説明

番組映像提供装置及びプログラム

【課題】映像メモリを介して天気予報番組の映像を提供する番組映像提供装置に係り、台風や地震など緊急の情報が有る場合に、番組の画面構成およびその画面の放映に係る配分時間を最適化することを課題とする。
【解決手段】緊急情報に係る緊急画面(2156,2157)と、それ以外に天気予報を構成する標準画面(2151〜2155)について、省略しない必須画面と省略し得る任意画面に分け(1408)、必須画面について表示時間として適した標準時間の合計を算出し、その合計が天気予報番組全体の放送時間を越えていなければ、任意画面を最短時間以上で採用し、一方、合計が天気予報番組全体の放送時間を越えていれば、必須画面の表示時間を最短時間までの範囲で短縮する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像メモリを介して天気予報番組の映像を提供する番組映像提供装置に係り、台風や地震など緊急の情報が有る場合に、番組の画面構成およびその画面の放映に係る配分時間を最適化する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の発明では、台風や地震など緊急の情報が有る場合には、編成作業として、これらの緊急情報の画面と実況天気図など通常の情報の画面を制御する為のタイムテーブルを作成し、そのタイムテーブルに従って画面を展開する操作を行ない、天気予報番組の映像を生成していた。
【0003】
しかし、各画面の採用あるいは不採用の決定や採用した画面の時間配分は、編成技術者の判断に依存するため、必ずしも最適であるとは限らなかった。
【特許文献1】特開2003−032649号公報
【特許文献2】特開2005−204159号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、映像メモリを介して天気予報番組の映像を提供する番組映像提供装置に係り、台風や地震など緊急の情報が有る場合に、番組の画面構成およびその画面の放映に係る配分時間を自動的に最適化することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る番組映像提供装置は、映像メモリを介して天気予報番組の映像を提供する番組映像提供装置であって、以下の要素を有することを特徴とする
(1)緊急情報を含み得る気象情報を記憶する気象情報データベース
(2)気象情報データベースに記憶する気象情報中の緊急情報の存在を判定する緊急情報抽出部
(3)緊急情報を知らせる緊急画面について、当該画面の放映に適した標準時間、当該画面を短縮して放映する場合の条件となる最短時間、及び当該画面を省略することを想定するか否かを示す省略可否を記憶する緊急画面テーブル
(4)天気予報番組を構成する緊急画面以外の標準画面について、前記標準時間、前記最短時間、及び前記省略可否を記憶する標準番組構成情報記憶部
(5)存在すると判定した緊急情報に係る緊急画面及び標準画面のうち、省略を想定しない省略否である必須画面の標準時間の合計を算出し、
算出した標準時間の合計が当該天気予報番組の放送時間よりも短い場合には、前記必須画面を当該画面に少なくとも標準時間以上を配分する標準採用とし、前記緊急画面及び標準画面のうち省略を想定する省略可の任意画面が、その最短時間を前記標準時間の合計に加算した合計時間が前記放映時間よりも短い場合に、当該任意画面を当該画面に少なくとも最短時間以上を配分する短縮採用とし、
一方、前記算出した標準時間の合計が当該天気予報番組の放送時間よりも大きい場合には、前記必須画面を前記短縮採用とし、
標準採用とした画面については、標準時間を配分時間とし、短縮採用とした画面ついては、最短時間と標準時間の間で、標準採用の画面と短縮採用の画面の配分時間の合計が放送時間と等しくなる配分時間を算出する番組編成部
(6)標準採用の画面と短縮採用の画面について、順次各画面に関する気象情報を気象情報データベースから取得し、当該気象情報を所定の表示形式で放映メモリに展開する画面展開処理を行ない、前の画面を画面展開処理してから当該画面の配分時間経過後に、次の画面の画面展開処理に移行するように制御する番組映像生成部。
【0006】
また、番組映像提供装置は、通信網を介して気象情報配信サーバに接続し、気象情報配信サーバから受信した気象情報を気象情報データベースに登録する気象情報収集部を有することを特徴とする。
【0007】
また、緊急画面テーブルは、前記緊急画面について、更に画面展開処理の前後関係を示す表示順位を記憶し、
標準番組構成情報記憶部は、前記標準画面について、更に前記表示順位を記憶し、
番組編成部は、標準採用の画面と短縮採用の画面を、それぞれの表示順位に従って順序付けし、
番組映像生成部は、当該順序付けに従って、画面展開処理を行なうことを特徴とする。
【0008】
また、番組映像提供装置は、番組放送の準備開始時刻に至ったか判定する番組放送準備開始判定部と、
番組の放送開始時刻に至ったか判定する番組放送開始判定部を有し、
緊急情報抽出部は、番組放送の準備開始時刻に至った時点で、気象情報中の緊急情報の存在を判定し、
番組編成部は、緊急情報抽出部の判定に従って、前記採用の判定と時間配分の処理を行い、
番組映像生成部は、番組の放送開始時刻に至った時点で、前記画面展開処理を開始することを特徴とする。
【0009】
本発明に係るプログラムは、
緊急情報を含み得る気象情報を記憶する気象情報データベースと、
緊急情報を知らせる緊急画面について、当該画面の放映に適した標準時間、当該画面を短縮して放映する場合の条件となる最短時間、当該画面を省略することを想定するか否かを示す省略可否を記憶する緊急画面テーブルと、
天気予報番組を構成する緊急画面以外の標準画面について、前記標準時間、前記最短時間、前記省略可否を記憶する標準番組構成情報記憶部を有し、映像メモリを介して天気予報番組の映像を提供する番組映像提供装置となるコンピュータに、以下の手順を実行させることを特徴とする
(1)気象情報データベースに記憶する気象情報中の緊急情報の存在を判定する緊急情報抽出手順
(2)存在すると判定した緊急情報に係る緊急画面及び標準画面のうち、省略を想定しない省略否である必須画面の標準時間の合計を算出し、
算出した標準時間の合計が当該天気予報番組の放送時間よりも短い場合には、前記必須画面を当該画面に少なくとも標準時間以上を配分する標準採用とし、前記緊急画面及び標準画面のうち省略を想定する省略可の任意画面が、その最短時間を前記標準時間の合計に加算した合計時間が前記放映時間よりも短い場合に、当該任意画面を当該画面に少なくとも最短時間以上を配分する短縮採用とし、
一方、前記算出した標準時間の合計が当該天気予報番組の放送時間よりも大きい場合には、前記必須画面を前記短縮採用とし、
標準採用とした画面については、標準時間を配分時間とし、短縮採用とした画面ついては、最短時間と標準時間の間で、標準採用の画面と短縮採用の画面の配分時間の合計が放送時間と等しくなる配分時間を算出する番組編成手順
(3)標準採用の画面と短縮採用の画面について、順次各画面に関する気象情報を気象情報データベースから取得し、当該気象情報を所定の表示形式で放映メモリに展開する画面展開処理を行ない、前の画面を画面展開処理してから当該画面の配分時間経過後に、次の画面の画面展開処理に移行するように制御する番組映像生成手順。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、緊急情報に係る緊急画面と、それ以外に天気予報を構成する標準画面について、省略しない必須画面と省略し得る任意画面に分け、必須画面について表示時間として適した標準時間の合計を算出し、その合計が天気予報番組全体の放送時間を越えていなければ、任意画面を最短時間以上で採用し、一方、前記合計が天気予報番組全体の放送時間を越えていれば、必須画面の表示時間を最短時間までの範囲で短縮するので、重要な情報が少ない場合には、重要な情報を十分に伝えるとともに、付加的な情報を加え、重要な情報が多い場合には、伝達に必要な条件を満たしつつ、多くの情報を伝えることができる。
【0011】
天候が安定しており、緊急の情報が無いあるいは少ない場合には、視聴者の注意力があまり高くないので、十分な時間をかけて伝達することが望ましく、また警告の意義よりも娯楽的な意味合いで天気予報を視聴するので、付加情報を含めることが放送サービスとして望ましい。一方、天候が不安定であり、緊急の情報が多い場合には、視聴者の注意力が高いので、関心を持って視聴することを条件として有効な最低時間を確保すれば十分であり、危険の内容を詳しく知らせるために、重要な情報を多く伝達することが放送としての使命となる。本発明は、このように、状況に応じて放送時間内に伝達すべき情報の特性を反映して、最適な番組構成を自動的に生成することができる。
【0012】
特に、刻々と変化する緊急情報を即時に適切な形式で伝達するためには、本発明のように自動化するメリットは大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
実施の形態1.
本発明は、映像メモリを介して天気予報番組の映像を提供する番組映像提供装置に関する。図1は、放送局施設の構成を示す図である。番組映像提供装置101は、通信網を介して気象情報配信サーバ102と接続している。そして、気象情報配信サーバ102から気象情報を取得するように構成されている。また、気象情報に基づいて天気予報番組に係る番組映像を生成してミキサー装置103に提供する。映像メモリを番組映像提供装置101の内部に設け、ミキサー装置103から映像メモリ上の画像データを読み取る構成や、映像メモリを番組映像提供装置101の外部あるいはミキサー装置103の内部に設け、番組映像提供装置101から当該映像メモリに画像データを書き込み、ミキサー装置103の処理部で当該映像メモリ上の画像データを読み取る構成などが考えられる。
【0014】
ミキサー装置103は、音声入力装置104から入力された番組の音声を入力し、番組映像と番組音声を合成し、放送映像と放送音声として放送システム105に転送する。放送システム105は、放送映像と放送音声を放送電波に変換して、送出する。
【0015】
図2は、番組映像提供装置の構成を示す図である。番組映像提供装置101は、気象情報収集部201、気象情報データベース202、番組スケジュール実行部203、及び番組スケジュールマスタ記憶部204を有している。気象情報収集部201は、気象情報配信サーバ102から受信した気象情報を気象情報データベース202に蓄積させ、番組スケジュール実行部203は、番組スケジュールマスタ記憶部204に予め記憶されている番組スケジュールに従って、気象情報を伝達する天気予報番組の番組映像を生成して、ミキサー装置103に転送する。
【0016】
図3は、気象情報収集処理フローを示す図である。気象情報収集部201は、気象情報配信サーバ102から気象情報を受信する待ち状態で(S301)、気象情報を受信すると(S302)、受信した気象情報を気象情報データベースに登録する(S303)。
【0017】
気象情報データベースは、緊急情報を含み得る気象情報を記憶するように構成されている。図4は、気象情報データベースの構成を示す図である。気象情報は、図示した各テーブルにより構成されており、受信の都度最新の情報に更新されるように構成されている。テーブルは、常時データが存在する常設テーブル群と、状況に応じてデータが存在する臨時テーブル群とに大別される。常設テーブル群には、例えば、実況天気図テーブル401、予想天気図テーブル402、全国天気予報テーブル403、県内天気予報テーブル404、県内降水確率テーブル405、県内予想気温テーブル406、及び県内週間天気予報テーブル407が含まれる。実況天気図テーブル401は、実況の日付と時刻、実況天気図の情報を有し、予想天気図テーブル402は、予想の日付と時刻、予想天気図の情報を有し、全国天気予報テーブル403は、予想の日付と時刻、全国の地名に対応する予想天気の情報を有し、県内天気予報テーブル404は、予想の日付と時刻、県内(特定地域の例)の地名に対応する予想天気の情報を有し、県内降水確率テーブル405は、予想の日付と時刻、県内の地名に対応する降水確率の情報を有し、県内予想気温テーブル406は、予想の日付と時刻、県内の地名と県内の地名の組み合わせに対応する予想気温の情報を有し、県内週間天気予報テーブル407は、週間の各日付に対応する予想天気の情報を有している。
【0018】
臨時テーブル群には、例えば、全国地震情報テーブル451、県内地震情報テーブル452、県内警報・注意報テーブル453、及び台風情報テーブル454が含まれる。全国地震情報テーブル451は、現在時刻から遡って所定時間範囲内に地震が発生している場合に、地震発生時刻、全国の震度観測地名と当該観測地における震度の情報を有し、県内地震情報テーブル452は、同様に現在時刻から遡って所定時間範囲内に地震が発生している場合に、地震発生時刻、県内の震度観測地名と当該観測地における震度の情報を有し、県内警報・注意報テーブル453は、更新日時・時刻、県内地域(警報・注意報の発令単位の地域)別に、発令中の警報・注意報の情報を有し、台風情報テーブル454は、観測日時・時刻、台風の位置、中心気圧、風速、予想進路等の情報を有している。
【0019】
続いて、番組スケジュール実行部203の構成及び動作について説明する。図5は、番組スケジュール実行部の処理モジュールの構成を示す図である。番組スケジュール実行部203は、処理モジュールとして、番組放送準備開始判定部501、番組放送準備処理部502、番組放送開始判定部503、及び番組放送時処理部504を有している。また、番組放送準備処理部502は、緊急情報抽出部521と番組編成部522を有し、番組放送時処理部504は番組映像生成部541を有している。
【0020】
図6は、番組スケジュール実行処理フローを示す図である。番組放送準備開始判定部501による番組放送準備開始待ち(S601)の処理を行なう。この処理では、番組スケジュールマスタ記憶部204に記憶されている番組IDと放送準備開始時刻を読み取り、時計部から現在時刻を取得し、現在時刻が放送準備開始時刻に至るまで待つ。番組IDは、番組編成部522に転送される。この例によらず、放送準備開始時刻に代えて放送開始時刻を読み取り、放送開始時刻から所定の時間を差し引いて、その差を放送準備開始時刻として用いてもよい。
【0021】
図7は、番組スケジュールマスタの例を示す図である。天気予報の番組毎にレコードを設け、番組ID701、番組名702、放送準備開始時刻703、放送開始時刻704、放送時間705の項目を対応付けて記憶するように構成されている。放送準備開始時刻703は、当該天気予報番組の放送に係る準備処理を開始する時刻である。放送開始時刻704は、当該天気予報番組の放送を開始する時刻である。放送時間705は、当該天気予報番組が放送される時間長である。
【0022】
上述の処理で、放送準備開始時刻に至ったと判定されると、番組放送準備処理部502による番組放送準備処理(S602)で、当該天気予報番組の放送に係る準備処理を行なう。この処理については、図9を用いて後述する。
【0023】
続いて、番組放送開始判定部503による番組放送開始待ち(S603)の処理を行なう。この処理では、番組スケジュールマスタ記憶部204に記憶されている放送開始時刻を読み取り、時計部から現在時刻を取得し、現在時刻が放送開始時刻に至るまで待つ。
【0024】
そして、放送開始時刻に至ったと判定されると、番組放送時処理部504による番組放送時処理(S604)で、番組放送時の処理を行なう。この処理については、図36を用いて後述する。
【0025】
図8は、番組スケジュール実行部の構成を示す図である。この図では、標準番組構成情報記憶部801、番組編成用テーブル802、緊急画面テーブル803、放送用番組構成情報記憶部804、画面定義テーブル805、及び表示要素データベース806のように記憶領域についても示している。
【0026】
標準番組構成情報記憶部801は、天気予報番組毎に、緊急情報を知らせる緊急画面を挿入しない場合に当該番組で放映する標準画面の制御情報群を記憶している。詳しくは、図12を用いて後述する。標準画面は、天気予報番組を構成する緊急画面以外の画面のことである。
【0027】
番組編成用テーブル802は、番組編成部522により番組を編成する際に用いるテーブルであって、当該番組で放映される画面の候補に係る画面制御情報群を記憶するように構成されている。詳しくは、図14を用いて後述する。
【0028】
緊急画面テーブル803は、臨時テーブル群にデータが存在する場合に、番組に加えられる緊急画面の制御情報群を記憶している。詳しくは、図13を用いて後述する。
【0029】
放送用番組構成情報記憶部804は、番組編成部522により編成された結果として、実際に放送される番組に含まれる放送用画面の制御情報を記憶するように構成されている。詳しくは、図23を用いて後述する。
【0030】
画面定義テーブル805は、画面毎に、画面の表示に係る構成を定義する情報を記憶している。詳しくは、図39を用いて後述する。
【0031】
表示要素データベース806は、画面を構成する表示要素の画像データを記憶している。詳しくは、図40から図43を用いて後述する。
【0032】
ここで、番組放送準備処理(図6のS602)について説明する。図9は、番組放送準備処理フローを示す図である。まず、緊急情報抽出部521による緊急情報抽出処理(S901)を行い、続いて番組編成部522による番組編成処理(S902)を行なう。緊急情報抽出処理(S901)では、気象情報データベース202からその時点で存在する緊急情報の種別を特定する。番組編成処理(S902)では、緊急情報の種別に応じて放送する番組に含める画面とその配分時間を特定し、放送用画面制御情報として放送用番組構成情報記憶部804に記憶させる。以下、これらの処理について詳述する。
【0033】
緊急情報抽出処理(S901)について説明する。図10は、緊急情報抽出処理フローを示す図である。気象情報データベースの全国地震情報テーブル451から全国地震情報を読み取り(S1001)、全国地震情報がある場合には(S1002)、緊急情報種別に全国地震情報有の旨を設定する(S1003)。同様に、気象情報データベースの県内地震情報テーブル452から県内地震情報を読み取り(S1004)、県内地震情報がある場合には(S1005)、緊急情報種別に県内地震情報有の旨を設定する(S1006)。また、気象情報データベースの県内警報・注意報テーブル453から県内警報・注意報を読み取り(S1007)、県内警報・注意報がある場合には(S1008)、緊急情報種別に県内警報・注意報有の旨を設定する(S1009)。更に、気象情報データベースの台風情報テーブル454から台風情報を読み取り(S1010)、台風情報がある場合には(S1011)、緊急情報種別に台風情報有の旨を設定する(S1012)。そして、緊急情報種別(全国地震情報の有/無、県内地震情報の有/無、県内警報・注意報の有/無、台風情報の有/無)を出力する(S1013)。このようにして、気象情報中の緊急情報の存在を判定する。
【0034】
続いて、番組編成処理(S902)について説明する。図11は、番組編成処理フローを示す図である。番組スケジュールマスタ記憶部204から当該番組IDに対応する放送時間を取得する(S1101)。そして、当該番組IDにより特定される標準番組構成情報に含まれる全ての標準画面制御情報(画面ID、表示順位、標準時間、最短時間、省略可否、及び優先順位を含む。)を読込み、番組編成用テーブル802に書き込む(S1102)。これらの標準画面は、当該番組で表示する候補である候補画面となる。
【0035】
図12は、標準番組構成情報の例を示す図である。ヘッダに番組ID1201及び放送時間1202の項目を有し、番組を構成する標準画面毎にレコードを設け、画面ID1203、画面名1204、表示順位1205、標準時間1206、最短時間1207、省略可否1208、及び優先順位1209の項目を対応付けて記憶するように構成されている。標準画面は、緊急画面を挿入しない場合に当該番組で放映する画面である。画面IDは、画面を識別する情報である。表示順位1205は、番組内で表示する順位、つまり画面展開処理(図38を用いて後述する。)される順番の前後関係を示す順位であり、この例では小さい値から順に表示(つまり、画面展開処理)するように制御する。標準時間1206は、当該画面を放映するのに適した時間である。平常時における通常の視聴者の注意力に従って、充分に当該画面の内容を伝達できる時間を設定するのが望ましい。最短時間1207は、当該画面を放映する際の最短の時間(当該画面を短縮して放映する場合の条件)である。緊急時における高い注意力によって、あるいは興味を持って積極的に視聴する場合の注意力によって、充分に当該画面の内容を伝達できる時間を設定するのが望ましい。省略可否1208は、当該画面の省略を想定するか否かを示す情報である。以下、省略できる画面を任意画面(不採用にできる画面の意)といい、省略できない画面を必須画面(必ず採用する画面の意)という。優先順位1209は、番組に含める判定(採用の判定)をする際の採用されやすさを示す順位である。この例では値が小さい方が優先的に採用されるように制御する。採用とは、当該番組の放送に当該画面の放映を含めることである。
【0036】
次に、図11のS1103に示すように、存在すると判定された緊急情報種別で特定される緊急画面制御情報(画面ID、表示順位、標準時間、最短時間、省略可否、及び優先順位を含む。)を緊急画面テーブル803から読込み、番組編成用テーブル802に書き込む(S1103)。これらの緊急画面は、当該番組で表示する候補である候補画面となる。
【0037】
図13は、緊急画面テーブルの例を示す図である。ヘッダに緊急情報種別1301の項目を有し、緊急画面毎にレコードを設け、画面ID1302、画面名1303、表示順位1304、標準時間1305、最短時間1306、省略可否1307、及び優先順位1308の項目を対応付けて記憶するように構成されている。
【0038】
番組編成用テーブル802上で、省略可否が否である全ての画面制御情報(必須画面)の採用判別子を「標準採用」にする。また、他の画面制御情報に含まれる採用判別子は「不採用」とする(S1104)。
【0039】
図14は、番組編成用テーブルの例1(S1104の後)を示す図である。候補画面毎にレコードを設け、画面ID1401、画面名1402、表示順位1403、採用判別子1404、配分時間1405、標準時間1406、最短時間1407、省略可否1408、及び優先順位1409の項目を対応付けて記憶するように構成されている。採用判別子1404は、当該画面を番組内で表示する「採用」と表示しない「不採用」の別と、更に「採用」について配分時間を標準時間以上とする「標準」と、同じく配分時間を最短時間以上とする「短縮」の別を区別する情報である。つまり「標準採用」は、当該画面を番組に含め、標準時間を基準としてそれ以上を配分時間に割り当てることを意味し、「短縮採用」は、当該画面を番組に含め、最低時間を基準としてそれ以上を配分時間に割り当てることを意味し、「不採用」は、当該画面を番組に含めないことを意味する。
【0040】
この例は、番組IDがP002の番組(「今朝の番組」)について、放送準備開始時刻「07時24分58秒」に至った時点で、臨時テーブル群のうち県内警報・注意報と台風情報が存在し、図12の全ての画面制御情報と図13のうち県内警報・注意報と台風情報に係る画面制御情報を番組編成用テーブル802に転送し、必須画面を「標準採用」とし、任意画面を「不採用」とした状態を示している。S1104を処理した時点では、採用判別子は確定しておらず、また配分時間も決定していない。
【0041】
続いて、採用時間合算処理(S1105)を行なう。この処理では、採用判別子が「標準採用」の画面に標準時間を割り当て、「短縮採用」の画面に最短時間を割り当て、「不採用」の画面に時間を割り当てない場合の配分時間の合計を算出する処理を行なう。
【0042】
図15は、採用時間合算処理フローを示す図である。まず、内部パラメータである合計時間を0に初期化する(S1501)。そして、番組編成用テーブル上の画面制御情報(レコード)について順次以下の処理を繰り返す(S1502)。採用判別子が「標準採用」の場合には(S1503)、当該画面制御情報の標準時間を合計時間に加算する(S1504)。また、採用判別子が「短縮採用」の場合には(S1503)、当該画面制御情報の最短時間を合計時間に加算する(S1505)。採用判別子が「不採用」の場合には(S1503)、合計時間に時間を加算しない。そして、すべての画面制御情報について処理した時点で(S1506)、合計時間を出力する(S1507)。
【0043】
図11に示すように、合計時間を当該番組の放送時間と比較し(S1106)、合計時間が放送時間より小さい場合には時間的に余裕が有り、更に画面を追加することができる可能性があるので、任意画面を採用する任意画面追加処理(S1107)を行なう。他方、合計時間が放送時間より大きい場合には、所定の時間枠をオーバーしているので、必須画面を「短縮採用」に変更し、なお時間枠をオーバーしている場合には必須画面のうちいずれかの削除する必須画面縮減処理(S1108)を行なう。合計時間が放送時間と等しい場合には、画面採用の調整処理は行なわない。
【0044】
まず、任意画面追加処理(S1107)について説明する。必須画面縮減処理(S1108)については、図31を用いて後述する。
【0045】
図16は、任意画面追加処理フローを示す図である。番組編成用テーブル802上で、省略可否が可である画面制御情報(任意画面)について、優先順位の高い順に以下の処理を繰り返す(S1601)。当該任意画面の画面制御情報の採用判別子を「短縮採用」にして(S1602)、採用時間合算処理(S1603)を行なう。これにより、当該任意画面を追加できるかを判定する。合計時間を放送時間と比較し(S1604)、合計時間が放送時間より小さいあるいは等しい場合には、放送時間内に収まることを意味するので、「短縮採用」を維持する。他方、合計時間が放送時間より大きい場合には、放送時間内に収まらないことを意味するので、当該任意画面の画面制御情報の採用判別子を「不採用」に戻す(S1605)。すべての任意画面の画面制御情報について処理した時点で終了する(S1606)。
【0046】
図17は、番組編成用テーブルの例1(S1107の後)を示す図である。図14の番組編成用テーブルについて採用時間合算処理で合計時間を求めると、70秒となり放送時間の90秒よりも小さいので(S1106)、S1107で図16の任意画面追加処理を行なう。1451と1452と1455の3つの任意画面があるが、優先順位に従って1455、1451、1452の順に処理を行ない、1455を「短縮採用」とした状態で合計時間が88秒となるので、当該画面を「短縮採用」に決定する。更に1451あるいは1452を追加すると、放送時間90秒を越えるのでこれらについてはいずれも「不採用」のままとなる。
【0047】
続いて、図11に示すように時間配分処理(S1109)を行なう。この処理では、採用判別子に従って、放送時間を各画面の配分時間に割り当てる。
【0048】
図18は、時間配分処理フローを示す図である。当該番組の放送時間を取得し(S1801)、採用時間配分処理(S1802)を行なう。この処理では、採用判別子が「標準採用」の画面の配分時間に標準時間を割り当て、「短縮採用」の画面の配分時間に最短時間を割り当てる処理を行なう。
【0049】
図19は、採用時間配分処理フローを示す図である。番組編成用テーブル802上の画面制御情報について順次以下の処理を繰り返す(S1901)。採用判別子が「標準採用」の場合には(S1902)、当該画面制御情報の配分時間に、当該画面制御情報の標準時間を設定し(S1903)、採用判別子が「短縮採用」の場合には(S1902)、当該画面制御情報の配分時間に、当該画面制御情報の最短時間を設定する(S1904)。採用判別子が「不採用」の場合には(S1902)、配分時間は設定しない。そして、すべての画面制御情報について処理した時点で終了する(S1905)。
【0050】
そして、図18のS1803に示すように設定した配分時間の合計を算出し、配分時間の合計を、当該番組の放送時間と比較する(S1804)。等しい場合には、配分時間の調整は必要ないので終了する。一方、配分時間の合計が当該番組の放送時間と等しくない場合(配分時間の合計が小さい場合)には、短縮採用拡張処理(S1805)を行なう。この処理では、短縮採用の画面制御情報の配分時間を増やす処理を行なう。
【0051】
図20は、短縮採用拡張処理フローを示す図である。番組編成用テーブル802上で、配分時間が標準時間未満の画面制御情報を特定し(S2001)、特定した画面制御情報群について、優先順位が高い順に以下の処理を繰り返す(S2004)。
【0052】
当該画面制御情報の配分時間に単位時間(例えば、1)を加え(S2005)、配分時間の合計を算出して(S2006)、配分時間の合計を当該番組の放送時間と比較し、等しい場合には(S2007)、ステータスを「配分完了」として終了する(S2009)。配分時間の合計が当該番組の放送時間と等しくない場合(配分時間の合計が小さい場合)には、優先順位に従って次の画面制御情報について同様の処理(S2005〜S2007)を繰り返す。すべての特定した画面制御情報について一巡した場合には(S2008)、S2001の処理に戻り、改めて配分時間が標準時間未満の画面制御情報を特定して、同様の処理を繰り返す。
【0053】
配分時間が標準時間未満の画面制御情報がない場合には(S2002)、「短縮採用」の配分時間を標準時間まで増加させても、配分時間の合計が放送時間に至らないので、ステータスを「未完了」として終了する(S2003)。
【0054】
この例では、最短時間と標準時間の間で、各画面に均等に余りの時間を分配する処理を行なったが、優先順位の高い画面を優先して、標準時間を限度に先に配分するようにしてもよい。あるいは、画面同士の最短時間の比率や標準時間の比率に従って、余りの時間を按分しもよい。つまり、最短時間と標準時間の間で、「標準採用」の画面と「短縮採用」の画面の配分時間の合計が放送時間と等しくなる配分時間を算出できれば、いずれの処理手順でも有効である。
【0055】
図18のS1805に示すように、短縮採用拡張処理でステータスが「配分完了」の場合には終了する(S1806)。ステータスが「未完了」の場合には(S1806)、全採用拡張処理(S1807)を行なう。この処理では、すべての画面制御情報を対象として優先順位に従って配分時間を増加させる。この処理については、図26を用いて後述する。
【0056】
図21は、番組編成用テーブルの例1(S1109の後)を示す図である。図17の番組編成用テーブルに時間配分すると図21のようになる。2153、2154、2156、2157の配分時間にはS1802で標準時間を設定され、2155の配分時間にはS1802で設定された最短時間をS1805で拡張し、配分時間の合計が放送時間と等しくなるように調整している。
【0057】
このようにして時間配分処理(S1109)を終えると、図11に示すように表示順ソート処理(S1110)を行なう。図22は、表示順ソート処理フローを示す図である。番組編成用テーブル上で、採用判別子が「不採用」の画面制御情報を削除し(S2201)、表示順位が小さい順に、画面制御情報を並び替える(S2202)。
【0058】
図11に示すように番組編成用テーブルの画面制御情報(画面IDと配分時間を含む。)を、放送用番組構成記憶部にコピーする(S1111)。この例では、画面IDと画面名と配分時間を複製している。
【0059】
図23は、放送用番組構成情報の例1を示す図である。放送用番組を構成する画面毎にレコードを設け、画面ID2301、画面名2302、配分時間2303の項目を対応付けて記憶するように構成されている。この例では、台風情報画面と県内警報・注意報画面が標準時間で追加され、一方予想天気図画面と全国天気予報画面が削除されている。また、県内週間天気予報画面は標準時間よりも短くなっている。
【0060】
例2で、緊急情報として県内警報・注意報が存在する場合について説明する。図24は、番組編成用テーブルの例2(S1109の後)を示す図である。2451と2455の配分時間を短縮採用拡張処理(S1805)で拡張している。
【0061】
図25は、放送用番組構成情報の例2を示す図である。この例では、県内警報・注意報画面が標準時間で追加され、一方全国天気予報画面が削除されている。また、県内週間天気予報画面は標準時間よりも短くなっている。
【0062】
次に、図18の全採用拡張処理(S1807)について説明する。図26は、全採用拡張処理フローを示す図である。すべての画面制御情報について、優先度が高い順に以下の処理を繰り返す(S2601)。尚、最も優先度が低い画面制御情報まで処理した場合には、改めて優先順位が高い順(小さい順)から繰り返す。
【0063】
当該画面制御情報の配分時間に単位時間(例えば、1)を加え(S2602)、配分時間の合計を算出し(S2603)、配分時間の合計が当該番組の放送時間と等しくなるまで処理を繰り返す(S2604)。
【0064】
この例では、標準時間以上で、各画面に均等に余りの時間を分配する処理を行なったが、優先順位の高い画面に余りの時間をすべて配分するようにしてもよい。あるいは、画面同士の標準時間の比率に従って、余りの時間を按分しもよい。つまり、標準時間以上で、「標準採用」の画面と「短縮採用」の画面の配分時間の合計が放送時間と等しくなる配分時間を算出できれば、いずれの処理手順でも有効である。
【0065】
例3で、緊急情報として台風情報が存在する場合について説明する。図27は、番組編成用テーブルの例3(S1109の後)を示す図である。短縮採用拡張処理(S1805)で、標準時間と等しくなるまで配分時間を拡張しても、配分時間の合計が89秒であり放送時間に満たないので、全採用拡張処理(S1807)で優先順位の高い2756の配分時間を1だけ増加させている。
【0066】
図28は、放送用番組構成情報の例3を示す図である。この例では、台風情報画面が標準時間+1で追加され、一方、全国天気予報画面が削除されている。
【0067】
例4で、全国地震情報と県内地震情報が存在する場合について説明する。図29は、番組編成用テーブルの例4(S1109の後)を示す図である。この例では、全採用拡張処理(S1807)で優先順位に従って、2957と2956の配分時間を標準時間から1ずつ増加させている。
【0068】
図30は、放送用番組構成情報の例4を示す図である。この例では、全国地震情報画面と県内地震情報画面が標準時間+1で追加され、一方全国天気予報画面と県内週間天気予報画面が削除されている。
【0069】
次に、図11の必須画面縮減処理(S1108)について説明する。必須画面の標準時間を合計すると放送時間を越えるので、「短縮採用」に変更し、それでも放送時間を越える場合には優先順位の低い必須画面を削除する処理を行なう。
【0070】
図31は、必須画面縮減処理フローを示す図である。まず、番組編成用テーブル上で、すべての必須画面の画面制御情報に含まれる採用判別子を「短縮採用」にし(S3101)、採用時間合算処理(S3102)により算出した合計時間を放送時間と比較する(S3103)。合計時間が放送時間より小さい場合あるいは等しい場合には、放送時間に収まるので処理を終了する。一方、合計時間が放送時間より大きい場合には、必須画面の画面制御情報について、優先順位の低い順(この例では、大きい値の順)に以下の処理を繰り返す(S3104)。当該必須画面の画面制御情報に含まれる採用判別子を「不採用」にして(S3105)、採用時間合算処理(S3106)により算出した合計時間を放送時間と比較する(S3107)。合計時間が放送時間より小さい場合あるいは等しい場合には、当該必須画面を削除することによって放送時間に収まるので処理を終了する。合計時間が放送時間より大きい場合には、次に優先順位の低い必須画面を削除する処理を繰り返す。
【0071】
例5で、全国地震情報と県内地震情報と県内警報・注意報が存在する場合について説明する。図32は、番組編成用テーブルの例5(S1109の後)を示す図である。3253、3454、3456、3457、3458の必須画面の標準時間を合計すると、94秒となり放送時間の90秒を越えるので、これらの採用判別子を「標準採用」から「短縮採用」に変更している。配分時間は、短縮採用拡張処理(S1805)で決定されている。
【0072】
図33は、放送用番組構成情報の例5を示す図である。この例では、全国地震情報画面と県内地震情報画面と県内警報・注意報画面が標準時間で追加され、一方予想天気図画面と全国天気予報画面と県内週間天気予報画面が削除されている。また、県内天気予報・降水確率画面と県内予想気温画面は標準時間よりも短くなっている。

例6で、全国地震情報と県内地震情報と県内警報・注意報と台風情報が存在する場合について説明する。図34は、番組編成用テーブルの例6(S1109の後)を示す図である。3453、3454、3456、3457、3458、3459の必須画面を「標準採用」から「短縮採用」に変更しても、最短時間の合計91秒が放送時間90秒を越えるので、必須画面のうち最も優先順位の低い3454を「不採用」としている。
【0073】
図35は、放送用番組構成情報の例6を示す図である。この例では、全国地震情報画面と県内地震情報画面と県内警報・注意報画面と台風情報画面が標準時間で追加され、一方予想天気図画面と全国天気予報画面と県内予想気温画面と県内週間天気予報画面が削除されている。
【0074】
次に、図6に示した番組放送時処理(S604)について説明する。図36は、番組放送時処理フローを示す図である。番組放送時処理として番組映像生成処理(S3601)を行なう。
【0075】
図37は、番組映像生成処理フローを示す図である。放送用番組構成情報記憶部804から、表示順に従って順次画面制御情報を取得し、以下の処理を繰り返す(S3701)。まず、番組スケジュールマスタ記憶部204から放送開始時刻を取得し、放送開示時刻に表示順に従って順次各画面の配分時間を当該画面まで加えることにより、当該画面の表示開始時刻を算出する(S3702)。そして、当該画面の表示開始時刻を待ち(S3703)、表示開始時刻に至った時点で画面展開処理(S3704)を行なう。
【0076】
画面展開処理(S3704)について説明する。図38は、画面展開処理フローを示す図である。まず、画面IDに対応する画面定義情報を画面定義テーブルから取得する(S3801)。
【0077】
図39は、画面定義テーブルの例を示す図である。ヘッダに画面ID3901、下絵ID3902、表示要素数3903の項目を有し、表示要素毎にレコードを設け、表示パラメータ格納位置3904、表示要素種別3905、配置座標3906、及びアニメ処理方式3907の項目を対応付けて記憶するように構成されている。
【0078】
そして、下絵IDに対応する下絵画像データを表示要素データベース806から取得して、映像メモリに展開する(S3802)。
【0079】
表示要素データベース806に含まれる下絵画像データ管理テーブルについて説明する。図40は、下絵画像データ管理テーブルの例を示す図である。下絵毎にレコードを設け、下絵ID4001、下絵画像データファイル名4002の項目を対応付けて記憶するように構成されている。下絵画像データファイル名4002に従って表示要素データベース806に含まれる下絵画像データファイルにアクセスすることにより、下絵画像データを取得することが出来るように構成されている。図41は、下絵画像の例を示す図である。
【0080】
次に、表示要素数分、以下の処理を繰り返す(S3803)。まず、表示パラメータ格納位置に従って、気象情報データベース202から表示パラメータを取得する(S3804)。図39の3951の表示パラメータ格納位置3904では、気象情報データベース202に含まれる全国天気予報テーブル403の地名が釧路であるレコードの天気の項目が、表示パラメータであることを示している。
【0081】
図42は、全国天気予報テーブルの例を示す図である。地名毎にレコードを設け、地名4201、天気4202の項目を対応付けて記憶するように構成されている。
【0082】
次に、表示要素種別に従って、表示要素別テーブルを特定する(S3805)。図39の3951の表示要素種別3905では、天気マークが表示要素であることを示しているので、表示要素別のテーブルとして天気マーク画像データ管理テーブルを特定する。
【0083】
図43は、天気マーク画像データ管理テーブルの例を示す図である。天気毎にレコードを設け、天気4301、天気マーク画像データファイル名4302の項目を対応付けて記憶するように構成されている。天気マーク画像データファイル名4302に従って表示要素データベース806に含まれる天気マーク画像データファイルにアクセスすることにより、天気マーク画像データを取得することが出来るように構成されている。
【0084】
そして、表示要素別テーブルから、表示パラメータに対応する表示画像データを取得して(S3806)、表示画像データを、配置座標とアニメ処理方式に従って、映像メモリに展開する(S3807)。配置座標は、下絵イメージの上にマークなどの当該表示画像を配置する位置を示す座標である。アニメ処理方式は、スライドインや点滅等のアニメ動作を指定する情報である。すべての表示要素について処理した時点で終了する(S3808)。図44は、表示画像の展開後の画像例を示す図である。
【0085】
そして、図37に示すように、すべての画面制御情報について処理した時点で(S3705)、最終画面の表示終了時刻を算出し(S3706)、最終画面の表示終了時刻を待って(S3707)、処理を終了する。最終画面の表示終了時刻は、最終画面の表示開始時刻に当該画面の配分時間を加えることにより求める。
【0086】
番組映像提供装置101は、コンピュータであり、各要素はプログラムにより処理を実行することができる。また、プログラムを記憶媒体に記憶させ、記憶媒体からコンピュータに読み取られるようにすることができる。
【0087】
コンピュータのハードウェアの構成について説明する。図45は、ハードウェアの構成を示す図である。バスに、演算装置4501、データ記憶装置4502、メモリ4503、通信インターフェース4504が接続されている。データ記憶装置4502は、例えばROM(Read Only Memory)やハードディスクである。メモリ4503は、通常RAM(Random Access Memory)である。プログラムは、通常データ記憶装置4502に記憶されており、メモリ4503にロードされた状態で、順次演算装置4501に読み込まれ処理を行う。通信インターフェース4504は、通信網を介した通信及びミキサー装置との通信に用いる。他に、操作に伴う入力装置及び出力装置を有している。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】放送局施設の構成を示す図である。
【図2】番組映像提供装置の構成を示す図である。
【図3】気象情報収集処理フローを示す図である。
【図4】気象情報データベースの構成を示す図である。
【図5】番組スケジュール実行部の処理モジュールの構成を示す図である。
【図6】番組スケジュール実行処理フローを示す図である。
【図7】番組スケジュールマスタの例を示す図である。
【図8】番組スケジュール実行部の構成を示す図である。
【図9】番組放送準備処理フローを示す図である。
【図10】緊急情報抽出処理フローを示す図である。
【図11】番組編成処理フローを示す図である。
【図12】標準番組構成情報の例を示す図である。
【図13】緊急画面テーブルの例を示す図である。
【図14】番組編成用テーブルの例1(S1104の後)を示す図である。
【図15】採用時間合算処理フローを示す図である。
【図16】任意画面追加処理フローを示す図である。
【図17】番組編成用テーブルの例1(S1107の後)を示す図である。
【図18】時間配分処理フローを示す図である。
【図19】採用時間配分処理フローを示す図である。
【図20】短縮採用拡張処理フローを示す図である。
【図21】番組編成用テーブルの例1(S1109の後)を示す図である。
【図22】表示順ソート処理フローを示す図である。
【図23】放送用番組構成情報の例1を示す図である。
【図24】番組編成用テーブルの例2(S1109の後)を示す図である。
【図25】放送用番組構成情報の例2を示す図である。
【図26】全採用拡張処理フローを示す図である。
【図27】番組編成用テーブルの例3(S1109の後)を示す図である。
【図28】放送用番組構成情報の例3を示す図である。
【図29】番組編成用テーブルの例4(S1109の後)を示す図である。
【図30】放送用番組構成情報の例4を示す図である。
【図31】必須画面縮減処理フローを示す図である。
【図32】番組編成用テーブルの例5(S1109の後)を示す図である。
【図33】放送用番組構成情報の例5を示す図である。
【図34】番組編成用テーブルの例6(S1109の後)を示す図である。
【図35】放送用番組構成情報の例6を示す図である。
【図36】番組放送時処理フローを示す図である。
【図37】番組映像生成処理フローを示す図である。
【図38】画面展開処理フローを示す図である。
【図39】画面定義テーブルの例を示す図である。
【図40】下絵画像データ管理テーブルの例を示す図である。
【図41】下絵画像の例を示す図である。
【図42】全国天気予報テーブルの例を示す図である。
【図43】天気マーク画像データ管理テーブルの例を示す図である。
【図44】表示画像の展開後の画像を示す図である。
【図45】ハードウェアの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
101 番組映像提供装置、102 気象情報配信サーバ、103 ミキサー装置、104 音声入力装置、105 放送システム、201 気象情報収集部、202 気象情報データベース、203 番組スケジュール実行部、204 番組スケジュールマスタ記憶部、401 実況天気図テーブル、402 予想天気図テーブル、403 全国天気予報テーブル、404 県内天気予報テーブル、405 県内降水確率テーブル、406 県内予想気温テーブル、407 県内週間天気予報テーブル、451 全国地震情報テーブル、452 県内地震情報テーブル、453 県内警報・注意報テーブル、454 台風情報テーブル、501 番組放送準備開始判定部、502 番組放送準備処理部、503 番組放送開始判定部、504 番組放送時処理部、521 緊急情報抽出部、522 番組編成部、541 番組映像生成部、801 標準番組構成情報記憶部、802 番組編成用テーブル、803 緊急画面テーブル、804 放送用番組構成情報記憶部、805 画面定義テーブル、806 表示要素データベース。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像メモリを介して天気予報番組の映像を提供する番組映像提供装置であって、以下の要素を有することを特徴とする番組映像提供装置
(1)緊急情報を含み得る気象情報を記憶する気象情報データベース
(2)気象情報データベースに記憶する気象情報中の緊急情報の存在を判定する緊急情報抽出部
(3)緊急情報を知らせる緊急画面について、当該画面の放映に適した標準時間、当該画面を短縮して放映する場合の条件となる最短時間、及び当該画面を省略することを想定するか否かを示す省略可否を記憶する緊急画面テーブル
(4)天気予報番組を構成する緊急画面以外の標準画面について、前記標準時間、前記最短時間、及び前記省略可否を記憶する標準番組構成情報記憶部
(5)存在すると判定した緊急情報に係る緊急画面及び標準画面のうち、省略を想定しない省略否である必須画面の標準時間の合計を算出し、
算出した標準時間の合計が当該天気予報番組の放送時間よりも短い場合には、前記必須画面を当該画面に少なくとも標準時間以上を配分する標準採用とし、前記緊急画面及び標準画面のうち省略を想定する省略可の任意画面が、その最短時間を前記標準時間の合計に加算した合計時間が前記放映時間よりも短い場合に、当該任意画面を当該画面に少なくとも最短時間以上を配分する短縮採用とし、
一方、前記算出した標準時間の合計が当該天気予報番組の放送時間よりも大きい場合には、前記必須画面を前記短縮採用とし、
標準採用とした画面については、標準時間を配分時間とし、短縮採用とした画面ついては、最短時間と標準時間の間で、標準採用の画面と短縮採用の画面の配分時間の合計が放送時間と等しくなる配分時間を算出する番組編成部
(6)標準採用の画面と短縮採用の画面について、順次各画面に関する気象情報を気象情報データベースから取得し、当該気象情報を所定の表示形式で放映メモリに展開する画面展開処理を行ない、前の画面を画面展開処理してから当該画面の配分時間経過後に、次の画面の画面展開処理に移行するように制御する番組映像生成部。
【請求項2】
番組映像提供装置は、通信網を介して気象情報配信サーバに接続し、気象情報配信サーバから受信した気象情報を気象情報データベースに登録する気象情報収集部を有することを特徴とする請求項1記載の番組映像提供装置。
【請求項3】
緊急画面テーブルは、前記緊急画面について、更に画面展開処理の前後関係を示す表示順位を記憶し、
標準番組構成情報記憶部は、前記標準画面について、更に前記表示順位を記憶し、
番組編成部は、標準採用の画面と短縮採用の画面を、それぞれの表示順位に従って順序付けし、
番組映像生成部は、当該順序付けに従って、画面展開処理を行なうことを特徴とする請求項1記載の番組映像提供装置。
【請求項4】
番組映像提供装置は、番組放送の準備開始時刻に至ったか判定する番組放送準備開始判定部と、
番組の放送開始時刻に至ったか判定する番組放送開始判定部を有し、
緊急情報抽出部は、番組放送の準備開始時刻に至った時点で、気象情報中の緊急情報の存在を判定し、
番組編成部は、緊急情報抽出部の判定に従って、前記採用の判定と時間配分の処理を行い、
番組映像生成部は、番組の放送開始時刻に至った時点で、前記画面展開処理を開始することを特徴とする請求項1記載の番組映像提供装置。
【請求項5】
緊急情報を含み得る気象情報を記憶する気象情報データベースと、
緊急情報を知らせる緊急画面について、当該画面の放映に適した標準時間、当該画面を短縮して放映する場合の条件となる最短時間、当該画面を省略することを想定するか否かを示す省略可否を記憶する緊急画面テーブルと、
天気予報番組を構成する緊急画面以外の標準画面について、前記標準時間、前記最短時間、前記省略可否を記憶する標準番組構成情報記憶部を有し、映像メモリを介して天気予報番組の映像を提供する番組映像提供装置となるコンピュータに、以下の手順を実行させるためのプログラム
(1)気象情報データベースに記憶する気象情報中の緊急情報の存在を判定する緊急情報抽出手順
(2)存在すると判定した緊急情報に係る緊急画面及び標準画面のうち、省略を想定しない省略否である必須画面の標準時間の合計を算出し、
算出した標準時間の合計が当該天気予報番組の放送時間よりも短い場合には、前記必須画面を当該画面に少なくとも標準時間以上を配分する標準採用とし、前記緊急画面及び標準画面のうち省略を想定する省略可の任意画面が、その最短時間を前記標準時間の合計に加算した合計時間が前記放映時間よりも短い場合に、当該任意画面を当該画面に少なくとも最短時間以上を配分する短縮採用とし、
一方、前記算出した標準時間の合計が当該天気予報番組の放送時間よりも大きい場合には、前記必須画面を前記短縮採用とし、
標準採用とした画面については、標準時間を配分時間とし、短縮採用とした画面ついては、最短時間と標準時間の間で、標準採用の画面と短縮採用の画面の配分時間の合計が放送時間と等しくなる配分時間を算出する番組編成手順
(3)標準採用の画面と短縮採用の画面について、順次各画面に関する気象情報を気象情報データベースから取得し、当該気象情報を所定の表示形式で放映メモリに展開する画面展開処理を行ない、前の画面を画面展開処理してから当該画面の配分時間経過後に、次の画面の画面展開処理に移行するように制御する番組映像生成手順。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate