説明

発光玩具

【課題】低コストで興趣を高めることができる発光玩具を提供する。
【解決手段】観覧車を模した玩具本体2と、発光手段3と、制御手段4とを備えた発光玩具1であって、発光手段3は、発光体31からの光が導光板33の側面から入射して玩具本体2の正面側から出射するよう構成されるとともに、導光板33が、連結部分54の少なくとも1つ、連結部分54とスポーク52との交点で仕切られるスポーク部分52aの少なくとも1つ、及び車輪53とスポーク52との交点で仕切られる車輪部分53aの少なくとも1つに設けられ、発光体31が、連結部分54とスポーク52との第1交点部分P1の少なくとも1つ、車輪53とスポーク52との第2交点部分P2の少なくとも1つ、及びセンター部分51におけるスポーク52の付け根部分P3の少なくとも1つに設けられて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各部に備えた発光手段を発光させることにより、遊戯者を楽しませる発光玩具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−159692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載の発光玩具では、発光態様が単調で興趣性に乏しかった。また、この発光を印象深いものするために発光量を増やそうとすると、多くの発光体やこれらを接続する配線等が必要となり、製造コストが嵩んでしまうという問題があった。
【0004】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、低コストで興趣を高めることができる発光玩具の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
センター部分から放射状に等角度間隔で設けられた複数のスポーク、全ての前記スポークの先端部を連結して構成される環状の車輪、及び隣り合う前記スポーク同士を連結する複数の連結部分を有する観覧車を模した玩具本体と、
発光体及び導光板を有する発光手段と、
所定の発光パターンで発光するよう前記発光手段を制御する制御手段と、
を備えた発光玩具であって、
前記発光手段は、
前記発光体からの光が前記導光板の側面から入射して前記玩具本体の正面側から出射するように、
前記導光板が、前記連結部分の少なくとも1つ、当該連結部分と前記スポークとの交点で仕切られるスポーク部分の少なくとも1つ、及び前記車輪と前記スポークとの交点で仕切られる車輪部分の少なくとも1つに設けられ、
前記発光体が、前記連結部分と前記スポークとの交点部分の少なくとも1つ、前記車輪と前記スポークとの交点部分の少なくとも1つ、及び前記センター部分における前記スポークの付け根部分の少なくとも1つに設けられて構成されることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発光玩具であって、
前記スポークには前記発光体と電気的に接続された配線基板が敷設され、前記制御手段は当該配線基板を含んで構成されることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発光玩具であって、
前記発光体は、互いに発光色の異なる3つの発光ダイオードを含んで構成されることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光玩具であって、
前記所定の発光パターンは、少なくとも1つの前記発光手段毎に、発光色,発光順序,及び発光数のうちの少なくとも1つを変化させるものであることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光玩具であって、
前記制御手段は、所定の日付、時間に応じて前記所定の発光パターンが変化するよう前記発光手段を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、導光板が、連結部分、当該連結部分とスポークとの交点で仕切られるスポーク部分、及び車輪とスポークとの交点で仕切られる車輪部分に設けられ、発光体が、連結部分とスポークとの交点部分、車輪とスポークとの交点部分、及びセンター部分におけるスポークの付け根部分に設けられているので、例えば発光部の全体に発光体を設ける必要もなく、導光板を用いることで各部を発光できるとともに、放射状に設けられたスポーク等を所定の発光パターンで発光させることによりスケール感が創出される。したがって、低コストに構成できるとともに、興趣を高めることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、スポークには発光体と電気的に接続された配線基板が敷設され、制御手段は当該配線基板を含んで構成されるので、配線基板を強度部材としてスポークを構成することができる。したがって、スポークに強度部材を別途設ける必要がなく、より低コストに構成することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、発光体は互いに発光色の異なる3つの発光ダイオードを含んで構成されるので、3色の組合せにより多彩な色の発光が可能となる。したがって、一層興趣を高めることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、前記所定の発光パターンは、少なくとも1つの発光手段毎に、発光色,発光順序,及び発光数のうちの少なくとも1つを変化させるものであるので、多彩な発光パターンを楽しむことができ、一層興趣を高めることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、制御手段は、所定の日付、時間に応じて所定の発光パターンが変化するよう前記発光手段を制御するので、例えば、特定の記念日には特定の発光パターンで発光させるなどして、一層興趣を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
【0016】
本発明に係る発光玩具1は、図1に示すように、観覧車を模した玩具本体2と、後述の発光体31を有して発光する発光手段3(図2参照)と、発光手段3を制御する制御手段4(図5参照)とを備えている。
【0017】
まず、玩具本体2について説明する。
玩具本体2は、回転体5と、回転体5を支持する支柱6と、支柱6を介して回転体5を立設する基台7とを備えている。このうち、回転体5は、センター部分51と、スポーク52と、車輪53と、連結部分54と、ゴンドラ部55とを備えている。また、回転体5では、スポーク52、車輪53、及び連結部分54からなる部分の正面側が半透明のカバー8で、背面側が不透明のケース9でそれぞれ覆われている(図4参照)。
【0018】
センター部分51は、円板状に形成され、支柱6に固定されて回転体5を支持するものである。また、センター部分51は、後述する中央制御基板41(図5参照)を内部に備えている。
【0019】
スポーク52は、均等な長さの棒状に形成され、センター部分51の周側部から放射状に等角度間隔で複数設けられている。また、このスポーク52には、後述するように発光手段3やスポーク制御基板42が配置されている。
【0020】
車輪53は、全てのスポーク52の略先端部を周方向に連結してなる正面視略円形の環状に形成されたものである。この車輪53は、スポーク52との交点で当該スポーク52と固定されており、この交点が先端部にあるスポーク52と、先端部より少し半径方向内側にあるスポーク52とが交互に並ぶように形成されている。車輪53とスポーク52との交点で仕切られる車輪部分53aは、それぞれ棒状に形成されている。また、この車輪53には、後述するように発光手段3が配置されている。
【0021】
連結部分54は、車輪53よりも半径方向内側において、隣り合うスポーク52同士を同じ半径位置で連結する第1連結部分54aと、当該第1連結部分54aよりも半径方向内側において、隣り合うスポーク52同士を同じ半径位置で連結する第2連結部分54bと、当該第2連結部分54bよりも半径方向内側において、隣り合うスポーク52同士を同じ半径位置で連結する第3連結部分54cとから構成されている。また、この連結部分54には、後述するように発光手段3が配置されている。
【0022】
ゴンドラ部55は、略円板上に形成され、各スポーク52の先端部に設けられた、乗客用の籠を模した部分である。このゴンドラ部55は、スポーク52先端に固定され回転体5正面に垂直な方向(図示垂直方向)へ延在する回動軸に対し、当該ゴンドラ部55上部の外周面において回動可能に連結されている。
【0023】
続いて、発光手段3について説明する。
発光手段3は、図2に示すように、発光体31及び伝播部32を備え、この伝播部32は、導光板33と、反射シート34と、拡散シート35とから構成されている。この発光手段3は、導光板33の長手方向へ光Lが伝播するように、導光板33の一方の側面へ発光面を向けて当該側面側に発光体31が設けられるとともに、導光板33の表面(図示上方の面)に拡散シート35、裏面に反射シート34がそれぞれ貼付されて構成されている。また、発光体31は、赤緑青の3色をそれぞれ発光する3つの発光ダイオード31aを含んで構成されている。但し、この3つの発光ダイオード31aは、互いに発光色の異なるものであればよい。
【0024】
この発光手段3では、発光体31から出射した光Lが導光板33の側面から伝播部32に入射して、表面反射を繰り返して導光板33の広い面積に広がる。そして、この光Lは、反射シート34の反射ドット(図示せず)に当たると、そこで散乱され、導光板33の表面側から拡散シート35を通じて外部に出て行く。こうして、発光手段3は、拡散シート35を貼付した面が発光するようになっている。
【0025】
また、発光手段3は、図3及び図4に示すように、スポーク52、車輪部分53a、及び第1〜第3連結部分54a〜54cに多数配置されている。ここで、図3は、発光手段3の回転体5への配置状態を示す模式図であり、図4は、図3におけるA−A部の断面図である。
【0026】
具体的には、発光手段3は以下のように配置される。
発光手段3のうち、導光板33を含む伝播部32は、第1〜第3連結部分54a〜54c、当該第1〜第3連結部分54a〜54cとスポーク52との各交点で仕切られるスポーク部分52a、及び車輪部分53aにそれぞれ配置される。このとき、玩具本体2の正面側から光Lが出射するよう、拡散シート35を貼付した面が当該正面側に向けられる。また、このように配置される各伝播部32は、後述する第1,第2交点部分P1,P2及び付け根部分P3に配置される各発光体31の発光面に対し、光Lが入射される一方の側面を向けて配置される。
【0027】
発光手段3のうち、残る発光体31は、第1〜第3連結部分54a〜54cとスポーク52との第1交点部分P1、車輪53とスポーク52との第2交点部分P2、及びセンター部分51におけるスポーク52の付け根部分P3にそれぞれ配置される。
具体的には、第1,第2交点部分P1,P2には、第1〜第3連結部分54a〜54c及び車輪部分53aに配置される伝播部32に対し正面視時計回りに光Lが伝播するよう、正面視時計回り方向に発光面を向けた発光体31が配置される。これに加え、第1交点部分P1のうちの第2連結部分54bとスポーク52との交点部分には、4つのスポーク部分52aのうち半径方向内側から2番目及び3番目の各スポーク部分52aに配置される伝播部32に対し、それぞれ半径方向内側向き及び外側向きに光Lが伝播するよう、半径方向内側向き及び外側向きに発光面を向けた2個の発光体31が配置される。更に、第1交点部分P1のうちの第1連結部分54aとスポーク52との交点部分、及び付け根部分P3には、4つのスポーク部分52aのうち半径方向内側から1番目及び4番目の各スポーク部分52aに配置される伝播部32に対し、いずれも半径方向外側向きに光Lが伝播するよう、半径方向外側向きに発光面を向けた発光体31が配置される。
【0028】
続いて、制御手段4について、図5を参照して説明する。
制御手段4は、中央制御基板41及びスポーク制御基板42を備え、所定の発光パターンで発光するよう発光手段3の発光体31を制御する。また、制御手段4は、センター部分51に設けられた電源(図示せず)から電力供給されるとともに、当該電力を発光体31に供給する。
【0029】
中央制御基板41は、センター部分51に設けられ、スポーク制御基板42と接続されて、当該スポーク制御基板42を介して発光体31を所定の発光パターンで発光するよう制御する。この発光パターンは、特に限定はされないが、少なくとも1つの発光手段3毎に、発光色,発光順序,及び発光数のうちの少なくとも1つを変化させるものである。
【0030】
また、中央制御基板41は、複数の発光パターンを記憶する記憶手段411を備えており、所定の日付、時間に応じて発光パターンが変化するよう発光体31を制御することが可能になっている。
【0031】
スポーク制御基板42は、スポーク52の全長に亘って延在するよう敷設され、第1,第2交点部分P1,P2及び付け根部分P3において発光体31が実装され電気的に接続されている(図3参照)。そして、スポーク制御基板42は、中央制御基板41からの制御内容に応じて発光体31を発光制御する。
【0032】
以上のように構成された発光玩具1によれば、制御手段4が第1,第2交点部分P1,P2、及び付け根部分P3に設けた発光体31を制御することで、連結部分54、スポーク部分52a、及び車輪部分53aに設けた伝播部32の玩具本体2正面側が所定の発光パターンで発光する。これにより、例えば発光部の全体に発光体31を設ける必要もなく、導光板33を用いることで各部を発光できるとともに、放射状に設けられたスポーク52等を所定の発光パターンで発光させることによりスケール感が創出される。したがって、低コストに構成できるとともに、興趣を高めることができる。
【0033】
また、スポーク52には発光体31と電気的に接続されたスポーク制御基板42が敷設されているので、このスポーク制御基板42を強度部材としてスポーク52を構成することができる。したがって、スポーク52に強度部材を別途設ける必要がなく、より低コストに構成することができる。
【0034】
また、発光体31は赤緑青の3色をそれぞれ発光する3つの発光ダイオード31aを含んで構成されるので、3色の組合せにより多彩な色の発光が可能となる。したがって、一層興趣を高めることができる。
【0035】
また、発光手段3による発光パターンは、少なくとも1つの発光手段3毎に、発光色,発光順序,及び発光数のうちの少なくとも1つを変化させるものであるので、多彩な発光パターンを楽しむことができ、一層興趣を高めることができる。
【0036】
また、制御手段4は、所定の日付、時間に応じて所定の発光パターンが変化するよう発光手段3を制御するので、例えば、特定の記念日には特定の発光パターンで発光させるなどして、一層興趣を高めることができる。
【0037】
なお、上記実施の形態においては、導光板33を含む伝播部32は、第1〜第3連結部分54a〜54c、スポーク部分52a、及び車輪部分53aの全てに設けられる必要はなく、第1〜第3連結部分54a〜54cの少なくとも1つ、スポーク部分52aの少なくとも1つ、及び車輪部分53aの少なくとも1つに設けられていればよい。
【0038】
また、発光体31は、第1,第2交点部分P1,P2、及び付け根部分P3の全てに設けられる必要はなく、第1交点部分P1の少なくとも1つ、第2交点部分P2の少なくとも1つ、及び付け根部分P3の少なくとも1つに設けられていればよい。
【0039】
また、制御手段4及び発光体31への電力供給は、センター部分51に設けた電源からに限定されず、例えば外部のコンセントからとしてもよい。
【0040】
また、回転体5は、回転可能な構成としていないが、回転可能に構成してもよい。
【0041】
また、上記以外の点についても、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、適宜変更可能であるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】発光玩具の正面図である。
【図2】発光手段の光伝播方向における断面図である。
【図3】発光手段の回転体への配置状態を示す模式図である。
【図4】図3におけるA−A部の断面図である。
【図5】制御手段による発光制御を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0043】
1 発光玩具
2 玩具本体
3 発光手段
4 制御手段
31 発光体
31a 発光ダイオード
33 導光板
42 スポーク制御基板(配線基板)
51 センター部分
52 スポーク
52a スポーク部分
53 車輪
53a 車輪部分
54 連結部分
L 光
P1 第1交点部分
P2 第2交点部分
P3 付け根部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センター部分から放射状に等角度間隔で設けられた複数のスポーク、全ての前記スポークの先端部を連結して構成される環状の車輪、及び隣り合う前記スポーク同士を連結する複数の連結部分を有する観覧車を模した玩具本体と、
発光体及び導光板を有する発光手段と、
所定の発光パターンで発光するよう前記発光手段を制御する制御手段と、
を備えた発光玩具であって、
前記発光手段は、
前記発光体からの光が前記導光板の側面から入射して前記玩具本体の正面側から出射するように、
前記導光板が、前記連結部分の少なくとも1つ、当該連結部分と前記スポークとの交点で仕切られるスポーク部分の少なくとも1つ、及び前記車輪と前記スポークとの交点で仕切られる車輪部分の少なくとも1つに設けられ、
前記発光体が、前記連結部分と前記スポークとの交点部分の少なくとも1つ、前記車輪と前記スポークとの交点部分の少なくとも1つ、及び前記センター部分における前記スポークの付け根部分の少なくとも1つに設けられて構成されることを特徴とする発光玩具。
【請求項2】
前記スポークには前記発光体と電気的に接続された配線基板が敷設され、前記制御手段は当該配線基板を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の発光玩具。
【請求項3】
前記発光体は、互いに発光色の異なる3つの発光ダイオードを含んで構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光玩具。
【請求項4】
前記所定の発光パターンは、少なくとも1つの前記発光手段毎に、発光色,発光順序,及び発光数のうちの少なくとも1つを変化させるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光玩具。
【請求項5】
前記制御手段は、所定の日付、時間に応じて前記所定の発光パターンが変化するよう前記発光手段を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−268840(P2009−268840A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−124211(P2008−124211)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【Fターム(参考)】