説明

画面表示制御装置及びこれを備える機器

【課題】ショートカット機能専用キーを設けることなく、ショートカット機能を実現する。
【解決手段】階層構造の下位にある下位画面300−1〜300−5を表示している状態でホームキーが操作された場合に、階層構造の上位にあるホーム画面100を表示するとともに、ホームキーが操作された時点の下位画面300−3を特定するためのデータをホームキーに関連づけて記憶する。ホーム画面100を表示している状態でホームキーが操作された場合に、記憶されているデータに基づいて下位画面300−3を表示することで、ホーム画面100から下位画面300−3にショートカットする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画面表示制御装置、特に階層構造の画面表示を制御する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種機器には通常、ホーム(Home)画面とメニュー(Menu)画面が存在する。機器の起動時には最上位階層の画面としてホーム画面が表示され、キーを操作することで下位階層の画面として種々のメニュー画面が表示される。そして、下位階層の種々のメニュー画面を表示している状態でホーム(Home)キーを操作すると、その画面から最上位階層のホーム画面に戻ることができる。
【0003】
下記の特許文献1には、階層化された複数のメニュー画面の1つが表示されている状態で、調整スイッチ群のチェックボタンが操作された場合に、表示中のメニュー画面をショートカットメニューとしてメモリに記憶し、メニュー画面が非表示の状態でファンクションボタンが押下された場合に、メモリにショートカットメニューが記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合にはメモリに記憶されているメニュー画面を表示し、記憶されていない場合には最上位階層のメニュー画面を表示する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、ショートカットキーが押下されたときに複数のサブメニュー画面のいずれか1つが表示中であるか否かを判定し、判定結果が肯定的(表示中)である場合には表示中のサブメニュー画面の識別子をショートカットメニューとしてテーブルに登録し、判定結果が否定的(非表示中)である場合には、ショートカットメニューの選択画面を表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−101172号公報
【特許文献2】特開2007−249451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このショートカットキーに特定の画面を割り当てて、任意の画面が表示されている状態でこのショートカットキーを押下することで特定の画面に直ちに移行することができるのはユーザ操作性を向上させるものであるが、機器にショートカットキーを新たに設ける必要がある。最近では、機器の小型化、高機能化が一段と進み、限られたスペースに各種の操作キーを配置することが求められており、ショートカットキー等の特別なキーを設けることなく、ショートカット機能を実現できることが望まれている。さらに、仮にショートカットキー等のショートカット機能専用のキーを機器に設けたとしても、その機能をあまり使用しないユーザにとっては無用のキーとなってしまう。
【0007】
本発明は、ショートカット機能専用のキーを設けることなく、ショートカット機能を簡易に実現できる装置及び機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ホーム画面と、ホーム画面より下位階層の複数の非ホーム画面を表示する画面表示制御装置であって、前記非ホーム画面を表示している状態でホームキーが操作された場合に、前記ホーム画面を表示するとともに、前記非ホーム画面を特定するための識別子を記憶する手段と、前記ホーム画面を表示している状態で前記ホームキーが操作された場合に、記憶されている前記識別子で特定される非ホーム画面を表示する手段を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、階層構造の画面を順次、表示部に表示する画面表示制御装置であって、階層構造の下位にある下位画面を表示している状態でホームキーが操作された場合に、階層構造の上位にあるホーム画面を表示するホーム画面表示手段と、前記ホームキーが操作された時点の前記下位画面を特定するためのデータを前記ホームキーに関連づけて記憶する記憶手段と、前記ホーム画面を表示している状態で前記ホームキーが操作された場合に、前記記憶手段に記憶されている前記データに基づいて前記下位画面を表示することで、前記ホーム画面から前記下位画面にショートカットする制御手段を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、ホームキーと、表示部と、前記ホームキーの操作に応じ、前記表示部に画面を表示する上記の画面表示制御装置とを備える機器である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ホームキーをショートカット機能を有するキーとして兼用することができる。従って、ショートカット機能専用キーを新たに設ける必要がない。また、本発明では、ホームキーはホーム画面においてショートカット機能を実行することになるので、ホームキーの利用効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態における機器の構成ブロック図である。
【図2】実施形態における機器の平面図である。
【図3】実施形態の画面遷移説明図である。
【図4】実施形態の画面遷移説明図である。
【図5】実施形態の処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について、機器としてポータブルデジタルレコーダを例にとり説明する。
【0014】
図1に、本実施形態におけるデジタルレコーダの構成ブロック図を示す。デジタルレコーダは、MP3フォーマットでエンコードされ圧縮されたオーディオデータを記憶するフラッシュメモリ16を有する。フラッシュメモリ16に記憶されたMP3オーディオデータはメモリコントローラ18で読み出されてデジタルデータ処理回路22に供給される。MP3でエンコードされたオーディオデータを再生する装置はMP3プレーヤとして公知である。
【0015】
デジタルデータ処理回路22は、ROM10、RAM12及びCPU14を有する。CPU14は、エフェクト処理部59、デジタルデータ合成部63、MP3デコード部70及びMP3エンコード部72を有する。MP3デコード部70及びMP3エンコード部72は専用のハードウェア回路で構成してもよく、ソフトウェアで構成してもよい。また、エフェクト処理部59やデジタルデータ合成部63はミキシング処理時に必要であるが、単に音声データを録音する場合にはこれらの部材は必ずしも必要でない。
【0016】
メモリコントローラ18でフラッシュメモリ16から読み出されたMP3オーディオデータは、CPU14のMP3デコード部70に供給される。MP3デコード部70は、MP3オーディオデータをデコードしてデジタルデータ合成部63に供給する。MP3デコード部70でのデコード処理は、ROM10に予め記憶されているシステムプログラムにサブルーチンとして含まれるMP3デコードプログラムに従って実行される。デコードされたオーディオデータは、さらに操作部23からの操作信号に応じ、デジタルデータ合成部63に供給される。
【0017】
また、デジタルレコーダの所定位置に設けられた指向性あるいは無指向性のマイクロフォンから入力された音声データは、ADC26でデジタルデータに変換された後、デジタルデータ処理回路22に供給される。デジタルデータ処理回路22のCPU14は、操作部23からの操作信号に応じ、エフェクト処理部59でエフェクト処理を施してデジタルデータ合成部63に供給する。デジタルデータ合成部63は、デコードしたオーディオデータとエフェクト処理された音声データとを合成してDAC27に供給し、DAC27でアナログ信号に変換して外部に出力する。これにより、MP3オーディオデータに、外部音声データが合成されて出力されることとなり、ユーザは例えば再生オーディオ信号に併せて楽器等を演奏し、ミキシングして再生することができる。デジタルデータ合成部63からの合成データは、DAC27に出力するとともにMP3エンコード部72に供給してもよい。ミキシング処理を行わない場合、マイクロフォンから入力された音声データは、ADC26でデジタルデータに変換された後、MP3エンコード部72に供給される。
【0018】
MP3エンコード部72は、音声データ、あるいはミキシングする場合の合成データをMP3方式でエンコードし、エンコードしたデータをフラッシュメモリ16に記憶する。MP3エンコード部72でのエンコード処理は、MP3デコード部70と同様にROM10に予め記憶されているシステムプログラムにサブルーチンとして含まれるMP3エンコードプログラムに従って実行される。
【0019】
なお、MP3フォーマットでの録音は一例であり、他のフォーマット、例えばwavフォーマットで録音してもよい。また、MP3フォーマットとwavフォーマットのいずれにも対応し、ユーザの操作部23からの操作に従っていずれかのフォーマットで録音してもよい。また、指向性あるいは無指向性のマイクロフォンから入力された音声データを2チャンネルのステレオ録音としてもよい。
【0020】
デジタルレコーダは、外部のコンピュータ(PC)とUSBで接続可能であり、メモリコントローラ18を介して外部のPCからフラッシュメモリ16にアクセスすることができる。すなわち、PCに接続すると、フラッシュメモリ16はUSB大容量記憶容量デバイスとして認識され、PCを用いてファイル転送やコピー、ファイル名の変更、削除等が可能である。
【0021】
表示部24には、デジタルレコーダの状態を示す各種画面が表示される。具体的には、最上位階層の画面であるホーム(Home)画面や、下位階層の画面である各種メニュー画面である。各種メニュー画面には、デジタルデコーダの機能を設定するための機能メニュー画面がある。ユーザは、操作部23を操作することで、デジタルデコーダの操作に必要な画面を表示部24に表示させる。すなわち、CPU14は、操作部23からの操作信号に応じ、ROM10に予め格納されているシステムプログラムに従って操作信号に対応する画面を表示部24に表示する。
【0022】
図2に、デジタルレコーダの外観図(平面図)を示す。デジタルレコーダの上部にはステレオ録音用の指向性マイクロフォン30R、30Lが左右に設けられる。一対のマイクロフォン30R、30Lは回転軸の回りに回転可能に軸支されており、図中矢印方向に回転可能である。すなわち、マイクロフォン30Rは図の位置から反時計方向に略90度まで回転可能であり、マイクロフォン30Lは図の位置から時計方向に略90度まで回転可能である。
【0023】
操作部23として、図示しない電源スイッチ(Power)の他、巻き戻しキー23a、早送りキー23b、ホーム(Home)キー23c、録音(Rec)キー23d、再生(play)キー23e、停止(Stop)キー23f、機能キー23g、設定キー23h、プラス(+)キー23i、マイナスキー(−)23jが設けられる。
【0024】
ホームキー23cは、最上位階層のホーム(Home)画面を表示部24に表示させるためのキーである。デジタルレコーダの電源スイッチをONにしてデジタルデコーダを機動すると、CPU14はまず表示部24にホーム画面を表示する。そして、ホーム画面以外の任意の下位階層の画面を表示部24に表示している状態で、ユーザがホームキー23cを押下すると、CPU14は表示部24に再びホーム画面を表示する。
【0025】
機能キー23gは、下位階層の機能メニュー画面を表示部24に表示させるためのキーである。機能メニュー画面では、ユーザはデジタルレコーダの各種機能がリスト表示され、ユーザは任意の機能を選択する。機能メニューには、リピート機能、フォルダ/ファイル機能、再生スピード機能、ファイル分割機能、ファイル削除機能等がある。
【0026】
設定キー23hは、下位階層の設定メニュー画面を表示部24に表示させるためのキーである。設定メニュー画面では、デジタルレコーダの録音モードやタイマーのON/OFF設定、スピーカーのON/OFF設定等がある。
【0027】
このような構成において、ユーザが再生スピードを所望のスピードに調整する場合を想定する。この場合、ユーザはデジタルレコーダを起動してホーム画面を表示部24に表示させた後、機能キー23gを押下して機能メニュー画面を表示させる。そして、機能メニューから再生スピードを選択し、再生スピード画面において再生スピードのパラメータを調整する。再生スピードの調整が完了した後、ホームキー23cを押下してホーム画面を表示部24に表示させ、その後、再生キー23eを押下して所望の曲を再生する。
【0028】
一方、曲を再生した後、ユーザが再生スピードを再び調整したいと欲する場合、従来からの方法ではホーム画面から再び機能キー23gを押下して機能メニュー画面を表示させた後、再生スピード画面を選択してパラメータを調整しなければならず、操作が煩雑となる。ショートカットキーを設けて再生スピード画面をショートカットキーに割り当てることも可能であるが、ショートカットキーを新たに設ける必要があり、サイズが限定されているポータブルデジタルレコーダに新たにキーを設けることは困難な場合がある。
【0029】
そこで、本実施形態では、新たにショートカットキーを設けることなく、ホームキー23cに着目し、このホームキー23cをショートカットキーとして兼用させる。すなわち、ホームキー23cは本来的にホーム画面以外の画面において押下された場合にはホーム画面に移行させる機能を有するが、ホーム画面において押下された場合において、予めこのホームキー23cにショートカット画面として割り当てられた画面に移行させる機能を持たせる。
【0030】
図3及び図4に、本実施形態における画面遷移を示す。まず、図3において、ユーザが電源スイッチをON(Power ON)にすると、正常に起動するのであれば、最上位階層のホーム画面(再生のホーム画面)100が表示部24に表示される。なお、この時点で開始される再生のホーム画面100には、再生時間や残り時間、再生している曲名等が表示される。
【0031】
ホーム画面100が表示されている状態で、ユーザが設定キー23hを押下すると、設定メニュー画面200が表示部24に表示される。設定メニュー画面200には、録音設定、再生設定、タイマー設定、スピーカー設定、その他の設定項目が表示される。設定メニュー画面200が表示されている状態で、ユーザが巻き戻しキー23aあるいは設定キー23hあるいはホームキー23cを押下すると、再びホーム画面100に戻る。
【0032】
また、ホーム画面100が表示部24に表示されている状態で、ユーザが機能キー23gを押下すると、機能メニュー画面300が表示部24に表示される。機能メニュー画面300には、リピート、フォルダ/ファイル、再生スピード、ファイル分割、ファイル削除の各機能が表示される。機能メニュー画面300が表示されている状態で、ユーザが巻き戻しキー23aあるいは機能キー23gあるいはホームキー23cを押下すると、再びホーム画面に戻る。なお、設定メニュー画面200が表示されている状態で機能キー23gを押下しても機能メニュー画面300が表示され、機能メニュー画面300が表示されている状態で設定キー23hを押下すると設定メニュー画面200が表示される。
【0033】
また、ホーム画面100が表示部24に表示されている状態で、ユーザが録音キー23dを押下すると、録音のホーム画面400が表示部24に表示され、音声データの録音が開始される。録音のホーム画面400には、録音時間や録音レベル、ファイル名等が表示される。録音のホーム画面400が表示されている状態で、ユーザが停止キー23fを押下すると、ホーム画面100に戻る。
【0034】
一方、デジタルレコーダにフラッシュメモリ16のカードが装着されていない状態でユーザが電源スイッチを押下して起動した場合、表示部24にエラー画面500が表示される。この状態でユーザがフラッシュメモリ16のカードを装着すると、正常起動としてホーム画面100が表示部24に表示される。エラー画面500が表示されている状態で、ユーザが設定キー23hを押下すると、設定メニュー200が表示される。一方、ユーザが機能キー23gを押下すると、「カードがありません。」とのメッセージを表示するエラー画面600が表示される。
【0035】
次に、図4を用いてホームキー23cをショートカットキーとして兼用させる場合の画面遷移について説明する。
【0036】
図4において、ホーム画面100が表示されている状態において、ユーザが機能キー23gを押下すると、既述したように機能メニュー画面300が表示される。この状態で、
ユーザが、プラスキー23iまたはマイナスキー23jを押下して機能メニューの各項目を任意に選択し(例えば、カーソルを移動させて所望の項目に合わせる)、早送りキー23bを押下すると、表示部24には、各項目の設定画面300−1〜300−5のうち選択された項目の設定画面が表示される。ここでは、リピート画面300−1、フォルダ/ファイル画面300−2、再生スピード画面300−3、ファイル分割画面300−4、ファイル削除画面300−5を示している。一例として、再生スピード画面300−3では、現在の再生スピード、早く、遅く、オン/オフの各項目が表示される。
【0037】
この画面が表示されている状態で、ユーザが巻き戻しキー23aを押下すると機能メニュー画面300に戻り、ホームキー23cを押下するとホーム画面100に戻る。このとき、CPU14は、ホーム画面100以外でホームキー23cが押下されたことを検知し、ホームキー23cが押下されたときの画面の識別子を記憶し、ショートカット画面として登録しておく。具体的には、ショートカット機能用のフラグに、再生スピード画面の識別子を設定しておく。
【0038】
ホーム画面100に戻った後、ユーザがこのホーム画面100においてホームキー23cを押下すると、CPU14は、ホーム画面100においてホームキー23cが押下されたことを検知し、ホームキー23cをショートカットキーとして機能させるべく、ショートカット機能のフラグの値を参照する。そして、フラグの値を参照してショートカット画面の識別子を取得し、その識別子で特定される画面、この場合には再生スピード画面300−3を表示部24に表示する。したがって、ユーザは、ホーム画面100において単にホームキ−23cを押下するだけで、直ちに再生スピード画面300−3に移行することができる。ホームキー23は、本来的にホーム画面100以外の画面において機能するキーであり、ホーム画面100では使われないキーである。本実施形態では、この事実に着目し、ホーム画面100においてホームキー23cをショートカットキーとして機能させるものであり、従来において使用されていなかったホーム画面100におけるホームキー23cを有効なキーとして機能させたものといえる。ホームキー23cは、ホーム画面100以外では本来の機能(ホーム画面100に復帰させる)を有し、ホーム画面100では登録された画面に直ちに移行するショートカットキーとして機能させることで、キーを新たに追加することなくショートカット機能を実現できる。さらに、ホーム画面100において使用されていなかったホームキー23cを有効に活用することもできる。
【0039】
なお、ショートカット機能のフラグは書き換え可能であり、画面の識別子がフラグに登録された後に別の画面においてホームキー23cが押下された場合、最新の画面の識別子に書き換えられる。例えば、再生スピード画面300−3においてホームキー23cが押下されると、ショートカット機能のフラグに再生スピード画面300−3の識別子が登録され、その後に、リピート画面300−1においてホームキー23cが押下されると、ショートカットキー機能のフラグにはリピート画面300−1の識別子が新たに登録される。
【0040】
このように、フラグの値が書き換え可能であることから、ユーザが種々の画面においてホームキー23cを押下した場合、どの画面がショートカット画面として登録されているのか不明となることも想定される。このため、ショートカット機能のフラグに画面の識別子が登録された場合、その画面を特定するための何らかの目印あるいはマークをホーム画面100に表示しておくことが好適である。例えば、図4において、ホーム画面100には再生スピード画面300−3を表す「S」のマーク150が表示される。ユーザは、ホーム画面100を視認することで、現在、ホームキー23cにはショートカット画面として再生スピード画面300−3が登録されている事実を容易に認識することができる。この目印150は画面毎にユニークに設定されることは言うまでもない。リピート画面300−1に対しては「R」、フォルダ/ファイル画面300−2に対しては「F」等である。
また、ショートカット機能のフラグはRAM12に格納してもよいが、ROM10に格納することもできる。ROM10に格納することで、デジタルレコーダの電源をOFFとした後でもフラグの値が維持され、次に電源をONした後でもショートカットが可能となる。
【0041】
図5に、本実施形態の処理フローチャートを示す。まず、ユーザが電源スイッチをONすると(S101)、CPU14は、プログラムに従って最上位階層のホーム画面100を表示する(S102)。なお、フラッシュメモリ16のカードが装着されていない場合には、既述したようにホーム画面100に代わってエラー画面(カードが装着されていないことを示す画面)500が表示される。
【0042】
ホーム画面100が表示されている状態で、ユーザが機能キー23gを押下すると(S103でYES)、CPU14は、下位階層の機能メニュー画面300を表示する(S104)。そして、プラスキー23iまたはマイナスキー23jによる各機能項目の選択と、早送りキー23bの押下に応じて、各機能項目の画面300−1〜300−5のいずれかを表示する(S105)。ユーザは、これらの画面を適宜選択し、機能を設定する。
【0043】
次に、CPU14は、これらの画面300−1〜300−5において、ホームキー23cが押下されたか否かを判定する(S106)。ユーザが例えば再生スピード画面300−3においてホームキー23cを押下すると、CPU14はこれに応じてショートカット機能のフラグShortcutに再生スピード画面300−3の識別子を設定する(S107)。そして、ホーム画面100を表示部24に表示する(S108)。
【0044】
次に、CPU14は、ホーム画面100において、ホームキー23cが押下されたか否かを判定する(S109)。ユーザがホームキー23cを押下すると、CPU14はこれに応じてフラグShortcutの値を参照し、このフラグに設定されている識別子で特定される画面(この場合には再生スピード画面300−3)を表示する(S110)。なお、フラグShortcutにはデフォルトでホーム画面100の識別子が設定されているから、起動直後のホーム画面100(S102)においてホームキー23cが押下された場合にはホーム画面100が引き続き表示され続ける。
【0045】
なお、ホーム画面100においてホームキー23cを押下して直ちに再生スピード画面300−3に移行した後、ユーザが他の画面、例えばリピート画面300−1に移行し、このリピート画面300−1においてホームキー23cを押下すると、CPU14はこれに応じてフラグShortcutに新たにリピート画面300−1の識別子を設定する。すなわち、フラグShortcutの値は上書きされる。したがって、ホーム画面100に移行した後、ユーザが再びこのホーム画面100においてホームキー23cを押下すると、再生スピード画面300−3ではなくリピート画面300−1に移行する。
【0046】
このように、本実施形態では、ホームキー23cが押下された場合に、これをトリガとしてホームキー23cが押下された時点における画面をショートカット画面として自動的に登録するので、ショートカット画面を登録するための別個のキーが不要となる。また、ホーム画面100においてホームキー23cを押下することで、既に登録されている画面に直ちに移行するので、ショートカットするための別個のキーも不要となる。さらに、ホーム画面100においては本来的に使用されないホームキー23cをショートカットキーとして機能させることで、ホームキー23cの有効活用を図ることもできる。本実施形態では、ホームキー23cは、
(1)ホーム画面100に復帰させる機能
(2)ショートカット画面を登録する機能
(3)ショートカットを実行する機能
の3つの機能を有する点に留意されたい。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、本実施形態では機器としてデジタルレコーダを例示したが、デジタルレコーダに限らず、オーディオ装置、情報機器、端末機器、通信機器等にも適用できる。また、本実施形態では、ホームキー23cは押下操作可能なキーとしているが、その形式は任意であり、タッチスイッチ等でもよい。
【0048】
また、本実施形態では、フラグShortcutの値を書き換え可能(上書き可能)としているが、複数の識別子を設定可能とすることもできる。例えば、前回の識別子と今回の識別子の2つの識別子を設定可能とする。この場合、ホーム画面100において1回だけホームキー23cを押下した場合には直前に登録した画面に移行し、2回連続してホームキー23cを押下(ダブルクリック)した場合にはさらにその前に登録した画面に移行する等も可能であろう。
【0049】
さらに、本実施形態では、フラグShortcutに識別子を設定しているが、識別子は画面を特定するための情報の一例であり、階層構造においてホーム画面100の下位にある画面を一意に(ユニークに)特定するための任意のデータをフラグに設定することができる。また、フラグは必ずしも必須ではなく、要するに、ホームキー23cに関連づけて階層構造においてホーム画面100の下位にある画面を一意に(ユニークに)特定するためのデータをROM10あるいはRAM12に記憶すればよい。
【符号の説明】
【0050】
22 デジタルデータ処理回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホーム画面と、ホーム画面より下位階層の複数の非ホーム画面を表示する画面表示制御装置であって、
前記非ホーム画面を表示している状態でホームキーが操作された場合に、前記ホーム画面を表示するとともに、前記非ホーム画面を特定するための識別子を記憶する手段と、
前記ホーム画面を表示している状態で前記ホームキーが操作された場合に、記憶されている前記識別子で特定される非ホーム画面を表示する手段と、
を備えることを特徴とする画面表示制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
前記複数の非ホーム画面は、少なくとも第1の非ホーム画面と第2の非ホーム画面を有し、
前記記憶する手段は、前記第1の非ホーム画面を表示している状態でホームキーが操作された場合に、前記ホーム画面を表示するとともに、前記第1の非ホーム画面を特定するための識別子を記憶し、その後、前記第2の非ホーム画面を表示している状態でホームキーが操作された場合に、前記ホーム画面を表示するとともに、前記第1の非ホーム画面を特定するための識別子に代えて前記第2の非ホーム画面を特定するための識別子を記憶する
ことを特徴とする画面表示制御装置。
【請求項3】
請求項1記載の装置において、さらに、
前記記憶する手段により前記識別子が記憶されている場合に、前記識別子に関連するマークを前記ホーム画面に表示する手段
を備えることを特徴とする画面表示制御装置。
【請求項4】
階層構造の画面を順次、表示部に表示する画面表示制御装置であって、
階層構造の下位にある下位画面を表示している状態でホームキーが操作された場合に、階層構造の上位にあるホーム画面を表示するホーム画面表示手段と、
前記ホームキーが操作された時点の前記下位画面を特定するためのデータを前記ホームキーに関連づけて記憶する記憶手段と、
前記ホーム画面を表示している状態で前記ホームキーが操作された場合に、前記記憶手段に記憶されている前記データに基づいて前記下位画面を表示することで、前記ホーム画面から前記下位画面にショートカットする制御手段と、
を備えることを特徴とする画面表示制御装置。
【請求項5】
ホームキーと、
表示部と、
前記ホームキーの操作に応じ、前記表示部に画面を表示する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された画面表示制御装置と、
を備える機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−108043(P2011−108043A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−263269(P2009−263269)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(000003676)ティアック株式会社 (339)
【Fターム(参考)】