説明

発泡剤、エアロゾルおよび溶媒としてのHFC−245faとHFO−1234ze混合異性体

約75重量%〜約90重量%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、約1重量%〜約15重量%のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび約1重量%〜約15重量%の1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンを含む発泡剤である組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2008年7月16日出願の米国特許仮出願第61/081,089号および2008年8月18日出願の米国特許仮出願第61/089,597号の利益を主張するものであり、その両方を参照によって本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、発泡剤として有用な組成物に関する。より具体的には、本発明は、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(トランス−HFO−1234ze)、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(シス−HFO−1234ze)、および1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)を含む組成物、ならびに発泡体を形成するための発泡剤としてのかかる組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、クロロフルオロカーボン(CFCs)は、発泡剤として使用されてきた。近年、特定のクロロフルオロカーボンが地球のオゾン層にとって有害になり得るという懸念が広がりつつある。その結果、塩素置換基を殆どまたは全く含有しないハロカーボンを使用するための世界規模の研究がなされている。したがって、発泡剤として使用するのに環境上望ましい生成物を提供するためのヒドロフルオロカーボン、または炭素、水素およびフッ素のみを含有する化合物の生成は、高まりつつある関心の対象になっている。さらに、地球温暖化へのそれらの寄与を最小限に抑えるために、これらの生成物が比較的短い大気寿命を有することが有利である。これに関して、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(トランス−1234ze)は、オゾン層破壊係数(ODP)がゼロであり、地球温暖化係数(GWP)が低い化合物として、使用される潜在的可能性を有する化合物である。
【0004】
HFO−1234ze(即ち、ヒドロフルオロオレフィン−1234ze)の製造は、当技術分野で公知である。例えば、米国特許第5,710,352号明細書(特許文献1)には、HCFC−1233zdおよび少量のHFO−1234zeを形成するための1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(HCC−240fa)のフッ素化が教示されている。米国特許第5,895,825号明細書(特許文献2)には、HFC−1234zeを形成するためのHCFC−1233zdのフッ素化が教示されている。米国特許第6,472,573号明細書(特許文献3)には、HFO−1234zeを形成するためのHCFC−1233zdのフッ素化が教示されている。米国特許第6,124,510号明細書(特許文献4)には、HFC−245faを脱フッ化水素化することによって、HFO−1234zeのシスおよびトランス異性体を形成することが教示されている。米国特許第5,574,192号明細書(特許文献5)には、HCC−240faのフッ素化を介してHFC−245faを形成することが記載されている。米国特許出願公開第2008/0051611A1号公報(特許文献6)には、最初に1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを脱フッ化水素化し、それによりシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよびフッ化水素の混合物を生成することによって、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造する方法が教示されている。次いで、フッ化水素を任意選択で回収し、それから、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを回収する。
【0005】
1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの脱フッ化水素化反応の反応器産出物(reactor output)によって、発泡剤として直接使用することができるトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(トランス−HFO−1234ze)、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(シス−HFO−1234ze)および1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)を含む組成物が得られることが今や見出されている。気相脱フッ化水素化反応の場合、HFが存在することもある。このHFは、これらの組成物を発泡剤として使用する前に、当技術分野で公知の任意の手段によって除去すべきである。該組成物は、CFCおよびHCFCの代替として継続的なニーズを満たすものである。該組成物は、ゼロのオゾン層破壊係数(ODP)を有し、軽減された地球温暖化係数(GWP)を有すると同時に、発泡剤の用途において高い性能をもたらす。この反応器産出物組成物は、発泡熱硬化性プラスチック、特にポリウレタンおよびポリイソシアヌレート断熱材(断熱発泡体)用途における発泡剤として使用するのに特に魅力的である。この組成物の断熱特性は、改善された溶解性および蒸気圧の低減により加工特性における改善を示しており、それによって泡の形成および気泡(セル)形成が低減し、形態が改善する。さらなる一実施形態は、加圧したある成分の発泡体における反応器産出物組成物の使用に関する。ラウールの法則によって説明される通り、発泡剤系の必然的に低い蒸気圧によって、パッケージの耐圧能力を超えることなく適切な膨張に必要な必須のガス量を満たしながら、他のより高い圧力および/または高い分子量の噴射剤(あるいは推進剤;propellants)を使用することができる。この反応器産出物組成物は、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの発泡熱可塑性物質における発泡剤として使用するのに魅力的である。これらの組成物は、発泡剤の可溶性および押し出し中のポリマー溶融物の可塑化を改善し、それによってバレル内およびダイにおける圧力が低下する。さらに、気泡(セル)の大きさが改善され、それによって低密度発泡体を実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,710,352号明細書
【特許文献2】米国特許第5,895,825号明細書
【特許文献3】米国特許第6,472,573号明細書
【特許文献4】米国特許第6,124,510号明細書
【特許文献5】米国特許第5,574,192号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2008/0051611A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、約75重量%〜約90重量%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、約1重量%〜約25重量%のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、および約1重量%〜約15重量%の1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンを含む発泡剤を提供する。
【0008】
本発明はまた、(i)約50重量%〜約95重量%の上記発泡剤;ならびに(ii)ヒドロフルオロカーボン、C〜C炭化水素、C〜Cアルコール、エーテル、ジエーテル、アルデヒド、ケトン、ヒドロフルオロエーテル、C〜Cクロロカーボン、ギ酸メチル、水、二酸化炭素、C〜CヒドロフルオロオレフィンおよびC〜Cヒドロクロロフルオロオレフィンの1つまたは複数の成分を含む約5重量%〜約50重量%の共発泡剤(co−blowing agent);を含む発泡剤組成物を提供する。
【0009】
本発明はまた、上記発泡剤および任意選択で上記発泡剤の共発泡剤、ならびに発泡形成成分またはこれら成分の組合せを含む、発泡体構造を形成することができる発泡性組成物を提供する。
【0010】
本発明はさらに、(a)約75重量%〜約90重量%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、約1重量%〜約25重量%のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、および約1重量%〜約15重量%の1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンを含む発泡剤;ならびに(b)発泡体構造を形成することができる発泡形成成分またはこれら成分の組合せ;を混合することを含む、発泡体を形成する方法を提供する。
【0011】
本方法は、任意選択で共発泡剤を含むことによって実施することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの脱フッ化水素化法において、その反応はシスおよびトランス両方の1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの異性体、ならびに有機成分として未反応の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを含む。使用する脱フッ化水素化技術に応じて、幾らかのフッ化水素が生成することがある。フッ化水素による汚染は、有機成分の使用にとって有害であり、したがって除去(洗浄)、蒸留または抽出を含む当技術分野で公知の任意の経路を介して除去される。反応器産出物組成物は、操作条件、即ち反応器中の滞留時間、反応器の温度、使用する触媒、反応器の圧力、再利用流の組成、ならびに反応器の設計および構成によって制御される。反応器産出物は、前述のフッ化水素とは別に、該方法または該方法の条件によりやはり存在する他の望ましくない不純物を除去するために、部分的に精製することができる。反応器の構成には、滞留時間、多段反応器または反応物質の多数の通路が含まれ得るが、これに限定されない。
【0013】
HFC−245faの触媒による脱フッ化水素化は、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、残留するHFC−245faおよび場合によりフッ化水素を含む生成物を生成する。脱フッ化水素化反応は、当技術分野で周知である。好ましくは、HFC−245faの脱フッ化水素化は気相中で実施され、より好ましくは、気相中の固定床反応器内で実施される。脱フッ化水素化反応は、任意の適切な反応容器または反応器中で実施することができるが、それは、好ましくは、ニッケルおよびその合金などのフッ化水素の腐食作用に対して耐性がある材料から構成すべきであり、このような反応容器には、ハステロイ(Hastelloy)、インコネル(Inconel)、インコロイ(Incoloy)およびモネル(Monel)、またはフルオロポリマーで裏打ちした容器が含まれる。これらは、バルク形態または担持された状態のフッ素化金属酸化物、バルク形態または担持された状態の金属ハロゲン化物、ならびに炭素担持遷移金属、金属酸化物および金属ハロゲン化物の1つまたは複数であってよい脱フッ化水素化触媒を充填した単一または多数の反応器とすることができる。適切な触媒には、非排他的に、フッ素化クロミア(フッ素化Cr)、フッ素化アルミナ(フッ素化Al)、金属フッ化物(例えば、CrF、AlF)およびFe/C、Co/C、Ni/C、Pd/Cなどの炭素担持遷移金属(ゼロの酸化状態)または遷移金属ハロゲン化物が含まれる。HFC−245faは、窒素、アルゴンなどの任意選択の不活性ガス希釈剤と一緒に、反応器に導入される。本発明の好ましい一実施形態では、HFC−245faを、反応器に入れる前に予め蒸発させるか、または予熱する。あるいは、HFC−245faを反応器内で蒸発させる。有用な反応温度は、約100℃〜約600℃の範囲であり得る。好ましい温度は、約150℃〜約450℃の範囲であってよく、より好ましい温度は、約200℃〜約350℃の範囲であってよい。反応は、大気圧、大気圧を超える圧力、または真空下で実施することができる。真空圧は、約7×10Pa(5トール)〜約1×10Pa(760トール)であってよい。HFC−245faと触媒の接触時間は、約0.5秒〜約120秒、好ましくは約2秒〜約60秒、より好ましくは約5秒〜約40秒の範囲であってよく、しかしそれより長い時間または短い時間を使用することもできる。
【0014】
好ましい実施形態では、反応プロセス流は、反応管の触媒床を介して垂直下方または垂直上方の方向である。長期間の使用後に、反応器内の所定の位置にありながら、触媒を定期的に再生することも有利となり得る。触媒の再生は、当技術分野で公知の任意の手段によって、例えば約100℃〜約400℃、好ましくは約200℃〜約375℃の温度で、約0.5時間〜約3日間、触媒上に空気または窒素で希釈した空気を通過させることによって達成することができる。この後、フッ素化金属酸化物および金属フッ化物触媒については約25℃〜約400℃、好ましくは約200℃〜約350℃の温度でHF処理し、または炭素担持遷移金属触媒については約100℃〜約400℃、好ましくは約200℃〜約350℃の温度でH処理する。この実施形態では、脱フッ化水素化によって幾らかのフッ化水素が生成するが、その後除去される。シスまたはトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン1モル毎に対して1モルのHFが生成する。
【0015】
本発明の別の一実施形態では、HFC−245faの脱フッ化水素化は、HFC−245faを、それに限定されるものではないが、KOH、NaOH、Ca(OH)およびCaOを含む強い苛性溶液と高温で反応させることによって実現することもできる。この場合、苛性溶液中の苛性剤の量は、約2重量%〜約99重量%、より好ましくは約5重量%〜約90重量%、最も好ましくは約10重量%〜約80重量%である。
【0016】
反応は、約20℃〜約100℃、より好ましくは約30℃〜約90℃、最も好ましくは約40℃〜約80℃の温度で実施することができる。先の通り、反応は、大気圧、大気圧を超える圧力、または真空下で実施することができる。真空圧は、約7×10Pa(5トール)〜約1×10Pa(760トール)であってよい。さらに、任意選択で溶媒を使用して、有機化合物を苛性溶液に溶解する一助にすることができる。この任意選択の工程は、前記目的に関して当技術分野で周知の溶媒を使用して実施することができる。その例には、ジオキサミン(dioxamine)、N−メチルピロリジンなどの極性溶媒が含まれる。脱フッ化水素化が苛性技術を使用して実施される場合、非常に微量のフッ化水素が生成する。所望に応じて、クラウンエーテルまたはテトラアルキルアンモニウム塩などの相間移動触媒を使用することができる。
【0017】
脱フッ化水素化反応の生成物からフッ化水素を回収すべき実施形態では、フッ化水素の回収は、好ましくは、脱フッ化水素化反応から得られた組成物を硫酸抽出装置に通過させてフッ化水素を除去し、続いて硫酸から抽出したフッ化水素を脱着し、次いで脱着したフッ化水素を蒸留することによって実施される。分離は、硫酸を混合物に添加することによって実施することができるが、その混合物は液状または気体状態のいずれかである。硫酸対フッ化水素の通常の重量比は、約0.1:1〜約100:1の範囲である。フルオロカーボンおよびフッ化水素の液体混合物を用いて開始し、次いで硫酸を混合物に添加することができる。
【0018】
分離に必要な硫酸の量は、この系に存在するHFの量に依存して決まる。温度曲線の関数としての100%硫酸へのHFの溶解性から、硫酸の実際的な最少量を決定することができる。例えば30℃では、約34gのHFが100%硫酸100gに溶解することになる。しかしながら100℃では、わずか約10gのHFしか100%硫酸に溶解しないことになる。好ましくは、本発明で使用する硫酸は、約50%〜100%の純度を有する。
【0019】
好ましい実施形態では、硫酸対フッ化水素の重量比は、約0.1:1〜約1000:1の範囲である。より好ましくは、重量比は、約1:1〜約100:1、最も好ましくは約2:1〜約50:1の範囲である。好ましくは、反応は、約0℃〜約100℃、より好ましくは約0℃〜約40℃、最も好ましくは約20℃〜約40℃の温度で実施される。抽出は、通常、標準大気圧で実施されるが、それより高いまたは低い圧力条件も当業者によって使用され得る。硫酸をフルオロカーボンおよびHFの混合物に添加する際、2つの相が急速に形成される。フルオロカーボンに富む上相およびHF/硫酸に富む下相が形成される。「富む」という用語は、その相が、50%を超える指示成分をその相に含有し、好ましくは80%を超える指示成分をその相に含有することを意味する。この方法によるフルオロカーボンの抽出効率は、約90%〜約99%の範囲であり得る。
【0020】
各相の分離後、フルオロカーボンに富む上相を、フッ化水素および硫酸に富む下相から除去する。これは、デカンテーション、サイフォンの使用、蒸留または当技術分野で周知の他の技術によって実施することができる。任意選択で、除去した下相にさらなる硫酸を添加することによって、フルオロカーボン抽出を反復することができる。約2.25:1の硫酸対フッ化水素の重量比によって、ワンステップで約92%の抽出効率を得ることができる。好ましくはその後、フッ化水素と硫酸を分離する。硫酸からHFを回収するために、高温における硫酸へのHFの低い溶解性を利用することができる。例えば140℃では、わずか4gのHFしか100%硫酸に溶解しないことになる。HFを回収するために、HF/硫酸溶液を250℃まで加熱することができる。次いで、HFおよび硫酸を再利用することができる。即ちHFは、HFC−245faの形成のための先行する反応に再利用することができ、硫酸は、さらなる抽出工程における使用のために再利用することができる。
【0021】
本発明の別の実施形態では、フルオロカーボンおよびフッ化水素の混合物からのフッ化水素の回収は、硫酸流を、フルオロカーボンおよびフッ化水素流に導入する連続法によって、気相中で実施することができる。これは、標準の除去塔(scrubbing tower)内で、フルオロカーボンおよびフッ化水素流に対向して硫酸流を流すことによって実施することができる。硫酸の抽出は、例えば参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,895,639号明細書に記載されている。別の実施形態では、脱フッ化水素化の生成物からのフッ化水素の除去は、その生成物を、水および苛性剤を含む除去装置(scrubber)に通過させ、その後、硫酸乾燥カラムなどの中で乾燥させることによって実施される。
【0022】
あるいは、HFは、水もしくは苛性剤による除去装置を使用することによって、または金属塩と接触させることによって回収または除去することができる。水抽出装置を使用する場合、その技術は硫酸の技術と類似である。苛性剤を使用する場合、HFは、水溶液中のフッ化物塩として系から単に除去される。金属塩(例えばフッ化カリウムまたはフッ化ナトリウム)を使用する場合、純粋な状態(ニート)で、または水と共に使用することができる。HFは、金属塩を使用するときに回収することができる。生成物は、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび未反応のHFC−245faからなる混合物である。
【0023】
反応器産出物は、約75重量%〜約90重量%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、好ましくは約75重量%〜約85重量%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、より好ましくは約75重量%〜約80重量%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含有する。
【0024】
反応器産出物は、約1重量%〜約15重量%のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、好ましくは約1重量%〜約10重量%のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含有する。
【0025】
反応器産出物は、約1〜約15重量%の1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、好ましくは約1〜約10重量%の1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンを含有する。
【0026】
発泡剤、エアロゾルまたは溶媒組成物の地球温暖化係数(GWP)を軽減することがしばしば必要であり、もっと言えば望ましい。開示の通り、反応器産出物の実施形態では、好ましくは約200以下のGWPを有する。より好ましいのは、約150以下のGWPである。特定の環境下では、混合物の最も好ましいGWPは、約15以下である。本明細書で使用される通り、GWPは、参照によって本明細書に組み込まれる「The Scientific Assessment of Ozone Depletion(オゾン層破壊の科学的評価)、2002年、a report of the World Meteorological Association’s Global Ozone Research and Monitoring Project(世界気象協会の全球オゾン調査および観測計画の報告)」に定義されている通り、100年の計画対象期間にわたって二酸化炭素のGWPに対して測定される。特定の好ましい形態では、本組成物はまた、好ましくは0.05以下、より好ましくは0.02以下、さらにより好ましくはおよそゼロのオゾン層破壊係数(ODP)を有する。本明細書で使用される通り、「ODP」は、参照によって本明細書に組み込まれる「The Scientific Assessment of Ozone Depletion(オゾン層破壊の科学的評価)、2002年、A report of the World Meteorological Association’s Global Ozone Research and Monitoring Project(世界気象協会の全球オゾン調査および観測計画の報告)」に定義されている通りである。
【0027】
反応器組成物のさらなる実施形態は、発泡剤、エアロゾル噴射剤(aerosol propellant)または溶媒組成物の、不燃性または低可燃性を維持することに関する。
【0028】
1つまたは複数の共発泡剤、共噴射剤(co−propellants)または共触媒が有用であり、これは、モルガス量、可燃性の緩和またはGWP低減による有害な作用なしに、断熱性能、圧力性能または溶解性の形で、様々な用途に対して有効性をもたらす。これらの助剤(co−agent)には、それらに限定されるものではないが、ヒドロフルオロカーボン、C〜C炭化水素、C〜Cアルコール、エーテル、ジエーテル、アルデヒド、ケトン、ヒドロフルオロエーテル、C〜Cクロロカーボン、ギ酸メチル、水、二酸化炭素、C〜CヒドロフルオロオレフィンおよびC〜Cヒドロクロロフルオロオレフィンの1つまたは複数の追加成分が含まれる。これらの例には、非排他的に、ジフルオロメタン、トランス−1,2−ジクロロエチレン、ジフルオロエタン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、フルオロエタン、HFC−236faを含むヘキサフルオロプロパン異性体、HFC−245faを含むペンタフルオロプロパン異性体、HFC−227eaを含むヘプタフルオロプロパン異性体、ヘキサフルオロブタン異性体ならびにHFC−365mfcを含むペンタフルオロブタン異性体、テトラフルオロプロパン異性体、ならびにトリフルオロプロペン異性体(HFO−1243)の1つまたは複数が含まれる。特に、1,1,1,2−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)ならびにシス−およびトランス−1,2,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ye)を含むHFO−1234、HFC−1233zdおよびHFC−1225yeの全ての分子および異性体が含まれる。
【0029】
好ましい共発泡剤には、非排他的に、炭化水素;ギ酸メチル;ハロカーボン、フルオロカーボン、クロロカーボン、フルオロクロロカーボンなどのハロゲン含有化合物、特にフッ素含有化合物および塩素含有化合物;ヒドロフルオロカーボン、ヒドロクロロカーボン、ヒドロフルオロクロロカーボンなどのハロゲン化炭化水素;ヒドロフルオロオレフィン;ヒドロクロロフルオロオレフィン;CO;水などのCO発生材料;ならびにギ酸などのCOを生成する有機酸;が含まれる。それらの例には、非排他的に、エタン、プロパン(複数)、即ちノルマルペンタン、イソプロパン、イソペンタンおよびシクロペンタンなどの低沸点の脂肪族炭化水素;ブタン(複数)、即ちノルマルブタンおよびイソブタン;エーテルおよびハロゲン化エーテル;トランス−1,2−ジクロロエチレン、ペンタフルオロブタン;ペンタフルオロプロパン;ヘキサフルオロプロパン;ならびにヘプタフルオロプロパン;1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124);ならびに1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)ならびに1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134);1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a);1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(HCFC−142b);1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc);1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HCF−227ea);トリクロロフルオロメタン(CFC−11)、ジクロロジフルオロメタン(CFC−12);1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236fa);1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236ea);ジフルオロメタン(HFC−32);ジフルオロエタン(HFC−152a);1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa);トリフルオロプロペン、ペンタフルオロプロペン、クロロトリフルオロプロペン、1,1,1,2−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)を含むテトラフルオロプロペン、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225ye)ならびに1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFC−1233zd)が含まれる。前述のいずれかの組合せも有用である。上述した追加の共発泡剤のいずれかならびに本組成物に含まれる任意の追加成分の相対的な量は、本組成物に関する特定の適用に従って、本発明の全般的な広い範囲内で広範に変わることができ、全てのかかる相対的な量は、本発明の範囲に含まれるとみなされる。好ましい実施形態では、共発泡剤、共噴射剤または共触媒は、発泡剤、噴射剤または溶媒組成物全体の約5重量%〜約50重量%、好ましくは約10重量%〜約40重量%、より好ましくは約10重量%〜約20重量%の量で存在する。
【0030】
本発明の一態様は、発泡性組成物を提供する。当業者には公知の通り、発泡性組成物は一般に、発泡体および発泡剤を形成することができる1つまたは複数の発泡体形成剤を含む。発泡体形成剤は、発泡体構造、好ましくは一般に多孔質(気泡)発泡体構造(cellular foam structure)を形成することができる成分または成分の組合せを含む。本発明の発泡性組成物は、かかる成分および本発明の上記の発泡剤化合物を含む。特定の実施形態では、発泡体を形成することができる1つまたは複数の成分は、発泡体を形成することができる熱硬化性組成物および/または発泡性組成物を含む。熱硬化性組成物の例には、ポリウレタンおよびポリイソシアヌレート発泡体組成物、ならびにフェノール樹脂発泡体組成物も含まれる。これらは、ある成分の発泡体の例ではポリウレタンプレポリマーを含む。この反応および発泡プロセスは、気泡(セル)の大きさを制御かつ調節し、形成中の発泡体構造を安定化するように働く触媒および界面活性剤などの様々な添加剤の使用によって強化され得る。さらに、本発明の発泡剤組成物に関して上記の追加の成分の任意の1つまたは複数を、本発明の発泡性組成物に組み込むことができることが企図される。かかる熱硬化性発泡体の実施形態では、本組成物の1つまたは複数は、発泡性組成物中の発泡剤として、もしくはその一部として、または2種類以上の部分の発泡性組成物の一部として含まれ、好ましくは適切な条件下で反応しおよび/または発泡して発泡体または多孔質(気泡)構造(cellular structure)を形成することができる成分の1つまたは複数を含む。
【0031】
本発明は、本発明の発泡剤、1つまたは複数のポリオール、1つまたは複数の触媒および任意選択で1つまたは複数の界面活性剤の組合せを含むポリオールプレミックス組成物を提供する。発泡剤成分は、通常、ポリオールプレミックス組成物の重量に対して約1重量%〜約30重量%、好ましくは約3重量%〜約25重量%、より好ましくは約5重量%〜約25重量%の量でポリオールプレミックス組成物に存在する。
【0032】
ポリオールの混合物を含むポリオール成分は、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート発泡体の調製において公知の方法でイソシアネートと反応する任意のポリオールであってよい。有用なポリオールは、スクロース含有ポリオール;フェノール、フェノールホルムアルデヒド含有ポリオール;グルコース含有ポリオール;ソルビトール含有ポリオール;メチルグルコシド含有ポリオール;芳香族ポリエステルポリオール;天然物(例えば大豆)由来のポリオール、グリセロール;エチレングリコール;ジエチレングリコール;プロピレングリコール;ポリエーテルポリオールとビニルポリマーのグラフトコポリマー;ポリエーテルポリオールとポリ尿素のコポリマー;1つまたは複数の(b)と縮合した、1つまたは複数の(a)(ここで、(a)グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン、ペンタエリスリトール、大豆油、レシチン、トール油、パーム油、ヒマシ油であり、(b)エチレンオキシド、プロピレンオキシド、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの混合物である);またはこれらの組合せ;の1つまたは複数を含む。ポリオール成分は、通常、ポリオールプレミックス組成物の重量に対して、約60重量%〜約95重量%、好ましくは約65重量%〜約95重量%、より好ましくは約70重量%〜約90重量%の量でポリオールプレミックス組成物に存在する。
【0033】
ポリオールプレミックスは、触媒を含むこともできる。有用な触媒は、第1級アミン、第2級アミンまたは最も一般的には第3級アミンである。有用な第3級アミン触媒には、非排他的に、ジシクロヘキシルメチルアミン;エチルジイソプロピルアミン;ジメチルシクロヘキシルアミン;ジメチルイソプロピルアミン;メチルイソプロピルベンジルアミン;メチルシクロペンチルベンジルアミン;イソプロピル−sec−ブチル−トリフルオロエチルアミン;ジエチル−(α−フェニルエチル)アミン;トリ−n−プロピルアミン;またはその組合せ;が含まれる。有用な第2級アミン触媒には、非排他的に、ジシクロヘキシルアミン;t−ブチルイソプロピルアミン;ジ−t−ブチルアミン;シクロヘキシル−t−ブチルアミン;ジ−sec−ブチルアミン、ジシクロペンチルアミン;ジ−(α−トリフルオロメチルエチル)アミン;ジ−(α−フェニルエチル)アミン;またはその組合せが含まれる。有用な第1級アミン触媒には、非排他的に、トリフェニルメチルアミンおよび1,1−ジエチル−n−プロピルアミンが含まれる。
【0034】
他の有用なアミンには、モルホリン、イミダゾール、エーテル含有化合物等が含まれる。これらには、
ジモルホリノジエチルエーテル
N−エチルモルホリン
N−メチルモルホリン
ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル
イミダゾール
n−メチルイミダゾール
1,2−ジメチルイミダゾール
ジモルホリノジメチルエーテル
N,N,N’,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン
N,N,N’,N’,N”,N”−ペンタエチルジエチレントリアミン
N,N,N’,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン
ビス(ジエチルアミノエチル)エーテル
ビス(ジメチルアミノプロピル)エーテルが含まれる。
【0035】
アミン触媒は通常、ポリオールプレミックス組成物の重量の約0.2重量%〜約8.0重量%、好ましくは約0.4重量%〜約7.0重量%、より好ましくは約0.7重量%〜約6.0重量%の量でポリオールプレミックス組成物中に存在する。
【0036】
ポリオールプレミックス組成物は、任意選択で非アミン触媒をさらに含むことができる。適切な非アミン触媒は、ビスマス、鉛、スズ、チタン、アンチモン、ウラン、カドミウム、コバルト、トリウム、アルミニウム、水銀、亜鉛、ニッケル、セリウム、モリブデン、バナジウム、銅、マンガン、ジルコニウム、ナトリウム、カリウムまたはその組合せを含有する有機金属化合物を含むことができる。これらには、非排他的に、硝酸ビスマス、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、塩化第二鉄、三塩化アンチモン、グリコール酸アンチモン、カルボン酸のスズ塩、カルボン酸のジアルキルスズ塩、酢酸カリウム、オクタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、グリシン塩、第4級アンモニウムカルボン酸塩、アルカリ金属カルボン酸塩およびN−(2−ヒドロキシ−5−ノニルフェノール)メチル−N−メチルグリシン酸塩、2−エチルヘキサン酸スズ(II)、ジラウリン酸ジブチルスズまたはその組合せが含まれる。任意選択の非アミン触媒を使用する場合、非アミン触媒は通常、ポリオールプレミックス組成物の重量の約0.01重量%〜約2.5重量%、好ましくは約0.05重量%〜約2.25重量%、より好ましくは約0.10重量%〜約2.00重量%の量でポリオールプレミックス組成物中に存在する。これらは通常の量であるが、金属触媒の量は広範に変わることができ、適切な量は、当業者によって容易に決定され得る。
【0037】
ポリオールプレミックス組成物は、次に任意選択のシリコーン界面活性剤を含有する。シリコーン界面活性剤は、混合物から発泡体を形成するため、ならびに発泡体の泡の大きさを制御することによって所望の気泡(セル)構造の発泡体を得るために使用される。圧縮強度および熱伝導率などの最も望ましい物理特性を有することから、好ましくは内部に均質な大きさの小泡または気泡(セル)を有する発泡体が望ましい。また、形成前または泡が生じる最中に崩壊しない安定な気泡(セル)を有する発泡体を有することが非常に重要である。
【0038】
ポリオールプレミックス組成物は、任意選択で、非シリコーン系非イオン性界面活性剤などの非シリコーン系界面活性剤を含有することができる。これらには、オキシエチル化アルキルフェノール、オキシエチル化脂肪アルコール、パラフィン油、ヒマシ油エステル、リシノール酸エステル、ロート油(ターキーレッドオイル)、ラッカセイ油、パラフィンおよび脂肪アルコールが含まれ得る。好ましい非シリコーン系非イオン性界面活性剤は、Air Products Corporationから市販のLK−443である。非シリコーン系非イオン性界面活性剤を使用する場合、通常、ポリオールプレミックス組成物の重量の約0.25重量%〜約3.0重量%、好ましくは約0.5重量%〜約2.5重量%、より好ましくは約0.75重量%〜約2.0重量%の量でポリオールプレミックス組成物中に存在する。
【0039】
本発明はまた、有機ポリイソシアネートをポリオールプレミックス組成物と反応させることを含む、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート発泡体の調製方法を提供する。本明細書に記載の組成物を使用するポリウレタンまたはポリイソシアヌレート発泡体の調製は、当技術分野で周知の使用できる方法のいずれかに従って行うことができる。SaundersおよびFrisch、Volumes I and II Polyurethanes Chemistry and technology(ポリウレタンの化学と技術、第1巻および第2巻)、1962年、John WileyおよびSons、ニューヨーク、ニューヨーク州;またはGum、Reese、Ulrich、Reaction Polymers(ポリマーの反応)、1992年、Oxford University Press、ニューヨーク、ニューヨーク州;またはKlempnerおよびSendijarevic、Polymeric Foams and Foam Technology(ポリマー発泡体と発泡技術)、2004年、Hanser Gardner Publications、シンシナティ、オハイオ州;を参照されたい。一般に、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート発泡体は、イソシアネート、ポリオールプレミックス組成物、および任意選択の難燃剤、着色剤または他の添加剤などの他の材料を混合することによって調製される。これらの発泡体は、剛性であっても、柔軟性があっても、または半剛性であってもよく、独立気泡構造(クローズドセル構造)、連続気泡構造(オープンセル構造)または連続気泡および独立気泡の混合物(オープンおよびクローズドセルの混合物)を有することができる。
【0040】
多くの用途において、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート発泡体のための諸成分を、事前にブレンドした配合物として提供することが便利である。最も一般的には、発泡体配合物は、2つの成分に予めブレンドされる。イソシアネートおよび任意選択でイソシアネートと相溶性のある他の原料は、一般に「A」成分と呼ばれる第1の成分を構成する。界面活性剤、触媒、発泡剤および任意選択の他の成分を含むポリオール混合物組成物は、一般に「B」成分と呼ばれる第2の成分を構成する。任意の所与の用途において、「B」成分は、先に列挙した全ての成分を含有しなくてもよく、例えば幾つかの配合物は、難燃性が必要な発泡体の特性ではない場合、難燃剤を含まない。したがって、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート発泡体は、小さい調製物については手で混合することによって、好ましくは機械混合技術によって、A側の成分とB側の成分を一緒にすることによって容易に調製され、ブロック、スラブ、ラミネート、現場で注入するパネルおよび他の品目、スプレー塗布発泡体(spray applied foam)、泡等を形成する。任意選択で、核形成剤、難燃剤、着色剤、ワックス、処理用添加剤、発泡助剤、水およびさらなる他のポリオールなどの他の成分を、1つの流れとして混合ヘッドまたは反応場所に添加することができる。しかしながら、それらは全て、上記のB成分のひとつに組み込むのが最も好都合である。発泡剤は、イソシアネートに添加することができ、または別個の第3の流れとしてA側もしくはB側に添加することができる。
【0041】
ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート発泡体を形成するのに適した発泡性組成物は、有機ポリイソシアネートと上記のポリオールプレミックス組成物を反応させることによって形成することができる。脂肪族および芳香族ポリイソシアネートを含む任意の有機ポリイソシアネートは、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレート発泡体の合成に使用することができる。適切な有機ポリイソシアネートには、ポリウレタン化学分野で公知の脂肪族、環式脂肪族、芳香族脂肪族、芳香族および複素環式イソシアネートが含まれる。これらは、例えば、米国特許第4,868,224号明細書、同第3,401,190号明細書、同第3,454,606号明細書、同第3,277,138号明細書、同第3,492,330号明細書、同第3,001,973号明細書、同第3,394,164号明細書、同第3,124,605号明細書および同第3,201,372号明細書に記載されている。種類として好ましいのは、芳香族ポリイソシアネートである。
【0042】
代表的な有機ポリイソシアネートは、式:
R(NCO)z
に相当するものであり、式中、Rは、脂肪族、アラルキル、芳香族またはその混合物のいずれかである多価有機基であり、zは、Rの価数に相当する整数であり、少なくとも2である。本明細書で企図される有機ポリイソシアネートの代表例には、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−および2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、粗トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、粗メチレンジフェニルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、2,4,6−トルエントリイソシアネートなどの芳香族トリイソシアネート;4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’5,5’−テトライソシアネートなどの芳香族テトライソシアネート;キシリレンジイソシアネートなどのアリールアルキルポリイソシアネート;ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、リシンジイソシアネートメチルエステルなどの脂肪族ポリイソシアネート;およびそれらの混合物が含まれる。他の有機ポリイソシアネートには、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、水素化メチレンジフェニルイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、1−メトキシフェニレン−2,4−ジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、および3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートが含まれる。典型的な脂肪族ポリイソシアネートはトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、およびヘキサメチレンジイソシアネート、イソホレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)などのアルキレンジイソシアネートである。典型的な芳香族ポリイソシアネートにはm−、およびp−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、2,4−および2,6−トルエンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ビトイレンイソシアネート、ナフチレン1,4−ジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)メテン、ビス(2−メチル−4−イソシアナトフェニル)メタン等が含まれる。好ましいポリイソシアネートは、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートであり、特に、約30〜約85重量%のメチレンビス(フェニルイソシアネート)と、2を超える官能基を有するポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを含む混合物を残りとして含有する混合物である。これらのポリイソシアネートは、当業者に公知の常法によって調製される。本発明では、ポリイソシアネートおよびポリオールは、約0.9〜約5.0の範囲のNCO/OHの化学量論比をもたらす量で使用される。本発明では、NCO/OH当量比は、好ましくは、約1.0以上および約3.0以下であり、理想的な範囲は約1.1〜約2.5である。特に適切な有機ポリイソシアネートには、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、メチレンビス(フェニルイソシアネート)、トルエンジイソシアネート、またはその組合せが含まれる。ポリイソシアヌレート発泡体の調製では、三量化触媒は、ブレンドを過剰のA成分と共にポリイソシアヌレート−ポリウレタン発泡体に変換する目的で使用される。使用する三量体触媒は、それに限定されるものではないが、グリシン塩、第3級アミン三量体触媒、第4級アンモニウムカルボン酸塩およびアルカリ金属カルボン酸塩を含む当業者に公知の任意の触媒ならびに様々な種類の触媒の混合物であってよい。これらの種類の中で好ましい種は、酢酸カリウム、オクタン酸カリウムおよびN−(2−ヒドロキシ−5−ノニルフェノール)メチル−N−メチルグリシン酸塩である。
【0043】
通常の難燃剤も含めることができ、好ましくは反応物質の約20重量%以下の量で組み込むことができる。任意選択の難燃剤には、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(1,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリ(2−クロロイソプロピル)ホスフェート、トリクレシルホスフェート、トリ(2,2−ジクロロイソプロピル)ホスフェート、ジエチルN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート、ジメチルメチルホスホネート、トリ(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリ(1,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、およびテトラキス(2−クロロエチル)エチレンジホスフェート、トリエチルホスフェート、リン酸ジアンモニウム、各種ハロゲン化芳香族化合物、酸化アンチモン、アルミニウム三水和物、ポリ塩化ビニル、メラミン等が含まれる。他の任意選択の成分は、0〜約7パーセントの水を含むことができ、これはイソシアネートと化学的に反応して二酸化炭素を生成する。この二酸化炭素は、発泡助剤として作用する。イソシアネートと反応することによって二酸化炭素を生成するためにギ酸も使用され、ギ酸は、任意選択で「B」成分に添加される。
【0044】
先に記載の成分に加えて、染料、充填剤、顔料などの他の成分を、発泡体の調製物に含めることができる。分散剤および気泡(セル)安定化剤を、本発明のブレンドに組み込むことができる。本明細書で使用するための通常の充填剤には、例えば、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ガラス繊維、カーボンブラックおよびシリカが含まれる。使用する場合、充填剤は、通常、ポリオール100重量部当たり約5重量部〜100重量部の範囲で存在する。ここで使用できる顔料は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アンチモン、クロムグリーン、クロムイエロー、アイアンブルーシェンナ、モリブデンオレンジなどの任意の通常の顔料、ならびにパラレッド、ベンジジンイエロー、トルイジンレッド、トナーおよびフタロシアニンなどの有機顔料であってよい。
【0045】
生成するポリウレタンまたはポリイソシアヌレート発泡体は、1立方cm当たり約0.008g(1立方フィート当たり約0.5ポンド)〜1立方cm当たり約1.0g(1立方フィート当たり約60ポンド)、好ましくは1立方cm当たり約0.016g〜約0.3g(1立方フィート当たり約1.0〜20.0ポンド)、最も好ましくは1立方cm当たり約0.024g〜約0.1g(1立方フィート当たり約1.5〜6.0ポンド)の密度で変わり得る。得られる密度は、本発明で開示する発泡剤または発泡剤混合物と、水または他の共発泡剤などの補助的な発泡剤(発泡助剤)の量が、Aおよび/またはB成分にどのくらい存在するか、あるいは発泡体が調製される時点でどのくらい添加されるかの関数となる。これらの発泡体は、剛性発泡体であっても、柔軟性のある発泡体であっても、または半剛性発泡体であってもよく、独立気泡構造(クローズドセル構造)、連続気泡構造(オープンセル構造)または連続気泡および独立気泡(オープンおよびクローズドセル)の混合物を有することができる。これらの発泡体は、それに限定されるものではないが、断熱、緩衝、浮揚、包装、接着剤、空隙充填、手芸および装飾、ならびに衝撃吸収を含む様々な周知の用途に使用される。
【0046】
本発明の特定の他の実施形態では、発泡できる1つまたは複数の成分は、熱可塑性材料、特に熱可塑性ポリマーおよび/または樹脂を含む。熱可塑性発泡体成分の例にはポリオレフィンが含まれ、例えば、式:Ar−CHCH(式中Arは、ポリスチレン(PS)などのベンゼン系の芳香族炭化水素基である)のモノビニル芳香族化合物が含まれる。本発明による適切なポリオレフィン樹脂の他の例には、ポリエチレンなどのエチレンホモポリマーおよびエチレンコポリマーを含む様々なエチレン系ポリマー、ポリプロピレン系ポリマーおよびポリエチレンテレフタレートポリマーが含まれる。特定の実施形態では、熱可塑性発泡性組成物は、押し出し可能な組成物である。
【0047】
本開示の発泡剤が発泡性組成物に添加される順序および方法が、全体的に、本開示の適用のいずれの操作性にも影響を及ぼさないことが、特に本明細書の開示を考慮して、当業者には、一般に理解されよう。
【0048】
本発明を例示するために、以下の非限定的な例を使用する。
【実施例】
【0049】
実施例1:フッ素化CrによるHFC−245faの脱フッ化水素化
この実施例で使用した触媒は、フッ素化クロミア触媒(フッ素化Cr)20ccであった。99%を超える純度のHFC−245fa供給物を、12g/時間の速度において250℃〜350℃の範囲の温度でこの触媒に通過させた。表1に示す通り、250℃から350℃への反応温度の増大により、HFC−245faの変換率は65.2%から96.0%に増大したが、一方、トランス−1234zeに対する選択率は、84.7%から80.6%にわずかに減少した。250℃では、トランス/シス−1234zeは唯一の生成物と思われた。350℃における約8時間の活性化期間後、72時間継続した試験期間中、HFC−245faの変換率およびトランス−1234zeに対する選択率は同レベルを維持した。これらの結果は、フッ素化Cr触媒が、HFC−245faをシス−1234zeおよびトランス−1234zeに変換するのに非常に活性が高く、選択性があること、ならびに該触媒が非常に高い安定性を有することを示している。
【0050】
【表1】

【0051】
実施例2:金属フッ化物触媒によるHFC−245faの脱フッ化水素化
この実施例で使用する触媒には、3種類の金属フッ化物触媒、即ち、AlF、FeFおよび10%MgF−90%AlFが含まれる。反応中、各触媒20ccを使用した。99%を超える純度のHFC−245fa供給物を、12g/時間の速度において350℃で、3種類の触媒のそれぞれに通過させた。表2に示す通り、AlFおよび10%MgF−90%AlFの両方が、HFC−245の脱フッ化水素化に対して高い活性を示したが(>95%のHFC−245fa変換率)、一方で、FeFはかなり低い活性を示した(<60%のHFC−245fa変換率)。AlFおよび10%MgF−90%AlF触媒によるHFO−トランス−1234zeの選択率は、350℃で約80%であった。
【0052】
【表2】

【0053】
実施例3:活性炭担持金属触媒によるHFC−245faの脱フッ化水素化
実施例3で使用した触媒には、3種類の活性炭(AC)担持金属触媒、即ち、0.5重量%Fe/AC、0.5重量%Ni/ACおよび5.0重量%Co/ACが含まれる。反応中、各触媒20ccを使用した。99%を超える純度のHFC−245fa供給物を、12g/時間の速度において350℃で、3種類の触媒のそれぞれに通過させた。表3に示す通り、活性炭担持卑金属触媒の中でも、鉄は最も高い活性を示した。
【0054】
525℃の反応温度において、0.5重量%Fe/AC触媒は、約91%のシス/トランス−1234ze選択率および約80%のHFC−245fa変換率を示した。
【0055】
【表3】

【0056】
実施例4
HFC−245faを、20重量%KOH溶液を含有する反応器に70℃で添加し、圧力を観測する。KOHとHFC−245faのモル比を1.5および10.0の間に維持する。HFC−245faについて苛性剤によってHFを抽出し、KFを形成する。圧力の同時上昇は、低沸点のHFO−1234ze異性体が形成していることを示す。反応は、本質的に24時間以内に完了する。揮発性ガスを収集し、ガスクロマトグラフィーによって分析すると、この揮発性ガスは、幾らかの未反応HFC−245faと一緒に、約4:1比のHFO−1234zeのトランス−およびシス−異性体からなることが見出される。
【0057】
実施例5(発泡体の試験)
ポリオール(B成分)配合物を、100重量部のポリオールブレンド、1.5重量部のNiax L6900シリコーン界面活性剤、1.5重量部の水、1.2重量部のN,N,N’,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン(Air Products and ChemicalsからPolycat 5として販売されている)触媒、2.4重量部のイソカプロン酸、ならびにトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを含む8重量部の発泡剤から生成する。全てのB成分組成物を新しく調製したときに、120.0重量部のLupranate M20Sポリマーイソシアネートと混合すると、微細で均一な気泡(セル)構造を有する良質な発泡体が得られる。発泡反応性は、現場で注入する発泡体に関してゲル化時間105秒が一般的である。次いで、全てのB側組成物(114.6部)を49℃(120°F)で62時間熟成させ、次いで120.0部のM20Sイソポリイソシアネートと混合して発泡体を生成した。この発泡体は、気泡(セル)の崩壊なしに正常な外観である。ゲル化時間は150秒である。
【0058】
実施例6
70重量%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、5重量%のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、10重量%の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、ならびに15重量%の、ヒドロフルオロカーボン、C〜C炭化水素、C〜Cアルコール、エーテル、ジエーテル、アルデヒド、ケトン、ヒドロフルオロエーテル、C〜Cクロロカーボン、ギ酸メチル、二酸化炭素、C〜CヒドロフルオロオレフィンおよびC〜Cヒドロクロロフルオロオレフィンの1つまたは複数の成分を含む発泡剤を調製する。発泡剤を、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートと個別に混合すると、微細で均一な気泡(セル)構造を有する良質な熱可塑性発泡体が得られる。
【0059】
実施例7
75重量%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、7重量%のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、13重量%の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、ならびに5重量%の、ヒドロフルオロカーボン、C〜C炭化水素、C〜Cアルコール、エーテル、ジエーテル、アルデヒド、ケトン、ヒドロフルオロエーテル、C〜Cクロロカーボン、ギ酸メチル、水、二酸化炭素、C〜CヒドロフルオロオレフィンおよびC〜Cヒドロクロロフルオロオレフィンの1つまたは複数の成分を含む発泡剤を調製する。発泡剤を、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートと個別に混合すると、微細で均一な気泡(セル)構造を有する良質な熱硬化性発泡体が得られる。
【0060】
実施例8:ポリスチレン発泡体
この実施例は、2軸型押出機で形成されるポリスチレン発泡体のための発泡剤を示す。この実施例で使用する装置は、以下の特徴を有するLeistritz製2軸型押出機である:
30mm共回転軸
L:D比=40:1
【0061】
90重量%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、5重量%のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンおよび5重量%の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを含む発泡剤を調製する。押出機を、それぞれL:Dが4:1の10カ所の部分に分ける。ポリスチレン樹脂を第1部分に導入し、発泡剤を第6部分に導入し、押出物は第10部分を出る。押出機は、最初に溶融/混合押出機として操作する。その後の冷却押出機は縦一列に連結するが、その設計の特徴は以下の通りである:
Leistritz製2軸押出機
40mm共回転軸
L:D比=40:1
ダイ:5.0mm円形
【0062】
ポリスチレン樹脂、即ちNova 1600として識別されているNova Chemical社製の一般的な押出し用ポリスチレンを、先に示した条件下で押出機に供給する。樹脂は、191℃(375°F)〜274℃(525°F)の溶融温度を有する。ダイにおける押出機の圧力は、1平方cm当たり約92.8kg(1平方インチ当たり約1320ポンド(psi))であり、ダイの温度は約115℃とする。発泡剤を、先に示した位置で押出機に添加し、核形成剤として、発泡剤全体に対して約0.5重量%のタルクを入れる。発泡体は、10重量%、12重量%および14重量%の濃度の発泡剤を使用して製造する。製造される発泡体の密度は、1立方センチメートル当たり約0.1グラム〜1立方センチメートル当たり0.07グラムの範囲であり、気泡(セル)の大きさは約49〜約68マイクロメートルである。約30ミリメートル直径の発泡体は、視覚的に非常に良質であり、非常に微細な気泡(セル)寸法を有し、可視のまたは明らかな気泡または空隙はない。
【0063】
実施例9:ポリウレタン発泡体
ポリウレタン発泡体を形成することができる組成物を使用することを除いて実施例8を反復すると、微細で均一な気泡(セル)構造を有する良質なポリウレタン発泡体が得られる。
【0064】
実施例10:ポリイソシアヌレート発泡体
ポリイソシアヌレート発泡体を形成することができる組成物を使用することを除いて実施例8を反復すると、微細で均一な気泡(セル)構造を有する良質なポリイソシアヌレート発泡体が得られる。
【0065】
実施例11:フェノール樹脂発泡体
フェノール樹脂発泡体を形成することができる組成物を使用することを除いて実施例8を反復すると、微細で均一な気泡(セル)構造を有する良質なフェノール樹脂発泡体が得られる。
【0066】
実施例12:熱可塑性発泡体
熱可塑性発泡体を形成することができる組成物を使用することを除いて実施例8を反復する。以下の成分:モノビニル芳香族化合物、エチレン系化合物、プロピレン系ポリマー、ポリスチレン、エチレンホモポリマー、ポリプロピレンおよびポリエチレンテレフタレートを個別に使用する。微細で均一な気泡(セル)構造を有する良質な熱可塑性ポリオレフィン発泡体が得られる。
【0067】
好ましい実施形態を参照することによって本発明を具体的に示し、記載してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な変更および改変を加え得ることを、当業者は容易に理解されよう。特許請求の範囲は、開示の実施形態、先に論じた代替およびそれらの全ての等価物を包含すると解釈されることを企図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約75重量%〜約90重量%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、約1重量%〜約15重量%のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、および約1重量%〜約15重量%の1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンを含む発泡剤。
【請求項2】
約75重量%〜約85重量%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含む、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項3】
約1重量%〜約10重量%のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含む、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項4】
約75重量%〜約85重量%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、約1重量%〜約10重量%のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、および約1重量%〜約10重量%の1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンを含む、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項5】
約200以下の地球温暖化係数を有する、請求項1に記載の発泡剤。
【請求項6】
(i)約50重量%〜約95重量%の請求項1に記載の発泡剤;および
(ii)ヒドロフルオロカーボン、C〜C炭化水素、C〜Cアルコール、エーテル、ジエーテル、アルデヒド、ケトン、ヒドロフルオロエーテル、C〜Cクロロカーボン、ギ酸メチル、水、二酸化炭素、C〜CヒドロフルオロオレフィンおよびC〜Cヒドロクロロフルオロオレフィンの1つまたは複数の成分を含む約5重量%〜約50重量%の共発泡剤;
を含む、発泡剤組成物。
【請求項7】
前記1つまたは複数の成分が、ジフルオロメタン、トランス−1,2−ジクロロエチレン、ジフルオロエタン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、フルオロエタン、ヘキサフルオロプロパン、ペンタフルオロプロパン、ヘプタフルオロプロパン、ヘキサフルオロブタン、ペンタフルオロブタン、テトラフルオロプロパン、トリフルオロプロペン、テトラフルオロプロペンおよびペンタフルオロプロペンの1つまたは複数を含む、請求項6に記載の発泡剤組成物。
【請求項8】
発泡体構造を形成することができる、請求項1に記載の発泡剤および発泡形成成分または成分の組合せを含む発泡性組成物。
【請求項9】
発泡体構造を形成することができる前記発泡体形成成分または成分の組合せが、少なくとも1つの熱硬化性成分を含む、請求項8に記載の発泡性組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1つの熱硬化性成分が、ポリウレタン発泡体を形成することができる組成物を含む、請求項9に記載の発泡性組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1つの熱硬化性成分が、ポリイソシアヌレート発泡体を形成することができる組成物を含む、請求項9に記載の発泡性組成物。
【請求項12】
前記少なくとも1つの熱硬化性成分が、フェノール樹脂発泡体を形成することができる組成物を含む、請求項9に記載の発泡性組成物。
【請求項13】
発泡体構造を形成することができる前記発泡体形成成分または成分の組合せが、少なくとも1つの熱可塑性成分を含む、請求項8に記載の発泡性組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1つの熱可塑性成分がポリオレフィンを含む、請求項13に記載の発泡性組成物。
【請求項15】
前記ポリオレフィンが、モノビニル芳香族化合物、エチレン系化合物およびプロピレン系ポリマーの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の発泡性組成物。
【請求項16】
前記ポリオレフィンが、ポリスチレン、エチレンホモポリマー、ポリプロピレンおよびポリエチレンテレフタレートの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の発泡性組成物。
【請求項17】
(a)約75重量%〜約90重量%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、約1重量%〜約15重量%のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、および約1重量%〜約15重量%の1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンを含む発泡剤;および
(b)発泡体構造を形成することができる発泡形成成分または成分の組合せ;
を混合することを含む、発泡体を形成する方法。
【請求項18】
前記発泡剤が、約75重量%〜約90重量%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、約1重量%〜約10重量%のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、および約1重量%〜約10重量%の1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
(a)(i)約75重量%〜約90重量%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、約1重量%〜約15重量%のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、および約1重量%〜約15重量%の1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンを含む、約50重量%〜約95重量%の発泡剤と、
(ii)ヒドロフルオロカーボン、C〜C炭化水素、C〜Cアルコール、エーテル、ジエーテル、アルデヒド、ケトン、ヒドロフルオロエーテル、C〜Cクロロカーボン、ギ酸メチル、水、二酸化炭素、C〜CヒドロフルオロオレフィンおよびC〜Cヒドロクロロフルオロオレフィンの1つまたは複数の成分を含む、約5重量%〜約50重量%の共発泡剤;および
(b)発泡体構造を形成することができる発泡形成成分または成分の組合せ;
を混合することを含む、発泡体を形成する方法。
【請求項20】
前記発泡剤が、約75重量%〜約90重量%のトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、約1重量%〜約10重量%のシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン、および約1重量%〜約10重量%の1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンを含む、請求項19に記載の方法。

【公表番号】特表2011−528403(P2011−528403A)
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518831(P2011−518831)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/050487
【国際公開番号】WO2010/009090
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】