説明

発光装置および灯具

【課題】光出力や波長の温度変化を補償し、温度変化に対して安定な特性を示す発光装置を提供する。
【解決手段】並列に接続された第1の半導体発光素子と第2の半導体発光素子とを備え、前記第1の半導体発光素子は、前記第2の半導体発光素子よりも高い発光効率を有し、前記第1の半導体発光素子の直列抵抗の温度係数は負であり、前記第1の半導体発光素子の前記直列抵抗の前記温度係数の絶対値は、前記第2の半導体発光素子の直列抵抗の温度係数の絶対値よりも大きいことを特徴とする発光装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置および灯具に関し、特に、構成要素である発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の半導体発光素子の温度特性を補償するマルチチップタイプの発光装置、およびこれを搭載した灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体発光素子の代表例として、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)がある。LEDチップ(LED die)は、p型クラッド層とn型クラッド層に挟まれ、この両クラッド層より小さなバンドギャップを有する発光層(活性層)を有する。この三層構造を基本構造とし、クラッド層の上下に電極を設けてこのLEDチップの基本層構造に順方向電流を流すことで活性層が発光する。LEDチップは、そのままでは実用上使用しにくいため、パッケージ(外囲器)に実装して通電させる。LEDパッケージには、砲弾型やSMD(Surface Mount Device)型等がある。
【0003】
単一チップを用いたLEDでは、LED自身の発熱または環境温度の変化によるLED周囲の温度上昇に伴って発光効率(電流に対する出力効率)が低下する。このため、温度上昇に伴って発光出力も低下する。また、温度上昇に従って発光ピーク波長が長波長側にシフトするため、色度が変化する。例えば、室温で黄色のものが、高温ではオレンジ色に動く(レッドシフト:red-shift)。
【0004】
図25は、LEDの発光スペクトルの温度変化の一例を表す図である。なお、発光強度は、ピーク値が1となるように規格化した相対強度で示してある。25℃でのスペクトルピーク(592nmの黄色)は、85℃になると、約8nm長波長側にシフトし(スペクトルピークは600nm)、ピークの強度も低くなる。
【0005】
AlInGaP系LEDの場合、この混晶の組成により赤から黄緑の範囲で発光スペクトルのピーク波長を選択できる。ピーク波長の温度変化は、概ね0.14nm/℃前後である。ただし、色度は人間の眼の視感度に関係する。赤色帯では、波長が長いほど人間の視感度が落ちる。通常、三原色に対する人間の眼の刺激を考慮したドミナント波長に換算して議論する。緑(555nm)より長波長側では、実波長が長いほど、ドミナント波長は実波長より短くなる。
【0006】
スペクトルピークが温度上昇で長波長側に動いても、赤色帯では、ドミナント波長換算では、あまり大きくシフトしないように見える。つまり、レッドシフトが視感度によって実効的に補償される。しかし、波長が555nmに近づくほど、温度変化による実際のピーク波長変化を反映する。図25の黄色の例では、ドミナント波長として、25℃から85℃の変化で、589nmから594nmまで動くことになる。
【0007】
図26は、LEDのドミナント波長の温度変化の一例を表す図であり、室温の値を0となるように規格化してプロットしたものである。ドミナント波長の温度変化では、黄緑色、黄色、アンバー色の波長帯(図26の例では586nm)は、−20℃〜100℃の温度変化で582nm〜593nm変化し、赤色の波長帯(図26の例では630nm)においての−20℃〜100℃の温度変化での628nm〜633nmの変化に比べて、2倍程度大きくなる。
【0008】
図27は、LEDの光度の温度変化の一例を表す図であり、室温の値を1となるように規格化してプロットしたものである。光度/光束の温度変化に関しても、人間の視感度の影響を受ける。物理的な光出力(光パワー)は、一般的に温度上昇によって低下する。
【0009】
ドミナント波長で610nm〜640nmの赤色帯(図27の例では630nm)は、波長が長波長側にシフトするため、光度/光束では、視感度の低下によって、より顕著な低下となる。この場合、25℃から85℃の変化で、光度が35%低下する。ただし、赤色帯のAlInGaP系LEDは、材料/構造の特性的に活性層の効率が良いため、光パワーでは10%程度の低下で済んでいる。
【0010】
これに対し、ドミナント波長で586nmの黄色帯では、視感度の低下は少ないものの、活性層の特性が劣るために光パワーが低下し、25℃から85℃の変化で、40%以上の光パワーの低下を示す。結果として、赤色帯より大きく、55%も光度が低下する。
【0011】
LEDを屋外で使用する場合は、上記のような温度特性が問題になる。例えば、温度変化の少ない赤色LEDは、自動車の後方ランプ(リアコンビネーション)等の灯具に使用され、応用の幅が広がっている。しかし、ターンシグナルの色であるアンバー色(黄色)のLEDは、その大きな温度変化のために普及が期待以上に進んでおらず、依然として寿命の短い電球が使われている。灯具として、LEDと電球の両方を実装することは、トータルコストの上昇を招くので、自動車の外装照明もLEDに統一されることが望ましい。なお、他の応用範囲においても、その温度特性が悪いことが、普及の障害となるケースが多い。
【0012】
また、上記のような単色のLEDではなく、混色や白色(疑似白色)のLEDでは、複数のLEDや蛍光体等の波長変換材料と組み合わせる(例えば特許文献1参照)。この場合は、色の混ざり具合や、蛍光体の励起効率などが、温度で複雑に変化する。
【0013】
例えば、YAG蛍光体と青色LEDとを用いた疑似白色LEDの場合、青色LEDの波長が温度上昇によってレッドシフトしたり、出力が低下する。つまり、YAGの励起効率や青色光の吸収および透過の割合が変化することで、色度や光束が複雑に変化する。三原色(RGB)のLEDの発光を混ぜる方式の白色LEDにおいても、それぞれのLEDの温度特性が異なるために、合成された白色光の色度や光束が複雑に変化する。このような変化は、LCDのバックライトへの応用には大きな問題となる。
【0014】
これらの問題を解決するには、LED等の半導体発光素子や、それらを搭載した灯具の温度を一定にするように制御すればよい。しかし、コストと省エネルギーの観点からは現実的でない。白色LEDにおいても、色度や波長をモニタして、それぞれのLEDを調整する方式は複雑であり、高価なものとなる。
【0015】
以上のようにLED等の半導体発光素子の上記のような温度特性は、半導体発光素子の実用化や普及を進める上での問題となっている。
【特許文献1】特開2005−235847号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、光出力や波長の温度変化を補償し、温度変化に対して安定な特性を示す発光装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一態様によれば、並列に接続された第1の半導体発光素子と第2の半導体発光素子とを備え、前記第1の半導体発光素子は、前記第2の半導体発光素子よりも高い発光効率を有し、前記第1の半導体発光素子の直列抵抗の温度係数は負であり、前記第1の半導体発光素子の前記直列抵抗の前記温度係数の絶対値は、前記第2の半導体発光素子の直列抵抗の温度係数の絶対値よりも大きいことを特徴とする発光装置が提供される。
【0018】
また、本発明の他の一態様によれば、低温時よりも高温時における発光ピーク波長が第1の波長に近い第1の半導体発光素子と、高温時よりも低温時における発光ピーク波長が前記第1の波長に近い第2の半導体発光素子と、前記第1及び第2の半導体発光素子の少なくともいずれかまたはその周囲の温度を直接または間接的に検知する温度検知手段と、前記温度検知手段による検知結果をもとに、高温時には前記第1の半導体発光素子を強く発光させ、低温時には前記第2の半導体発光素子を発光させる駆動制御手段と、を備え、前記第1の半導体発光素子と前記第2の半導体発光素子の出力光との合成スペクトルを出力することを特徴とする発光装置が提供される。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、光出力や波長の温度変化を補償し、温度変化に対して安定な特性を示す発光装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
本発明の第1の実施の形態では、第1のLEDと第2のLEDとを近接して配置して並列に接続し、第1のLEDの発光効率(電流に対する光出力効率)、および負の温度係数の絶対値を、第2のLEDよりも大きくすることにより、光出力の温度補償を実現する。
【0021】
具体的には、第1のLEDと第2のLEDにおいて、光を取り出す表面の電極網の密度を異なるものとすることにより、発光効率および温度係数を異なる値に設定する。
さらに、第1のLEDの発光ピーク波長を、第2のLEDよりも若干短く設定することにより、波長の温度補償を実現する。
このように、互いに異なる温度特性と波長を有する複数のLEDを備え、それぞれのLEDからの出力光の合成スペクトルを出力することにより、温度変化に対して安定な特性を有する発光装置を提供する。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施の形態かかる発光装置の回路構成図である。この発光装置は、発光ダイオード(LED)D1と、発光ダイオード(LED)D2とを並列に接続した回路構成となっている。なお、発光ダイオードに付した記号D1,D2は、LEDチップを意味することもでき、LEDチップを実装したLEDパッケージを意味することもできる。また、図1以降の各図面については、既出の図面に関して説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0023】
図2は、本発明の第1の実施の形態かかる発光ダイオードD1とD2の順方向電圧(順方向電流の立上がり電圧)Vfの温度特性を表す図である。図2に示すように、25℃では発光ダイオードD1の方が高い順方向電圧値を有するが、85℃では発光ダイオードD2の方が高い順方向電圧値を有する。
【0024】
図3は、本発明の第1の実施の形態かかるLEDチップの具体例を表す図であり、(a)は発光ダイオードD1に相当するLEDチップ1a、(b)は発光ダイオードD2に相当するLEDチップ1bである。この具体例では、LEDチップの直列抵抗(LEDチップ自体が有する直列抵抗成分)が異なるものとなるようにしている。LEDチップの直列抵抗は、光を取り出す面の電極網の密度を異なるものとすることによって、異なる直列抵抗値とすることができる。
【0025】
図3(a)に示すように、LEDチップ1aの光を取り出す面(上面)には、電極パッド2aが設けられており、電極網4aは、この電極パッド2aから延びており、これら電極パッド2aおよび電極網4aは、LEDチップ1aの上側電極を構成する。
【0026】
同様に、図3(b)に示すように、LEDチップ1bの光を取り出す面(上面)には、電極パッド2bが設けられており、電極網4bは、この電極パッド2bから延びており、これら電極パッド2bおよび電極網4bは、LEDチップ1bの上側電極を構成する。
【0027】
LEDチップ1a(D1)の電極網4aの密度は、LEDチップ1b(D2)の電極網4bの密度よりも低く(粗く)なっている。電極網の密度を低くすることにより、電極から離れた活性層の領域への拡がり抵抗が高くなるため、LEDチップ1aの直列抵抗値は、LEDチップ1bよりも高くなる。また、LEDチップ1aは、発光の光取り出しを阻害する電極網4aがLEDチップ1bよりも粗いため、光取り出し効率(発光効率)がLEDチップ1bよりも大きくなる。さらに、その分、LEDチップ1aの直列抵抗の負の温度係数の絶対値は、LEDチップ1bよりも大きくなる。
【0028】
また、発光ダイオードD1の発光スペクトルを、発光ダイオードD2の発光スペクトルよりも若干短く設定する。これにより、発光ダイオードD1の発光層のバンドギャップが発光ダイオードD2よりも若干大きくなるので、発光ダイオードD1の順方向電圧Vf(図2参照)を、さらに高い値に設定できる。
【0029】
図4は、本発明の第1の実施の形態かかる発光ダイオードD1とD2の発光スペクトルおよびこれらの合成スペクトルを表す図である。この図4において、(a)は25℃の場合の発光ダイオードD1、D2からのスペクトルおよびこれらの合成スペクトルであり、(b)は85℃の場合の発光ダイオードD1、D2からのスペクトルおよびこれらの合成スペクトルである。
【0030】
図4(a)に示す25℃では、発光ダイオードD1は短波長側にピークを有し、発光効率は高いが、直列抵抗による順方向電圧が高いため、発光ダイオードD1の分岐に流れる電流I1は小さくなる。逆に、発光ダイオードD2の分岐に流れる電流I2は大きくなり、長波長側の発光ダイオードD2の光出力は、発光ダイオードD1よりも大きくなる。その結果、合成スペクトルのピーク(波長λp(25))は、長波長側の発光ダイオードD2の影響を強く受ける。
【0031】
図4(b)に示す85℃では、発光ダイオードD1の直列抵抗の負の温度係数の絶対値が発光ダイオードD2のそれよりも大きいため、発光ダイオードD2よりも発光効率が高くて発光波長の短い発光ダイオードD1に流れる電流I1は、上記25℃の場合よりも増加する。そのため、高温条件下での光出力の低下を補償できる。また、合成スペクトルにおいては、短波長側の発光ダイオードD1のピークが支配的になるため、合成スペクトルのピーク(波長λp(85))は、25℃のときのピーク(波長λp(25))とあまり変わらず、波長のシフトを補償できる。
【0032】
図5〜図7は、本発明の第1の実施の形態にかかる発光装置の第1の具体例を表す模式斜視図である。図5はLEDチップをSMD(Surface Mount Device)型パッケージ(LEDパッケージ)としたもの、図6は図5のパッケージの上半分を除去してリードフレームの構造を判りやすくしたもの、図7は図5のパッケージを基板に実装して光モジュールとしたものである。
【0033】
カソード側リードフレーム11上に、LEDチップ1a(D1),1b(D2)を銀ペースト等の導電材料でマウントする。LEDチップ1a(D1)と1b(D2)とは、近接してマウントされる。次に、LEDチップ1a(D1),1b(D2)の上側の電極パッド2a,2bを、それぞれアノード側リード12に金ワイヤ3a,3bによって接続する。
【0034】
リードフレーム11,12と、LEDチップ1a,1bの外側には、完全拡散反射に近い条件で反射する白色のPPA(ポリフタルアミド)樹脂からなる外囲器20が配されている。この外囲器20の上面開口部21からLEDチップ1a,1bがマウントされている凹部に、エポキシ樹脂等からなる透明樹脂材料30を充填し、LEDチップ1a,1bを封止して、SMD型LEDパッケージ40とする。
そして、このLEDパッケージ40は、PCB(polychlorinated biphenyl)等からなる基板100上に実装される。基板100上のカソード側半田パターン110とLEDパッケージ40のカソード側リードフレーム11が半田111によって接続され、アノード側半田パターン120とアノード側リードフレーム12とが半田121によって接続される。
【0035】
この第1の具体例では、2つのLEDチップを1つのパッケージ(外囲器)に設けることにより、コンパクトな構成にできる。また、LEDチップ同士が近いため、色が混ざりやすく均一な発光色が得られやすい。
【0036】
図8〜図10は、本発明の第1の実施の形態にかかる発光装置の構造の一例を表す模式斜視図である。図8はLEDチップをSMD型LEDパッケージとしたもの、図9は図8のパッケージの上半分を除去してリードフレームの構造を判りやすくしたもの、図10は図8のパッケージを基板に実装して光モジュールとしたものである。
【0037】
上記第1の具体例では、それぞれ発光ダイオードD1,D2に相当する2つのLEDチップ1a,1bを、1つのSMD型パッケージのリードフレームにマウントした。これに対して、この第2の具体例では、LEDチップ1aはSMD型パッケージ(LEDパッケージ)40aに搭載され、LEDチップ1bはSMD型パッケージ(LEDパッケージ)40bに搭載されており、これら2つのSMD型パッケージ40a,40bを、PCB基板100に、上記第1の具体例と同様、並列接続となるように実装している。SMD方パッケージ40a、40bの製作方法は、第1の具体例において説明したSMD型LEDパッケージ40の製作方法と同様であるため、ここでは省略する。
【0038】
PCB基板100において、PCB基板100上のカソード側半田パターン110とSMD型パッケージ40aのカソード側リードフレーム11aが半田111aによって接続され、アノード側半田パターン120とアノード側リードフレーム12aとが半田121aによって接続される。同様に、カソード側半田パターン110とSMD型パッケージ40bのカソード側リードフレーム11bが半田111bによって接続され、アノード側半田パターン120とアノード側リードフレーム12aとが半田121aによって接続される。
この第2の具体例では、2つのLEDチップを個別のパッケージとすることにより、パッケージの構成を簡易なものとすることができる。
【0039】
図11は、本発明の第1の実施の形態にかかる発光装置の第3の具体例を表す模式斜視図である。また、図12は、本発明の第1の実施の形態にかかる発光装置の第3の具体例を表す回路構成図である。
【0040】
この第3の具体例は、上記第2の具体例(図8〜図10参照)において、LEDチップ1aと1bの直列抵抗の温度係数差を強調するための補助的な抵抗素子(外部抵抗素子)130を、LEDチップ1aを搭載したSMD型パッケージ40aに直列に設けたものである。
図11に示すように、PCB基板100において、SMD型パッケージ40aのカソード側リードフレーム11aに接続されたカソード側半田パターン110aと抵抗素子130の一方の電極とが、半田121aよって接続されている。また、SMD型パッケージ40bのカソード側リードフレーム11bに接続されたカソード側半田パターン110bと、抵抗素子130の他方の電極とが、半田112bよって接続されている。
【0041】
図12に示すように、この第3の具体例では、発光ダイオードD1と抵抗素子130の直列回路と、発光ダイオードD2とが並列接続された回路構成となっている。なお、LEDチップ1aと1bの直列抵抗の温度係数差を強調するための補助的な抵抗素子と発光ダイオードD2とを直列に設けることも可能である。
この第3の具体例では、2つのLEDの温度係数の差を強調するための抵抗素子を設けることにより、高精度な温度補償ができる。
【0042】
以上説明したように本発明の第1の実施の形態によれば、光出力や波長の温度変化を補償し、温度変化に対して安定な特性を示す発光装置が得られる。さらに、温度補償のための特別な外部回路を省略できるために、発光モジュール全体としてのコストを大幅に低減できる。
なお、本発明は、上記第1の実施の形態に限定されるものではなく、発光ダイオードD1,D2の並列分岐回路に、複数のLEDチップまたはLEDパッケージを直列に接続した構成も含まれる。また、並列の分岐回路も、発光ダイオードD1,D2の2つに限ることなく、3つ以上を並列接続したものも含まれる。さらに、波長の組合せも種々適用可能である。
【0043】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本発明の第2の実施の形態では、補償温度範囲において、低温時よりも高温時における発光ピーク波長が第1の波長に近い第1のLEDと、高温時よりも低温時における発光ピーク波長が第1の波長に近い第2のLEDと、LEDの温度を直接または間接的に検知する温度モニタ(温度センサ)と、検知されたLEDの温度をもとに、第1のLEDおよび第2のLEDに流す電流を独立に制御する駆動制御回路とを設ける。例えば、第1のLEDの発光ピーク波長を第2のLEDよりも若干短く設定し、高温時には短波長側の第1のLEDを強く発光させ、低温時には長波長側の第2のLEDを強く発光させ、第1のLEDと第2のLEDの合成スペクトルを出力させることにより、安価な構成で、光出力や波長の温度補償を実現する。
【0044】
特に、LEDが可視光を発光するLEDであり、その波長が、人間の視感度を考慮したドミナント波長であり、駆動制御回路により制御される光出力が、人間の視感度を考慮した光度または光束等で表現される場合に、極めて大きな効果を生じる。
【0045】
具体的には、LEDの活性層がAlInGaP系の材料からなり、上記所望の発光ピーク波長が、ドミナント波長に換算して560nm〜610nmの波長帯にある場合に顕著な温度補償効果を生じる。
また、LED自体の発光ピーク波長が555nmより短く、このLEDによって励起される波長変換材料を備えた混色または白色(疑似白色)のLEDの場合にも、温度補償効果が大きい。
【0046】
図13は、本発明の第2の実施の形態にかかる発光装置を表す回路構成図である。この発光装置は、発光ダイオード(LED)D3と、発光ダイオード(LED)D4とを備えている。発光ダイオードD3とD4は、駆動制御回路500とアース間に並列に接続されている。
また、発光ダイオードD3とD4は、近接して配置され、必要に応じて光学系も工夫して、両LEDの合成スペクトルを出力させる構成とする。なお、発光ダイオードに付した記号D3,D4は、LEDチップを意味することもでき、LEDチップを実装したLEDパッケージを意味することもできる。
【0047】
発光ダイオードD3の発光スペクトルを、発光ダイオードD4よりも若干短く設定する。例えば、温度変化の大きい黄色のAlInGaP系LEDを用い、発光ダイオードD3のスペクトルピーク波長を25℃で584nm(ドミナント波長で582nm)、発光ダイオードD4のスペクトルピーク波長を25℃で594nm(ドミナント波長で591nm)に設定する。
【0048】
さらに、この発光装置は、LED自体またはその周囲の温度を検知する温度モニタ600と、温度モニタ600からの検知出力に応じて、並列する2つのLEDにそれぞれに流す電流I3,I4の値および電流比を制御する駆動制御回路500とを備えている。温度モニタ600には、サーミスタ等を用いる。
この第2の実施の形態にかかる発光装置では、温度モニタ600からの温度検知の出力に従って、駆動制御回路500によって、並列に接続された複数のLEDの合成スペクトルにおける色度や光束を制御補償する。
【0049】
図14は、本発明の第2の実施の形態にかかる発光ダイオードD3とD4の発光スペクトルおよびこれらの合成スペクトルを表す図であり、(a)は25℃の場合の発光ダイオードD3(発光ピーク波長584nm)とD4(発光ピーク波長594nm)の発光スペクトルおよびこれらの発光の合成スペクトル、(b)は85℃の場合の発光ダイオードD3(発光ピーク波長592nm)とD4(発光ピーク波長602nm)の発光スペクトルおよびこれらの発光の合成スペクトルである。
【0050】
図14(a)に示す25℃の場合では、スペクトルのパワー比が、D3:D4=1:2になるように、温度モニタ600の出力に従って、駆動制御回路500が、トータル電流Iと、分岐電流I3,I4を制御している。この25℃の場合では、合成スペクトルの色度は、発光波長の長い発光ダイオードD4の影響が強く、(Cx,Cy)=(0.563,0.436)であり、合成スペクトルのピーク波長は、ドミナント波長で588nmである。
【0051】
図14(b)に示す85℃の場合では、温度が上昇するので、それぞれのLEDのピーク波長が、8nmほど長波長側にシフトしている。また、電流を制御しなければ、光出力(光束)も約半分以上に低下する。この85℃では、スペクトルのパワー比が、D3:D4=5:1になるように、温度モニタ600の出力に従って、駆動制御回路500が、トータル電流Iと、分岐電流I3,I4を制御する。この85℃の場合では、合成スペクトルの色度は、発光波長の長いLED1d(D4)の影響が強く、(Cx,Cy)=(0.560,0.431)であり、合成スペクトルのピーク波長は、ドミナント波長で589nmである。
【0052】
ドミナント波長としては、25℃と85℃とで、1nmしか変化しておらず、色度もあまり変化しない。単一チップの黄色のLEDが、ドミナント波長で5nm以上、レッドシフトすることと比較すれば、色の変化が十分に抑制されており、実用的に問題がない。これは、合成スペクトルにおいて、高温では、短波長側の発光ダイオードD3を支配的にするように制御しているからである。
【0053】
光束の低下は、発光ダイオードD3に流す電流をより多くすることによって補うことができる。出力比の1:2(25℃)および5:1(85℃)を考えると、発光ダイオードD4に流す電流I3を変化させなくとも、温度上昇により自ずと光束が半減するため、発光ダイオードD3に流す電流I3を、25℃のときの10倍とすれば、温度上昇による発光ダイオードD3の出力自然減を補って、トータルの光束を25℃のときとほぼ同じにすることができる。
このように、波長の短い発光ダイオードD3のほうに、より高い性能が要求される。このため、例えば、発光ダイオードD3として、発光効率の高い、やや高価なLEDを配し、発光ダイオードD4としては、廉価なLEDを配することにより、総コストの上昇を抑えることができる。
【0054】
図15は、本発明の第2の実施の形態かかる発光装置の第1の具体例を表す模式斜視図である。また、図16は、本発明の第2の実施の形態かかる発光装置の第1の具体例を表す回路構成図である。
図15に示すように、この第1の具体例は、第2の実施の形態かかる発光装置をSMD型パッケージにより具現化したものである。発光ダイオードD3に相当するLEDチップ1cと、発光ダイオードD4に相当するLEDチップ1dの2つのLEDチップを、並列に、リードフレーム11c,11dにそれぞれマウントし、金ワイヤ3c,3dでリードフレーム12に接続して、SMD型LEDパッケージ40を構成したものである。LEDチップ1c(D3)の端子であるリードフレーム11cに、NTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタ601を接続している。
【0055】
図16に示すように、この第1の具体例は、発光ダイオードD3(LEDチップ1c)とNTCサーミスタ601の直列接続回路と、発光ダイオードD4(LEDチップ1d)とを並列に接続したものである。なお、図16において、RsはそれぞれのLEDチップの有する直列抵抗であり、R0,R2はNTCサーミスタ601の特性の補助や電流I,I3,I4の調整等のために挿入される抵抗である。
【0056】
NTCサーミスタ601は、低温で抵抗値が高く、高温で抵抗値が低くなる特性を示すものであり、負の温度係数を有する抵抗素子である。このNTCサーミスタ601は、上記図13の駆動制御回路500および温度モニタ600として機能するものであり、温度に応じてLEDチップ1c(D3)に流れる電流I3を制御し、合成スペクトルの温度変化を補償する。
この第1の具体例の回路構成は、極めてシンプルであり、低コストである。また、2つのLEDチップを1つのパッケージに実装しているため、コンパクトな構成とできる。
【0057】
なお、NTCサーミスタ601は、図15ではLEDチップ1cのカソード側に設けられており、図16ではLEDチップ1cのアノード側に設けられているが、いずれの側に設けることも可能である。
【0058】
また、この第1の具体例とは逆に、LEDチップ1dの端子であるリードフレーム11dに、PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスタを接続することも可能である。このPTCサーミスタは、低温で抵抗値が小さく、高温で抵抗値が大きくなる特性を示すものであり、正の温度係数を有する抵抗素子である。さらには、NTCサーミスタとPTCサーミスタの両方を設けることも可能である。また、これらのサーミスタを、図15に示すSMD型パッケージ40の外囲器20内に収納することも可能である。
【0059】
図17は、本発明の第2の実施の形態かかる発光装置の第2の具体例を表す模式斜視図である。この第2の具体例は、上記第1の具体例(図15参照)の変形例である。
上記第1の具体例では、2つのLEDチップを1つのSMD型パッケージ内に並列に実装したが、この第2の具体例では、外囲器20cの上面開口部にLEDチップ1cをマウントしたSMD型LEDパッケージ40cと、外囲器20dの上面開口分にLEDチップ1dをマウントしたSMD型LEDパッケージ40dとを、基板100に実装している。ただし、この場合、やや離れた2つのLEDパッケージからの出力光を混合するための光学系を備えることが望ましい。
この第2の具体例では、互いに発光波長の異なる2つのLEDパッケージとして市販のものを用いることもできるので、この点で低コストとなる。
【0060】
図18は、本発明の第2の実施の形態かかる発光装置の第3の具体例を表す模式斜視図である。この第3の具体例は、上記第2の具体例(図17参照)の変形例である。
この第3の具体例では、発光ダイオードD3に相当する複数のピラニア型LEDパッケージ45cと、発光ダイオードD4に相当する複数のピラニア型LEDパッケージ45dとを、基板100に実装している。つまり、互いに発光波長の異なる2群の複数のピラニア型LEDパッケージを、1つの基板上に近接して実装している。ただし、この場合にも、やや離れた2群のLEDパッケージからの出力光を混合するための光学系を備えることが望ましい。
この第3の具体例では、NTCサーミスタ601を複数のLEDパッケージで共通に使用しているので、経済的である。
【0061】
図19は、本発明の第2の実施の形態かかる発光装置の第4の具体例を表す回路構成図である。この第4の具体例は、上記第1の具体例(図16参照)において、発光ダイオードD3(LEDチップ1c)を2つ直列に接続したものである。
本発明の第2の実施の形態では、波長の短いLEDチップ1cの方に、より高い性能が要求される。このため、例えば、発光ダイオードD3として、効率の高いやや高価なLEDを配し、発光ダイオードD4の方は、廉価なLEDを配することにより、総コストの上昇を抑えることができる。
【0062】
しかしながら、全体の効率を最大限とするためには限界がある。そこで、この第4の具体例では、発光ダイオードD3側とD4側の双方に、高効率のLEDチップを用い、発光ダイオードD3を2つ直列に設ける。これによって、発光ダイオードD3側とD4側の分岐の電圧は上昇するが、同じ電流値では、発光ダイオードD3が1つの場合よりも発光出力を増やすことができる。上記分岐の電圧は、発光ダイオードD3側のサーミスタ601の特性や、発光ダイオードD4側の抵抗R2の抵抗値を適正に選んで調整することができる。
この第4の具体例のように、発光ダイオードD3側の分岐とD4側の分岐のそれぞれには、複数のLEDや抵抗素子等の各種の電子素子を配置することが可能である。
【0063】
図20は、本発明の第2の実施の形態かかる発光装置の第5の具体例を表す回路構成図である。この第5の具体例では、温度モニタ600(図13参照)として、フォトダイオード(PD:Photo Diode)650を用いる。
上記それぞれの具体例(図15〜図19参照)では、温度モニタ600として、サーミスタ等の直接的に温度を感知する素子を用いていたが、フォトダイオード等の間接的に温度特性を反映できるセンサを用いることも可能である。
【0064】
発光ダイオードD3,D4自身の光出力は温度上昇によって低下するので、その光出力を検知するフォトダイオード650を温度モニタ600として用いることができ、フォトダイオード650の出力電流により温度を間接的にモニタできる。
駆動制御回路500は、フォトダイオード650の出力電流と、事前に求めた発光ダイオードD3,D4の光出力の温度係数とをもとに、分岐回路に流す電流I3,I4を制御する。
【0065】
この第5の具体例では、発光ダイオードD3,D4の光出力から温度を検知するが、LED自身の特性(光出力特性)は、接合温度を反映するものなので、より現実的で正確な制御ができるという効果もある。なお、他の間接的な温度モニタ方式を用いることも可能である。
【0066】
図21は、本発明の第2の実施の形態かかる発光装置の第6の具体例を表す模式斜視図である。この第6の具体例では、発光ダイオードD3に相当するLEDチップとしてInGaN系の青色LEDチップ1eを用い、発光ダイオードD4に相当するLEDチップとしてInGaN系の青色LEDチップ1gを用いる。青色LEDチップ1e(D3)のスペクトルピーク波長は25℃で460nmとし、青色LEDチップ1f(D4)のスペクトルピーク波長はこれから若干ずれた波長とする。
【0067】
これまでのそれぞれの具体例(図15〜図20参照)では、本発明の第2の実施の形態を単波長のLEDに適用した例を説明してきた。しかし、本発明の第2の実施の形態は、蛍光体を用いた白色(疑似白色)LEDに適用することも可能である。この第6の具体例では、上記白色LEDに適用した具体例について説明する。
【0068】
可視光帯では、555nm以下の波長の短い光源は、蛍光体等の波長変換材料を励起し、この励起光と波長変換された光とを混色することで白色光(疑似白色)を得ることが可能である。
図21に示すように、互いに発光波長が若干ずれたInGaN系の青色LEDチップ1eと1fを、リードフレーム11c,11dにそれぞれマウントし、透明樹脂材料30中にYAG蛍光体80を混ぜ込む。InGaN系青色LEDの発光でYAG蛍光体を励起して、青色LEDとYAGからの波長変換された黄色発光を混色して、疑似白色を得る。
【0069】
図22は、本発明の第2の実施の形態かかる発光装置の第6の具体例との比較例を表す模式斜視図である。また、図23は、本発明の第2の実施の形態かかる発光装置の第6の具体例との比較例の発光スペクトルを表す図である。この比較例は、青色LEDチップ1eのみの単一チップによって構成されたものである。この比較例の出力光のスペクトルは、図23に示すような疑似白色のスペクトルとなり、温度変化によるスペクトルシフトを生じる。このスペクトルシフトによってYGA蛍光体80の励起効率が変動する。また青色光の出力自体も低下する。したがって色度や光束が複雑に変化する。
【0070】
しかし、図21に示す第6の具体例では、青色LEDチップ1eと1fの合成光を励起光源とすることにより、励起光源のピーク波長および出力の温度変化を補償することができる。その結果、YAG蛍光体80の励起効率や青色光の透過の温度特性も安定化できるので、全体として、白色(疑似白色)/混色の色度や光束も安定となる。
なお、同様にして、RGBの三原色をそれぞれ発光する3つのLEDを用いたものでも、それぞれの色について、本発明の第2の実施の形態を適用し、互いに若干ずれた発光波長を有する2つのLEDを配して、これらを制御することにより、白色/混色の色度や光束を、温度変化に対して安定化できる。
【0071】
図24は、本発明の第2の実施の形態かかる駆動制御回路の具体例を表す駆動波形図である。駆動制御回路500(図13等参照)は、DC駆動方式を前提としている。しかし、LEDの光出力を制御するには、単に分岐電流I3,I4(図13等参照)のDC値を制御することの他、PWM(Pulse Width Modulation)駆動方式によっても制御できる。
【0072】
図24に示すように、PWM駆動方式は、眼の応答よりも速いパルス駆動において、パルスの幅で明るさを制御するものである。パルス幅が広いほど明るくなる。従って、図24(a)に示すパルス幅Pw1の駆動パルスで駆動する場合よりも、図24(b)に示すパルス幅Pw2(>Pw1)の駆動パルスで駆動する場合のほうが、明るくなる。
【0073】
このようなPWM駆動方式は、駆動制御回路500を、PWM可能なデジタル回路とすることにより実現できる。つまり、駆動制御回路500は、発光ダイオードD3側とD4側とを、独立に異なるパルス幅で変調する。それぞれのパルス幅は、温度モニタ600(図13等参照)からの出力をもとに制御する。このようなPWM駆動方式では、調整用の抵抗等のロスが少なくなり、省エネルギーを実現できる。
以上のように本発明の第2の実施の形態によれば、光出力や波長の温度変化を補償し、温度変化に対して安定な特性を示す発光装置が得られる。
【0074】
なお、本発明は、上記第2の実施の形態に限定されるものではなく、発光ダイオードD3,D4の並列分岐回路に、複数のLEDチップまたはLEDパッケージを直列に接続した構成も含まれる。また、並列の分岐回路も、発光ダイオードD3,D4の2つに限ることなく、3つ以上を並列接続したものも含まれる。さらに、波長の組合せも種々適用可能である。
【0075】
また、上記本発明の実施の形態では、温度範囲を25℃〜85℃としたが、より広い温度範囲にも拡張することが可能である。また、色々な波長のLEDの温度特性に応じて、柔軟に電流制御をすることが可能である。
上記本発明の実施の形態にかかる温度特性に優れた発光装置は、それを搭載した灯具の性能を同様に向上できる。灯具と可視光発光装置は、一体化して初めて機能するものであり、分離することが難しいものである。本発明の温度補償機能を有する発光装置を灯具に搭載することにより、温度変化に対して安定な特性が補償された灯具を安価に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第1の実施の形態かかる発光装置の回路構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態かかる発光ダイオードの順方向電圧の温度特性を表す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態かかるLEDチップの具体例を表す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態かかる発光ダイオードを近接して実装した場合のスペクトルの温度変化を表す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態にかかる発光装置の第1の具体例を表す模式斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態にかかる発光装置の第1の具体例を表す模式斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態にかかる発光装置の第1の具体例を表す模式斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態にかかる発光装置の構造の一例を表す模式斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態にかかる発光装置の構造の一例を表す模式斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態にかかる発光装置の構造の一例を表す模式斜視図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態にかかる発光装置の第3の具体例を表す模式斜視図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態にかかる発光装置の第3の具体例を表す回路構成図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態にかかる発光装置を表す回路構成図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態にかかる発光ダイオードの発光スペクトルおよびこれらの合成スペクトルを表す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態かかる発光装置の第1の具体例を表す模式斜視図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態かかる発光装置の第1の具体例を表す回路構成図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態かかる発光装置の第2の具体例を表す模式斜視図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態かかる発光装置の第3の具体例を表す模式斜視図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態かかる発光装置の第4の具体例を表す回路構成図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態かかる発光装置の第5の具体例を表す回路構成図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態かかる発光装置の第6の具体例を表す模式斜視図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態かかる発光装置の第6の具体例との比較例を表す模式斜視図である。
【図23】本発明の第2の実施の形態かかる発光装置の第6の具体例との比較例の発光スペクトルを表す図である。
【図24】本発明の第2の実施の形態かかる駆動制御回路の具体例を表す駆動波形図である。
【図25】LEDの発光スペクトルの温度変化の一例を表す図である。
【図26】LEDのドミナント波長の温度変化の一例を表す図である。
【図27】LEDの光度の温度変化の一例を表す図である。
【符号の説明】
【0077】
1 LEDチップ、 2 電極パッド、 3 金ワイヤ、 4 電極網、 11 カソード側リードフレーム、 12 アノード側リードフレーム、 20 外囲器、 21 上面開口部、 30 透明樹脂材料、 40 SMD型LEDパッケージ、 45 ピラニア型LEDパッケージ、 80 YAG蛍光体、 100 基板、 110 カソード側半田パターン、 111,112 半田、 120 アノード側半田パターン、 121 半田、 130 抵抗素子、 500 駆動制御回路、 600 温度モニタ、 601 NTCサーミスタ、 650 フォトダイオード、 D1,D2,D3,D4 発光ダイオード(LED)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列に接続された第1の半導体発光素子と第2の半導体発光素子とを備え、
前記第1の半導体発光素子は、前記第2の半導体発光素子よりも高い発光効率を有し、
前記第1の半導体発光素子の直列抵抗の温度係数は負であり、
前記第1の半導体発光素子の前記直列抵抗の前記温度係数の絶対値は、前記第2の半導体発光素子の直列抵抗の温度係数の絶対値よりも大きい
ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記第1の半導体発光素子は発光ピーク波長は、前記第2の半導体発光素子の発光ピーク波長よりも短いことを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の半導体発光素子は、光を取り出す表面に形成された電極網を有し、
前記第1の半導体発光素子の前記電極網の密度は、前記第2の半導体発光素子の前記電極網の密度よりも低いことを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1の半導体発光素子を収容した第1のパッケージと、
前記第2の半導体発光素子を収容した第2のパッケージと、
前記第1及び第2のパッケージが実装された基板と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項5】
前記第1の半導体発光素子の直列抵抗の温度係数と、と前記第2の半導体発光素子の直列抵抗の温度係数と、の差を大きくする抵抗素子をさらに備え、
前記抵抗素子は、前記基板に実装され、前記第1の半導体発光素子または前記第2の半導体発光素子に直列に接続されている
ことを特徴とする請求項4記載の発光装置。
【請求項6】
低温時よりも高温時における発光ピーク波長が第1の波長に近い第1の半導体発光素子と、
高温時よりも低温時における発光ピーク波長が前記第1の波長に近い第2の半導体発光素子と、
前記第1及び第2の半導体発光素子の少なくともいずれかまたはその周囲の温度を直接または間接的に検知する温度検知手段と、
前記温度検知手段による検知結果をもとに、高温時には前記第1の半導体発光素子を強く発光させ、低温時には前記第2の半導体発光素子を発光させる駆動制御手段と、
を備え、
前記第1の半導体発光素子と前記第2の半導体発光素子の出力光との合成スペクトルを出力する
ことを特徴とする発光装置。
【請求項7】
前記第1の半導体発光素子の発光効率は、前記第2の半導体発光素子の発光効率よりも大きいことを特徴とする請求項6記載の発光装置。
【請求項8】
複数の前記第1の半導体発光素子が、直列に接続されていることを特徴とする請求項6記載の発光装置。
【請求項9】
前記第1の半導体発光素子と前記第2の半導体発光素子とが並列に接続され、
前記温度検知手段および前記駆動制御手段は、前記第1の半導体発光素子に直列に接続された負の温度係数を有する抵抗素子、もしくは前記第2の半導体発光素子に直列に接続された正の温度係数を有する抵抗素子を有する
ことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項10】
前記温度検知手段は、前記第1の半導体発光素子または前記第2の半導体発光素子の光出力を検出することによって温度を検知することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項11】
前記駆動制御手段は、PWM駆動方式によって前記第1の半導体発光素子および前記第2の半導体発光素子を発光させることを特徴とする請求項6〜8及び10のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項12】
前記半導体発光素子は、AlInGaP系材料からなる活性層を有する発光ダイオードであり、
前記第1の波長は、560nm以上610nm以下である
ことを特徴とする請求項6〜11のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項13】
前記第1の波長は、555nmより短く、
前記第1及び第2の半導体発光素子からの出力光によって励起される波長変換材料をさらに備えたことを特徴とする請求項6〜11のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1つに記載の発光装置を備えたことを特徴とする灯具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate


【公開番号】特開2009−76684(P2009−76684A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−244345(P2007−244345)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】