説明

発光装置

【課題】光源を収容するために導光板に形成される収容空間の内面の精度を高めることができ、これにより導光板からの放射光の分布が均一化された発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置1は、素子実装基板33と、素子実装基板33に実装されたLED素子32と、素子実装基板33上でLED素子32を封止するガラス封止部34と、を有する光源3Aと、板状の透光性部材からなり、光源3Aの少なくとも一部を収容する凹部20a,20bを有する導光板2A,2Bとを備え、凹部20a,20bは、導光板2A,2Bの端面21a,21bの延伸方向における光源3Aに対応する位置に、導光板2A,2Bの裏面23から表面22側に導光板2A,2Bの厚さ方向に延びるように切り欠き形成され、光源3Aは、導光板2A,2Bの厚さ方向に平行な方向の光軸に対して直交する方向に光を放射する側面34bを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源の光を導光板へ入射させ、導光板の表面から面状に放射させる発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
導光板を用いた発光装置として、導光板にその厚さ方向の複数の収容穴を形成し、これら複数の収容穴の内部にそれぞれ光源を配置したものが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
この種の発光装置では、光源の光が収容穴の内面から導光板内に入射し、導光板の表面から面状に放射されるように構成されている。このような発光装置は、例えば液晶表示装置のバックライトや、蛍光灯等に置き換えられる照明装置として用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−276491号公報
【特許文献2】特開2009−231012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような発光装置では、導光板から面状に放射される光の強度のムラの低減のため、光源を収容する穴の内面の加工精度を確保する必要がある。しかし、従来の発光装置では、導光板の成形後に切削により穴を形成する場合には、穴の内面を平滑にすることが困難であった。また、導光板を射出成形するための金型に円柱状の突起を設けることによって光源を収容する穴を形成する場合には、導光板を金型から取り出す際に穴の形状が歪んだり、複数の穴に沿って割れが発生することがあった。
【0006】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光源を収容するために導光板に形成される収容空間の内面の精度を高めることができ、これにより導光板からの放射光の分布が均一化された発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、素子実装基板と、前記素子実装基板に実装されたLED素子と、前記素子実装基板上で前記LED素子を封止する封止部と、を有する光源と、板状の透光性部材からなり、前記光源の少なくとも一部を収容する収容部を有する導光板と、を備え、前記収容部は、前記導光板の端面の延伸方向における前記光源に対応する位置に、前記導光板の一面から他面側に前記導光板の厚さ方向に延びるように切り欠き形成された凹部であり、前記光源は、前記導光板の厚さ方向に平行な方向の光軸に対して直交する方向に光を放射する側面を有する発光装置を提供する。
【0008】
また、上記発光装置において、前記導光板の前記一面に対する前記凹部の内面の角度をα°とし、前記導光板の屈折率をnとしたとき、
90−sin−1[{sin(90−α)}/n]+α≧sin−1(1/n)
の式を満たすとよい。
【0009】
また、上記発光装置において、前記導光板の前記一面に対する前記凹部の内面の角度をα°とし、前記導光板の屈折率をnとしたとき、
α≦90−2×sin−1[sin{(90−α)/n}]
の式を満たすとよい。
【0010】
また、上記発光装置において、複数の前記導光板を有し、前記光源は、前記複数の前記導光板の端面に互いに対向するように形成された一対の前記凹部のそれぞれに少なくとも一部が収容されるとよい。
【0011】
また、上記発光装置において、前記導光板は、前記凹部が形成された端面同士の間に空隙を有するとよい。
【0012】
また、上記発光装置において、前記導光板の前記凹部に前記光源を介して対向し、前記光源の光を前記導光板側に反射する第1の反射部材をさらに有するとよい。
【0013】
また、上記発光装置において、前記光源から前記光軸の方向に放射される光の少なくとも一部を反射する第2の反射部材をさらに有するとよい。
【0014】
また、上記発光装置において、前記凹部の内面は、前記凹部が設けられた前記導光板の前記端面と平行でない複数の面からなるとよい。
【0015】
また、上記発光装置において、前記凹部は、前記導光板を厚さ方向に貫通しているとよい。
【0016】
また、上記発光装置において、前記凹部は、前記一面からから前記他面に向かって、前記導光板の厚さ方向の途中まで形成されているとよい。
【0017】
また、上記発光装置において、前記凹部は、前記導光板の前記一面から前記他面に向かって、前記導光板を厚さ方向に貫通しているとよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、光源を収容するために導光板に形成される収容空間の内面の精度を高めることができ、これにより導光板からの放射光の分布が均一化された発光装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図である。
【図2】図2は、発光装置の穴部の平面図である。
【図3】図3は、図1(b)に示すC部の拡大図である。
【図4】図4は、LED素子を示し、(a)は平面図、(b)は模式断面図である。
【図5】図5は、発光装置の使用状態の一例を示す図である。
【図6】図6は、第1の実施の形態に係る発光装置における光源の発光光の進み方の例を示す図である。
【図7】図7は、比較例として示す、光源の発光光の進み方の例を示す図である。
【図8】図8(a)及び(b)は、導光板の変形例を示す図である。
【図9A】図9A(a)乃至(d)は、光源の出射側の構造の変形例を示す図である。
【図9B】図9Bは、光源の出射側の構造の変形例を示す図である。
【図10】図10は、本発明の第2の実施の形態に係る発光装置を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のD−D線断面図である。
【図11】図11は、本発明の第3の実施の形態に係る発光装置を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のE−E線断面図である。
【図12】図12(a)及び(b)は、第3の実施の形態に係る光源及び比較例の光源の中心部から発した光の進み方の一例を、その上面に垂直な方向から見た状態を示す図である。
【図13】図13は、本発明の第4の実施の形態に係る発光装置を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のF−F線断面図、(c)は(b)のG−G線断面図である。
【図14】図14は、第4の実施の形態の第1の変形例における光源及びその周辺部を示す図であり、(a)は図13(c)に対応する断面図、(b)は図13(b)に対応する断面図である。
【図15】図15は、第4の実施の形態の第2の変形例に係る発光装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0021】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は、(a)のB−B線断面図である。
【0022】
この発光装置1は、端面同士が付き合わされた2つの導光板2A,2Bと、一対の導光板2A,2Bを組み合わせることによって長手方向に沿って形成された複数の穴部20と、各穴部20に収容され、線状に配列された複数の光源3Aと、複数の光源3Aが搭載され、これら複数の光源3Aに電源を供給する搭載基板4と、これらの導光板2A,2B、複数の光源3A、及び搭載基板4を収容するケース5Aとを備えている。なお、以下の説明では、導光板2A,2Bの放射面側を上方、搭載基板4が収容されたケース5Aの底面側を下方ということがある。
【0023】
一対の導光板2A,2Bは、複数の光源3Aの配列方向に沿った領域において各々の端面が突き合わされた構造を有する。また、導光板2A,2Bは、透光性部材からなり、全体にわたって厚さが一定な平板状で、光源3Aの高さ(例えば0.85mm)よりも厚い厚さ、例えば1〜5mmに形成されている。本実施の形態では、導光板2A,2Bの厚さを1.5mmとしている。なお、導光板2A,2Bの厚さは発光装置の導光板として一般的な3〜5mmでもよい。また、導光板2A,2Bの厚さを光源3Aの高さと同じ、あるいはそれ以下としてもよい。この場合には発光装置を薄型化できる。
【0024】
導光板2Aには、導光板2Bと突き合わされる端面21aに、複数(本実施の形態では5つ)の凹部20aが等間隔で形成されている。導光板2Bには、導光板2Aと突き合わされる端面21bに、凹部20aと同数の凹部20bが等間隔で形成されている。凹部20a,20bは、端面21a,21bの延伸方向における光源3Aに対応する位置に形成されている。
【0025】
凹部20aは導光板2B側に開口し、凹部20bは導光板2A側に開口している。また、凹部20a及び凹部20bは、互いに対向するように形成されている。これにより、凹部20aと凹部20bとは、光源3Aの搭載基板4に平行な方向の周囲を取り囲むようにして光源3Aを収容する穴部20を構成する。つまり、一対の導光板2A,2Bの突き合わせ面である端面21a,21bを突き合わせることで、一対の凹部20a,20bにより穴部20が形成される。
【0026】
導光板2A,2Bは、光源3Aから発せられる光に対して透光性を有する材料、例えばアクリル樹脂から形成されるが、これに限られない。ここで、本明細書においては、導光板2A,2Bのケース5Aとは反対側の一面を放射面としての表面22、表面22と反対側の面を裏面23として説明する。裏面23には、白色塗料や表面の粗面化、プリズム形成などによって、散乱面が形成されている。凹部20a,20bは、裏面23から表面22側に導光板2A,2Bをその厚さ方向に延びるように切り欠き形成されている。また、本実施の形態では、凹部20a,20bが導光板2A,2Bの裏面23から表面22に向かって、導光板2A,2Bを厚さ方向に貫通している。
【0027】
搭載基板4は、図1(b)及び(c)に示すように、導光板2Aと導光板2Bとを合わせた幅よりも狭い幅と、導光板2A,2Bの長手方向の長さに対応する長さを有し、各穴部20の一側を塞ぐように、導光板2A,2Bの裏面23側に対向して設けられる。
【0028】
ケース5Aは、例えばアルミニウム等の金属又は合成樹脂から形成されている。本実施の形態では、ケース5Aの材料として、放熱性を考慮してアルミニウムを用いる。
【0029】
図2は、穴部20の詳細を示す平面図である。穴部20を構成する一対の凹部20a,20bは、端面21a,21bの延伸方向の一部が導光板2A,2Bの幅方向の中心部に向かって窪むように設けられている。凹部20a,20bは、それぞれが光源3Aの少なくとも一部を収容するように切り欠き形成されている。穴部20の内面24は、光源3Aからの光が導光板2A,2B内に入射する入射面となっている。
【0030】
穴部20の内面24は、端面21a,21bに平行な平面状の第1の側面24aと、端面21a,21bに垂直な方向に沿って形成された一対の平面状の第2の側面24bと、第1の側面24aと第2の側面24bとの間の角部に形成された円弧面24cとから構成される。第1の側面24aは、導光板2A,2Bの端面21a,21bに沿った方向の側面であり、第2の側面24bは、導光板2A,2Bの端面21a,21bに略垂直な方向の側面である。穴部20の角部を円弧面24cとすることで、円弧面を設けない場合と比べて角部における光ムラを抑制することができる。また、穴部20の内面が平面状の面を含まず、例えば円柱状の内面とする場合と比べて、穴部寸方を小さくすることができ、光源から導光板への結合効率を高めることができる。
【0031】
そして、第1の側面24a,第2の側面24b及び円弧面24cからなる内面24は、鏡面仕上げとなっている。また、内面24は、裏面23に対してほぼ直角(例えば87〜93°)に形成されている。なお、凹部20a,20bの角部を円弧面としなくてもよい。穴部20の平面視のサイズは、光源3Aの平面視のサイズよりも大きいサイズ、例えば短辺が1.5mm、長辺が3.5mmの長方形状に形成されている。
【0032】
以上のように構成された導光板2A,2Bは、例えば射出成形によって形成することができる。内面24の鏡面仕上げは、内面24に対応する金型の表面を鏡面にしておくことにより実現できる。射出成形によって導光板2A,2Bを形成することで、例えば導光板の切削により穴部を形成した場合に比較して、凹部20a,20bを構成する内面24の裏面23に対する直角精度を高くすることができる。また、金型を鏡面加工しておくことで、内面24を容易に鏡面とすることができる。
【0033】
図3は、図1(b)に示すC部の拡大図である。光源3Aは、例えばフリップチップ型のGaN(窒化ガリウム)系半導体材料からなる複数(本実施の形態では3つ)の発光素子としてのLED素子32と、各LED素子32を一列に搭載する素子実装基板33と、各LED素子32を封止するとともに素子実装基板33と接合される無機封止部としてのガラス封止部34と、素子実装基板33の裏面中央部に形成された放熱パターン36と、LED素子32と搭載基板4とを電気的に接続する回路パターン35とを有する。
【0034】
回路パターン35は、素子実装基板33の表面に形成される表面パターン35aと、素子実装基板33の裏面に形成される裏面パターン35bと、表面パターン35a及び裏面パターン35bを接続するビアパターン35cとを有する。
【0035】
素子実装基板33は、例えばアルミナ(Al)の多結晶焼結材料からなり、例えば厚さ0.25mmを有し、短辺が0.75mm、長辺が2.8mmの長方形状に形成されている。
【0036】
搭載基板4は、金属からなる基板本体41と、基板本体41上に設けられた絶縁層42と、絶縁層42上に設けられた回路パターン43と、回路パターン43上に設けられた白色レジスト層44とを有する。基板本体41の材料として、例えばアルミニウム、マグネシウム、銅等の金属を用いることができる。本実施の形態では、基板本体41の材料としてアルミニウムを用いる。光源3Aは、はんだ31を介して搭載基板4に搭載されている。
【0037】
本実施の形態では、LED素子32は、厚さ100μmで346μm角に形成されている。すなわち、LED素子32の側端からガラス封止部34の側面34bまでの距離は327μm、LED素子32の上端からガラス封止部34の上面34aまでの距離は500μmとなっている。
【0038】
図4は、LED素子32を示し、(a)は平面図、(b)は模式断面図である。LED素子32は、図4(b)に示すように、サファイア(Al)からなる素子基板60を有し、この素子基板60の表面に、III族窒化物系半導体をエピタキシャル成長させることにより、バッファ層61、n型の導電型を有するn型半導体層62、発光層としてのMQW(Multiple Quantum Well:重量子井戸)層63、及びp型の導電型を有するp型半導体層64がこの順で形成されている。
【0039】
LED素子32は、これらの各層が素子実装基板33(図3に示す)と平行になるように実装されている。また素子実装基板33は、導光板2A,2Bの表面22と平行になるように搭載基板4に搭載されている。MQW層63で発生した光の一部は素子基板60を透過して素子基板60の表面から出射し、他の一部はMQW層63の上下の界面で反射してMQW層63の端面から出射する。
【0040】
このLED素子32は、例えば700℃以上でエピタキシャル成長され、その耐熱温度は600℃以上であり、後述する低融点のガラスを用いた封止加工における加工温度に対して安定である。また、LED素子32は、p型半導体層64の表面に設けられるp側電極65と、p側電極65上に形成されるp側パッド電極66と、p型半導体層64からn型半導体層62にわたって一部をエッチングすることにより露出したn型半導体層62に形成されるn側電極67とを有する。
【0041】
p側電極65は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電性の酸化物からなり、MQW層63から発せられる光を透過する。また、p側パッド電極66及びn側電極67は、例えばNi/Au、Al等の金属からなり、平面視にてLED素子32における1つの隅部に形成されている。
【0042】
本実施の形態においては、図4(a)に示すように、p側電極65は、n側電極67の形成領域を除いて、平面視にて、LED素子32のほぼ全面に形成されている。また、p側パッド電極66は、平面視にてLED素子32におけるn側電極67と対向する隅部に形成される。n側電極67及びp側パッド電極66は、平面視にて円形に形成されている。
【0043】
図3に示すように、ガラス封止部34は、LED素子32とともに素子実装基板33におけるLED素子32の搭載面側を覆い、厚さが例えば0.6mmとなっている。このガラス封止部34は、素子実装基板33と平行な上面34aと、上面34aの外縁から下方へ延び素子実装基板33と垂直な側面34bとを有する。また、ガラス封止部34は、LED素子32の素子実装基板33に平行な方向の全周囲を覆うように形成されている。つまり、LED素子32のMQW層63における発光光は、ガラス封止部34を介して、上面34aと4つの側面34bとから光源3Aの外部に放射される。
【0044】
ガラス封止部34は、例えばZnO−B−SiO系のガラスとすることができ、この場合の屈折率は1.7である。また、このガラスは、加熱によって素子実装基板33に融着された熱融着ガラスであり、ゾルゲル反応を利用して形成されたガラスとは異なっている。なお、ガラスの組成及び屈折率はこれらに限定されるものではない。
【0045】
また、ガラス封止部34には、LED素子32から発せられる光の波長を変換する蛍光体39が含まれている。蛍光体39としては、例えば、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)蛍光体、珪酸塩蛍光体、窒化物蛍光体、硫化物蛍光体等を用いることができ、本実施の形態では、LED素子32が青色の発光光を発し、この青色光によって励起された蛍光体39が黄色光を発し、これら青色光と黄色光の混色によって白色光を得ている。なお、紫外光を発するLED素子と、紫外光によって励起される赤色蛍光体,緑色蛍光体,及び青色蛍光体の組合せにより白色光を得るようにしてもよい。また、ガラス封止部34に蛍光体39を含有させずに、ガラス封止部34の表面に蛍光体39を塗布したものであってもよいし、蛍光体39を用いなくてもよい。
【0046】
本実施の形態では、LED素子32に電圧が印加されると、LED素子32から青色光が発せられる。LED素子32から発せられた青色光は、一部が蛍光体39により黄色に変換された後、ガラス封止部34の上面34a又は側面34bを通じて外部へ放射される。
【0047】
この光源3Aは、素子実装基板33及びMQW層63の法線方向に対して平行で、上面34aの中央を通る軸が光軸としての中心軸3aとなっている。中心軸3aは、導光板2A,2Bの厚さ方向に平行である。この光源3Aでは、上面34aと、少なくとも中心軸3aに対して直交する方向へ光を放射する4つの側面34bとから光が放射され、各面とも、ほぼコサイン則に従ったランバーシャンな配光特性を有するため、中心軸3a上の光強度が最大とはならず、中心軸3aに対して上方からおよそ30°〜45°傾斜した斜め方向で光強度が最大となる配光特性となる。なお、素子実装基板33に平行な横方向(中心軸3aに直交する方向)で光強度が最大となる配光特性を有する光源を用いてもよい。
【0048】
この光源3Aは、例えば以下の工程を経て製造される。まず、ガラス成分の酸化物粉末及び蛍光体粉末を1200℃に加熱し、溶融状態で撹拌する。そして、ガラスを固化した後、ガラス封止部34の厚さに対応するようスライスして封止前ガラスを板状に加工する。
【0049】
一方、素子実装基板33となる平板状の基板に回路パターン35を形成する。例えば、回路パターン35は、当該平板状の基板に金属ペーストをスクリーン印刷し、所定温度(例えば1000℃以上)で熱処理することにより当該金属を焼き付けた後、他の金属のめっきを施すことにより形成することができる。この後、複数のLED素子32を所定間隔で当該平板状の基板にフリップチップ接続で実装する。
【0050】
次に、複数のLED素子32が実装された平板状の基板に封止前ガラスをホットプレス加工により接合して各LED素子32を封止し、ガラスが硬化した後に当該平板状の基板を格子状に切断して個片化する。これにより、複数の光源3Aが得られる。
【0051】
また、図3に示すように、導光板2A,2Bの裏面23に対する穴部20の内面24の角度をα(°)とし、導光板2A,2Bの屈折率をnとしたとき、式(1)を満たすようにすると、導光板2A,2Bの厚さ方向へ進む光につき、内面24から導光板2A,2B内へ入射した全ての光が導光板2A,2B内の伝搬光となる。本実施の形態においては、α=90°でありn=1.5であることから、式(1)の条件を満たす。
【数1】

【0052】
これに加え、式(2)を満たすようにすると、導光板2A,2Bの内面24に沿って進む光につき、内面24から導光板2A,2B内へ入射した全ての光が導光板2A,2B内の伝搬光となる。本実施の形態においては、α=90°でありn=1.5であることから、上記式(2)の条件を満たす。
【数2】

【0053】
図5は、発光装置1の使用状態の一例を示す図である。発光装置1は、例えば導光板2A,2Bの表面22を下に向け、室内の照明等に用いられる。光源3Aの直下は光源3Aからの直接光が照らされるが、導光板2A,2Bの表面22からは散乱光が出射される。使用者が斜め方向から光源3A側を見上げた場合、光源3Aは穴部20に収容されているため、光源3Aからの直接光が眼に入り難くなり、眩しさを感じさせることが抑制される。
【0054】
図6は、本実施の形態に係る発光装置1における光源3Aから発した光の進み方の例を示す図である。
【0055】
光源3Aから発した光は、穴部20の第1の側面24a,第2の側面24b,及び円弧面24cから導光板2A,2Bに入射し、空気と導光板2A,2Bの屈折率の比に応じた屈折角で屈折する。導光板2A,2Bの長手方向(端面21a,21bに沿った方向)に隣り合う2つの穴部20の間の領域にも、第2の側面24bから入射した光が到達し、この領域における導光板2A,2Bの表面22から散乱光が出射される。これは、光源3Aから、その中心軸まわりの360°方向に光が放射され、かつ隣り合う光源に対し垂直な導光板2A、2Bの入射面を備えているためである。
【0056】
図7は、比較例として示す、凹部20a,20bを有しない導光板2C,2Dのそれぞれの端面21c,21dの間に複数の光源3Aを配置した場合における光源3Aの発光光の進み方の例を示す図である。
【0057】
光源3Aから端面21c又は端面21dに垂直な方向に出射した光は、ほとんど反射することなく導光板2C,2D内に入射するが、光の進行方向と端面21c又は端面21dの法線とがなす角(入射角)が大きいと、この角度に応じて端面21c,端面21dで反射する光の割合が高くなる。この結果、端面21c,端面21dに沿った方向に隣り合う2つの光源3Aの中央部付近において、導光板2C,2Dから出射される光の光量が比較的少なく、目視した場合に光源3Aの周辺部よりも暗く見える暗部Dが発生する。なお、導光板2C,2D内で散乱する多次光が存在するため、暗部Dは全く光がないわけではないが、光源3Aからの放射密度が小さく、かつ屈折の影響があるので、1次光はここへは達しにくい。
【0058】
(第1の実施の形態の効果)
第1の実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)光源3Aの一部をそれぞれ収容する凹部20a,20bは、導光板2A,2Bの端面21a,21bに形成されているので、端面21a,21bよりも導光板2A,2Bの内側に光源3Aを収容する穴部を形成した場合に比較して、光源3Aの光の入射面の加工精度を高くすることが可能となる。これにより、光源3Aから発した光をより効率よく導光板2A,2Bの内部に入射させることができる。また、端面21a,21bに凹部20a,20bを設けたことにより、端面以外の部分に光源を収容するための穴を型形成する場合に比較して、導光板2A,2Bの生産性を向上させることができる。つまり、導光板の端面以外の部分に光源を収容するための小サイズの穴を型形成する場合には、金型に細いピンを用いることとなり、型抜きの際にこのピンに折れが生じやすく、生産性が低下する。特に、穴が垂直(α=90°)の場合は、図3に示す側面24にて屈折する光は上下とも対称となり、最も導光板内の伝播に適する条件であるが、その一方で型抜きがしにくくなる。さらに、導光板に複数の穴を形成する際は、樹脂材料の硬化収縮などの力も加わることになり、さらに穴形成のピンが折れやすく、型抜きがしにくくなる。本実施の形態では、凹部20a,20bを導光板2A,2Bの端面21a,21bに設けることで、このような問題を回避している。なお、α=90°に限らず、±2°未満あるいは±5°未満の際にも、材料の種類や加工精度、あるいはピン径、もしくはピンの本数や配列仕様等によって程度の差はあるものの上記の問題が生じ得るが、本実施の形態のように導光板2A,2Bの端面21a,21bに形成した凹部20a,20bに光源3Aを収容することで、このような問題の発生を回避することができる。さらに、複数のLED素子32が配列された方向が端面21a,21bに沿った方向となるように、光源3Aが配置されているので、凹部20a,20bを深く形成する必要がなく、金型の製造及びこの金型による導光板2A,2Bの成形が容易となる。
【0059】
(2)光源3Aから出射した光は、導光板2A,2Bの端面21a,21bに交差する第2の側面24b、及び第2の側面24bと第1の側面24aとの間の円弧面24cからも導光板2A,2B内に入射するので、導光板がその端面に凹部を有しない場合に比較して、隣り合う2つの光源3Aの間の領域における導光板2A,2Bからの放射光の強度を高めることが可能となる。これにより、導光板2A,2Bの表面22から面状に放射される光の強度の分布のムラを低減することができる。
【0060】
(3)光源3Aは、LED素子32の発光層であるMQW層63が導光板2A,2Bと平行であり、LED素子32の周囲は透光性のガラス封止部34で封止され、光源3A自体及びその周囲には、発光光を特定の方向に導くための反射部材等が設けられていない。このため、部品点数の削減及び装置の小型化が可能となる。即ち、従来の常識では、光源は、光出射エリアを狭くする、導光板への入射角範囲を狭くするための光学系を用いて、導光板との結合を図る。しかし、本実施形態では、光源3Aは量産のため、LED素子32は、LED素子32の中心軸に沿った側面に取り囲まれた形状とされ、光出射エリアを狭める光学系を備えていない。なお、反射枠は高反射率部材を選択されるものの完全に光吸収のないものでない限り、光学損出が生じるので、本実施形態の光源では高効率化、さらに、小型化の効果もある。また、本実施形態の光源では、LED素子32の中心軸に沿った側面に取り囲まれた形状で、LED素子32から発し、この側面に至った光は、LED素子32の中心軸方向に近づく方向に屈折する。そして、LED素子32から発する光のうち、LED素子32の中心軸に対し大きな角度方向へ放射される光量は、この方向の立体角が大きいため、LED素子32の配光特性にもよるが、例えば、全光量に対し50%以上の大きな割合がある。つまり、導光板への入射角は、むしろ広がる光源となる。しかも、ガラス封止部34の屈折率はLED素子32からの光取出しを促進するため、シリコン樹脂(屈折率:1.4〜1.5程度)やエポキシ樹脂(1.5〜1.6程度)より屈折率の大きい、屈折率1.6以上の部材を選択でき、この際は、LED素子32の中心軸方向に近づく方向に屈折する程度は、さらに大きいものとなる。また、LED素子32から発し、蛍光体で励起される光や散乱する光のうち、側面に至る光も同様にLED素子32の中心軸方向に近づく方向に屈折する。にもかかわらず、本実施形態の光源を導光板の厚さ方向に平行な光源の収納穴を形成した導光板と組み合わせ、導光板への入射面となる収納穴での入射時の屈折と、導光板の入射面とは直行する面方向となる導光板の上下面での全反射が生じる屈折率の導光板により、光源と導光板とを高効率で結合でき、かつ、部品点数の削減および簡単容易な製造が可能となる。
【0061】
(4)光源3A又はその周辺部には、光源3Aの出射光を特定の方向に向けるための光学部材を備えておらず、また、LED素子32をフリップチップ接続により実装したので、LED素子32の端面と光源3Aの側面34bとの距離を1mm以下、さらには0.5mm以下とすることも容易となり、光源3Aの平面視の大きさを小さくすることができ、凹部20a,20bの大きさを小型化することができる。これにより、光源3Aが発光装置1の端部だけでなく、中央部に配置されていても、小型で目立たないものとできる。また、導光板2A,2Bを厚くすることなく、光軸を厚さ方向とした光源3Aの搭載が可能となる。これに対し、例えばLED素子32がワイヤボンディング接続により実装されている場合、LED素子32の外側に、ワイヤループのための空間が余計に必要となる。さらに、導光板2A,2Bの凹部20a,20bに関しては、実装や嵌合の公差が必要となるため、LED素子32の5倍以上の大きさとなる。またさらに、側面方向へ放射方向を制御する光学面を設ける場合には、導光板2A,2Bの凹部20a,20bの大きさをLED素子32の12倍以上とする必要がある。例えば、素子実装基板33の大きさが2.5mm角となると、導光板2A,2Bの穴部20の大きさも例えば3.0mm角のように大きくする必要がある。そして、仮にこのような大きさで発光装置1を作製すると、搭載するLED素子32が同じであっても、光源3Aの上面34aの中心部を基準とした内面24の立体角の割合は、35%の低減となる。また、光源3Aの高さが変わらず、平面視の寸法が小さくなると、横方向への配光が相対的に増大する。なお、蛍光体が封止材料に分散されている場合、封止材の高さより平面方向の寸法が小さくなると、上方向と横方向の光の色度の差が顕著となり易いが、仮に色度の差が生じたとしても、導光板2A,2B内で混光させることができる。また、光源3Aの放熱パターン36及び回路パターン35は、素子実装基板33の搭載基板4側の面内に形成されているため、素子実装基板33の側面に回路パターン形成されるものと比べ、はんだなどの共晶材を用い搭載基板4へ搭載する際、はんだのはみ出しがない、あるいはごく僅かなものとできるので、導光板2A,2Bの穴を、より光源3Aの大きさに近い、小さなものにすることができる。そして、このことにより、光源から導光板への光結合効率を高めることができる。また、光源に対する導光板の穴位置精度を大きくとり、製造歩留りの高いものとすることができる。
【0062】
(5)光源3Aの上面34a及び側面34bに光学的な加工を施す必要がないので光源3Aの作製も簡単容易である。この発光装置1の場合、むしろ光軸上に最大の光強度が存在しない配光の光源3Aが好ましく、立方体形状の光源3Aに加工を施すことなく、しかも単純な形状の凹部20a,20bを形成すればよいので、実用に際して極めて有利である。
【0063】
また、光源3Aは光学系を備えず小型であるため、多くの光源3Aを密に配列して、高輝度にすることができる。一方、各光源3Aの間隔を比較的広くして配列した場合も、光源3Aの中心軸に対して垂直な面方向360°に光が放射されるため、各光源3Aの間の輝度の低下を抑制できる。
【0064】
なお、導光板2A、2Bは透明な光学接着剤等により互いに貼り合わせてもよいが、あえて貼り合わせず、ミクロな意味で端面同士の間に空隙を持たせることで、光源などから発する熱によって導光板が膨張し、応力をもつことや、たわみを発生することを抑えることができる。また、本形態では光源を2枚の導光板で取り囲むものを示したが、3枚あるいは4枚、もしくはそれ以上の導光板で取り囲むものとしてもよい。
【0065】
なお、本実施の形態について説明した各構成要素の形状等は、上記説明又は図示した具体的な形状等に限らず、例えば以下に示すように変形することも可能である。
【0066】
(変形例1)
第1の実施の形態では、導光板2A,2Bが透明で厚さが均一の板状部材である場合について説明したが、導光板2A,2Bの構成により、導光板2A,2Bからの放射光の均一化を図ってもよい。
【0067】
図8(a)は、導光板2A,2Bの変形例を示す図である。この図に示す例では、導光板2A,2Bの裏面23に円形状の複数の反射面23aを形成し、導光板2A,2B内の光がこれら反射面23aで反射して、表面22から取り出されるようにしている。また、各反射面23aは、導光板2A,2Bの長手方向における中心間の距離は一定で、端面21a,21bから遠ざかるほど面積が大きくなるように形成されている。つまり、端面21a,21bから遠ざかるほど、裏面23における反射面23aが占める面積の割合が高くなる。このように構成することにより、表面22における放射光の分布を均一化することができる。
【0068】
なお、反射面23aは、スクリーン印刷、インクジェット印刷、レーザー加工、金型を利用した熱転写等により形成することができる。特に、インクジェット印刷、レーザー加工等の場合、スクリーン印刷等で用いる版が不要となり、例えば、実際に製造された発光装置1の発光特性に応じて反射面23aの加工を行うことができる。さらに、インクジェット印刷の場合、ノズルを導光板2A,2B上に全面的に配置することにより、広範囲の加工を同時に行うことができ、作業性に優れるという利点がある。
【0069】
図8(b)は、導光板2A,2Bの他の変形例を示す図である。この図に示す例では、導光板2A,2Bの裏面23を光源3Aから遠ざかるにつれて表面22に近接するように湾曲して形成してもよい。つまり、導光板2A,2Bのの厚さを光源3Aから遠ざかるにつれて薄くするようにしてもよい。このように導光板を形成することによっても、表面22からの放射光の分布を均一化することができる。
【0070】
(変形例2)
図9A(a)〜(d)は、光源3Aの出射側における構造の変形例を示す図である。第1の実施の形態では、導光板2A,2Bの凹部20a,20bの上方が開放され、LED素子32の発光光が直接外部に放射される構成のものを示したが、光源3A又は凹部20a,20bの上方を塞ぐ部材を設け、この部材の反射による2次光も導光板2A,2Bの伝搬光となるように図ってもよい。
【0071】
例えば図9A(a)に示すように、光源3Aのガラス封止部34の上面34aに第1の反射部材としての反射膜37を設けてもよい。反射膜37としては、例えばSiO粒子層、Al粒子層、TiO粒子層等の透光性材料の粉末を用いた半透過層を用いることができる。この半透過層は、光源3Aの上面34aから導光板2A,2Bの表面22に垂直な方向に放射される光の少なくとも一部を反射する。また、反射膜37として、同方向に放射される光の全てを反射するAl箔等の全反射層を用いることができる。
【0072】
また、図9A(b)に示すように、導光板2A,2Bの穴部20を貫通穴とせず、導光板2A,2Bが穴部20の表面22側を閉塞する板状の閉塞部25を有する構造としてもよい。この閉塞部25により、穴部20は、導光板2Aの表面22とは反対側の裏面23から表面22に向かって、導光板2Aの厚さ方向の途中まで形成されている。
【0073】
また、閉塞部25の光源3A側に反射部材26を配置してもよい。この場合、反射部材26の光源3A側の面は、第1の反射面26aとして光源3Aから発せられる光を反射し、反射部材26の光源3Aとは反対側の面は、第2の反射面26bとして導光板2A,2B内を伝搬する光を反射する。反射部材26は、例えば白色塗装されたアクリル板を用いることができる。
【0074】
また、図9A(c)及び(d)に示すように、導光板2A,2Bの突き合わせ端面21a,21bに沿って複数の穴部20を塞ぐように、導光板2A,2Bの表面22側に反射部材としての反射シール27を貼り付けるようにしてもよい。この反射シール27は、凹部20dから上方へ進む光を反射し、導光板2A,2Bの内面24に入射させる。この反射シール27の反射面27aは、表面の反射率が比較的高い材料、例えば反射率が90%以上のアルミニウムとすると、効率良く鏡面反射を利用することができる。反射面27aがアルミニウムである場合、例えば、反射シール27自体をアルミニウム板としたり、反射シール27の反射面27aにアルミニウム箔を貼付すればよい。この場合、光源3Aから外部への直接光を遮断させることができ、直接光の放射を防止する場合に効果的である。
【0075】
また、反射シール27は、主として拡散反射を利用するものであってもよい。この場合、反射シール27の内面には、白色拡散シートを用いることができる。反射シール27へ入射する光の入射角が比較的小さくなる場合には、主として鏡面反射よりも拡散反射を利用する方が、導光板2A,2Bの入射面へ至る確率が高くなるため、好ましい。
【0076】
また、反射シール27は、一部の光が透過するようにしてもよい。これにより、外部放射に必要な光量のみ外部へ取り出し、他の光は導光板2A,2Bに入射させることとなる。
【0077】
また、図9A(e)に示すように、導光板2A,2Bの表面の全体を覆うように板状の透光性部材29を配置し、この透光性部材29の穴部20に対応する領域に光源3Aの光を反射する反射層29aを設けてもよい。この反射層29aは、例えば白色塗料を塗布して形成することができる。また、例えば透光性部材29をケース5Aに固定し、透光性部材29によって導光板2A,2Bを保持するように構成することも可能である。この構成によっても、光源3Aから外部への直接光を遮断することができる。
【0078】
(変形例3)
図9Bは、図2に対応する導光板2Aと導光板2Bとの間に空隙を設けた変形例を示す図である。
【0079】
図9Bに示すように、この変形例では、導光板2Aの端面21aと導光板2Bの端面21bとの間に、スリット状の微細な空隙21gが設けられている。この空隙21gの幅(端面21aと端面21bとの間隔)は、常温(25℃)において例えば0.05〜0.2mmである。なお、空隙21g以外の構成は図2を参照して説明したものと同じであるので、共通する符号を付してその説明を省略する。
【0080】
このように空隙21gを設けることにより、光源などから発する熱によって導光板2A,2Bが膨張し、応力をもつことや、たわみを発生することをより確実に抑えることができる。
【0081】
(他の変形例)
また、第1の実施の形態においては、LED素子32をガラスにより封止した光源3Aを示したが、LED素子32が素子実装基板33に対してフリップチップ接続であり、平面視にて封止材の枠部分が存在しない光源であれば、封止材を変更しても差し支えない。
【0082】
また、熱融着ガラス封止LEDは、高さ方向の形成が容易で、素子実装基板と熱膨張率が同等、かつ、両部材の接合力が大きいので、封止材と素子実装基板の接合面積を小さくすることができる。そして、側面放射面を含む直方体形状としてあるので、側面の合計面積を上面に対して2倍以上、好ましくは4倍以上とすることによって、横方向の配光を広くすることができ望ましい。なお、例えば、LED素子32をシリコン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂封止部で封止してもよい。あるいは、樹脂封止部を、素子実装基板33上で半球状に形成してもよい。
【0083】
また、導光板2A,2Bは、その端面21a,21b同士が密着するものに限らず、端面21a,21b間にスリット状の隙間が形成されていてもよい。またさらに、端面21a,21b間を透明な接着剤で接着してもよい。またさらに、本実施の形態では、搭載基板を金属ベースにしたものとして説明したが、これに限らず、ポリイミドや液晶ポリマーなどをベースにするフレキシブル基板を金属板に貼るなどして備えたものでもよいし、積極的な放熱が必要でないならば、フレキシブル基板のみや、ガラスエポキシ基板など他の部材であってもかまわない。
【0084】
また、導光板は光源の配列方向と平行な柱状曲面とするなど、平面形状に限らない。導光板が曲面の場合、α=90°であることが、導光板内で伝搬光であり続けるために最も有利となる。
【0085】
[第2の実施の形態]
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る発光装置1を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のD−D線断面図である。
【0086】
本実施の形態は、複数の光源3Aを2次元の格子状に配置し、複数の搭載基板4A〜4Dを用いたものである。すなわち、本実施の形態の発光装置1は、3つの導光板2A〜2Cと、3つの導光板2A〜2Cを組み合わせることによって長手方向に沿って形成された複数の穴部20と、各穴部20に収容される複数の光源3Aと、各光源3Aに電源を供給する複数の搭載基板4A〜4Dと、これらの導光板2A〜2C、光源3A,及び搭載基板4A〜4Dを収容するケース5Bとを備えている。
【0087】
3つの導光板2A〜2Cは、光源3Aが配置される位置で端面同士が突き合わされた構造を有する。図10の左側に位置する導光板2Aの導光板2B側における突き合わせ面21aには、第1の実施の形態と同様の複数の凹部20aが導光板2Aの長手方向に沿って等間隔で形成され、他側の端面21dには、凹部20aよりも端面21dに垂直な方向の深さが深い凹部200aが導光板2Aの長手方向に沿って等間隔で形成されている。
【0088】
発光装置1の幅方向の中央に位置する導光板2Bの両端面21bには、第1の実施の形態と同様の複数の凹部20bが長手方向に沿って等間隔で形成されている。また、図10の右側に位置する導光板2Cの導光板2B側における端面21cには、凹部20a,20bと同様の形状を有する複数の凹部20cが長手方向に沿って等間隔で形成され、他側の端面21dには、凹部20cよりも端面21dに垂直な方向の深さが光源3Aを収容できるだけ深い複数の凹部200cが長手方向に沿って等間隔で形成されている。
【0089】
搭載基板4A〜4Dには、それぞれ複数の光源3Aが実装されている。搭載基板4Aに実装された光源3Aは、導光板2Aの凹部200a内に配置される。搭載基板4Bに実装された光源3Aは、導光板2Aの凹部20aと導光板2Bの凹部20bにより形成された穴部20内に配置される。搭載基板4Cに実装された光源3Aは、導光板2Bの凹部20bと導光板2Cの凹部20cにより形成された穴部20内に配置される。搭載基板4Dに実装された光源3Aは、導光板2Cの凹部200c内に配置される。なお、各搭載基板4A〜4D間には、各部材間の熱膨張差によって干渉が発生しないように、隙間が設けられている。
【0090】
導光板2A及び導光板2Cの端面21dに形成された凹部200a,200c内には、光源3Aの全体が収容されている。導光板2Aの端面21a,導光板2Bの端面21b,及び導光板2Cの端面21cに形成された凹部20a,20b,20cには、光源3Aの一部(光源3Aの体積のうちの約半分)がそれぞれ収容されている。
【0091】
ケース5Bは、例えばアルミニウム等の金属又は合成樹脂から形成されている。本実施の形態では、ケース5Bの材料として、放熱性を考慮してアルミニウムを用いる。また、ケース5Bの導光板2A,2Cの端面21dに対向する対向面5aは鏡面仕上げとなっている。これにより、導光板2A,2Cの側面21dから出射した光が、ケース5Bの対向面5aで反射して再び導光板2A,2C内に導入される。
【0092】
(第2の実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、第1の実施の形態について説明した効果と同様の効果がある。また、3つの導光板2A〜2Cの間に形成される複数の穴部20内、及び発光装置1の幅方向の両端部の導光板2A,2Cとケース5Bとの間の複数の凹部200a,200c内にも光源3Aが配置されているので、第1の実施の形態における発光装置1よりも高密度に光源3Aを配置することができる。これにより、発光装置1の光量の増大及び光量分布の均一化を図ることができる。
【0093】
[第3の実施の形態]
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る発光装置1を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のE−E線断面図である。
【0094】
本実施の形態は、正六角柱状の光源3Bを2次元状に配置し、単一の搭載基板4を用いたものである。すなわち、本実施の形態の発光装置1は、端面に複数の凹部20c,20dが形成された5つの導光板2A〜2Eと、5つの導光板2A〜2Cを組み合わせることによって長手方向に沿って形成された複数の穴部20Bと、これらの穴部20Bにそれぞれ収容された穴部20Bと同数の光源3Bと、複数の光源3Bが搭載され、各光源3Bと電気的に接続された単一の搭載基板4と、これらの導光板2A〜2E、光源3B及び搭載基板4を収容するケース5Bとを備えている。
【0095】
光源3Bは、図示は省略しているが、第1の実施の形態に係る光源3A(図3参照)と同様に、素子実装基板、素子実装基板に実装されたLED素子、及びLED素子を封止するガラス封止部を備えている。光源3Bは、搭載基板4に垂直な方向から見た場合に、そのガラス封止部の上面の形状が六角形状である。また、同方向から見た場合の穴部20Bの形状は円形であり、光源3Bは、穴部20Bの中心部に配置されている。なお、六角形状の光源3Bは、複数のLED素子を実装した素子実装基板33となるセラミック基板とガラス封止部34となるガラス板とを接合した後のダイシング分離の際、ピコ秒あるいフェムト秒レーザーなどを用いてハニカム状の切断を行うことで具現化できる。この際、光源3Bの形状を正六角形状としているので、正方形状にするのと同等に、余白なく歩留りのいい光源製造を行うことができる。
【0096】
導光板2A〜2Eには、それぞれが突き合わされる長手方向に沿った端面21a〜21eの延伸方向の所定の位置に、端面21cに垂直な方向に窪んだ複数の半円形の凹部20c,20dが形成されている。凹部20cは図11の右方に開口し、凹部20cは図11の左方に開口している。穴部20Bは、端面21a〜21eの延長線に対して線対称になるように設けられた一対の凹部20c,20dの組み合わせにより形成される。つまり、穴部20Bは、導光板2A〜2Eのそれぞれの間に形成された円柱状の空間であり、この空間の底面の中心部にそれぞれ1つの光源3Bが配置されている。
【0097】
図12(a)及び(b)は、本実施の形態に係る光源3B、及び上面が四角形状の光源3Aの中心部から発した光の進み方の一例を、それぞれの上面34aに垂直な方向から見た状態を示す図である。
【0098】
図12(b)に示すように、光源3Aの上面34aは四角形状であるので、その頂点に近い方向に進んだ光は側面34bで内部反射する割合が高く、側面34bで内部反射した光はさらに別の側面34bで内部反射し、光源3Aの外部に出射するまでに内部で複数回の反射を繰り返すことがある。このような現象は、ガラス封止部34が蛍光体39(共に図3に示す)を含んでいない場合に特に顕著となる。
【0099】
一方、本実施の形態に係る光源3Bでは、図12(a)に示すように、上面34aが六角形状であるので、その頂点付近に進んだ光の入射角βの最大値が、上面34aが四角形状である光源3Aに比較して小さくなる。
【0100】
(第3の実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、第1の実施の形態について説明した効果と同様の効果に加え、5つの導光板2A〜2Eの間に、これら導光板の長手方向に沿って設けられた複数の穴部20Bに光源3Bが配置されるので、発光装置1から出射される光量の増大及び光量分布の均一化を図ることができる。
【0101】
また、穴部20Bの内面は円筒状であるので、内面が四角柱形状である場合に比較して、光源3Bから出射した光がより垂直に近い角度で導光板2A〜2Eに入射する。このため、導光板2A〜2Eに入射する際に反射してしまう光の割合が低くなり、光源3Bの光をより効率よく導光板2A〜2C内に導くことができる。
【0102】
またさらに、光源3Bの上面34aが正六角形状であるので、光取り出し効率が高くなる。つまり、光源の中心軸に対して垂直な面方向成分の光は、ガラス封止部34の屈折率が2.0以下であれば、ガラス封止部34から外部の空気に光が出射する際の臨界角が30°以上となるので、全反射は生じない。これに対し、正方形形状であれば、ガラス屈折率が1.5以上であると全反射が生じる。また、その一方で、光源の中心軸を含む面方向成分の光は、直方体形状の際と変わらない。このため、本実施の形態によれば、光源3Bの光取り出し効率向上に加え、光源3Bの配光が広くなり、導光板2A〜2Cへの光結合効率をより高いものとすることができる。なお、本実施の形態では、光源3Bを正六角柱形状として説明したが、正六角形状に限らず、中心軸に対し垂直な面方向成分の光の取り出し効率向上につながる五角柱、八角柱、あるいは円柱としてもよい。
【0103】
[第4の実施の形態]
図13は、本発明の第4の実施の形態に係る発光装置1を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のF−F線断面図、(c)は(b)のG−G線断面図である。
【0104】
本実施の形態は、端面21fに複数の凹部20dが形成された単一の導光板2Fと、導光板2Fの複数の凹部20eにそれぞれ配置された光源3Aとを有し、光源3Aの光を導光板2Fに入射させ、導光板2Fの表面22から放射させるものである。導光板2Fは、ケース5Cに収容されている。
【0105】
図13(a)に示すように、発光装置1は、ケース5Cの枠内に導光板2F、複数の光源3A,及び反射部材61を収容して構成されている。導光板2Fの長手方向の端部における一端面21fには、複数(本実施の形態では7個)の凹部20eが形成されている。各光源3Aは、凹部20e内に配置されている。
【0106】
図13(b)に示すように、複数の光源3Aは、基板本体41と絶縁層42とを有する搭載基板4に搭載されている。基板本体41は例えばアルミニウム等の金属材料からなり、絶縁層42は例えばエポキシ系樹脂からなる。また、光源3Aは、素子実装基板33と、素子実装基板33に搭載されたLED素子32と、ガラス封止部34と、放熱パターン36等を有し、はんだ31を介して搭載基板4に搭載されている。
【0107】
反射部材61は、例えばフッ素系不織布からなる白色の部材であり、導光板2Fの端面21fに沿った方向に延び、端面21fに直交する方向の断面がL字状に形成されている。この反射部材61は、光源3Aの上面34aを覆う上面反射部61aと、光源3Aの凹部20eの内面に対向していない側面34bに面した側面反射部61bとを一体に有している。
【0108】
上面反射部61aは、光源3Aから導光板2Fの表面22に垂直な方向に放射される光の少なくとも一部を光源3A又は凹部20eの内面24側に反射する。側面反射部61bは、凹部20eに光源3Aを介して対向し、光源3Aの光を導光板2F側に反射する。
【0109】
導光板2Fと搭載基板4との間には、白色のスペーサ28が配置されている。スペーサ28は、例えばアクリル樹脂からなり、平面視において導光板2Fと同形状を有している。なお、図示は省略しているが、導光板2Fとスペーサ28との間には、10μm程度の直径を有するマイクロビーズを多数配置して、僅かな隙間を設けている。
【0110】
図13(c)に示すように、凹部20eは、端面21fに垂直な方向に窪んで形成されている。凹部20eの内面24は、端面21fと平行な第1の側面24aと、端面21fに垂直な方向に沿って形成された一対の第2の側面24bと、第1の側面24aと一対の第2の側面24bとの間にそれぞれ形成された円弧面24cとから構成される。第1の側面24a及び一対の第2の側面24bは、光源3Aの三方の側面34bにそれぞれ対向している。
【0111】
なお、例えば導光板2FをA4サイズ、光源3Aを一辺が1mmの立方体形状とし、光源3Aを収納する凹部20eの窪みを1.5mmとすると、光源3Aの配置領域が導光板2Fの表面22の面積に対しごく僅かな割合となり、ほとんど目立たないものとできる。また、光源3Aが発する熱は金属材料をベースとする搭載基板4により拡散放熱されるが、搭載基板4は導光板2Fと平行に配置されるため、放熱のための特別なスペースを設けなくとも、広い面積に熱拡散することができる。
【0112】
(第4の実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、第1の実施の形態について説明した効果と同様の効果がある。また、光源3Aの内面24に対向しない側面34bから出射した光は、反射部材61の側面反射部61bで導光板2F側に反射し、凹部20dの内面24から導光板2Fに入射するので、反射部材61を有しない場合に比較して、光源3Aの光の取り出し効率が向上する。
【0113】
またさらに、光源3Aの上面34aは、導光板2Fの表面22に対して垂直な方向から見た場合に反射部材61の上面反射部61aに覆われているので、使用者の目に光源3Aの光が直接入射しない。これにより、使用者に眩しさを感じさせることが抑制される。
【0114】
なお、本実施の形態について説明した各構成要素の形状等は、上記説明又は図示した具体的な形状等に限らず、例えば以下に示すように変形することも可能である。
【0115】
(変形例1)
図14は、第4の実施の形態の第1の変形例における光源3D及びその周辺部を示す図であり、(a)は図13(c)に対応する断面図、(b)は図13(b)に対応する断面図である。
【0116】
この変形例に係る光源3Dは、導光板2Fの表面22に平行な断面が五角形状を有し、光源3Dが収容される凹部20fの内面は、光源3Dの側面34bに平行となるように形成されている。
【0117】
光源3Dの側面34bは、導光板2Fの端面21fと平行な第1の側面341bと、第1の側面341bの一方の端部から端面21fに垂直な方向に延びる第2の側面342bと、第1の側面341bの他方の端部から端面21fに垂直な方向に延びる第3の側面343bと、第2の側面342bと鈍角γで交わる第4の側面344bと、第3の側面343b及び第4の側面344bの間に形成され、第3の側面343bと鈍角γで交わる第5の側面345bとからなる。この鈍角γは、例えば120°(110〜130°)である。このように、光源3Dは、直方体と三角柱とを組み合わせた五角柱状である。より詳細には、図14(a)において、LED素子32より左側は正方形の左半分、LED素子32より右側は正六角形の右半分を組み合わせた形状である。
【0118】
また、凹部20fの内面は、光源3Dの第2の側面342bに向かい合う第2の側面242bと、光源3Dの第3の側面343bに向かい合う第3の側面243bと、光源3Dの第4の側面344bに向かい合う第4の側面244bと、光源3Dの第5の側面345bに向かい合う第5の側面245bとを有する。またさらに、凹部20fの内面における第1の側面241bと第4の側面244bとの間は円弧面242cが、第2の側面242bと第5の側面245bとの間には円弧面243cが、及び第4の側面244bと第5の側面245bとの間には円弧面244cが、それぞれ形成されている。このように、凹部20fは角部が面取りされた五角形状である。
【0119】
第1〜第5の側面241b〜245b、及び円弧面242c,243c,244cは、導光板2Fの表面22に垂直に形成され、凹部20fは、導光板2Fをその厚さ方向に貫通している。第1〜第5の側面241b〜245bは、いずれも導光板2Fの端面21fとは平行ではない。つまり、凹部20fの内面は、端面21fとは平行ではない複数の面から構成されている。
【0120】
光源3Dの第1の側面341bは、反射部材62に対向している。反射部材62は、例えばフッ素系不織布からなる反射率が90%以上の白色の部材であり、導光板2Fの端面21fに沿った方向に延びるように配置され、端面21fに接合されている。つまり、反射部材62は、導光板2Fの第4の側面244b及び第5の側面245bに光源3Dを介して対向し、光源3Dから出射した光を導光板2F側に反射する。反射部材62で反射した光の一部は直接凹部20fの内面から導光板2Fに入射し、他の一部は光源3Dのガラス封止部34を透過して導光板2Fに入射する。
【0121】
また、図14(b)に示すように、光源3Dの上面34aには反射膜37が設けられている。反射膜37は、光源3Dの上面34aから出射する方向の光を光源3D内に反射する。
【0122】
上記のように光源3D及び導光板2Fを構成することにより、例えば図14(a)に矢印で示すように、LED素子32から反射部材62側へ放射された発光光の一部は、光源3Dの第1の側面341bで全反射し、反射の損失がなく、第4の側面344bから導光板2F側へ放射される。
【0123】
一方、LED素子32から反射部材62とは反対方向へ放射された発光光は、LED素子32の中心軸に対して垂直な面方向の成分が、ガラス封止部34と空気との臨界角以内となり、光源3Dの導光板2Fに面した第4の側面344b又は第5の側面345bから出射されやすくなっている。このように、光源3DのLED素子32の発光光が凹部20fの内面に対応するガラス封止部34の側面34bから出射されやすくなり、導光板2Fへの光結合効率が向上する。
【0124】
なお、凹部20fの形状は五角形状に限らず、例えば六角形状や八角形状、あるいは円形形状などでもよく、特にLED素子32の中心軸に対して垂直な面方向の成分が、ガラス封止部34から空気への臨界角以内となる形状が望ましい。一方、反射部材62側の形状は、臨界角以上となる形状であれば、さらに望ましい。
【0125】
(変形例2)
図15は、第4の実施の形態の第2の変形例に係る発光装置1を示す平面図である。
【0126】
この発光装置1は、四角形状の四隅に凹部20gが形成された導光板2Gと、各凹部20g内に配置された4つの光源3Aと、導光板2G及び4つの光源3Aを収容するケース5Cとを有している。光源3Aから出射した光の一部は凹部20gの内面から導光板2Gに直接入射し、他の一部はケース5Cの内面に反射して凹部20gの内面に入射する。なお、光源3Aの上面には反射膜を設けてもよい。
【0127】
このように発光装置1を構成することにより、光源3Aが導光板の一端面のみに沿って設けられた場合に比較して、導光板2Gの各部位における各光源3Aからの最短距離が短くなり、光量分布の均一化を図ることができる。また、上記第1〜第3の実施の形態及びその変形例、ならびに第4の実施の形態及びその変形例1では、光源の中心軸まわりのうち、全て、あるいは3/4が直接導光板の入射面となる内面であったが、この形態では、それらより割合は減るものの、1/2以上の方向が直接導光板の入射面となる内面となり、光源から導光板への結合効率は高いものとして維持できる。
【0128】
[他の実施の形態]
以上、本発明の発光装置を上記各実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
【0129】
例えば、上記各実施の形態では、1つの凹部にそれぞれ1つの光源を配置した場合について説明したが、これに限らず、1つの凹部に複数の光源を配置してもよい。また、上記各実施の形態では、発光装置が複数の光源を有する場合について説明したが、これに限らず、発光装置に設けられた光源は1つでもよい。
【符号の説明】
【0130】
1…発光装置、2A〜2G……導光板、4,4A〜4D…搭載基板、3A〜3D…光源、3a…中心軸、4…搭載基板、5A〜5C…ケース、5a…対向面、20,20B…穴部、20a〜20g…凹部、21a〜21f…端面、21g…空隙、22…表面、23…裏面、23a…反射面、24…内面、24a…第1の側面、24b…第2の側面、24c…円弧面、25…閉塞部、26…反射部材、26a…第1の反射面、26b…第2の反射面、27…反射シール、27a…反射面、28…スペーサ、32…LED素子、33…素子実装基板、34…ガラス封止部、34a…上面、34b…側面、35…回路パターン、35a…表面パターン、35b…裏面パターン、35c…ビアパターン、36…放熱パターン、37…反射膜、39…蛍光体、41…基板本体、42…絶縁層、43…回路パターン、44…白色レジスト層、60…素子基板、61…バッファ層、61…反射部材、61a…上面反射部、61b…側面反射部、62…n型半導体層、62…反射部材、63…MQW層、64…p型半導体層64、65…p側電極、66…p側パッド電極、67…n側電極、200a,200c…凹部,240a…底面、241a…傾斜面、242a…円弧面、D…暗部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子実装基板と、前記素子実装基板に実装されたLED素子と、前記素子実装基板上で前記LED素子を封止する封止部と、を有する光源と、
板状の透光性部材からなり、前記光源の少なくとも一部を収容する収容部を有する導光板と、を備え、
前記収容部は、前記導光板の端面の延伸方向における前記光源に対応する位置に、前記導光板の一面から他面側に前記導光板の厚さ方向に延びるように切り欠き形成された凹部であり、
前記光源は、前記導光板の厚さ方向に平行な方向の光軸に対して直交する方向に光を放射する側面を有する発光装置。
【請求項2】
前記導光板の前記一面に対する前記凹部の内面の角度をα°とし、前記導光板の屈折率をnとしたとき、
90−sin−1[{sin(90−α)}/n]+α≧sin−1(1/n)
の式を満たす請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記導光板の前記一面に対する前記凹部の内面の角度をα°とし、前記導光板の屈折率をnとしたとき、
α≦90−2×sin−1[sin{(90−α)/n}]
の式を満たす請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
複数の前記導光板を有し、
前記光源は、前記複数の前記導光板の端面に互いに対向するように形成された一対の前記凹部のそれぞれに少なくとも一部が収容される請求項1乃至3の何れか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記複数の前記導光板は、前記凹部が形成された端面同士の間に空隙を有する請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記導光板の前記凹部に前記光源を介して対向し、前記光源の光を前記導光板側に反射する第1の反射部材をさらに有する請求項1乃至3の何れか1項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記光源から前記光軸の方向に放射される光の少なくとも一部を反射する第2の反射部材をさらに有する請求項1乃至6の何れか1項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記凹部の内面は、前記凹部が設けられた前記導光板の前記端面と平行でない複数の面からなる請求項1乃至7の何れか1項に記載の発光装置。
【請求項9】
前記凹部は、前記導光板を厚さ方向に貫通している請求項1乃至8の何れか1項に記載の発光装置。
【請求項10】
前記凹部は、前記導光板の前記一面から前記他面に向かって、前記導光板の厚さ方向の途中まで形成されている請求項1乃至9の何れか1項に記載の発光装置。
【請求項11】
前記凹部は、前記導光板の前記一面から前記他面に向かって、前記導光板を厚さ方向に貫通している請求項1乃至10の何れか1項に記載の発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−212532(P2012−212532A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76714(P2011−76714)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【出願人】(391009936)株式会社住田光学ガラス (59)
【Fターム(参考)】