説明

異物除去装置

【課題】流体中に存在する異物を除去するための異物除去装置を提供する。
【解決手段】異物除去装置は、羽根車1と、羽根車1を回転させるモータと、羽根車1を内部に配置するためのケーシング2と、ケーシング2に接続され、流体が流れ出す流出流路を備える。流体に混入している異物を分離するためのフィルタ11を備える。流出流路は、異物を取り除くための異物回収流路6を含む。異物回収流路6は、ケーシング2の底部に接続されている。フィルタ11は、異物回収流路6に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異物除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年においては、ハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)、電気自動車(Electric Vehicle)および燃料電池(Fuel Cell)を搭載した燃料電池車などの電力を動力源とする車が注目されている。ハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、モータを動力とする自動車である。
【0003】
ハイブリッド自動車は、エンジンを駆動して動力を得るとともに、直流電源からの直流電圧を交流電圧に変換し、変換された交流電圧によりモータを駆動することによって動力を得る自動車である。また、電気自動車は、直流電源からの直流電圧を変換した交流電圧によりモータを駆動して動力を得る自動車である。
【0004】
このような自動車においては、直流電圧を交流電圧に変換するための電力変換器が搭載される。電力変換器には、たとえば、インバータやコンバータなどのパワー半導体素子が含まれる。パワー半導体素子には、たとえば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等が含まれる。
【0005】
自動車に搭載される電力変換器においては、高い動力性能を得るために大電力を必要とする場合がある。大電力の電力変換器等は、発熱量が大きくて電力変換器を冷却するための冷却装置が搭載される。
【0006】
特開2005−12890号公報においては、バッテリ、PCU(Power Control Unit)、熱交換器、ウォータポンプおよび配管を備える駆動システムが開示されている。この駆動システムにおいて、熱交換器によって冷却された冷却水をウォータポンプによりバッテリおよびPCUの順に配管中で循環させて、バッテリおよびPCUを冷却することが開示されている。
【0007】
また、特開平11−6431号公報においては、粒子混入機構によりラジエータ入口配管内に冷却系流路面積よりも十分小さい粒子を混入させ、ラジエータのチューブ内を冷却液と粒子との混相状態で流通させ、ラジエータ通過後はラジエータ出口配管に設けられた遠心分離器で粒子を分離して粒子混入機構で再びラジエータ入口配管へ還流させる車両用エンジン冷却装置が開示されている。
【0008】
特開平9−88898号公報においては、ポンプ室の高圧部から取出した冷却水をトラップ室に導き、トラップ室で異物を沈殿して、浄化された冷却水をシール部材の摺動面に向けて噴射する異物除去装置を取付けたウォータポンプが開示されている。
【特許文献1】特開2005−12890号公報
【特許文献2】特開平11−6431号公報
【特許文献3】特開平9−88898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述の通り、たとえば、大きな電力を取扱う半導体素子などの発熱体の発熱量は大きく、このような発熱体は冷却器の表面に配置される。冷却器は、たとえば、半導体素子と冷却媒体との熱交換が行なうためのヒートシンクが配置される。ヒートシンクは、たとえば、板状のフィンを含み、フィン同士の間を冷却媒体が流れることによりヒートシンクが冷却される。
【0010】
冷却媒体は、液体や気体などの流体を含む。冷却媒体は、たとえば、ポンプなどによって循環される。発熱体の熱を吸収した冷却媒体は、ラジエータを通ることにより冷却される。近年においては、発熱体を冷却するためのフィン同士の間隔が小さくなりつつある。フィン同士の間隔を小さくすることにより、冷却媒体とフィンとの接触面積が大きくなって熱伝達性能が向上する。
【0011】
しかしながら、たとえば、フィン同士の間隔が小さくなることにより、異物がフィン同士の間に残留し易くなり、異物により流路が詰まってしまう場合があるという問題があった。異物がフィン同士の間に詰まってしまって冷却媒体の流れが阻害され、冷却性能が低下する場合があるという問題があった。
【0012】
本発明は、流体中に存在する異物を除去するための異物除去装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に基づく異物除去装置は、羽根車と、上記羽根車を回転させる駆動機器とを備える。上記羽根車を内部に配置するためのケーシングを備える。上記ケーシングに接続され、流体が流れ出す流出流路を備える。上記流体に混入している異物を分離するための異物分離機器を備える。上記流出流路は、異物を取り除くための異物回収流路を含む。上記異物回収流路は、上記ケーシングの底部に接続されている。上記異物分離機器は、上記異物回収流路に配置されている。
【0014】
上記発明において好ましくは、上記羽根車は、回転軸となるシャフトを含む。上記シャフトに固定されている複数の羽根部を含む。上記羽根部は、板状に形成されている。上記羽根部は、上記シャフトから外側に向かうように配置されている。上記羽根部は、面積が最大になる面積最大面が回転方向に対してほぼ垂直になるように配置されている。
【0015】
上記発明において好ましくは、上記ケーシングの内面に固定されている異物除去ブラシを備える。上記異物除去ブラシは、上記羽根車が回転することにより上記羽根部に接触するように配置されている。
【0016】
上記発明において好ましくは、上記異物分離機器は、異物を除去するためのフィルタを含む。
【0017】
上記発明において好ましくは、上記流出流路は、上記異物回収機器を通らずに上記流体を排出するための排出流路を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、流体中に存在する異物を除去するための異物除去装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(実施の形態1)
図1から図6を参照して、実施の形態1における異物除去装置について説明する。本実施の形態における異物除去装置は、自動車に取付けられているPCUを冷却するための冷却装置に配置されている。本実施の形態における自動車は、駆動源としてモータを含む自動車である。
【0020】
図1は、本実施の形態における冷却装置の概略回路図である。本実施の形態における自動車は、PCU21を備える。本実施の形態におけるPCU21は、直流の蓄電装置としてのバッテリ(図示せず)に接続されている。
【0021】
PCU21は、蓄電装置からの直流電圧を受け、直流電圧を交流電圧に変換して、MG(Motor Generator)22に電気を供給するように形成されている。また、PCU21は、回生発電時にMG22が発電した交流電圧を直流電圧に変換して、蓄電装置を充電するように形成されている。
【0022】
本実施の形態における冷却装置は、PCU21およびMG22を冷却するように形成されている。本実施の形態における冷却装置は、ポンプ23を備える。本実施の形態におけるポンプ23は、ウォータポンプ(WP)である。ポンプ23は、冷却媒体を循環させるために必要な圧力で吐出することができるように形成されている。
【0023】
本実施の形態における冷却媒体は、LLC(Long Life Coolant)である。本実施の形態における冷却媒体は、液体である。本実施の形態における冷却装置は、ラジエータ24を備える。ラジエータ24は、ポンプ23の下流側に配置されている。ラジエータ24は、流路8によってポンプ23と接続されている。ラジエータ24は、冷却媒体を冷却することができるように形成されている。本実施の形態におけるラジエータ24は、冷却媒体を空冷にて冷却するように形成されている。
【0024】
本実施の形態における冷却装置は、流路9を備える。流路9は、ラジエータ24で冷却された冷却媒体をPCU21に供給することができるように形成されている。
【0025】
本実施の形態におけるPCU21は、直流電圧を交流電圧に変換するインバータ装置を含む。インバータ装置は、MOSトランジスタやIGBTなどの発熱体を含む。インバータ装置が駆動することにより発熱する。冷却装置は、これらの発熱体を冷却するように形成されている。
【0026】
本実施の形態における冷却装置は、流路10を備える。流路10は、PCU21を冷却した冷却媒体をMG22に供給するように形成されている。MG22は、駆動することにより発熱する。または、回生発電時にも発熱する。冷却装置は、MG22を冷却することができるように形成されている。
【0027】
本実施の形態における冷却装置は、流路5を備える。本実施の形態における冷却装置は、異物除去装置41を備える。流路5は、MG22を冷却した冷却媒体を異物除去装置41に供給することができるように形成されている。異物除去装置41は、冷却媒体に存在する異物を除去することができるように形成されている。
【0028】
本実施の形態における冷却装置は、流路7を備える。流路7は、異物除去装置41から排出される冷却媒体をポンプ23に供給することができるように形成されている。
【0029】
ポンプ23で吐出された冷却媒体は、矢印51に示すように、流路8を通ってラジエータ24に供給される。ラジエータ24では熱交換が行なわれ冷却媒体が冷却される。ラジエータで冷却された冷却媒体は、矢印52に示すように流路9を通ってPCU21に供給される。冷却媒体によりPCU21が冷却される。
【0030】
PCU21を冷却した冷却媒体は、矢印53に示すように、流路10を通ってMG22に供給される。MG22は、冷却媒体により冷却される。MG22を冷却した冷却媒体は、矢印54に示すように、流路5を通って異物除去装置41に供給される。異物除去装置41を通った冷却媒体は、矢印55に示すように、ポンプ23に供給される。このように、ポンプ23が駆動することにより冷却媒体が循環する。
【0031】
図2に、本実施の形態における異物除去装置の概略断面図を示す。図3に、本実施の形態における羽根車の部分の概略斜視図を示す。
【0032】
図2および図3を参照して、本実施の形態における異物除去装置は、羽根車1を備える。羽根車1は、シャフト1aと羽根部1bを含む。シャフト1aは、羽根車1の回転軸である。シャフト1aは、駆動機器としてのモータ25に接続されている。モータ25は、シャフト1aを、矢印58に示す向きに回転させることができるように形成されている。
【0033】
本実施の形態における羽根車1は、複数の羽根部1bを含む。それぞれの羽根部1bは、シャフト1aに固定されている。複数の羽根部1bは、シャフト1aに等間隔で配置されている。羽根部1bは、板状に形成されている。羽根部1bは、シャフト1aから外側に向かうように配置されている。
【0034】
本実施の形態における羽根部1bは、面積が最大になる面積最大面が、回転する方向に対してほぼ垂直になるように配置されている。羽根部1bは、面積最大面が、回転軸とほぼ平行になるように配置されている。羽根部1bは、湾曲するように形成されている。羽根部1bは、矢印58に示す羽根車1の回転する向きに対して中央部分が凹むように形成されている。
【0035】
本実施の形態における異物除去装置は、ケーシング2を備える。ケーシング2は、羽根車1を内部に配置することができるように形成されている。異物除去装置は、ケーシング2に接続されている流入流路としての流路5を備える。流路5は、冷却媒体をケーシング2の内部に供給するように形成されている。
【0036】
本実施の形態における異物除去装置は、ケーシングから流体が流れ出す流出流路を備える。流出流路は、異物回収機器としてのフィルタを通らずに、冷却媒体を排出するための排出流路としての流路7を含む。流路7は、ポンプ23に接続されている。本実施の形態における流出流路は、異物を取り除くための異物回収流路6を含む。異物回収流路6は、ケーシング2の底部に接続されている。
【0037】
本実施の形態における異物除去装置は、異物除去ブラシ12を備える。異物除去ブラシ12は、ケーシング2の内面に固定されている。異物除去ブラシ12は、羽根車1に向かって飛び出すように形成されている。異物除去ブラシ12は、ケーシング2の内面のうち、異物回収流路6が接続されている部分の下流側に配置されている。異物除去ブラシ12は、異物回収流路6が接続されている部分の側方に配置されている。異物除去ブラシ12は、羽根車1の羽根部1bと接触するように形成されている。
【0038】
本実施の形態における異物除去装置は、異物分離機器としてのフィルタ11を備える。フィルタ11は、異物回収流路6に配置されている。フィルタ11は、冷却媒体中に存在する異物49を除去することができるように形成されている。
【0039】
図4に、本実施の形態における半導体素子の冷却器の概略平面図を示す。本実施の形態におけるPCUは、インバータ装置を備える。インバータ装置は、半導体素子32を含む。半導体素子32は、たとえば、IGBTである。インバータ装置は、半導体素子32を冷却するための冷却器を含む。
【0040】
本実施の形態における冷却器は、ケース31を備える。ケース31は、隔壁31aを有する。ケース31は、入口管31bを有する。ケース31は、出口管31cを有する。冷却媒体は、矢印60に示すように、入口管31bからケース31の内部に流入して、出口管31cから排出される。
【0041】
ケース31の内部においては、冷却媒体が流れるように隔壁31aにより流路が形成されている。半導体素子32は、それぞれの流路の幅方向のほぼ中央に配置されている。半導体素子32は、冷却媒体が流れる流路に沿って配置されている。本実施の形態においては、4列で半導体素子32が配置されている。
【0042】
図5は、本実施の形態における冷却器の概略断面図である。図5は、図4の半導体素子が配置されている部分で切断したときの概略断面図である。図5は、図4におけるV−V線に関する矢視断面図である。
【0043】
本実施の形態における冷却器は、はんだ33および絶縁部材34を備える。半導体素子32は、はんだ33を介して絶縁部材34に固定されている。冷却器は、ヒートシンク35を含む。ヒートシンク35は、絶縁部材34に固定されている。
【0044】
本実施の形態におけるヒートシンク35は、ベース部35aを含む。ベース部35aは、板状に形成されている。ベース部35aは、絶縁部材34に固定されている。ヒートシンク35は、放熱部35bを含む。放熱部35bは、ベース部35aから立設するように形成されている。放熱部35bは、板状に形成されている。本実施の形態における放熱部35bは、冷却フィンである。
【0045】
ヒートシンク35は、ケース31の内部に配置されている。ヒートシンク35は、放熱部35b同士の間を冷却媒体が流れることにより冷却される。半導体素子32は、ヒートシンク35、絶縁部材34およびはんだ33を介して冷却される。
【0046】
図2および図3を参照して、本実施の形態においては、モータ25が駆動することにより、羽根車1が矢印58に示す向きに回転する。冷却媒体は、流路5を通ってケーシング2の内部に流入する。ケーシング2の内部に流入した冷却媒体は流出流路から排出される。ケーシング2の内部に流入した冷却媒体の一部は、異物回収流路6に流れ込む。冷却媒体の他の部分は流路7から排出される。
【0047】
ケーシング2に流入する冷却媒体には異物49が含まれる。羽根車1が回転することにより、異物49に遠心力が付与される。異物49は、ケーシング2の壁面近傍に集まる。ケーシング2の壁面近傍に集積した異物49は、矢印56に示すように、重力および遠心力により異物回収流路6に落下する。
【0048】
異物回収流路6に配置されているフィルタ11により異物49が除去される。異物49が除去された冷却媒体は、矢印57に示すように、異物回収流路6を通って流路7に合流する。このように、冷却媒体に混入している異物49を除去することができる。
【0049】
本実施の形態においては、ケーシング2の内面に異物除去ブラシ12が配置されている。この構成により、遠心分離や重力などで異物回収流路に導くことができなかった異物49を異物除去ブラシ12によって強制的に掻き出すことができる。すなわち、異物49を異物回収流路6に導くことができる。または、異物除去ブラシ12を異物回収流路6の側方に配置することにより、異物回収流路6からケーシング2に向かって冷却媒体が逆流することを抑制することができる。
【0050】
本実施の形態における異物除去装置は、駆動機器としてのモータで羽根車を回転させるために、異物除去装置における圧力低下を排除することができ、効果的に異物を除去することができる。
【0051】
また、本実施の形態における異物除去装置は、ポンプ23の上流側に配置され、流路7を介してポンプ23に接続されている。異物除去装置41とポンプ23との間には、被冷却機器などは配置されていない。このため、ポンプ23から吐出する冷却媒体に含まれる異物を最少の状態とすることができ、ラジエータやPCUの冷却器において、目詰まりが生じることを効果的に抑制することができる。
【0052】
本実施の形態における異物除去装置は、固体状の異物や粘性を有する異物を除去することができる。本実施の形態における冷却装置は、冷却器の冷却フィン同士の間に異物が詰まったり、異物により冷却流路の流路断面積が小さくなったりすることを抑制でき、高い冷却性能を維持することができる。
【0053】
図6に、本実施の形態におけるヒートシンクの拡大概略断面図を示す。本実施の形態における放熱部35bは板状に形成されている。放熱部35bは、面積が最大となる面積最大面同士が互いにほぼ平行になるように配置されている。放熱部35bは、ピッチdを空けて複数配置されている。
【0054】
近年においては、半導体素子などの被冷却物の冷却効率を向上させるために、放熱部同士のピッチdが小さくなる傾向にある。放熱部同士の間隔が狭くなると、小さな異物であっても放熱部に堰きとめられる。異物が放熱部に引っ掛かることにより、冷却媒体の流路の断面積が小さくなってしまう。このような放熱部同士の間隔が小さな冷却装置に本実施の形態における異物除去装置を配置することにより、異物除去の効果が顕著になる。
【0055】
本実施の形態における流出流路は、異物回収機器を通らずに流体を排出するための排出流路を含む。この構成により、異物除去装置における圧力損失を小さくすることができる。また、たとえば、排出流路の断面積を調整することにより、異物回収流路に流れる冷却媒体の流量を調整することができる。
【0056】
本実施の形態における冷却器の放熱部は、板状に形成されている冷却フィンを含むが、この形態に限られず、放熱部は任意の形状を採用することができる。たとえば、放熱部は、棒状に形成されていても構わない。
【0057】
本実施の形態における羽根車の羽根部は湾曲しているが、この形態に限られず、羽根部は、平板状に形成されていても構わない。
【0058】
本実施の形態においては、ケーシングの内面に異物除去ブラシが配置されているが、この形態に限られず、異物除去ブラシは配置されていなくても構わない。
【0059】
本実施の形態における冷却媒体は液体であるが、この形態に限られず、任意の流体を採用することができる。たとえば、冷却媒体は、気体であっても構わない。
【0060】
本実施の形態における異物分離機器はフィルタを含むが、この形態に限られず、異物回収流路に他の異物分離機器が配置されていても構わない。たとえば、異物回収流路に、異物を沈殿させるための沈殿槽が配置されていても構わない。
【0061】
本実施の形態においては、自動車に搭載される電力変換器の冷却装置を例に取り上げて説明したが、この形態に限られず、任意の冷却装置に本実施の形態における異物除去装置を適用することができる。さらに、本実施の形態においては、冷却装置に異物除去装置が配置されているが、この形態に限られず、任意の流体を用いる装置に本発明の異物除去装置を配置することができる。
【0062】
(実施の形態2)
図7および図8を参照して、実施の形態2における異物除去装置について説明する。本実施の形態における異物除去装置は冷却装置に配置されている。
【0063】
図7に、本実施の形態における冷却装置の概略回路図を示す。本実施の形態における冷却装置は、異物除去装置42を備える。異物除去装置42は、実施の形態1におけるポンプの機能を兼ね備えている。異物除去装置42は、冷却媒体を循環させるためのポンプの機能を有する。異物除去装置42は、流路7を介してラジエータ24に接続されている。
【0064】
図8に、本実施の形態における異物除去装置の概略断面図を示す。異物除去装置が、羽根車1とケーシング2とを備え、ケーシング2の内部に羽根車1が配置されていることは、実施の形態1と同様である。羽根車1が、駆動機器としてのモータにより矢印58に示す向きに回転することも実施の形態1と同様である。
【0065】
本実施の形態におけるケーシング2および羽根車1は、排出流路としての流路7に向かって冷却媒体を排出するように形成されている。たとえば、羽根車1のシャフト1aがケーシング2に対して偏心するように配置されている。
【0066】
シャフト1aに接続されたモータが駆動することにより、羽根車1が矢印58に示す向きに回転する。羽根車1が回転することにより、矢印56に示すように冷却媒体がフィルタ11に向かって流れるとともに、矢印55に示すように冷却媒体が流路7を通ってラジエータ24に排出される。
【0067】
フィルタ11を通った冷却媒体は、矢印57に示すように、異物回収流路6を通って排出される。本実施の形態においては、異物除去装置が冷却媒体を流すためのポンプを兼ねている。本実施の形態においては、冷却装置において冷却媒体を循環するためのポンプを排除することができて、構成を簡略化することができる。
【0068】
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1と同様であるのでここでは説明を繰返さない。
【0069】
上述のそれぞれの図において、同一または相当する部分には、同一の符号を付している。
【0070】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】実施の形態1における冷却装置の概略回路図である。
【図2】実施の形態1における異物除去装置の概略断面図である。
【図3】実施の形態1における異物除去装置の羽根車の概略斜視図である。
【図4】実施の形態1におけるPCUの冷却器の概略平面図である。
【図5】実施の形態1におけるPCUの冷却器の概略断面図である。
【図6】実施の形態1におけるPCUの冷却器のヒートシンクの拡大概略断面図である。
【図7】実施の形態2における冷却装置の概略回路図である。
【図8】実施の形態2における異物除去装置の概略断面図である。
【符号の説明】
【0072】
1 羽根車、1a シャフト、1b 羽根部、2 ケーシング、6 異物回収流路、5,7〜10 流路、12 異物除去ブラシ、11 フィルタ、21 PCU(Power Control Unit)、22 MG(Motor Generator)、23 ポンプ、24 ラジエータ、25 モータ、31 ケース、31a 隔壁、31b 入口管、31c 出口管、32 半導体素子、33 はんだ層、34 絶縁部材、35 ヒートシンク、35a ベース部、35b 放熱部、41,42 異物除去装置、49 異物、51〜58,60 矢印。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
羽根車と、
前記羽根車を回転させる駆動機器と、
前記羽根車を内部に配置するためのケーシングと、
前記ケーシングに接続され、流体が流れ出す流出流路と、
前記流体に混入している異物を分離するための異物分離機器と
を備え、
前記流出流路は、異物を取り除くための異物回収流路を含み、
前記異物回収流路は、前記ケーシングの底部に接続され、
前記異物分離機器は、前記異物回収流路に配置されている、異物除去装置。
【請求項2】
前記羽根車は、回転軸となるシャフトと、
前記シャフトに固定されている複数の羽根部と
を含み、
前記羽根部は、板状に形成され、
前記羽根部は、前記シャフトから外側に向かうように配置され、
前記羽根部は、面積が最大になる面積最大面が回転方向に対してほぼ垂直になるように配置されている、請求項1に記載の異物除去装置。
【請求項3】
前記ケーシングの内面に固定されている異物除去ブラシを備え、
前記異物除去ブラシは、前記羽根車が回転することにより前記羽根部に接触するように配置されている、請求項1または2に記載の異物除去装置。
【請求項4】
前記異物分離機器は、異物を除去するためのフィルタを含む、請求項1から3のいずれかに記載の異物除去装置。
【請求項5】
前記流出流路は、前記異物回収機器を通らずに前記流体を排出するための排出流路を含む、請求項1から4のいずれかに記載の異物除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−261241(P2008−261241A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−102929(P2007−102929)
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)