異なるパスを選択するスイッチを備える、被試験デバイスを試験する試験デバイス
【課題】光測定を一切行うことなく完全な校正を定期的に行える光学電気デバイス又は光デバイスを試験するためのデバイスを提供する。
【解決手段】第1の電気端子及び第1の光端子を備えた、DUTを試験するための試験デバイスが提供される。このデバイスは、第1の電気回路ポートと第1の光回路ポートとを有する。この第1の光回路ポートは、光ラインによって第1の光端子に結合される。このデバイスは、第1、第2、第3のスイッチポートとを有する第1の電気スイッチを備える。この第1のスイッチは、第1のスイッチポートを、第2のスイッチポート又は第3のスイッチポートのいずれかと選択的に結合するようになっている。さらに、第2のスイッチポートを第1の電気端子と接続する第1の電気ラインが設けられ、第3のスイッチポートを第1の電気回路ポートと接続する第2の電気ラインが設けられる。
【解決手段】第1の電気端子及び第1の光端子を備えた、DUTを試験するための試験デバイスが提供される。このデバイスは、第1の電気回路ポートと第1の光回路ポートとを有する。この第1の光回路ポートは、光ラインによって第1の光端子に結合される。このデバイスは、第1、第2、第3のスイッチポートとを有する第1の電気スイッチを備える。この第1のスイッチは、第1のスイッチポートを、第2のスイッチポート又は第3のスイッチポートのいずれかと選択的に結合するようになっている。さらに、第2のスイッチポートを第1の電気端子と接続する第1の電気ラインが設けられ、第3のスイッチポートを第1の電気回路ポートと接続する第2の電気ラインが設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子試験に関し、より詳細には、電気を用いた電気光学システム又は光学システム及び関連コンポーネントに対して行われる試験中の信号測定用の電子計装に関する。本発明は、さらに、対応する試験を正確に行うために試験器具を校正することに関する。
【背景技術】
【0002】
光及び電気の双方を用いた回路機構及びインターフェースを備えるシステム又はデバイスの特性を求めることが多くの場合必要とされる。これらのシステム又はデバイスは、以下では、光学電気(若しくは電気光学)システム又は光学電気(若しくは電気光学)デバイスとも呼称される。このようなシステム又はデバイスは、光入力及び電気出力を有する場合もあり、以下では光/電気(optical-to-electrical)システム若しくは光/電気デバイスと呼称されるか、又は、電気入力及び光出力を有する場合もあり、以下では電気/光(electrical-to-optical)システム若しくは電気/光デバイスと呼称される。
【0003】
現代の光伝送システムは、変調帯域幅、ジッタ、利得、及び歪みに関する性能を保証するために、コアの光学電気コンポーネントである送信機及び受信機、並びに、それらのサブコンポーネント(レーザ、変調器、及び検出器)の高速且つ正確で繰り返し可能な特化化を必要とする。
【0004】
このようなデバイスを試験する測定ニーズを満たすために、さまざまな試験システムが開発されてきた(たとえば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3を参照。)。1つのこのような試験システムは、出願人であるアジレントテクノロジーズ・インクによって提供される(商標)Agilent N4373B光コンポーネントアナライザ(LCA)である。このアナライザは、電気/光(E/O)測定、光/電気(O/E)測定、及び光測定を行うための内部光源及び内部光受信機を備える。
【0005】
試験機器は、多くの場合、多かれ少なかれ時間と共に変化し得る誤差によって影響を受ける。このような誤差は、試験機器及び試験セットアップが不完全であることによって引き起こされる。これらの誤差は、測定中に変化しない場合には、校正によって特徴付けることができ、測定プロセス中に数学的に除去することができる。
【0006】
試験機器のいくつかの誤差は、時間と共に一定でなく、たとえば、温度及び使用されている特定のインターフェースケーブルと共に変化するので、正確な測定のための1つの前提条件は、校正測定を定期的に行うことである。この結果(校正データ)は、被試験デバイス(DUT)を試験している間のミスマッチ誤差を補償するのに使用される。上記特許文献3は、さらに、校正データを更新するためにユーザが行うことができる一組の校正測定を記載している。
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,921,347号
【特許文献2】米国特許第5,028,131号
【特許文献3】米国特許第5,175,492号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
改良された試験を提供することが、本発明の目的である。この目的は、独立請求項によって解決される。さらなる実施の形態は、従属請求項によって示されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ネットワーク測定において生じる誤差は、信号漏れ、信号反射、及び周波数応答に関係付けることができる。系統誤差のタイプには以下のタイプがある。
信号漏れに関係する指向性誤差(directivity error)及びクロストーク誤差、
反射に関係するソース不整合(source mismatch)及び負荷インピーダンス不整合、並びに、
試験受信機内の反射・伝送トラッキングによって引き起こされる周波数応答誤差。
【0010】
試験機器の誤差を求めるための、さまざまな誤差モデル及び対応する試験が知られている。2ポートDUTに接続される2つのポートを有する試験デバイスの誤差を特徴付ける1つのモデルは、いわゆる2ポート誤差モデルである。この2ポート誤差モデルは、合計12個の誤差項に対して、これらの項のうちの順方向用の6つすべてと、逆方向の異なるデータを有する対応する6つの誤差とを含む。したがって、2ポート校正は、多くの場合、12項誤差修正と呼称される。2ポート誤差修正は、系統誤差の主要なソースのすべてを考慮するので、かなり正確な結果をもたらす。2ポートデバイスの誤差モデルは、順方向及び逆方向で測定された4つのSパラメータを明らかにする。系統誤差項が特徴付けられると、ネットワークアナライザは、4つの方程式を利用して、測定されたSパラメータから実際のデバイスのSパラメータを導出する。
【0011】
系統誤差は、時間と共に変化しないが、校正が行われた後に、試験システムの性能が変化すると、ドリフト誤差が発生する。これらのドリフト誤差は、第1に、たとえば温度変動といった環境状態の変動によって引き起こされ、追加の校正によって除去することができる。ドリフトの割合は、追加の校正がどのくらいの頻度で必要とされるのかを決定する。
【0012】
1つの洞察は、光学電気デバイス又は光学電気回路を備えた試験デバイスにおいて、たとえば、ケーブル、スイッチ、又はコネクタといった電気コンポーネントの挙動が、時間と共に変化し得るということである。それとは異なり、たとえば、変調光源の電気信号の特性(たとえば、電圧)と光信号の特性(たとえば、光パワー)との間の関係、又は光検出器の光入力信号の特性と電気出力信号の特性との間の関係といった、光学電気回路の入力と出力との間の関係の伝達関数として表すことができる光学電気コンポーネントの挙動は、時間の経過に対して比較的安定している場合がある。
【0013】
光測定を一切行うことなく、たとえば、上述した2ポート電気校正測定を用いて、完全な校正を定期的に行うことを可能にする、光学電気デバイス又は光デバイスを試験するための試験デバイスを提供することが1つの着想である。
【0014】
本発明の実施の形態によれば、第1の電気端子及び第1の光端子を備えた、DUTを試験するための試験デバイスが提供される。このデバイスは、第1の電気回路ポートと第1の光回路ポートとを有する第1の光学電気回路を備える。この第1の光回路ポートは、光ラインによって第1の光端子に結合されている。さらに、このデバイスは、第1のスイッチポートと、第2のスイッチポートと、第3のスイッチポートとを有する第1の電気スイッチを備える。この第1のスイッチは、第1のスイッチポートを、第2のスイッチポート(第1のスイッチ位置)又は第3のスイッチポート(第2のスイッチ位置)のいずれかと選択的に結合するようになっている。さらに、第2のスイッチポートを第1の電気端子と接続する第1の電気ラインが設けられ、第3のスイッチポートを第1の電気回路ポートと接続する第2の電気ラインが設けられる。
【0015】
本発明の実施の形態は、電気端子(たとえば、第1の電気端子)に関する電気校正を行うことによって、光端子(たとえば、第1の光端子)に関する光学電気校正を提供することを可能にする。これは、試験デバイス(たとえば、ネットワークアナライザ)の電気的挙動が、時間及び温度の少なくともいずれかと共に変化する一方で、光学電気回路の光学電気的挙動が、時間の経過及び温度の変化に対して実質的に安定していることから、特に好都合である。
【0016】
一実施の形態では、試験デバイスは、第1の電気回路ポート及び第1の光回路ポートに関する第1の光学電気回路の挙動を記述する第1の校正データを記憶するようになっており、且つ、第1のスイッチが第1のスイッチ位置に切り替えられている状態において第1の電気端子及び第2の電気端子によって表される電気校正面に関する試験デバイスの挙動を記述する第2の校正データを記憶するようになっている。
【0017】
以下でより詳細に説明するように、第1の校正データは、光学電気基準デバイスを試験デバイスに結合することによって求めることができ、第2の校正データは、たとえば、いわゆる校正キットといった電気基準デバイスを試験デバイスに結合することによって求めることができる。
【0018】
さらなる一実施の形態では、試験デバイスは、スイッチが第2のスイッチ位置に切り替えられている場合に、第1の校正データ及び第2の校正データ並びに応答データと共に、被試験デバイスへ送信された刺激データ及び被試験デバイスから受信した応答データの関数として、第1の光端子及び第1の電気端子に接続されている被試験デバイスの挙動を求める。
【0019】
一実施の形態では、第1の光学電気回路は、たとえば変調レーザといった光源を備える。さらに、試験デバイスは、光検出器を有する第2の光学電気回路を備える。この第2の光学電気回路は、第2の電気ポート及び第2の光ポートを有する。この第2の光ポートは、第2の光端子に結合されている。さらに、試験デバイスは、第4のスイッチポートと第5のスイッチポートと第6のスイッチポートとを有する第2の電気スイッチを備える。この第2のスイッチは、第4のスイッチポートを、第5のスイッチポート又は第6のスイッチポートと選択的に結合するようになっている。第5のスイッチポートを第2の電気端子に結合する第3のライン、及び、第6のスイッチポートを第2の電気回路ポートに結合する第4のラインが設けられる。この実施の形態は、電気/光デバイス(たとえば、変調光源)、光/電気デバイス(たとえば、光検出器)、及び光/光(optical-to-optical)デバイスを含む光被試験デバイスの試験を可能にする。
【0020】
一実施の形態では、試験デバイスは、第1のスイッチポートに結合されている第3の電気端子、及び、第4のスイッチポートに結合されている第4の電気端子をさらに備える。この第3の電気端子は、電気刺激信号を提供する電源に結合されるようになっており、第4の電気端子は、電気応答信号を受信する電気検出器に結合されるようになっている。
【0021】
一実施の形態では、校正は、試験デバイスのすべての回路及び接続をカバーする或る校正レイヤに関して行われる。それによって、単一のケーブル及び回路の複数の校正を提供することは不要である。好ましくは、校正は、たとえば、第1の電気端子及び第2の電気端子に関して、試験デバイスの電気インターフェース端子に提供される。一方、たとえば、第1の電気端子及び第2の電気端子にそれぞれ接続されたケーブルのケーブル端部といった他の電気インターフェースを選ぶことも可能である。
【0022】
第1の電気端子及び第2の電気端子に関する校正を提供するために、第1の電気端子及び第2の電気端子に電気校正キットを接続することができる。第1のスイッチは、第1の電気端子を第1のラインを介して第3の電気端子と接続するように切り替えられ、第2のスイッチは、第2の電気端子を第2のラインを介して第4の電気端子と接続するように切り替えられる。刺激信号を第3の電気端子に提供し、応答信号を第4の電気端子で受信するために、ネットワークアナライザを第3の電気端子及び第4の電気端子に接続することができる。次に、第1の電気端子及び第2の電気端子に関して電気校正測定を行うことができ、対応する校正データを校正データメモリに記憶することができる。光源又は光検出器の以前の光学電気校正が、これらのポートに関係付けられている場合には、このような最初の光学電気校正の基準データを、同じ校正面に関して行われた任意の新しい電気校正から導き出すことができる。
【0023】
一実施の形態では、試験デバイスは、第1の光端子及び第2の電気端子、又は、第1の光端子及び第2の光端子のいずれかに接続されている場合に、第1の光学電気回路の既知の特性及び校正データメモリに記憶されている電気校正データと共に応答信号を評価することによって、光学電気被試験デバイスの挙動を求めるようになっている。ここでの既知の特性は、動作に入る前に、たとえばデバイスの製造中に一度行われた光学電気校正測定を指す。電気校正データは、ドリフト誤差を軽減するために定期的に行われる校正測定を指す。
【0024】
一実施の形態では、第1のスイッチの1つのポートと第1の電気端子とを接続する第1のライン、及び、第1のスイッチの別の1つのポートと第1の光学電気回路の電気ポートとを接続する第2のラインは、第1の電気端子と第2のスイッチポートとの間の第1のパスの電気的挙動が、第3のスイッチポートと第1の光学電気回路内の電気的境界との間の第2のパスの挙動と実質的に同様であるように提供される。
【0025】
一実施の形態では、第1のラインと第2のラインとの長さの差は、たとえば温度変動といった環境変動が双方のラインに同様に影響を与え、その結果、第1の電気端子に関する校正が第2のラインの変動を補う(カバーする)ように提供される。ここで、この長さの差は、小さくなるように選ぶことができ、たとえば0(ゼロ)又は実質的に0(ゼロ)になるように選ぶことができる。
【0026】
一実施の形態では、第1のラインと第2のラインとの長さの差は、第1の電気端子と第2のスイッチポートとの間の第1のパスの電気的反射挙動(electrical reflection behavior)が、第3のスイッチポートと第1の光学電気回路内の反射端子との間の第2のパスの反射挙動と実質的に同様であるように提供される。ここで、第1のパスは、第1の電気端子に結合されているコネクタ内の或る部分を含み、第2のパスは、第1の光学電気回路内の或る部分を含む。例として、コネクタのパス長の部分は、30ミリメートルに等しく、第1の光学電気回路のパス長の部分は、10ミリメートルに等しい。それによって、パス長の差は、20ミリメートルとなるように選ぶことができる。
【0027】
一実施の形態では、電気校正セットの残る誤差(残留誤差)は、第1のライン及び第2のラインの長さを選ぶ時にさらに考慮することができる。
【0028】
一実施の形態では、第1の光学電気回路の校正値又は既知の特性は、複数の値セットを含む。これらの値セットはそれぞれ、たとえば、内部光源若しくは外部光源によって生成されるか又は内部光検出器によって受信される、たとえば光信号の光パワー又は波長といったパラメータの異なる値に対応する。一実施の形態では、複数の異なる光パワー値及び複数の少なくともいずれかの異なる波長値について、内部光源の伝達関数が求められる。一実施の形態では、複数の異なる光パワー値又は複数の異なる波長値について、内部光受信機の伝達関数が求められる。一実施の形態では、内部光源又は内部光受信機の校正値が、ネットワークアナライザの刺激Rf(無線周波数)電力に応じて求められる。
【0029】
さらなる一実施の形態では、誤差修正のために、光源の実際の出力又は波長が求められ、校正値からの対応する値セットが、実際の電気校正データと共に使用されるように選ばれる。それに対応して、誤差修正のために、複数の異なるパワー値又は複数の異なる波長値について、内部光検出器の伝達関数を求めることができ、(たとえば、光パワーメータを用いて測定されるか又は内部パラメータから導出される)実際の測定パワー又は(たとえば、波長計を用いて測定される)実際の測定波長に応じて、校正値からの対応する値セットが、実際の電気校正データと共に使用されるように選ばれる。
【0030】
本発明の実施の形態は、1つ又は2つ以上の適したソフトウェアプログラムによって部分的又は全体的に実施又はサポートすることができる。これらのソフトウェアプログラムは、任意の種類の記憶媒体(またはデータキャリア)に記憶することができるか、又は任意の種類の記憶媒体(またはデータキャリア)によって別の方法で提供することができ、任意の適したデータ処理ユニット内で又は当該データ処理ユニットによって実行することができる。
【0031】
本発明の他の目的及び本発明の実施形態の付随する利点の多くは、添付図面と共に好ましい実施の形態の以下のより詳細な説明を参照することによって、容易に認識され、よりよく理解されよう。実質的若しくは機能的に等しいか又は類似した特徴は、同じ参照符号で参照される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
被試験デバイスの特性を適切に求めるには、試験デバイスのすべての関連のある特性をよく分かっていることが重要である。そのため、校正測定が行われ、対応する値が、その後の試験測定について考慮するために試験デバイスに記憶される。特性が時間と共に実質的に不変であることをこれらの誤差が表す場合には、これらの誤差は、1回の校正によって特徴付けることができる。対応する校正測定結果は、試験デバイスの既知の特性とみなすことができる。一方、このような測定は、たとえば、試験デバイスのメンテナンスの期間中、その時々で繰り返される場合がある。
【0033】
たとえば、温度、圧力、湿度等の環境変動によって、又は、たとえば電気コネクタの摩耗といった、デバイスの使用中に発生する摩耗によって、特性が時間と共に変化することを表す誤差は、校正測定をかなり頻繁に必要とし得るドリフト特性とも呼称されている。その校正測定の頻度は、各ドリフトの時間特性に依存する。一般に、このような校正は、たとえば、毎日若しくは毎週実行されるか、又は新しい各試験が行われる前に実行される場合がある。したがって、校正測定は、ユーザが、多くの場合は測定場所で直接行わなければならず、このような校正測定は、できるだけ簡単且つ高速で信頼できるものであるべきである。
【0034】
図1は、主要校正ステップ及びDUT特徴付けステップを示すものとする。さらに、図1の左部分は、試験デバイス200が電気基準デバイス300に接続されていることを示し、図1の右部分は、試験デバイス200が光学電気被試験デバイス(DUT)400に接続されていることを示している。
【0035】
試験デバイス200は、第1の電気端子T1、第2の電気端子R1、第3の電気端子T2、第4の電気端子R2、及び第1の光端子O1を備える。試験デバイスは、第1の電気スイッチ210、第1の光学電気回路220、第1のラインC1、第2のラインC2、及び第5のラインC3をさらに備える。第1の電気スイッチ210は、第1のスイッチポートA1、第2のスイッチポートA2、及び第3のスイッチポートA3を有する。第1の光学電気回路220は、第1の電気回路ポートA4、及び第1の光端子O1に結合されている第1の光回路ポートを有する。第1のラインC1は、第2のスイッチポートA2を第1の電気端子T1に結合する。第2のラインC2は、第3のスイッチポートA3を第1の電気回路ポートA4に結合する。第5のラインC3は、第3の電気端子T2を第1のスイッチポートA1に結合する。
【0036】
第1のスイッチ210は、第1の状態と第2の状態との間で切り替えることができる。第1の状態では、第1のスイッチポートA1が、第2のスイッチポートA2に電気結合され、第2の状態では、スイッチポートA1が、第3のスイッチポートA3に電気結合される。
【0037】
簡単にするために、第2の電気端子R1及び第4の電気端子R2は、電線を介して互いに直接結合されて示されている。実施形態では、このような結合は、任意の回路によって実現することができ、たとえば、図2に示すような第2のスイッチを備える回路によって実現することができる。
【0038】
第3の電気端子T2及び第4の電気端子R2は、電気刺激信号SGを第3の電気端子T2に提供し、電気応答信号RGを第4の電気端子R2で受信するために電気ネットワークアナライザに結合することができる。このネットワークアナライザを用いた逆方向の測定のために、電気刺激信号SGが、第4の電気端子R2に提供され、電気応答信号RGが、第3の電気端子T2から受信される。
【0039】
上述したように、図1に示す試験デバイス等の光学電気デバイス、たとえばラインC1、C2、及びC3、電気端子T1、T2、R1、及びR2、並びに第1のスイッチ210といった電気コンポーネントは、時間と共に変化する特性を有する場合がある。試験デバイスは、たとえば、第1の光端子O1によって終端されている第1の光学電気デバイス内に備えられた回路といった光コンポーネントを備えるので、この端子に関して電気校正を行うことは可能でない。1つの可能性は、各サブデバイスの複数の校正測定、たとえば、別個のケーブルT1〜T3及び第1のスイッチの校正測定をそれぞれ行って、それらの校正測定から、結果の校正値を計算することであり得る。しかしながら、このような手法は、校正するためのステップを複数伴うので、扱いにくく且つエラーを起こしやすい。もう1つの可能性は、光端子O1に接続されるたとえば基準検出器といった基準光デバイスを設けること、及び製造時又は初期の校正の過程で行われた測定と同様の対応する光基準測定を提供することである。しかしながら、このような基準光デバイスは、高価であり、扱いにくい場合がある。
【0040】
本発明の実施形態によれば、ユーザが校正測定を簡単且つ信頼できるものに保つことを可能にする代替案が提案される。光基準デバイスを設ける必要も、複数の異なるコンポーネントの個別の測定を行う必要も一切なく、完全な校正を定期的に行うことを可能にする、光学電気デバイス又は光デバイスを試験するための試験デバイスを提供することが1つの着想である。さらに、本発明の実施形態は、電気校正測定のための第1の電気端子T1を提供する。この第1の電気端子、及び第1の電気端子と第2のスイッチポートとを結合する第1のラインは、第1の電気端子T1に関する校正が、第1のスイッチと第1の光出力との間のパスの電気部分の校正に対応するように設計されている。第1のスイッチと第1の光出力との間のパスの光部分は、時間に対してかなり不変であるとみなされるので、第1の電気端子に関する校正及び光学電気デバイスの既知の特性は、第1の光端子に関する校正に対応する。
【0041】
図1を参照すると、左側は、試験デバイス200及び電気基準デバイス300を備える試験セットアップを示している。この試験セットアップでは、基準デバイスの入力ポートが、第1の電気端子T1に接続され、基準デバイスの出力ポートが、第2の電気端子R1に接続されている。第1のスイッチ210は、第1の状態に切り替えられる。この第1の状態では、第1のスイッチポートA1は、第2のスイッチポートA2に電気結合され、したがって、第1のパスを介する接続が提供される。この第1のパスは、第1の電気端子T1及び第3の電気端子T2によって範囲を定められ、それら第1の電気端子T1及び第3の電気端子T2と共に、第5のラインC3、第1のスイッチ210、及び第1のラインC1を備える。
【0042】
刺激信号SGは、第3の電気端子T2を介して基準デバイス300の入力ポートに提供され、基準デバイスの応答信号RGは、第2の電気端子R1を介して内部回路に送られ、第4の電気端子R2へ到達する。対応する測定は、逆方向に行うことができる。
【0043】
基準デバイス300は、電気校正キット300とも呼称され、標準器(standard)と呼ばれる一組の物理デバイスを備えているものとみなすことができる。電気校正標準器は、ネットワークアナライザにおける誤差訂正された測定の基準を提供する。各標準器は、電気遅延、電気インピーダンス、及び電気損失を含む、正確に知られている定義を有する。ネットワークアナライザの誤差補正項を計算するのに、異なる標準器による測定が使用される。
【0044】
次に、基準デバイス300の異なる状態に対する刺激信号と共に応答信号を評価することによって、第1の電気端子T1及び第2の電気端子R1に関して、校正測定を行うことができる。校正測定中、アナライザは、標準器を測定し、その結果をそれら標準器の「理想モデル」と数学的に比較する。これらの比較結果から、ネットワークアナライザの誤差項が導出される。この誤差項は、試験デバイスの校正メモリに記憶することができる。このような項は、後に使用されて、その後のDUT測定の結果に誤差補正を提供する。
【0045】
次に図1の右側を参照すると、試験デバイス200及び光学電気被試験デバイス(DUT)400を備える試験セットアップが示されている。この試験セットアップでは、DUTの光入力ポートが、第1の光端子O1に接続され、DUTの電気出力ポートが、第2の電気端子R1に接続されている。第1のスイッチ210は、ここでは、第2の状態に切り替えられている。この第2の状態では、第1のスイッチポートA1は、第3のスイッチポートA3に電気結合され、したがって、第1の電気端子T1及び第1の光端子O1によって範囲が定められた第1のパスを介する接続が提供される。この第1のパスは、このように、第5のラインC3、第1のスイッチ210、第2のラインC2、及び第1の光学電気回路220のシリアル接続から成る。刺激信号SGは、第3の電気端子T2を介して基準デバイスの入力ポートに提供され、基準デバイスの応答信号RGは、第2の電気端子R1を介して内部回路(単純な接続の形で示されている)に送られ、第4の電気端子R2へ到達する。
【0046】
次に、光学電気デバイスの既知の特性及び校正ステップで求められた誤差項と共に応答信号を評価することによって、DUTの特徴付けを行うことができる。
【0047】
図2を参照すると、内部光源及び内部光検出器の双方を備える図1の試験デバイス200が示されている。したがって、この試験デバイスは、電気DUTが第1の電気端子T1及び第2の電気端子R1に接続される場合には、純粋な電気試験を行うことができ、光DUTが第1の光端子O1及び第2の光端子O2に接続される場合には、純粋な光試験を行うことができ、光/電気DUTの入力が第1の光端子O1に接続され、そのDUTの電気出力が第2の電気端子R1に接続される場合には、光/電気試験を行うことができ、電気/光DUTの入力が第1の電気端子T1に接続され、そのDUTの光出力が第2の光端子O2に接続される場合には、電気/光試験を行うことができる。
【0048】
したがって、図1の第2の電気端子と第4の電気端子との間の直接接続は、第2の電気スイッチ240、第2の光学電気回路230、第3のラインD1、第4のラインD2、及び第2の光端子O2を備える回路によって置き換えられている。
【0049】
第1の光学電気回路220は光源を備え、第2の光学電気回路230は、光検出器を備え、第2の電気回路ポートB4、及び、第2の光端子O2に光結合されている第2の光回路ポートを有する。
【0050】
第2の電気スイッチ240は、第4のスイッチポートB1、第5のスイッチポートB2、及び第6のスイッチポートB3を備える。ここで、この第2のスイッチは、第4のスイッチポートB1を、第5のスイッチポートB2又は第6のスイッチポートB3に選択的に結合するようになっている。
【0051】
第3のラインD1は、第5のスイッチポートB2を第2の電気端子R1に結合するように配置され、第4のラインD2は、第6のスイッチポートB3を第2の電気回路ポートB4に結合するように配置されている。
【0052】
さらに、電気アナライザ(又はネットワークアナライザ)100が設けられている。この電気アナライザは、第1のアナライザ端子P1(第1のアナライザポートP1とも称する)及び第2のアナライザ端子P2(第2のアナライザポートP2とも称する)を備える。第1のアナライザポートP1は、電気刺激信号SGを提供するために、第1の接続ラインを介して試験デバイス200の第3の端子T2に結合され、第2のアナライザポートP2は、電気応答信号RGを受信するために、第2の接続ラインを介して試験デバイス200の第4の端子R2に結合されている。
【0053】
図1に基づく説明に対応して、基準デバイスの異なる状態に対する刺激信号と共に応答信号を評価することによって、第1の電気端子T1及び第2の電気端子R1に関して校正測定を行うことができる。
【0054】
一実施形態では、たとえば、第1の電気端子T1及び第2の電気端子R1によって、又は、第1の電気端子T1及び第2の電気端子R1に接続された接続ケーブルの端子によって画定される選択された校正面に関して2ポート電気誤差補正が行われる。
【0055】
2ポート誤差補正は、ネットワークアナライザの系統誤差の主要な原因を対象とする。さらに、4つのいわゆるSパラメータが、順方向及び逆方向で測定される。Sパラメータ試験セットは、以下の12個の誤差項を備えるフル2ポート誤差補正も可能にする。
【0056】
Etf:順方向伝送誤差
Erf:順方向反射誤差
Esf:順方向ソース整合
Elf:順方向負荷整合
Edf:順方向指向性
Exf:順方向クロストーク
Etr:逆方向伝送誤差
Err:逆方向反射誤差
Esr:逆方向ソース整合
Elr:逆方向負荷整合
Edr:逆方向指向性
Exr:逆方向クロストーク
【0057】
DUTの種類に応じて、誤差項を削減したセットで十分な場合がある。
【0058】
誤差項が導出されると、ネットワークアナライザ100は、これらの誤差項を記憶し、これらの誤差項を利用して、測定されたSパラメータから実際のDUTのSパラメータ(DUTの挙動)を導出する。
【0059】
その後の図には、図2に示す試験セットアップを使用する例示的な校正及び試験シナリオが示されている。試験セットアップは、それによって、第1の光学電気回路として内部光源220を備え、第2の光学電気回路として内部光受信機230を備える。それに関して、図3〜図5は、たとえば校正メモリに記憶される試験セットアップの特性を最初に求めるためのステップを示し、図6〜図9は、DUT測定と共に「最新」の校正測定を行うための例示的な校正及び測定のステップを示している。
【0060】
図3は、左から右へ、いわゆるショート・オープン・ロード・スルー(SOLT)又はショート・オープン・ロード・レシプロカル(short open load reciprocal)(SOLR)用の電気基準デバイスとして電気校正キットE−calを使用した3つの校正ステップを示している。
【0061】
図の左側では、Esf(順方向ソース整合)、Erf(順方向反射誤差)、及びEdf(順方向指向性)を求めるために、電気校正キットE−calが、第1の端子T1に接続されている。
【0062】
図の中央では、Esr(逆方向ソース整合)、Err(逆方向反射誤差)、及びEdr(逆方向指向性)を求めるために、校正キットE−calが、第2の端子R1に接続されている。
【0063】
図の右側では、残りの誤差項Etf(順方向伝送誤差)、Etr(逆方向伝送誤差)、Elf(順方向負荷整合)、及びElr(逆方向負荷整合)を求めるために、第1の電気端子T1が、電気ライン(RFケーブル)を介して第2の電気端子R1に接続されている。加えて、Exf(順方向クロストーク)及びExr(逆方向クロストーク)を求めることもできる。このプロセスの期間中、電気校正面は、第1の電気端子T1及び第2の電気端子R1によって表される。
【0064】
SOLT校正又はSOLR校正のほかに、代替的に、TRL校正方法(スルー、反射、ライン)を使用して、ネットワークアナライザ誤差項を求めることも可能である。
【0065】
図4及び図5は、図2の試験デバイスを使用した例示的な光校正測定ステップを示している。これらのステップは、ユーザが試験デバイスを使用する前に、たとえば、校正研究所で行われるプロの校正サービスによって行うことができる。
【0066】
図4によって示された第1のステップにおいて、基準光受信機(又は検出器)NISTが、第1の光端子O1と第2の電気端子R1との間に接続される。次に、基準検出器NISTの既知の基準データNISTrefdata及び基準検出器において測定された光パワーに基づいて、内部光源220の特性を求めることができる。S21NISTTXintが、誤差を修正されたネットワークアナライザ測定の結果(基準光検出器NISTを介する、第1のアナライザ端子P1と第2のアナライザ端子P2との間の伝送を表す)に対応する場合、内部光源に必要とされる校正データTx_calは、S21NISTTXintを既知の基準データNISTrefdataで除算することから導出することができる。
【0067】
図5によって示された第2のステップにおいて、第1の光端子O1及び第2の光端子O2が、光ラインによって互いに接続される。次に、事前に求められた内部電源220の特性及び内部受信機において測定された光パワーに基づいて、内部光受信機特性Rx_calを求めることができる。S21TXRxintが、誤差が修正されたネットワークアナライザの測定の結果(内部光送信機回路及び内部光受信機回路を介する、第1のアナライザ端子P1と第2のアナライザ端子P2との間の伝送を表す)に対応する場合、内部光受信機に必要とされる校正データは、S21TXRxintを第1のステップで導出される基準データTx_calで除算することから導出することができる。
【0068】
結果Tx_cal及びRx_calによって、内部送信機(T1→O1)の光学電気校正及び内部受信機(O2→R2)の光学電気校正が完了し、対応する校正データは、(たとえば、電気アナライザ100内の)メモリに記憶することができ、試験デバイスの通常の使用中ではさらに変更されない。
【0069】
図6〜図10は、これまでの図に従って校正された後に、図2の試験デバイスのユーザが行うことができる測定を示している。
【0070】
図6及び図7は、試験デバイスを使用して電気/光DUT(たとえば、変調光源)を測定するための例示的なステップを示している。
【0071】
図6によって示されたユーザ校正ステップにおいて、校正メモリに記憶された電気校正データ(誤差項の第1のセット)を更新するために、好ましくは図3に基づいて説明した初期校正に使用されるのと同様の校正キットである電気校正キットE−calが、第1の電気端子T1と第2の電気端子R1との間に接続される。試験デバイスの電気的挙動が、周囲の状態(たとえば、温度)の変動に対応して変化するとみなされるので、このような電気校正データの更新は、ユーザによってかなり頻繁に行われる場合がある。
【0072】
図7によって示されたユーザ測定ステップにおいて、特徴付けられる電気/光DUT(たとえば、光送信機)が、第1の電気端子T1に電気接続され、第2の光端子に光接続される。測定結果は、(たとえば、校正メモリに固定記憶され、試験デバイスのメンテナンス中にのみ変更される)光校正データ及び更新された電気校正データに基づいて補正することができる。
【0073】
図8及び図9は、図2の試験デバイスを使用して光/電気DUT(たとえば、光受信機)を測定するための例示的なステップを示している。図8によって示された第1のステップにおいて、校正メモリに記憶された電気校正データ(誤差項の第2のセット)を更新するために、電気校正キットE−calが、第1の電気端子T1と第2の電気端子R1との間に接続される。次のステップにおいて、特徴付けられるDUTが、第2の電気端子R1に電気接続され、第1の光端子O1に光学的に接続される。次に、光校正データ及び更新された電気校正データに基づいて測定結果を修正することができる。
【0074】
図10は、図2の試験デバイスを使用して光/光DUTを測定するためのステップを示している。第1のステップにおいて、図3によって示されるように電気校正を行うことができるが、ここでは必ずしも必要とされない。さらに、第1の光端子O1及び第2の光端子O2が、光ライン手段を用いて接続され、光伝送が測定される。これらの測定に基づいて、電気校正データ(誤差項の第3のセット)を更新して、校正メモリに記憶することができる。図11に示されている次のステップにおいて、特徴付けられるDUTが、第1の光端子O1及び第2の光端子O2の双方に接続される。次に、光校正データ及び更新された電気校正データに基づいて測定結果を補正することができる。
【0075】
したがって、上述した実施形態によって、電気校正測定を用いて、光被試験デバイス(たとえば、光受信機又は光送信機)を試験するための試験デバイスの完全な校正を定期的に行うことが可能になる。このような電気校正測定の結果(又はこのような電気校正測定の更新)及び事前に知られている(たとえば、試験デバイスの使用前に求められる光校正データとして記憶されている)光特性と共に、被試験デバイスに対する(又は換言すれば、その光インターフェース及び/若しくは電気インターフェースに対する)試験デバイスの完全な挙動が実際に求められる。したがって、ユーザは、電気基準デバイス(たとえば、電気校正キット)を用いてこのような校正を容易に行うことができる。
【0076】
本教示を、特定の実施形態を参照して詳細に説明したが、本教示が属する分野の当業者は、特許請求の精神及び範囲から逸脱することなく、さまざまな変更及び強化が可能であることを理解するであろう。また、本明細書で説明したさまざまな装置及び方法は、例示としてのみ含まれており、決して限定するものではない。最後に、念のため、本発明の実施の形態を改めて列挙する。
【0077】
(実施態様1)
被試験デバイス(400)を試験する試験デバイスであって、
第1の電気回路ポート(A4)と、第1の光端子(O1)に結合されている第1の光回路ポートとを有する第1の光学電気回路(220)、
第1のスイッチポート(A1)と、第2のスイッチポート(A2)と、第3のスイッチポート(A3)とを有する第1の電気スイッチ(210)であって、前記第1のスイッチポート(A1)を、第1のスイッチ位置では前記第2のスイッチポート(A2)に、又は第2のスイッチ位置では前記第3のスイッチポート(A3)に選択的に結合するようになっている、第1の電気スイッチ、
前記第2のスイッチポート(A2)を第1の電気端子(T1)に結合する第1のライン(C1)、及び
前記第3のスイッチポート(A3)を前記第1の電気回路ポート(A4)に結合する第2のライン(C2)、
を備え、
前記第1の光学電気回路(220)の挙動を記述する第1の校正データを記憶するようになっており、且つ、前記第1のスイッチが前記第1のスイッチ位置に切り替えられている状態において前記第1の電気端子(T1)及び第2の電気端子(R1)によって表される電気校正面(calibration plane)に関する該試験デバイスの挙動を記述する第2の校正データを記憶するようになっているメモリを特徴とする、試験デバイス。
(実施形態2)
前記第1の光学電気回路(220)は、光送信機及び光検出器の一方である、実施形態1に記載の試験デバイス。
(実施形態3)
前記スイッチが前記第2のスイッチ位置に切り替えられている場合に、前記第1の校正データ及び前記第2の校正データの関数として、前記第1の光端子(O1)及び前記第1の電気端子(T1)に接続されている前記被試験デバイス(400)の挙動を求めるプロセッサを備える、実施形態1又は実施形態2のいずれか1項に記載の試験デバイス。
(実施形態4)
前記第1の光学電気回路(220)の前記挙動を記述する前記第1の校正データは、複数の値セットを含み、該値セットはそれぞれ、光信号のパラメータ、好ましくは前記第1の光学電気回路によって生成又は受信された前記光信号のパワー又は波長の異なる値に対応し、前記試験デバイスは、前記光信号の前記パラメータの実際の値に対応して選択された値セットに基づいて前記被試験デバイス(400)の前記挙動を求めるようになっている、実施形態3に記載の試験デバイス。
(実施形態5)
前記第1のライン(C1)及び前記第2のライン(C2)は、前記第1の電気端子(T1)と前記第1のスイッチポート(A1)との間の第1のパスの第1の電気的挙動、及び、前記第1のスイッチポート(A1)と前記第1の光学電気回路(220)との間の第2のパスの第2の電気的挙動が、
温度変動が、前記第1の電気的挙動及び前記第2の電気的挙動に対して実質的に同様の効果を有し、その結果、前記第1の電気端子(T1)に関する前記第1のライン(C1)上の校正が、前記第2のライン(C2)の変動を補うように同様であるか、又は
前記第1の電気端子(T1)に結合されている電気校正デバイス(300)内の内部電気パス長と、前記光学電気回路(220)内の内部電気パス長とのうちの少なくとも一方を考慮して、前記第1の電気端子(T1)及び前記第1の光端子(O1)に関して前記試験デバイスの伝送挙動における変調効果を最小にするように異なっている、
ように選択される、実施形態1〜4のいずれか1項に記載の試験デバイス。
(実施形態6)
前記第1のライン(C1)の第1の長さと前記第2のライン(C2)の第2の長さとの間の差は、0(ゼロ)、10ミリメートル未満、20ミリメートル未満、30ミリメートル未満、及び40ミリメートル未満のうちの1つである、実施形態1〜5のいずれか1項に記載の試験デバイス。
(実施形態7)
第2の電気回路ポート(B4)と、第2の光端子(O2)に光学的に結合されている第2の光回路ポートとを有する第2の光学電気回路(230)、
第4のスイッチポート(B1)と、第5のスイッチポート(B2)と、第6のスイッチポート(B3)とを有する第2の電気スイッチ(240)であって、前記第4のスイッチポート(B1)を、前記第5のスイッチポート(B2)又は前記第6のスイッチポート(B3)に選択的に結合するようになっている、第2の電気スイッチ、
前記第5のスイッチポート(B2)を第2の電気端子(R1)に結合する第3のライン(D1)、及び
前記第6のスイッチポート(B3)を前記第2の電気回路ポート(B4)に結合する第4のライン(D2)、
をさらに備える、実施形態1〜6のいずれか1項に記載の試験デバイス。
(実施形態8)
前記第1の光学電気回路(220)は光送信機であり、前記第1の電気回路ポート(A4)は前記光送信機の入力であり、前記第1の光端子(O1)に結合されている前記第1の光回路ポートは前記光送信機の出力であること、及び
前記第2の光学電気回路(230)は光検出器であり、前記第2の電気回路ポート(B4)は前記光検出器の出力であり、前記第2の光端子(O2)に結合されている前記第2の光回路ポートは前記光検出器の入力であること、
のうちの少なくとも一方を含む、実施形態7に記載の試験デバイス。
(実施形態9)
前記第1のスイッチポート(A1)に結合されている第3の電気端子(T2)及び前記第4のスイッチポート(B1)に結合されている第4の電気端子(R2)をさらに備え、前記第3の電気端子(T2)及び前記第4の電気端子(R2)は、該第3の電気端子(T2)及び該第4の電気端子(R2)のうちの一方に電気刺激信号(SG)を提供し、該端子(T2、R2)うちの他方で電気応答信号(RG)を受信する電気アナライザ(100)に結合されるようになっている、実施形態7又は8に記載の試験デバイス。
(実施形態10)
試験デバイスを使用する方法であって、該試験デバイスは、第1の電気回路ポート(A4)と、第1の光端子(O1)に結合されている第1の光回路ポートとを有する第1の光学電気回路(220)、第1のスイッチポート(A1)と、第2のスイッチポート(A2)と、第3のスイッチポート(A3)とを有する第1の電気スイッチ(210)であって、前記第1のスイッチポート(A1)を、第1のスイッチ位置では前記第2のスイッチポート(A2)に、又は第2のスイッチ位置では前記第3のスイッチポート(A3)と選択的に結合するようになっている、第1の電気スイッチ、前記第2のスイッチポート(A2)を第1の電気端子(T1)に結合する第1のライン(C1)、及び前記第3のスイッチポート(A3)を前記第1の電気回路ポート(A4)に結合する第2のライン(C2)を備え、該方法は、
前記第1のスイッチポート(A1)が前記第2のスイッチポート(A2)に結合される第1の状態に前記第1のスイッチ(210)を切り替えると共に、前記第1の電気端子(T1)及び第2の電気端子(R1)によって表される電気校正面に関して電気校正を行うこと、並びに
前記第1のスイッチポート(A1)が前記第3のスイッチポート(A3)に結合される第2の状態に前記第1のスイッチ(210)を切り替えると共に、前記第1の光端子(O1)と、前記第1の電気端子(T1)及び第2の光端子(O2)うちの一方とに結合されている被試験デバイス(400)の試験を行うこと、
のうちの少なくとも一方を含む、方法。
(実施形態11)
コンピュータのようなデータ処理システムで実行されるときに実施形態10に記載の方法を実行するための、好ましくは記憶媒体に記憶されるソフトウェアプログラム又はソフトウェア製品。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】校正測定を行うための第1のセットアップ及び試験測定を行うための第2のセットアップにおける1つの例示的な試験デバイスのブロック図である。
【図2】内部光源及び内部光検出器を備える図1の試験デバイスのブロック図である。
【図3】図2の試験デバイスを使用した例示的な電気校正測定ステップを示す図である。
【図4】図2の試験デバイスを使用した例示的な光校正測定ステップを示す図である。
【図5】図2の試験デバイスを使用した例示的な光校正測定ステップを示す図である。
【図6】電気/光DUTの測定を示す図である。
【図7】電気/光DUTの測定を示す図である。
【図8】光/電気DUTの測定を示す図である。
【図9】光/電気DUTの測定を示す図である。
【図10】光/光DUTの測定を示す図である。
【図11】光/光DUTの測定を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
100 電気アナライザ
200 試験デバイス
210 第1のスイッチ
220 第1の光学電気回路
230 第2の光学電気回路
240 第2のスイッチ
300 電気基準デバイス
400 光学電気被試験デバイス
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子試験に関し、より詳細には、電気を用いた電気光学システム又は光学システム及び関連コンポーネントに対して行われる試験中の信号測定用の電子計装に関する。本発明は、さらに、対応する試験を正確に行うために試験器具を校正することに関する。
【背景技術】
【0002】
光及び電気の双方を用いた回路機構及びインターフェースを備えるシステム又はデバイスの特性を求めることが多くの場合必要とされる。これらのシステム又はデバイスは、以下では、光学電気(若しくは電気光学)システム又は光学電気(若しくは電気光学)デバイスとも呼称される。このようなシステム又はデバイスは、光入力及び電気出力を有する場合もあり、以下では光/電気(optical-to-electrical)システム若しくは光/電気デバイスと呼称されるか、又は、電気入力及び光出力を有する場合もあり、以下では電気/光(electrical-to-optical)システム若しくは電気/光デバイスと呼称される。
【0003】
現代の光伝送システムは、変調帯域幅、ジッタ、利得、及び歪みに関する性能を保証するために、コアの光学電気コンポーネントである送信機及び受信機、並びに、それらのサブコンポーネント(レーザ、変調器、及び検出器)の高速且つ正確で繰り返し可能な特化化を必要とする。
【0004】
このようなデバイスを試験する測定ニーズを満たすために、さまざまな試験システムが開発されてきた(たとえば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3を参照。)。1つのこのような試験システムは、出願人であるアジレントテクノロジーズ・インクによって提供される(商標)Agilent N4373B光コンポーネントアナライザ(LCA)である。このアナライザは、電気/光(E/O)測定、光/電気(O/E)測定、及び光測定を行うための内部光源及び内部光受信機を備える。
【0005】
試験機器は、多くの場合、多かれ少なかれ時間と共に変化し得る誤差によって影響を受ける。このような誤差は、試験機器及び試験セットアップが不完全であることによって引き起こされる。これらの誤差は、測定中に変化しない場合には、校正によって特徴付けることができ、測定プロセス中に数学的に除去することができる。
【0006】
試験機器のいくつかの誤差は、時間と共に一定でなく、たとえば、温度及び使用されている特定のインターフェースケーブルと共に変化するので、正確な測定のための1つの前提条件は、校正測定を定期的に行うことである。この結果(校正データ)は、被試験デバイス(DUT)を試験している間のミスマッチ誤差を補償するのに使用される。上記特許文献3は、さらに、校正データを更新するためにユーザが行うことができる一組の校正測定を記載している。
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,921,347号
【特許文献2】米国特許第5,028,131号
【特許文献3】米国特許第5,175,492号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
改良された試験を提供することが、本発明の目的である。この目的は、独立請求項によって解決される。さらなる実施の形態は、従属請求項によって示されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ネットワーク測定において生じる誤差は、信号漏れ、信号反射、及び周波数応答に関係付けることができる。系統誤差のタイプには以下のタイプがある。
信号漏れに関係する指向性誤差(directivity error)及びクロストーク誤差、
反射に関係するソース不整合(source mismatch)及び負荷インピーダンス不整合、並びに、
試験受信機内の反射・伝送トラッキングによって引き起こされる周波数応答誤差。
【0010】
試験機器の誤差を求めるための、さまざまな誤差モデル及び対応する試験が知られている。2ポートDUTに接続される2つのポートを有する試験デバイスの誤差を特徴付ける1つのモデルは、いわゆる2ポート誤差モデルである。この2ポート誤差モデルは、合計12個の誤差項に対して、これらの項のうちの順方向用の6つすべてと、逆方向の異なるデータを有する対応する6つの誤差とを含む。したがって、2ポート校正は、多くの場合、12項誤差修正と呼称される。2ポート誤差修正は、系統誤差の主要なソースのすべてを考慮するので、かなり正確な結果をもたらす。2ポートデバイスの誤差モデルは、順方向及び逆方向で測定された4つのSパラメータを明らかにする。系統誤差項が特徴付けられると、ネットワークアナライザは、4つの方程式を利用して、測定されたSパラメータから実際のデバイスのSパラメータを導出する。
【0011】
系統誤差は、時間と共に変化しないが、校正が行われた後に、試験システムの性能が変化すると、ドリフト誤差が発生する。これらのドリフト誤差は、第1に、たとえば温度変動といった環境状態の変動によって引き起こされ、追加の校正によって除去することができる。ドリフトの割合は、追加の校正がどのくらいの頻度で必要とされるのかを決定する。
【0012】
1つの洞察は、光学電気デバイス又は光学電気回路を備えた試験デバイスにおいて、たとえば、ケーブル、スイッチ、又はコネクタといった電気コンポーネントの挙動が、時間と共に変化し得るということである。それとは異なり、たとえば、変調光源の電気信号の特性(たとえば、電圧)と光信号の特性(たとえば、光パワー)との間の関係、又は光検出器の光入力信号の特性と電気出力信号の特性との間の関係といった、光学電気回路の入力と出力との間の関係の伝達関数として表すことができる光学電気コンポーネントの挙動は、時間の経過に対して比較的安定している場合がある。
【0013】
光測定を一切行うことなく、たとえば、上述した2ポート電気校正測定を用いて、完全な校正を定期的に行うことを可能にする、光学電気デバイス又は光デバイスを試験するための試験デバイスを提供することが1つの着想である。
【0014】
本発明の実施の形態によれば、第1の電気端子及び第1の光端子を備えた、DUTを試験するための試験デバイスが提供される。このデバイスは、第1の電気回路ポートと第1の光回路ポートとを有する第1の光学電気回路を備える。この第1の光回路ポートは、光ラインによって第1の光端子に結合されている。さらに、このデバイスは、第1のスイッチポートと、第2のスイッチポートと、第3のスイッチポートとを有する第1の電気スイッチを備える。この第1のスイッチは、第1のスイッチポートを、第2のスイッチポート(第1のスイッチ位置)又は第3のスイッチポート(第2のスイッチ位置)のいずれかと選択的に結合するようになっている。さらに、第2のスイッチポートを第1の電気端子と接続する第1の電気ラインが設けられ、第3のスイッチポートを第1の電気回路ポートと接続する第2の電気ラインが設けられる。
【0015】
本発明の実施の形態は、電気端子(たとえば、第1の電気端子)に関する電気校正を行うことによって、光端子(たとえば、第1の光端子)に関する光学電気校正を提供することを可能にする。これは、試験デバイス(たとえば、ネットワークアナライザ)の電気的挙動が、時間及び温度の少なくともいずれかと共に変化する一方で、光学電気回路の光学電気的挙動が、時間の経過及び温度の変化に対して実質的に安定していることから、特に好都合である。
【0016】
一実施の形態では、試験デバイスは、第1の電気回路ポート及び第1の光回路ポートに関する第1の光学電気回路の挙動を記述する第1の校正データを記憶するようになっており、且つ、第1のスイッチが第1のスイッチ位置に切り替えられている状態において第1の電気端子及び第2の電気端子によって表される電気校正面に関する試験デバイスの挙動を記述する第2の校正データを記憶するようになっている。
【0017】
以下でより詳細に説明するように、第1の校正データは、光学電気基準デバイスを試験デバイスに結合することによって求めることができ、第2の校正データは、たとえば、いわゆる校正キットといった電気基準デバイスを試験デバイスに結合することによって求めることができる。
【0018】
さらなる一実施の形態では、試験デバイスは、スイッチが第2のスイッチ位置に切り替えられている場合に、第1の校正データ及び第2の校正データ並びに応答データと共に、被試験デバイスへ送信された刺激データ及び被試験デバイスから受信した応答データの関数として、第1の光端子及び第1の電気端子に接続されている被試験デバイスの挙動を求める。
【0019】
一実施の形態では、第1の光学電気回路は、たとえば変調レーザといった光源を備える。さらに、試験デバイスは、光検出器を有する第2の光学電気回路を備える。この第2の光学電気回路は、第2の電気ポート及び第2の光ポートを有する。この第2の光ポートは、第2の光端子に結合されている。さらに、試験デバイスは、第4のスイッチポートと第5のスイッチポートと第6のスイッチポートとを有する第2の電気スイッチを備える。この第2のスイッチは、第4のスイッチポートを、第5のスイッチポート又は第6のスイッチポートと選択的に結合するようになっている。第5のスイッチポートを第2の電気端子に結合する第3のライン、及び、第6のスイッチポートを第2の電気回路ポートに結合する第4のラインが設けられる。この実施の形態は、電気/光デバイス(たとえば、変調光源)、光/電気デバイス(たとえば、光検出器)、及び光/光(optical-to-optical)デバイスを含む光被試験デバイスの試験を可能にする。
【0020】
一実施の形態では、試験デバイスは、第1のスイッチポートに結合されている第3の電気端子、及び、第4のスイッチポートに結合されている第4の電気端子をさらに備える。この第3の電気端子は、電気刺激信号を提供する電源に結合されるようになっており、第4の電気端子は、電気応答信号を受信する電気検出器に結合されるようになっている。
【0021】
一実施の形態では、校正は、試験デバイスのすべての回路及び接続をカバーする或る校正レイヤに関して行われる。それによって、単一のケーブル及び回路の複数の校正を提供することは不要である。好ましくは、校正は、たとえば、第1の電気端子及び第2の電気端子に関して、試験デバイスの電気インターフェース端子に提供される。一方、たとえば、第1の電気端子及び第2の電気端子にそれぞれ接続されたケーブルのケーブル端部といった他の電気インターフェースを選ぶことも可能である。
【0022】
第1の電気端子及び第2の電気端子に関する校正を提供するために、第1の電気端子及び第2の電気端子に電気校正キットを接続することができる。第1のスイッチは、第1の電気端子を第1のラインを介して第3の電気端子と接続するように切り替えられ、第2のスイッチは、第2の電気端子を第2のラインを介して第4の電気端子と接続するように切り替えられる。刺激信号を第3の電気端子に提供し、応答信号を第4の電気端子で受信するために、ネットワークアナライザを第3の電気端子及び第4の電気端子に接続することができる。次に、第1の電気端子及び第2の電気端子に関して電気校正測定を行うことができ、対応する校正データを校正データメモリに記憶することができる。光源又は光検出器の以前の光学電気校正が、これらのポートに関係付けられている場合には、このような最初の光学電気校正の基準データを、同じ校正面に関して行われた任意の新しい電気校正から導き出すことができる。
【0023】
一実施の形態では、試験デバイスは、第1の光端子及び第2の電気端子、又は、第1の光端子及び第2の光端子のいずれかに接続されている場合に、第1の光学電気回路の既知の特性及び校正データメモリに記憶されている電気校正データと共に応答信号を評価することによって、光学電気被試験デバイスの挙動を求めるようになっている。ここでの既知の特性は、動作に入る前に、たとえばデバイスの製造中に一度行われた光学電気校正測定を指す。電気校正データは、ドリフト誤差を軽減するために定期的に行われる校正測定を指す。
【0024】
一実施の形態では、第1のスイッチの1つのポートと第1の電気端子とを接続する第1のライン、及び、第1のスイッチの別の1つのポートと第1の光学電気回路の電気ポートとを接続する第2のラインは、第1の電気端子と第2のスイッチポートとの間の第1のパスの電気的挙動が、第3のスイッチポートと第1の光学電気回路内の電気的境界との間の第2のパスの挙動と実質的に同様であるように提供される。
【0025】
一実施の形態では、第1のラインと第2のラインとの長さの差は、たとえば温度変動といった環境変動が双方のラインに同様に影響を与え、その結果、第1の電気端子に関する校正が第2のラインの変動を補う(カバーする)ように提供される。ここで、この長さの差は、小さくなるように選ぶことができ、たとえば0(ゼロ)又は実質的に0(ゼロ)になるように選ぶことができる。
【0026】
一実施の形態では、第1のラインと第2のラインとの長さの差は、第1の電気端子と第2のスイッチポートとの間の第1のパスの電気的反射挙動(electrical reflection behavior)が、第3のスイッチポートと第1の光学電気回路内の反射端子との間の第2のパスの反射挙動と実質的に同様であるように提供される。ここで、第1のパスは、第1の電気端子に結合されているコネクタ内の或る部分を含み、第2のパスは、第1の光学電気回路内の或る部分を含む。例として、コネクタのパス長の部分は、30ミリメートルに等しく、第1の光学電気回路のパス長の部分は、10ミリメートルに等しい。それによって、パス長の差は、20ミリメートルとなるように選ぶことができる。
【0027】
一実施の形態では、電気校正セットの残る誤差(残留誤差)は、第1のライン及び第2のラインの長さを選ぶ時にさらに考慮することができる。
【0028】
一実施の形態では、第1の光学電気回路の校正値又は既知の特性は、複数の値セットを含む。これらの値セットはそれぞれ、たとえば、内部光源若しくは外部光源によって生成されるか又は内部光検出器によって受信される、たとえば光信号の光パワー又は波長といったパラメータの異なる値に対応する。一実施の形態では、複数の異なる光パワー値及び複数の少なくともいずれかの異なる波長値について、内部光源の伝達関数が求められる。一実施の形態では、複数の異なる光パワー値又は複数の異なる波長値について、内部光受信機の伝達関数が求められる。一実施の形態では、内部光源又は内部光受信機の校正値が、ネットワークアナライザの刺激Rf(無線周波数)電力に応じて求められる。
【0029】
さらなる一実施の形態では、誤差修正のために、光源の実際の出力又は波長が求められ、校正値からの対応する値セットが、実際の電気校正データと共に使用されるように選ばれる。それに対応して、誤差修正のために、複数の異なるパワー値又は複数の異なる波長値について、内部光検出器の伝達関数を求めることができ、(たとえば、光パワーメータを用いて測定されるか又は内部パラメータから導出される)実際の測定パワー又は(たとえば、波長計を用いて測定される)実際の測定波長に応じて、校正値からの対応する値セットが、実際の電気校正データと共に使用されるように選ばれる。
【0030】
本発明の実施の形態は、1つ又は2つ以上の適したソフトウェアプログラムによって部分的又は全体的に実施又はサポートすることができる。これらのソフトウェアプログラムは、任意の種類の記憶媒体(またはデータキャリア)に記憶することができるか、又は任意の種類の記憶媒体(またはデータキャリア)によって別の方法で提供することができ、任意の適したデータ処理ユニット内で又は当該データ処理ユニットによって実行することができる。
【0031】
本発明の他の目的及び本発明の実施形態の付随する利点の多くは、添付図面と共に好ましい実施の形態の以下のより詳細な説明を参照することによって、容易に認識され、よりよく理解されよう。実質的若しくは機能的に等しいか又は類似した特徴は、同じ参照符号で参照される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
被試験デバイスの特性を適切に求めるには、試験デバイスのすべての関連のある特性をよく分かっていることが重要である。そのため、校正測定が行われ、対応する値が、その後の試験測定について考慮するために試験デバイスに記憶される。特性が時間と共に実質的に不変であることをこれらの誤差が表す場合には、これらの誤差は、1回の校正によって特徴付けることができる。対応する校正測定結果は、試験デバイスの既知の特性とみなすことができる。一方、このような測定は、たとえば、試験デバイスのメンテナンスの期間中、その時々で繰り返される場合がある。
【0033】
たとえば、温度、圧力、湿度等の環境変動によって、又は、たとえば電気コネクタの摩耗といった、デバイスの使用中に発生する摩耗によって、特性が時間と共に変化することを表す誤差は、校正測定をかなり頻繁に必要とし得るドリフト特性とも呼称されている。その校正測定の頻度は、各ドリフトの時間特性に依存する。一般に、このような校正は、たとえば、毎日若しくは毎週実行されるか、又は新しい各試験が行われる前に実行される場合がある。したがって、校正測定は、ユーザが、多くの場合は測定場所で直接行わなければならず、このような校正測定は、できるだけ簡単且つ高速で信頼できるものであるべきである。
【0034】
図1は、主要校正ステップ及びDUT特徴付けステップを示すものとする。さらに、図1の左部分は、試験デバイス200が電気基準デバイス300に接続されていることを示し、図1の右部分は、試験デバイス200が光学電気被試験デバイス(DUT)400に接続されていることを示している。
【0035】
試験デバイス200は、第1の電気端子T1、第2の電気端子R1、第3の電気端子T2、第4の電気端子R2、及び第1の光端子O1を備える。試験デバイスは、第1の電気スイッチ210、第1の光学電気回路220、第1のラインC1、第2のラインC2、及び第5のラインC3をさらに備える。第1の電気スイッチ210は、第1のスイッチポートA1、第2のスイッチポートA2、及び第3のスイッチポートA3を有する。第1の光学電気回路220は、第1の電気回路ポートA4、及び第1の光端子O1に結合されている第1の光回路ポートを有する。第1のラインC1は、第2のスイッチポートA2を第1の電気端子T1に結合する。第2のラインC2は、第3のスイッチポートA3を第1の電気回路ポートA4に結合する。第5のラインC3は、第3の電気端子T2を第1のスイッチポートA1に結合する。
【0036】
第1のスイッチ210は、第1の状態と第2の状態との間で切り替えることができる。第1の状態では、第1のスイッチポートA1が、第2のスイッチポートA2に電気結合され、第2の状態では、スイッチポートA1が、第3のスイッチポートA3に電気結合される。
【0037】
簡単にするために、第2の電気端子R1及び第4の電気端子R2は、電線を介して互いに直接結合されて示されている。実施形態では、このような結合は、任意の回路によって実現することができ、たとえば、図2に示すような第2のスイッチを備える回路によって実現することができる。
【0038】
第3の電気端子T2及び第4の電気端子R2は、電気刺激信号SGを第3の電気端子T2に提供し、電気応答信号RGを第4の電気端子R2で受信するために電気ネットワークアナライザに結合することができる。このネットワークアナライザを用いた逆方向の測定のために、電気刺激信号SGが、第4の電気端子R2に提供され、電気応答信号RGが、第3の電気端子T2から受信される。
【0039】
上述したように、図1に示す試験デバイス等の光学電気デバイス、たとえばラインC1、C2、及びC3、電気端子T1、T2、R1、及びR2、並びに第1のスイッチ210といった電気コンポーネントは、時間と共に変化する特性を有する場合がある。試験デバイスは、たとえば、第1の光端子O1によって終端されている第1の光学電気デバイス内に備えられた回路といった光コンポーネントを備えるので、この端子に関して電気校正を行うことは可能でない。1つの可能性は、各サブデバイスの複数の校正測定、たとえば、別個のケーブルT1〜T3及び第1のスイッチの校正測定をそれぞれ行って、それらの校正測定から、結果の校正値を計算することであり得る。しかしながら、このような手法は、校正するためのステップを複数伴うので、扱いにくく且つエラーを起こしやすい。もう1つの可能性は、光端子O1に接続されるたとえば基準検出器といった基準光デバイスを設けること、及び製造時又は初期の校正の過程で行われた測定と同様の対応する光基準測定を提供することである。しかしながら、このような基準光デバイスは、高価であり、扱いにくい場合がある。
【0040】
本発明の実施形態によれば、ユーザが校正測定を簡単且つ信頼できるものに保つことを可能にする代替案が提案される。光基準デバイスを設ける必要も、複数の異なるコンポーネントの個別の測定を行う必要も一切なく、完全な校正を定期的に行うことを可能にする、光学電気デバイス又は光デバイスを試験するための試験デバイスを提供することが1つの着想である。さらに、本発明の実施形態は、電気校正測定のための第1の電気端子T1を提供する。この第1の電気端子、及び第1の電気端子と第2のスイッチポートとを結合する第1のラインは、第1の電気端子T1に関する校正が、第1のスイッチと第1の光出力との間のパスの電気部分の校正に対応するように設計されている。第1のスイッチと第1の光出力との間のパスの光部分は、時間に対してかなり不変であるとみなされるので、第1の電気端子に関する校正及び光学電気デバイスの既知の特性は、第1の光端子に関する校正に対応する。
【0041】
図1を参照すると、左側は、試験デバイス200及び電気基準デバイス300を備える試験セットアップを示している。この試験セットアップでは、基準デバイスの入力ポートが、第1の電気端子T1に接続され、基準デバイスの出力ポートが、第2の電気端子R1に接続されている。第1のスイッチ210は、第1の状態に切り替えられる。この第1の状態では、第1のスイッチポートA1は、第2のスイッチポートA2に電気結合され、したがって、第1のパスを介する接続が提供される。この第1のパスは、第1の電気端子T1及び第3の電気端子T2によって範囲を定められ、それら第1の電気端子T1及び第3の電気端子T2と共に、第5のラインC3、第1のスイッチ210、及び第1のラインC1を備える。
【0042】
刺激信号SGは、第3の電気端子T2を介して基準デバイス300の入力ポートに提供され、基準デバイスの応答信号RGは、第2の電気端子R1を介して内部回路に送られ、第4の電気端子R2へ到達する。対応する測定は、逆方向に行うことができる。
【0043】
基準デバイス300は、電気校正キット300とも呼称され、標準器(standard)と呼ばれる一組の物理デバイスを備えているものとみなすことができる。電気校正標準器は、ネットワークアナライザにおける誤差訂正された測定の基準を提供する。各標準器は、電気遅延、電気インピーダンス、及び電気損失を含む、正確に知られている定義を有する。ネットワークアナライザの誤差補正項を計算するのに、異なる標準器による測定が使用される。
【0044】
次に、基準デバイス300の異なる状態に対する刺激信号と共に応答信号を評価することによって、第1の電気端子T1及び第2の電気端子R1に関して、校正測定を行うことができる。校正測定中、アナライザは、標準器を測定し、その結果をそれら標準器の「理想モデル」と数学的に比較する。これらの比較結果から、ネットワークアナライザの誤差項が導出される。この誤差項は、試験デバイスの校正メモリに記憶することができる。このような項は、後に使用されて、その後のDUT測定の結果に誤差補正を提供する。
【0045】
次に図1の右側を参照すると、試験デバイス200及び光学電気被試験デバイス(DUT)400を備える試験セットアップが示されている。この試験セットアップでは、DUTの光入力ポートが、第1の光端子O1に接続され、DUTの電気出力ポートが、第2の電気端子R1に接続されている。第1のスイッチ210は、ここでは、第2の状態に切り替えられている。この第2の状態では、第1のスイッチポートA1は、第3のスイッチポートA3に電気結合され、したがって、第1の電気端子T1及び第1の光端子O1によって範囲が定められた第1のパスを介する接続が提供される。この第1のパスは、このように、第5のラインC3、第1のスイッチ210、第2のラインC2、及び第1の光学電気回路220のシリアル接続から成る。刺激信号SGは、第3の電気端子T2を介して基準デバイスの入力ポートに提供され、基準デバイスの応答信号RGは、第2の電気端子R1を介して内部回路(単純な接続の形で示されている)に送られ、第4の電気端子R2へ到達する。
【0046】
次に、光学電気デバイスの既知の特性及び校正ステップで求められた誤差項と共に応答信号を評価することによって、DUTの特徴付けを行うことができる。
【0047】
図2を参照すると、内部光源及び内部光検出器の双方を備える図1の試験デバイス200が示されている。したがって、この試験デバイスは、電気DUTが第1の電気端子T1及び第2の電気端子R1に接続される場合には、純粋な電気試験を行うことができ、光DUTが第1の光端子O1及び第2の光端子O2に接続される場合には、純粋な光試験を行うことができ、光/電気DUTの入力が第1の光端子O1に接続され、そのDUTの電気出力が第2の電気端子R1に接続される場合には、光/電気試験を行うことができ、電気/光DUTの入力が第1の電気端子T1に接続され、そのDUTの光出力が第2の光端子O2に接続される場合には、電気/光試験を行うことができる。
【0048】
したがって、図1の第2の電気端子と第4の電気端子との間の直接接続は、第2の電気スイッチ240、第2の光学電気回路230、第3のラインD1、第4のラインD2、及び第2の光端子O2を備える回路によって置き換えられている。
【0049】
第1の光学電気回路220は光源を備え、第2の光学電気回路230は、光検出器を備え、第2の電気回路ポートB4、及び、第2の光端子O2に光結合されている第2の光回路ポートを有する。
【0050】
第2の電気スイッチ240は、第4のスイッチポートB1、第5のスイッチポートB2、及び第6のスイッチポートB3を備える。ここで、この第2のスイッチは、第4のスイッチポートB1を、第5のスイッチポートB2又は第6のスイッチポートB3に選択的に結合するようになっている。
【0051】
第3のラインD1は、第5のスイッチポートB2を第2の電気端子R1に結合するように配置され、第4のラインD2は、第6のスイッチポートB3を第2の電気回路ポートB4に結合するように配置されている。
【0052】
さらに、電気アナライザ(又はネットワークアナライザ)100が設けられている。この電気アナライザは、第1のアナライザ端子P1(第1のアナライザポートP1とも称する)及び第2のアナライザ端子P2(第2のアナライザポートP2とも称する)を備える。第1のアナライザポートP1は、電気刺激信号SGを提供するために、第1の接続ラインを介して試験デバイス200の第3の端子T2に結合され、第2のアナライザポートP2は、電気応答信号RGを受信するために、第2の接続ラインを介して試験デバイス200の第4の端子R2に結合されている。
【0053】
図1に基づく説明に対応して、基準デバイスの異なる状態に対する刺激信号と共に応答信号を評価することによって、第1の電気端子T1及び第2の電気端子R1に関して校正測定を行うことができる。
【0054】
一実施形態では、たとえば、第1の電気端子T1及び第2の電気端子R1によって、又は、第1の電気端子T1及び第2の電気端子R1に接続された接続ケーブルの端子によって画定される選択された校正面に関して2ポート電気誤差補正が行われる。
【0055】
2ポート誤差補正は、ネットワークアナライザの系統誤差の主要な原因を対象とする。さらに、4つのいわゆるSパラメータが、順方向及び逆方向で測定される。Sパラメータ試験セットは、以下の12個の誤差項を備えるフル2ポート誤差補正も可能にする。
【0056】
Etf:順方向伝送誤差
Erf:順方向反射誤差
Esf:順方向ソース整合
Elf:順方向負荷整合
Edf:順方向指向性
Exf:順方向クロストーク
Etr:逆方向伝送誤差
Err:逆方向反射誤差
Esr:逆方向ソース整合
Elr:逆方向負荷整合
Edr:逆方向指向性
Exr:逆方向クロストーク
【0057】
DUTの種類に応じて、誤差項を削減したセットで十分な場合がある。
【0058】
誤差項が導出されると、ネットワークアナライザ100は、これらの誤差項を記憶し、これらの誤差項を利用して、測定されたSパラメータから実際のDUTのSパラメータ(DUTの挙動)を導出する。
【0059】
その後の図には、図2に示す試験セットアップを使用する例示的な校正及び試験シナリオが示されている。試験セットアップは、それによって、第1の光学電気回路として内部光源220を備え、第2の光学電気回路として内部光受信機230を備える。それに関して、図3〜図5は、たとえば校正メモリに記憶される試験セットアップの特性を最初に求めるためのステップを示し、図6〜図9は、DUT測定と共に「最新」の校正測定を行うための例示的な校正及び測定のステップを示している。
【0060】
図3は、左から右へ、いわゆるショート・オープン・ロード・スルー(SOLT)又はショート・オープン・ロード・レシプロカル(short open load reciprocal)(SOLR)用の電気基準デバイスとして電気校正キットE−calを使用した3つの校正ステップを示している。
【0061】
図の左側では、Esf(順方向ソース整合)、Erf(順方向反射誤差)、及びEdf(順方向指向性)を求めるために、電気校正キットE−calが、第1の端子T1に接続されている。
【0062】
図の中央では、Esr(逆方向ソース整合)、Err(逆方向反射誤差)、及びEdr(逆方向指向性)を求めるために、校正キットE−calが、第2の端子R1に接続されている。
【0063】
図の右側では、残りの誤差項Etf(順方向伝送誤差)、Etr(逆方向伝送誤差)、Elf(順方向負荷整合)、及びElr(逆方向負荷整合)を求めるために、第1の電気端子T1が、電気ライン(RFケーブル)を介して第2の電気端子R1に接続されている。加えて、Exf(順方向クロストーク)及びExr(逆方向クロストーク)を求めることもできる。このプロセスの期間中、電気校正面は、第1の電気端子T1及び第2の電気端子R1によって表される。
【0064】
SOLT校正又はSOLR校正のほかに、代替的に、TRL校正方法(スルー、反射、ライン)を使用して、ネットワークアナライザ誤差項を求めることも可能である。
【0065】
図4及び図5は、図2の試験デバイスを使用した例示的な光校正測定ステップを示している。これらのステップは、ユーザが試験デバイスを使用する前に、たとえば、校正研究所で行われるプロの校正サービスによって行うことができる。
【0066】
図4によって示された第1のステップにおいて、基準光受信機(又は検出器)NISTが、第1の光端子O1と第2の電気端子R1との間に接続される。次に、基準検出器NISTの既知の基準データNISTrefdata及び基準検出器において測定された光パワーに基づいて、内部光源220の特性を求めることができる。S21NISTTXintが、誤差を修正されたネットワークアナライザ測定の結果(基準光検出器NISTを介する、第1のアナライザ端子P1と第2のアナライザ端子P2との間の伝送を表す)に対応する場合、内部光源に必要とされる校正データTx_calは、S21NISTTXintを既知の基準データNISTrefdataで除算することから導出することができる。
【0067】
図5によって示された第2のステップにおいて、第1の光端子O1及び第2の光端子O2が、光ラインによって互いに接続される。次に、事前に求められた内部電源220の特性及び内部受信機において測定された光パワーに基づいて、内部光受信機特性Rx_calを求めることができる。S21TXRxintが、誤差が修正されたネットワークアナライザの測定の結果(内部光送信機回路及び内部光受信機回路を介する、第1のアナライザ端子P1と第2のアナライザ端子P2との間の伝送を表す)に対応する場合、内部光受信機に必要とされる校正データは、S21TXRxintを第1のステップで導出される基準データTx_calで除算することから導出することができる。
【0068】
結果Tx_cal及びRx_calによって、内部送信機(T1→O1)の光学電気校正及び内部受信機(O2→R2)の光学電気校正が完了し、対応する校正データは、(たとえば、電気アナライザ100内の)メモリに記憶することができ、試験デバイスの通常の使用中ではさらに変更されない。
【0069】
図6〜図10は、これまでの図に従って校正された後に、図2の試験デバイスのユーザが行うことができる測定を示している。
【0070】
図6及び図7は、試験デバイスを使用して電気/光DUT(たとえば、変調光源)を測定するための例示的なステップを示している。
【0071】
図6によって示されたユーザ校正ステップにおいて、校正メモリに記憶された電気校正データ(誤差項の第1のセット)を更新するために、好ましくは図3に基づいて説明した初期校正に使用されるのと同様の校正キットである電気校正キットE−calが、第1の電気端子T1と第2の電気端子R1との間に接続される。試験デバイスの電気的挙動が、周囲の状態(たとえば、温度)の変動に対応して変化するとみなされるので、このような電気校正データの更新は、ユーザによってかなり頻繁に行われる場合がある。
【0072】
図7によって示されたユーザ測定ステップにおいて、特徴付けられる電気/光DUT(たとえば、光送信機)が、第1の電気端子T1に電気接続され、第2の光端子に光接続される。測定結果は、(たとえば、校正メモリに固定記憶され、試験デバイスのメンテナンス中にのみ変更される)光校正データ及び更新された電気校正データに基づいて補正することができる。
【0073】
図8及び図9は、図2の試験デバイスを使用して光/電気DUT(たとえば、光受信機)を測定するための例示的なステップを示している。図8によって示された第1のステップにおいて、校正メモリに記憶された電気校正データ(誤差項の第2のセット)を更新するために、電気校正キットE−calが、第1の電気端子T1と第2の電気端子R1との間に接続される。次のステップにおいて、特徴付けられるDUTが、第2の電気端子R1に電気接続され、第1の光端子O1に光学的に接続される。次に、光校正データ及び更新された電気校正データに基づいて測定結果を修正することができる。
【0074】
図10は、図2の試験デバイスを使用して光/光DUTを測定するためのステップを示している。第1のステップにおいて、図3によって示されるように電気校正を行うことができるが、ここでは必ずしも必要とされない。さらに、第1の光端子O1及び第2の光端子O2が、光ライン手段を用いて接続され、光伝送が測定される。これらの測定に基づいて、電気校正データ(誤差項の第3のセット)を更新して、校正メモリに記憶することができる。図11に示されている次のステップにおいて、特徴付けられるDUTが、第1の光端子O1及び第2の光端子O2の双方に接続される。次に、光校正データ及び更新された電気校正データに基づいて測定結果を補正することができる。
【0075】
したがって、上述した実施形態によって、電気校正測定を用いて、光被試験デバイス(たとえば、光受信機又は光送信機)を試験するための試験デバイスの完全な校正を定期的に行うことが可能になる。このような電気校正測定の結果(又はこのような電気校正測定の更新)及び事前に知られている(たとえば、試験デバイスの使用前に求められる光校正データとして記憶されている)光特性と共に、被試験デバイスに対する(又は換言すれば、その光インターフェース及び/若しくは電気インターフェースに対する)試験デバイスの完全な挙動が実際に求められる。したがって、ユーザは、電気基準デバイス(たとえば、電気校正キット)を用いてこのような校正を容易に行うことができる。
【0076】
本教示を、特定の実施形態を参照して詳細に説明したが、本教示が属する分野の当業者は、特許請求の精神及び範囲から逸脱することなく、さまざまな変更及び強化が可能であることを理解するであろう。また、本明細書で説明したさまざまな装置及び方法は、例示としてのみ含まれており、決して限定するものではない。最後に、念のため、本発明の実施の形態を改めて列挙する。
【0077】
(実施態様1)
被試験デバイス(400)を試験する試験デバイスであって、
第1の電気回路ポート(A4)と、第1の光端子(O1)に結合されている第1の光回路ポートとを有する第1の光学電気回路(220)、
第1のスイッチポート(A1)と、第2のスイッチポート(A2)と、第3のスイッチポート(A3)とを有する第1の電気スイッチ(210)であって、前記第1のスイッチポート(A1)を、第1のスイッチ位置では前記第2のスイッチポート(A2)に、又は第2のスイッチ位置では前記第3のスイッチポート(A3)に選択的に結合するようになっている、第1の電気スイッチ、
前記第2のスイッチポート(A2)を第1の電気端子(T1)に結合する第1のライン(C1)、及び
前記第3のスイッチポート(A3)を前記第1の電気回路ポート(A4)に結合する第2のライン(C2)、
を備え、
前記第1の光学電気回路(220)の挙動を記述する第1の校正データを記憶するようになっており、且つ、前記第1のスイッチが前記第1のスイッチ位置に切り替えられている状態において前記第1の電気端子(T1)及び第2の電気端子(R1)によって表される電気校正面(calibration plane)に関する該試験デバイスの挙動を記述する第2の校正データを記憶するようになっているメモリを特徴とする、試験デバイス。
(実施形態2)
前記第1の光学電気回路(220)は、光送信機及び光検出器の一方である、実施形態1に記載の試験デバイス。
(実施形態3)
前記スイッチが前記第2のスイッチ位置に切り替えられている場合に、前記第1の校正データ及び前記第2の校正データの関数として、前記第1の光端子(O1)及び前記第1の電気端子(T1)に接続されている前記被試験デバイス(400)の挙動を求めるプロセッサを備える、実施形態1又は実施形態2のいずれか1項に記載の試験デバイス。
(実施形態4)
前記第1の光学電気回路(220)の前記挙動を記述する前記第1の校正データは、複数の値セットを含み、該値セットはそれぞれ、光信号のパラメータ、好ましくは前記第1の光学電気回路によって生成又は受信された前記光信号のパワー又は波長の異なる値に対応し、前記試験デバイスは、前記光信号の前記パラメータの実際の値に対応して選択された値セットに基づいて前記被試験デバイス(400)の前記挙動を求めるようになっている、実施形態3に記載の試験デバイス。
(実施形態5)
前記第1のライン(C1)及び前記第2のライン(C2)は、前記第1の電気端子(T1)と前記第1のスイッチポート(A1)との間の第1のパスの第1の電気的挙動、及び、前記第1のスイッチポート(A1)と前記第1の光学電気回路(220)との間の第2のパスの第2の電気的挙動が、
温度変動が、前記第1の電気的挙動及び前記第2の電気的挙動に対して実質的に同様の効果を有し、その結果、前記第1の電気端子(T1)に関する前記第1のライン(C1)上の校正が、前記第2のライン(C2)の変動を補うように同様であるか、又は
前記第1の電気端子(T1)に結合されている電気校正デバイス(300)内の内部電気パス長と、前記光学電気回路(220)内の内部電気パス長とのうちの少なくとも一方を考慮して、前記第1の電気端子(T1)及び前記第1の光端子(O1)に関して前記試験デバイスの伝送挙動における変調効果を最小にするように異なっている、
ように選択される、実施形態1〜4のいずれか1項に記載の試験デバイス。
(実施形態6)
前記第1のライン(C1)の第1の長さと前記第2のライン(C2)の第2の長さとの間の差は、0(ゼロ)、10ミリメートル未満、20ミリメートル未満、30ミリメートル未満、及び40ミリメートル未満のうちの1つである、実施形態1〜5のいずれか1項に記載の試験デバイス。
(実施形態7)
第2の電気回路ポート(B4)と、第2の光端子(O2)に光学的に結合されている第2の光回路ポートとを有する第2の光学電気回路(230)、
第4のスイッチポート(B1)と、第5のスイッチポート(B2)と、第6のスイッチポート(B3)とを有する第2の電気スイッチ(240)であって、前記第4のスイッチポート(B1)を、前記第5のスイッチポート(B2)又は前記第6のスイッチポート(B3)に選択的に結合するようになっている、第2の電気スイッチ、
前記第5のスイッチポート(B2)を第2の電気端子(R1)に結合する第3のライン(D1)、及び
前記第6のスイッチポート(B3)を前記第2の電気回路ポート(B4)に結合する第4のライン(D2)、
をさらに備える、実施形態1〜6のいずれか1項に記載の試験デバイス。
(実施形態8)
前記第1の光学電気回路(220)は光送信機であり、前記第1の電気回路ポート(A4)は前記光送信機の入力であり、前記第1の光端子(O1)に結合されている前記第1の光回路ポートは前記光送信機の出力であること、及び
前記第2の光学電気回路(230)は光検出器であり、前記第2の電気回路ポート(B4)は前記光検出器の出力であり、前記第2の光端子(O2)に結合されている前記第2の光回路ポートは前記光検出器の入力であること、
のうちの少なくとも一方を含む、実施形態7に記載の試験デバイス。
(実施形態9)
前記第1のスイッチポート(A1)に結合されている第3の電気端子(T2)及び前記第4のスイッチポート(B1)に結合されている第4の電気端子(R2)をさらに備え、前記第3の電気端子(T2)及び前記第4の電気端子(R2)は、該第3の電気端子(T2)及び該第4の電気端子(R2)のうちの一方に電気刺激信号(SG)を提供し、該端子(T2、R2)うちの他方で電気応答信号(RG)を受信する電気アナライザ(100)に結合されるようになっている、実施形態7又は8に記載の試験デバイス。
(実施形態10)
試験デバイスを使用する方法であって、該試験デバイスは、第1の電気回路ポート(A4)と、第1の光端子(O1)に結合されている第1の光回路ポートとを有する第1の光学電気回路(220)、第1のスイッチポート(A1)と、第2のスイッチポート(A2)と、第3のスイッチポート(A3)とを有する第1の電気スイッチ(210)であって、前記第1のスイッチポート(A1)を、第1のスイッチ位置では前記第2のスイッチポート(A2)に、又は第2のスイッチ位置では前記第3のスイッチポート(A3)と選択的に結合するようになっている、第1の電気スイッチ、前記第2のスイッチポート(A2)を第1の電気端子(T1)に結合する第1のライン(C1)、及び前記第3のスイッチポート(A3)を前記第1の電気回路ポート(A4)に結合する第2のライン(C2)を備え、該方法は、
前記第1のスイッチポート(A1)が前記第2のスイッチポート(A2)に結合される第1の状態に前記第1のスイッチ(210)を切り替えると共に、前記第1の電気端子(T1)及び第2の電気端子(R1)によって表される電気校正面に関して電気校正を行うこと、並びに
前記第1のスイッチポート(A1)が前記第3のスイッチポート(A3)に結合される第2の状態に前記第1のスイッチ(210)を切り替えると共に、前記第1の光端子(O1)と、前記第1の電気端子(T1)及び第2の光端子(O2)うちの一方とに結合されている被試験デバイス(400)の試験を行うこと、
のうちの少なくとも一方を含む、方法。
(実施形態11)
コンピュータのようなデータ処理システムで実行されるときに実施形態10に記載の方法を実行するための、好ましくは記憶媒体に記憶されるソフトウェアプログラム又はソフトウェア製品。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】校正測定を行うための第1のセットアップ及び試験測定を行うための第2のセットアップにおける1つの例示的な試験デバイスのブロック図である。
【図2】内部光源及び内部光検出器を備える図1の試験デバイスのブロック図である。
【図3】図2の試験デバイスを使用した例示的な電気校正測定ステップを示す図である。
【図4】図2の試験デバイスを使用した例示的な光校正測定ステップを示す図である。
【図5】図2の試験デバイスを使用した例示的な光校正測定ステップを示す図である。
【図6】電気/光DUTの測定を示す図である。
【図7】電気/光DUTの測定を示す図である。
【図8】光/電気DUTの測定を示す図である。
【図9】光/電気DUTの測定を示す図である。
【図10】光/光DUTの測定を示す図である。
【図11】光/光DUTの測定を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
100 電気アナライザ
200 試験デバイス
210 第1のスイッチ
220 第1の光学電気回路
230 第2の光学電気回路
240 第2のスイッチ
300 電気基準デバイス
400 光学電気被試験デバイス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験デバイスを試験する試験デバイスであって、
第1の電気回路ポートと、第1の光端子に結合されている第1の光回路ポートとを有する第1の光学電気回路、
第1のスイッチポートと、第2のスイッチポートと、第3のスイッチポートとを有する第1の電気スイッチであって、前記第1のスイッチポートを、第1のスイッチ位置では前記第2のスイッチポートに、又は第2のスイッチ位置では前記第3のスイッチポートに選択的に結合するようになっている、第1の電気スイッチ、
前記第2のスイッチポートを第1の電気端子に結合する第1のライン、及び
前記第3のスイッチポートを前記第1の電気回路ポートに結合する第2のライン、
を備え、
前記第1の光学電気回路の挙動を記述する第1の校正データを記憶するようになっており、且つ、前記第1のスイッチが前記第1のスイッチ位置に切り替えられている状態において前記第1の電気端子及び第2の電気端子によって表される電気校正面(calibration plane)に関する該試験デバイスの挙動を記述する第2の校正データを記憶するようになっているメモリを特徴とする、試験デバイス。
【請求項2】
前記第1の光学電気回路は、光送信機及び光検出器の一方である、請求項1に記載の試験デバイス。
【請求項3】
前記スイッチが前記第2のスイッチ位置に切り替えられている場合に、前記第1の校正データ及び前記第2の校正データの関数として、前記第1の光端子及び前記第1の電気端子に接続されている前記被試験デバイスの挙動を求めるプロセッサを備える、請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の試験デバイス。
【請求項4】
前記第1の光学電気回路の前記挙動を記述する前記第1の校正データは、複数の値セットを含み、該値セットはそれぞれ、光信号のパラメータ、好ましくは前記第1の光学電気回路によって生成又は受信された前記光信号のパワー又は波長の異なる値に対応し、前記試験デバイスは、前記光信号の前記パラメータの実際の値に対応して選択された値セットに基づいて前記被試験デバイスの前記挙動を求めるようになっている、請求項3に記載の試験デバイス。
【請求項5】
前記第1のライン及び前記第2のラインは、前記第1の電気端子と前記第1のスイッチポートとの間の第1のパスの第1の電気的挙動、及び、前記第1のスイッチポートと前記第1の光学電気回路との間の第2のパスの第2の電気的挙動が、
温度変動が、前記第1の電気的挙動及び前記第2の電気的挙動に対して実質的に同様の効果を有し、その結果、前記第1の電気端子に関する前記第1のライン上の校正が、前記第2のラインの変動を補うように同様であるか、又は
前記第1の電気端子に結合されている電気校正デバイス内の内部電気パス長と、前記光学電気回路内の内部電気パス長とのうちの少なくとも一方を考慮して、前記第1の電気端子及び前記第1の光端子に関して前記試験デバイスの伝送挙動における変調効果を最小にするように異なっている、
ように選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の試験デバイス。
【請求項6】
前記第1のラインの第1の長さと前記第2のラインの第2の長さとの間の差は、0(ゼロ)、10ミリメートル未満、20ミリメートル未満、30ミリメートル未満、及び40ミリメートル未満のうちの1つである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の試験デバイス。
【請求項7】
第2の電気回路ポートと、第2の光端子に光学的に結合されている第2の光回路ポートとを有する第2の光学電気回路、
第4のスイッチポートと、第5のスイッチポートと、第6のスイッチポートとを有する第2の電気スイッチであって、前記第4のスイッチポートを、前記第5のスイッチポート又は前記第6のスイッチポートに選択的に結合するようになっている、第2の電気スイッチ、
前記第5のスイッチポートを第2の電気端子に結合する第3のライン、及び
前記第6のスイッチポートを前記第2の電気回路ポートに結合する第4のライン、
をさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の試験デバイス。
【請求項8】
前記第1の光学電気回路は光送信機であり、前記第1の電気回路ポートは前記光送信機の入力であり、前記第1の光端子に結合されている前記第1の光回路ポートは前記光送信機の出力であること、及び
前記第2の光学電気回路は光検出器であり、前記第2の電気回路ポートは前記光検出器の出力であり、前記第2の光端子に結合されている前記第2の光回路ポートは前記光検出器の入力であること、
のうちの少なくとも一方を満たす、請求項7に記載の試験デバイス。
【請求項9】
前記第1のスイッチポートに結合されている第3の電気端子及び前記第4のスイッチポートに結合されている第4の電気端子をさらに備え、前記第3の電気端子及び前記第4の電気端子は、該第3の電気端子及び該第4の電気端子のうちの一方に電気刺激信号を提供し、該端子うちの他方で電気応答信号を受信する電気アナライザに結合されるようになっている、請求項7又は8に記載の試験デバイス。
【請求項10】
試験デバイスを使用する方法であって、該試験デバイスは、第1の電気回路ポートと、第1の光端子に結合されている第1の光回路ポートとを有する第1の光学電気回路、第1のスイッチポートと、第2のスイッチポートと、第3のスイッチポートとを有する第1の電気スイッチであって、前記第1のスイッチポートを、第1のスイッチ位置では前記第2のスイッチポートに、又は第2のスイッチ位置では前記第3のスイッチポートと選択的に結合するようになっている、第1の電気スイッチ、前記第2のスイッチポートを第1の電気端子に結合する第1のライン、及び前記第3のスイッチポートを前記第1の電気回路ポートに結合する第2のラインを備え、該方法は、
前記第1のスイッチポートが前記第2のスイッチポートに結合される第1の状態に前記第1のスイッチを切り替えると共に、前記第1の電気端子及び第2の電気端子によって表される電気校正面に関して電気校正を行うこと、並びに
前記第1のスイッチポートが前記第3のスイッチポートに結合される第2の状態に前記第1のスイッチを切り替えると共に、前記第1の光端子と、前記第1の電気端子及び第2の光端子うちの一方とに結合されている被試験デバイスの試験を行うこと、
のうちの少なくとも一方を含む、方法。
【請求項11】
コンピュータのようなデータ処理システムで実行されるときに請求項10に記載の方法を実行するための、好ましくは記憶媒体に記憶されるソフトウェアプログラム又はソフトウェア製品。
【請求項1】
被試験デバイスを試験する試験デバイスであって、
第1の電気回路ポートと、第1の光端子に結合されている第1の光回路ポートとを有する第1の光学電気回路、
第1のスイッチポートと、第2のスイッチポートと、第3のスイッチポートとを有する第1の電気スイッチであって、前記第1のスイッチポートを、第1のスイッチ位置では前記第2のスイッチポートに、又は第2のスイッチ位置では前記第3のスイッチポートに選択的に結合するようになっている、第1の電気スイッチ、
前記第2のスイッチポートを第1の電気端子に結合する第1のライン、及び
前記第3のスイッチポートを前記第1の電気回路ポートに結合する第2のライン、
を備え、
前記第1の光学電気回路の挙動を記述する第1の校正データを記憶するようになっており、且つ、前記第1のスイッチが前記第1のスイッチ位置に切り替えられている状態において前記第1の電気端子及び第2の電気端子によって表される電気校正面(calibration plane)に関する該試験デバイスの挙動を記述する第2の校正データを記憶するようになっているメモリを特徴とする、試験デバイス。
【請求項2】
前記第1の光学電気回路は、光送信機及び光検出器の一方である、請求項1に記載の試験デバイス。
【請求項3】
前記スイッチが前記第2のスイッチ位置に切り替えられている場合に、前記第1の校正データ及び前記第2の校正データの関数として、前記第1の光端子及び前記第1の電気端子に接続されている前記被試験デバイスの挙動を求めるプロセッサを備える、請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の試験デバイス。
【請求項4】
前記第1の光学電気回路の前記挙動を記述する前記第1の校正データは、複数の値セットを含み、該値セットはそれぞれ、光信号のパラメータ、好ましくは前記第1の光学電気回路によって生成又は受信された前記光信号のパワー又は波長の異なる値に対応し、前記試験デバイスは、前記光信号の前記パラメータの実際の値に対応して選択された値セットに基づいて前記被試験デバイスの前記挙動を求めるようになっている、請求項3に記載の試験デバイス。
【請求項5】
前記第1のライン及び前記第2のラインは、前記第1の電気端子と前記第1のスイッチポートとの間の第1のパスの第1の電気的挙動、及び、前記第1のスイッチポートと前記第1の光学電気回路との間の第2のパスの第2の電気的挙動が、
温度変動が、前記第1の電気的挙動及び前記第2の電気的挙動に対して実質的に同様の効果を有し、その結果、前記第1の電気端子に関する前記第1のライン上の校正が、前記第2のラインの変動を補うように同様であるか、又は
前記第1の電気端子に結合されている電気校正デバイス内の内部電気パス長と、前記光学電気回路内の内部電気パス長とのうちの少なくとも一方を考慮して、前記第1の電気端子及び前記第1の光端子に関して前記試験デバイスの伝送挙動における変調効果を最小にするように異なっている、
ように選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の試験デバイス。
【請求項6】
前記第1のラインの第1の長さと前記第2のラインの第2の長さとの間の差は、0(ゼロ)、10ミリメートル未満、20ミリメートル未満、30ミリメートル未満、及び40ミリメートル未満のうちの1つである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の試験デバイス。
【請求項7】
第2の電気回路ポートと、第2の光端子に光学的に結合されている第2の光回路ポートとを有する第2の光学電気回路、
第4のスイッチポートと、第5のスイッチポートと、第6のスイッチポートとを有する第2の電気スイッチであって、前記第4のスイッチポートを、前記第5のスイッチポート又は前記第6のスイッチポートに選択的に結合するようになっている、第2の電気スイッチ、
前記第5のスイッチポートを第2の電気端子に結合する第3のライン、及び
前記第6のスイッチポートを前記第2の電気回路ポートに結合する第4のライン、
をさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の試験デバイス。
【請求項8】
前記第1の光学電気回路は光送信機であり、前記第1の電気回路ポートは前記光送信機の入力であり、前記第1の光端子に結合されている前記第1の光回路ポートは前記光送信機の出力であること、及び
前記第2の光学電気回路は光検出器であり、前記第2の電気回路ポートは前記光検出器の出力であり、前記第2の光端子に結合されている前記第2の光回路ポートは前記光検出器の入力であること、
のうちの少なくとも一方を満たす、請求項7に記載の試験デバイス。
【請求項9】
前記第1のスイッチポートに結合されている第3の電気端子及び前記第4のスイッチポートに結合されている第4の電気端子をさらに備え、前記第3の電気端子及び前記第4の電気端子は、該第3の電気端子及び該第4の電気端子のうちの一方に電気刺激信号を提供し、該端子うちの他方で電気応答信号を受信する電気アナライザに結合されるようになっている、請求項7又は8に記載の試験デバイス。
【請求項10】
試験デバイスを使用する方法であって、該試験デバイスは、第1の電気回路ポートと、第1の光端子に結合されている第1の光回路ポートとを有する第1の光学電気回路、第1のスイッチポートと、第2のスイッチポートと、第3のスイッチポートとを有する第1の電気スイッチであって、前記第1のスイッチポートを、第1のスイッチ位置では前記第2のスイッチポートに、又は第2のスイッチ位置では前記第3のスイッチポートと選択的に結合するようになっている、第1の電気スイッチ、前記第2のスイッチポートを第1の電気端子に結合する第1のライン、及び前記第3のスイッチポートを前記第1の電気回路ポートに結合する第2のラインを備え、該方法は、
前記第1のスイッチポートが前記第2のスイッチポートに結合される第1の状態に前記第1のスイッチを切り替えると共に、前記第1の電気端子及び第2の電気端子によって表される電気校正面に関して電気校正を行うこと、並びに
前記第1のスイッチポートが前記第3のスイッチポートに結合される第2の状態に前記第1のスイッチを切り替えると共に、前記第1の光端子と、前記第1の電気端子及び第2の光端子うちの一方とに結合されている被試験デバイスの試験を行うこと、
のうちの少なくとも一方を含む、方法。
【請求項11】
コンピュータのようなデータ処理システムで実行されるときに請求項10に記載の方法を実行するための、好ましくは記憶媒体に記憶されるソフトウェアプログラム又はソフトウェア製品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−47690(P2009−47690A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−198183(P2008−198183)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(399117121)アジレント・テクノロジーズ・インク (710)
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(399117121)アジレント・テクノロジーズ・インク (710)
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
【Fターム(参考)】
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