説明

発光装置および、これを用いた照明装置

【課題】複数の固体発光素子群による混色光の色再現性を向上させることができる発光装置および、これを用いた照明装置を提供する。
【解決手段】複数の固体発光素子群Lの点灯制御を行う点灯制御部2と加算部4と分割部5とを備え、点灯制御部2は、固体発光素子群L毎に設けられ、点灯制御部2の各々は、固体発光素子群L毎に電流Iを供給する駆動回路21と、駆動回路21が固体発光素子群Lに供給する電流Iのピーク値Ipを検出するピーク電流検出部25と、駆動回路21をフィードバック制御する制御回路22とで構成され、加算部4は、ピーク電流検出部25の検出結果を加算して合計検出電圧VIptを生成し、分割部は、合計検出電圧VIptを分割することで点灯制御部2毎に平均検出電圧VIpaを生成し、制御回路21は、平均検出電圧VIpaが、基準電圧Vrefに一致するようにフィードバック制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置および、これを用いた照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、互いに異なる色度(赤色,緑色,青色)の光を照射する3つの固体発光素子群の点灯制御を行う点灯制御部を固体発光素子群毎に備えた発光装置がある(例えば、特許文献1参照)。この発光装置は、3つの固体発光素子群の出力を個別に制御し、その出力比を制御することで各個体発光素子群による混色光の色度を可変させている。また、混色光の照度(出力)および光の色度を同時に可変し、快適な照明光を得ることができる発光装置もある。
【0003】
従来の発光装置において、点灯制御部は、固体発光素子群に電流を供給する駆動回路と、この駆動回路を制御する制御回路とを備えている。そして、各個体発光素子群による混色光を所望の色度にするために、各個体発光素子群の出力比が目標出力比と一致するように制御する必要がある。そのために、点灯制御部の各々は、固体発光素子群に供給する電流が各々に設定された目標値となるようにフィードバック制御を行っている。それによって、各個体発光素子群の出力比が目標出力比と一致し、混色光が所望の色度となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−176984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、各個体発光素子群による混色光を所望の色度にするためには、固体発光素子群の出力比を目標出力比に一致させる必要がある。しかし、駆動回路や制御回路に用いる部品の個体差等によって、固体発光素子群に供給される電流が目標値からずれるおそれがある。それによって、固体発光素子群の出力が変動し、各個体発光素子群の出力比が目標出力比からずれてしまう。例えば、固体発光素子に供給される電流が目標値に対して、赤色が増加方向,緑色が減少方向,青色が増加方向にずれが発生した場合、各個体発光素子群の出力比が目標出力比に対して大きくずれてしまう。それによって、混色光の色度が所望の色度に対して大きくずれ、混色光の色再現性が低下する。
【0006】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の固体発光素子群による混色光の色再現性を向上させることができる発光装置および、これを用いた照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発光装置は、互いに異なる色度の光を照射する複数の固体発光素子群の点灯制御を行う点灯制御部と、加算部と、分割部とを備え、前記点灯制御部は、複数の前記固体発光素子群毎に設けられ、複数の前記点灯制御部の各々は、前記固体発光素子群毎に電力を供給する駆動回路と、前記駆動回路の各々が前記固体発光素子群に供給する電力を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記駆動回路をフィードバック制御する制御回路とで構成され、前記加算部は、複数の前記検出部の検出結果を加算することで合計検出結果を生成し、前記分割部は、前記合計検出結果を所定の比率で分割することで前記点灯制御部毎に分割検出結果を生成し、当該分割検出結果を前記点灯制御部の各々に出力し、前記制御回路は、自己に出力された前記分割検出結果が、自己に設定された基準電圧に一致するようにフィードバック制御することを特徴とする。
【0008】
この発光装置において、前記固体発光素子群の各々の目標出力比を設定する色比率設定部を備え、前記駆動回路は、前記目標出力比に基づいてオン期間が各々設定された間欠電流を前記固体発光素子群に供給しており、前記検出部は、前記オン期間において前記駆動回路から前記固体発光素子群に供給される電流の振幅値を検出しており、前記加算部は、前記オン期間において前記固体発光素子群の各々に流れる電流の振幅値の加算することで前記合計検出結果を生成し、前記分割部は、前記合計検出結果を前記点灯制御部の個数で等分することで前記分割検出結果を生成し、当該分割検出結果を前記点灯制御部の各々に出力することが好ましい。
【0009】
この発光装置において、前記固体発光素子群の各々の目標出力比を設定する色比率設定部を備え、前記分割部は、前記合計検出結果を前記目標出力比に基づいて分割することで前記点灯制御部毎に前記分割検出結果を生成し、当該分割検出結果を前記点灯制御部の各々に出力することが好ましい。
【0010】
本発明の照明装置は、互いに異なる色度の光を照射する複数の固体発光素子群の点灯制御を行う点灯制御部と、加算部と、分割部とを備え、前記点灯制御部は、複数の前記固体発光素子群毎に設けられ、複数の前記点灯制御部の各々は、前記固体発光素子群毎に電力を供給する駆動回路と、前記駆動回路の各々が前記固体発光素子群に供給する電力を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記駆動回路をフィードバック制御する制御回路とで構成され、前記加算部は、複数の前記検出部の検出結果を加算することで合計検出結果を生成し、前記分割部は、前記合計検出結果を所定の比率で分割することで前記点灯制御部毎に分割検出結果を生成し、当該分割検出結果を前記点灯制御部の各々に出力し、前記制御回路は、自己に出力された前記分割検出結果が、自己に設定された基準電圧に一致するようにフィードバック制御する発光装置と、前記発光装置によって点灯される複数の固体発光素子群と、前記発光装置を収納し、前記複数の固体発光素子群が取り付けられる器具本体とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明では、複数の固体発光素子群による混色光の色再現性を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態1の発光装置のブロック構成図である。
【図2】(a)〜(c)電流の波形図である。
【図3】実施形態2の発光装置のブロック構成図である。
【図4】(a)〜(c)制御信号の波形図である。
【図5】(a)実施形態3の照明装置の外観図である。(b)実施形態6の照明装置の下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
(実施形態1)
本発明の実施形態1の発光装置1のブロック構成図を図1に示す。
【0015】
本実施形態の発光装置1は、赤色の光を照射する固体発光素子群Lrと、緑色の光を照射する固体発光素子群Lgと、青色の光を照射する固体発光素子群Lbとを目標出力比で点灯させ、その混色光を照射するものである。固体発光素子群Lr,Lg,Lbは、赤色,緑色,青色の光を照射する固体発光素子(発光ダイオード)が3個直列接続されることで構成されている。なお、固体発光素子群Lr,Lg,Lbを個別に識別しない場合は、固体発光素子群Lと称す。なお、本実施形態の固体発光素子群Lは、3個の固体発光素子が直列接続されることで構成されているが、異なる個数の固体発光素子が直並列接続されることで構成されていてもよい。
【0016】
本実施形態の発光装置1は、固体発光素子群Lr,Lg,Lbの点灯制御を行う点灯制御部2r,2g,2bと、固体発光素子群Lr,Lg,Lbの目標出力比を設定する色比率設定部3と、加算部4と、分割部5と、出力制御部6とで構成されている。そして、本実施形態の発光装置1は、点灯制御部2r,2g,2bが固体発光素子群Lr,Lg,Lbに間欠電流を供給し、そのオン期間を制御することで固体発光素子群Lr,Lg,Lbの出力を制御するバースト調光を行う。そして、点灯制御部2r,2g,2bは、固体発光素子群Lr,Lg,Lbの出力比が目標出力比となるように制御する。なお、点灯制御部2r,2g,2bは同一構成である。以下、点灯制御部2rに関連する構成には符号の末尾に「r(R)」を付し、点灯制御部2gに関連する構成には符号の末尾に「g(G)」を付し、点灯制御部2bに関連する構成には符号の末尾に「b(B)」を付し、個別に識別しない場合は末尾のアルファベットを省略する。
【0017】
本実施形態の色比率設定部3は、マイクロコンピュータ31(以下、マイコン31と略称する)で構成されており、マイコン31には各固体発光素子群Lの目標出力比が設定されている。そして、マイコン31は、この目標出力比に基づいて各点灯制御部2が固体発光素子群Lに供給する電流Iのオン期間を決定し各点灯制御部2に指示する。そして、各点灯制御部2は、電流Iのオン期間がマイコン31によって指示された値となるように制御した電流Iを個体発光素子群Lに供給する。
【0018】
次に、点灯制御部2の具体的な構成および制御について説明する。点灯制御部2は、駆動回路21と、制御回路22と、誤差増幅器23と、電流検出部24と、ピーク電流検出部25とで構成されている。
【0019】
駆動回路21は、固体発光素子群Lに電流Iを供給することで、固体発光素子群Lを点灯させる。
【0020】
制御回路22は、駆動回路21を制御することで電流Iを制御する。図2(a)〜(c)に示すように、電流Ir,Ig,Ibはオン期間とオフ期間とを繰り返す間欠電流で構成されている。制御回路22r,22g,22bは、マイコン31からの指示に基づいて、期間T1におけるオン期間Ton1r,Ton1g,Ton1bを制御する。
【0021】
電流検出部24は、駆動回路21から固体発光素子群Lに供給される電流Iを検出し、検出結果をピーク電流検出部25に出力する。
【0022】
ピーク電流検出部25は、電流検出部24の検出結果からオン期間Ton1における電流Iの振幅値(以降、ピーク値Ipと称す)を取得し、このピーク値Ipに応じた検出電圧VIpを生成して加算部4に出力する。なお、電流検出部24とピーク電流検出部25とが、本願発明の検出部に相当する。
【0023】
加算部4は、各ピーク電流検出部25r,25g,25bから出力される検出電圧VIpr,VIpg,VIpbを加算した合計検出電圧VIpt(=VIpr+VIpg+VIpb)を生成して分割部5に出力する。
【0024】
本実施形態の分割部5は、分圧器51で構成されており、加算部4から出力される合計検出電圧VIptを点灯制御部2の数(本実施形態では3)で等分する。すなわち、分圧器51は、各検出電圧VIpの平均値である平均検出電圧VIpa(-=(VIpr+VIpg+VIpb)/3)を生成する。そして、分圧器51は、生成した平均検出電圧VIpaを、各誤差増幅器23に出力する。なお、平均検出電圧VIpaが、本願発明の分割検出結果に相当する。
【0025】
各誤差増幅器23の入力端子は、分圧器51と出力制御部6とが接続されており、分圧器51から出力される平均検出電圧VIpaと、出力制御部6から出力される基準電圧Vrefとが印加される。なお、この基準電圧Vrefは、各電流Iのピーク値Ipの目標値に相当する。そして、各誤差増幅器23は、平均検出電圧VIpaと基準電圧Vrefとを比較し、比較結果を制御回路22に出力する。
【0026】
各制御回路22は、上述したようにマイコン31からの指示に基づいて電流Iのオン期間Ton1を制御すると共に、誤差増幅器23の出力に基づいて電流Iのピーク値Ipのフィードバック制御を行う。
【0027】
マイコン31の指示通りに各電流Iのオン期間Ton1を制御したとしても、各電流Iのピーク値Ipに相対バラツキが発生した場合、各固体発光素子群Lの出力比が目標出力比に対してずれてしまう。それによって、各固体発光素子群Lによる混色光が所望の色度と異なってしまう。
【0028】
しかし、本実施形態では、各電流Iのピーク値Ipの平均値(平均検出電圧VIpa)を検出結果として、各点灯制御部2r,2g,2bが電流Ir,Ig,Ibのピーク値Ipr,Ipg,Ipbのフィードバック制御を行う。すなわち、各電流Iのピーク値Ipの平均値が基準電圧Vrefとなるように制御されるので、各電流Iのピーク値Ipの相対バラツキが低減する。それによって、目標出力比に対する各個体発光素子群Lの出力比のずれが低減され、各固体発光素子群Lによる混色光の色再現性が向上する。
【0029】
さらに、平均検出電圧VIpaを検出結果として、各電流Iのピーク値Ipのフィードバック制御を行うことで、基準電圧Vrefに対する各電流Iのピーク値Ipのバラツキが均一化される。
【0030】
また、本実施形態では、出力制御部6が出力する基準電圧Vrefを変動すれば、フィードバック制御によって各電流Iのピーク値Ipが変動する。すなわち、基準電圧Vrefを変動させるのみで、各個体発光素子群Lによる混色光の色度を維持した状態で、出力を変動させることができるので、混色光の出力調整が容易となる。
【0031】
なお、本実施形態では、点灯制御部2毎に誤差増幅器23を設けているが、誤差増幅器23を1つにし、平均検出電圧VIpaと基準電圧Vrefとの比較結果を、制御回路22r,22g,22bに出力するように構成してもよい。それによって、誤差増幅器23の数を減らすことができ、構成を簡略化することができる。
【0032】
また、本実施形態では各電流Ir,Ig,Ibのピーク値Ipr,Ipg,Ipbが一定となるように制御しているが、互いに異なるように制御してもよい。この場合、誤差増幅器23と分圧器51との間に分圧回路または増幅回路を設け、平均検出電圧VIpaを所定の比率で変動させて誤差増幅器23に入力する。それによって、各電流Ir,Ig,Ibのピーク値Ipr,Ipg,Ipbが互いに異なるように制御することができる。
【0033】
また、本実施形態では、赤色を照射する固体発光素子群Lr,緑色を照射する固体発光素子群Lg,青色を照射する固体発光素子群Lbによる混色光を照射するように構成しているが、他の色を照射する固体発光素子群Lを用いてもよい。例えば、青色の代わりに高色温度の白色を照射する固体発光素子群Lを用いてもよい。また、三色の固体発光素子群Lによる混色光に限定するものではなく、異なる色数による混色光を照射するように構成してもよい。
【0034】
(実施形態2)
本実施形態の発光装置1のブロック構成図を図3に示す。なお、実施形態1と同様の構成には、同一符号を付して説明は省略する。
【0035】
本実施形態の発光装置1は、点灯制御部2r,2g,2bが固体発光素子群Lr,Lg,Lbに直流電流(定常電流)を供給し、その振幅を制御することで固体発光素子群Lr,Lg,Lbの出力を制御する振幅調光を行う。そして、点灯制御部2r,2g,2bは、固体発光素子群Lr,Lg,Lbの出力比が目標出力比となるように制御する。
【0036】
本実施形態の色比率設定部3は、マイコン31と、基準電圧生成部32r,32g,32bとで構成されている。
【0037】
基準電圧生成部32は、出力制御部6から出力される制御電圧V1を電源としており、マイコン31から出力される制御信号S1r,S1g,S1bに基づいて基準電圧VrefR,VrefG,VrefBを生成する。
【0038】
図4(a)〜(c)に示すように、制御信号S1r,S1g,S1bはPWM信号で構成されており、マイコン31は、目標出力比に基づいて制御信号S1r,S1g,S1bのオン期間Ton2r,Ton2g,Ton2bを決定している。具体的には、マイコン31は、期間T2が各個体発光素子群Lの合計出力に相当し、オン期間Ton2r,Ton2g,Ton2bの比が、固体発光素子群Lr,Lg,Lbの目標出力比となるようにオン期間Ton2r,Ton2g,Ton2bを決定している。したがって、Ton2r+Ton2g+Ton2b=T2となる。
【0039】
そして、基準電圧生成部32は、制御信号S1を用いて制御電圧V1を平滑(分圧)した基準電圧Vref(=V1×Ton2/T2)を生成する。そして、基準電圧生成部32r,32g,32bは、生成した基準電圧VrefR,VrefG,VrefBを誤差増幅器23r,23g,23bに出力する。すなわち、制御電圧V1が各個体発光素子群Lの合計出力に相当し、この制御電圧V1を目標出力比で分割することで基準電圧VrefR,VrefG,VrefBを生成している。したがって、基準電圧VrefR,VrefG,VrefBの比が、固体発光素子群Lr,Lg,Lbの目標出力比に一致する。なお、この基準電圧VrefR,VrefG,VrefBが、固体発光素子群Lr,Lg,Lbに供給される電流Ir,Ig,Ibの振幅の目標値となる。
【0040】
また、本実施形態の分割部5は、平滑部52r,52g,52bで構成されており、各々が加算部4の出力端子に接続されている。加算部4の入力端子は、各電流検出部24が接続されており、電流検出部24r,24g,24bが検出した検出電圧VI1r,VI1g,VI1bが入力される。この検出電圧VI1r,VI1g,VI1bは、電流Ir,Ig,Ibの振幅値に相当する。なお、電流検出部24が本願発明の検出部に相当する。そして、加算部4は、検出電圧VI1r,VI1g,VI1bを加算した合計検出電圧VItを生成して、平滑部52r,52g,52bに出力する。
【0041】
各平滑部52は、フォロア521と抵抗R1,R2とコンデンサC1とスイッチング素子Q1とで構成されている。フォロア521と抵抗R1,R2とスイッチング素子Q1とが直列接続され、抵抗R2とスイッチング素子Q1とからなる直列回路と並列にコンデンサC1が接続されている。フォロア521の入力端子は、加算部4に接続されており、合計検出電圧VItが印加される。また、スイッチング素子Q1は、nチャネルMOSFETで構成され、抵抗R2とグランドとの間に介挿されている。スイッチング素子Q1のゲートは、マイコン31に接続されており、制御信号S1に基づいてオン・オフすることで、抵抗R2とグランドとの間を導通・遮断する。それによって、コンデンサC1の両端間に、制御信号S1の期間T2に対するオン期間Ton2に応じて合計検出電圧VItを平滑(分圧)した検出電圧VI2(=VIt×Ton2/T2)が生成される。
【0042】
また、マイコン31からスイッチング素子Q1に出力される制御信号S1は、上述したマイコン31から基準電圧生成部32に出力される制御信号S1と同一である。すなわち、平滑部52r,52g,52bは、制御信号S1r,S1g,S1bを用いて合計検出電圧VItを目標出力比で分割することで点灯制御部2r,2g,2b毎に検出電圧VI2r,VI2g,VI2bを生成している。したがって、検出電圧VI2r,VI2g,VI2bの比は、固体発光素子群Lr,Lg,Lbの目標出力比に一致する。そして、平滑部52r,52g,52bは、生成した検出電圧VI2r,VI2g,VI2bを誤差増幅器23r,23g,23bに出力する。なお、検出電圧VI2r,VI2g,VI2bが本願発明の分割検出結果に相当する。
【0043】
各誤差増幅器23は、上述した基準電圧VrefR,VrefG,VrefBと、検出電圧VI2r,VI2g,VI2bとの差分を制御回路22に出力する。
【0044】
各制御回路22は、検出電圧VI2r,VI2g,VI2bが基準電圧VrefR,VrefG,VrefBと一致するように、電流Ir,Ig,Ibの振幅値のフィードバック制御を行う。
【0045】
このように、本実施形態では、各個体発光素子群Lの出力の合計(合計検出電圧VIt)を目標出力比で分割した検出電圧VI2r,VI2g,VI2bを検出結果としてフィードバック制御している。合計検出電圧VItには、目標値(基準電圧VrefR,VrefG,VrefB)に対する各検出電圧VI1r,VI1g,VI1bの誤差が含まれており、合計検出電圧VItを分割することによって誤差も分割される。すなわち、検出電圧VI2r,VI2g,VI2bは、目標値(基準電圧VrefR,VrefG,VrefB)に対する検出電圧VI1r,VI1g,VI1bの誤差を平均化した値が含まれている。そして、この検出電圧VI2r,VI2g,VI2bが基準電圧VrefR,VrefG,VrefBに一致するようにフィードバック制御を行うことで、各基準電圧VrefR,VrefG,VrefBの比に対する検出電圧VI1r,VI1g,VI1bの比のバラツキが低減される。それによって、各個体発光素子群Lによる混色光の色再現性を向上させることができる。
【0046】
さらに、検出電圧VI2r,VI2g,VI2bを用いてフィードバック制御することで、基準電圧VrefR,VrefG,VrefBに対する検出電圧VI1r,VI1g,VI1bのバラツキを均一化することができる。
【0047】
また、本実施形態では、出力制御部6が出力する制御電圧V1を変動させるのみで、基準電圧VrefR,VrefG,VrefBの値が比率(目標出力比)を維持した状態で変動する。すなわち、制御電圧V1を変動させるのみで、各個体発光素子群Lによる混色光の色度を維持した状態で、出力のみを変動させることができるので、混色光の出力調整が容易となる。
【0048】
なお、本実施形態では、図4(a)〜(c)に示すように、固体発光素子Lrの出力が一番大きく、固体発光素子Lbの出力が一番小さくなるように制御(Ton2r>Ton2g>Ton2b)しているが、これに限定するものではない。例えば、図4(a)〜(c)において破線で示すように、固体発光素子Lbの出力が一番大きく、固体発光素子Lrの出力が一番小さくなるように制御(Ton2b>Ton2g>Ton2r)してもよい。
【0049】
(実施形態3)
本実施形態の照明装置10の外観図を図5(a)(b)に示す。
【0050】
本実施形態の照明装置10は、ダウンライトで構成されており、筒状の器具本体11の内部に実施形態1または2の発光装置1を収納している。また、図5(b)に示すように、器具本体11の内部に設けられた実装基板12に、複数の固体発光素子が実装されることで、固体発光素子群Lr,Lg,Lbを構成しており、固体発光素子群Lr,Lg,Lbは発光装置1によって点灯制御される。また、器具本体11の開口を覆うように透光パネル13が設けられ、固体発光素子群Lr,Lg,Lbによる混色光を、透光パネル13を介して外部に照射する。
【0051】
本実施形態の照明装置10は、実施形態1または2の発光装置1を備えているので、実施形態1または2と同様の効果を得ることができ、固体発光素子群Lr,Lg,Lbによる混色光の色再現性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0052】
1 発光装置
2 点灯制御部
3 色比率設定部
4 加算部
5 分割部
6 出力制御部
21 駆動回路
22 制御回路
23 誤差増幅器
24 電流検出部
25 ピーク電流検出部
51 分圧器
L 固体発光素子群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる色度の光を照射する複数の固体発光素子群の点灯制御を行う点灯制御部と、加算部と、分割部とを備え、
前記点灯制御部は、複数の前記固体発光素子群毎に設けられ、
複数の前記点灯制御部の各々は、
前記固体発光素子群毎に電力を供給する駆動回路と、
前記駆動回路の各々が前記固体発光素子群に供給する電力を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて前記駆動回路をフィードバック制御する制御回路とで構成され、
前記加算部は、複数の前記検出部の検出結果を加算することで合計検出結果を生成し、
前記分割部は、前記合計検出結果を所定の比率で分割することで前記点灯制御部毎に分割検出結果を生成し、当該分割検出結果を前記点灯制御部の各々に出力し、
前記制御回路は、自己に出力された前記分割検出結果が、自己に設定された基準電圧に一致するようにフィードバック制御することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記固体発光素子群の各々の目標出力比を設定する色比率設定部を備え、
前記駆動回路は、前記目標出力比に基づいてオン期間が各々設定された間欠電流を前記固体発光素子群に供給しており、
前記検出部は、前記オン期間において前記駆動回路から前記固体発光素子群に供給される電流の振幅値を検出しており、
前記加算部は、前記オン期間において前記固体発光素子群の各々に流れる電流の振幅値の加算することで前記合計検出結果を生成し、
前記分割部は、前記合計検出結果を前記点灯制御部の個数で等分することで前記分割検出結果を生成し、当該分割検出結果を前記点灯制御部の各々に出力することを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記固体発光素子群の各々の目標出力比を設定する色比率設定部を備え、
前記分割部は、前記合計検出結果を前記目標出力比に基づいて分割することで前記点灯制御部毎に前記分割検出結果を生成し、当該分割検出結果を前記点灯制御部の各々に出力することを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の発光装置と、
前記発光装置によって点灯される複数の固体発光素子群と、
前記発光装置を収納し、前記複数の固体発光素子群が取り付けられる器具本体とを備えることを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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