説明

発光装置

【課題】点状光源を用いた発光装置の、発光面の輝度の均一性を高める。
【解決手段】導光板12の周端面のLED14が対向する部分12aの厚みt12aが、発光面12bを構成する部分の厚みよりも小さく、かつ、LED14の発光面14aの厚みt14aよりも小さく形成されている。拡散手段が形成された主面12cと反射部材16との間に形成される空間Aは、LED14の発光面14aからの出射光のうち、導光板12内に入光せず主面12cに照射される光が、LED14から出射されたときの広い角度分布を維持して、一部は主面12cから導光板12内に入光し、更にその一部は主面12cから導光板12の外へと出射されるための、光の通路となる。そして、導光板12の周端面のLED14が対向する部分12aから導光板12内に入光する光と共に、最終的には導光板12の発光面12bから導光板12の外部へと出射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、白色発光ダイオード(LED)を光源に用いた発光装置が、電子機器のバックライト等に広く用いられている。LEDの点状発光は、一般に広い角度分布を有することから、これを均一な照度分布を備えた発光装置として構成するために、従来から、ロッドインテグレータが用いられている。
【0003】
ロッドインテグレータは、ガラスや透明樹脂により構成され、例えば、図4(a)に示される中実型のロッドインテグレータ100と、図4(b)に示される中空型のロッドインテグレータ102とがある。前者は、LEDが対向配置される入光面100aと、入光面100aに対向する発光面100bとを有し、LEDからの出射光が入光面100aからその中実内部に入射して全反射を繰り返しながら発光面100bへと進むことにより、発光面100bの輝度の均一化が図られるものである(特許文献1参照)。
又、後者についても、LED104が対向配置される入光端部102aと、入光端部102aに対向する発光端部102bとを有し、LED104からの出射光が入光端部102aからその中空内部に入射して、内側面102cで全反射を繰り返しながら発光端部102bへと進むことにより、発光端部102bに配置される、空間光変調装置等の照射対象物(図示省略)の、輝度の均一化が図られるものである(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−184612号公報
【特許文献2】特開2006−349987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のロッドインテグレータ100、102は、入光面100a、入光端部102aから内部に入射した光を全反射させながら発光面100b、発光端部102bへと送ることにより、輝度を均一化させるものであることから、輝度の均一性に優れた発光を得るためには、素子長(光軸方向の長さ)がより長いことが望ましい。従って、図5(b)に示される導光板106のように、素子長が短く、LED104が対向する入光面106aとこれに対向する発光面106bとの距離を十分に確保することが出来ないような場合には、発光面106bの輝度は、図5(a)に曲線Lで示されるように、発光面106bの全体に渡って、LED104の個数及び配置に応じた輝度分布の高低差が生じてしまうこととなる。
【0006】
本発明は、上記のような問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、点状光源を用いた発光装置の、導光体(導光板)の素子長の如何に関わらず、発光面の輝度の均一性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0008】
(1)対向する2つの主面と該主面間をつなぐ周端面とを含む導光板と、該導光板の周端面の少なくとも一面に対向して配置される点状光源とを含み、前記点状光源が配置された面を除く周端面の一面が発光面を構成する発光装置であって、前記導光板の、前記点状光源が対向する部分の厚みが、前記発光面を構成する部分の厚みよりも小さく、かつ、前記点状光源の発光面の厚みよりも小さく形成され、更に、前記主面の少なくとも一方に拡散手段が形成されており、前記点状光源及び前記導光板の発光面を構成する部分を除く周囲を覆う反射部材を備える発光装置(請求項1)。
【0009】
本項に記載の発光装置は、導光板の周端面の点状光源が対向する部分の厚みが、発光面を構成する部分の厚みよりも小さく、かつ、点状光源の発光面の厚みよりも小さく形成されていることにより、点状光源の発光面からの出射光は、導光板の周端面の点状光源が対向する部分から導光板内に入光する光と、導光板内に入光せず主面に照射される光とが存在する。
このうち、導光板内に入光する光は、導光板内で全反射されながら発光面へと進み、一部は主面から導光板外へと出射される。一方、導光板内に入光せず主面に照射される光は、点状光源から出射されたときの角度分布を維持して、一部は主面から導光板内に入光し、更にその一部は導光板内で全反射されながら又は拡散手段により拡散されながら発光面へと進み、一部は主面から導光板外へと出射される。又、導光板の周端面の点状光源が対向する部分から導光板内に入光せず主面に照射される光の一部は、主面によって反射される。そして、主面に反射された光と、一旦導光板内に入光した後主面から出射された光とは、導光板の発光面を構成する部分を除く周囲を覆う反射部材によって反射され、導光板へと向かい、導光板の主面から導光板内に入射する。しかも、拡散手段によって、主面を介して導光板の内外への光の入射、出射がなされる都度、光は拡散される。
従って、点状光源の発光面からの出射光のうち、導光板の周端面の点状光源が対向する部分から導光板内に入光する光と、導光板内に入光せず主面に照射される光との双方が、最終的には導光板の発光面から導光板の外部へと出射され、導光板の周端面の発光面の、均一発光に寄与することとなる。
【0010】
(2)上記(1)項において、前記拡散手段が形成された主面と前記反射部材との間に空間が形成されている発光装置(請求項2)。
本項に記載の発光装置は、拡散手段が形成された主面と反射部材との間に形成される空間は、導光板内に入光せず主面に照射される光が、点状光源から出射されたときの角度分布を維持して、一部は主面から導光板内に入光し、更にその一部は主面から導光板外へと出射されるための、光の通路となり、光を拡散する拡散エリアとして機能するものである。
【0011】
(3)上記(1)(2)項において、前記導光板の、前記点状光源が対向する部分の厚みが、前記点状光源の発光面の厚みの半分以下に形成されている発光装置。
本項に記載の発光装置は、導光板の、点状光源が対向する部分の厚みが、点状光源の発光面の厚みの半分以下に形成されていることにより、点状光源の発光面からの出射光のうち、導光板の周端面の点状光源が対向する部分から導光板内に入光する光の割合よりも、導光板内に入光せず主面に照射される光の割合の方が多くなる。すなわち、点状光源から出射されたときの角度分布を維持して、導光板内に入光せず主面に照射される光の割合が多くなることで、最終的に導光板の発光面から導光板の外部へと出射される光の均一化が促進されることとなる。
【0012】
(4)上記(1)から(3)項において、前記導光板の一対の主面は非平行領域を有し、該非平行領域を構成する面に前記拡散手段が形成されている発光装置(請求項3)。
本項に記載の発光装置は、導光板の一対の主面の非平行領域を有し、この非平行領域において、主面を介して導光板の内外への光の入射、出射がなされる。しかも、この非平行領域を構成する面に形成された拡散手段によって、主面を介して導光板の内外への光の入射、出射がなされる都度、光は拡散され、最終的に導光板の発光面から導光板の外部へと出射される光の均一化が促進されることとなる。
【0013】
(5)上記(1)から(4)項において、前記導光板の主面の一方が、前記周端面の前記点状光源が対向する部分と直交する平面であり、それに対してもう一方の主面が傾斜面を有しており、該傾斜面に前記拡散手段が形成されている発光装置(請求項4)。
本項に記載の発光装置は、導光板の主面の一方が、周端面の点状光源が対向する部分と直交する平面であり、それに対してもう一方の主面が傾斜面を有していることで、点状光源の発光面からの出射光のうち、導光板内に入光せず主面に照射される光は、この傾斜面を有する主面に照射されるものである。そして、傾斜面に形成された拡散手段によって、主面を介して導光板の内外への光の入射、出射がなされる都度、光は拡散され、最終的に導光板の発光面から導光板の外部へと出射される光の均一化が促進されることとなる。
【0014】
(6)上記(1)から(5)項において、前記導光板の周端面の、前記点状光源が配置された面と前記発光面を構成する面とが対向している発光装置(請求項5)。
本項に記載の発光装置は、導光板の周端面の点状光源が配置された面から、導光板内に入射する光と、導光板内に入光せず主面に照射される光とが、上記(1)から(5)のいずれか1項記載の光の進行経路を辿り、最終的に、点状光源が配置された周端面の一面と対向する発光面から、導光板の外部へと出射されるものである。
【0015】
(7)上記(1)から(6)項において、前記導光板の周端面の、前記点状光源が配置された面と前記発光面を構成する面とが交差しており、かつ、前記点状光源が前記発光面と対向する面の近傍に位置する発光装置(請求項6)。
本項に記載の発光装置は、導光板の周端面の発光面を構成する面と交差する、点状光源が配置された面から、導光板内に入射する光と、導光板内に入光せず主面に照射される光とが、上記(1)から(6)のいずれか1項記載の光の進行経路を辿り、最終的に、発光面から導光板の外部へと出射されるものである。
【0016】
(8)上記(1)から(7)項において、前記導光板の平面視において、前記発光面を構成する周端面の辺長よりも、該発光面と直交する周端面の辺長が短い発光装置。
本項に記載の発光装置は、導光板の周端面の点状光源が配置された面から、導光板内に入光する光と、導光板内に入光せず主面に照射される光とが、発光面を構成する周端面の辺長よりも発光面と直交する周端面の辺長が短い平面視矩形状の導光板と、拡散手段と、反射部材とを介する、上記(1)から(7)のいずれか1項記載の光の進行経路を辿り、最終的に、発光面から導光板の外部へと出射されるものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明はこのように構成したので、点状光源を用いた発光装置の、導光体の素子長の如何に関わらず、発光面の輝度の均一性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る発光装置を模式的に示すものであり、(a)は導光板の素子長方向の縦段面図、(b)は分解斜視図である。
【図2】図1に示される発光装置の別例を示す、導光板の素子長方向の縦断面図である。
【図3】図1に示される発光装置の別例を示す模式図であり、(a)は導光板及び点状光源のみ示した平面図、(b)は同側面図である。
【図4】従来の発光装置の導光体を模式的に示すものであり、(a)は中実型のロッドインテグレータを示す斜視図、(b)は中空型のロッドインテグレータを示す断面図である。
【図5】導光体の素子長を短くした場合の問題点を説明するものであり、(a)は(b)に係る導光板の輝度分布を示すグラフ、(b)は素子長の短い導光板とLEDとを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。ここで、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明を省略する。
【0020】
図1に示されるように、本発明の実施の形態に係る発光装置10の導光板12は、対向する2つの主面12c、12dと、主面12c、12d間をつなぐ周端面12a、12b、12fとを含むものであり、導光板12の周端面の一面12aに対向して点状光源としてのLED14が配置されている。そして、LED14が配置された周端面の一面12aと対向する一面12bが発光面として用いられるものである。又、導光板12の、LED14が対向する部分(端面)12aの厚みが、発光面を構成する部分12bの厚みよりも小さく、かつ、点状光源14の発光面14aの厚みよりも小さく形成されているものである。従って、導光板12は、LED14が配置された周端面の一面12aに近づく程厚みが小さくなるくさび状断面を有している。
【0021】
又、図1の例では、導光板12の主面の一方12dが、周端面のLED14が対向する面12aと直交する平面であり、それに対してもう一方の主面12cが傾斜面に形成されることで、導光板12の主面12cの全体が、もう一方の主面12dに対する非平行領域となっている。そして、傾斜面に形成された主面12cに、拡散手段が形成されている。拡散手段は、例えば平面視で略円状、略点状、略四角形状等からなる、例えばドーム状の複数のドットであり、主面12cの表面に一体成形され、又は、印刷により形成されるものである。更に、拡散手段は、導光板12のもう一方の主面12dにも形成されていてもよい。
【0022】
なお、図2に示されるように、導光板12の主面12cの発光面12b側に、もう一方の主面12dと平行な面12eを設けて、厚み一定の部分を有するものであっても良く、この場合には、導光板12の主面12cの、もう一方の主面12dに対する非平行領域は、部分的なものとなる。又、図示は省略するが、主面12cの傾斜面は平面ではなく曲面であっても良く、更には、主面12c、12dの双方が、導光板12の、LED14が対向する部分12aに対して、傾斜面を構成するものであっても良い。この場合には、主面12c、12dの傾斜面の双方に、拡散手段が形成される。又、好ましくは、導光板12の、LED14が対向する部分12aの厚みt12aが、LED14の発光面14aの厚みt14aの、半分以下に形成されているものとする。本発明の実施の形態では、LED14の発光面14aの厚み(高さ)t14aが3mmであるのに対し、導光板12のLED14が対向する部分12aの厚み(高さ)t12aが1mmとなっている。
更に、導光板12はその平面視において、発光面を構成する周端面12bの辺長よりも、発光面12bと直交する周端面12f(図1(b)参照)の辺長が、短く形成されている。本発明の実施の形態では、発光面を構成する周端面12bの辺長が50mmであるのに対し、発光面12bと直交する周端面12fの辺長は20mmとなっている。
【0023】
ここで、導光板12は透明樹脂材料を成形してなる板状の導光体である。導光板12の好適な透明樹脂材料には、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポレオレフィン樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、透明フッ素樹脂、エポキシ樹脂等が含まれる。又、各LED14は白色LEDであるが、これに限定されず、例えば、単色のLEDであってもよい。
これらLED14を実装する回路基板16Bは、LED14の発光面14aと、導光板12の発光面12bを構成する部分を除く周囲とを覆うハウジング16Aと共に、反射部材16を構成するものである。前述の如く、導光板12は、LED14が配置された周端面の一面12aに近づく程厚みが小さくなるくさび状断面を有していることから、拡散手段が形成された主面12cと反射部材16との間には、くさび状の空間Aが形成される。なお、図1(a)には、導光板12の主面12dと回路基板16Bとの間にも、一定の厚みの空間が形成されているが、発光装置10の薄型化のために、この空間を図2の例と同様に無くしても良い。又、LED14と、導光板12のLED14が対向する面12a及びハウジング16Aとの間の空間も同様である。
【0024】
又、ハウジング16Aは、白色樹脂(白色ポリカ)で構成され、回路基板16Bは、導光板12との対向面が白色に塗装されることで、光の反射効率を高めている。更に、図示は省略するが、適宜、導光板12の発光面12bには、プリズム形状が形成され、又は、プリズムシートが配置される。同様に、導光板12のLED14が対向する面12aについても、入光プリズムが形成されていても良い。なお、個々に用いられる具体的なプリズム形状については、適切な光の拡散効果が得られるものであれば良い。
【0025】
更に、図3に示されるように、LED14が配置された周端面の一面12f(図示の例では対向する二面であるが、何れか一面であっても良い。)と、発光面を構成する面12bとが交差(図示の例では平面視で直交)しており、かつ、周端面12fのLED14(LED14の発光面14a)が対向する部分が、発光面12bと対向する面12aの近傍に位置するように(すなわち、LED14の発光面14aの一部が、空間Aと対向するように)構成しても良い。なお、図3の例では、説明の便宜上、反射部材16の図示を省略しているが、図1、図2の例と同様に、LED14の発光面14aと、導光板12の発光面12bを構成する部分を除く周囲とを覆う態様で、反射部材が用いられて、発光装置10が構成されるものである。
【0026】
さて、上記構成をなす、本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。すなわち、発光装置10は、導光板12の周端面のLED14が対向する部分12aの厚みt12aが、発光面12bを構成する部分の厚みよりも小さく、かつ、LED14の発光面14aの厚みt14aよりも小さく形成されていることにより、LED14の発光面14aからの出射光には、導光板12の周端面のLED14が対向する部分12aから導光板12内に入光する光と、導光板12内に入光せず主面12cに照射される光とが存在することとなる。
【0027】
このうち、周端面のLED14が対向する部分12aから導光板12内に入光する光は、導光板12内で全反射されながら又は拡散手段により拡散されながら発光面12bへと進み、一部は主面12cから導光板12の外へと出射される。一方、周端面のLED14が対向する部分12aから導光板12内に入光せず主面12cに照射される光は、LED14から出射されたときの広い角度分布を維持して、一部は主面12cから導光板12内に入光し、入光した光の一部は導光板12内で全反射されながら発光面12bへと進み、一部は主面12cから導光板12の外へと出射される。又、導光板12の周端面のLED14が対向する部分12aから導光板12内に入光せず主面12cに照射される光の一部は、主面12cによって反射される。そして、主面12cに反射された光と、一旦導光板12内に入光した後主面12cから出射された光とは、導光板12の発光面12bを構成する部分を除く周囲を覆う反射部材16によって反射され、導光板12へと向かい、導光板12の主面12cから導光板12内に入射する。しかも、主面12cに形成された拡散手段によって、主面12cを介して導光板12の内外への光の入射、出射がなされる都度、光は拡散される。
【0028】
従って、LED14の発光面14aからの出射光のうち、導光板12の周端面のLED14が対向する部分12aから導光板12内に入光する光と、導光板12内に入光せず主面12cに照射される光との双方が、最終的には導光板12の発光面12bから導光板12の外部へと出射され、導光板12の周端面の発光面12bの、均一発光に寄与することとなる。
【0029】
又、拡散手段が形成された主面12cと反射部材16との間に形成される空間Aは、導光板12内に入光せず主面12cに照射される光が、LED14から出射されたときの広い角度分布を維持して、一部は主面12cから導光板12内に入光し、更にその一部は主面12cから導光板12の外へと出射されるための、光の通路となる。
しかも、導光板12と空間Aの空気との屈折率の違い(例えば1.5:1)から、空間Aは、光が狭い角度範囲に集光されることなく拡散するための、拡散エリアとして機能するものである。
【0030】
又、導光板12の、LED14が対向する部分12aの厚みt12aが、LED14の発光面14aの厚みt14aの半分以下に形成されている場合には、LED14の発光面14aからの出射光のうち、導光板12の周端面のLED14が対向する部分12aから導光板12内に入光する光の割合よりも、導光板12内に入光せず主面12cに照射される光の割合の方が多くなる。この場合には、LED14から出射されたときの角度分布を維持して、導光板12内に入光せず主面12cに照射される光の割合が多くなることで、最終的に導光板12の発光面12bから導光板12の外部へと出射される光の、均一化が促進されることとなる。
【0031】
又、導光板12の一対の主面12c、12dは非平行領域を有し、この非平行領域において、主面12cを介して導光板12の内外への光の入射、出射がなされる。しかも、この非平行領域を構成する面12cに形成された拡散手段によって、主面12cを介して導光板12の内外への光の入射、出射がなされる都度、光は拡散され、最終的に導光板12の発光面12bから導光板12の外部へと出射される光の、均一化が促進されることとなる。
【0032】
なお、図1、図2の例では、導光板12の主面の一方12dが、周端面のLED14が対向する部分12aと直交する平面であり、それに対してもう一方の主面12cが傾斜面を有していることで、LED14の発光面14aからの出射光のうち、導光板12内に入光せず主面12cに照射される光は、この傾斜面を有する主面12cに照射されるものである。そして、傾斜面である主面12cに形成された拡散手段によって、主面12cを介して導光板12の内外への光の入射、出射がなされる都度、光は拡散され、最終的に導光板12の発光面12bから導光板12の外部へと出射される光の、均一化が促進されることとなる。
【0033】
又、図1、図2の例では、LED14が配置された面12aと発光面を構成する面12bとが対向していることから、LED14が配置された周端面の一面12aから、導光板12内に入光する光と、導光板12内に入光せず主面12cに照射される光とが、上記光の進行経路を辿り、最終的に、LED14が配置された周端面の一面12aと対向する発光面12bから、導光板12の外部へと出射されるものである。
【0034】
これに対して、図3の例では、導光板12の、発光面12bを構成する面と平面視で直交する周端面12fにLED14が配置され、しかも、LED14が、導光板12の発光面12bと対向する面12aの近傍に位置することで、発光面12bと直交する周端面12fから導光板12内に入光する光と、導光板12内に入光せず主面12cに照射される光とが、上述の光の進行経路を辿り、最終的に、発光面12bから導光板12の外部へと出射されるものである。
【0035】
従って、上記構成を有する、本発明の実施の形態に係る発光装置10は、導光板12の平面視において、発光面を構成する周端面12bの辺長よりも、発光面12bと直交する周端面12fの辺長が短いにもかかわらず、最終的に、発光面12bから導光板12の外部へと出射される光は、均一化が促進されたものとなる。
【符号の説明】
【0036】
10:発光装置、12:導光板、12a:LEDが対向する面、12b:発光面、 12c、12d:主面、12e:もう一方の主面と平行な面、12f:発光面と直交する周端面、14:LED、14a:発光面、16:反射部材、16A:ハウジング、16B:回路基板、A:空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する2つの主面と該主面間をつなぐ周端面とを含む導光板と、
該導光板の周端面の少なくとも一面に対向して配置される点状光源とを含み、
前記点状光源が配置された面を除く周端面の一面が発光面を構成する発光装置であって、
前記導光板の、前記点状光源が対向する部分の厚みが、前記発光面を構成する部分の厚みよりも小さく、かつ、前記点状光源の発光面の厚みよりも小さく形成され、更に、前記主面の少なくとも一方に拡散手段が形成されており、
前記点状光源及び前記導光板の発光面を構成する部分を除く周囲を覆う反射部材を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記拡散手段が形成された主面と前記反射部材との間に空間が形成されていることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記導光板の一対の主面は非平行領域を有し、該非平行領域を構成する面に前記拡散手段が形成されていることを特徴とする請求項1又は2項記載の発光装置。
【請求項4】
前記導光板の主面の一方が、前記周端面の前記点状光源が対向する部分と直交する平面であり、それに対してもう一方の主面が傾斜面を有しており、該傾斜面に前記拡散手段が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の発光装置。
【請求項5】
前記導光板の周端面の、前記点状光源が配置された面と前記発光面を構成する面とが対向していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の発光装置。
【請求項6】
前記導光板の周端面の、前記点状光源が配置された面と前記発光面を構成する面とが交差しており、かつ、前記点状光源が前記発光面と対向する面の近傍に位置することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−227053(P2012−227053A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95070(P2011−95070)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000114215)ミネベア株式会社 (846)
【Fターム(参考)】