0027】
次に、多機能機1におけるスキャナユニット10の構成について、図2を参照しつつ詳細に説明する。上述したように、スキャナユニット10は、イメージセンサ20、第1キャリッジ30、スライド軸25、読取搬送モータ、及びフラットケーブル等を有している。スキャナユニット10は、本体筐体2の上部、即ちコンタクトガラス16の下方に配設されている。尚、第1実施形態において、本体筐体2におけるスキャナユニット10の配設部分は、スキャナ底面17により、ファクシミリ部、及び画像形成部等の収納部分と区画されている。
【0028】
イメージセンサ20は、所謂、密着型イメージセンサ(CIS:Contact Image Sensor)により構成される。イメージセンサ20は、コンタクトガラス16上に位置する原稿の画像を読み取る。イメージセンサ20は、コンタクトガラス16側に位置する上面に、撮像素子等を備える読取面21を有している。イメージセンサ20は、主走査方向、即ち、本体筐体2における前後方向が最大原稿サイズの短辺に相当する長さの読取範囲を有している。そして、イメージセンサ20は、主走査方向に長手寸法を有する略直方体状に形成されている。イメージセンサ20は、後述する第1キャリッジ30のセンサ収納部31内に収納される。
【0029】
図2に示すように、スライド軸25は、丸棒状の軸部材により構成されている。スライド軸25は、スキャナ底面17上において、本体筐体2の左右方向に向かって伸びるように配設されている。スライド軸25は、第1キャリッジを介して、イメージセンサ20を左右方向にスライド移動可能に保持している。そして、読取搬送モータは、制御部による駆動制御に基づいて、例えば、プーリー・ベルト機構等の駆動伝達機構等を介して、第1キャリッジ30に搭載されたイメージセンサ20をスライド軸25に沿ってスライド移動させ得る。
【0030】
そして、多機能機1において、イメージセンサ20は、通常、コンタクトガラス16左端部下方の待機位置S、所謂、ホームポジションに位置し得る。図2、及び図5に示すように、イメージセンサ20は、待機位置Sから、最大原稿サイズの長辺に相当する距離分離間した位置(以下、「最終位置T」と記す)までの区間を、コンタクトガラス16下面に沿ってスライド移動し得る。
【0031】
イメージセンサ20は、多機能機1の左右方向と同一である副走査方向に従って、待機位置Sと最終位置Tの間を移動する際に、コンタクトガラス16上にセットされた原稿から画像を読み取る。従って、図1に示すように、スキャナユニット10は、最大原稿サイズの原稿に相当する最大読取範囲Rを有し、最大原稿サイズ以下の原稿の画像を読み取り得る。
【0032】
続いて、第1実施形態に係るスキャナユニット10において、イメージセンサ20を支持する第1キャリッジ30の構成について、図3〜図5を参照しつつ詳細に説明する。上述したように、第1キャリッジ30は、イメージセンサ20を下方から支持すると共に、スライド軸25に沿って副走査方向へスライド移動可能にイメージセンサ20を保持している。
【0033】
図3、及び図4に示すように、第1キャリッジ30は、センサ収納部31と、スプリング取付部32と、を備えている。第1キャリッジ30は、多機能機1の前後方向に長辺を有している。センサ収納部31は、コンタクトガラス16に面する上方部分が開放された凹状に形成され、多機能機1の前後方向に沿って延びる溝部として構成されている。センサ収納部31は、読取面21が上方、即ち、コンタクトガラス16側に向いた状態で、イメージセンサ20を収納すると共に、イメージセンサ20を下方から支持する。
【0034】
スプリング取付部32は、第1キャリッジ30の長手方向において、多機能機1の前方側に位置する端部に形成されている。スプリング取付部32は、ホルダ部材35及びスプリング36を取り付け可能に構成されている。図3〜図5に示すように、スプリング取付部32は、多機能機1の副走査方向において、センサ収納部31を介して相互に対向する位置でセンサ収納部31と隣接している。
【0035】
図4に示すように、センサ収納部31は、第1キャリッジ30の端部側に、開口部31Aを有している。開口部31Aは、スプリング取付部32が形成されている端部側に位置するセンサ収納部31の底面を一定の範囲、即ち長手方向中央部分から端部側までの範囲を開口することで形成されている。従って、センサ収納部31に収納されたイメージセンサ20の端部は、開口部31Aを介して、第1キャリッジ30よりも下方へ移動し得る。
【0036】
図4、及び図5に示すように、ホルダ部材35は、センサ収納部31内に収納されたイメージセンサ20を下方から支持する。ホルダ部材35は、スプリング取付部32との間に、スプリング36を保持する部材である。ホルダ部材35は、センサ支持部35Aと、被付勢部35Bと、係止フック35Cとを有している。
【0037】
図5に示すように、センサ支持部35Aは、センサ収納部31と同様に、上方部分が開放された凹状に形成されている。センサ支持部35Aは、センサ収納部31に収納されたイメージセンサ20の下面を支持する。又、センサ収納部31に対して、ホルダ部材35が取り付けられた場合、センサ支持部35Aは、スプリング取付部32の形成位置において、開口部31Aを副走査方向に横断する。
【0038】
被付勢部35Bは、上方が開放された凹状に形成されたセンサ支持部35Aの上端部分から、センサ支持部35Aに対して外側方向へ水平に延出して形成されている。被付勢部35Bは、スプリング取付部32に取り付けられたスプリング36の端部を保持する。図5に示すように、各被付勢部35Bは、ホルダ部材35が第1キャリッジ30に取り付けられた場合、夫々、スプリング取付部32の上方に位置する。各被付勢部35Bは、スプリング取付部32に保持されたスプリング36によって、上方に向かって付勢される。
【0039】
そして、係止フック35Cは、センサ支持部35Aに対して外側に位置する各被付勢部35Bの端縁から下方に延びるフックである。係止フック35Cは、下端部に更に外側へ突出する爪部を有している。そして、係止フック35Cは、第1キャリッジ30に形成された被係合孔31Bと係合することにより、ホルダ部材35が第1キャリッジ30から外れることのないように保持する機能を果たす。
【0040】
図5に示すように、被係合孔31Bは、スプリング取付部32における第1キャリッジ30左右側壁の下部を切り欠くことにより形成されている。ホルダ部材35が第1キャリッジ30に取り付けられた場合に、係止フック35Cの爪部は、被係合孔31B内に進入する。従って、スプリング36の付勢力によって、ホルダ部材35が上方へ移動した場合には、係止フック35Cの爪部が被係合孔31Bの上端と当接する。この当接により、ホルダ部材35は、第1キャリッジ30から外れることはなく、ホルダ部材35の紛失を防止し得る。
【0041】
スプリング36は、ホルダ部材35の被付勢部35Bと、スプリング取付部32との間に配設されている。スプリング36の上端は、被付勢部35Bの下面と当接する。スプリング36の下端は、スプリング取付部32に保持されている。図5に示すように、スプリング36の上端は、コンタクトガラス16よりも下方であり、センサ収納部31に収納されたイメージセンサ20の下面よりも上方に位置している。又、スプリング36の下端が保持されるスプリング取付部32は、センサ収納部31内の前記イメージセンサ20下面よりも上方に位置している。従って、スプリング36は、ホルダ部材35の被付勢部35Bと、スプリング取付部32との間において、ホルダ部材35と共に、イメージセンサ20を、コンタクトガラス16が位置する上方へ付勢し得る。
【0042】
以上説明したように、第1実施形態における多機能機1においては、第1キャリッジ30の端部側において、ホルダ部材35を構成する2つの被付勢部35Bは、センサ収納部31内のイメージセンサ20の読取面21に対して、左右方向に隣接している。そして、各被付勢部35Bとスプリング取付部32との間において、スプリング36は、ホルダ部材35の被付勢部35Bを上方に付勢する。ここで、イメージセンサ20は、ホルダ部材35のセンサ支持部35Aによって下方から支持されている。よって、イメージセンサ20は、ホルダ部材35の被付勢部35Bに対して、スプリング36の付勢力が作用されることにより、コンタクトガラス16に向かって付勢される。
【0043】
尚、本発明における被付勢部は、図3のように、センサ収納部31内のイメージセンサ20の読取面21に正対した場合に、読取面21に隣接していればよい。即ち、この条件を満たしていれば、本発明は、イメージセンサ20の読取面21に対する被付勢部の高低は問わない。例えば、上述の条件を満たす限り、被付勢部が読取面21よりも高い位置にあってもよい。同様に、被付勢部が読取面21よりも低い位置にあってもよい。更に、被付勢部が読取面21と同じ高さにあってもよい。
【0044】
図3〜図5に示すように、第1実施形態においては、スプリング36は、イメージセンサ20の下面と、センサ収納部31との間に位置することはない。従って、多機能機1は、イメージセンサ20及び第1キャリッジ30における上下寸法を小さくすることができる。又、スプリング36は、イメージセンサ20の読取面21に対して副走査方向に隣接している被付勢部35Bを介して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16に付勢している。従って、多機能機1は、第1キャリッジ30において、センサ収納部31に対して副走査方向に隣接するスペースを活用して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16側に付勢し得る。即ち、多機能機1は、イメージセンサ20をコンタクトガラス16に向かって付勢しつつ、上下方向における装置の小型化に対応し得る。
【0045】
又、図5に示すように、ホルダ部材35を構成する2つの被付勢部35Bは、センサ収納部31内のイメージセンサ20の読取面21に対して、左右方向に隣接している。2つの被付勢部35Bは、スプリング36によって、上方へ付勢される。即ち、多機能機1によれば、イメージセンサ20に対して、スプリング36の付勢力を左右方向にバランス良く作用させ得る。よって、イメージセンサ20の読取面21を、適正な状態、即ち、水平を保った状態でコンタクトガラス16側へ付勢し得る。
【0046】
(第2実施形態)
次に、上述した第1実施形態と異なる第2実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、第2実施形態に係る多機能機1は、第1実施形態に係る多機能機1と同一の基本的構成を有しており、スキャナユニット10におけるキャリッジ及びホルダ部材の構成が相違する。従って、第1実施形態と同一の構成に関する説明は省略する。
【0047】
第2実施形態に係るキャリッジ(以下、「第2キャリッジ40」と記す)と、ホルダ部材45の構成について、図6、及び図7を参照しつつ詳細に説明する。第2キャリッジ40は、上述した第1キャリッジ30と同様に、イメージセンサ20を下方から支持すると共に、スライド軸25に沿って副走査方向へスライド移動可能にイメージセンサ20を保持している。
【0048】
図6、及び図7に示すように、第2キャリッジ40は、センサ収納部41と、スプリング取付部42と、を備えている。第2キャリッジ40は、多機能機1の前後方向に長辺を有している。センサ収納部41は、開口部41Aを有している。センサ収納部41の構成については、第1実施形態における第1キャリッジ30のセンサ収納部31と同様である。従って、センサ収納部41及び開口部41Aの構成に関する説明は省略する。
【0049】
又、スプリング取付部42は、第2キャリッジ40の長手方向において、多機能機1の前方側に位置する端部に形成されている。スプリング取付部42は、ホルダ部材45及びスプリング46を取り付け可能に構成されている。図7に示すように、スプリング取付部42は、多機能機1の副走査方向において、センサ収納部41の左辺においてセンサ収納部41と隣接している。
【0050】
第2実施形態におけるホルダ部材45は、第1実施形態と同様に、センサ収納部41内に収納されたイメージセンサ20を下方から支持する。ホルダ部材45は、スプリング取付部42との間に、スプリング46を保持する部材である。ここで、ホルダ部材45は、図6、及び図7に示すように、センサ支持部45Aと、被付勢部45Bと、係止フック45Cと、回動保持部45Dとを有している。センサ支持部45Aについては、上述した第1キャリッジ30のセンサ支持部35Aと同様の構成である為、その説明は省略する。
【0051】
そして、第2実施形態に係るホルダ部材45において、被付勢部45Bは、上方が開放された凹状に形成されたセンサ支持部45Aの左側に位置する上端部分から、センサ支持部45Aに対して外側方向へ水平に延出して形成されている。被付勢部45Bは、スプリング取付部42に取り付けられたスプリング46の端部を保持する。図7に示すように、被付勢部45Bは、ホルダ部材45が第2キャリッジ40に取り付けられた場合、スプリング取付部42の上方に位置する。被付勢部45Bは、スプリング取付部42に保持されたスプリング46によって、上方に向かって付勢される。
【0052】
係止フック45Cは、被付勢部35Bの左側端縁から下方に延びるフックである。係止フック45Cは、下端部に更に外側へ突出する爪部を有している。そして、係止フック45Cは、第2キャリッジ40に形成された被係合孔41Bと係合することにより、ホルダ部材45が第2キャリッジ40から外れることのないようにホルダ部材45を保持する機能を果たす。
【0053】
図7に示すように、回動保持部45Dは、センサ支持部45Aの右側に位置する上端部分から、センサ支持部45Aに対して外側方向へ延出して形成されている。回動保持部45Dは、ホルダ部材45を、回動保持部45Dを中心として、第2キャリッジ40に対して上方へ回動可能に保持する。
【0054】
スプリング46は、ホルダ部材45の被付勢部45Bと、スプリング取付部42との間に配設されている。スプリング46の上端は被付勢部45Bの下面と当接する。スプリング46の下端はスプリング取付部42に保持されている。図7に示すように、スプリング46の上端は、コンタクトガラス16よりも下方であり、センサ収納部41に収納されたイメージセンサ20の下面よりも上方に位置している。又、スプリング46の下端が保持されるスプリング取付部42は、センサ収納部41内の前記イメージセンサ20下面よりも上方に位置している。従って、スプリング46は、ホルダ部材45の被付勢部45Bと、スプリング取付部42との間において、ホルダ部材45と共に、イメージセンサ20を上方へ付勢し得る。
【0055】
以上説明したように、第2実施形態における多機能機1においては、第2キャリッジ40の端部側において、ホルダ部材45の被付勢部45Bは、センサ収納部41内のイメージセンサ20の読取面21の左辺側において、イメージセンサ20の読取面21と隣接している。そして、被付勢部45Bとスプリング取付部42との間において、スプリング46は、ホルダ部材45の被付勢部45Bを上方に付勢する。又、ホルダ部材45は、センサ支持部45Aの右側部分に形成された回動保持部45Dによって、回動保持部45Dを中心として回動可能に保持されている。ここで、イメージセンサ20は、ホルダ部材45のセンサ支持部45Aによって下方から支持されている。よって、イメージセンサ20は、ホルダ部材45の被付勢部45Bに対して、スプリング46の付勢力が作用されることにより、コンタクトガラス16に向かって付勢される。
【0056】
図7に示すように、第2実施形態においても、スプリング46は、イメージセンサ20の下面と、センサ収納部41との間に位置することはない。従って、多機能機1は、イメージセンサ20及び第2キャリッジ40における上下寸法を小さくすることができる。又、スプリング46は、イメージセンサ20の読取面21に対して副走査方向に隣接している被付勢部45Bを介して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16に付勢している。従って、多機能機1は、第2キャリッジ40において、センサ収納部41に対して副走査方向に隣接するスペースを活用して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16側に付勢し得る。即ち、多機能機1は、イメージセンサ20をコンタクトガラス16に向かって付勢しつつ、上下方向における装置の小型化に対応し得る。
【0057】
(第3実施形態)
続いて、上述した第1実施形態、及び第2実施形態と異なる第3実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、第3実施形態に係る多機能機1は、第1実施形態、及び第2実施形態に係る多機能機1と同一の基本的構成を有しており、スキャナユニット10におけるキャリッジ及びホルダ部材の構成が相違する。従って、第1実施形態、及び第2実施形態と同一の構成に関する説明は省略し、これらの相違点についてのみ、図面を参照しつつ説明する。
【0058】
第3実施形態に係るキャリッジ(以下、「第3キャリッジ50」と記す)と、第1ホルダ部材55と、第2ホルダ部材56との構成について、図8等を参照しつつ詳細に説明する。第3キャリッジ50は、上述した第1キャリッジ30、及び第2キャリッジ40と同様に、イメージセンサ20を下方から支持すると共に、スライド軸25に沿って副走査方向へスライド移動可能にイメージセンサ20を保持している。
【0059】
図8に示すように、第3キャリッジ50は、センサ収納部51と、第1スプリング取付部52と、第2スプリング取付部53と、を備えている。第3キャリッジ50は、多機能機1の前後方向に長辺を有している。尚、センサ収納部51の構成については、第1実施形態における第1キャリッジ30のセンサ収納部31と同様である。従って、センサ収納部51の構成に関する説明は省略する。
【0060】
又、第1スプリング取付部52は、第3キャリッジ50の長手方向において、多機能機1の前方側に位置する端部に形成されている。第1スプリング取付部52は、第1ホルダ部材55及びスプリング57を取り付け可能に構成されている。図8に示すように、第1スプリング取付部52は、多機能機1の副走査方向において、センサ収納部51を介して相互に対向する位置でセンサ収納部51と隣接している。
【0061】
そして、第2スプリング取付部53は、第3キャリッジ50の長手方向において、多機能機1の後方側に位置する端部に形成されている。第2スプリング取付部53は、第2ホルダ部材56及びスプリング57を取り付け可能に構成されている。図8に示すように、第2スプリング取付部53は、多機能機1の副走査方向において、センサ収納部51を介して相互に対向する位置でセンサ収納部51と隣接している。
【0062】
第3実施形態においては、第1ホルダ部材55及び第2ホルダ部材56は、夫々、イメージセンサ20の長手方向の端部において、センサ収納部51内に収納されたイメージセンサ20を下方から支持する。第1ホルダ部材55及び第2ホルダ部材56は、第1スプリング取付部52、第2スプリング取付部53との間に、夫々、スプリング57を保持する部材である。
【0063】
第1ホルダ部材55は、第1実施形態に係るホルダ部材35と同様に、センサ支持部と、被付勢部55Aと、係止フックとを有している。又、第2ホルダ部材56は、第1実施形態に係るホルダ部材35と同様に、センサ支持部と、被付勢部56Aと、係止フックとを有している。
【0064】
尚、第1ホルダ部材55及び第2ホルダ部材56の構成については、上述した第1実施形態に係るホルダ部材35と同様であるため、その説明は省略する。更に、第1スプリング取付部52における第1ホルダ部材55の取付態様、及び第2スプリング取付部53における第2ホルダ部材56の取付態様についても、第1実施形態において、図5を参照しつつ説明したスプリング取付部32に対するホルダ部材35の取付態様と同一である。従って、この点に関する説明についても省略する。
【0065】
以上説明したように、第3実施形態における多機能機1においては、主走査方向における第3キャリッジ50の両端部側において、第1ホルダ部材55の被付勢部55A、及び第2ホルダ部材56の被付勢部56Aは、センサ収納部51内のイメージセンサ20の読取面21に対して、左右方向に隣接している。そして、被付勢部55Aと第1スプリング取付部52の間において、スプリング57は、第1ホルダ部材55の被付勢部55Aを上方に付勢する。又、被付勢部56Aと第2スプリング取付部53の間において、スプリング57は、第2ホルダ部材56の被付勢部56Aを上方に付勢する。
【0066】
ここで、イメージセンサ20は、第1ホルダ部材55及び第2ホルダ部材56のセンサ支持部によって下方から支持されている。よって、イメージセンサ20は、第1ホルダ部材55及び第2ホルダ部材56に対して、スプリング57の付勢力が作用されることにより、コンタクトガラス16に向かって付勢される。つまり、第3実施形態においては、イメージセンサ20の主走査方向における両端部において、第1ホルダ部材55及び第2ホルダ部材56を介して、スプリング57の付勢力がイメージセンサ20に作用する。その為、多機能機1は、イメージセンサ20の主走査方向に関して、最適な状態、即ち、水平を保った状態で、イメージセンサ20をコンタクトガラス16へ付勢し得る。
【0067】
そして、第3実施形態においても、スプリング57は、イメージセンサ20の下面と、センサ収納部51との間に位置することはない。従って、多機能機1は、イメージセンサ20及び第3キャリッジ50における上下寸法を小さくすることができる。又、スプリング57は、イメージセンサ20の読取面21に対して副走査方向に隣接している被付勢部55A及び被付勢部56Aを介して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16に付勢している。従って、多機能機1は、第3キャリッジ50において、センサ収納部51に対して副走査方向に隣接するスペースを活用して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16側に付勢し得る。即ち、多機能機1は、イメージセンサ20をコンタクトガラス16に向かって付勢しつつ、上下方向における装置の小型化に対応し得る。
【0068】
又、図8に示すように、第1ホルダ部材55における2つの被付勢部55A、及び第2ホルダ部材56における2つの被付勢部56Aは、夫々、センサ収納部51内のイメージセンサ20の読取面21に対して、左右方向に隣接している。2つの被付勢部55A、及び2つの被付勢部56Aは、夫々、スプリング57によって、上方へ付勢される。即ち、多機能機1によれば、イメージセンサ20に対して、スプリング57の付勢力を左右方向にバランス良く作用させ得る。従って、イメージセンサ20の読取面21を、副走査方向に関しても適正な状態、即ち、水平を保った状態でコンタクトガラス16側へ付勢し得る。
【0069】
(第4実施形態)
次に、上述した第1実施形態〜第3実施形態と異なる第4実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、第4実施形態に係る多機能機1は、第1実施形態〜第3実施形態に係る多機能機1と同一の基本的構成を有しており、スキャナユニット10におけるキャリッジ及びホルダ部材の構成が相違する。従って、第1実施形態〜第3実施形態と同一の構成に関する説明は省略し、これらの相違点についてのみ、図面を参照しつつ説明する。
【0070】
第4実施形態に係るキャリッジ(以下、「第4キャリッジ60」と記す)と、ホルダ部材65の構成について、図9等を参照しつつ詳細に説明する。第4キャリッジ60は、上述した第1キャリッジ30、第2キャリッジ40、及び第3キャリッジ50と同様に、イメージセンサ20を下方から支持する。第4キャリッジ60は、スライド軸25に沿って副走査方向へスライド移動可能にイメージセンサ20を保持している。
【0071】
図9に示すように、第4キャリッジ60は、センサ収納部61と、スプリング取付部62と、を備えている。第4キャリッジ60は、多機能機1の前後方向に長辺を有している。尚、センサ収納部61の構成については、第1実施形態における第1キャリッジ30のセンサ収納部31と同様である。従って、センサ収納部61の構成に関する説明は省略する。
【0072】
又、スプリング取付部62は、第4キャリッジ60の長手方向における中央部分に形成されている。スプリング取付部62は、ホルダ部材65及びスプリング66を取り付け可能に構成されている。図9に示すように、スプリング取付部62は、多機能機1の副走査方向において、センサ収納部61を介して相互に対向する位置で、センサ収納部61と隣接している。
【0073】
第4実施形態においては、ホルダ部材65は、夫々、イメージセンサ20の長手方向中央部分において、センサ収納部61内に収納されたイメージセンサ20を下方から支持する。ホルダ部材65は、スプリング取付部62との間に、スプリング66を保持する部材である。ホルダ部材65は、第1実施形態に係るホルダ部材35と同様に、センサ支持部と、被付勢部65Aと、係止フックとを有している。
【0074】
尚、ホルダ部材65の構成は、上述した第1実施形態に係るホルダ部材35と同様であるため、その説明は省略する。更に、スプリング取付部62におけるホルダ部材65の取付態様についても、第1実施形態において、図5を参照しつつ説明したスプリング取付部32に対するホルダ部材35の取付態様と同一である。従って、この点に関する説明についても省略する。
【0075】
以上説明したように、第4実施形態における多機能機1においては、主走査方向における第4キャリッジ60の中央部分において、ホルダ部材65の被付勢部65Aは、センサ収納部61内のイメージセンサ20の読取面21に対して、左右方向に隣接している。そして、被付勢部65Aとスプリング取付部62の間において、スプリング66は、ホルダ部材65の被付勢部65Aを上方に付勢する。ここで、イメージセンサ20は、ホルダ部材65のセンサ支持部によって下方から支持されている。よって、イメージセンサ20は、ホルダ部材65に対して、スプリング66の付勢力が作用されることにより、コンタクトガラス16に向かって付勢される。つまり、第4実施形態においては、イメージセンサ20の主走査方向における中央部において、ホルダ部材65を介して、スプリング66の付勢力がイメージセンサ20に作用する。その為、多機能機1は、少ない部品点数で、比較的水平を保ちつつ、イメージセンサ20をコンタクトガラス16へ付勢し得る。
【0076】
そして、第4実施形態においても、スプリング66は、イメージセンサ20の下面と、センサ収納部61との間に位置することはない。従って、多機能機1は、イメージセンサ20及び第4キャリッジ60における上下寸法を小さくすることができる。又、スプリング66は、イメージセンサ20の読取面21に対して副走査方向に隣接している被付勢部65Aを介して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16に付勢している。従って、多機能機1は、第4キャリッジ60において、センサ収納部61に対して副走査方向に隣接するスペースを活用して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16側に付勢し得る。即ち、多機能機1は、イメージセンサ20をコンタクトガラス16に向かって付勢しつつ、上下方向における装置の小型化に対応し得る。
【0077】
又、図9に示すように、ホルダ部材65における2つの被付勢部65Aは、センサ収納部61内のイメージセンサ20の読取面21に対して、左右方向に隣接している。2つの被付勢部65Aは、スプリング66によって、上方へ付勢される。即ち、多機能機1によれば、イメージセンサ20に対して、スプリング66の付勢力を左右方向にバランス良く作用させ得る。よって、イメージセンサ20の読取面21を、副走査方向に関して適正な状態、即ち、水平を保った状態でコンタクトガラス16側へ付勢し得る。
【0078】
(第5実施形態)
次に、上述した第1実施形態〜第4実施形態と異なる第5実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、第5実施形態に係る多機能機1は、第1実施形態〜第4実施形態に係る多機能機1と同一の基本的構成を有しており、スキャナユニット10におけるキャリッジ及びホルダ部材の構成が相違する。従って、第1実施形態〜第4実施形態と同一の構成に関する説明は省略し、これらの相違点についてのみ、図面を参照しつつ説明する。
【0079】
第5実施形態に係るキャリッジ(以下、「第5キャリッジ70」と記す)と、ホルダ部材75の構成について、図10、及び図11を参照しつつ詳細に説明する。第5キャリッジ70は、上述した第1キャリッジ30と同様に、イメージセンサ20を下方から支持する。第5キャリッジ70は、スライド軸25に沿って副走査方向へスライド移動可能にイメージセンサ20を保持している。
【0080】
図10、及び図11に示すように、第5キャリッジ70は、センサ収納部71と、スプリング取付部72と、を備えている。第5キャリッジ70は、多機能機1の前後方向に長辺を有している。センサ収納部71は、開口部71Aと、被係合孔71Bとを有している。センサ収納部71の構成については、第1実施形態における第1キャリッジ30のセンサ収納部31と同様である。従って、センサ収納部71の構成に関する説明は省略する。
【0081】
又、スプリング取付部72は、第5キャリッジ70の長手方向において、多機能機1の前方側に位置する端部に形成されている。スプリング取付部72は、ホルダ部材75及びスプリング76を取り付け可能に構成されている。図10、及び図11に示すように、スプリング取付部72は、多機能機1の副走査方向において、センサ収納部71を介して相互に対向する位置で、センサ収納部71と隣接している。
【0082】
第5実施形態においては、ホルダ部材75は、イメージセンサ20長手方向における中前側端部において、センサ収納部71内に収納されたイメージセンサ20を下方から支持する。ホルダ部材75は、スプリング取付部72との間に、スプリング76を保持する部材である。図11に示すように、ホルダ部材75は、センサ支持部75Aと、被付勢部75Bと、係止フック75Cと、スペーサーリブ75Dとを有している。
【0083】
尚、ホルダ部材75におけるセンサ支持部75Aと、被付勢部75Bと、係止フック75Cとの構成は、夫々、上述した第1実施形態に係るホルダ部材35のセンサ支持部35Aと、被付勢部35Bと、係止フック35Cと同様であるため、その説明は省略する。更に、スプリング取付部72におけるホルダ部材75の取付態様についても、第1実施形態において、図5を参照しつつ説明したスプリング取付部32に対するホルダ部材35の取付態様と同一である。従って、この点に関する説明についても省略する。
【0084】
図10、及び図11に示すように、スペーサーリブ75Dは、被付勢部35Bの上面において、コンタクトガラス16に向かって、上方へ突出するリブである。スプリング76の付勢力によって、ホルダ部材75が上方へ移動した場合、スペーサーリブ75Dの上端は、コンタクトガラス16の下面と当接する。即ち、第5実施形態に係る多機能機1によれば、スペーサーリブ75Dによって、ホルダ部材75により保持されたイメージセンサ20の読取面21と、コンタクトガラス16の下面との距離を、スペーサーリブ75Dの突出量に基づく一定の距離に保ち得る。この結果、多機能機1は、コンタクトガラス16上の原稿と、イメージセンサ20の読取面21の距離を適正に保つことができるので、スキャナユニット10による読取品質を維持し得る。
【0085】
そして、スプリング76は、ホルダ部材75の被付勢部75Bと、スプリング取付部72との間に配設されている。スプリング76の上端は被付勢部75Bの下面と当接する。スプリング76の下端はスプリング取付部72に保持されている。図11に示すように、スプリング76の上端は、コンタクトガラス16よりも下方であり、センサ収納部71に収納されたイメージセンサ20の下面よりも上方に位置している。又、スプリング76の下端が保持されるスプリング取付部72は、センサ収納部71内の前記イメージセンサ20下面よりも上方に位置している。従って、スプリング76は、ホルダ部材75の被付勢部75Bと、スプリング取付部72の間において、ホルダ部材75と共に、イメージセンサ20を上方へ付勢し得る。
【0086】
以上説明したように、第5実施形態における多機能機1においては、第5キャリッジ70の端部側において、ホルダ部材75を構成する2つの被付勢部75Bは、センサ収納部71内のイメージセンサ20の読取面21に対して、左右方向に隣接している。そして、各被付勢部75Bとスプリング取付部72の間において、スプリング76は、ホルダ部材75の被付勢部75Bを上方に付勢する。ここで、イメージセンサ20は、ホルダ部材75のセンサ支持部75Aによって下方から支持されている。よって、イメージセンサ20は、ホルダ部材75の被付勢部75Bに対して、スプリング76の付勢力が作用されることにより、コンタクトガラス16に向かって付勢される。
【0087】
図11に示すように、第5実施形態においては、スプリング76は、イメージセンサ20の下面と、センサ収納部71との間に位置することはない。従って、多機能機1は、イメージセンサ20及び第5キャリッジ70における上下寸法を小さくすることができる。又、スプリング76は、イメージセンサ20の読取面21に対して副走査方向に隣接している被付勢部75Bを介して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16に付勢している。従って、多機能機1は、第5キャリッジ70において、センサ収納部71に対して副走査方向に隣接するスペースを活用して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16側に付勢し得る。即ち、多機能機1は、イメージセンサ20をコンタクトガラス16に向かって付勢しつつ、上下方向における装置の小型化に対応し得る。
【0088】
又、図10、及び図11に示すように、ホルダ部材75を構成する2つの被付勢部75Bは、センサ収納部71内のイメージセンサ20の読取面21に対して、左右方向に隣接している。2つの被付勢部75Bは、スプリング76によって、上方へ付勢される。更に、各被付勢部75Bは、夫々、その上面にスペーサーリブ75Dを有している。従って、多機能機1によれば、イメージセンサ20に対して、スプリング36の付勢力を左右方向にバランス良く作用させることができる。更に、多機能機1においては、スペーサーリブ75Dによって、イメージセンサ20の読取面21と、コンタクトガラス16下面との距離を一定に保ち得る。よって、イメージセンサ20の読取面21を、適正な状態、即ち、水平を保った状態でコンタクトガラス16側へ付勢し得る。
【0089】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、スキャナ機能、コピー機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能を有する多機能機1を例として挙げていた。しかし、本発明は、この態様に限定されるものではない。少なくとも、フラットベットタイプのスキャナユニットを有していれば良く、スキャナ装置に適用することも可能であるし、コピー機に適用することも可能である。
【0090】
又、上述した実施形態においては、被付勢部は、イメージセンサの読取面に対して、副走査方向に隣接するように位置していたが、この態様に限定されるものではない。即ち、被付勢部が、イメージセンサの読取面に対して、主走査方向に隣接するように位置する構成であってもよい。
【0091】
更に、上述した実施形態においては、ホルダ部材の被付勢部を、スプリングによって上方へ付勢することにより、ホルダ部材によって支持されたイメージセンサを、コンタクトガラスに向かって付勢していたが、この態様に限定されるものではない。例えば、イメージセンサの側面上部において、イメージセンサの外側方向へ水平に延出した被付勢部を形成しても良い。この場合、イメージセンサと一体に形成された被付勢部に、スプリングの付勢力を作用させることで、イメージセンサをコンタクトガラス側へ付勢してもよい。
【0092】
つまり、本発明における被付勢部は、イメージセンサの読取面に隣接する位置において、付勢部材の付勢力を受け、その付勢力を、イメージセンサをコンタクトガラス側に付勢するように作用させるものであればよい。従って、本発明における被付勢部には、上述のように、被付勢部がイメージセンサと一体に形成されている場合も含まれる。尚、上述した各実施形態のように、被付勢部が、イメージセンサとは別の部材に形成されている場合も含まれることは勿論である。
【0093】
そして、上述した実施形態においては、キャリッジの長手方向における端部若しくは中央部分において、スプリング取付部を形成し、ホルダ部材及びスプリングを取り付けていた。これにより、イメージセンサ20をコンタクトガラス16側へ付勢する構成であったが、この態様に限定されるものではない。例えば、キャリッジの長手方向における両端部及び中央部の3箇所に、スプリング取付部を形成し、ホルダ部材及びスプリングを取り付けることで、イメージセンサ20をコンタクトガラス16側へ付勢する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 多機能機
10 スキャナユニット
16 コンタクトガラス
20 イメージセンサ
21 読取面
25 スライド軸
30 第1キャリッジ
31 センサ収納部
32 スプリング取付部
35 ホルダ部材
35A センサ支持部
35B 被付勢部
35C 係止フック
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリッジに収納されたイメージセンサによって、コンタクトガラス上の原稿から画像を読み取る画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像読取装置として、所謂、フラットベッドタイプの装置が知られている。これらの画像読取装置は、その装置筐体上面に、原稿がセットされるコンタクトガラスを有している。画像読取装置は、装置筐体内部に配設されたイメージセンサによって、コンタクトガラス上にセットされた原稿の画像を読み取るように構成されている。そして、イメージセンサは、装置筐体内部に配設されたレールに対してスライド移動可能に取り付けられたキャリッジに搭載されている。イメージセンサは、原稿の画像を読み取る際には、キャリッジと共にレールに沿ってスライド移動するように構成されている。
【0003】
このような画像読取装置に関する発明として、特許文献1記載の発明が知られている。特許文献1記載の画像読取装置では、イメージセンサは、レールに沿ってスライド移動可能なキャリッジ上に載置されている。イメージセンサは、イメージセンサの下面とキャリッジの上面との間に介在するスプリングによって、コンタクトガラスが位置する上方に向かって付勢されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−163291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1記載の画像読取装置においては、スプリングが、イメージセンサの下面とキャリッジの上面の間に配設されている。その為、スプリングを限界まで縮めたとしても、スプリングが、或る程度の高さを占有してしまう。よって、近年要望されている装置の小型化に関する障害となってしまう。
【0006】
本発明は、キャリッジに収納されたイメージセンサによって、コンタクトガラス上の原稿から画像を読み取る画像読取装置に関し、装置の小型化に対応しつつ、付勢手段によって、イメージセンサをコンタクトガラス側に付勢し得る画像読取装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る画像読取装置は、コンタクトガラスと、イメージセンサと、キャリッジと、レール部材と、付勢部材とを有し、キャリッジのセンサ収納部に収納されたイメージセンサを、前記キャリッジと共にレール部材に沿ってスライド移動させることによって、コンタクトガラス上にセットされた原稿から画像を読み取り得る。前記画像読取装置によれば、付勢部材は、センサ収納部に収納されたイメージセンサの読取面に隣接する被付勢部を介して、前記イメージセンサをコンタクトガラス側へ付勢するので、付勢部材がイメージセンサの下面とセンサ収納部の底面の間に位置することはない。これにより、前記画像読取装置は、その上下方向における装置の小型化に対応し得る。又、前記付勢部材の上端は、前記コンタクトガラスの下方であり、前記イメージセンサの下面よりも上方に位置しているので、前記画像読取装置によれば、付勢部材の付勢力によって、イメージセンサを確実に、コンタクトガラス側へ付勢し得る。
【0008】
そして、本発明の他の側面に係る画像読取装置においては、前記被付勢部は、前記コンタクトガラスの読取面に隣接しつつ、且つ、相互に対向する2箇所に位置し、前記付勢部材は、前記2箇所の被付勢部を介して、前記イメージセンサをコンタクトガラス側に付勢する。従って、前記画像読取装置によれば、被付勢部に対して、付勢部材の付勢力を作用させることで、イメージセンサを、コンタクトガラスに対して適正な状態を維持しつつ、コンタクトガラス側へ付勢し得る。
【0009】
又、本発明の他の側面に係る画像読取装置においては、前記キャリッジは、前記被付勢部の下方に、前記付勢部材の下端部が取り付けられる取付部を有し、前記取付部は、前記センサ収納部に収納された前記イメージセンサの下面よりも、前記コンタクトガラス側に位置する。従って、前記画像読取装置によれば、より確実に、付勢部材の付勢力によって、イメージセンサをコンタクトガラス側へ付勢し得る。
【0010】
そして、本発明の他の側面に画像読取装置は、支持凹部と、被付勢部を有するホルダ部材を、前記イメージセンサと前記キャリッジの間において、上下動可能に有している。前記ホルダ部材において、支持凹部は、前記コンタクトガラス側が開放された凹状に形成され、前記イメージセンサの下面と当接して、イメージセンサを支持する。そして、被付勢部は、支持凹部におけるコンタクトガラス側の端縁から、前記支持凹部の外側に向かって延出される。従って、前記画像読取装置によれば、ホルダ部材の被付勢部に対して、付勢部材の付勢力を作用させることで、イメージセンサを、コンタクトガラスに対して適正な状態を維持しつつ、コンタクトガラス側へ付勢し得る。
【0011】
又、本発明の他の側面に係る画像読取装置において、前記ホルダ部材は、係合フックを有し、前記付勢部材の付勢力によって、コンタクトガラス側へ所定量移動した場合に、前記係合フックは、前記キャリッジに形成された被係合部と係合する。従って、前記画像読取装置によれば、係合フックと被係合部が協働することで、付勢部材の付勢力によって、ホルダ部材がキャリッジから外れることを防止でき、ホルダ部材の紛失等を防止し得る。
【0012】
そして、本発明の他の側面に係る画像読取装置において、前記イメージセンサは、スライド移動方向に直交する第1方向に長辺を有し、前記第1方向における前記イメージセンサの端部の内、少なくとも一方に位置する前記被付勢部を介して、前記コンタクトガラス側に付勢されている。従って、前記画像読取装置によれば、少なくとも、長辺方向におけるイメージセンサの一端部において、装置の小型化に対応しつつ、付勢部材の付勢力によって、イメージセンサをコンタクトガラス側へ付勢し得る。
【0013】
又、本発明の他の側面に係る画像読取装置において、前記イメージセンサは、第1方向に長辺を有し、前記第1方向における前記イメージセンサの中央部分に位置する前記被付勢部を介して、前記コンタクトガラス側に付勢されている。従って、前記画像読取装置によれば、長辺方向におけるイメージセンサの中央部分において、装置の小型化に対応しつつ、付勢部材の付勢力によって、イメージセンサをコンタクトガラス側へ付勢し得る。
【0014】
そして、本発明の他の側面に係る画像読取装置において、前記被付勢部は、スペーサを有しており、前記スペーサは、前記コンタクトガラスの下面と前記被付勢部の上面との間に設けられ、前記コンタクトガラスの下面と当接する。従って、前記画像読取装置によれば、被付勢部は、付勢部材の付勢力によって、イメージセンサをコンタクトガラス側に付勢する機能を果たすと共に、イメージセンサの読取面をコンタクトガラス上の原稿から一定の距離に保つ機能を果たす。これにより、前記画像読取装置によれば、イメージセンサの読取面を、コンタクトガラス上の原稿に対して適正な位置にすることができ、もって、イメージセンサによる画像の読取品質を、良好な状態とし得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係る多機能機1の外観斜視図である。
【図2】上記多機能機1のスキャナユニット10の内部構成を示す平面図である。
【図3】上記多機能機1の第1キャリッジ30に搭載されたイメージセンサ20の平面図である。
【図4】上記第1キャリッジ30の構成を示す外観斜視図である。
【図5】上記第1キャリッジ30に取り付けられたホルダ部材35の断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る第2キャリッジ40に搭載されたイメージセンサ20の外観斜視図である。
【図7】上記第2キャリッジ40に取り付けられたホルダ部材45の断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る第3キャリッジ50に搭載されたイメージセンサ20の平面図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る第4キャリッジ60に搭載されたイメージセンサ20の平面図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る第5キャリッジ70に搭載されたイメージセンサ20の外観斜視図である。
【図11】上記第5キャリッジ70に取り付けられたホルダ部材75の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る画像読取装置を、スキャナユニット10を有する多機能機1に具体化した実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0017】
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態に係る多機能機1の概略構成について、図1及び図2を参照しつつ説明する。尚、以下の説明において、多機能機1が使用可能に設置された状態を基準として、図1に示す上下方向を定義する。図1における右下側を前側とし、図1における左上側を後側とする。又、多機能機1を前側から見たときを左右の基準とし、図1における左下側を左側とし、右上側を右側とする。
【0018】
図1に示すように、多機能機1は、本体筐体2と、上部カバー3とを有している。本体筐体2は、上面に原稿載置台11を有している。原稿載置台11は、コンタクトガラス16により構成される。コンタクトガラス16は、所謂「プラテンガラス」である。コンタクトガラス16は、本体筐体2の左右方向に沿って長辺が位置する最大原稿サイズよりもやや大きな長方形状に形成されている。コンタクトガラス16は、原稿がコンタクトガラス16上にセットされ、後述するスキャナユニット10を構成するイメージセンサ20が移動されて画像が読み取られる際に用いられる。
【0019】
又、本体筐体2は、本体筐体2内における上側部分において、コンタクトガラス16の下方に、スキャナユニット10を有している。スキャナユニット10は、イメージセンサ20、第1キャリッジ30、スライド軸25、読取搬送モータ、及びフラットケーブル等を有する。スキャナユニット10は、コンタクトガラス16上にセットされた原稿の画像を読み取る。スキャナユニット10の構成については、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0020】
そして、本体筐体2は、スキャナユニット10の下方に、制御部、ファクシミリ部、及び画像形成部等を収納している。制御部は、CPU、ROM、及びRAM等を有している。制御部は、多機能機1におけるスキャナ機能、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能を実現する為の制御の中枢を担う。
【0021】
ファクシミリ部は、制御部による制御に基づいて、スキャナユニット10により読み取った原稿の画像を、ネットワーク網を介して、ユーザ所望の相手先にファクシミリ通信する。又、ファクシミリ部は、ネットワーク網を介して、ファクシミリデータを受信し得る。受信したファクシミリデータは、制御部によって画像形成部を制御することで、給紙カセット7内の用紙等に印刷出力される。即ち、多機能機1は、スキャナユニット10、ファクシミリ部、及び画像形成部を制御することで、ファクシミリ機能を実現する。
【0022】
画像形成部は、制御部による制御に基づいて、入力された画像データを給紙カセット7内の用紙へ印刷出力する。多機能機1は、スキャナユニット10により読み取った画像に基づく画像データを対象として、画像形成部を制御することで、コピー機能を実現する。又、多機能機1は、ネットワーク網を介して入力された印刷データを対象として、画像形成部を制御することで、プリンタ機能を実現する。
【0023】
更に、本体筐体2の前側上面には、操作パネル5、及び液晶ディスプレイ6が配設されている。操作パネル5は、多機能機1に対する種々の指示を入力する際に操作される。液晶ディスプレイ6は、多機能機1に関する種々の情報を表示し、ユーザのその情報の内容を報知する。
【0024】
又、本体筐体2の前面には、給紙カセット7が脱着可能に取り付けられる。給紙カセット7は、被記録媒体である用紙を積層状態で収容している。用紙は、画像形成部による画像の印刷出力に用いられる。
【0025】
そして、上部カバー3は、本体筐体2上面の後端縁を軸に開閉自在に配設されており、閉じた場合に本体筐体2上面、即ち、原稿載置台11、及びコンタクトガラス16を覆う。従って、上部カバー3は、コンタクトガラス16上にセットされた原稿をその位置に固定し得る。
【0026】
又、上部カバー3は、自動原稿搬送装置(ADF:Auto Document Feeder)4を有している。自動原稿搬送装置4は、上部カバー3の左側に配設されている。自動原稿搬送装置4は、不図示の原稿トレイ内の原稿を連続して一枚ずつ給紙し、所定の搬送経路に沿って搬送した後、不図示の排紙トレイに排紙する。多機能機1は、自動原稿搬送装置4により原稿を搬送する途中で、スキャナユニット10により画像を読み取る方式で、原稿の画像を読み取り得る。
【0027】
次に、多機能機1におけるスキャナユニット10の構成について、図2を参照しつつ詳細に説明する。上述したように、スキャナユニット10は、イメージセンサ20、第1キャリッジ30、スライド軸25、読取搬送モータ、及びフラットケーブル等を有している。スキャナユニット10は、本体筐体2の上部、即ちコンタクトガラス16の下方に配設されている。尚、第1実施形態において、本体筐体2におけるスキャナユニット10の配設部分は、スキャナ底面17により、ファクシミリ部、及び画像形成部等の収納部分と区画されている。
【0028】
イメージセンサ20は、所謂、密着型イメージセンサ(CIS:Contact Image Sensor)により構成される。イメージセンサ20は、コンタクトガラス16上に位置する原稿の画像を読み取る。イメージセンサ20は、コンタクトガラス16側に位置する上面に、撮像素子等を備える読取面21を有している。イメージセンサ20は、主走査方向、即ち、本体筐体2における前後方向が最大原稿サイズの短辺に相当する長さの読取範囲を有している。そして、イメージセンサ20は、主走査方向に長手寸法を有する略直方体状に形成されている。イメージセンサ20は、後述する第1キャリッジ30のセンサ収納部31内に収納される。
【0029】
図2に示すように、スライド軸25は、丸棒状の軸部材により構成されている。スライド軸25は、スキャナ底面17上において、本体筐体2の左右方向に向かって伸びるように配設されている。スライド軸25は、第1キャリッジを介して、イメージセンサ20を左右方向にスライド移動可能に保持している。そして、読取搬送モータは、制御部による駆動制御に基づいて、例えば、プーリー・ベルト機構等の駆動伝達機構等を介して、第1キャリッジ30に搭載されたイメージセンサ20をスライド軸25に沿ってスライド移動させ得る。
【0030】
そして、多機能機1において、イメージセンサ20は、通常、コンタクトガラス16左端部下方の待機位置S、所謂、ホームポジションに位置し得る。図2、及び図5に示すように、イメージセンサ20は、待機位置Sから、最大原稿サイズの長辺に相当する距離分離間した位置(以下、「最終位置T」と記す)までの区間を、コンタクトガラス16下面に沿ってスライド移動し得る。
【0031】
イメージセンサ20は、多機能機1の左右方向と同一である副走査方向に従って、待機位置Sと最終位置Tの間を移動する際に、コンタクトガラス16上にセットされた原稿から画像を読み取る。従って、図1に示すように、スキャナユニット10は、最大原稿サイズの原稿に相当する最大読取範囲Rを有し、最大原稿サイズ以下の原稿の画像を読み取り得る。
【0032】
続いて、第1実施形態に係るスキャナユニット10において、イメージセンサ20を支持する第1キャリッジ30の構成について、図3〜図5を参照しつつ詳細に説明する。上述したように、第1キャリッジ30は、イメージセンサ20を下方から支持すると共に、スライド軸25に沿って副走査方向へスライド移動可能にイメージセンサ20を保持している。
【0033】
図3、及び図4に示すように、第1キャリッジ30は、センサ収納部31と、スプリング取付部32と、を備えている。第1キャリッジ30は、多機能機1の前後方向に長辺を有している。センサ収納部31は、コンタクトガラス16に面する上方部分が開放された凹状に形成され、多機能機1の前後方向に沿って延びる溝部として構成されている。センサ収納部31は、読取面21が上方、即ち、コンタクトガラス16側に向いた状態で、イメージセンサ20を収納すると共に、イメージセンサ20を下方から支持する。
【0034】
スプリング取付部32は、第1キャリッジ30の長手方向において、多機能機1の前方側に位置する端部に形成されている。スプリング取付部32は、ホルダ部材35及びスプリング36を取り付け可能に構成されている。図3〜図5に示すように、スプリング取付部32は、多機能機1の副走査方向において、センサ収納部31を介して相互に対向する位置でセンサ収納部31と隣接している。
【0035】
図4に示すように、センサ収納部31は、第1キャリッジ30の端部側に、開口部31Aを有している。開口部31Aは、スプリング取付部32が形成されている端部側に位置するセンサ収納部31の底面を一定の範囲、即ち長手方向中央部分から端部側までの範囲を開口することで形成されている。従って、センサ収納部31に収納されたイメージセンサ20の端部は、開口部31Aを介して、第1キャリッジ30よりも下方へ移動し得る。
【0036】
図4、及び図5に示すように、ホルダ部材35は、センサ収納部31内に収納されたイメージセンサ20を下方から支持する。ホルダ部材35は、スプリング取付部32との間に、スプリング36を保持する部材である。ホルダ部材35は、センサ支持部35Aと、被付勢部35Bと、係止フック35Cとを有している。
【0037】
図5に示すように、センサ支持部35Aは、センサ収納部31と同様に、上方部分が開放された凹状に形成されている。センサ支持部35Aは、センサ収納部31に収納されたイメージセンサ20の下面を支持する。又、センサ収納部31に対して、ホルダ部材35が取り付けられた場合、センサ支持部35Aは、スプリング取付部32の形成位置において、開口部31Aを副走査方向に横断する。
【0038】
被付勢部35Bは、上方が開放された凹状に形成されたセンサ支持部35Aの上端部分から、センサ支持部35Aに対して外側方向へ水平に延出して形成されている。被付勢部35Bは、スプリング取付部32に取り付けられたスプリング36の端部を保持する。図5に示すように、各被付勢部35Bは、ホルダ部材35が第1キャリッジ30に取り付けられた場合、夫々、スプリング取付部32の上方に位置する。各被付勢部35Bは、スプリング取付部32に保持されたスプリング36によって、上方に向かって付勢される。
【0039】
そして、係止フック35Cは、センサ支持部35Aに対して外側に位置する各被付勢部35Bの端縁から下方に延びるフックである。係止フック35Cは、下端部に更に外側へ突出する爪部を有している。そして、係止フック35Cは、第1キャリッジ30に形成された被係合孔31Bと係合することにより、ホルダ部材35が第1キャリッジ30から外れることのないように保持する機能を果たす。
【0040】
図5に示すように、被係合孔31Bは、スプリング取付部32における第1キャリッジ30左右側壁の下部を切り欠くことにより形成されている。ホルダ部材35が第1キャリッジ30に取り付けられた場合に、係止フック35Cの爪部は、被係合孔31B内に進入する。従って、スプリング36の付勢力によって、ホルダ部材35が上方へ移動した場合には、係止フック35Cの爪部が被係合孔31Bの上端と当接する。この当接により、ホルダ部材35は、第1キャリッジ30から外れることはなく、ホルダ部材35の紛失を防止し得る。
【0041】
スプリング36は、ホルダ部材35の被付勢部35Bと、スプリング取付部32との間に配設されている。スプリング36の上端は、被付勢部35Bの下面と当接する。スプリング36の下端は、スプリング取付部32に保持されている。図5に示すように、スプリング36の上端は、コンタクトガラス16よりも下方であり、センサ収納部31に収納されたイメージセンサ20の下面よりも上方に位置している。又、スプリング36の下端が保持されるスプリング取付部32は、センサ収納部31内の前記イメージセンサ20下面よりも上方に位置している。従って、スプリング36は、ホルダ部材35の被付勢部35Bと、スプリング取付部32との間において、ホルダ部材35と共に、イメージセンサ20を、コンタクトガラス16が位置する上方へ付勢し得る。
【0042】
以上説明したように、第1実施形態における多機能機1においては、第1キャリッジ30の端部側において、ホルダ部材35を構成する2つの被付勢部35Bは、センサ収納部31内のイメージセンサ20の読取面21に対して、左右方向に隣接している。そして、各被付勢部35Bとスプリング取付部32との間において、スプリング36は、ホルダ部材35の被付勢部35Bを上方に付勢する。ここで、イメージセンサ20は、ホルダ部材35のセンサ支持部35Aによって下方から支持されている。よって、イメージセンサ20は、ホルダ部材35の被付勢部35Bに対して、スプリング36の付勢力が作用されることにより、コンタクトガラス16に向かって付勢される。
【0043】
尚、本発明における被付勢部は、図3のように、センサ収納部31内のイメージセンサ20の読取面21に正対した場合に、読取面21に隣接していればよい。即ち、この条件を満たしていれば、本発明は、イメージセンサ20の読取面21に対する被付勢部の高低は問わない。例えば、上述の条件を満たす限り、被付勢部が読取面21よりも高い位置にあってもよい。同様に、被付勢部が読取面21よりも低い位置にあってもよい。更に、被付勢部が読取面21と同じ高さにあってもよい。
【0044】
図3〜図5に示すように、第1実施形態においては、スプリング36は、イメージセンサ20の下面と、センサ収納部31との間に位置することはない。従って、多機能機1は、イメージセンサ20及び第1キャリッジ30における上下寸法を小さくすることができる。又、スプリング36は、イメージセンサ20の読取面21に対して副走査方向に隣接している被付勢部35Bを介して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16に付勢している。従って、多機能機1は、第1キャリッジ30において、センサ収納部31に対して副走査方向に隣接するスペースを活用して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16側に付勢し得る。即ち、多機能機1は、イメージセンサ20をコンタクトガラス16に向かって付勢しつつ、上下方向における装置の小型化に対応し得る。
【0045】
又、図5に示すように、ホルダ部材35を構成する2つの被付勢部35Bは、センサ収納部31内のイメージセンサ20の読取面21に対して、左右方向に隣接している。2つの被付勢部35Bは、スプリング36によって、上方へ付勢される。即ち、多機能機1によれば、イメージセンサ20に対して、スプリング36の付勢力を左右方向にバランス良く作用させ得る。よって、イメージセンサ20の読取面21を、適正な状態、即ち、水平を保った状態でコンタクトガラス16側へ付勢し得る。
【0046】
(第2実施形態)
次に、上述した第1実施形態と異なる第2実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、第2実施形態に係る多機能機1は、第1実施形態に係る多機能機1と同一の基本的構成を有しており、スキャナユニット10におけるキャリッジ及びホルダ部材の構成が相違する。従って、第1実施形態と同一の構成に関する説明は省略する。
【0047】
第2実施形態に係るキャリッジ(以下、「第2キャリッジ40」と記す)と、ホルダ部材45の構成について、図6、及び図7を参照しつつ詳細に説明する。第2キャリッジ40は、上述した第1キャリッジ30と同様に、イメージセンサ20を下方から支持すると共に、スライド軸25に沿って副走査方向へスライド移動可能にイメージセンサ20を保持している。
【0048】
図6、及び図7に示すように、第2キャリッジ40は、センサ収納部41と、スプリング取付部42と、を備えている。第2キャリッジ40は、多機能機1の前後方向に長辺を有している。センサ収納部41は、開口部41Aを有している。センサ収納部41の構成については、第1実施形態における第1キャリッジ30のセンサ収納部31と同様である。従って、センサ収納部41及び開口部41Aの構成に関する説明は省略する。
【0049】
又、スプリング取付部42は、第2キャリッジ40の長手方向において、多機能機1の前方側に位置する端部に形成されている。スプリング取付部42は、ホルダ部材45及びスプリング46を取り付け可能に構成されている。図7に示すように、スプリング取付部42は、多機能機1の副走査方向において、センサ収納部41の左辺においてセンサ収納部41と隣接している。
【0050】
第2実施形態におけるホルダ部材45は、第1実施形態と同様に、センサ収納部41内に収納されたイメージセンサ20を下方から支持する。ホルダ部材45は、スプリング取付部42との間に、スプリング46を保持する部材である。ここで、ホルダ部材45は、図6、及び図7に示すように、センサ支持部45Aと、被付勢部45Bと、係止フック45Cと、回動保持部45Dとを有している。センサ支持部45Aについては、上述した第1キャリッジ30のセンサ支持部35Aと同様の構成である為、その説明は省略する。
【0051】
そして、第2実施形態に係るホルダ部材45において、被付勢部45Bは、上方が開放された凹状に形成されたセンサ支持部45Aの左側に位置する上端部分から、センサ支持部45Aに対して外側方向へ水平に延出して形成されている。被付勢部45Bは、スプリング取付部42に取り付けられたスプリング46の端部を保持する。図7に示すように、被付勢部45Bは、ホルダ部材45が第2キャリッジ40に取り付けられた場合、スプリング取付部42の上方に位置する。被付勢部45Bは、スプリング取付部42に保持されたスプリング46によって、上方に向かって付勢される。
【0052】
係止フック45Cは、被付勢部35Bの左側端縁から下方に延びるフックである。係止フック45Cは、下端部に更に外側へ突出する爪部を有している。そして、係止フック45Cは、第2キャリッジ40に形成された被係合孔41Bと係合することにより、ホルダ部材45が第2キャリッジ40から外れることのないようにホルダ部材45を保持する機能を果たす。
【0053】
図7に示すように、回動保持部45Dは、センサ支持部45Aの右側に位置する上端部分から、センサ支持部45Aに対して外側方向へ延出して形成されている。回動保持部45Dは、ホルダ部材45を、回動保持部45Dを中心として、第2キャリッジ40に対して上方へ回動可能に保持する。
【0054】
スプリング46は、ホルダ部材45の被付勢部45Bと、スプリング取付部42との間に配設されている。スプリング46の上端は被付勢部45Bの下面と当接する。スプリング46の下端はスプリング取付部42に保持されている。図7に示すように、スプリング46の上端は、コンタクトガラス16よりも下方であり、センサ収納部41に収納されたイメージセンサ20の下面よりも上方に位置している。又、スプリング46の下端が保持されるスプリング取付部42は、センサ収納部41内の前記イメージセンサ20下面よりも上方に位置している。従って、スプリング46は、ホルダ部材45の被付勢部45Bと、スプリング取付部42との間において、ホルダ部材45と共に、イメージセンサ20を上方へ付勢し得る。
【0055】
以上説明したように、第2実施形態における多機能機1においては、第2キャリッジ40の端部側において、ホルダ部材45の被付勢部45Bは、センサ収納部41内のイメージセンサ20の読取面21の左辺側において、イメージセンサ20の読取面21と隣接している。そして、被付勢部45Bとスプリング取付部42との間において、スプリング46は、ホルダ部材45の被付勢部45Bを上方に付勢する。又、ホルダ部材45は、センサ支持部45Aの右側部分に形成された回動保持部45Dによって、回動保持部45Dを中心として回動可能に保持されている。ここで、イメージセンサ20は、ホルダ部材45のセンサ支持部45Aによって下方から支持されている。よって、イメージセンサ20は、ホルダ部材45の被付勢部45Bに対して、スプリング46の付勢力が作用されることにより、コンタクトガラス16に向かって付勢される。
【0056】
図7に示すように、第2実施形態においても、スプリング46は、イメージセンサ20の下面と、センサ収納部41との間に位置することはない。従って、多機能機1は、イメージセンサ20及び第2キャリッジ40における上下寸法を小さくすることができる。又、スプリング46は、イメージセンサ20の読取面21に対して副走査方向に隣接している被付勢部45Bを介して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16に付勢している。従って、多機能機1は、第2キャリッジ40において、センサ収納部41に対して副走査方向に隣接するスペースを活用して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16側に付勢し得る。即ち、多機能機1は、イメージセンサ20をコンタクトガラス16に向かって付勢しつつ、上下方向における装置の小型化に対応し得る。
【0057】
(第3実施形態)
続いて、上述した第1実施形態、及び第2実施形態と異なる第3実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、第3実施形態に係る多機能機1は、第1実施形態、及び第2実施形態に係る多機能機1と同一の基本的構成を有しており、スキャナユニット10におけるキャリッジ及びホルダ部材の構成が相違する。従って、第1実施形態、及び第2実施形態と同一の構成に関する説明は省略し、これらの相違点についてのみ、図面を参照しつつ説明する。
【0058】
第3実施形態に係るキャリッジ(以下、「第3キャリッジ50」と記す)と、第1ホルダ部材55と、第2ホルダ部材56との構成について、図8等を参照しつつ詳細に説明する。第3キャリッジ50は、上述した第1キャリッジ30、及び第2キャリッジ40と同様に、イメージセンサ20を下方から支持すると共に、スライド軸25に沿って副走査方向へスライド移動可能にイメージセンサ20を保持している。
【0059】
図8に示すように、第3キャリッジ50は、センサ収納部51と、第1スプリング取付部52と、第2スプリング取付部53と、を備えている。第3キャリッジ50は、多機能機1の前後方向に長辺を有している。尚、センサ収納部51の構成については、第1実施形態における第1キャリッジ30のセンサ収納部31と同様である。従って、センサ収納部51の構成に関する説明は省略する。
【0060】
又、第1スプリング取付部52は、第3キャリッジ50の長手方向において、多機能機1の前方側に位置する端部に形成されている。第1スプリング取付部52は、第1ホルダ部材55及びスプリング57を取り付け可能に構成されている。図8に示すように、第1スプリング取付部52は、多機能機1の副走査方向において、センサ収納部51を介して相互に対向する位置でセンサ収納部51と隣接している。
【0061】
そして、第2スプリング取付部53は、第3キャリッジ50の長手方向において、多機能機1の後方側に位置する端部に形成されている。第2スプリング取付部53は、第2ホルダ部材56及びスプリング57を取り付け可能に構成されている。図8に示すように、第2スプリング取付部53は、多機能機1の副走査方向において、センサ収納部51を介して相互に対向する位置でセンサ収納部51と隣接している。
【0062】
第3実施形態においては、第1ホルダ部材55及び第2ホルダ部材56は、夫々、イメージセンサ20の長手方向の端部において、センサ収納部51内に収納されたイメージセンサ20を下方から支持する。第1ホルダ部材55及び第2ホルダ部材56は、第1スプリング取付部52、第2スプリング取付部53との間に、夫々、スプリング57を保持する部材である。
【0063】
第1ホルダ部材55は、第1実施形態に係るホルダ部材35と同様に、センサ支持部と、被付勢部55Aと、係止フックとを有している。又、第2ホルダ部材56は、第1実施形態に係るホルダ部材35と同様に、センサ支持部と、被付勢部56Aと、係止フックとを有している。
【0064】
尚、第1ホルダ部材55及び第2ホルダ部材56の構成については、上述した第1実施形態に係るホルダ部材35と同様であるため、その説明は省略する。更に、第1スプリング取付部52における第1ホルダ部材55の取付態様、及び第2スプリング取付部53における第2ホルダ部材56の取付態様についても、第1実施形態において、図5を参照しつつ説明したスプリング取付部32に対するホルダ部材35の取付態様と同一である。従って、この点に関する説明についても省略する。
【0065】
以上説明したように、第3実施形態における多機能機1においては、主走査方向における第3キャリッジ50の両端部側において、第1ホルダ部材55の被付勢部55A、及び第2ホルダ部材56の被付勢部56Aは、センサ収納部51内のイメージセンサ20の読取面21に対して、左右方向に隣接している。そして、被付勢部55Aと第1スプリング取付部52の間において、スプリング57は、第1ホルダ部材55の被付勢部55Aを上方に付勢する。又、被付勢部56Aと第2スプリング取付部53の間において、スプリング57は、第2ホルダ部材56の被付勢部56Aを上方に付勢する。
【0066】
ここで、イメージセンサ20は、第1ホルダ部材55及び第2ホルダ部材56のセンサ支持部によって下方から支持されている。よって、イメージセンサ20は、第1ホルダ部材55及び第2ホルダ部材56に対して、スプリング57の付勢力が作用されることにより、コンタクトガラス16に向かって付勢される。つまり、第3実施形態においては、イメージセンサ20の主走査方向における両端部において、第1ホルダ部材55及び第2ホルダ部材56を介して、スプリング57の付勢力がイメージセンサ20に作用する。その為、多機能機1は、イメージセンサ20の主走査方向に関して、最適な状態、即ち、水平を保った状態で、イメージセンサ20をコンタクトガラス16へ付勢し得る。
【0067】
そして、第3実施形態においても、スプリング57は、イメージセンサ20の下面と、センサ収納部51との間に位置することはない。従って、多機能機1は、イメージセンサ20及び第3キャリッジ50における上下寸法を小さくすることができる。又、スプリング57は、イメージセンサ20の読取面21に対して副走査方向に隣接している被付勢部55A及び被付勢部56Aを介して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16に付勢している。従って、多機能機1は、第3キャリッジ50において、センサ収納部51に対して副走査方向に隣接するスペースを活用して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16側に付勢し得る。即ち、多機能機1は、イメージセンサ20をコンタクトガラス16に向かって付勢しつつ、上下方向における装置の小型化に対応し得る。
【0068】
又、図8に示すように、第1ホルダ部材55における2つの被付勢部55A、及び第2ホルダ部材56における2つの被付勢部56Aは、夫々、センサ収納部51内のイメージセンサ20の読取面21に対して、左右方向に隣接している。2つの被付勢部55A、及び2つの被付勢部56Aは、夫々、スプリング57によって、上方へ付勢される。即ち、多機能機1によれば、イメージセンサ20に対して、スプリング57の付勢力を左右方向にバランス良く作用させ得る。従って、イメージセンサ20の読取面21を、副走査方向に関しても適正な状態、即ち、水平を保った状態でコンタクトガラス16側へ付勢し得る。
【0069】
(第4実施形態)
次に、上述した第1実施形態〜第3実施形態と異なる第4実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、第4実施形態に係る多機能機1は、第1実施形態〜第3実施形態に係る多機能機1と同一の基本的構成を有しており、スキャナユニット10におけるキャリッジ及びホルダ部材の構成が相違する。従って、第1実施形態〜第3実施形態と同一の構成に関する説明は省略し、これらの相違点についてのみ、図面を参照しつつ説明する。
【0070】
第4実施形態に係るキャリッジ(以下、「第4キャリッジ60」と記す)と、ホルダ部材65の構成について、図9等を参照しつつ詳細に説明する。第4キャリッジ60は、上述した第1キャリッジ30、第2キャリッジ40、及び第3キャリッジ50と同様に、イメージセンサ20を下方から支持する。第4キャリッジ60は、スライド軸25に沿って副走査方向へスライド移動可能にイメージセンサ20を保持している。
【0071】
図9に示すように、第4キャリッジ60は、センサ収納部61と、スプリング取付部62と、を備えている。第4キャリッジ60は、多機能機1の前後方向に長辺を有している。尚、センサ収納部61の構成については、第1実施形態における第1キャリッジ30のセンサ収納部31と同様である。従って、センサ収納部61の構成に関する説明は省略する。
【0072】
又、スプリング取付部62は、第4キャリッジ60の長手方向における中央部分に形成されている。スプリング取付部62は、ホルダ部材65及びスプリング66を取り付け可能に構成されている。図9に示すように、スプリング取付部62は、多機能機1の副走査方向において、センサ収納部61を介して相互に対向する位置で、センサ収納部61と隣接している。
【0073】
第4実施形態においては、ホルダ部材65は、夫々、イメージセンサ20の長手方向中央部分において、センサ収納部61内に収納されたイメージセンサ20を下方から支持する。ホルダ部材65は、スプリング取付部62との間に、スプリング66を保持する部材である。ホルダ部材65は、第1実施形態に係るホルダ部材35と同様に、センサ支持部と、被付勢部65Aと、係止フックとを有している。
【0074】
尚、ホルダ部材65の構成は、上述した第1実施形態に係るホルダ部材35と同様であるため、その説明は省略する。更に、スプリング取付部62におけるホルダ部材65の取付態様についても、第1実施形態において、図5を参照しつつ説明したスプリング取付部32に対するホルダ部材35の取付態様と同一である。従って、この点に関する説明についても省略する。
【0075】
以上説明したように、第4実施形態における多機能機1においては、主走査方向における第4キャリッジ60の中央部分において、ホルダ部材65の被付勢部65Aは、センサ収納部61内のイメージセンサ20の読取面21に対して、左右方向に隣接している。そして、被付勢部65Aとスプリング取付部62の間において、スプリング66は、ホルダ部材65の被付勢部65Aを上方に付勢する。ここで、イメージセンサ20は、ホルダ部材65のセンサ支持部によって下方から支持されている。よって、イメージセンサ20は、ホルダ部材65に対して、スプリング66の付勢力が作用されることにより、コンタクトガラス16に向かって付勢される。つまり、第4実施形態においては、イメージセンサ20の主走査方向における中央部において、ホルダ部材65を介して、スプリング66の付勢力がイメージセンサ20に作用する。その為、多機能機1は、少ない部品点数で、比較的水平を保ちつつ、イメージセンサ20をコンタクトガラス16へ付勢し得る。
【0076】
そして、第4実施形態においても、スプリング66は、イメージセンサ20の下面と、センサ収納部61との間に位置することはない。従って、多機能機1は、イメージセンサ20及び第4キャリッジ60における上下寸法を小さくすることができる。又、スプリング66は、イメージセンサ20の読取面21に対して副走査方向に隣接している被付勢部65Aを介して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16に付勢している。従って、多機能機1は、第4キャリッジ60において、センサ収納部61に対して副走査方向に隣接するスペースを活用して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16側に付勢し得る。即ち、多機能機1は、イメージセンサ20をコンタクトガラス16に向かって付勢しつつ、上下方向における装置の小型化に対応し得る。
【0077】
又、図9に示すように、ホルダ部材65における2つの被付勢部65Aは、センサ収納部61内のイメージセンサ20の読取面21に対して、左右方向に隣接している。2つの被付勢部65Aは、スプリング66によって、上方へ付勢される。即ち、多機能機1によれば、イメージセンサ20に対して、スプリング66の付勢力を左右方向にバランス良く作用させ得る。よって、イメージセンサ20の読取面21を、副走査方向に関して適正な状態、即ち、水平を保った状態でコンタクトガラス16側へ付勢し得る。
【0078】
(第5実施形態)
次に、上述した第1実施形態〜第4実施形態と異なる第5実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、第5実施形態に係る多機能機1は、第1実施形態〜第4実施形態に係る多機能機1と同一の基本的構成を有しており、スキャナユニット10におけるキャリッジ及びホルダ部材の構成が相違する。従って、第1実施形態〜第4実施形態と同一の構成に関する説明は省略し、これらの相違点についてのみ、図面を参照しつつ説明する。
【0079】
第5実施形態に係るキャリッジ(以下、「第5キャリッジ70」と記す)と、ホルダ部材75の構成について、図10、及び図11を参照しつつ詳細に説明する。第5キャリッジ70は、上述した第1キャリッジ30と同様に、イメージセンサ20を下方から支持する。第5キャリッジ70は、スライド軸25に沿って副走査方向へスライド移動可能にイメージセンサ20を保持している。
【0080】
図10、及び図11に示すように、第5キャリッジ70は、センサ収納部71と、スプリング取付部72と、を備えている。第5キャリッジ70は、多機能機1の前後方向に長辺を有している。センサ収納部71は、開口部71Aと、被係合孔71Bとを有している。センサ収納部71の構成については、第1実施形態における第1キャリッジ30のセンサ収納部31と同様である。従って、センサ収納部71の構成に関する説明は省略する。
【0081】
又、スプリング取付部72は、第5キャリッジ70の長手方向において、多機能機1の前方側に位置する端部に形成されている。スプリング取付部72は、ホルダ部材75及びスプリング76を取り付け可能に構成されている。図10、及び図11に示すように、スプリング取付部72は、多機能機1の副走査方向において、センサ収納部71を介して相互に対向する位置で、センサ収納部71と隣接している。
【0082】
第5実施形態においては、ホルダ部材75は、イメージセンサ20長手方向における中前側端部において、センサ収納部71内に収納されたイメージセンサ20を下方から支持する。ホルダ部材75は、スプリング取付部72との間に、スプリング76を保持する部材である。図11に示すように、ホルダ部材75は、センサ支持部75Aと、被付勢部75Bと、係止フック75Cと、スペーサーリブ75Dとを有している。
【0083】
尚、ホルダ部材75におけるセンサ支持部75Aと、被付勢部75Bと、係止フック75Cとの構成は、夫々、上述した第1実施形態に係るホルダ部材35のセンサ支持部35Aと、被付勢部35Bと、係止フック35Cと同様であるため、その説明は省略する。更に、スプリング取付部72におけるホルダ部材75の取付態様についても、第1実施形態において、図5を参照しつつ説明したスプリング取付部32に対するホルダ部材35の取付態様と同一である。従って、この点に関する説明についても省略する。
【0084】
図10、及び図11に示すように、スペーサーリブ75Dは、被付勢部35Bの上面において、コンタクトガラス16に向かって、上方へ突出するリブである。スプリング76の付勢力によって、ホルダ部材75が上方へ移動した場合、スペーサーリブ75Dの上端は、コンタクトガラス16の下面と当接する。即ち、第5実施形態に係る多機能機1によれば、スペーサーリブ75Dによって、ホルダ部材75により保持されたイメージセンサ20の読取面21と、コンタクトガラス16の下面との距離を、スペーサーリブ75Dの突出量に基づく一定の距離に保ち得る。この結果、多機能機1は、コンタクトガラス16上の原稿と、イメージセンサ20の読取面21の距離を適正に保つことができるので、スキャナユニット10による読取品質を維持し得る。
【0085】
そして、スプリング76は、ホルダ部材75の被付勢部75Bと、スプリング取付部72との間に配設されている。スプリング76の上端は被付勢部75Bの下面と当接する。スプリング76の下端はスプリング取付部72に保持されている。図11に示すように、スプリング76の上端は、コンタクトガラス16よりも下方であり、センサ収納部71に収納されたイメージセンサ20の下面よりも上方に位置している。又、スプリング76の下端が保持されるスプリング取付部72は、センサ収納部71内の前記イメージセンサ20下面よりも上方に位置している。従って、スプリング76は、ホルダ部材75の被付勢部75Bと、スプリング取付部72の間において、ホルダ部材75と共に、イメージセンサ20を上方へ付勢し得る。
【0086】
以上説明したように、第5実施形態における多機能機1においては、第5キャリッジ70の端部側において、ホルダ部材75を構成する2つの被付勢部75Bは、センサ収納部71内のイメージセンサ20の読取面21に対して、左右方向に隣接している。そして、各被付勢部75Bとスプリング取付部72の間において、スプリング76は、ホルダ部材75の被付勢部75Bを上方に付勢する。ここで、イメージセンサ20は、ホルダ部材75のセンサ支持部75Aによって下方から支持されている。よって、イメージセンサ20は、ホルダ部材75の被付勢部75Bに対して、スプリング76の付勢力が作用されることにより、コンタクトガラス16に向かって付勢される。
【0087】
図11に示すように、第5実施形態においては、スプリング76は、イメージセンサ20の下面と、センサ収納部71との間に位置することはない。従って、多機能機1は、イメージセンサ20及び第5キャリッジ70における上下寸法を小さくすることができる。又、スプリング76は、イメージセンサ20の読取面21に対して副走査方向に隣接している被付勢部75Bを介して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16に付勢している。従って、多機能機1は、第5キャリッジ70において、センサ収納部71に対して副走査方向に隣接するスペースを活用して、イメージセンサ20をコンタクトガラス16側に付勢し得る。即ち、多機能機1は、イメージセンサ20をコンタクトガラス16に向かって付勢しつつ、上下方向における装置の小型化に対応し得る。
【0088】
又、図10、及び図11に示すように、ホルダ部材75を構成する2つの被付勢部75Bは、センサ収納部71内のイメージセンサ20の読取面21に対して、左右方向に隣接している。2つの被付勢部75Bは、スプリング76によって、上方へ付勢される。更に、各被付勢部75Bは、夫々、その上面にスペーサーリブ75Dを有している。従って、多機能機1によれば、イメージセンサ20に対して、スプリング36の付勢力を左右方向にバランス良く作用させることができる。更に、多機能機1においては、スペーサーリブ75Dによって、イメージセンサ20の読取面21と、コンタクトガラス16下面との距離を一定に保ち得る。よって、イメージセンサ20の読取面21を、適正な状態、即ち、水平を保った状態でコンタクトガラス16側へ付勢し得る。
【0089】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、スキャナ機能、コピー機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能を有する多機能機1を例として挙げていた。しかし、本発明は、この態様に限定されるものではない。少なくとも、フラットベットタイプのスキャナユニットを有していれば良く、スキャナ装置に適用することも可能であるし、コピー機に適用することも可能である。
【0090】
又、上述した実施形態においては、被付勢部は、イメージセンサの読取面に対して、副走査方向に隣接するように位置していたが、この態様に限定されるものではない。即ち、被付勢部が、イメージセンサの読取面に対して、主走査方向に隣接するように位置する構成であってもよい。
【0091】
更に、上述した実施形態においては、ホルダ部材の被付勢部を、スプリングによって上方へ付勢することにより、ホルダ部材によって支持されたイメージセンサを、コンタクトガラスに向かって付勢していたが、この態様に限定されるものではない。例えば、イメージセンサの側面上部において、イメージセンサの外側方向へ水平に延出した被付勢部を形成しても良い。この場合、イメージセンサと一体に形成された被付勢部に、スプリングの付勢力を作用させることで、イメージセンサをコンタクトガラス側へ付勢してもよい。
【0092】
つまり、本発明における被付勢部は、イメージセンサの読取面に隣接する位置において、付勢部材の付勢力を受け、その付勢力を、イメージセンサをコンタクトガラス側に付勢するように作用させるものであればよい。従って、本発明における被付勢部には、上述のように、被付勢部がイメージセンサと一体に形成されている場合も含まれる。尚、上述した各実施形態のように、被付勢部が、イメージセンサとは別の部材に形成されている場合も含まれることは勿論である。
【0093】
そして、上述した実施形態においては、キャリッジの長手方向における端部若しくは中央部分において、スプリング取付部を形成し、ホルダ部材及びスプリングを取り付けていた。これにより、イメージセンサ20をコンタクトガラス16側へ付勢する構成であったが、この態様に限定されるものではない。例えば、キャリッジの長手方向における両端部及び中央部の3箇所に、スプリング取付部を形成し、ホルダ部材及びスプリングを取り付けることで、イメージセンサ20をコンタクトガラス16側へ付勢する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 多機能機
10 スキャナユニット
16 コンタクトガラス
20 イメージセンサ
21 読取面
25 スライド軸
30 第1キャリッジ
31 センサ収納部
32 スプリング取付部
35 ホルダ部材
35A センサ支持部
35B 被付勢部
35C 係止フック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体筐体の上面に配設され、原稿がセットされるコンタクトガラスと、
前記コンタクトガラスの下方に位置し、前記コンタクトガラス上の原稿から画像を読み取る為の読取面を、前記コンタクトガラス側に有するイメージセンサと、
前記コンタクトガラス側が開放された凹状に形成されたセンサ収納部に、前記イメージセンサを収納しつつ支持するキャリッジと、
前記キャリッジをスライド移動可能に支持するレール部材と、
前記イメージセンサの読取面に隣接する被付勢部を介して、前記イメージセンサを、前記コンタクトガラス側に付勢する付勢部材と、を有し、
前記付勢部材の上端は、前記コンタクトガラスの下方であり、前記イメージセンサの下面よりも上方に位置する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像読取装置であって、
前記被付勢部は、前記コンタクトガラスの読取面に隣接しつつ、且つ、相互に対向する2箇所に位置し、
前記付勢部材は、前記2箇所の被付勢部を介して、前記イメージセンサをコンタクトガラス側に付勢する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の画像読取装置であって、
前記キャリッジは、
前記被付勢部の下方であって、前記付勢部材の下端部が取り付けられる取付部を有し、
前記取付部は、
前記センサ収納部に収納された前記イメージセンサの下面よりも、前記コンタクトガラス側に位置する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の画像読取装置であって、
前記イメージセンサと前記キャリッジの間において、上下動可能に配設され、前記イメージセンサの下面と当接するホルダ部材と、を有し、
前記ホルダ部材は、
前記コンタクトガラス側が開放された凹状に形成され、前記イメージセンサの下面と当接して、イメージセンサを支持する支持凹部と、
前記支持凹部におけるコンタクトガラス側の端縁から、前記支持凹部の外側に向かって延出された前記被付勢部と、を有する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像読取装置であって、
前記ホルダ部材は、
前記付勢部材の付勢力によって、コンタクトガラス側へ所定量移動した場合に、前記キャリッジに形成された被係合部と係合する係合フックを有する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載の画像読取装置であって、
前記イメージセンサは、
前記レール部材に従ったスライド移動方向に直交する第1方向に長辺を有し、
前記第1方向における前記イメージセンサの端部の内、少なくとも一方に位置する前記被付勢部を介して、前記コンタクトガラス側に付勢されている
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れかに記載の画像読取装置であって、
前記イメージセンサは、
前記レール部材に従ったスライド移動方向に直交する第1方向に長辺を有し、
前記第1方向における前記イメージセンサの中央部分に位置する前記被付勢部を介して、前記コンタクトガラス側に付勢されている
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7の何れかに記載の画像読取装置であって、
前記被付勢部は、
前記コンタクトガラスの下面と前記被付勢部の上面との間に設けられ、前記コンタクトガラスの下面と当接するスペーサを有する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項1】
本体筐体の上面に配設され、原稿がセットされるコンタクトガラスと、
前記コンタクトガラスの下方に位置し、前記コンタクトガラス上の原稿から画像を読み取る為の読取面を、前記コンタクトガラス側に有するイメージセンサと、
前記コンタクトガラス側が開放された凹状に形成されたセンサ収納部に、前記イメージセンサを収納しつつ支持するキャリッジと、
前記キャリッジをスライド移動可能に支持するレール部材と、
前記イメージセンサの読取面に隣接する被付勢部を介して、前記イメージセンサを、前記コンタクトガラス側に付勢する付勢部材と、を有し、
前記付勢部材の上端は、前記コンタクトガラスの下方であり、前記イメージセンサの下面よりも上方に位置する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像読取装置であって、
前記被付勢部は、前記コンタクトガラスの読取面に隣接しつつ、且つ、相互に対向する2箇所に位置し、
前記付勢部材は、前記2箇所の被付勢部を介して、前記イメージセンサをコンタクトガラス側に付勢する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の画像読取装置であって、
前記キャリッジは、
前記被付勢部の下方であって、前記付勢部材の下端部が取り付けられる取付部を有し、
前記取付部は、
前記センサ収納部に収納された前記イメージセンサの下面よりも、前記コンタクトガラス側に位置する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の画像読取装置であって、
前記イメージセンサと前記キャリッジの間において、上下動可能に配設され、前記イメージセンサの下面と当接するホルダ部材と、を有し、
前記ホルダ部材は、
前記コンタクトガラス側が開放された凹状に形成され、前記イメージセンサの下面と当接して、イメージセンサを支持する支持凹部と、
前記支持凹部におけるコンタクトガラス側の端縁から、前記支持凹部の外側に向かって延出された前記被付勢部と、を有する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像読取装置であって、
前記ホルダ部材は、
前記付勢部材の付勢力によって、コンタクトガラス側へ所定量移動した場合に、前記キャリッジに形成された被係合部と係合する係合フックを有する
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載の画像読取装置であって、
前記イメージセンサは、
前記レール部材に従ったスライド移動方向に直交する第1方向に長辺を有し、
前記第1方向における前記イメージセンサの端部の内、少なくとも一方に位置する前記被付勢部を介して、前記コンタクトガラス側に付勢されている
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れかに記載の画像読取装置であって、
前記イメージセンサは、
前記レール部材に従ったスライド移動方向に直交する第1方向に長辺を有し、
前記第1方向における前記イメージセンサの中央部分に位置する前記被付勢部を介して、前記コンタクトガラス側に付勢されている
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7の何れかに記載の画像読取装置であって、
前記被付勢部は、
前記コンタクトガラスの下面と前記被付勢部の上面との間に設けられ、前記コンタクトガラスの下面と当接するスペーサを有する
ことを特徴とする画像読取装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−81027(P2013−81027A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219220(P2011−219220)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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