説明

発光装置

【課題】発光液の動きと発光の色合いの変化とが単純化するのを防止することで、より演出効果の高い発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置10は、最上段に位置する第1演出用容器21から最下段に位置する第3演出用容器23まで溢れた所定色の発光液が流れ落ちる演出部20と、第3演出用容器23の発光液を第1演出用容器21へ戻すために、第1接続管32、第2接続管35および戻り管36が設けられた配管とにより形成された循環経路と、第3演出用容器23からの発光液を配管へ液送するポンプ34と、循環経路に他の色に発光する発光液を投入する投入部33とを備えている。投入部33は、他の色に発光する発光液となる発光原液および発光反応液をそれぞれ貯留する上部が開口した第1ボトルB1と第2ボトルB2と、これらの液を混合させる混合用容器31と、2つのボトルの上下反転させる投入制御部およびモータ322とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結婚式の披露宴、パーティー、ショー、その他のセレモニーなどにおいて演出器材として使用される発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
結婚式の披露宴や各種パーティーなどにおいては、幻想的な雰囲気を醸成するために、スポットライトや、キャンドル、または化学発光反応によって特有の光を発する発光装置などにより光の演出が行われている。このような光の演出を行う発光装置が、特許文献1に記載されている。
【0003】
この特許文献1の演出用化学発光液の液送システムは、複数の発光液タンクに発光色の異なる発光原液が入れられると共に、補助液タンクに発光反応液が入れられており、発光液タンクおよび補助液タンクに保持された発光原液と発光反応液とを定容量ポンプにてウェディングケーキの中を通る配管によって、ウェディングケーキの上方に固定配置された天板部に液送されるものである。
【0004】
天板部に液送された発光液は、天板部の円周に沿って垂直方向に配置された多数の透明なプラスチック棒を伝って流れ落ち、プラスチック棒の中間位置に設けられた液溜めを経由して、最終的には、ケーキ受け板の上に配置された発光液の受け容器に溜まるようになっている。このように、特許文献1の演出用化学発光液の液送システムは、プラスチック棒に、流れ落ちる発光液を一旦、貯めておくことのできる液溜めが設けられているので、発光液の動きが単純化するのを防いで、長時間に亘って複雑、微妙に変化する流れを演出することができるものである。
【0005】
【特許文献1】特開2000−164001号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の演出用化学発光液の液送システムでは、発光液タンクや補助液タンクから液送され混合された発光液が、プラスチック棒を伝わって流れ落ちて、受け容器に溜まっていく一方である。
【0007】
従って、次々と液送される発光原液液と発光反応液とを切り替えることで発光色を変えることができても、発光液タンクの発光原液や補助液タンクの発光反応液がなくなると、プラスチック棒の中間位置に設けられた液溜めと、ケーキ受け板の上に配置された発光液の受け容器とに貯留された発光液が発光するだけで、流れの変化がない状態となってしまう。そうなると、単なる容器内で発光液が明るく光るだけとなってしまうので、演出効果が減退してしまう。
【0008】
そこで本発明は、発光液の動きと発光の色合いの変化とが単純化するのを防止することで、より演出効果の高い発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の発光装置は、最上段の演出用容器から最下段の演出用容器まで溢れた所定色の発光液が流れ落ちる演出部と、前記最下段の演出用容器の発光液を最上段の演出用容器へ戻すための配管とにより形成された循環経路と、前記最下段の演出用容器からの発光液を前記配管へ液送するポンプと、前記循環経路に他の色に発光する発光液を投入する投入部とを備えたことを特徴とする。
本発明の発光装置は、循環経路を通して所定色に発光する発光液をポンプにより循環させることができる。投入部は循環経路に他の色に発光する発光液を投入することができる。そうすることで、最上段の演出用容器から最下段の演出用容器まで溢れた所定色の発光液が流れ落ちる演出部は、循環する発光液で変化が連続的に起きると共に、新たな色が追加されることで新たな色が行き渡る際に、徐々に色が混合して色合いの変化が起きる。従って、連続的に流れによる動きの変化に、色合いの変化が加わることで、発光液の動きが単純化することが防止できる。
【0010】
前記投入部は、前記他の色に発光する発光液となる発光原液および発光反応液をそれぞれ貯留する2つの貯留用容器と、前記最下段の演出用容器と前記配管との間に配置された混合用容器と、前記貯留用容器を回転させて、貯留された発光液を前記混合用容器に吐出させる反転部とを備えるのが望ましい。
2つの貯留用容器に、他の色に発光する発光液となる発光原液および発光反応液をそれぞれ貯留しておく。この貯留用容器を反転部により回転させ、混合用容器に新たな色の発光液を吐出させる。そうすることで2つの貯留用容器にそれぞれ貯留された発光原液と発光反応液とが貯留用容器内で一気に撹拌された状態のように混じり合うので、全体的に偏りなく発光させることができる。従って、最もよい発光状態の発光液をポンプにより演出部の最上段の容器へ液送することができる。
【0011】
前記貯留用容器に貯留された発光液を前記混合用容器へ吐出させる指示の信号により前記反転部に回転を指示する制御部とを備えるのが望ましい。
演出部の演出用容器から溢れて流れ落ちる発光液の状態や、流れ落ちる発光液を注視する回りの観客の状況を推し量りながら、混合用容器へ吐出させる指示の信号が送信されれば、制御部が反転部に回転を指示して循環経路に貯留用容器に貯留された発光原液と発光反応液とを、絶妙のタイミングで追加することができる。
【0012】
前記演出用容器には、上段に位置する演出用容器から流れ落ちる発光液が飛散することを防止する充填物が周壁面上部まで積み重なるように収納され、前記演出用容器の周壁縁部には、1以上の切欠部が設けられ、前記切欠部は、前記演出用容器内に収納される飛散防止用の充填物が流れ落ちる発光液により流出しないように、前記充填物の大きさより幅が狭く形成されているのが望ましい。
循環経路を連続的に循環する発光液は、上段に位置する演出用容器から溢れ出て下段に位置する演出用容器に流れ落ちることで、光の帯のように見える幻想的な演出を醸成することができる。しかし、その際に、下段に位置する演出用容器には発光液が溜まっているので、上段に位置する演出用容器から落下した発光液が飛び散ることで周囲を汚染してしまうおそれがある。また、下段に位置する演出用容器に何も入っていないと、溢れるまで発光液を満たすには多量の発光液が必要である。演出用容器の周壁面上部まで積み重なるように充填物が収納されていることで、演出用容器を満たす発光液を少なくすることができる。また、演出用容器の周壁縁部に、1以上の切欠部が設けられていることで、切欠部が設けられている高さまで満たされた時点で発光液は切欠部から流れ出るので、更に少ない量の発光液で溢れさせることができる。そして、切欠部が設けられている高さで発光液が溢れ出ることで、周壁面上部に位置する充填物まで発光液が満ちることがない。従って、上段に位置する演出用容器から流れ落ちる発光液は、発光液から露出した充填物に当たることで、溜まった発光液まで到達せず、落下の応力が緩和されるので、溜まった発光液や流れ落ちる発光液の飛散を防止することができる。切欠部は、充填物の大きさより幅が狭く形成されているので、充填物が切欠部からこぼれ落ちたり、流出したりしてしまうことが防止できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、循環する発光液で変化が連続的に起きると共に、新たな色が追加されることで新たな色が行き渡る際に徐々に色合いの変化が起きるので、発光液の動きが単純化することが防止できる。よって、本発明の発光装置は、より高い演出効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に実施の形態に係る発光装置を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る発光装置を示す正面図である。図2は、図1に示す発光装置の第1演出用容器を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A線断面図である。図3は、図1に示す発光装置の第2演出用容器を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線断面図である。図4は、第2演出用容器の周壁縁部を一部拡大した斜視図である。図5は、図1に示す発光装置の基台部内を説明するための図である。
【0015】
図1に示すように発光装置10は、披露宴やパーティーなどでメインテーブル上に配置され、光の演出効果を醸し出すためのもので、新郎新婦が柄杓H1,H2により発光原液と発光反応液とを注ぐことで混合させた発光液が流れる演出部20と、演出部20を支持する基台部30とを備えている。
【0016】
演出部20は、最上段に位置する第1演出用容器21と、中段に位置する第2演出用容器22と、最下段に位置する第3演出用容器23とを備えている。
【0017】
第1演出用容器21は、図2に示すように、透明なガラス製で漏斗状に形成されている。この第1演出用容器21の上端の縁部には、15°ごとに半径方向に沿って案内溝21aが形成されている。この角度は適宜決定することが可能であるが、案内溝21aの数が少なすぎたり案内溝21aの配置に偏りがあったりすると、発光液の溢れ方に偏りが発生するため、案内溝21aは第1演出用容器21の上端の縁部に、均等に、かつある程度の数を設けるのが望ましい。
【0018】
第1演出用容器21には、直径が約8mm程度のガラス製の球状の充填物が上端の開口面とほぼ同じ位置まで収納されている。
【0019】
また、第1演出用容器21の下端には、詳細には後述する戻り管36(図5参照)の先端部を配置するための貫通孔21bが設けられている。また、この貫通孔21bの開口部には、拡径部21cが設けられ、第2演出用容器22と連結するためのねじ孔21dが設けられている。
【0020】
第2演出用容器22は、図3に示すように、透明なガラス製で、先端部に設けられた皿部221と、皿部221を支持する支柱部222とで構成されている。
【0021】
皿部221には、溝が環状に形成されていることで発光液を溜める貯留部221aが設けられている。この貯留部221aには、図4に示すように、直径が約8mm程度のガラス製の球状の充填物223が周壁221bの上部まで積み重なるように収納されている。また、周壁221bの縁部には、この充填物223の大きさより幅が狭い切欠部221cが、15°ごとに半径方向に沿って設けられている。この切欠部221cは、積み重ねられた充填物223の高さより低い位置(深い位置)に発光液の液面を維持するために設けられている。この切欠部221cは、1つあれば液面を積み重ねられた充填物223の高さより低い位置に維持することができるが、皿部221の周囲全体から発光液が糸状に流れ落とした方が、より美しさを向上させることができるので、本実施の形態のように、皿部221の周壁221b全体にかけて切欠部221cを設けるのが望ましい。この皿部221の外周面には、切欠部221cの底部から下方へ向かって垂下する案内溝221dが設けられている。
【0022】
支柱部222は、戻り管36(図5参照)を挿通させるための空間222aが設けられていることで円筒形状に形成されている。支柱部222の基端側には第3演出用容器23から突出したねじ棒を挿通させてナットで固定するためにねじ孔222bが形成された略円盤状の鍔部222cが設けられている。
【0023】
図1に示すように、第3演出用容器23は、基端から先端に向かうに従って直径が徐々に大きくなる傾斜面により周壁23aが形成された透明なガラス製の容器である。第3演出用容器23の底面には、基台部30内に配置された第1接続管32(図5参照)と連通する貫通孔(図示せず)が設けられている。第3演出用容器23は、第2演出用容器22から流れ落ちる発光液が一時的に溜まる他、披露宴やパーティーに設置されるときには、意匠性を向上させるために、周壁23aの外周面に沿ってフリルを形成したレース布Fが装着される。また、第3演出用容器23内に生花や造花、ガラス製の球状体なども配置することも可能である。
【0024】
基台部30は、筐体がステンレス製で形成されている。基台部30の内部には、図5に示すように、発光原液と発光反応液とを混合させるための混合用容器31と、第3演出用容器23の底面に設けられた貫通孔と混合用容器31とを接続する第1接続管32と、混合用容器31へ発光原液と発光反応液とを投入する投入部33と、発光液を液送するポンプ34と、混合用容器31およびポンプ34を接続する第2接続管35と、ポンプ34から第1演出用容器21まで第3演出用容器23の底面中央を貫通し、第2演出用容器22の内部の空間222aを挿通して発光液を戻す戻り管36と、無線信号を受信する無線制御部37とが収納されている。
【0025】
混合用容器31は、ステンレス製で直方体状に形成され、上面が開放した容器である。
投入部33は、発光原液が貯留された第1ボトルB1と発光反応液が貯留された第2ボトルB2とを保持する保持部331と、保持部331を回転させて反転させるモータ332と、モータ332に対して正転および逆転を指示する投入制御部333とを備えている。この投入制御部333と投入制御部333の指示により回転するモータ332とで反転部が形成されている。
【0026】
保持部331は、第1ボトルB1および第2ボトルB2を担持すると共に、第1ボトルB1および第2ボトルB2の首部を固定する部材(図示せず)により第1ボトルB1および第2ボトルB2を固定した状態で保持している。保持部331の両端には支持軸331aが設けられ、保持部331全体が回動自在に支持されている。
【0027】
ポンプ34は、投入制御部333からの指示に応じて液送の開始、停止を行うもので、例えばチューブポンプが使用できる。第1接続管32,第2接続管35,戻り管36としては、耐腐食性が強く弾性を有するシリコンチューブが使用できる。
無線制御部37は、図示しないリモコン装置からの無線信号をアンテナ37aを介して受信し、無線信号に応じた指示を投入制御部333に出力する機能を備えている。本実施の形態では、無線信号により指示を受信しているがリモコン装置と有線により接続されていてもよい。しかし、披露宴会場やパーティー会場に配線する手間を要する他、見栄えが悪く、リモコン装置を携帯するスタッフも移動しにくくなるので、無線信号により指示を送信する方がよい。
【0028】
第1演出用容器21に柄杓H1により注がれる発光原液や、第1ボトルB1に貯留される発光原液は、蛍光物質、シュウ酸エステル、染料などを溶媒に溶かした蛍光液を用いることができる。また、第1演出用容器21に柄杓H2により注がれる発光反応液や、第2ボトルB2に貯留される発光反応液としては、過酸化水素、サリチル酸ナトリウムなどを溶媒に溶かした酸化液を用いることができる。
【0029】
この第1演出用容器21に注がれて混合されることで発光する発光液の色と、第1ボトルB1および第2ボトルB2からそれぞれ吐出され、混合用容器31にて混合されることで発光する発光液の色とは、異なる色である。例えば、第1演出用容器21側を青色とした場合には、第1ボトルB1および第2ボトルB2から追加される色を赤色とすることができる。
【0030】
本実施の形態では、発光原液および発光反応液を貯留する貯留容器として第1ボトルB1,第2ボトルB2としているが、発光原液および発光反応液を貯留可能な容量で、かつ耐腐食性がある容器であれば金属製の容器でも他の容器でもよい。しかし、発光原液および発光反応液を入手したときの容器と異なる容器とすると、保持部331に保持させる際に発光原液や発光反応液を移し換える必要があるので、発光原液および発光反応液を入手する際に使用されるボトルをそのまま第1ボトルB1,第2ボトルB2とするのが望ましい。
【0031】
以上のように構成された本発明の実施の形態に係る発光装置の動作および使用状態を図面に基づいて説明する。本実施の形態では披露宴に発光装置10を設置する場合を例に説明する。
【0032】
まず、披露宴の会場のメインテーブル上に発光装置10を設置する。また、予め準備しておいた発光原液が入った第1ボトルB1と、発光反応液が入った第2ボトルB2とを、キャップを取った状態で、保持部331に保持させておく。そして、柄杓H1には発光原液を入れておき、柄杓H2には発光反応液を入れておく。
【0033】
次に、スポットライトを浴びながら新郎新婦が会場へ入場してメインテーブルまで移動すると、スタッフにより発光原液と発光反応液とがそれぞれ入れられた柄杓H1,H2をがされる。新郎新婦は、メインテーブル上に設置された発光装置10の第1演出用容器21に、柄杓H1,H2内の発光原液および発光反応液をそれぞれ注ぐ。
【0034】
発光原液と発光反応液とは、第1演出用容器21に注がれることで混じり合い、第1演出用容器21内で明るく青色に輝き始める。第1演出用容器21には球状の充填物が収納されているので、少ない量の発光液で第1演出用容器21全体を満たすことができる。また、第1演出用容器21は透明なガラス製なので、出席者は混合された発光液が混じり合いながら発光する様子を、注ぎ始めから視認することができる。更に、発光液の光が球状の充填物により乱反射したり屈折したりすることで、幻想的な雰囲気を醸し出すことができる。
【0035】
そして、注がれることで混合した発光液の総容量が、充填物が収納された第1演出用容器21の容量を超えると、第1演出用容器21から溢れ始め、第1演出用容器21の上端の縁部に設けられた案内溝21aに導かれ、案内溝21aから糸が垂れるように第2演出用容器22へ流れ落ちる。出席者は、発光液の流れを楽しむことができる。
【0036】
第2演出用容器22に流れ落ちる発光液は、第2演出用容器22の貯留部221aに積み重ねられた球状の充填物223へ落下する。
例えば、第2演出用容器22の周壁221bの縁部に切欠部221cがなく、貯留部221aに充填物223が入れられていない場合では、貯留部221a全てに発光液を満たすことで、発光液が第2演出用容器22から溢れ、第3演出用容器へ流れ出る。しかし、貯留部221a全てに発光液を満たすには大量の発光液が必要である。また、貯留部221aに発光液が満たされた状態では、粘性の高い発光液は表面張力によって第2演出用容器22の開口面より相当盛り上がった状態となる。このような状態で第1演出用容器21から発光液が流れ落ちると、落差が小さくても簡単に飛び散ってしまい周囲を汚染してしまう。
【0037】
第2演出用容器22の貯留部221aに充填物223が周壁221bの開口面とほぼ同じ位置まで積み重ねられていることで、第2演出用容器22を満たす発光液を少なくすることができる。また、第2演出用容器22の周壁221bに、切欠部221cが設けられていることで、切欠部221cが設けられている高さまで満たされた時点で発光液は切欠部221cから溢れ出るので、更に少ない量の発光液で溢れさせることができる。
【0038】
そして、切欠部221cが設けられている高さで発光液が溢れ出ることで、周壁221b上部に位置する充填物223まで発光液が満ちることがない。従って、第1演出用容器21から流れ落ちる発光液は、発光液から露出した充填物223に当たることで、貯留部221aに溜まった発光液に到達せず、落下の応力が緩和されるので、溜まった発光液や流れ落ちる発光液の飛散を防止することができる。また、切欠部221cは、充填物223の大きさより幅が狭く形成されているので、充填物223が切欠部221cからこぼれ落ちたり、流出したりしてしまうことが防止できる。
【0039】
第2演出用容器22の満たした発光液は、周壁221bに設けられた切欠部221cから漏れ出ると共に、案内溝221dに導かれて、糸が垂れるように第3演出用容器23へ流れ落ちる。出席者は、次々と流れる発光液の動きを楽しむことができる。
【0040】
第3演出用容器23に流れ落ちた発光液は、徐々に第3演出用容器23内に溜まっていく。ここで、図示しないリモコン装置を携帯するスタッフが、発光液の追加を指示する操作を行ったとする。
【0041】
リモコン装置からの無線信号をアンテナ37aを介して受信した無線制御部37は、発光液を追加する旨の指示により、第1ボトルB1に貯留された発光原液と第2ボトルB2に貯留された発光反応液を混合用容器31へ吐出させる指示を投入制御部333へ出力する。また、無線制御部37はポンプ34を始動させる。
【0042】
投入制御部333がモータ332を正転させることで、保持部331は支持軸331aを中心として180°回転することで、第1ボトルB1と第2ボトルB2とを上下反転させる。そうすることで、第1ボトルB1内の発光原液と、第2ボトルB2内の発光反応液とが、勢いよく混合用容器31内に吐出して混合される。第1ボトルB1と第2ボトルB2とを上下反転させることで、一気に撹拌された状態のように混じり合うので、全体的に偏りなく発光させることができる。
【0043】
次に、投入制御部333は、内部のタイマーにより所定時間を計測した後に、モータ332を逆転させて、反転した第1ボトルB1と第2ボトルB2とを正位置まで戻す。この所定時間は、第1ボトルB1と第2ボトルB2とからそれぞれ排出できる程度の時間とするのが望ましいが、何回かに分けて第1ボトルB1と第2ボトルB2とからの発光液を追加するように制御するときには、所定時間を短くすることも可能である。
【0044】
発光し始めた発光液は、ポンプ34により吸引されることにより混合用容器31から排出される。混合用容器31の下部からは混合された発光液の一部が徐々に排出されるが、偏りなく混じり合った発光液は最もよい発光状態で取り出すことができる。従って、最初から最後まで最もよい発光状態の発光液を混合用容器31から戻り管36へ液送することができる。
【0045】
発光液は、混合用容器31から第2接続管35を介して戻り管36内に押し出されて第2演出用容器22の支柱部222を上昇する。
本実施の形態では、ポンプ34としてチューブポンプを採用しているので、発光液は脈動するように液送される。発光液が戻り管36内を脈動するように上昇することで、シリコンチューブで形成された戻り管36がこの脈動に合わせて揺動する。従って、第2演出用容器22内を通過する戻り管36が揺動しながら上昇する発光液の赤色の動きにより、出席者を飽きさせることがない。
【0046】
戻り管36を介して第1演出用容器21へ戻った赤色の発光液は青色の発光液と少しずつ混じり合い、最初は紫色となり、そして紫色から徐々に赤味が強くなっていく。第1演出用容器21を観察する出席者はこの色の変化を楽しむことができる。
【0047】
一方、第3演出用容器23に溜まった青色の発光液は、第1接続管32を介して混合用容器31へ流れ、第1ボトルB1および第2ボトルB2により混合された赤色の発光液と混じるが、タイミングによっては混合用容器31の赤色の発光液はほぼ液送された状態であれば、第3演出用容器23からの青色の発光液はほぼ青色の状態を保持したまま、混合用容器31に貯留される。そして、ポンプ34により第2接続管35を介して混合用容器31から吸い出された青色の発光液は、戻り管36を介して第1演出用容器21へ戻り、赤味が強くなった紫色の発光液と混ざり、少し紫色が薄くなった発光液となる。
【0048】
発光液が混合用容器31から第1演出用容器21へ戻り、途切れることなく連続的に第1演出用容器21から溢れ出し第2演出用容器22へ流れ落ち、そして第2演出用容器22から溢れ出し第3演出用容器23へと流れ落ちる。
【0049】
このように、第1演出用容器21から第3演出用容器23まで発光液が流れ落ちる演出部20と、第1接続管32、第2接続管35および戻り管36が設けられた配管とで形成された循環経路を、発光液をポンプ34が循環させることで、連続的に起きる発光液の流れの変化を楽しむことができる。また、投入部33が循環経路に新たな色の発光液を追加することで、色合いの変化を楽しむことができる。
また、第1演出用容器22から第2演出用容器22へ飛び散らせることなく連続的に発光液を流れ落とすことができるので、安心して発光液の流れを楽しむことができる。
【0050】
なお、本実施の形態では、投入部33として、第1ボトルB1と第2ボトルB2とを上下反転させることで新たな色の発光液を混合させていたが、他の方法で混合させてもよい。例えば、図6(A)に示すように、混合用容器31に発光原液か発光反応液のいずれか一方を予め入れておき、他方の液を投入用容器38xに入れておき、電磁バルブ39xの開閉を投入制御部333xにより制御することで、混合用容器31にて混合させることも可能である。また、図6(B)に示すように、投入用容器38yの底の排出孔の開閉する開閉蓋38zを、投入制御部333yからの指示によりソレノイド39yによる上下させて混合用容器31にて混合させることも可能である。
【0051】
しかし、一方の液と他方の液とが混ざる度合いが少ないので、混合用容器31における発光状態に偏りが発生するおそれがある。従って、発光原液と発光反応液とを混ぜるときには、本実施の形態に係る投入部33のように、貯留用容器である第1ボトルB1と第2ボトルB2とを上下反転させて一度に撹拌するように混合させるのが望ましい。
【0052】
本実施の形態では、第1演出用容器21から第3演出用容器23まで、溢れた発光液が流れ落ちることで次の演出用容器まで移動しているが、棒などを伝わらせたり、チューブ内を流したりすることも可能である。しかし、発光液を流れ落とした方が、観察者から発光液を直接的に観察することができると共に、発光液の動きが早いので、観察者に与えるインパクトが大きいので望ましい。
【0053】
また、本実施の形態では、第1演出用容器21から第3演出用容器23まで2段階に発光液が流れ落ちるようにしているが、演出用容器を2つにして1段階としても、4つ以上にして3段階以上としてもよい。
更に、投入部33では2液混合タイプの発光液を1種類、混合して循環経路に投入しているが、2種類以上の色の発光液を混合させるようにしてもよい。その場合には無線信号で1種類ずつ投入する発光液を選択可能とするのが望ましい。
【0054】
更に、本実施の形態では、充填物223として球状体を使用しているが、多面体状でも異形状でも積み重ねることで、流れ落ちる発光液が飛散することが防止できれば他の形状でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、連続的に流れる発光液の変化を楽しませ、幻想的な雰囲気を醸成する演出ができるので、結婚式の披露宴、パーティー、ショーその他のセレモニーなどの演出器材として使用される発光装置に最適である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態に係る発光装置の正面図である。
【図2】図1に示す発光装置の第1演出用容器を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A線断面図である。
【図3】図1に示す発光装置の第2演出用容器を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線断面図である。
【図4】第2演出用容器の周壁縁部を一部拡大した斜視図である。
【図5】図1に示す発光装置の基台部内を説明するための図である。
【図6】投入部の変形例を示す図であり、(A)は電磁バルブを使用した例、(B))はソレノイドを使用した例を示す図である。
【符号の説明】
【0057】
10 発光装置
20 演出部
21 第1演出用容器
21a 案内溝
21b 貫通孔
21c 拡径部
21d ねじ孔
22 第2演出用容器
221 皿部
221a 貯留部
221b 周壁
221c 切欠部
221d 案内溝
222 支柱部
222a 空間
222b ねじ孔
222c 鍔部
223 充填物
23 第3演出用容器
23a 周壁
30 基台部
31 混合用容器
32 第1接続管
33 投入部
331 保持部
331a 支持軸
332 モータ
333,333x,333y 投入制御部
34 ポンプ
35 第2接続管
36 戻り管
37 無線制御部
37a アンテナ
38x,38y 投入用容器
38z 開閉蓋
39x 電磁バルブ
B1,B2 ボトル
H1,H2 柄杓
F フリル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最上段の演出用容器から最下段の演出用容器まで溢れた所定色の発光液が流れ落ちる演出部と、前記最下段の演出用容器の発光液を最上段の演出用容器へ戻すための配管とにより形成された循環経路と、
前記最下段の演出用容器からの発光液を前記配管へ液送するポンプと、
前記循環経路に他の色に発光する発光液を投入する投入部とを備えたことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記投入部は、前記他の色に発光する発光液となる発光原液および発光反応液をそれぞれ貯留する2つの貯留用容器と、
前記最下段の演出用容器と前記配管との間に配置された混合用容器と、
前記貯留用容器を回転させて、貯留された発光液を前記混合用容器に吐出させる反転部とを備えた請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記貯留用容器に貯留された発光液を前記混合用容器へ吐出させる指示の信号により前記反転部に回転を指示する制御部を備えた請求項2記載の発光装置。
【請求項4】
前記演出用容器には、上段に位置する演出用容器から流れ落ちる発光液が飛散することを防止する充填物が周壁面上部まで積み重なるように収納され、
前記演出用容器の周壁縁部には、1以上の切欠部が設けられ、
前記切欠部は、前記演出用容器内に収納される飛散防止用の充填物が、流れ落ちる発光液により流出しないように、前記充填物の大きさより幅が狭く形成されている請求項1から3のいずれかの項に記載の発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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