説明

発熱素子搭載用基板、その製造方法、及び半導体パッケージ

【課題】片面配線基板でありながら、板厚方向の熱伝導性が良好で、搭載する発熱素子の電極位置に影響されにくい発熱素子搭載用基板、その製造方法、及び半導体パッケージを提供する発熱素子搭載基板、その製造方法、及び半導体パッケージを提供する。
【解決手段】発熱素子搭載用基板2は、樹脂フィルム20と、樹脂フィルム20の第1面20a上に形成された複数の配線パターン21と、樹脂フィルム20に形成された複数の貫通孔22に充填された導電性材料からなる複数の充填部23とを備え、複数の配線パターン21のうちの少なくとも1つの面積は、樹脂フィルム20の第1面20aの面積の30%以上であり、充填部23は、第2面20b側から見たとき、充填部23と配線パターン21とが重なった面積が配線パターン21の面積の50%以上であり、樹脂フィルム20にLED素子3が搭載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱素子を実装するための発熱素子搭載用基板、その製造方法、及び半導体パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
発熱素子(発熱を伴う素子)の中で、最近は省エネルギーやCO2削減の観点でLED(Light Emitting Diode)素子への注目度が高くなっている。なかでも電極を全て同一面内に配置したフリップチップ型LED素子については、主たる発光面側から電極やワイヤーを排除できることから、発光効率(1m/W)を高めるのに有利と考えられていて注目度が高い。そのフリップチップ型LED素子においても、発光時に発生する熱を効率的に取り除いて、素子の過度な温度上昇を防ぐことが素子の熱損失の増加を抑制し、高電流側においても発光効率を低下させないために重要なことになっている。そのため、フリップチップ型LED素子を実装する配線基板の放熱性が重要になるので、熱伝導性の良好なるセラミックからなる配線基板を用いた発光装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に開示された発光装置は、第1面及び第2面に配線パターンが形成されたセラミックサブマウントと、セラミックサブマウントの第1面上にフリップチップ実装されたLED素子とを備える。
【0004】
しかし、特許文献1に開示された発光装置には以下のような課題がある。
【0005】
(1)材料費が高価
セラミックサブマウントは、LED素子が発生する熱を効果的に放熱する機能を要求されるので、チップの発熱量が大きくなってくると、安価なアルミナでは熱伝導率20W/mk程度と小さいことが問題になって、熱伝導率が200W/mkを超えるような高価な窒化アルミを使用せざるを得なくなるケースもでてくる。
【0006】
(2)配線形成加工費が高価
LED素子の発光効率を高めていく過程で、LED素子が例えば1.0mm角以下に小さくなり、LED素子の実装面の電極パターンが複雑になると、例えば50μm以下の微細な配線間スペースが必要になってくることも想定される。そうすると、金属ペーストの印刷と焼結というセラミックにとっては一般的な方法で配線を形成する方法では対応が困難になり、蒸着やスパッタなどの気相法や、さらにはフォトリソグラフィを用いた配線形成方法が必要になってくる。さらに、セラミック基板は1枚が60mm角程度の小面積の基板を単位として作業しなければならないので、作業効率の観点でも配線形成加工費が高価になりやすい。
【0007】
そこで、汎用の配線基板であるリジッド基板、フレキシブル基板、メタルベース基板、TABなどを検討することになるが、それらの電気絶縁材として使われている樹脂の熱伝導率は、例えば0.2W/mkレベルと低いことが、常に課題となっていた。もちろん、熱伝導率の高い樹脂も開発されつつあるが、高価である割には2〜10W/mkレベルの熱伝導率であり、窒化アルミには遠く及ばない。そのため、汎用配線基板の両面に配線パターンを設けて、できるだけ数多くの充填ビアを設けて充填ビア全体での熱伝導量を稼ごうとすることになるが、熱伝導率の高い銅めっきでビアを充填しようとすると、パターン面にも銅めっきされてパターンが厚くなってしまう課題があるので、ビアの直径は、例えば直径0.03mm程度に設計するのが通常である。この場合でも、ビアを充填するには、ビアの半径である0.015mm以上の厚さのめっきが必要になり、めっきの際にはパターン面もほぼ同じ厚さ分、めっきされることになるので、配線間のスペースが変化したり、めっき厚さのバラツキが配線厚さのバラツキになったりする問題がある。
【0008】
さらに、この状態でビアの合計断面積を大きくするのには非常に多くのビア数が必要になり、ビアを設ける加工費が高価になってしまう。加えて、数多くのビアを設けても熱伝導率の向上には限界がでてくる問題がある。例えば、フリップチップ型LED素子の電極の大きさが直径0.08mmの場合、もしそれと同じ断面積のビアを配線基板側の直径0.03mmのビアで確保しようとすると、おおむね7個必要になる。しかもビアの形状を維持するために7個は密着して配置できないので、例えば0.05mm以上のスペースをビアとビアの間に設けることになる。そうするとフリップチップ型LED素子の直径0.08mmの電極の投影面内を外れた部分にも、ビアを配置することになるので電極からの熱は配線基板の銅パターンを水平に伝導してから、電極の直下にないビアに分流していくことになる。このとき、熱が水平に伝導する部分の銅は、微細なパターンを形成するために厚くできない制約があり、それに加えて電極からビアまでの距離もビアの高さよりは長くなるのが通常なので、その結果として直径0.08以上の直径の充填ビアをフリップチップ型LED素子の直径0.08の電極の直下に配置した場合に比べて熱抵抗が大きくなってしまう。
【0009】
(3)デザインの汎用性の低下
また、上記の問題を回避するため、フリップチップ型LED素子の電極の配置に合わせて配線基板板のビアをレイアウトすることが必要になるので、サブマウントや配線基板のデザインに汎用性が無くなってしまう問題がある。
【0010】
そこで、特許文献2のような、埋め込みめっきを使うことが考えられる。この特許文献2に開示された半導体装置用テープキャリアは、絶縁基材と、絶縁基材の第1面に形成された配線パターンと、絶縁基材に形成された開口部(ビア)と、絶縁基材の開口部に配線パターンに接触するように充填されためっきによる導体層とを備える。
【0011】
特許文献2の場合、1個のビアは大きくできるが、ビアとビアの間隔を例えば200μm以下にしたりするのに困難を伴うので、フリップチップ型LED素子の電極レイアウトが微細であるほど対応が困難になる。反面、フリップチップ型LED素子を実装した基板の裏面側は、はんだリフローで問題が起きにくいように、単純な長方形の配線パターンが多用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特表2011−501428号公報
【特許文献2】特開2003−124264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
以上の従来の技術を総合的に考えると、フリップチップ型LED素子側の配線パターンとはんだリフロー実装用の配線パターンとを有する両面配線基板が必要になって、多くの充填ビアを持った樹脂基板か、特に充填をしなくても電気的に導通すれば良い導通ビアを待ったセラミック基板を使うことになるが、樹脂基板は厚さ方向の熱抵抗が大きくなりやすく、セラミック基板は高価になってしまうという問題があり、厚さ方向の熱抵抗が小さく、安価な基板は困難とされていた。
【0014】
したがって、本発明の目的は、片面配線基板でありながら、板厚方向の熱伝導性が良好で、搭載する発熱素子の電極位置に影響されにくい発熱素子搭載用基板、その製造方法、及び半導体パッケージを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の発熱素子搭載用基板、その製造方法、及び半導体パッケージを提供する。
【0016】
[1]絶縁性を有し、第1面及び前記第1面と反対側の第2面を有する基板と、前記基板の前記第1面上に形成された複数の配線パターンと、前記基板を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔が形成され、前記複数の配線パターンに接触するとともに前記基板の前記第2面側に露出するように前記複数の貫通孔に充填された導電性材料からなる複数の充填部とを備え、前記複数の配線パターンのうち少なくとも1つの配線パターンの面積は、前記基板の前記第1面の面積の30%以上であり、前記複数の充填部は、前記複数の充填部の前記基板の前記第2面側の総面積は、前記複数の配線パターンの総面積の50%以上であり、前記基板の前記第1面又は前記第2面上に発熱素子が搭載される発熱素子搭載用基板。
[2]前記複数の充填部は、それぞれの前記充填部の側面が、前記基板の前記第1面に対する垂直線に対して30度以上の傾斜角を有する前記[1]に記載の発熱素子搭載用基板。
[3]前記複数の充填部は、前記複数の貫通孔の前記基板の厚さの1/2以上の部分に充填された銅又は銅合金から形成された前記[1]又は[2]に記載の発熱素子搭載用基板。
[4]前記基板は、ポリイミドを含み、ケミカルエッチングが可能な材質から形成された前記[1]乃至[3]のいずれかに記載の発熱素子搭載用基板。
【0017】
[5]絶縁性を有し、第1面及び前記第1面と反対側の第2面を有する基板の前記第1面上に複数の配線パターンを形成する工程と、前記基板を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔をケミカルエッチング法により形成する工程と、前記複数の配線パターンに接触するとともに前記基板の前記第2面側に露出するように前記複数の貫通孔に導電性材料をめっき法により充填して複数の充填部を形成する工程とを含む発熱素子搭載用基板の製造方法。
【0018】
[6]前記[1]乃至[4]のいずれかに記載の発熱素子搭載用基板と、前記発熱素子搭載用基板の前記第1面上又は前記第2面上に搭載され、前記配線パターン又は前記充填部に電気的に接続された発熱素子とを備えた半導体パッケージ。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、片面配線基板でありながら充填部の面積を大きくできるため、板厚方向の熱伝導性が良好となり、発熱素子の電極位置に合わせてビアを形成する必要もなく搭載する発熱素子の電極位置に影響されにくくなる。また、従来技術の両面配線基板で構成する場合に比べて、数多くの導通ビアやサーマルビアの形成、裏面パターンの形成がなくなることによって、コストを抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体パッケージを示す断面図である。
【図2】図2は、第1の実施の形態に係る発熱素子搭載用基板を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図3】図3は、第1の実施の形態に係る支持部材を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【図4】図4は、第1の実施の形態に係る半導体パッケージのテープ基板(TAB:Tape Automated Bonding)を用いた製造方法の一例を示す平面図である。
【図5】図5(a)〜(g)は、図1に示す発熱素子搭載用基板の製造工程の一例を1つのユニットパターンについて示す断面図である。
【図6】図6は、第1の実施の形態に係る発熱素子搭載用基板にLED素子をフリップチップ実装した状態を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体パッケージを示す断面図である。
【図8】図8は、第2の実施の形態に係る発熱素子搭載用基板にLED素子をフリップチップ実装した状態を示す断面図である。
【図9】図9は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体パッケージを示す断面図である。
【図10】図10は、第3の実施の形態に係る発熱素子搭載用基板にLED素子をフリップチップ実装した状態を示す断面図である。
【図11】図11(a)〜(c)は、第3の実施の形態の発熱素子搭載用基板の製造工程の一例を示す断面図である。
【図12】図12は、本発明の第4の実施の形態に係る半導体パッケージを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0022】
[実施の形態の要約]
本実施の形態の発熱素子搭載用基板は、絶縁性を有し、第1面及び前記第1面と反対側の第2面を有する基板と、前記基板の前記第1面上に形成された複数の配線パターンと、前記基板を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔が形成され、前記複数の配線パターンに接触するとともに前記基板の前記第2面側に露出するように前記複数の貫通孔に充填された金属からなる複数の充填部とを備えた発熱素子搭載用基板において、前記複数の配線パターンのうち少なくとも1つの配線パターンの面積は、前記基板の前記第1面の面積の30%以上であり、前記複数の充填部は、前記基板の前記第2面側から見たとき、前記複数の充填部と前記複数の配線パターンとがそれぞれ重なった面積が対応する前記配線パターンの面積の50%以上であり、前記基板の前記第1面又は前記第2面上に発熱素子が搭載されるものである。
【0023】
発熱素子とは、動作により発熱を伴う素子をいい、例えばLED素子、トランジスタ素子等がある。配線パターン及び充填部の数は、それぞれ2つ又は3つ以上でもよい。
【0024】
配線パターンのうち少なくとも1つの配線パターンの面積を基板の第1面の面積の30%以上とし、基板の第2面側から見たとき、複数の充填部と複数の配線パターンとがそれぞれ重なった面積が対応する配線パターンの面積の50%以上とすることにより、片面配線基板でありながら、板厚方向の熱伝導性が良好となる。つまり、配線パターンの下部には面積の大きい充填部が存在することになるため、あたかも配線を厚く、幅広に形成したかのようになり、放熱性が向上する。
【0025】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体パッケージを示す断面図である。この半導体パッケージ1Aは、発熱素子搭載用基板2上にLED素子3をフリップチップ実装し、そのLED素子3が搭載された発熱素子搭載用基板2を支持部材5上に実装し、LED素子3を封止樹脂4で封止したものである。
【0026】
(発熱素子搭載用基板)
図2は、発熱素子搭載用基板2を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。この発熱素子搭載用基板2は、基板の片面に配線を有するいわゆる片面配線基板であり、第1面20a及び第1面20aと反対側の第2面20bを有する樹脂フィルム20と、樹脂フィルム20の第1面20aに形成された配線パターン21(211、212、213)と、樹脂フィルム20を厚さ方向に貫通する貫通孔22(221、222、223)が形成され、配線パターン211〜213に接触するとともに樹脂フィルム20の第2面20b側に露出するように貫通孔22に充填された導電性材料からなる充填部23(231、232、233)とを備える。配線パターン21及び充填部23は、導電パターンの一例である。
【0027】
(樹脂フィルム)
樹脂フィルム20は、絶縁性を有する基板(電気絶縁材)の一例であり、半径50mmで曲げてもクラックが発生しない可撓性(柔軟性)と絶縁性を有するフレキシブル基板又はテープ基板が好ましい。樹脂フィルム20の材料として、例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエチレンナフタレート、エポキシ、アラミドなどの樹脂を含むフィルムを用いることができる。
【0028】
樹脂フィルム20を半径R=50mmで曲げてもクラックが発生しないようにしたのは、以下の理由による。一般に、エッチングなどの液処理プロセスにおいて大量に効率よく電気絶縁材を通過させる方法としては、ロール to ロールによる方法があるが、電気絶縁材を一直線に搬送して処理時間(処理長さ)を稼ごうとすると、搬送スピードが過度に遅くなったり、装置が過度に長くなったりしてしまう問題がある。また、ロール状の電気絶縁材の交換やジョイントの作業を装置を稼動した状態のままで行おうとすると、アキュムレートする機構が必要になる。これらの問題を解決する方法としては、例えば直径100mm以上の固定ローラや可動ローラを用いてワークを上下方向にジグザクに搬送するのが一般的である。同様にアキュムレーターでも上下に稼動するローラを使うのが通常である。半径R=50mmでもクラックが生じない樹脂フィルム20を用いるのはこのためである。なお、絶縁性を有する基板は、上記フレキシブル基板及びテープ基板の他に、リジッド基板、メタルベース基板等を用いてもよい。
【0029】
(配線パターン)
配線パターン21は、中央の略矩形状の配線パターン211と、半円状の一対の配線パターン212、213とから構成されている。中央の配線パターン211には、半円状の切欠凹部211aと、スリット状の切欠凹部211b〜21ldとが図2(a)において左右にそれぞれ形成されている。この切欠凹部には、発熱素子の裏面の電極パターンやレジストパターンに形状的に対応しているので、配線パターン211に印刷したはんだが、配線パターン212、213にブリッジするのを、直接的、間接的に防ぐことができる。また、配線パターン21は、極力大きな熱伝導率を有するのが好ましい。そのような配線パターン21の材料としては、銅(純銅)または一部の銅合金を用いることができる。配線パターン21の材料に純銅を用いれば、おおむね396W/mkの熱伝導率を実現することができる。
【0030】
複数の配線パターン21のうち少なくとも1つの配線パターン211の面積は、図2(a)に示すように、樹脂フィルムの第1面20aの面積(ユニットパターン面積)の約30%以上としている。これにより放熱性が良好になる。なお、上記ユニットパターン面積に対する1つの配線パターン211の面積の比率(約30%以上)は、一般の配線基板とは区別可能な比率である。
【0031】
(貫通孔)
貫通孔22は、第2面20bにおける開口が第1面20aにおける開口よりも大きく、かつ、貫通孔22の側面が、第1面20aに対する垂直線に対して30度以上としている。樹脂フィルム20の材料として、例えば、ポリイミドを用いた場合、特に工夫無くケミカルエッチングすると、概略45度の傾斜角度θとなる。傾斜角度θを小さくする様々な工夫をしても30度が限界であることから、傾斜角度θをケミカルエッチング法の特徴の一つとして規定したものである。なお、樹脂フィルム20を傾斜しながら貫通孔22をレーザで形成してもよい。
【0032】
(充填部)
本実施の形態では、図2(b)に示すように、貫通孔22内の厚さ方向の全てに充填部23を充填している。
【0033】
充填部23は、配線パターン21と同様に高い熱伝導率を有するのが好ましい。そのような充填部23の材料としては、銅(純銅)又は銅合金などの導電性材料を用いることができる。充填部23の材料に純銅を用いることにより、396W/mkを実現することができる。
【0034】
複数の充填部23は、樹脂フィルム20の第2面20b側から見たとき、複数の充填部23と複数の配線パターン21とがそれぞれ重なった面積(重畳面積)が対応する配線パターン21の面積の50%以上としている。放熱性の観点より、充填部23の面積は、大きいほど熱伝導性を良くできるが、50%以上あれば、多くの発熱素子に対応ができると考えられる。なお、配線パターン21に対する充填部23の面積の比率(約50%以上)は、一般の配線基板とは区別可能な比率である。また、充填部23の面積は、対応する配線パターン21の面積より大きくてもよい。
【0035】
(LED素子)
LED素子3は、底面にアルミニウム等からなる電極31を備えたフリップチップ型のものである。LED素子3は、本実施の形態の場合、発熱素子搭載用基板2の配線パターン21に実装される。LED素子3は、金バンプや金属含有ペーストからなる導電性接合材6Aを介して配線パターン21に電気的に接続される。
【0036】
(支持部材)
図3は、支持部材5を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B断面図である。支持部材5は、セラミック基板50と、セラミック基板50の表面50aに形成された表面配線パターン51と、セラミック基板50の裏面50bに形成された裏面配線パターン52と、セラミック基板50に設けられ、表面配線パターン51と裏面配線パターン52とを接続する一対の導通ビア53a、53bとを備える。
【0037】
セラミック基板50は、例えばセラミックのなかでも250W/mkという高い熱伝導率を有する窒化アルミを用いてもよい。
【0038】
表面配線パターン51は、樹脂フィルム20の第2面20bにおける充填部231〜233の形状に対応してセラミック基板50の中央に配置された略矩形状の配線パターン部511と、配線パターン部511の両側に配置された略台形状の一対の配線パターン部512、513とから構成されている。中央の配線パターン部511には、台形状の切欠凹部511aが図3(a)において左右にそれぞれ形成されている。また、表面配線パターン51は、中央の配線パターン部511と一方の導通ビア53aとを接続する接続パターン部514aと、配線パターン部512、513及び他方の導通ビア53b間を接続する接続パターン部514bとを有する。ここで、表面配線パターン51と裏面パターン52は、フォトリソグラフィを用いるほどファインではないので、配線形成が容易であり、実装作業も容易になる。
【0039】
(半導体パッケージの製造方法)
次に、図1に示す半導体パッケージ1Aの製造方法の一例を説明する。
【0040】
図4は、半導体パッケージ1Aをテープ基板(TAB:Tape Automated Bonding)を用いた製造方法の一例を示す平面図である。半導体パッケージ1Aは、テープ基板100を用いて製造することができる。なお、半導体パッケージ1Aは、リジッド基板やフレキシブル基板などを用いた他の製造方法により製造してもよい。テープ基板100は、1つの半導体パッケージ1Aが形成されるユニットパターン101の集合体である複数のブロック102が長手方向に形成され、ブロック102の両側には、それぞれ複数のスプロケット穴103が等間隔で形成されている。
【0041】
図5(a)〜(g)は、図1に示す発熱素子搭載用基板2の製造工程の一例を1つのユニットパターン101について示す断面図である。
【0042】
まず、図5(a)に示すように、銅箔や銅条からなる銅層210と電気絶縁材としての樹脂フィルム20とからなるCCL(Copper Clad Laminate)を用意する。このような材料は、住友金属鉱山株式会社や東レフィルム加工株式会社が片面メタライズのCCLとして市販している。あるいは、銅箔に樹脂をキャスティングしたCCLでもよい。樹脂フィルム20としては、ケミカルエッチングしやすい材料がよく、代表的な商品としては、東レ・デュポン株式会社のカプトンや株式会社カネカのアピカルなどのポリイミドフィルムがある。このCCLを適当な幅にスリットして、TAB(Tape Automated Bonding)の製造ラインを流すためのスプロケット穴103をあける。
【0043】
次に、図5(b)、(c)に示すように、樹脂フィルム20をケミカルエッチングするためのマスクとして例えば、旭化成イーマテリアル株式会社が市販しているような感光性ドライフィルム240を貼り、フォトリソグラフィによってケミカルエッチングのためのマスクパターン241を形成する。なお、精緻な形状が必要な場合には樹脂フィルム20の裏面の第2面20bにも金属層の銅層を設けてもよい、例えば、両面スパッタによるCCL材を用意して、その金属層にフォトリソグラフィによってケミカルエッチングのためのマスクパターン241を形成することでもよい。このとき、配線パターン21を形成する側の銅層210は、保護テープを貼って樹脂フィルム20をケミカルエッチングするための薬液や、マスクパターン241を形成する際にフォトリソグラフィのプロセスを通すことによる傷や薬液から守ることが望ましい。この種のマスキングテープとしては、例えば日東電工株式会社や日立化成工業株式会社が市販している。
【0044】
次に、図5(d)に示すように、ケミカルエッチング液に浸漬して樹脂フィルム20のエッチングを行う。このようなケミカルエッチング液としては、レイテック株式会社のTPE−3000などがある。エッチングの板厚方向へのエッチングスピードは、樹脂フィルム20の材質とエッチング条件によってほぼ固有のものとなるので、例えばTPE−3000の液温を50〜90℃の範囲で選択して、後は時間を主なパラメータにして、所望の貫通孔22の断面が得られる条件を選択すればよい。ケミカルエッチングに関する参考文献としては、特開2009−177071号公報などがある。
【0045】
次に、図5(e)に示すように、ドライフィルムからなるマスクパターン241を剥離する。ドライフィルムの剥離液としては、ドライフィルムメーカーが指定する専用のものや、NaOH,KOHの2〜4%液を30〜50℃、0.1〜0.2MPaでスプレーして行う。なお、マスクパターンとして金属マスクを用いた場合は、金属エッチング液で除去する。具体的には、例えば金属が銅の場合、塩化第二鉄系のエッチング液を、液温40〜60℃、0.1〜0.2MPaでスプレーして金属マスクを除去する。
【0046】
次に、図5(f)に示すように、樹脂フィルム20に形成した貫通孔22を、銅層210をカソードとして、電解銅めっきで所望の厚さまで充填する。銅層210をカソードとするためには、銅層210の保護テープの一部(たとえば端面近傍)を除去して、そこへ電極を接触させればよい。このような充填めっきは、埋め込みめっきとも呼ばれ、特開2003−124264号公報(特許文献2)にも開示されている。具体的には、硫酸銅系のめっき液を用いて、電流密度、めっき時間、めっき厚さバラツキ調整用遮蔽マスクの位置・形状などを調整して、所望の厚さや断面形状になるように電解銅めっきを行う。市販の銅めっきを用いる場合には、荏原ユージライト株式会社などが市販している銅めっき液を使うことが可能で、使用方法等についても上記公報に開示されている。
【0047】
次に、図5(g)に示すように、銅層210のパターニングを行って配線パターン211〜213を形成する。図示はしないが、パターニングに際してはフォトリソグラフィとエッチングを用いるのが一般的であり、銅層210にエッチングレジストを塗工し、配線パターン211〜213などを露光した後、現像してエッチングし、エッチングレジストを剥離するという一連の作業を行う。エッチングレジストの代わりに感光性ドライフィルムを用いてもよいし、フォトグラフィを用いないように直接配線パターン211〜213を印刷するようなエッチングレジストをスクリーン印刷することでもよい。これらのレジストは例えば、太陽インキ製造株式会社などから市販されている。
【0048】
また、銅層210をエッチングによってパターニングを行う際には、埋め込みめっきを行った面は、マスキングテープを貼るか裏止め材を塗工するかしてエッチング液などの薬液から充填部23を保護することが望ましい。エッチングの際には、一般的な塩化第二鉄系か塩化第二銅系のエッチング液を使うことでよい。また、エッチングで配線パターン21のスペースを所望の値に小さくできない場合は、形成した配線パターン21にさらに銅めっきして、配線パターン21の厚さと幅を銅めっきの厚み分太らせることで、配線パターン21のスペースを小さくしてもよい。
【0049】
次に、図示しないが、埋め込みめっき側のマスキングテープを剥して、金、銀、パラジウム、ニッケル、すず、銅のいずれかの金属を含むめっきを行う。めっきは複数の種類、複数の層でもよい。
【0050】
めっきの方法としては、めっきしたい配線パターン21への給電線が不要な無電解めっきが望ましいが、電解めっきでもよい。めっきは、配線パターン21の面と埋め込みめっき面側で交互にマスキングしながら表裏で別の種類のめっきをすることでもよい。また、めっきの面積を削減するために、配線パターン21の面にあらかじめ、めっきが不要な部分をレジストやカバーレイでカバーしてからめっきすることでもよい。
【0051】
以上で、図4に示したようなTABをロール to ロールで製造することができ、本実施の形態の発熱素子搭載用基板2がロール形態で完成することになる。
【0052】
次に、完成したTABを、ブロック102を単位として所望の長さに切断して、LED素子3をマウンターでマウントする。
【0053】
図6は、発熱素子搭載用基板2にLED素子3をフリップチップ実装した状態を示す断面図である。具体的には、図6に示すように、図4に示すユニットパターン101に、例えば金バンプあるいは金属含有ペーストからなる導電性接合材6Aを介してLED素子3をフリップチップ実装する。金属含有ペーストの場合は、TABにそれらの導電性接合材6Aを印刷した後、LED素子3をマウントし、導電性接合材6Aの推奨条件にあわせたリフローを行う。金属含有ペーストとしては、はんだペーストや金錫ペーストなどが例えば三菱マテリアル株式会社から市販されている。実装の装置メーカーとしては、JUKI株式会社,パナソニックファクトリーソリューションズ株式会社、株式会社日立ハイテクノロジーズ、株式会社新川などがある。
【0054】
次に、図6の形態にLED素子3の実装が終わったTABを、例えばダイサーなどを用いて、ユニットパターン101ごとに個片化し、それを図3に示す支持部材5に実装して図1に示す半導体パッケージ1Aを製作する。
【0055】
支持部材5は、セラミックの材質が安価なアルミナであっても20W/mk以上の熱伝導率を有する電気絶縁材であるため、充填部23は、熱伝導を考慮して金属で充填しなくてもよい。
【0056】
具体的には、セラミック基板50に導電性接合材6Bを印刷し、そこへ図6のようにLED素子3を実装して個片化したTABをマウントして、リフローする。このとき、LED素子3側の導電性接合材6Aとセラミック基板50側の導電性接合材6Bは、その溶融温度に温度差をつけることでもよい。そのような導電性接合材6A、6Bの組み合わせとしては、はんだペーストと金錫ペーストの組み合わせなどがあり、例えば、三菱マテリアル株式会社などから入手が可能である。リフローを終えた支持部材5は、必要に応じてパナソニックファクトリーソリューションズ株式会社などが製造しているプラズマクリーナーを用いてクリーニングなどを行い、信越化学工業株式会社などが製造しているシリコーンからなる封止樹脂4を用いて、コンプレッションモールドなどの方法によって封止し硬化させて半導体パッケージ1Aが完成する。
【0057】
(第1の実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)片面配線基板でありながら、板厚方向の熱伝導性が良好で、搭載するLED素子の電極位置に影響されにくい発熱素子搭載用基板、その製造方法、及びその発熱素子搭載用基板を用いた半導体パッケージの提供に貢献できる。
(2)樹脂フィルム20の第2面20bに露出する充填部23については、打ち抜き加工に比べて、形状や位置について設計の自由度が高くなる。
(3)発熱素子搭載用基板を片面配線基板で構成できるので、両面配線基板で構成する場合に比べて、数多くの導通ビアやサーマルビアの形成、裏面パターンの形成がなくなることによって、コストを抑えることが可能になる。
【0058】
[第2の実施の形態]
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体パッケージを示す断面図である。この半導体パッケージ1Bは、第1の実施の形態とは、発熱素子搭載用基板2を上下を逆に配置した点が異なり、他は第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0059】
すなわち、本実施の形態の半導体パッケージ1Bは、支持部材5の表面配線パターン51に発熱素子搭載用基板2の配線パターン21を導電性接合材6Bにより接続し、発熱素子搭載用基板2の充填部23にLED素子3を導電性接合材6Aを介してフリップチップ実装したものである。LED素子3は、発熱素子搭載用基板2の第2面20b上に実装される。
【0060】
第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同様に製造することができる。すなわち、第1の実施の形態と同様に発熱素子搭載用基板2を作製し、完成したTABを、ブロック102を単位として所望の長さに切断して、LED素子3をマウンターでマウントする。
【0061】
図8は、発熱素子搭載用基板2にLED素子3をフリップチップ実装した状態を示す断面図である。具体的には、図8に示すように、図4に示すユニットパターン101に、例えば金バンプあるいは金属含有ペーストからなる導電性接合材6Aを介してLED素子3をフリップチップ実装する。すなわちLED素子3の電極31を導電性接合材6Aを介して発熱素子搭載用基板2の充填部23に接続する。
【0062】
後は、第1の実施の形態と同様に、図8に示すLED素子3が実装された発熱素子搭載用基板2を、配線パターン21を導電性接合材6Bを介して表面配線パターン51に接続して支持部材5上に実装し、LED素子3を封止樹脂4で封止する。このようにして半導体パッケージ1Bが完成する。
【0063】
(第2の実施の形態の効果)
(1)第2の実施形態によれば、第1の実施の形態と同様に、片面配線基板でありながら板厚方向の熱伝導性が良好で、搭載するLED素子の電極位置に影響されにくく、かつ両面に露出する配線パターンと充填部を異なる形状に設計可能な汎用性を有することができる。
(2)第1の実施の形態と同様に、発熱素子搭載用基板を片面配線基板で構成できるので、両面配線基板で構成する場合に比べて、数多くの導通ビアやサーマルビアの形成、裏面パターンの形成がなくなることによって、コストを抑えることが可能になる。
(3)配線パターン21がファインではなくなるので、配線パターン21の厚さを厚くした配線形成が可能になり、同じパターンでも配線を厚くしたことによって熱の水平方向への伝導が、よりスムーズになる。
【0064】
[第3の実施の形態]
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体パッケージを示す断面図である。図10は、第3の実施の形態に係る発熱素子搭載用基板にLED素子をフリップチップ実装した状態を示す断面図である。この半導体パッケージ1Cは、第2の実施の形態とは、充填部23を2層構造にした点が異なり、他は第2の実施の形態と同様に構成されている。
【0065】
本実施の形態の発熱素子搭載用基板2は、図10に示すように、樹脂フィルム20の貫通孔22に樹脂フィルム20の厚さの1/2以上の部分に充填部23を充填し、貫通孔22の残りの部分に導電性接合材6Bを充填したものである。なお、充填部23は、樹脂フィルム20の厚さの約1/2又は1/2以下でもよい。
【0066】
本実施の形態の半導体パッケージ1Cは、第2の実施の形態と同様に、支持部材5の表面配線パターン51に発熱素子搭載用基板2の配線パターン21を導電性接合材6Bにより接続し、発熱素子搭載用基板2の導電性接合材6BにLED素子3を導電性接合材6Aを介してフリップチップ実装し、LED素子3と発熱素子搭載用基板2との間にLED素子3からの光を反射する反射層25を設けたものである。LED素子3は、第2の実施の形態と同様に、発熱素子搭載用基板2の第2面20b上に実装される。
【0067】
反射層25は、硫酸バリウム(BaSO4)の白色素材を基準とした分光反射率計による測定において、波長450〜700nmの範囲の初期全反射率が80%以上を有するのが好ましい。そのような材料として、白色のシリコーンやレジストを用いてもよい。また、発熱素子搭載用基板2上に銀めっきを施して反射層としてもよい。さらには、あらかじめLED素子3の裏面に白シリコーンやレジストをコーティングしておいても良い。
【0068】
第3の実施の形態は、第1の実施の形態と同様に製造することができる。図11(a)〜(c)は、第3の実施の形態の発熱素子搭載用基板の製造工程の一例を示す断面図である。すなわち第1の実施の形態と同様に、銅層210と樹脂フィルム20とからなるCCLを用意し、樹脂フィルム20の第2面20bにマスクパターン241を形成し、ケミカルエッチングを行って、貫通孔22(221〜223)を形成する。
【0069】
次に、図11(a)に示すように、貫通孔22の樹脂フィルム20の厚さの1/2以上の部分に充填部23(231〜233)を充填する。次に、図11(b)に示すように、銅層210のパターニングを行って配線パターン21(211〜213)を形成する。
【0070】
次に、図11(c)に示すように、発熱素子搭載用基板2を裏返し、はんだなどの導電性接合材6Cを貫通孔22の残りの部分に充填(印刷)して発熱素子搭載用基板2を作製する。そして発熱素子搭載用基板2上に反射層25を形成する。完成したTABを、ブロック102を単位として所望の長さに切断して、LED素子3をマウンターでマウントし、導電性接合材6Aを介してLED素子3をフリップチップ実装する。
【0071】
そして、LED素子3が実装された発熱素子搭載用基板2を支持部材5上に実装し、LED素子3を封止樹脂4で封止する。このようにして半導体パッケージ1Cが完成する。
【0072】
(第3の実施の形態の効果)
第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、片面配線基板でありながら、板厚方向の熱伝導性が良好で、搭載するLED素子の電極位置に影響されにくくなる。また、LED素子3の裏面側に漏れた光を白色の反射層で反射するようにすることで見かけ上、LED素子3の発光効率が高まったのと等価な状態にすることができる。
【0073】
なお、第1の実施の形態のように発熱素子搭載用基板2の第1面20a上の配線パターン21にLED素子3を接続してもよい。
【0074】
[第4の実施の形態]
図12は、本発明の第4の実施の形態に係る半導体パッケージを示す断面図である。この半導体パッケージ1Bは、第1の実施の形態とは、LED素子3が異なり、他は第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0075】
すなわち、第4の実施の形態の半導体パッケージ1Dは、第1の実施の形態と同様の発熱素子搭載用基板2と、発熱素子搭載用基板2の第1面20aに形成された配線パターン21に実装されたLED素子3と、LED素子3を封止する封止樹脂4とを備える。
【0076】
このLED素子3は、上面に2つ以上の電極32を有し、ワイヤー7によって接続するワイヤーボンディング型のLED素子である。なお、LED素子3は、底面と上面にそれぞれ電極を有し、ワイヤー7によって接続するワイヤーボンディング型のLED素子でもよい。
【0077】
[変形例]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々に変形実施が可能である。
【0078】
例えば、充填部23を給電点として用いてもよいし、給電は行わず、熱を逃がすためのサーマルビアとして用いてもよい。また、充填部23については、同極性の給電を行ってもよいし、異極性の給電を行うことでもよい。また、配線パターン21の露出が問題になる場合には、必要に応じてレジストやカバーレイでカバーしてもよい。
【0079】
また、上記実施の形態では、発熱素子搭載用基板を支持部材に実装してから封止したが、発熱素子を発熱素子搭載用基板上に実装してから封止してもよい。
【0080】
さらに、発熱素子搭載用基板2のLED素子3や発熱素子の実装面側にレジストを設けたり、リフレクタを設けることでもよい。また、熱放射性の優れたレジストを設けることでもよい、さらに、素子を実装した面と反対面側には、ソルダーレジスト層を設けてもよい。
【0081】
また、本発明の要旨を変更しない範囲内で上記実施の形態の構成要素のうち一部を除くことも可能である。例えば、図6、図8、図10に示すように、封止樹脂で封止していない状態で半導体パッケージとして提供してもよい。
【0082】
また、上記各実施の形態の構成要素を、本発明の要旨を変更しない範囲内で任意に組み合わせることは可能である。例えば、第3の実施の形態で用いた反射層を他の実施の形態に適用してもよい。
【0083】
また、上記実施の形態で説明した製造方法は、本発明の要旨を変更しない範囲内で工程の削除、追加、変更を行って半導体パッケージを製造してもよい。
【符号の説明】
【0084】
1A〜1D…半導体パッケージ、2…発熱素子搭載用基板、3…LED素子、4…封止樹脂、5…支持部材、6A〜6C…導電性接合材、7…ワイヤー、20…樹脂フィルム、20a…第1面、20b…第2面、21(211〜213)…配線パターン、22(221〜223)…貫通孔、23(231〜233)…充填部、25…反射層、31、32…電極、50…セラミック基板、50a…表面、50b…裏面、51…表面配線パターン、52…裏面配線パターン、53a、53b…導通ビア、100…テープ基板、101…ユニットパターン、102…ブロック、103…スプロケット穴、210…銅層、211a…切欠凹部、240…感光性ドライフィルム、241…マスクパターン、511〜513…配線パターン部、511a…切欠凹部、514a、514b…接続パターン部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性を有し、第1面及び前記第1面と反対側の第2面を有する基板と、
前記基板の前記第1面上に形成された複数の配線パターンと、
前記基板を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔が形成され、前記複数の配線パターンに接触するとともに前記基板の前記第2面側に露出するように前記複数の貫通孔に充填された導電性材料からなる複数の充填部とを備え、
前記複数の配線パターンのうち少なくとも1つの配線パターンの面積は、前記基板の前記第1面の面積の30%以上であり、
前記複数の充填部は、前記基板の前記第2面側から見たとき、前記複数の充填部と前記複数の配線パターンとがそれぞれ重なった面積が対応する前記配線パターンの面積の50%以上であり、
前記基板の前記第1面又は前記第2面上に発熱素子が搭載される発熱素子搭載用基板。
【請求項2】
前記貫通孔は、前記第2面における開口が前記第1面における開口よりも大きく、かつ、前記貫通孔の側面が、前記基板の前記第1面に対する垂直線に対して30度以上の傾斜角を有する請求項1に記載の発熱素子搭載用基板。
【請求項3】
前記複数の充填部は、前記複数の貫通孔の前記基板の厚さの1/2以上の部分に充填された銅又は銅合金から形成された請求項1又は2に記載の発熱素子搭載用基板。
【請求項4】
前記基板は、ポリイミドを含み、ケミカルエッチングが可能な材質から形成された請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発熱素子搭載用基板。
【請求項5】
絶縁性を有し、第1面及び前記第1面と反対側の第2面を有する基板の前記第1面上に複数の配線パターンを形成する工程と、
前記基板を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔をケミカルエッチング法により形成する工程と、
前記複数の配線パターンに接触するとともに前記基板の前記第2面側に露出するように前記複数の貫通孔に導電性材料をめっき法により充填して複数の充填部を形成する工程とを含む発熱素子搭載用基板の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発熱素子搭載用基板と、
前記発熱素子搭載用基板の前記第1面上又は前記第2面上に搭載され、前記配線パターン又は前記充填部に電気的に接続された発熱素子とを備えた半導体パッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−93557(P2013−93557A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−203971(P2012−203971)
【出願日】平成24年9月18日(2012.9.18)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)