説明

発泡材基盤のミニ温室

【課題】 庭先やベランダ、あるいは室内で、草花を育成できる。軽量で持ち運びに便利な保温効果の良いミニ温室を提供する。
【解決手段】 課題を解決するため、軽量で、断熱効果のある発砲材を温室の基盤とし、基盤に鉢形の窪みを形成し、なかに鉢を入れる。また、連結プランターの入る深さ15センチ程度の窪みを形成し、発芽用にも利用できる。基盤には支柱を設け、シートを覆い、保温効果を向上させた、また、必要に応じて発砲材に影響を及ぼさない程度の熱を発する防水電熱マットを併用することができるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量で、保温効果の良いミニ温室に関する。
【背景技術】
【0002】
温室は従来、大きな施設の物が多い。また、小型でも金属パイプ等で重く移動するのが困難であり、家の中に置くにも不便であった。また、小さな温室は保温効果が低かった。日光不足を解消するため屋外へだした鉢植えを風雨から守る簡単な設備がなかった。
【発明の開示】

【考案の解決しようとする課題】
【0003】
庭先やベランダ、或いは室内で植物を育成できる軽量で持ち運びに便利な、保温効果の良いミニ温室を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、温室の基盤に、断熱を有し軽量で強度のある板状の発泡スチロールを用いた。上部には合成樹脂か軽金属のパイプで支柱を数本配備し、ビニールやプラスチック等の透明なシートやカバーで覆った事を特徴とする。
【0005】
請求項2に記載の発明は、基盤発砲材の上部表面に植木鉢形状の窪みを形成し、その中に鉢を入れる事により、断熱効果をもって外部よりの寒気を遮断する。また、夏季の温度上昇を防ぐ利点もある。窪みの底部には排水口を開け、潅水時の余分な水を排出する。
【0006】
請求項3に記載の発明は、基盤発泡材の外周から10センチ程度内側全面に、深さ15センチ程度の窪みを形成し、発芽、育成用連結プランター、鉢等を入れる。必要に応じて窪みの底部に、防水電熱マットを備えて、発芽、生育温度を確保する。
【0007】
請求項4に記載の発明は、支柱に覆ったシートやカバーに、換気、潅水用の開口部を開閉可能に設けた事を特徴とする。
【0008】
請求項5に記載の発明は、夏季の直射日光による温度上昇を防ぐため、遮光ネットを支柱に覆う。また、冬季寒冷時には防寒シートを覆う事を特徴とする。
【0009】
請求項6に記載の発明は、雨水や雪の排水を良くするため、支柱を半円形やハウス屋根型とした。また、着脱可能にすることにより、収納時には解体して小さく収め、植物の生育適温期には取り外すこともできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の温室は発砲材を基盤としたことで軽量であり、小型に作ることにより自由に好みの場所に移動し、置くことができる。また、発泡剤の断熱効果で、温室を置く地面やコンクリートへの熱の発散を防止できる。さらに、支柱に覆ったシート等で保温効果が良くなる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、基盤に植木鉢形状の窪みを形成し、鉢を入れることにより外気の寒気や高温を遮断できる。また、遮光ネットを併用すれば、夏季の太陽光で鉢が高温になるために起きる、植物の根腐れを防止できる。
【0012】
請求項3の発明では、基盤の表面に15センチ程度の窪みを形成し、発芽用連結プランターを入れ、早春野菜、草花等の発芽を促す。また、寒さに弱い鉢植え等は、発砲材に影響を及ぼさない程度の温度を発する防水電熱マットを窪みの底に備えて、冬の寒冷期を乗り切ることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、支柱に覆ったシートや合成樹脂の形成カバーの側面に、垂れ幕状の開閉可能な開口部を設け、換気や潅水時にシートやカバーを取り外すことがなく便利である。
【0014】
請求項5に記載の発明は、支柱に遮光ネットや寒冷紗を覆い、夏の直射日光より草花を保護し、水分の蒸発を防ぐ。また、防寒シートは冬の夜間の寒気から草花を守り、培土の凍結を防ぐことができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、支柱が半円形やハウス屋根型であれば雨水等がシートに溜まることなく排水される。また、支柱を着脱可能にしたことにより、収納に便利である。さらに、植物の生育適温期には取り外し草花を観賞することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、強度のある発泡材基盤1とし、鉢がずれ落ちないように周囲には3センチ程度の高さの縁を設け、その上に支柱2を着脱可能に配備した。発泡材は、発砲スチロールが最良である。
【0017】
図2の断面図では、基盤1に植木鉢状の窪みを形成し、その中に鉢3を入れ、断熱効果により外気の高温、寒さから草花を保護する。さらに、支柱2にビニールシート6を覆い、保温効果を向上させる。また、窪みの底部には排水口4を開け、基盤底部1aには水が抜けるように下駄状にした。室内では、温室の受け皿5を使用すると良い。
【0018】
図3の断面図では、基盤1に15センチ程度の窪みを形成し、連結プランター7を入れ、早春野菜等の発芽を促し、また、鉢植え草花の越冬にも利用できる。必要に応じて発砲材に影響を及ぼさない程度の熱を発する防水電熱マット8を、窪みの底部に備え、寒気より植物を守る事ができる。図3の支柱はハウス屋根型2aである。
【0019】
図4の断面図においては、支柱2に覆ったシート6に開口部を設け、垂れ幕状の開閉シート6aを紐9で引き上げ、あらかじめ固定された紐と結んで開閉する。温度管理、植物への潅水に便利である。
【0020】
図5の断面図では、支柱2の着脱可能な固定方法は、いろいろあるが、支柱2より直径のやや大きいパイプ10を基盤1に埋め込み、これに支柱2を刺し入れて固定する。また、シート6の下部と基盤側面にマジックテープ11を取り付けてシートを固定する。
【産業上の利用可能性】
【0021】
近年、草花の癒し効果等によることから販売が見込め、工業的に量産することが可能であり、産業上の可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】発砲材を基盤とした斜視のミニ温室。
【図2】基盤に鉢形の窪みを形成した断面図。
【図3】基盤に15センチ程度の窪みを形成した断面図。
【図4】シートに開口部を備えた断面図。
【図5】支柱の着脱装置を表した部分断面図。
【符号の説明】
【0023】
1 基盤
1a 基盤の底部
2 半円形の支柱
2a ハウス屋根型の支柱
3 植木鉢
4 排水口
5 温室の受け皿
6 ビニールシート
6a 開口部の開閉ビニール
7 連結プランター
8 防水電熱マット
9 結び綱
10 支柱を刺しこむパイプ
11 マジックテープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発砲材を基盤として、上部縁に支柱を配備し、透明なシートや形成カバーで覆ったことを特徴とする発砲材基盤の温室。
【請求項2】
基盤に植木鉢形状の窪みを複数形成し、窪みの底部には排水口を有した請求項1に記載の発砲材基盤の温室。
【請求項3】
基盤の外周から10センチ程度内側全面に、深さ15センチ程度の窪みを形成したことを特徴とする請求項1に記載の発泡材基盤の温室。
【請求項4】
支柱に覆ったシートやカバーに換気、潅水用の開口部を設けたことを特徴とした請求項1から3のうち、いずれかの1項に記載の発泡材基盤の温室。
【請求項5】
支柱の覆いに遮光ネット、あるいは耐寒シートを用いることを特徴とした1から4のうちいずれか1項に記載の発泡材基盤の温室。
【請求項6】
支柱は半円形やハウス屋根型であり、基盤に固定手段を介して、着脱可能に配備したことを特徴とした1から5のうちいずれか1項に記載の発砲材基盤の温室。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−291186(P2009−291186A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−176314(P2008−176314)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(508202201)
【Fターム(参考)】