説明

発光装置および発光管

【課題】発光装置の小型化を図りつつ発光強度を向上させること。
【解決手段】発光装置は、放電空間13を有している容器部材1と、放電空間内13に封入された不活性ガス4と、放電空間13内に設けられた複数の第1の放電用電極2と、放電空間13内に設けられた複数の第2の放電用電極3とを含んでいる。容器部材1は、放電空間13を塞いでいる透光性部材12を含んでいる。複数の第2の放電用電極3は、複数の第1の放電用電極2と交互に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば放電灯などの発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば放電灯などの発光装置は、ガラス管内に不活性ガスが充填された構造を有していた。従来の発光装置において、一対の電極の各々は、ガラス管の端部から放電空間内に突き出るような状態でガラス管に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−100319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、例えば放電灯などの発光装置は、小型化を図りつつ発光強度または発光量に関する改善が求められている。従来の発光装置は、小型化を図りつつ発光強度または発光量を向上させることに関して困難な構造を有していた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの態様によれば、発光装置は、放電空間を有している容器部材と、放電空間内に封入された不活性ガスと、放電空間内に設けられた複数の第1の放電用電極と、放電空間内に設けられた複数の第2の放電用電極とを含んでいる。容器部材は、放電空間を塞いでいる透光性部材を含んでいる。複数の第2の放電用電極は、複数の第1の放電用電極と交互に配置されている。
【0006】
本発明の他の態様によれば、発光装置は、放電空間を有している容器部材と、放電空間内に封入された不活性ガスと、放電空間内に設けられたスペーサ部材と、放電空間内に設けられた放電用電極対とを含んでいる。容器部材は、放電空間を塞いでいる透光性部材を含んでいる。スペーサ部材は、平面視において放電空間を複数のサブ領域に分けている。放電用電極対は、複数のサブ領域の各々に配置されている。
【0007】
本発明の他の態様によれば、発光装置は、放電空間を有している容器部材と、放電空間内に封入された不活性ガスと、放電空間内に設けられたスペーサ部材と、放電空間内に設けられた放電用電極対とを含んでいる。容器部材は、放電空間を塞いでいる透光性部材を含んでいる。スペーサ部材は、平面視において放電空間を互いに独立した複数のサブ空間に分けている。放電用電極対は、複数のサブ空間の各々に配置されている。
【0008】
本発明の他の態様によれば、発光管は、放電空間を有している容器部材と、放電空間内に設けられた複数の第1の放電用電極と、放電空間内に設けられた複数の第2の放電用電極とを含んでいる。容器部材は、放電空間を塞いでいる透光性部材を含んでいる。複数の第2の放電用電極は、複数の第1の放電用電極と交互に配置されている。
【0009】
本発明の他の態様によれば、発光管は、放電空間を有している容器部材と、放電空間内に設けられたスペーサ部材と、放電空間内に設けられた放電用電極対とを含んでいる。容器部材は、放電空間を塞いでいる透光性部材を含んでいる。スペーサ部材は、平面視において放電空間を複数のサブ領域に分けている。放電用電極対は、複数のサブ領域の各々に配置されている。
【0010】
本発明の他の態様によれば、発光管は、放電空間を有している容器部材と、放電空間内に設けられたスペーサ部材と、放電空間内に設けられた放電用電極対とを含んでいる。容器部材は、放電空間を塞いでいる透光性部材を含んでいる。スペーサ部材は、平面視において放電空間を互いに独立した複数のサブ空間に分けている。放電用電極対は、複数のサブ空間の各々に配置されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一つの態様によれば、発光装置は、放電空間内に設けられた複数の第1の放電用電極と、放電空間内に設けられた複数の第2の放電用電極とを含んでいる。複数の第2の放電用電極は、複数の第1の放電用電極と交互に配置されている。従って、発光装置は、小型化を図りつつ発光強度または発光量を向上させることができる。
【0012】
本発明の他の態様によれば、発光装置は、放電空間内に設けられたスペーサ部材と、放電空間内に設けられた放電用電極対とを含んでいる。スペーサ部材は、平面視において放電空間を複数のサブ領域に分けている。放電用電極対は、複数のサブ領域の各々に配置されている。従って、発光装置は、小型化を図りつつ発光強度または発光量を向上させることができる。
【0013】
本発明の他の態様によれば、発光装置は、放電空間内に設けられたスペーサ部材と、放電空間内に設けられた放電用電極対とを含んでいる。スペーサ部材は、平面視において放電空間を互いに独立した複数のサブ空間に分けている。放電用電極対は、複数のサブ空間の各々に配置されている。従って、発光装置は、小型化を図りつつ発光強度または発光量を向上させることができる。
【0014】
本発明の他の態様によれば、発光管は、放電空間内に設けられた複数の第1の放電用電極と、放電空間内に設けられた複数の第2の放電用電極とを含んでいる。複数の第2の放電用電極は、複数の第1の放電用電極と交互に配置されている。従って、発光管は、発光装置の小型化を図りつつ発光強度または発光量を向上させることができる。
【0015】
本発明の他の態様によれば、発光管は、放電空間内に設けられたスペーサ部材と、放電空間内に設けられた放電用電極対とを含んでいる。スペーサ部材は、平面視において放電空間を複数のサブ領域に分けている。放電用電極対は、複数のサブ領域の各々に配置されている。従って、発光管は、発光装置の小型化を図りつつ発光強度または発光量を向上させることができる。
【0016】
本発明の他の態様によれば、発光管は、放電空間内に設けられたスペーサ部材と、放電空間内に設けられた放電用電極対とを含んでいる。スペーサ部材は、平面視において放電空間を互いに独立した複数のサブ空間に分けている。放電用電極対は、複数のサブ空間の各々に配置されている。従って、発光管は、発光装置の小型化を図りつつ発光強度または発光量を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一つの実施形態における発光装置の斜視図を示している。
【図2】図1に示された発光装置の縦断面図を示している。
【図3】図2に示された発光装置の基体11、複数の第1の放電用電極2および複数の第2の放電用電極3の平面図を示している。
【図4】図3に示された複数の第1の放電用電極2および複数の第2の放電用電極3の他の例を示す平面図である。
【図5】本発明の他の実施形態における発光装置の縦断面図を示している。
【図6】図5に示された発光装置の基体11の平面図を示している。
【図7】本発明の他の実施形態における発光装置の縦断面図を示している。
【図8】図7に示された発光装置の平面図を示している。
【図9】図7に示された発光装置におけるトリガ用電極6の他の例を示している。
【図10】本発明の他の実施形態における発光装置の縦断面図を示している。
【図11】本発明の他の実施形態における発光装置の縦断面図を示している。
【図12】図11に示された発光装置の基体11の平面図を示している。
【図13】図11に示された発光装置における複数の第1の放電用電極2および複数の第2の放電用電極3の他の配置例を示す縦断面図である。
【図14】図13に示された発光装置の基体11の平面図を示している。
【図15】本発明の他の実施形態における発光装置の縦断面図を示している。
【図16】図15に示された発光装置の基体11の平面図を示している。
【図17】本発明の他の実施形態の発光装置における基体11の平面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
本発明の一つの実施形態における発光装置は、図1から図3までに示されているように、容器部材1と、複数の第1の放電用電極2と、複数の第2の放電用電極3と、不活性ガス4とを含んでいる。“放電用電極”とは、電位差によって気体に絶縁破壊を生じさせて、気体に電流を流すために用いられる電極のことをいい、陽極または陰極である。
【0020】
図1において、発光装置は、仮想のxyz空間のxy平面に実装されている。図1において、上方向とは、仮想のz軸の正方向のことをいう。発光装置の光出射方向は、仮想のz軸の正方向である。図2において、複数の第2の放電用電極3の電気的接続が、破線によって示されている。
【0021】
発光装置は、不活性ガス4中における放電による発光を利用した放電灯である。容器部材1、複数の第1の放電用電極2および複数の第2の放電用電極3が、発光管を構成している。
【0022】
容器部材1は、基体11と、基体11に接合された透光性部材12とを含んでいる。容器部材1は、基体11と透光性部材12とによって規定される放電空間13を有している。
【0023】
基体11は、実質的に絶縁材料からなる。絶縁材料の例は、セラミックスである。基体11は、平面視において略矩形状を有している。図3に示されているように、略矩形状とは、例えば、搬送時または実装時などにおける損傷の可能性を低減させることを目的に、4つの角部分に内側方向へ曲線状に窪んだ構造を有する形状を含む。平面視とは、図1において、上方から仮想のz軸の負方向への視線によるものである。
【0024】
透光性部材12は、基体11の上面に接合されており、放電空間13を塞いでいる。ここで、部材12の“透光性”とは、放電空間13内における発光によって放射された光の少なくとも一部の波長が透過できることをいう。透光性部材12は、実質的に絶縁材料からなる。絶縁材料の例は、ガラスである。絶縁材料の他の例は、サファイアまたは透光性セラミックスである。透光性部材12がガラスからなる場合、透光性部材12は、ガラス接合によって基体11に固定されている。透光性部材12がサファイアまたは透光性セラミックスからなる場合、透光性部材12は、ガラス接合または焼結接合によって基体11に固定されている。“焼結接合”とは、基体11と透光性部材12とを、接合用治具を使用して被接合面を接触させた状態にて高温処理することにより基体11に含まれるガラス質を接合材として機能させて接合させることをいう。
【0025】
放電空間13は、平面視において略矩形状を有している。略矩形状とは、例えば、組み立て時などにおける損傷の可能性を低減させることを目的に、4つの角部分に外側方向へ曲線状に膨らんだ構造を有する形状を含む。放電空間13は、縦断面において略矩形状を有している。放電空間13は、基体11の凹部と透光性部材12とによって規定される。
【0026】
複数の第1の放電用電極2は、放電空間13内に設けられている。複数の第1の放電用電極2は、平面視において、放電空間13の両端部および中央部に設けられている。複数の第1の放電用電極2は、互いに電気的に接続されている。複数の第1の放電用電極2は、立てられた状態で、放電空間13の下端に電気的および物理的に接合されている。図3に示された構成において、複数の第1の放電用電極2は、陽極である。複数の第1の放電用電極2の材料例は、タングステンなどを含む高融点金属である。第1の放電用電極2における第2の放電用電極3と対向する面は、第2の放電用電極3から放出された電子による劣化を低減させることを目的に、平面状であることが好ましい。
【0027】
複数の第2の放電用電極3は、放電空間13内に設けられており、複数の第1の放電用電極2と交互に配置されている。複数の第2の放電用電極3は、複数の第1の放電用電極2と対向している。複数の第2の放電用電極3は、立てられた状態で、放電空間13の下端に電気的および物理的に接合されている。複数の第2の放電用電極3は、互いに電気的に接続されている。図2において、複数の第2の放電用電極3の電気的な接続が、破線によって示されている。図3に示された構成において、複数の第2の放電用電極3は、陰極である。複数の第2の放電用電極3は、電子放出特性を向上させることを目的に、突出部分を有することが好ましい。複数の第2の放電用電極3が陰極である場合、複数の第2の放電用電極3は、主成分であるタングステンの他に、電子放出特性に優れた酸化ランタン、酸化イットリウムまたは酸化セリウムを含むことが好ましい。
【0028】
複数の第1の放電用電極2および複数の第2の放電用電極3に関する他の例を、図4を参照して説明する。複数の第1の放電用電極2の他の例は、陰極である。複数の第1の放電用電極2が陰極である場合、複数の第1の放電用電極2は、主成分であるタングステンの他に、電子放出特性に優れた酸化ランタン、酸化イットリウムまたは酸化セリウムを含むことが好ましい。複数の第1の放電用電極2は、電子放出特性を向上させることを目的に、突出部分を有することが好ましい。複数の第2の放電用電極3の他の例は、陽極である。複数の第2の放電用電極3の材料例は、タングステンなどを含む高融点金属である。第2の放電用電極3における第1の放電用電極2と対向する面は、第1の放電用電極2から放出された電子による劣化を低減させることを目的に、平面状であることが好ましい。
【0029】
不活性ガス4は、例えばキセノン(Xe)を主成分とする。
【0030】
本実施形態の発光装置は、複数の第1の放電用電極2と複数の第2の放電用電極3との間における放電による発光を利用した放電灯である。
【0031】
本実施形態の発光装置は、複数の第1の放電用電極2と、複数の第1の放電用電極2と交互に配置された複数の第2の放電用電極3を含んでいることにより、小型化を図りつつ発光強度または発光量を向上させることができる。従って、本実施形態の発光装置は、例えば携帯用電子機器などに搭載されることが可能となる。
【0032】
本実施形態の発光装置は、セラミックスからなる基体11を含んでいることにより、使用耐性に関して改善されている。従って、本実施形態の発光装置は、小型化を図りつつ発光強度または発光量を向上させることができる。
【0033】
本実施形態の発光装置は、サファイアからなる透光性部材12を含んでいることにより、使用耐性に関して改善されている。従って、本実施形態の発光装置は、小型化を図りつつ発光強度または発光量を向上させることができる。
【0034】
本実施形態の発光装置において、透光性部材12が焼結接合によって基体11に接合されていることによって、発光装置は、使用耐性に関して改善されている。従って、本実施形態の発光装置は、小型化を図りつつ発光強度または発光量を向上させることができる。
【0035】
図5および図6を参照して、本発明の他の実施形態における発光装置について説明する。本発明の他の実施形態の発光装置において、図2および図3に示された発光装置と異なる点は、トリガ用電極5をさらに含んでいることである。その他の構成は、図2および図3に示された構成と同様である。
【0036】
トリガ用電極5は、放電空間13の下方に設けられており、容器部材1に埋め込まれている。トリガ用電極5は、基体11に埋め込まれている。図6において、トリガ用電極5は、基体11を透視した状態で点線によって示されている。トリガ用電極5の材料例は、タングステン、モリブデンおよびマンガンなどの高融点金属である。発光装置は、トリガ用電極5を含んでいることにより、複数の第2の放電用電極3およびトリガ用電極5による予備放電を有する。従って、発光装置は、複数の第1の放電用電極2および複数の第2の放電用電極3による安定した主放電の開始に関して改善されている。
【0037】
図7および図8を参照して、本発明の他の実施形態における発光装置について説明する。本発明の他の実施形態の発光装置において、図2に示された発光装置と異なる点は、透光性部材12の内部に形成されたトリガ用電極6をさらに含んでいることである。その他の構成は、図2に示された構成と同様である。トリガ用電極6は、好ましくは実質的に透光性材料からなる。ここで、トリガ用電極6の材料における“透光性”とは、放電空間13内における発光によって放射された光の少なくとも一部の波長が透過できることをいう。トリガ用電極6が透光性を有する場合、トリガ用電極6は、例えば、実質的に酸化インジウムスズ(ITO)からなる。図9に示されているように、他の例における第2のトリガ用電極6は、透光性部材12の外側表面に形成されている。
【0038】
本発明の他の実施形態における発光装置は、トリガ用電極6を含んでいることにより、小型化を図りつつ発光強度または発光量を向上させることができる。
【0039】
図10を参照して、本発明の他の実施形態における発光装置について説明する。本発明の他の実施形態の発光装置において、図2に示された発光装置と異なる点は、基体11が反射部材111を含んでいることである。その他の構成は、図2に示された構成と同様である。
【0040】
反射部材111は、放電空間13に露出されている。反射部材111は、ポーラス状構造体である。“ポーラス状構造体”とは、複数の粒子112を有する構造体において、15%から43%までの範囲に含まれる気孔率を有するものである。反射部材111の気孔率の例示的な測定方法は、マイクロメリティクス(Micromeritics)社製のポアサイザー(Pore Sizer)9310型による水銀圧入法である。粒子112は、小胞113より屈折率が大きい。粒子112に入射された光は、粒子112と小胞113との界面において全反射される。反射部材111は、例えば実質的にセラミックスからなる。
【0041】
本発明の他の実施形態における発光装置は、反射部材111を含んでいることにより、放電空間13において発生された光のうち光出射方向へ反射させることができる量を増大させることができる。従って、他の実施形態における発光装置は、発光強度または発光量に関して改善されている。
【0042】
本発明の他の実施形態の発光装置において、反射部材111がポーラス構造体であることにより、光の全反射によって光反射の量を増大させることができる。従って、他の実施形態における発光装置は、発光強度または発光量に関して改善されている。
【0043】
本発明の他の実施形態の発光装置において、反射部材111が実質的にセラミックスからなることにより、他の実施形態の発光装置は、使用耐性に関して改善されている。
【0044】
図11および図12を参照して、本発明の他の実施形態における発光装置について説明する。他の実施形態の発光装置において図2および図3に示された発光装置と異なる点は、スペーサ部材7を含んでいることである。他の実施形態における発光装置は、スペーサ部材7を含んでいることにより、透光性部材12の放電空間13の内側への変形に関して低減されている。従って、他の実施形態における発光装置は、信頼性に関して改善されている。スペーサ部材7および透光性部材12が接合されている場合、発光装置は、透光性部材12の放電空間13の内側または外側への変形に関して低減されている。
【0045】
スペーサ部材7は、平面視において放電空間13を複数のサブ領域131に分けるように、放電空間13内に設けられている。放電用電極対8が、放電空間13内に設けられており、複数のサブ領域131の各々に配置されている。放電用電極対8は、陽極である第1の放電用電極2と、陰極である第2の放電用電極3とを含んでいる。複数の第1の放電用電極2は、スペーサ部材7を挟むように配置されている。複数の第2の放電用電極3は、他のスペーサ部材7を挟むように配置されている。
【0046】
図13および図14を参照して、図11および図12に示された発光装置における複数の第1の放電用電極2および複数の第2の放電用電極3の他の配置例について説明する。他の配置例において、第1の放電用電極2と第2の放電用電極3とは、スペーサ部材7を挟むように配置されている。他の配置例において、スペーサ部材7は、透光性部材12における変形の低減に関する目的に加えて、第1の放電用電極2と第2の放電用電極3とを絶縁するという目的のために設けられている。
【0047】
図15および図16を参照して、本発明の他の実施形態における発光装置について説明する。本発明の他の実施形態の発光装置において、図2および図3に示された発光装置と異なる点は、放電空間13が複数のサブ空間131−134を含んでいることである。複数のサブ空間131−134は、スペーサ部材7によって互いに独立された空間である。
【0048】
複数のサブ空間131−134の各々は、発光強度または発光量が異なる。例えば、放電空間13の両端部に位置するサブ空間131および134は、放電空間の中央部に位置するサブ空間132および133より発光強度または発光量に関して大きく設計されている。サブ空間131−134の各々は、例えば、封入されている不活性ガス4の圧力に関して異なっている。
【0049】
スペーサ部材7は、平面視において放電空間13を複数のサブ空間131−134に分けるように、放電空間13内に設けられている。放電用電極対8が、放電空間13内に設けられており、複数のサブ領域131−134の各々に配置されている。放電用電極対8は、陽極である第1の放電用電極2と、陰極である第2の放電用電極3とを含んでいる。複数の第1の放電用電極2は、スペーサ部材7を挟むように配置されている。複数の第2の放電用電極3は、他のスペーサ部材7を挟むように配置されている。
【0050】
本発明の他の実施形態の発光装置において、放電空間13が複数のサブ空間131−134を含んでいることにより、発光装置は、放電空間13内における放電設計に関する自由度に関して改善されている。
【0051】
本発明の他の実施形態の発光装置において、複数のサブ空間131−134の各々は発光強度または発光量が異なることにより、他の実施形態の発光装置は、使用用途に応じた適切な光照射空間を実現することができる。
【0052】
本発明の他の実施形態の発光装置について説明する。他の実施形態における発光装置において、図3に示された発光装置と異なる点は、放電空間13の構造である。図17に示されているように、放電空間13は、第1の放電用電極2が設けられた第1のサブ領域131と、第2の放電用電極3が設けられた第2のサブ領域132と、第1のサブ領域131および第2のサブ領域132の間に設けられた第3のサブ領域133を含んでいる。第3のサブ領域133は、第1のサブ領域131および第2のサブ領域132より縦断面積が小さい。特に、第3のサブ領域133は、陰極である第2の放電用電極3が設けられている第2のサブ領域132より断面積が小さい。他の実施形態における発光装置は、第2のサブ領域132より縦断面積の小さい第3のサブ領域133を有していることにより、第1の放電用電極2および第2の放電用電極3の大きさを維持しつつ、放電における電流密度を上げることができる。従って、他の実施形態における発光装置は、信頼性を維持しつつ発光強度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0053】
1 容器部材
11 基体
12 透光性部材
13 放電空間
2 第1の放電用電極
3 第2の放電用電極
4 不活性ガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電空間を有しており、前記放電空間を塞いでいる透光性部材を含む容器部材と、
前記放電空間内に封入された不活性ガスと、
前記放電空間内に設けられた複数の第1の放電用電極と、
前記放電空間内に設けられており、前記複数の第1の放電用電極と交互に配置された複数の第2の放電用電極と、
を備えた発光装置。
【請求項2】
前記容器部材が、前記放電空間を塞いでいるとともに前記透光性部材に接合された基体をさらに含んでおり、前記基体がセラミックスからなることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記透光性部材が、サファイアまたは透光性セラミックスからなることを特徴とする請求項2記載の発光装置。
【請求項4】
前記透光性部材が、焼結接合によって前記基体に接合されていることを特徴とする請求項3記載の発光装置。
【請求項5】
前記放電空間の下方に設けられているとともに前記容器部材に埋め込まれており、かつ、平面透視において前記複数の第1の放電用電極と前記複数の第2の放電用電極との間に配置されたトリガ用電極をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項6】
前記透光性部材の内部または外側表面に設けられており、平面視において前記複数の第1の放電用電極と前記複数の第2の放電用電極との間に配置されたトリガ用電極をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項7】
前記トリガ用電極が、透光性材料からなることを特徴とする請求項6記載の発光装置。
【請求項8】
前記容器部材が、前記放電空間を塞いでいるとともに前記透光性部材に接合された基体をさらに含んでおり、前記基体が前記放電空間に露出された反射部材を有していることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項9】
前記反射部材が、ポーラス状構造体であることを特徴とする請求項8記載の発光装置。
【請求項10】
前記反射部材が、セラミックスからなることを特徴とする請求項9記載の発光装置。
【請求項11】
前記放電空間が、前記第1の放電用電極が設けられた第1のサブ領域と、前記第2の放電用電極が設けられた第2のサブ領域と、前記第1のサブ領域および前記第2のサブ領域の間に設けられた第3のサブ領域とを含んでおり、前記第3のサブ領域が、前記第2のサブ領域より縦断面積が小さいことを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項12】
放電空間を有しており、前記放電空間を塞いでいる透光性部材を含む容器部材と、
前記放電空間内に封入された不活性ガスと、
平面視において前記放電空間を複数のサブ領域に分けるように、前記放電空間内に設けられたスペーサ部材と、
前記放電空間内に設けられており、前記複数のサブ領域の各々に配置された放電用電極対と、
を備えた発光装置。
【請求項13】
放電空間を有しており、前記放電空間を塞いでいる透光性部材を含む容器部材と、
前記放電空間内に封入された不活性ガスと、
平面視において前記放電空間を互いに独立した複数のサブ空間に分けるように、前記放電空間内に設けられたスペーサ部材と、
前記複数のサブ空間の各々に配置された放電用電極対と、
を備えた発光装置。
【請求項14】
不活性ガスが充填される放電空間を有しており、前記放電空間を塞いでいる透光性部材を含む容器部材と、
前記放電空間内に設けられた複数の第1の放電用電極と、
前記放電空間内に設けられており、前記複数の第1の放電用電極と交互に配置された複数の第2の放電用電極と、
を備えた発光管。
【請求項15】
不活性ガスが充填される放電空間を有しており、前記放電空間を塞いでいる透光性部材を含む容器部材と、
平面視において前記放電空間を複数のサブ領域に分けるように、前記放電空間内に設けられたスペーサ部材と、
前記放電空間内に設けられており、前記複数のサブ領域の各々に配置された放電用電極対と、
を備えた発光管。
【請求項16】
不活性ガスが充填される放電空間を有しており、前記放電空間を塞いでいる透光性部材を含む容器部材と、
平面視において前記放電空間を互いに独立した複数のサブ空間に分けるように、前記放電空間内に設けられたスペーサ部材と、
前記複数のサブ空間の各々に配置された放電用電極対と、
を備えた発光管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−96562(P2011−96562A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250694(P2009−250694)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】