留め具
【課題】商品陳列棚あるいは商品陳列台の縁に張られている棒柵など横渡しの棒、若しくは、板柵など渡し板に取り付くと同時に、紙片を掲示できる留め具を得ること。
【解決手段】
(イ)枠部材と、枠部材に連結される詰め合せ部材(B)を有す、
(ロ)枠部材は、詰め合せ部材を受け入れる枠をなす部分で、天側(A1)、裏側(A2)、
表側(A3)の3側面を囲い、地側を開口した枠体でなる、
(ハ)詰め合せ部材は、枠部材の枠内に詰め込み得る形体でなる、
(ニ)詰め合せ部材は、枠部材の枠内及び枠の間口を開放し得る形態で枠部材に連結される、
(ホ)以上の構成ならびに形態を有する留め具とした。
【解決手段】
(イ)枠部材と、枠部材に連結される詰め合せ部材(B)を有す、
(ロ)枠部材は、詰め合せ部材を受け入れる枠をなす部分で、天側(A1)、裏側(A2)、
表側(A3)の3側面を囲い、地側を開口した枠体でなる、
(ハ)詰め合せ部材は、枠部材の枠内に詰め込み得る形体でなる、
(ニ)詰め合せ部材は、枠部材の枠内及び枠の間口を開放し得る形態で枠部材に連結される、
(ホ)以上の構成ならびに形態を有する留め具とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
商品陳列棚あるいは商品陳列台の縁には、商品がずり落ちないように棒柵や板柵が張られている。
【0002】
本発明は、棒柵など横渡しの棒(以下、渡し棒とも云う)、並びに板柵など(以下、渡し板とも云う)の縁に、チラシや値札などの紙片(以下、紙片と云う)を掲示するための留め具に関する。
【背景技術】
【0003】
従来は、例えば、特許文献1(実願2000−2821)の如く、プラスチック板を折り曲げたケースを、渡し棒に装着し、該ケースに紙片を挟み入れ、紙片を下方から支持するかたちで掲示する方法が多くとられている。
然しながら、該ケースよりも縦幅が大きめの紙片(チラシなど)を掲示するには無理がある。
【0004】
本発明のものは、紙片の上端寄りの部分を挟持し、吊り下げるかたちで掲示する留め具である。
従来、紙片の上端寄りの部分を挟持するものとして、例えば、特許文献2〜5に示すものがあるが、それらは、本発明が目指した渡し棒あるいは渡し板に取り付くと同時に、紙片を支持し掲示すると云う意図をもったものではなく、単に紙片を挟持するために枠体部(挟み枠)と押え部をもったというものであって、適切な比較をすることはできないが、大まかに云って次の違いがある。
【0005】
特許文献2〜5のものは、紙片を斜め下方から突っ支う原理で留め押えるもので、挟み枠の片方の側に「斜め下方から突っ支う部分」として、特許文献2の場合には偏心押圧体(5)、特許文献3の場合は掴み面(4a)、特許文献4の場合はストッパー(2)、特許文献5の場合は押し板(4)を備えたものである。
そして、それらの「斜め下方から突っ支う部分」は、挟み枠の挟み入れ口を塞ぐかたちに構成されており、挟み入れ口は紙片を差し挟む以上の間隙をもつものでなく、本発明が大前提とする渡し棒あるいは渡し板に取り付くことができるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実願2000−2821
【特許文献2】実願昭47−66681
【特許文献3】実願昭63−151717
【特許文献4】特願平8−195178
【特許文献5】実願昭62−109590
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主たる課題は、「渡し棒に取り付くと同時に、紙片を支持し掲示することのできる留め具を得ること」である。
【0008】
加えて、紙片が脱落しないように留め押えできる留め具であること。シンプルで、安価に作れて、広く普及が期待できる留め具であること。付け外しの操作が容易であることなどが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は次に記載するものである。
(イ)枠部材と、枠部材に連結される詰め合せ部材(B)を有す、
(ロ)枠部材は、詰め合せ部材を受け入れる枠をなす部分で、天側(A1)、裏側(A2)、
表側(A3)の3側面を囲い、地側を開口した枠体でなる、
(ハ)詰め合せ部材は、枠部材の枠内に詰め込み得る形体でなる、
(ニ)詰め合せ部材は、枠部材の枠内及び枠の間口を開放し得る形態で枠部材に連結される、
(ホ)以上の構成ならびに形態を有する留め具である。
【0010】
本発明の特徴その1は、枠部材と詰め合せ部材を有し、取り付く対象の渡し棒を枠部材の枠内に納め入れて渡し棒に取り付き、紙片と詰め合せ部材を詰め込む(詰め合せる)ことを以って、紙片を支持する形態の留め具にしたことである。
【0011】
本発明の特徴その2は、詰め合せ部材は、枠体の枠内及び枠の間口を開放するかたちで枠外に待機し、枠内と枠外を行き来することを可能とする形態に連結されるものとしたことである。
【0012】
本発明の特徴その3は、枠部材と詰め合せ部材とが屈曲する形態を以って連結され、詰め合せ部材は、柔軟に屈曲する形態を以って枠内と枠外を行き来できるものとしたことである。
【発明の効果】
【0013】
1、発明の効果は、渡し棒に取り付くと同時に、紙片を支持し掲示することのできる適切な留め具を得たことである。
2、一片の紙片を、人の手で押し込む力を以って詰め込む部材(詰め合せ部材)で留め押えるのであるから、紙片をずり落ち難い状態に、強力に留め押えできる留め具となった。
3、シンプルな形態の留め具を得た。
4、簡単な操作で使用できる留め具を得た。
【0014】
主として、棒柵など渡し棒に紙片を掲示することに困窮して開発した本留め具は、板柵など渡し板にも効果的に使用(応用)できるものである。
渡し棒に留め付ける留め具と、渡し板に留め付ける留め具は、基本的な構成を同じくするものである。異なる点について、次に説明する。
【0015】
渡し棒に取り付く場合は、渡し棒を枠部材の枠体の内に納め入れ、次に紙片と詰め合せ部材とを詰め込む(詰め合せる)。即ち、枠体の内に、渡し棒と詰め合せ部材とを縦列に詰め込むのであるが、
【0016】
渡し板に取り付く場合は、渡し板を枠部材の枠体の内に納め入れ、次に渡し板に重ねて紙片と詰め合せ部材を詰め込む(詰め合せる)。即ち、枠体の内に、渡し板と詰め合せ部材とを並列に詰め込むことになるので、枠部材の枠幅に対し詰め合せ部材の厚み幅(径)を渡し板の板厚の分だけ小幅(径)のものにする必要がある。基本的には、そのことだけで渡し板に使用できる留め具になる。
【0017】
本発明は、多様な使い方ができる。
基本的な使い方は、渡し棒(または渡し板)に取り付くと同時に、紙片を支持し掲示する留め具としての使い方である。
【0018】
その他に、渡し棒(または渡し板)に取り付くための手段として本発明を使用し、別途にフック機能あるいはクリップ機能を付加するなどして、棒柵など横渡しの棒に取り付くための取り付き具としての使い方ができる。その一例を図11に示した。
【0019】
また、紙片を支持するための手段として本発明を使用し、別途の対象物に取り付くための機能、あるいは据えるための機能を付加するなどして、挟み留め具としての使い方ができる。その一例を図12、13に示した。
因みに、図10、11、13に示した例は、渡し棒を対象に取り付く説明にしているが、渡し板に取り付く場合も同様である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態を説明する図である。
【図3】本発明を説明する図である。
【図4】本発明を説明する図である。
【図5】本発明の実施形態を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態を説明する図である。
【図7】本発明の実施形態を説明する図である。
【図8】本発明の実施形態を説明する図である。
【図9】本発明を説明する図である。
【図10】本発明の実施形態を説明する図である。
【図11】本発明の実施形態を説明する図である。
【図12】本発明の実施形態を説明する図である。
【図13】本発明の実施形態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書で使用する語句を説明する。
図1の斜視図、図4(1)の側面図を見るかたちで説明する。
枠部材は、天側(A1)、裏側(A2)、表側(A3)の3側面を囲い、地側を開口した枠体でなるものとしている。
天側を天部、裏側を裏部、表側を表部とも云う。枠体の内側を枠内あるいは内側と云い、外側を枠外あるいは外側と云う。
地側の開口した間口部分を間口と云い、その幅(側面から見た横幅)を間口幅と云う。
天部の左右に延びる幅(側面から見る幅)を、天幅もしくは枠幅と云う。
天部を上(天側)に見て、裏部と表部を天部の左右の端から下方に延びるかたちに見て、即ち、側面から見て、裏部及び表部の延びる幅を縦幅と云う。
枠部材を側面から見た形枠が、続いて延びる方向を横方向または横と云う。従って、枠部材も詰め合せ部材も適宜の長さで横に延びている部材である。
枠部材を枠体とも云う。枠体を成す裏部と表部の区分は、詰め合せ部材を連結する側を裏部、連結しない側を表部として区分する。
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図に基いて説明する。以下の説明に於いて、棒柵など渡し棒に取り付く形態をA形態と云い、板柵など渡し板に取り付く形態をB形態と云う。
【0023】
A形態のものは、図3(側面図)に示すように、枠部材の枠内に渡し棒と詰め合せ部材を縦列に納めるかたちである。従って、詰め合せ部材は、枠幅に窮屈な状態に詰め入る厚み(径)をもつものである。
枠部材の枠幅は、取り付く対象の渡し棒を収容(渡し棒の径に対応)できることが前提である。渡し棒(棒柵)は、一般的に3ミリ〜9ミリ径ほどのものが多く用いられている。
【0024】
図1は、本留め具を裏側から見た斜視図である。使用していない状態に於いては、詰め合せ部材は枠体の外にあることが基本である。因みに、詰め合せ部材は枠体の外であれば、どの位置に待機するものであっても良いが、間口近くにあると使い易い。
【0025】
図2は、図1のものを使用している図である。渡し棒に取り付き、同時に紙片を支持し掲示している状態を裏側から見た図である。
【0026】
図3は、図2の状態を側面から見た図である。枠内に渡し棒を納め、紙片と詰め合せ部材とを詰め込んだ(詰め合せた)状態を示すものである。
【0027】
図4(1)〜(4)は、付け外しの過程と状態を側面から見るかたちで説明する図である。
図4(1)は、図1を側面から見た図である。即ち、使用していない時点での図である。
図4(2)は、渡し棒に取り付く時点の図である。即ち、渡し棒を枠内に納め入れようとしている状況を示す図である。詰め合せ部材が枠体の間口寄りにあれば、詰め合せ部材を押し退けて、渡し棒を枠内に納め入れようとしている状況を示す図である。
図4(3)は、渡し棒を枠内に納めた後、詰め合せ部材を枠内に詰め込み、渡し棒に取り付いた状態を示す図である。
因みに、実際には、詰め合せ部材を詰め込む直前に紙片を差し込み、紙片と詰め合せ部材を詰め込むので、図3の側面図に示す状態になる。
【0028】
詰め合せ部材の詰め込みは、詰め合せ部材と枠部材を連結する部分(連結部)が、屈曲する形態にしてあり、枠内に折り込むように押し込めば、首が折り曲るように難なく詰め込むことができる。
当然のことであるが、難なく詰め込むことができるように、連結する部分(連結部)の曲り幅や曲り具合など、配慮して作ることが前提である。
【0029】
図4(4)は、渡し棒から取り外す状況を示す図である。枠体の表部の外側に出っ張り(A4)を設けている。出っ張りの部分を矢印で示す方向に押し上げることで、詰め合せ部材は押し出され、渡し棒から取り外すことができる。出っ張り(A4)は設けなくても押し上げることは可能であるが、設けてあると操作がし易いものになる。
【0030】
図5は、詰め合せ部材に引き手(B1)を設けたものである。
図5は、本留め具を裏側から見た斜視図で、図1のものと比較してみるとき、図1のものは、枠部材の表部の表面に出っ張り(A4)を設けているもので、留め具を渡し棒から外し取るとき、出っ張り(A4)の部分に指を当てて押し上げると抜き外しし易いとして設けている。
図5のものは、渡し棒から外し取るもう1つの方法として、詰め合せ部材に引き手(B1)を設けたもので、留め具を渡し棒から外し取るとき、引き手(B1)の部分をつまみもって引き下げると抜き外しできるものである。因みに、引き手(B1)は、紙のように薄くて軟らかいもので良い。
【0031】
図1のかたちであっても、図5のかたちであっても良いが、図1のかたちの方が多様に使うことができる。
図1のものは、裏部を表側(手前側)にして使用しても、然したる不自然はなく使用することができる。
【0032】
図6は、図5のものを使用している図である。渡し棒に取り付き、同時に紙片を支持し掲示している状態を裏側から見た図である。
【0033】
以下、本発明を実施(製作)する場合に於ける留意事項と許容事項について説明する。
【0034】
枠体は、詰め合せ部材を詰め込んだ状態に於いて、その形体を保持できるだけの強度をもつことが大切である。多少のバネが働くものであるのは良い。使用していない状態では、枠幅(天幅)よりも間口幅の方が狭くなっているものが良い。取り付けた状態(詰め込んだ状態)に於いても、枠幅よりも間口幅の方が狭い状態、若しくは、枠幅よりも間口幅が広くならない状態で調和するのが良い。
【0035】
当然のことであるが、A形態のものであれば、渡し棒と詰め合せ部材を縦列に収容できる丈の枠体を有し、B形態のものであれば、渡し板と詰め合せ部材を並列に収容できる丈の枠体を有するものであること。
【0036】
発明の主体を分かり易くするために、側面から見るかたちが略コ字状に折り曲って延びる単純な形状の枠体として図示し、説明しているが、機能を損なわない限りの変形は良い。因みに、枠体のバネが効果的に働くよう、略M字状に折り曲って延びるものにするのも良い。
【0037】
表部の内側面に、紙片の脱落を防ぐための滑り止めとなる措置を取ると良い。形状として凹凸を設けるのも良いし、滑り止めとなる物質を付着させておくのも良い。
【0038】
枠体は、裏部及び表部の丈(縦幅)を揃えておくと、詰め合せ部材を押し込み易い(使い易い)。
【0039】
枠体の横幅は、任意の設定で良い。
【0040】
詰め合せ部材の枠外での待機位置は、図1で示すような位置でも、また枠体の間口を塞ぐような位置でも良い。本発明の留め具は、詰め合せ部材を枠体の内に入れたり、枠体の外に出したりが自在にできるよう、枠体と詰め合せ部材を、屈曲する形態を以って連結しているので、詰め合せ部材が枠体の間口を塞ぐ位置で待機するものとしても、渡し棒に取り付くときには、渡し棒が軽く当たるだけで退けることができるものであり、何らの支障になるものではない。
【0041】
詰め合せ部材について、その形状を限定あるいは特定するものではないが、角(かど)のない丸い形が使い易い。筒状のものにしても良いし、弾性(バネ)をもつ筒状のものであっても良い。
【0042】
詰め合せ部材の長さ(横幅)は、枠体の長さ(横幅)より短くても長くても良い。枠部材ならびに詰め合せ部材に用いる素材は、プラスチックでも金属性のものでも良い。
【0043】
連結部は、枠体の下端につながるかたちで、詰め合せ部材を連結するものに限らず、枠体の外側面につながるかたちで連結するものとしても良い。
詰め合せ部材を連結する上で大切なことは、渡し棒に留め付けるとき、詰め合せ部材を枠体の間口及び枠内に、スムーズに誘導できる形態にすることである。
【0044】
連結部は、詰め合せ部材が枠体の最奥にまで入らない位置で進入を止めるものにするのが良い。枠体の最奥は、枠体のバネが働き難い部分で、詰め合せ部材が窮屈な状態になり難い位置である。
【0045】
連結部は、留め具を付け外しする都度、詰め合せ部材を枠体の内に入れたり、枠体の外に出したりできる形態のもとに連結していることが重要である。上記の形態のもとに連結する手段は多様であり、例えば、回転軸をもって詰め合せ部材を回動させるかたちで枠内に入れたり、枠外に出したりする形態のものであっても良い。中でも、本発明で特別に取り上げたいかたちは、連結部が柔軟に屈曲する形態を以って枠部材と詰め合せ部材とを連結するかたちである。その理由は、シンプルであり、作り易く、使い易く、安価で提供でき、広く利用に供することができるからである。
【0046】
因みに、本発明に於ける請求範囲は、連結部の連結する形態を問わず、留め具を付け外しの都度、詰め合せ部材を枠体の内に入れたり、枠体の外に出したりできる形態のもとに連結しているものを請求項1で請求し、連結する部分が屈曲する形態を以って詰め合せ部材を枠体の内に入れたり、枠体の外に出したりできる形態のものを請求項2で請求するものである。尚、次に説明するB形態のものも包括しての請求である。
【0047】
以上にA形態のものについて説明した。次にB形態のものについて説明する。基本的なことはA形態と同じである。A形態と異なる点、あるいは異なっても良い点についてのみ図を追って説明する。
【0048】
図7、8、9は、B形態を説明する図である。図7は、渡し板に紙片を掲示した状態を表部の方から見た斜視図である。図8は、図7を裏部の方から見た斜視図である。図9は、図7、8を側面から見た図である。
【0049】
B形態のものは、図9(側面図)に示すように、枠部材の枠内に渡し板と詰め合せ部材を並列に詰め込むかたちである。従って、詰め合せ部材は、渡し板の板厚を勘案した上で枠幅に窮屈な状態に詰め入る厚み(径)のものであることが大切である。
枠部材は、取り付く対象の板厚および詰め合せ部材の厚み(径)を考慮した上で枠幅を設定することが大切である。
【0050】
枠体の形態として、紙片を留め押える形態あるいは紙片を留め押える部分が、表部の内側面ではなく、表部の下端の縁であっても良い。
【0051】
B形態のものは、渡し板から取り外すとき、枠体の裏表をつまみもって引き上げるだけで外し取ることができるので、A形態のもののように出っ張り(A4)あるいは引き手(B1)を設ける必要はない。
【0052】
詰め合せ部材を詰め込んだ状態に於いて、詰め合せ部材の位置する枠体の内奥は、空いた状態であることが大切である。そのためにはA形態のものと同様に、連結部が詰め合せ部材を枠体の最奥まで入れない丈の形態をもつものであることが求められる。その理由は、前記しているように枠体の最奥は、枠体のバネが効き難いからである。
【0053】
本留め具は、多様な使い方ができることを前記した。そのいくつかの例を以下に説明する。
【0054】
図10は、ポスターなど大きめサイズの紙片を掲示するのに都合が良いものとして、横長にした枠体に複数個の詰め合せ部材を備えたものである。このような形態のものにした場合は、詰め合せ部材に引き手(B1)を設けておくと良い。
【0055】
図11は、渡し棒に取り付くための手段として本発明を使用したもので、別途にクリップ機能あるいはフック機能などを付加した使い方ができる一例を示したものである。同様に、渡し板に取り付くための手段として、本発明を使用することができる。
【0056】
図12、13は、紙片を支持し掲示するための手段として本発明を使用し、別途に取り付くあるいは据えるなどの機能を付加した使い方ができる一例を示したものである。図12は、枠体に紐をつけて吊る機能を付加した使い方の例である。図13は、渡し棒に取り付く機能を付加した使い方の例である。
【産業上の利用可能性】
【0057】
ドラッグストアやスーパーに行って見ると、目玉クリップ(通称)を使用したり、セロハンテープで貼り付けたりしている状況であり、掲示手段に困窮している現実を目にする。本発明は、その困窮から開放するものであり、画期的な貢献ができるものである。
【符号の説明】
【0058】
A 枠部材(または枠体)
A1 天部(または天側)
A2 裏部(または裏側)
A3 表部(または表側)
A4 (表部の外側に設けた)出っ張り
B 詰め合せ部材
B1 引き手
C 連結部
D 渡し棒(棒柵など)
E 渡し板(板柵など)
F 紙片(掲示紙片)
【技術分野】
【0001】
商品陳列棚あるいは商品陳列台の縁には、商品がずり落ちないように棒柵や板柵が張られている。
【0002】
本発明は、棒柵など横渡しの棒(以下、渡し棒とも云う)、並びに板柵など(以下、渡し板とも云う)の縁に、チラシや値札などの紙片(以下、紙片と云う)を掲示するための留め具に関する。
【背景技術】
【0003】
従来は、例えば、特許文献1(実願2000−2821)の如く、プラスチック板を折り曲げたケースを、渡し棒に装着し、該ケースに紙片を挟み入れ、紙片を下方から支持するかたちで掲示する方法が多くとられている。
然しながら、該ケースよりも縦幅が大きめの紙片(チラシなど)を掲示するには無理がある。
【0004】
本発明のものは、紙片の上端寄りの部分を挟持し、吊り下げるかたちで掲示する留め具である。
従来、紙片の上端寄りの部分を挟持するものとして、例えば、特許文献2〜5に示すものがあるが、それらは、本発明が目指した渡し棒あるいは渡し板に取り付くと同時に、紙片を支持し掲示すると云う意図をもったものではなく、単に紙片を挟持するために枠体部(挟み枠)と押え部をもったというものであって、適切な比較をすることはできないが、大まかに云って次の違いがある。
【0005】
特許文献2〜5のものは、紙片を斜め下方から突っ支う原理で留め押えるもので、挟み枠の片方の側に「斜め下方から突っ支う部分」として、特許文献2の場合には偏心押圧体(5)、特許文献3の場合は掴み面(4a)、特許文献4の場合はストッパー(2)、特許文献5の場合は押し板(4)を備えたものである。
そして、それらの「斜め下方から突っ支う部分」は、挟み枠の挟み入れ口を塞ぐかたちに構成されており、挟み入れ口は紙片を差し挟む以上の間隙をもつものでなく、本発明が大前提とする渡し棒あるいは渡し板に取り付くことができるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実願2000−2821
【特許文献2】実願昭47−66681
【特許文献3】実願昭63−151717
【特許文献4】特願平8−195178
【特許文献5】実願昭62−109590
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主たる課題は、「渡し棒に取り付くと同時に、紙片を支持し掲示することのできる留め具を得ること」である。
【0008】
加えて、紙片が脱落しないように留め押えできる留め具であること。シンプルで、安価に作れて、広く普及が期待できる留め具であること。付け外しの操作が容易であることなどが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は次に記載するものである。
(イ)枠部材と、枠部材に連結される詰め合せ部材(B)を有す、
(ロ)枠部材は、詰め合せ部材を受け入れる枠をなす部分で、天側(A1)、裏側(A2)、
表側(A3)の3側面を囲い、地側を開口した枠体でなる、
(ハ)詰め合せ部材は、枠部材の枠内に詰め込み得る形体でなる、
(ニ)詰め合せ部材は、枠部材の枠内及び枠の間口を開放し得る形態で枠部材に連結される、
(ホ)以上の構成ならびに形態を有する留め具である。
【0010】
本発明の特徴その1は、枠部材と詰め合せ部材を有し、取り付く対象の渡し棒を枠部材の枠内に納め入れて渡し棒に取り付き、紙片と詰め合せ部材を詰め込む(詰め合せる)ことを以って、紙片を支持する形態の留め具にしたことである。
【0011】
本発明の特徴その2は、詰め合せ部材は、枠体の枠内及び枠の間口を開放するかたちで枠外に待機し、枠内と枠外を行き来することを可能とする形態に連結されるものとしたことである。
【0012】
本発明の特徴その3は、枠部材と詰め合せ部材とが屈曲する形態を以って連結され、詰め合せ部材は、柔軟に屈曲する形態を以って枠内と枠外を行き来できるものとしたことである。
【発明の効果】
【0013】
1、発明の効果は、渡し棒に取り付くと同時に、紙片を支持し掲示することのできる適切な留め具を得たことである。
2、一片の紙片を、人の手で押し込む力を以って詰め込む部材(詰め合せ部材)で留め押えるのであるから、紙片をずり落ち難い状態に、強力に留め押えできる留め具となった。
3、シンプルな形態の留め具を得た。
4、簡単な操作で使用できる留め具を得た。
【0014】
主として、棒柵など渡し棒に紙片を掲示することに困窮して開発した本留め具は、板柵など渡し板にも効果的に使用(応用)できるものである。
渡し棒に留め付ける留め具と、渡し板に留め付ける留め具は、基本的な構成を同じくするものである。異なる点について、次に説明する。
【0015】
渡し棒に取り付く場合は、渡し棒を枠部材の枠体の内に納め入れ、次に紙片と詰め合せ部材とを詰め込む(詰め合せる)。即ち、枠体の内に、渡し棒と詰め合せ部材とを縦列に詰め込むのであるが、
【0016】
渡し板に取り付く場合は、渡し板を枠部材の枠体の内に納め入れ、次に渡し板に重ねて紙片と詰め合せ部材を詰め込む(詰め合せる)。即ち、枠体の内に、渡し板と詰め合せ部材とを並列に詰め込むことになるので、枠部材の枠幅に対し詰め合せ部材の厚み幅(径)を渡し板の板厚の分だけ小幅(径)のものにする必要がある。基本的には、そのことだけで渡し板に使用できる留め具になる。
【0017】
本発明は、多様な使い方ができる。
基本的な使い方は、渡し棒(または渡し板)に取り付くと同時に、紙片を支持し掲示する留め具としての使い方である。
【0018】
その他に、渡し棒(または渡し板)に取り付くための手段として本発明を使用し、別途にフック機能あるいはクリップ機能を付加するなどして、棒柵など横渡しの棒に取り付くための取り付き具としての使い方ができる。その一例を図11に示した。
【0019】
また、紙片を支持するための手段として本発明を使用し、別途の対象物に取り付くための機能、あるいは据えるための機能を付加するなどして、挟み留め具としての使い方ができる。その一例を図12、13に示した。
因みに、図10、11、13に示した例は、渡し棒を対象に取り付く説明にしているが、渡し板に取り付く場合も同様である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態を説明する図である。
【図3】本発明を説明する図である。
【図4】本発明を説明する図である。
【図5】本発明の実施形態を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態を説明する図である。
【図7】本発明の実施形態を説明する図である。
【図8】本発明の実施形態を説明する図である。
【図9】本発明を説明する図である。
【図10】本発明の実施形態を説明する図である。
【図11】本発明の実施形態を説明する図である。
【図12】本発明の実施形態を説明する図である。
【図13】本発明の実施形態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書で使用する語句を説明する。
図1の斜視図、図4(1)の側面図を見るかたちで説明する。
枠部材は、天側(A1)、裏側(A2)、表側(A3)の3側面を囲い、地側を開口した枠体でなるものとしている。
天側を天部、裏側を裏部、表側を表部とも云う。枠体の内側を枠内あるいは内側と云い、外側を枠外あるいは外側と云う。
地側の開口した間口部分を間口と云い、その幅(側面から見た横幅)を間口幅と云う。
天部の左右に延びる幅(側面から見る幅)を、天幅もしくは枠幅と云う。
天部を上(天側)に見て、裏部と表部を天部の左右の端から下方に延びるかたちに見て、即ち、側面から見て、裏部及び表部の延びる幅を縦幅と云う。
枠部材を側面から見た形枠が、続いて延びる方向を横方向または横と云う。従って、枠部材も詰め合せ部材も適宜の長さで横に延びている部材である。
枠部材を枠体とも云う。枠体を成す裏部と表部の区分は、詰め合せ部材を連結する側を裏部、連結しない側を表部として区分する。
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図に基いて説明する。以下の説明に於いて、棒柵など渡し棒に取り付く形態をA形態と云い、板柵など渡し板に取り付く形態をB形態と云う。
【0023】
A形態のものは、図3(側面図)に示すように、枠部材の枠内に渡し棒と詰め合せ部材を縦列に納めるかたちである。従って、詰め合せ部材は、枠幅に窮屈な状態に詰め入る厚み(径)をもつものである。
枠部材の枠幅は、取り付く対象の渡し棒を収容(渡し棒の径に対応)できることが前提である。渡し棒(棒柵)は、一般的に3ミリ〜9ミリ径ほどのものが多く用いられている。
【0024】
図1は、本留め具を裏側から見た斜視図である。使用していない状態に於いては、詰め合せ部材は枠体の外にあることが基本である。因みに、詰め合せ部材は枠体の外であれば、どの位置に待機するものであっても良いが、間口近くにあると使い易い。
【0025】
図2は、図1のものを使用している図である。渡し棒に取り付き、同時に紙片を支持し掲示している状態を裏側から見た図である。
【0026】
図3は、図2の状態を側面から見た図である。枠内に渡し棒を納め、紙片と詰め合せ部材とを詰め込んだ(詰め合せた)状態を示すものである。
【0027】
図4(1)〜(4)は、付け外しの過程と状態を側面から見るかたちで説明する図である。
図4(1)は、図1を側面から見た図である。即ち、使用していない時点での図である。
図4(2)は、渡し棒に取り付く時点の図である。即ち、渡し棒を枠内に納め入れようとしている状況を示す図である。詰め合せ部材が枠体の間口寄りにあれば、詰め合せ部材を押し退けて、渡し棒を枠内に納め入れようとしている状況を示す図である。
図4(3)は、渡し棒を枠内に納めた後、詰め合せ部材を枠内に詰め込み、渡し棒に取り付いた状態を示す図である。
因みに、実際には、詰め合せ部材を詰め込む直前に紙片を差し込み、紙片と詰め合せ部材を詰め込むので、図3の側面図に示す状態になる。
【0028】
詰め合せ部材の詰め込みは、詰め合せ部材と枠部材を連結する部分(連結部)が、屈曲する形態にしてあり、枠内に折り込むように押し込めば、首が折り曲るように難なく詰め込むことができる。
当然のことであるが、難なく詰め込むことができるように、連結する部分(連結部)の曲り幅や曲り具合など、配慮して作ることが前提である。
【0029】
図4(4)は、渡し棒から取り外す状況を示す図である。枠体の表部の外側に出っ張り(A4)を設けている。出っ張りの部分を矢印で示す方向に押し上げることで、詰め合せ部材は押し出され、渡し棒から取り外すことができる。出っ張り(A4)は設けなくても押し上げることは可能であるが、設けてあると操作がし易いものになる。
【0030】
図5は、詰め合せ部材に引き手(B1)を設けたものである。
図5は、本留め具を裏側から見た斜視図で、図1のものと比較してみるとき、図1のものは、枠部材の表部の表面に出っ張り(A4)を設けているもので、留め具を渡し棒から外し取るとき、出っ張り(A4)の部分に指を当てて押し上げると抜き外しし易いとして設けている。
図5のものは、渡し棒から外し取るもう1つの方法として、詰め合せ部材に引き手(B1)を設けたもので、留め具を渡し棒から外し取るとき、引き手(B1)の部分をつまみもって引き下げると抜き外しできるものである。因みに、引き手(B1)は、紙のように薄くて軟らかいもので良い。
【0031】
図1のかたちであっても、図5のかたちであっても良いが、図1のかたちの方が多様に使うことができる。
図1のものは、裏部を表側(手前側)にして使用しても、然したる不自然はなく使用することができる。
【0032】
図6は、図5のものを使用している図である。渡し棒に取り付き、同時に紙片を支持し掲示している状態を裏側から見た図である。
【0033】
以下、本発明を実施(製作)する場合に於ける留意事項と許容事項について説明する。
【0034】
枠体は、詰め合せ部材を詰め込んだ状態に於いて、その形体を保持できるだけの強度をもつことが大切である。多少のバネが働くものであるのは良い。使用していない状態では、枠幅(天幅)よりも間口幅の方が狭くなっているものが良い。取り付けた状態(詰め込んだ状態)に於いても、枠幅よりも間口幅の方が狭い状態、若しくは、枠幅よりも間口幅が広くならない状態で調和するのが良い。
【0035】
当然のことであるが、A形態のものであれば、渡し棒と詰め合せ部材を縦列に収容できる丈の枠体を有し、B形態のものであれば、渡し板と詰め合せ部材を並列に収容できる丈の枠体を有するものであること。
【0036】
発明の主体を分かり易くするために、側面から見るかたちが略コ字状に折り曲って延びる単純な形状の枠体として図示し、説明しているが、機能を損なわない限りの変形は良い。因みに、枠体のバネが効果的に働くよう、略M字状に折り曲って延びるものにするのも良い。
【0037】
表部の内側面に、紙片の脱落を防ぐための滑り止めとなる措置を取ると良い。形状として凹凸を設けるのも良いし、滑り止めとなる物質を付着させておくのも良い。
【0038】
枠体は、裏部及び表部の丈(縦幅)を揃えておくと、詰め合せ部材を押し込み易い(使い易い)。
【0039】
枠体の横幅は、任意の設定で良い。
【0040】
詰め合せ部材の枠外での待機位置は、図1で示すような位置でも、また枠体の間口を塞ぐような位置でも良い。本発明の留め具は、詰め合せ部材を枠体の内に入れたり、枠体の外に出したりが自在にできるよう、枠体と詰め合せ部材を、屈曲する形態を以って連結しているので、詰め合せ部材が枠体の間口を塞ぐ位置で待機するものとしても、渡し棒に取り付くときには、渡し棒が軽く当たるだけで退けることができるものであり、何らの支障になるものではない。
【0041】
詰め合せ部材について、その形状を限定あるいは特定するものではないが、角(かど)のない丸い形が使い易い。筒状のものにしても良いし、弾性(バネ)をもつ筒状のものであっても良い。
【0042】
詰め合せ部材の長さ(横幅)は、枠体の長さ(横幅)より短くても長くても良い。枠部材ならびに詰め合せ部材に用いる素材は、プラスチックでも金属性のものでも良い。
【0043】
連結部は、枠体の下端につながるかたちで、詰め合せ部材を連結するものに限らず、枠体の外側面につながるかたちで連結するものとしても良い。
詰め合せ部材を連結する上で大切なことは、渡し棒に留め付けるとき、詰め合せ部材を枠体の間口及び枠内に、スムーズに誘導できる形態にすることである。
【0044】
連結部は、詰め合せ部材が枠体の最奥にまで入らない位置で進入を止めるものにするのが良い。枠体の最奥は、枠体のバネが働き難い部分で、詰め合せ部材が窮屈な状態になり難い位置である。
【0045】
連結部は、留め具を付け外しする都度、詰め合せ部材を枠体の内に入れたり、枠体の外に出したりできる形態のもとに連結していることが重要である。上記の形態のもとに連結する手段は多様であり、例えば、回転軸をもって詰め合せ部材を回動させるかたちで枠内に入れたり、枠外に出したりする形態のものであっても良い。中でも、本発明で特別に取り上げたいかたちは、連結部が柔軟に屈曲する形態を以って枠部材と詰め合せ部材とを連結するかたちである。その理由は、シンプルであり、作り易く、使い易く、安価で提供でき、広く利用に供することができるからである。
【0046】
因みに、本発明に於ける請求範囲は、連結部の連結する形態を問わず、留め具を付け外しの都度、詰め合せ部材を枠体の内に入れたり、枠体の外に出したりできる形態のもとに連結しているものを請求項1で請求し、連結する部分が屈曲する形態を以って詰め合せ部材を枠体の内に入れたり、枠体の外に出したりできる形態のものを請求項2で請求するものである。尚、次に説明するB形態のものも包括しての請求である。
【0047】
以上にA形態のものについて説明した。次にB形態のものについて説明する。基本的なことはA形態と同じである。A形態と異なる点、あるいは異なっても良い点についてのみ図を追って説明する。
【0048】
図7、8、9は、B形態を説明する図である。図7は、渡し板に紙片を掲示した状態を表部の方から見た斜視図である。図8は、図7を裏部の方から見た斜視図である。図9は、図7、8を側面から見た図である。
【0049】
B形態のものは、図9(側面図)に示すように、枠部材の枠内に渡し板と詰め合せ部材を並列に詰め込むかたちである。従って、詰め合せ部材は、渡し板の板厚を勘案した上で枠幅に窮屈な状態に詰め入る厚み(径)のものであることが大切である。
枠部材は、取り付く対象の板厚および詰め合せ部材の厚み(径)を考慮した上で枠幅を設定することが大切である。
【0050】
枠体の形態として、紙片を留め押える形態あるいは紙片を留め押える部分が、表部の内側面ではなく、表部の下端の縁であっても良い。
【0051】
B形態のものは、渡し板から取り外すとき、枠体の裏表をつまみもって引き上げるだけで外し取ることができるので、A形態のもののように出っ張り(A4)あるいは引き手(B1)を設ける必要はない。
【0052】
詰め合せ部材を詰め込んだ状態に於いて、詰め合せ部材の位置する枠体の内奥は、空いた状態であることが大切である。そのためにはA形態のものと同様に、連結部が詰め合せ部材を枠体の最奥まで入れない丈の形態をもつものであることが求められる。その理由は、前記しているように枠体の最奥は、枠体のバネが効き難いからである。
【0053】
本留め具は、多様な使い方ができることを前記した。そのいくつかの例を以下に説明する。
【0054】
図10は、ポスターなど大きめサイズの紙片を掲示するのに都合が良いものとして、横長にした枠体に複数個の詰め合せ部材を備えたものである。このような形態のものにした場合は、詰め合せ部材に引き手(B1)を設けておくと良い。
【0055】
図11は、渡し棒に取り付くための手段として本発明を使用したもので、別途にクリップ機能あるいはフック機能などを付加した使い方ができる一例を示したものである。同様に、渡し板に取り付くための手段として、本発明を使用することができる。
【0056】
図12、13は、紙片を支持し掲示するための手段として本発明を使用し、別途に取り付くあるいは据えるなどの機能を付加した使い方ができる一例を示したものである。図12は、枠体に紐をつけて吊る機能を付加した使い方の例である。図13は、渡し棒に取り付く機能を付加した使い方の例である。
【産業上の利用可能性】
【0057】
ドラッグストアやスーパーに行って見ると、目玉クリップ(通称)を使用したり、セロハンテープで貼り付けたりしている状況であり、掲示手段に困窮している現実を目にする。本発明は、その困窮から開放するものであり、画期的な貢献ができるものである。
【符号の説明】
【0058】
A 枠部材(または枠体)
A1 天部(または天側)
A2 裏部(または裏側)
A3 表部(または表側)
A4 (表部の外側に設けた)出っ張り
B 詰め合せ部材
B1 引き手
C 連結部
D 渡し棒(棒柵など)
E 渡し板(板柵など)
F 紙片(掲示紙片)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(イ)枠部材と、枠部材に連結される詰め合せ部材(B)を有す、
(ロ)枠部材は、詰め合せ部材を受け入れる枠をなす部分で、天側(A1)、裏側(A2)、
表側(A3)の3側面を囲い、地側を開口した枠体でなる、
(ハ)詰め合せ部材は、枠部材の枠内に詰め込み得る形体でなる、
(ニ)詰め合せ部材は、枠部材の枠内及び枠の間口を開放し得る形態で枠部材に連結される、
(ホ)以上の構成ならびに形態を有する留め具。
【請求項2】
(イ)枠部材と、枠部材に連結される詰め合せ部材(B)を有す、
(ロ)枠部材は、詰め合せ部材を受け入れる枠をなす部分で、天側(A1)、裏側(A2)、
表側(A3)の3側面を囲い、地側を開口した枠体でなる、
(ハ)詰め合せ部材は、枠部材の枠内に詰め込み得る形体でなる、
(ニ)詰め合せ部材は、屈曲する連結部(C)を介して、枠部材の枠内に出入り可能とする形態で枠部材に連結される、
(ホ)以上の構成ならびに形態を有する留め具。
【請求項1】
(イ)枠部材と、枠部材に連結される詰め合せ部材(B)を有す、
(ロ)枠部材は、詰め合せ部材を受け入れる枠をなす部分で、天側(A1)、裏側(A2)、
表側(A3)の3側面を囲い、地側を開口した枠体でなる、
(ハ)詰め合せ部材は、枠部材の枠内に詰め込み得る形体でなる、
(ニ)詰め合せ部材は、枠部材の枠内及び枠の間口を開放し得る形態で枠部材に連結される、
(ホ)以上の構成ならびに形態を有する留め具。
【請求項2】
(イ)枠部材と、枠部材に連結される詰め合せ部材(B)を有す、
(ロ)枠部材は、詰め合せ部材を受け入れる枠をなす部分で、天側(A1)、裏側(A2)、
表側(A3)の3側面を囲い、地側を開口した枠体でなる、
(ハ)詰め合せ部材は、枠部材の枠内に詰め込み得る形体でなる、
(ニ)詰め合せ部材は、屈曲する連結部(C)を介して、枠部材の枠内に出入り可能とする形態で枠部材に連結される、
(ホ)以上の構成ならびに形態を有する留め具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−259494(P2010−259494A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110867(P2009−110867)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(500497803)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(500497803)
【Fターム(参考)】
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