説明

発光装置付き花束包装具

【課題】 簡単な装置と少ない個数の発光手段であるLEDと、花束包装具の透明フィルムを用いて、より華やかでより美しい花束を提供するための、発光装置付き花束包装具を提供する。
【解決手段】 電源及びスイッチ回路を内蔵する電源ボックスと、該電源ボックス内の電気回路に接続され、その先端部にLED素子をそれぞれ有する複数のリード線と、これらを花束に固定するための固定ベルトとからなる花束結束具及び少なくとも前記複数のLED素子の外周部を花束と共に覆うことのできる光拡散フィルムから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は花束用包装具に係り、特に、発光ダイオード(以下、LEDと記す)と光拡散フィルムとを組み合わせることによって、LEDからの種々の色の光を拡散させ、花束をより美しく華やかに照明する包装具を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
従来公知の花束用照明装置としては、例えば実開平5−25601号公報に係る考案が知られている。この照明装置においては、2本の絶縁ワイヤーからなるリード線にLEDで構成される照明ランプを取り付けて照明手段とし、このような照明手段を複数束ねておき、これを花束に組み込んでICの点滅機構によって点滅照明するものである。
【0003】
このような花束用照明装置によれば、それぞれの照明ランプの点滅によって放射される光は直接花束の花や葉に当りあるいは観賞者の目に達して、華やかさと美しさを感じさせるけれども、照明ランプの数に応じた光が放射されるだけで一層の華やかさに欠けると言う欠点があった。
【0004】
また、特開2007−9349号公報にも装飾用発光器具が開示されており、この発明によれば、電池及び電源回路を収納した電源部であるケーシングと、複数のリード線にそれぞれ取り付けられたLEDと、これらを保持する変形自在な細線部材とからなり、前記の電源回路は照度検出センサーによって検出された照度が所定の閾値になった時にLEDに対して電力を供給するものである。
【0005】
しかしながらこのような装飾用発光器具によるときは、構成が比較的複雑なわりには華やかさがなく、しかも、LEDからの光が直接目に入り、又は花束の花等に遮られることで、全体的な美しさに欠けるものであった。
【特許文献1】実開平5−25601号公報
【特許文献2】特開2007−9349号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来装置の欠点に鑑み、簡単な装置と少ない個数の発光手段であるLEDと、花束包装具の透明フィルムを用いて、より華やかでより美しい花束を提供するための、発光装置付き花束包装具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
電源及びスイッチ回路を内蔵する電源ボックスと、該電源ボックス内の電気回路に接続され、その先端部にLED素子をそれぞれ有する複数のリード線と、これらを花束に固定するための固定ベルトとからなる花束結束具及び少なくとも前記複数のLED素子の外周部を花束と共に覆うことのできる光拡散フィルムから構成され、前記電源ボックス内に設けられたスイッチ回路の投入によって前記LED素子を点滅させ、該LED素子からの光が前記光拡散フィルムによって拡散されることによって花束全体を装飾する構成である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、花束に設けられた結束具の電源手段に設けたスイッチ回路の作動により、複数のLEDが点灯され、結束具に設けたバッテリーにより、1〜2時間これを継続することができる。
また、スイッチ回路中に通電ストッパーを用いるときは、これを引き抜くことで花束の結束部がすっきりとして外観を損ねない。
そして、LEDの点灯は例えば3色の各LEDを順番に点滅できると共に、これらLEDからの点滅光が光拡散フィルムを通過する時に四方に拡散され、虹色に極めて美しく華やかに花々を照明することができる。
また、このような色とりどりの拡散光は直接観察者の目にも届くため、一層美しい花束贈呈の効果を演出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に係る発光装置付き花束包装具を図1〜図4により説明する。
図1は、本発明の花束包装具を用いて作成された花束10を示しており、種々の花々12〜14を束にした通常の花束11を有している。また、符号20で示す発光装置付き結束具は、その詳細を図2において説明するように、発光手段である複数のLED21A〜21Cと電源手段24と固定ベルト25を有している。更に、図中の符号Lは光拡散フィルム内側から放射される色とりどりの光を、模擬的に示している。
【0010】
符号30で示す透明シートは、後に図3、図4によって詳細を説明するように、少なくともLEDの周囲を覆う位置と広さで光拡散フィルムを有する花束包装用シートである。
そして、通常の花束11を上記花束包装用シート30で包装するに当って、上記結束具20の発光手段21A〜21Cを花束11内に挿入し、固定ベルトにより結束し、包装用シート30で覆ってリボン35が取り付けられる。
【0011】
図1に示すように、通常の花束11は複数の花々12〜14が束ねられるが、それぞれの花の種類によってその長さが異なっている。従って、このような花束は花の種類や色合いにより、バランスの良い長さや配置にして束が構成されている。そして、通常このような花束11は、一般的に透明な包装紙によってその外周を捲回包装されるけれども、本発明によるこのような包装は、光拡散フィルムからなる透明シート30によって捲回包装される。
すなわち、この実施例にあっては包装用透明シート30全体が光拡散フィルムで作られている。
【0012】
ここで、光拡散フィルムについて説明すれば、一般的に透明フィルムの一方側表面に多数の凹凸部を形成し、そこを透過する光の部分的な径路の差による当該透過光のランダムな屈折により拡散させるものが知られている。しかしながら、本願発明においては光拡散フィルムの構造自体が新規なものではなく、従来知られている種々の光拡散フィルムを使用できる。
【0013】
符号20で示す結束具は、特に図2で明らかなように、複数のLEDからなる照明手段21A〜21Cを有しており、これらの照明手段21A〜21Cは後述するように、それぞれが一対のワイヤーからなるリード線23〜23の先端に、複数のLED素子22A〜22C(例えば赤、青、黄色等の光を発する)を備えている。
【0014】
各LED照明手段21A〜21Cのリード線23〜23は電源手段24に接続されているが、その電源手段の構造自体は新規なものでなく、図示を省略している。
また、該電源手段24の内部には、各LED照明手段のリード線23〜23と電源とを電気的に接・断する電極部が設けられており、この電極部は通常、不導体材料からなる引抜き式通電ストッパー26を備えており、該通電ストッパー26を電源手段24部分から引抜くことによって、上記LED照明手段に通電されるようになっている。これは、2枚の接点板の間に通電ストッパー26の足部を挟持させる形式で構成可能である。
また、このような通電ストッパーの替りに、通常のON・OFFスイッチを用いることもできる。
【0015】
図3は、本発明において使用される光拡散フィルムの一形態を示している。光拡散フィルム自体の構成は、例えば特表2004−533656号公報他で知られており、光拡散フィルム自体の構造に一般的なものが利用できるけれども、例えば光拡散特性(例えば光の拡散度合が方向によって異なる)の異なる複数特性のフィルムを接続させたものや、単一特性のものを自由に利用できる。
なお、光拡散フィルムの構造については前記[0012]項に記載の通りである。
【0016】
そして、図3に示すごとき光拡散フィルム31を上記図1に示すように、一般的な包装用シート30としてそのまま使用することができる。この場合、包装用シート30部分の全体が光拡散シート31とされるので、図1における各LED照明手段21A〜21Cから放射された光は全て光拡散フィルムである包装用シート30によって拡散され、どの様な方向からも多数の部分から虹色の光が観測され、LEDの放射光及び花々からの反射光が色とりどりに美しく観察できる。
【0017】
図4は、通常の透明包装用シート30の一部に帯状の光拡散フィルム31を添着したものを示している。これは、光拡散フィルム自体の使用量をより少なくして包装手段を安価に作成するものであって、図4の包装用シート30は従来一般の花束包装用の形状とし、併しながら当該包装用シート30を用いて図1のように花束を包装した場合に、各LED照明手段21A〜21Cの外周部を完全に覆い得る位置にのみ、光拡散フィルム31が配置されるものである。
【0018】
続いて、本発明の構成に係る発光装置付き花束包装具の作用を説明すると、例えば各種パーティー等における贈呈用花束11に、特に図2に示すごとき結束具20を固定ベルト25により取り付け、その外周を光拡散フィルム31からなる透明包装シート30又は図4に示すごとき光拡散フィルム31付きの透明包装シート30で捲回包装し、リボン35を取り付ける。
【0019】
その後、例えば花束贈呈の寸前に電源手段24から通電ストッパー26を引き抜くと、図示しない電源バッテリーから各LED21A〜21Cに通電され、別途電源手段24内に設けた電子回路によって例えば赤、青、黄色の3色のLEDが順次点滅される。すると、これらのLEDから放射された光又は花に反射された光は光拡散フィルム31の部分を透過し、虹色の拡散光(図1の符号L)となって点滅するものである。
なお、上記電源バッテリーとしては、図示のごとき複数個のLEDを1〜2時間点滅可能な容量で十分である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の発光装置付き花束包装具を取り付けた花束の外観図である。
【図2】図1の発光装置付き結束具の展開図である。
【図3】光拡散フィルムの斜視図である。
【図4】光拡散フィルムを添着した包装シートの平面図である。
【符号の説明】
【0021】
10 花束
12〜14 花
20 発光装置付き結束具
21A〜21C 照明手段
22A〜22C LED素子
23 リード線
24 電源手段
25 固定ベルト
26 通電ストッパー
30 花束包装用シート
31 光拡散フィルム
35 リボン







【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源及びスイッチ回路を内蔵する電源ボックスと、該電源ボックス内の電気回路に接続され、その先端部にLED素子をそれぞれ有する複数のリード線と、これらを花束に固定するための固定ベルトとからなる花束結束具及び少なくとも前記複数のLED素子の外周部を花束と共に覆うことのできる光拡散フィルムから構成され、前記電源ボックス内に設けられたスイッチ回路の投入によって前記LED素子を点滅させ、該LED素子からの光が前記光拡散フィルムによって拡散されることによって花束全体を装飾することを特徴とする発光装置付き花束包装具。
【請求項2】
前記光拡散フィルムは、通常の花束包装用透明シートを兼ねていることを特徴とする請求項1記載の発光装置付き花束包装具。
【請求項3】
前記光拡散フィルムは、通常の花束包装用透明シートの一部に添着されていることを特徴とする請求項1記載の発光装置付き花束包装具。
【請求項4】
前記スイッチ回路の投入は、通電ストッパーを引き抜くことで行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発光装置付き花束包装具。














【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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