説明

異材接合構造

【課題】異なる金属材相互の接合強度を向上すること。
【解決手段】振止部材(第一部材)14と、前記振止部材14とは異なる金属材で形成された接合部材(第二部材)15とを相互に接合する異材接合構造において、振止部材14を複数の接合部材151,152で挟み、各接合部材151,152を溶接接合する。各接合部材151,152を溶接した溶接材153の収縮により、接合部材151と接合部材152との間で振止部材14を挟持し、振止部材14と接合部材15とが接合される。この結果、異なる金属材を溶接する際の熱処理が不要となり、溶接作業を容易に行える。しかも、溶接材153の収縮によって接合部材151と接合部材152との間で振止部材14を挟持するため、異なる金属材である振止部材14と接合部材15との相互の接合強度を向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる金属材を相互に接合するための異材接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)に用いられる蒸気発生器は、筒状の胴内に、U字形状の伝熱管が複数整列されている。伝熱管は、U字形状の一端に、原子炉から高温高圧の一次冷却水が送られる。そして、伝熱管は、一次冷却水の熱を胴内に供給された二次冷却水に伝え、二次冷却水に水蒸気を発生させる。この水蒸気によりタービン発電機が回されて発電する。また、熱交換した後の一次冷却水は、伝熱管のU字形状の他端から排出されて原子炉に戻される。
【0003】
このような蒸気発生器は、伝熱管のU字形状の円弧部での流体励起振動を防ぐため、振止部材が用いられている。振止部材は、円弧部において伝熱管の間に挿入されたほぼV字形状のものである。この振止部材は、ほぼV字形状の屈曲部側から伝熱管の間に挿入され、かつ最外周管の円弧部の外側に両端部が突出される。振止部材は、それぞれの端部が保持部材に溶接されて連結される。保持部材は、伝熱管における最外周とその内側との間に挿入された取付部と溶接される。これにより、振止部材は、伝熱管に対して保持部材により保持される。
【0004】
ところで、振止部材は、伝熱管の流体励起振動を抑える際の衝撃に耐え得るため、ステンレス鋼(例えば、SUS405)で形成されることが好ましい。また、保持部材は、高温雰囲気での耐食性に優れた高ニッケル合金(インコネル690)で形成されることが好ましい。このため、異なる金属材である振止部材と保持部材とを相互に接合することになる。そして、異なる金属材である振止部材と保持部材とを溶接により接合する場合、熱処理が必要となることから溶接作業に手間がかかることになる。
【0005】
従来、このような異なる金属材を相互に接合するための異材接合構造としては、特許文献1に鉄筋籠が開示されている。かかる鉄筋籠は、鉄筋を円環状補強筋の外面に周方向に複数配置するため、補強筋と材質同一のU字形金具を鉄筋に嵌合し、当該U字形金具の両端を補強筋の外面に溶接している。このため、異なる金属材である鉄筋と補強筋とを溶接することなく、鉄筋と補強筋とを接合することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−344321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1の異材接合構造は、U字形金具と鉄筋とが嵌合のみであることから十分な接合強度を得ることができない。特に、蒸気発生器の振止部材のように伝熱管の流体励起振動を防ぐための接合構造としては接合強度不足となりやすい。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、異なる金属材相互の接合強度を向上することのできる異材接合構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するために、本発明の異材接合構造は、第一部材と、前記第一部材とは異なる金属材で形成された第二部材と、を相互に接合する異材接合構造において、前記第一部材を複数の前記第二部材で挟み、各前記第二部材間を溶接接合することを特徴とする。
【0010】
この異材接合構造によれば、各第二部材を溶接した溶接材の収縮により、一方の第二部材と他方の第二部材との間で第一部材を挟持し、第一部材と第二部材とが接合される。この結果、異なる金属材を溶接する際の熱処理が不要となり、溶接作業を容易に行うことができる。しかも、第一部材と第二部材との接合は、溶接材の収縮によって一方の第二部材と他方の第二部材との間で第一部材を挟持しているため、異なる金属材である第一部材と第二部材との相互の接合強度を向上することができる。
【0011】
また、本発明の異材接合構造は、前記第一部材と前記第二部材とを相互に嵌合する嵌合部を設けたことを特徴とする。
【0012】
この異材接合構造によれば、嵌合部の嵌合によって、第一部材と第二部材との接合をより強固にすることができる。
【0013】
上述の目的を達成するために、本発明の異材接合構造は、複数配列された伝熱管の間に挿入される複数の振止部材と、前記振止部材とは異なる金属材で形成されて各前記振止部材同士を連結する保持部材と、を相互に接合する異材接合構造において、前記保持部材と同一の金属材で形成された複数の接合部材を備え、前記振止部材における前記保持部材と接合される部位を各前記接合部材で挟み、かつ各前記接合部材間を溶接接合し、当該接合部材と前記保持部材とを溶接接合することを特徴とする。
【0014】
この異材接合構造によれば、各接合部材を溶接した溶接材の収縮により、一方の接合部材と他方の接合部材との間で振止部材を挟持し、振止部材と接合部材とが接合される。そして、この状態で同一金属材である接合部材と保持部材とを溶接接合する。この結果、異なる金属材を溶接する際の熱処理が不要となり、溶接作業を容易に行うことができる。しかも、振止部材と接合部材との接合は、溶接材の収縮によって一方の接合部材と他方の接合部材との間で振止部材を挟持しているため、異なる金属材である振止部材と保持部材との相互の接合強度を向上することができる。
【0015】
また、本発明の異材接合構造は、前記振止部材と前記接合部材とを相互に嵌合する嵌合部を設けたことを特徴とする。
【0016】
この異材接合構造によれば、嵌合部の嵌合によって、振止部材と接合部材との接合をより強固にすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、異なる金属材相互の接合強度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る異材接合構造が適用される蒸気発生器の側断面概略図である。
【図2】図2は、伝熱管群の平面視概略図である。
【図3】図3は、図2のA−A断面図である。
【図4】図4は、伝熱管群の斜視概略図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態に係る異材接合構造を示す平面図である。
【図6】図6は、図5のB−B断面拡大図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態に係る異材接合構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0020】
図1は、本実施の形態に係る異材接合構造が適用される蒸気発生器の側断面概略図である。蒸気発生器1は、例えば、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)に用いられる。加圧水型原子炉は、原子炉冷却材および中性子減速材として軽水を使用している。加圧水型原子炉は、軽水を炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧水としての一次冷却水を蒸気発生器1に送る。蒸気発生器1では、高温高圧の一次冷却水の熱を二次冷却水に伝え、二次冷却水に水蒸気を発生させる。そして、この水蒸気によりタービン発電機が回されて発電する。
【0021】
蒸気発生器1は、上下方向に延在され、かつ密閉された中空円筒形状を成し、上半部に対して下半部が若干小径とされた胴部2を有している。胴部2は、その下半部内に、該胴部2の内壁面と所定間隔をもって配置された円筒形状を成す管群外筒3が設けられている。この管群外筒3は、その下端部が、胴部2の下半部内の下方に配置された管板4近傍まで延設されている。管群外筒3内には、伝熱管群51が設けられている。伝熱管群51は、逆U字形状をなす複数の伝熱管5からなる。各伝熱管5は、U字形状の円弧部を上方に向けて配置され、下端部が管板4に支持されていると共に、中間部が複数の管支持板6を介して管群外筒3に支持されている。管支持板6には、多数の貫通孔(図示せず)が形成されており、この貫通孔内に各伝熱管5が貫通されている。
【0022】
胴部2は、その下端部に水室7が設けられている。水室7は、内部が隔壁8により入室71と出室72とに区画されている。入室71は、各伝熱管5の一端部が連通され、出室72は、各伝熱管5の他端部が連通されている。また、入室71は、胴部2の外部に通じる入口ノズル711が形成され、出室72は、胴部2の外部に通じる出口ノズル721が形成されている。そして、入口ノズル711は、加圧水型原子炉から一次冷却水が送られる冷却水配管(図示せず)が連結され、出口ノズル721は、熱交換された後の一次冷却水を加圧水型原子炉に送る冷却水配管(図示せず)が連結される。
【0023】
胴部2は、その上半部内に、給水を蒸気と熱水とに分離する気水分離器9、および分離された蒸気の湿分を除去して乾き蒸気に近い状態とする湿分分離器10が設けられている。気水分離器9と伝熱管群51との間には、外部から胴部2内に二次冷却水の給水を行う給水管11が挿入されている。さらに、胴部2は、その上端部に、蒸気排出口12が形成されている。また、胴部2は、その下半部内に、給水管11からこの胴部2内に給水された二次冷却水を、胴部2と管群外筒3との間を流下させて管板4にて折り返えさせ、伝熱管群51に沿って上昇させる給水路13が形成されている。なお、蒸気排出口12は、タービンに蒸気を送る冷却水配管(図示せず)が連結され、給水管11は、タービンで使用された蒸気が復水器(図示せず)で冷却された二次冷却水を供給するための冷却水配管(図示せず)が連結される。
【0024】
このような蒸気発生器1では、加圧水型原子炉で加熱された一次冷却水は、入室71に送られ、多数の伝熱管5内を通って循環して出室72に至る。一方、復水器で冷却された二次冷却水は、給水管11に送られ、胴部2内の給水路13を通って伝熱管群51に沿って上昇する。このとき、胴部2内で、高圧高温の一次冷却水と二次冷却水との間で熱交換が行われる。そして、冷やされた一次冷却水は出室72から加圧水型原子炉に戻される。一方、高圧高温の一次冷却水と熱交換を行った二次冷却水は、胴部2内を上昇し、気水分離器9で蒸気と熱水とに分離される。そして、分離された蒸気は、湿分分離器10で湿分が除去されてからタービンに送られる。
【0025】
このように構成された蒸気発生器1において、一次冷却水が各伝熱管5内を通過する際、逆U字形状の円弧部にて流体励起振動が発生する。そこで、伝熱管5の円弧部には、振止部材が設けられている。図2は、伝熱管群の平面視概略図であり、図3は、図2のA−A断面図であり、図4は、伝熱管群の斜視概略図である。
【0026】
伝熱管群51の上端部には、上述したように伝熱管5の逆U字形状の円弧部が配置されている。伝熱管5は、図3に示すように、中央Sから外側に向けて円弧部の径が大きなものを配列し、かつ該配列したものを、図2に示すように、側方に重ねつつ径を変えることで、伝熱管群51の上端部を半球形状に形成している。
【0027】
振止部材14は、図4に示すように、重ねられた伝熱管5の列の間に挿入されている。振止部材14は、矩形断面を成し、ほぼV字形状に折り曲げて形成され、重ねられた各伝熱管5の列における同径の部位(所定位置)に屈曲部が配置される。そして、振止部材14は、最も大きい径の伝熱管5の円弧部の外側に両端部が突出されている。この振止部材14の端部は、伝熱管群51の半球形状の円弧に沿って一列に並んで配置される。また、振止部材14は、大きいほぼV字形状のものの内側に小さいV字形状のものが配置されて対を成し、この対が伝熱管5の半円部分に3つ配置されている。この振止部材14は、伝熱管5の振動を抑止するのに好ましい金属材(例えば、SUS405)で形成されている。また、伝熱管5の円弧部の外側に突出されている両端部には、接合部材15が設けられている。この接合部材15は、後述する保持部材16と同一の金属材であって、高温雰囲気での耐食性に優れた金属材(例えば、インコネル690)で形成されている。
【0028】
振止部材14に設けられた接合部材15は、図2〜図4に示すように、保持部材16が溶接される。保持部材16は、高温雰囲気での耐食性に優れた金属材(例えば、インコネル690)で形成され、伝熱管群51の半球状の外周に沿って取り付けられた棒状のもので、最外周の伝熱管5とその内側の伝熱管5との間に挿入された略コ字形状の取付部17の両端に溶接されることで伝熱管群51に取り付けられる。このように、振止部材14は、伝熱管5の間の所定位置に挿入された形態で前記伝熱管群51に配設されている。
【0029】
ところで、上述した振止部材14は、伝熱管5の振動を抑止するのに好ましい金属材(例えば、SUS405)で形成され、当該振止部材14を保持するための保持部材16は、高温雰囲気での耐食性に優れた金属材(例えば、インコネル690)で形成されている。すなわち、振止部材14と保持部材16とは、異なる金属材で形成されている。このため、異なる金属材で形成された振止部材14と保持部材16とを接合する必要がある。また、振止部材14と保持部材16との接合においては、蒸気発生器1内での接合部品の落下などを防ぐ目的により、ボルト接合ではなく溶接接合することが好ましい。しかし、異なる金属材で形成された振止部材14と保持部材16とを溶接により接合するには、熱処理を行う必要があるため、溶接作業に手間がかかってしまう。そこで、保持部材16と同一の金属材で形成された接合部材15を、振止部材14に接合し、この接合部材15と保持部材16とを溶接により接合している。ただし、振止部材(第一部材)14と接合部材(第二部材)15とは、異なる金属材であるため、これら振止部材14と接合部材15との相互の接合において、下記のように工夫している。
【0030】
図5は、本実施の形態に係る異材接合構造を示す平面図であり、図6は、図5のB−B断面拡大図であり、図7は、本実施の形態に係る異材接合構造を示す斜視図である。
【0031】
本実施の形態の異材接合構造は、振止部材(第一部材)14と接合部材(第二部材)15との接合は、図5〜図7に示すように、振止部材14における保持部材16と接合される部位を、分割形成された複数(本実施の形態では2つ)の接合部材151,152で挟み、かつ各接合部材151,152同士を溶接接合する。そして、この状態で、接合部材15と保持部材16とを溶接接合する。
【0032】
振止部材14は、保持部材16と接合される部位、すなわち接合部材15が接合される部位に、接合部材15と嵌合する嵌合部14aが形成されている。嵌合部14aは、本実施の形態では、振止部材14の先端を除き、振止部材14の長手方向に沿って細く形成された括れ部として形成されている。
【0033】
接合部材15の一方の接合部材151は、板状のブロックを元に形成されており、その一面に、振止部材14の嵌合部14aを挿入することのできる長溝形状の凹部151aが形成されている。この凹部151aの深さは、嵌合部14aの厚さに対して小さく形成されている。また、一方の接合部材151は、他方の接合部材152との溶接部位となる両側部に、凹部151aの長手方向に沿ってテーパ状に形成された開先151bが設けられている。接合部材15の他方の接合部材152は、板状に形成されている。
【0034】
振止部材14への接合部材15の接合において、図6(b)に示すように、振止部材14の嵌合部14aを一方の接合部材151の凹部151aに挿入し、この凹部151a側に他方の接合部材152を添えることにより、一方の接合部材151と他方の接合部材152とにより振止部材14の嵌合部14aを挟む。このとき、凹部151aの深さが嵌合部14aの厚さに対して小さく形成されているため、凹部151aから嵌合部14aがはみ出すこととなり、一方の接合部材151の開先151bと他方の接合部材152との間に隙間Hが生じる。そして、図6(a)に示すように、開先151bに溶接材153を肉盛りする。すると、溶接材153の冷却時の収縮により、開先151bを設けた一方の接合部材151の両側部と、当該開先151bに対向する他方の接合部材152の両側部とが引き寄せられて隙間Hが狭まることによって、一方の接合部材151と他方の接合部材152との間で嵌合部14aを挟持し、振止部材14と接合部材15とが接合される。その後、この状態の接合部材15に対し、当該接合部材15を同一金属材の保持部材16を溶接により接合する。
【0035】
このように、本実施の形態の異材接合構造は、異なる金属材である、振止部材(第一部材)14と接合部材(第二部材)15とを相互に接合する異材接合構造において、振止部材14を、複数の接合部材(第二部材)151,152で挟み、かつ各接合部材151,152同士を溶接材153で接合する。
【0036】
この異材接合構造によれば、各接合部材151,152を溶接した溶接材153の収縮により、一方の接合部材151と他方の接合部材152との間で振止部材14を挟持し、振止部材14と接合部材15とが接合される。この結果、異なる金属材を溶接する際の熱処理が不要となり、溶接作業を容易に行うことが可能になる。しかも、振止部材14と接合部材15との接合は、溶接材153の収縮によって一方の接合部材151と他方の接合部材152との間で振止部材14を挟持しているため、異なる金属材である振止部材14と接合部材15との相互の接合強度を向上することが可能になる。
【0037】
また、本実施の形態の異材接合構造は、複数配列された伝熱管5の間に挿入される複数の振止部材14と、振止部材14とは異なる金属材で形成されて各振止部材14同士を連結する保持部材16と、を相互に接合する異材接合構造において、保持部材16と同一の金属材で形成された複数の接合部材15(151,152)を備え、振止部材14における保持部材16と接合される部位を各接合部材151,152で挟み、かつ各接合部材151,152間を溶接接合し、当該接合部材151,152と保持部材16とを溶接接合する。
【0038】
この異材接合構造によれば、各接合部材151,152を溶接した溶接材153の収縮により、一方の接合部材151と他方の接合部材152との間で振止部材14を挟持し、振止部材14と接合部材15とが接合される。そして、この状態で同一金属材である接合部材15と保持部材16とを溶接接合する。この結果、異なる金属材を溶接する際の熱処理が不要となり、溶接作業を容易に行うことが可能になる。しかも、振止部材14と接合部材15との接合は、溶接材153の収縮によって一方の接合部材151と他方の接合部材152との間で振止部材14を挟持しているため、異なる金属材である振止部材14と保持部材16との相互の接合強度を向上することが可能になる。
【0039】
また、本実施の形態の異材接合構造は、振止部材(第一部材)14と接合部材(第二部材)15とを相互に嵌合する嵌合部14aを設けることが好ましい。
【0040】
この異材接合構造によれば、嵌合部14aの嵌合によって、振止部材14と接合部材15との接合をより強固にすることが可能になる。なお、上述した実施の形態では、嵌合部14aは、振止部材14に形成した括れ部としたが、この限りではない。例えば、図には明示しないが、振止部材14に貫通孔を設け、接合部材15に貫通孔に挿通される凸部を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上のように、本発明に係る異材接合構造は、異なる金属材相互の接合強度を向上することに適している。
【符号の説明】
【0042】
5 伝熱管
14 振止部材(第一部材)
14a 嵌合部
15 接合部材(第二部材)
151,152 接合部材
151a 凹部
151b 開先
153 溶接材
16 保持部材
17 取付部
H 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一部材と、前記第一部材とは異なる金属材で形成された第二部材と、を相互に接合する異材接合構造において、
前記第一部材を複数の前記第二部材で挟み、各前記第二部材間を溶接接合することを特徴とする異材接合構造。
【請求項2】
前記第一部材と前記第二部材とを相互に嵌合する嵌合部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の異材接合構造。
【請求項3】
複数配列された伝熱管の間に挿入される複数の振止部材と、前記振止部材とは異なる金属材で形成されて各前記振止部材同士を連結する保持部材と、を相互に接合する異材接合構造において、
前記保持部材と同一の金属材で形成された複数の接合部材を備え、前記振止部材における前記保持部材と接合される部位を各前記接合部材で挟み、かつ各前記接合部材間を溶接接合し、当該接合部材と前記保持部材とを溶接接合することを特徴とする異材接合構造。
【請求項4】
前記振止部材と前記接合部材とを相互に嵌合する嵌合部を設けたことを特徴とする請求項3に記載の異材接合構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−81475(P2012−81475A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226960(P2010−226960)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)