説明

発振器

【課題】簡易な構成で、三角波波形とのこぎり波波形とを発振可能な発振器を提供すること。
【解決手段】トランジスタ2がオンすると、トランジスタ4はオフする。これに応答して、コンデンサ5が電流I2で充電されて、コンデンサ5の電圧V1がリニアに上昇する。そして、V1がシュミットトリガの上側しきい値を上回ると、反転回路6の出力が反転される。この結果、今度は、トランジスタ4がオンし、トランジスタ2がオフとなる。これに応答して、コンデンサ5の電圧V1が電流I4で放電されてV1がリニアに下降する。そして、V1がシュミットトリガの下側しきい値を下回ると、反転回路6の出力が反転される。このような動作が繰り返されて、コンデンサ5の充電および放電が繰り返されることにより、出力端子10からは発振波形が出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、「三角波波形」と「のこぎり波波形」とを発振可能な発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
三角波を発振する三角波発振回路は様々なものが提案されており、例えば、コンデンサの充電電流および放電電流を、制御回路に設けた電流ミラー回路を構成するトランジスタ(Tr)と抵抗(R)とからなる「基準電流回路」の電流I0に比例した電流値に設定し、発振電圧の上限電圧と下限電圧の差電圧を、この「基準電流回路」の電流I0の電流値の変化に対応して変化するように制御する発振電圧設定回路を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この三角波発振回路は、特に半導体集積回路として形成される三角波発振回路において、回路を構成する各抵抗の抵抗値のばらつきによる発振周波数のばらつきを低減することを目的とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−216722号公報(第3−4頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この三角波発振回路にあっては、制御回路と発振電圧設定回路とを個別に構成しその分、回路規模が大きくなるという問題があった。また、音楽分野におけるシンセサイザを構築する際、LFO(低周波発振器)を用いることが多い。このLFOは、その信号を用いて音量、ピッチ等に変調(モデュレーション)を施し、周期的な揺れを与えることによって、ビブラート等の効果付加を行うものである。このLFOが発振する三角波波形として、通常の二等辺三角形のみならず、「二等辺三角形と頂点の高さが同じで、且つ、二辺の長さが異なる三角形波形(換言すれば、のこぎり波)」をも発振することが望まれていた。つまり、一つの発振器で「三角波波形」も「のこぎり波波形」も発振可能な発振器の提供が望まれていた。また、仮に一つの発振器で両波形を発振可能な回路を実現しても発振周波数の可変範囲を広く設定することは従来技術では不可能であり、コンデンサの充放電の時定数の影響で波形の直線性を確保することが困難であった。
【0005】
本発明は、かかる従来の課題を解決するためになされたもので、簡易な構成で、波形の直線性を維持しつつ周波数範囲も広く設定可能な、三角波波形とSAW波形(のこぎり波波形)とを発振可能な発振器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、1対のPNP型トランジスタ(Q1、Q2)からなる第1の電流ミラー回路(100)と、1対のNPN型トランジスタ(Q3、Q4)からなる第2の電流ミラー回路(200)とを、双方の1対のトランジスタ(Q1、Q2とQ3、Q3)同士が対応するように接続されており、
一端が接地されたコンデンサ(C)と、このコンデンサ(C)の他端の電圧を反転出力するシュミットトリガ機能付きの第1の反転回路(6)と、この第1の反転回路(6)の出力電圧を反転出力する第2の反転回路(7)と、この第2の反転回路(7)の出力側にその一端(b)が接続されると共にその他端(a)が前記第1の反転回路(6)の出力側に接続された第1の可変抵抗(20)と、を備え、
前記第1の電流ミラー回路(100)の1対のPNP型トランジスタ(Q1、Q2)の内の一方のPNP型トランジスタ(Q2)のコレクタと前記コンデンサ(C)の前記他端とが接続されていると共に、他方のPNP型トランジスタ(Q1)のコレクタには第2の可変抵抗(10)の一端(d)が接続され、且つ、前記第2のミラー回路(200)の1対のNPN型トランジスタ(Q3、Q4)の内の一方のNPN型トランジスタ(Q4)のコレクタと前記コンデンサ(C)の前記他端とが接続されていると共に、他方のNPN型トランジスタ(Q3)のコレクタには第2の可変抵抗(10)の他端(c)が接続されており、
更に、前記一方のPNP型トランジスタ(Q2)のエミッタ端子には、前記第1の可変抵抗(20)の真ん中の端子(e)が接続されていると共に、前記一方のNPN型トランジスタ(Q4)のエミッタが接続されている構成とした。
【0007】
また、第1の電流ミラー回路(100)と第2の電流ミラー回路(200)とのより詳細な接続構成は、前記第1の電流ミラー回路(100)の前記一方のPNP型トランジスタ(Q2)のコレクタと前記第2の電流ミラー回路(200)の前記一方のNPN型トランジスタ(Q4)のコレクタとが接続されていると共に、前記第1の電流ミラー回路(100)の前記他方のPNP型トランジスタ(Q1)のコレクタと前記第2の電流ミラー回路(200)の前記他方のNPN型トランジスタ(Q3)のコレクタとが接続され、更に、前記第2の電流ミラー回路(200)の前記他方のNPN型トランジスタ(Q3)のエミッタが接地されると共に、前記第1の電流ミラー回路(100)の前記他方のPNP型トランジスタ(Q1)のエミッタに定電圧が印加されている構成である。
【0008】
また、この発振器において、前記第2の可変抵抗の(10)の真ん中の端子(f)には第2の定電圧(VDD/2)を印加している。そして、第1の可変抵抗(20)のつまみを回しきっても発振条件を満たすように、前記第1の可変抵抗(20)の前記一端(b)と前記第2の反転回路との間に抵抗(R)を設けるのが好ましい。そして、上記発振器において、ノイズによる誤動作等を防止するため、前記第2の反転回路(7)はシュミットトリガ機能を有したものとすることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡易な構成で、波形の直線性を維持しつつ周波数範囲も広く設定可能で、三角波波形とのこぎり波波形とを発振可能な発振器を提供することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】発振器300の構成図である。
【図2】動作の説明図である。
【図3】動作の説明図である
【図4】動作の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態である発振器300の回路構成図である。
【0012】
(構成)
先ず、この発振器300は、1対のPNP型トランジスタ1(Q1)、2(Q2)からなる第1の電流ミラー回路100と、1対のNPN型トランジスタ3(Q3)、4(Q4)からなる第2の電流回路200とを双方の1対のトランジスタ(Q1、Q2とQ3、Q4)同士が対応するように接続された回路系を有している。なお、この発振器300においては、トランジスタ1(Q1)とトランジスタ2(Q2)との特性が等しく、且つ、トランジスタ3(Q3)とトランジスタ4(Q4)との特性が等しいものとする。PNP型トランジスタ1(Q1)のエミッタには定電圧(電圧値:VDD)が印加され、そのベースとそのコレクタは接続されている。また、PNP型トランジスタ2(Q2)のエミッタは、可変抵抗20(VR2:第1の可変抵抗)の真ん中の端子eと接続されている。そして、両トランジスタ1(Q1)とトランジスタ2(Q2)とは互いにベースで接続されているため、PNP型トランジスタ1(Q1)とPNP型トランジスタ2(Q2)とで電流ミラー回路100が構成されている。そして、「V4=VDD」の時、PNP型トランジスタ1(Q1)のコレクタ電流I1とPNP型トランジスタ2(Q2)のコレクタ電流I2とは等しくなる。
【0013】
また、NPN型トランジスタ3(Q3)のエミッタは接地され、そのベースとそのコレクタは接続されている。更に、このPNP型トランジスタ3(Q3)のベースと、NPN型トランジスタ4(Q4)のベースとは接続されているため、NPN型トランジスタ3(Q3)とNPN型トランジスタ4(Q4)とで電流ミラー回路200が構成されている。そして、「V4=0」の時、NPN型トランジスタ3(Q3)のコレクタ電流I3とNPN型トランジスタ4(Q4)のコレクタ電流I4とは等しくなる。
【0014】
更に、第1の電流ミラー回路100のPNP型トランジスタ1(Q1)のコレクタと可変抵抗10(VR1:第2の可変抵抗)の一端dとが接続されていると共に、第2の電流ミラー回路200のNPN型トランジスタ3(Q3)のコレクタと可変抵抗10の他端cとが接続されており、更に、可変抵抗10の真ん中の端子fには定電圧(電圧値:VDD/2)が印加されている。また、NPN型トランジスタ4(Q4)のコレクタは、一端が接地されたコンデンサ5(C)の他端に接続されており、この接続点(コンデンサ5(C)の他端)には第1の電流ミラー回路100のPNP型トランジスタ2(Q2)のコレクタも接続されている。更に、このPNP型トランジスタ2(Q2)のエミッタは、第1の電流ミラー回路100のPNP型トランジスタ2(Q2)のエミッタとも接続されている。
【0015】
また、コンデンサ5(C)の他端(接地している端子の反対端子)には、このコンデンサ5(C)の他端の電圧V1を反転出力するシュミットトリガ機能付きの反転回路6(第1の反転回路)の入力端子が接続され、この反転回路6の出力側には、入力電圧を反転出力する反転回路7(第2の反転回路)が更に接続されている。そして、この反転回路7の出力側に抵抗8(R)を介して、可変抵抗20(VR2:第1の可変抵抗)の一端bが接続されていると共に、可変抵抗20(VR2)の他端aが反転回路6の出力側に接続されている。なお、コンデンサ5(C)の端子(又は反転回路6の入力端)には出力端子10が接続されていて、この出力端子10から三角波波形やSAW波形(のこぎり波波形)が出力される。また、反転回路6および反転回路7は、CMOSで構成されているので、それらの入力電流が少なく、しかも、出力電圧の範囲が略電源電圧まで上昇可能であるという利点を有する。なお、反転回路7は必ずしもシュミットトリガ機能を有するものである必要はないが、シュミットトリガ機能を有する構成とすれば回路動作を安定させることができる。
【0016】
(発振動作)
コンデンサ5(C)の電圧をV1とする。ここで電源を投入すると(具体的には定電圧VDD、VDD/2を印加して所要の回路素子に電圧を印加する)、電源投入直後のV1は「0(V)」である。したがって、トランジスタ2(Q2)がオンし、トランジスタ4(Q4)はオフとなる。すると、コンデンサ5(C)がPNP型トランジスタ2(Q2)のコレクタ電流である電流I2で充電されV1がリニアに上昇する(この時、I4=0)。そして、V1がシュミットトリガの上側しきい値を上回ると、反転回路6の出力が反転される。この結果、今度は、トランジスタ4(Q4)がオンし、トランジスタ2(Q2)がオフとなる。すると、コンデンサ5(C)の電圧がNPN型トランジスタ4(Q4)のコレクタ電流である電流I4で放電されて、V1がリニアに下降する(この時、I2=0)。そして、V1がシュミットトリガの下側しきい値を下回ると、反転回路6の出力が反転される。このような動作が繰り返されて、コンデンサ5(C)の充電および放電が繰り返されることにより、出力端子10からは三角波やのこぎり波が出力される。なお、三角波やのこぎり波が出力されることについては後述する。
【0017】
(発振周波数の変化動作)
図2は発振周波数の変化の様子を示す動作の説明図であり、横軸に可変抵抗20(VR2)の位置、縦軸に発振出力信号の周波数(Hz)を示している。可変抵抗20(VR2)は、つまみを時計方向に回すと「端子a−端子e(又は端子b−端子e)」間の抵抗値が徐々に大きくなるものである。例えば、「10k(Ω)」の可変抵抗20は「「端子a−端子e(又は端子b−端子e)」間の抵抗値を、つまみ操作によって「0(Ω)」から「10k(Ω)」まで変化させることができる。つまり、つまみの操作によって、真ん中の端子eの位置を、可変抵抗20(VR2)の一端側の端子aから他端側の端子bまで移動させることができる。図2において横軸のVR2位置「0.0」は真ん中の端子eが端子bまで移動した場合であり、一方、VR2位置「1.0」は真ん中の端子eが端子aまで移動した場合のことである。したがって、VR2位置「0.5」は可変抵抗20(VR2)の抵抗値(端子a−端子e間の抵抗値)が「5k(Ω)」の場合である。図2を参照すれば分かるように、真ん中の端子eが、端子bから端子aまで移動するに従って発振出力信号の周波数が高くなる。以下、このようにVR2位置(端子eの位置)が移動すると、周波数fが変化することについて説明する。
【0018】
理想ダイオードの電圧−電流特性を表わす式から「IES」および「IS」を定数とすると、「I1=IES(exp(VBE1/Vt)−1)、I2=IS(exp(VBE2/Vt)−1):ここでVBE1、VBE2は夫々トランジスタ1(Q1)、トランジスタ2(Q2)のベースエミッタ間電圧、exp( )は自然対数の底のべき乗を表わす」となり、exp関数の部分は「1」より十分に大きいので、「I1=IES・exp(VBE1/Vt)、I2=IS・exp(VBE2/Vt)」となる。なお、Vtは熱電圧(Thermal voltage)であり、Vt=kT/Qである(但し、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、Qは電子の電荷でありVtは25m(V)程度)。ところで、「IS=αFES、BE2 =VBE1−ΔV:αFは定数のベース接地電流増幅率」であるので、「I2=αFESexp(VBE2/Vt)=αFESexp((VBE1−ΔV)/Vt)=αFI1exp(−ΔV/Vt)」となる。また、φVR2を可変抵抗20(VR2)の位置(0≦φVR2≦1)、RVR2を可変抵抗20(VR2)の両端抵抗とすると、「ΔV=|V4−V2|=VDD(1−φVR2)RVR2/(RVR2+R)」となり、結局、「I2=AI1exp(BφVR2)、A=αFexp(−B/Vt)、B=VDD・RVR2/(RVR2+R)」となる。故に、A、Bは定数となるので「I2∝I1exp(BφVR2)(式1)」となる。上下対象であるので「I4∝I3exp(BφVR2)(式2)」となる。更に、図4に示すようtriseの期間、リニアに上昇し、tfallの期間、リニアに下降する波形を想定する(なお、上昇直線と水平方向とのなす角度をθ1、下降直線と水平方向とのなす角度をθ2とするとtanθ1=I2/C、tanθ2=I4/Cとなる)と、周波数f(Hz)は「f=1/(trise+tfall)=1/((1/I2+1/I4)VHYSC)(VHYSはヒステリシスの幅)」となるので、結局「f∝exp(BφVR2)」となり、周波数fは可変抵抗20(VR2)の位置を変更することによって変化することになる。
【0019】
(波形の変化動作)
図3は発振出力波形の変化の様子を示す動作の説明図であり、発振出力波形の1周期分を示している。横軸に時間(sec)、縦軸に出力電圧(V)をとっている。なお、周波数一定で発振出力波形が変化可能な場合には、電流が変化してもトランジスタ1(Q1)のベースエミッタ間電圧(VBE1)は一定値であり、また、電流が変化してもトランジスタ3(Q3)のベースエミッタ間電圧(VBE3)が一定値であることが条件となる。そして、可変抵抗10(VR1)位置を5種類変化させた場合の波形の変化を示している。可変抵抗10(VR1)は、つまみを時計方向に回すと「端子c−端子f(又は端子c−端子f)」間の抵抗値が徐々に大きくなるものである。例えば、「端子c−端子f(又は端子c−端子f)」間の抵抗値を、つまみ操作によって「0(Ω)」から「500k(Ω)」まで変化させることができる。つまり、つまみの操作によって、真ん中の端子fの位置を、可変抵抗10(VR1)の一端側の端子cから他端側の端子dまで移動させることができる。
【0020】
図2において横軸のVR1位置「0.01」は真ん中の端子fが端子cまで移動した場合であり、一方、VR1位置「1.0」は真ん中の端子fが端子dまで移動した場合である。したがって、VR1位置「0.5」は可変抵抗10(VR1)の抵抗値(端子c−端子f間の抵抗値)が「250k(Ω)」の場合である。なお、VR1位置「0.7」の場合には真ん中の端子fがVR1位置「0.5」よりも端子d側に移動した場合、また、VR1位置「0.3」の場合には真ん中の端子fがVR1位置「0.5」よりも端子c側に移動した場合である。そして、VR1位置「0.99」、「0.7」、「0.5」、「0.3」、「0.01」の夫々に対して、一周期分の波形が符号A、B、C、D、Eに示すように変化する。図3参照すれば分かるように、「VR1位置=0.5」の場合には三角波が出力され、これ以外の場合には、のこぎり波が出力される。
【0021】
次に、VR1位置(端子fの位置)が移動すると、波形が変わることについて図4等を参照して説明する。図4において、「trise=VHYSC/I2、tfall=VHYSC/I4」なので周期Tは「T=trise+tfall=(1/I2+1/I4)VHYSC」となり、上述した式1、式2から「T∝(1/I1+1/I3)」となる。したがって、「1/I1+1/I3」が一定値であれば、可変抵抗10(VR1)のつまみ操作によってI1とI3の分配比を調整して、周期Tを一定としつつ、例えば図3のように三角波や上昇時間の異なるSAW波(のこぎり波)を発振出力させることができる。
【0022】
以上説明してきたように、本発明の実施形態の発振器300によれば、その発振出力を三角波のみならずSAW波(のこぎり波)とすることができ、その発振周波数範囲も広い範囲とすることができる。しかも、発振出力波形がコンデンサの時定数で丸まったりせずに、発振出力波形の直線性を維持することも可能である。また、以上の実施形態においては、コンデンサ5(C)の容量を「0.01μ(F)」、可変抵抗10の最大抵抗値を「500k(Ω)」、可変抵抗20の最大抵抗値を「10k(Ω)」、抵抗8(R)を「180k(Ω)」としたが回路素子の定数は適宜選択し得る。
【産業上の利用可能性】
【0023】
以上説明してきたように、本発明の発振器は、例えば音楽分野におけるシンセサイザの構成部品としてのLFOとして採用し、ピッチ、強度等に変調を施すのに利用することができる。
【符号の説明】
【0024】
1 トランジスタ(Q1)
2 トランジスタ(Q2)
3 トランジスタ(Q3)
4 トランジスタ(Q4)
5 コンデンサ(C)
6 反転回路
7 反転回路
8 抵抗(R)
10 可変抵抗(VR1)
20 可変抵抗(VR2)
100 第1の電流ミラー回路
200 第2の電流ミラー回路
300 発振器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1対のPNP型トランジスタ(Q1、Q2)からなる第1の電流ミラー回路(100)と、1対のNPN型トランジスタ(Q3、Q4)からなる第2の電流ミラー回路(200)とを、双方の1対のトランジスタ(Q1、Q2とQ3、Q3)同士が対応するように接続されており、
一端が接地されたコンデンサ(C)と、このコンデンサ(C)の他端の電圧を反転出力するシュミットトリガ機能付きの第1の反転回路(6)と、この第1の反転回路(6)の出力電圧を反転出力する第2の反転回路(7)と、この第2の反転回路(7)の出力側にその一端(b)が接続されると共にその他端(a)が前記第1の反転回路(6)の出力側に接続された第1の可変抵抗(20)と、を備え、
前記第1の電流ミラー回路(100)の1対のPNP型トランジスタ(Q1、Q2)の内の一方のPNP型トランジスタ(Q2)のコレクタと前記コンデンサ(C)の前記他端とが接続されていると共に、他方のPNP型トランジスタ(Q1)のコレクタには第2の可変抵抗(10)の一端(d)が接続され、且つ、前記第2のミラー回路(200)の1対のNPN型トランジスタ(Q3、Q4)の内の一方のNPN型トランジスタ(Q4)のコレクタと前記コンデンサ(C)の前記他端とが接続されていると共に、他方のNPN型トランジスタ(Q3)のコレクタには第2の可変抵抗(10)の他端(c)が接続されており、
更に、前記一方のPNP型トランジスタ(Q2)のエミッタには、前記第1の可変抵抗(20)の真ん中の端子(e)が接続されていると共に、前記一方のNPN型トランジスタ(Q4)のエミッタが接続されている発振器。
【請求項2】
請求項1に記載の発振器において、
前記第1の電流ミラー回路(100)の前記一方のPNP型トランジスタ(Q2)のコレクタと前記第2の電流ミラー回路(200)の前記一方のNPN型トランジスタ(Q4)のコレクタとが接続されていると共に、前記第1の電流ミラー回路(100)の前記他方のPNP型トランジスタ(Q1)のコレクタと前記第2の電流ミラー回路(200)の前記他方のNPN型トランジスタ(Q3)のコレクタとが接続され、更に、前記第2の電流ミラー回路(200)の前記他方のNPN型トランジスタ(Q3)のエミッタが接地されると共に、前記第1の電流ミラー回路(100)の前記他方のPNP型トランジスタ(Q1)のエミッタに定電圧が印加されていることを特徴とする発振器。
【請求項3】
請求項1および2の内のいずれか一項に記載の発振器において、
前記第2の可変抵抗の(10)の真ん中の端子(f)には第2の定電圧(VDD/2)が印加されていることを特徴とする発振器。
【請求項4】
請求項1、2および3の内のいずれか一項に記載の発振器において、
前記第1の可変抵抗(20)の前記一端(b)と前記第2の反転回路との間には抵抗(R)が設けられていることを特徴とする発振器。
【請求項5】
請求項1、2、3および4の内のいずれか一項に記載の発振器において、
前記第2の反転回路(7)はシュミットトリガ機能を有することを特徴とする発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−110485(P2013−110485A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252241(P2011−252241)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000130329)株式会社コルグ (111)