説明

発話モード中の呼吸器システム異常の検出

互いに連通する吸気通路36及び呼気通路38並びに繰り返し呼吸サイクルを実行することができる呼吸アセンブリを有する呼吸器アセンブリ10を動作させる方法である。該方法は、(a)上記呼吸アセンブリを、吸気フェーズの間には上記吸気通路内のガスが患者に向かって流れ、呼気フェーズの間には呼気バルブ48が相対的に閉じた状態に維持され、吐き出されるガスが声帯を通過して口から外に流れ、これにより患者の発話能力を促進するように繰り返し動作させるステップと、(b)上記呼気フェーズの間において上記通路のうちの少なくとも一方内の圧力を監視するステップと、(c)上記圧力監視に基づいて回路の切断又は閉塞が存在するかを決定するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の換気に係り、更に詳細には、換気中に患者が発話するのを可能にすると共に、当該呼吸器(ventilator)が発話モードで動作している際のシステム異常を検出するような侵襲的換気のための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
既知の気管内チューブアセンブリの一例は米国特許第4,759,356号(以下、"356特許"という)に開示されており、該特許の全開示は参照することにより本明細書に組み込まれるものとする。既知の呼吸器アセンブリの一例は米国特許第6,543,449号(以下、"449特許"という)に開示されており、該特許の全開示は参照することにより本明細書に組み込まれるものとする。
【0003】
356特許に開示された気管内チューブアセンブリは、内側開放端が患者の気道及び肺と連通する一方、外側開放端が患者の首の外側に適切に固定されるように、患者の気管内に取り付けられるよう構成された気管内チューブを含んでいる。該356特許は、上記チューブの開放端にチェックバルブ(当業技術では、しばしば、"話しバルブ"と呼ばれる)を設けることを開示している。該356特許に開示されたチェックバルブは広く使用されているもので、同356特許の明細書は、基本的な話すのに有利な機能に加えて使用した場合の該チェックバルブの多くの利点を示している。
【0004】
449特許に開示された呼吸器アセンブリは、気管内チューブアセンブリを用いる場合のような侵襲的使用、又はマスクを用いるような非侵襲的使用の能力を有している。本発明は、侵襲モードの呼吸器動作に焦点を当てる。
【0005】
356特許で述べられているように、話し能力に加えて、チェックバルブの使用から結果として得られる多くの利点が存在する。しかしながら、不利な点も同時に存在する。例えば、チェックバルブは、患者のエアゾール処置を施し又は吸引処理を行うためには、除去しなければならない。
【0006】
米国特許第6,668,824号(以下、824特許という)は、配管循環路(回路)の切断(外れ:disconnection)及び閉塞の検出を教示している。824特許において回路の切断及び閉塞を検出するために使用されるアルゴリズムは、呼吸の呼気フェーズの間において呼気ガス流を検出すること、即ち呼気の間において患者回路の呼気肢(expiratory limb)を介して進むガス流を検出することを要する。回路の切断及び閉塞を検出するために、呼気の流れが、呼気圧等の少なくとも1つの他の監視パラメータとの組み合わせで使用される。しかしながら、この技術は、当該呼吸器により実施される換気モードが呼気の間において呼気肢におけるガスの流れを特別に回避する又は必要としない場合には使用することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、呼吸器アセンブリを発話モードにおいて動作させる方法であって、患者が換気治療を受けている間に話すのを可能にすると共に、発話モードにおいて当該呼吸器の安全性を最大化すべく異常を監視するような方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、本発明の一実施例によれば、(a)互いに連通する吸気及び呼気通路と、繰り返し呼吸サイクルを実行することが可能な呼吸アセンブリとを含む呼吸器アセンブリを設けることにより達成される。各呼吸サイクルは、(1)(i)上記吸気通路と連通する吸気バルブが該バルブを介して上記吸気通路及び患者へとガスを通過させるように相対的に開く一方、(ii)上記呼気通路と当該呼吸器アセンブリの呼気出口との間の呼気バルブが相対的に閉じる吸気フェーズと、(2)上記吸気バルブが相対的に閉じる呼気フェーズとを含む。前記方法は、更に、(b)上記呼吸器アセンブリを、(1)吸気フェーズの間では上記吸気通路内のガスが気管内チューブを介して患者の声帯より下の該患者の気道及び肺へと流れる一方、(2)呼気フェーズの間では上記呼気バルブが相対的に閉じられた状態に維持され、患者が該患者の気道及び肺内のガスを該患者の声帯を経て該患者の口から外へと吐き出すのを可能にし、これにより該患者の発話能力を促進させるように繰り返し動作させるステップを含む。また、該方法は、(c)上記呼気フェーズの間において前記通路の少なくとも一方内の圧力を監視し、(d)回路の切断又は閉塞が存在するかを該圧力監視に基づいて決定するステップも含む。
【0009】
本発明の他の目的は、患者が換気治療を受けながら話すことを可能にすると共に、斯かる発話モードの間に当該呼吸器の安全性を最大限に増加させるために異常を監視するような発話モードで動作するのが可能な患者呼吸器アセンブリを提供することである。本発明の一実施例によれば、この目的は、気管内チューブの外部開放端に接続されるように構成された導管を含む患者呼吸器アセンブリを設けることにより達成される。上記導管は、互いに連通する吸気通路及び呼気通路を含む。また、該患者呼吸器アセンブリは、上記吸気通路及び呼気通路の各々における吸気バルブ及び呼気バルブと、呼気フェーズの間において上記通路の少なくとも一方における圧力を監視するように構成された圧力センサとを含む。コントローラが、各呼吸サイクルが吸気フェーズ及び呼気フェーズを含むような繰り返し呼吸サイクルを生じさせるように上記吸気バルブ及び呼気バルブを制御する。吸気フェーズの間において、上記吸気バルブは相対的に開く一方、上記呼気バルブは相対的に閉じ、ガスの流れが、上記吸気通路及びチューブを介して患者の気道及び肺へと通過するようになされる。上記コントローラは、更に、回路の切断又は閉塞が存在するかを、監視された圧力に基づいて決定するようにも構成される。
【0010】
本発明の上記及び他の目的、フィーチャ並びに特徴、関連する構成要素の動作方法及び機能、並びに製造に係る部品及び経済性の組み合わせは、添付図面を参照する下記の記載及び添付請求項を考察すれば一層明らかとなり、これら図面の全ては本明細書の一部を形成するものであって、該図面において対応する部分は同様の符号が示している。しかしながら、これら図面は図示及び解説を目的とするものであって、本発明の限定を示すものではないと明確に理解されるべきである。また、本明細書及び請求項において使用される場合、単数形のものは、特に言及しない限り、複数を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】図1Aは、本発明の一態様による換気装置の一実施例の部分概念図であり、該装置は患者に動作的に接続されて示されており、矢印はバルブ及びコントローラが吸気フェーズにある場合のガスの流れの方向を示している。
【図1B】図1Bは、図1Aと同様の図であるが、部分的に閉じた呼気バルブを示している。
【図2A】図2Aは、図1Aの実施例の部分概念図であるが、バルブ及びコントローラが話しモード呼気フェーズにある場合の流れの方向を示す矢印を示している。
【図2B】図2Bは、図2Aと同様の図であるが、部分的に閉じた呼気バルブ及び部分的に閉じた吸気バルブを示している。
【図3】図3は、図1Aの実施例の部分概念図であるが、バルブ及びコントローラが非話しモード呼気フェーズにある場合の流れの方向を示す矢印を示している。
【図4A】図4Aは本発明の他の実施例を示し、該実施例において気管内チューブは図1Aにおけるようにチェックバルブがないのとは異なり該チューブの開放端にチェックバルブを有している
【図4B】図4Bは、図4Aと同様の図であるが、部分的に閉じた呼気バルブを示している。
【図5A】図5Aは、図4Aと同様の図であるが、バルブ及びコントローラが呼気フェーズにある場合の流れの方向を示す矢印を示している。
【図5B】図5Bは、図5Aと同様の図であるが、部分的に閉じた呼気バルブ及び吸気バルブを示している。
【図6】図6は、図1及び2のシステムを類似電気回路図として概略示し、呼気バルブが吸気及び呼気フェーズの間に完全に閉じられるような構成を示している。
【図7A】図7Aは、本発明の一実施例による閉塞検出技術を示すグラフである。
【図7B】図7Bは、本発明の一実施例による閉塞検出技術を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、図面の図1A、1B、2A、2B及び3(又は、短く図1〜3)を更に詳細に参照すると、本発明の原理を具現化した全体を10で示す換気装置が図示されている。換気装置10は、全体を12で示す気管内チューブアセンブリと、全体を14で示す呼吸器アセンブリとを含んでいる。
【0013】
気管内チューブアセンブリ12は、例えば356特許に開示された原理に従い構成された気管内チューブ16を含んでいる。気管内チューブ16は患者20の気管18内に取り付けられるように構成及び配置されており、その外側開放端22は患者の首24の外側に適切に固定される一方、内側開放端26は患者の声帯30より下の該患者の気道及び肺28と連通する。
【0014】
図1〜3において、気管内チューブ16は、356特許に開示されているもののようなチェックバルブ(しばしば、話しバルブと称される)が無いものとして示されている。呼吸器アセンブリ14は、全体的に32で示された導管アセンブリを含み、該導管アセンブリは、後述するように、Y継手34と、吸気通路36及び呼気通路38を形成する配管部とを含んでいる。Y継手34の幹部は、気管内チューブ16がチェックバルブ無しとなり、且つ、いずれの方向にもガスが流れるように導管アセンブリ32と連通するように、気管内チューブ16の外側開放端22上に接続される。
【0015】
上記Y継手の一方の枝路は吸気通路36を画定する配管又は導管部に接続され、該Y継手の他方の枝路は呼気通路38を画定する配管又は導管部に接続される。図1〜3から分かるように、Y継手34は吸気通路36と呼気通路38とを相互に連通させるように作用する。
【0016】
今まで述べた導管アセンブリ32は、図1〜3に鎖線で示す呼吸器アセンブリ14の外側に配置されている。呼吸器アセンブリ14は内部に呼吸アセンブリ40を収容し、該呼吸アセンブリは吸気アセンブリ42及び呼気アセンブリ44を含んでいる。図1〜3において、呼吸アセンブリ40の吸気アセンブリ42及び呼気アセンブリ44は概念的にブロック図で示されている。呼吸アセンブリ40の吸気アセンブリ42及び呼気アセンブリ44内に含まれるガス流構成部品は従来の構成のものとすることができる。本発明の原理に従い使用される構成部品の一実施例の固有のものが449特許に開示されている。
【0017】
図示のように、吸気アセンブリ42は吸気通路36と連通する制御可能な吸気バルブ46を含む一方、呼気アセンブリ44は呼気通路38と連通する制御可能な呼気バルブ48を含んでいる。
【0018】
バルブ46及び48は、好ましくは、コントローラ52により電気的に制御されるもので、完全に閉じた状態と、完全に開いた状態と、これらの間の部分的に開いた何れかの位置との間で移動するように制御することができる。バルブ46及び48は、比例ソレノイド型バルブ又はステップモータ駆動タイプ等(例示のみである)の呼吸器用途の如何なる好適なタイプのものとすることもできる。
【0019】
呼吸アセンブリ40は、繰り返し呼吸サイクルを提供すべく制御されるように構成及び配置される。各呼吸サイクルは、吸気バルブ46が開く一方、呼気バルブ48が閉じるような吸気フェーズを含む。各吸気フェーズの間において、吸気アセンブリ42はコントローラ52により制御されて、ガスの流れを開状態の吸気バルブ46、吸気通路36及び気管内チューブ16を介して患者の気道及び肺28へと通過させる。一実施例において、上記ガスの流れは、吸気アセンブリ42の入口(インレット)50を介して導入される空気源及び吸気アセンブリ42内に格納された酸素源からの吸気アセンブリ42により混合された空気及び酸素を含む。しかしながら、如何なる既知のガス源も使用し、吸気バルブ46を経て吸気通路36を介して伝達することができる。
【0020】
また、各呼吸サイクルは、吸気バルブ46が閉じるか又は部分的に閉じる(即ち、後述するように"相対的に"閉じる)呼気フェーズも含む。
【0021】
図2A及び2Bに最も良く示されているように、本発明の一実施例によれば、換気装置10は"発話(話し)モード"で動作するように構成されており、該発話モードにおいて呼気フェーズの間では呼気バルブ48がコントローラ52により制御されて、相対的に閉じた位置に留まるか、又は導管アセンブリ32内の圧力を所望の圧力プロファイル(波形)に従って動的に制御する(この圧力プロファイルは患者の発話能力を向上させる目的に基づくものである)。この呼気バルブ48の制御は、呼気フェーズが、気管内チューブアセンブリ12又は導管アセンブリ32内に具現化されたチェックバルブが存在しない場合でも、患者の話す能力が促進されるようなものとなるのを可能にする。このようにして、呼気フェーズの間において、先行する吸気フェーズにおいて患者の気道及び肺に導入された呼吸可能なガスを該患者が吐き出すことができる場合に、相対的に閉じられた吸気及び呼気バルブ46及び48が、これらを超えて流れるのを防止するか、又は導管アセンブリ32内に圧力プロファイルを形成するように制御され、従って、吐き出されるガスは患者の口から出る過程において該患者の声帯を通過して流れなければならず、かくして、図2A及び2Bにおいて矢印で示されるように患者の話す能力を促進する。
【0022】
本明細書で上記吸気バルブ又は呼気バルブが"閉じた状態"又は"開いた状態"として示される事例において、これは、絶対的に若しくは完全に開いた又は完全に閉じたバルブ(そうでもあり得るが)を必ずしも意味するものでなく、関係として開いた又は閉じたバルブであると理解されたい。言い換えると、例えば呼気バルブが"閉じて"いる場合、これは、図1A及び2Aに示されるように該バルブが如何なるガスの通過も防止するように完全に閉じられていることを意味するものではない。むしろ、該呼気バルブは、部分的に閉じられるものではあるが、自身の所望の機能を果たすほど十分に閉じられるものであり得る(図1B及び2Bに示されるように)。かくして、例えば"相対的に閉じた"又は"相対的に開いた"呼気バルブは、当該バルブに関する相対的に閉じた位置及び比較的相対的に開いた位置を各々意味する。同様にして、"閉じた"又は"開いた"吸気バルブとは、該吸気バルブの2つの相対的な位置を指し、この場合において一方の位置は他方に対して相対的に閉じているか又は相対的に開いている。このように、ここで使用される"相対的に閉じた"なる用語は、このような広い解釈及び意味を伝えることを意図するものである。
【0023】
吸気フェーズにおいて、例えば、呼気バルブは完全に閉じられる必要はなく、所望の圧力が導管アセンブリ32及び患者の肺内に生じるのを可能にするのに十分なだけ閉じられればよい。同様に、吸気フェーズにおいて、吸気バルブは完全に開かれる必要はなく、患者が呼吸するのを可能にするために十分なガスを導管アセンブリ32及び該患者の肺に導入するのに十分なだけ開かれればよい。同様に、呼気フェーズでは、吸気バルブは完全に閉じられる必要はなく、部分的に閉じられれば良く(図2B参照)、呼気バルブは導管アセンブリ32内に所望のプロファイルの圧力を維持するのに十分な程度に閉じられることを要するのみである(図2B参照)。
【0024】
一実施例において、呼気バルブ及び/又は吸気バルブの開く及び閉じる程度は、コントローラ52により動的に制御される。即ち、呼気モニタ58及び/又は吸気モニタ54を使用して、吸気及び/又は呼気フェーズの全体を介して又は吸気及び/又は呼気フェーズの間に周期的に圧力を監視すると共にコントローラ52に対して信号を送り、導管アセンブリ32内に形成されるべき所望の圧力若しくは呼吸サイクル中の何れかの点における関連するバルブ46及び/又は48を介しての所望の抽気率(bleed rate)に基づいて、又は話し動作モード若しくは非話し動作モードに基づいて呼気バルブ48及び/又は吸気バルブを所望の程度に開く及び/又は閉じるための信号を連続的に又は間欠的に供給することができる。一実施例において、エンコーダ又は何れかのタイプのトランスジューサを用いてバルブの開度を測定し、フィードバック信号をコントローラ52に戻すことができる。
【0025】
一実施例において、吸気フェーズの間に、呼気バルブ48は相対的に閉じられるが(所望の量の呼吸可能なガスが当該患者に供給されるのを可能にするのに十分なだけ閉じられる)、出口(アウトレット)ポート62を介して余分なガスを流出させる(例えば、約3〜7リットル/分)ことができるように、部分的にのみ閉じることができる(図1B参照)。更に、吸気バルブ46は完全に開くか又は部分的に開くことができるが、何れの場合においても、該バルブが閉じた又は相対的に閉じた位置にある場合と比較して相対的に開かれる。
【0026】
一実施例において、呼気フェーズの間に、呼気バルブ及び吸気バルブは相対的に閉じられるが、一方又は両方のバルブは導管アセンブリ32内の圧力のレベルを制御するために部分的に閉じることができる(図2B参照)。例えば、一実施例において、導管アセンブリ32内の圧力を、5センチメートル水柱等の指定された閾より高く維持することが望ましいかも知れない。このような制御は、しばしば、呼気終末陽圧(PEEP)と呼ばれ、これは本発明において米国特許第6,823,866号(参照により、全体として本明細書に組み込まれる)に開示されているように使用することができる。この方法は、導管アセンブリ32内の圧力を或るレベルより高く維持し、患者の気道を開いた状態に維持し、及び/又は患者の発話能力を向上させるために使用することができる。
【0027】
呼気フェーズにおいてバルブ46及び48が閉じている場合、連通する吸気及び呼気通路36及び38を介しての流れは存在しないが、気管内チューブ16によりもたらされる連通は、通路36及び38が呼気フェーズの間に気道内圧を、これら通路が吸気フェーズの間になすのと丁度同じ様に、反射するようなものとなることに注意されたい。
【0028】
一実施例において、コントローラ52は、プログラマブルマイクロプロセッサとすることができ、前述したように、吸気アセンブリ42及び該アセンブリの吸気バルブ46並びに呼気アセンブリ44及び該アセンブリの呼気バルブ48の制御を含む繰り返し呼吸サイクルを行う場合の呼吸アセンブリ40の動作を制御するように作用する。
【0029】
コントローラ52は、呼吸器アセンブリ14の全体の動作の制御において、吸気及び呼気通路36及び38内で反射された患者の気道内の測定圧力に関係するデータを使用する。斯かる測定データは単一のモニタから得ることもできるが、図示の実施例では、適切な配管56により吸気通路36と連通された吸気モニタ54及び適切な配管により呼気通路38と連通された別の呼気モニタ58を含む2つのモニタが設けられる。一実施例において、モニタ54及び58は、連通する通路の圧力条件を感知すると共に該感知された圧力条件をコントローラ52により入力及び使用することが可能な個別の信号に変換することが可能な圧力トランスジューサを使用する。コントローラ52はバルブ46及び48をモニタ54及び58に基づいて開閉し、該モニタの出力は患者の呼吸のフェーズを検出するために使用することができる。即ち、上記モニタは患者の肺内の圧力を、呼吸サイクルを通して追跡し、バルブ46及び48の開閉を制御する。
【0030】
一実施例において、上記コントローラは2つの別個のアルゴリズムを使用し、一方は呼気バルブ48を制御するために、他方は吸気バルブ46を制御するために使用する。他の実施例において、上記コントローラは、2つの別個の制御ユニット又は制御モジュールを有し、各々は対応するバルブを制御するためのもので、モニタ54及び58の少なくとも一方に接続される。
【0031】
上記から、コントローラ52は、各呼気フェーズの間において話しモードに入り、該モードでは呼気バルブが、前述したように、閉じられた又は部分的に閉じられた状態に留まるようにプログラムされることが理解されよう。
【0032】
更に、上記コントローラは、呼気フェーズの間において、呼気バルブが開かれる非話しモードに入ることができるようにプログラムされる。この非話しモード(又は"第1"モード)において、吸気フェーズの終了時における患者の気道及び肺内のガスは、図3において矢印により示されるように、気管内チューブ16、開放された呼気バルブ48を介して呼気アセンブリ44により設けられた出口62から外へ流れるようになされる。非話しモードには、モニタ54及び/又は58がコントローラ52に規定された条件を示す信号を送出する場合に入る。例えば、モニタ54及び/又は58が、導管アセンブリ32内の圧力が期待された率で減少されていないことを検出した場合、これは、詰まり(例えば、ガスが声帯を通過するというより、導管アセンブリ32に強制的に戻されている)又は気道の閉塞を示すものであり得る。この場合、呼気バルブ48が開放されて、ガスが患者の肺から逃れるようにする。
【0033】
上記から、上述した換気装置10は、図2に示すように話しモード(又は"第2"モード)においては患者の話す能力を促進する一方、図3のコントローラ52の動作のみにより非話しモードも提供する(図3参照)。余り役立たないかも知れないが、第1(即ち"非話し")モードにおいて幾らかの話しも可能であり得ると理解されるべきである。
【0034】
ここで、図4A、4B、5A及び5B(又は、短く図4及び5)を参照すると、代替実施例が示されている。この実施例において、気管内チューブアセンブリ12は導管アセンブリ32内に通常のチェックバルブを含んでいる。この実施例は、コントローラ52が呼気フェーズの間に呼気バルブ48が相対的に閉じた位置に維持されるようなモードを選択するのを可能にするフィーチャが、通常のチェックバルブが採用された場合にも利点を確保することができることを示す。
【0035】
図4及び5の実施例において、コントローラ52は、前述した話しモードと類似した話しモードで動作する。相違点は、呼気フェーズの間における患者から呼吸器アセンブリ14へのガス流の伝達が、相対的に閉じられた呼気バルブ48においてではなく、チェックバルブ64により遮断されることにある。コントローラ52が呼気フェーズの間において図3の非話しモードにおけるように呼気バルブ48を実際に開くように動作した場合、呼気通路38内の圧力は呼気フェーズの間では単に大気圧となるので、呼気モニタ58は呼気フェーズの間においては患者の気道圧力を監視しないであろう。
【0036】
図4Bは図4Aと機能的に同様であるが、部分的に閉じられた呼気バルブを示している一方、図5Bは図5Aと機能的に同様であるが、部分的に閉じられた吸気バルブ及び呼気バルブを示していることに注意されたい。
【0037】
前述したように、コントローラ52は、呼気フェーズの間において吸気バルブ46が相対的に閉じている場合は呼気バルブ48を相対的に閉じられるように調節し、呼気通路38内の圧力は呼気フェーズを通して患者の気道内圧力と概ね等しくなる。この圧力は呼気フェーズが進むにつれて患者の気道内で低下するので、呼気モニタは呼気フェーズの間において該患者の低下する気道内圧力を監視し続けることができる。閉じた(又は部分的に閉じた)吸気バルブ46及び閉じた(又は部分的に閉じた)呼気バルブ48は、呼気フェーズの間において、連通する吸気通路36及び呼気通路38内の圧力を患者の肺内の圧力に又は該肺内圧力より僅かに高く維持し、且つ、この圧力はチェックバルブ64の動作により患者の肺内の圧力と概ね釣り合わされるので、呼気モニタ58(及び/又は吸気モニタ54)は呼気フェーズの全てにおいて患者の肺内の圧力を効果的に近似することができる。従って、呼気フェーズの間において患者の気道内圧力が減少するにつれて、連通する通路36及び38内に閉じ込められた圧力は、呼気フェーズの間において患者の気道内圧力に等しくなり続ける。このように、モニタ58は、呼気バルブが開くべきであった場合と同様に、呼気フェーズの間において大気圧ではなく患者の気道内圧力を監視する。
【0038】
図6は、図1及び2のシステムを類似電気回路図として概略図示する。
【0039】
図6において、図1及び2に示すシステムの種々の構成部品は、当業技術で既知の電気記号として示され、各記号には記述的用語又は記述的短縮用語が付されている。短縮用語は下記の通りである。Rvocal_cordsは患者の声帯抵抗を示す。Rvocal_cordsは、声帯により発生される可変抵抗(例えば、より高い音高の音は一層大きな抵抗を発生する)を示すために可変抵抗器として示されている。Rairwayは、患者の気道抵抗を示す。Rtubeは患者の回路の配管抵抗又は導管抵抗を示す。Ctubeは患者の回路の配管コンプライアンス又は導管コンプライアンスを示し、該コンプライアンスは容量、又は配管の容積を該配管内の圧力により除算したものとして測定することができる。Clungは患者の肺のコンプライアンスを示す。Pmusは、患者の筋肉により該患者の肺内に生成される圧力を示し、患者の筋肉作用(例えば、患者の横隔膜、肋間筋、胸筋等)により該患者により発生される交番圧力として示されている。
【0040】
接頭文字Qは、呼吸器により(Q_vent)又は呼気フェーズの間に患者により(Q_exhalation)供給されるガス流の量を示す。また、接頭文字Qは、(1)導管又は配管系に(Q_tube)、(2)患者に(Q_patient)、患者の肺に(Q_lung)、及び患者の声帯に(Q_cords)供給されるガス流の量も示す。
【0041】
図6に示されるように、呼吸サイクルの吸気フェーズの間においてガス流は呼吸器により供給される(Q_vent)。このフェーズの間においては呼気バルブは閉じているので(即ち、スイッチは開)、ガスは患者(Q_patient)及び配管系(Q_tube)に供給される。該吸気フェーズの間において、患者の声門は閉じているので(図6におけるQ_cordsの隣の開いたスイッチにより示されている)、声帯を介しての流れ(Q_cords)は典型的には零であり、ガス(Q_lung)は患者の肺に供給される。しかしながら、幾つかの事例においては、吸気フェーズの間において、呼吸器により供給されているガスは患者により発話のために使用することができるので、声帯を介するガスは零ではないと理解されるべきである。
【0042】
図6において"呼気バルブ"と称される開いたスイッチは、呼気バルブが吸気フェーズ及び呼気フェーズの両方に対して完全に閉じられるような構成を示していると理解されるべきである。このスイッチは、呼気バルブが呼気及び/又は吸気フェーズの間に部分的に又は相対的に閉じられ得るような構成を反映するために可変抵抗により置換することができる。
【0043】
一般的に、呼吸サイクルの呼気フェーズは、話しが促進されるような時である。話すことは、肺内の圧力を胸筋反動力及び横隔膜筋作用により増加させることにより達成される。発話の間において、Q_lungの方向は反転され、声帯を介して患者から離れる。声帯の変調(即ち、声帯抵抗の変化)は、最終的に発話となる声帯の振動による。
【0044】
呼気フェーズの間において、呼吸器の呼気バルブは閉じた(又は部分的に閉じた)ままであり、このようにして、発話の間にガス流の大部分は声帯に向けられる。呼気の間において、少量のガスは配管系コンプライアンスに向かって流れ得る。患者の肺のコンプライアンス(Clung)と比較して小さな該コンプライアンス(典型的には、2ml/cmH2O未満である)は、患者により吐き出されるガス体積のうちの数ミリリットルを使用する。
【0045】
発話バルブ(チェックバルブ)無しの上述した実施例は、これらに限定されるものではないが、下記のものを含む幾つかの利点を有する:
1)膨張した気管切開チューブカフの検出を可能にする。これは、呼吸器圧力センサが配管系内の圧力を監視することができ、この圧力が患者の気道及び肺内の圧力を反映するものであるので、可能となる。
2)呼気の間における患者の気道内圧の評価を可能にするので、呼吸のスタッキング(stacking of breaths)が防止される。これは、発話バルブを使用する実施例では実用的ではない。何故なら、該バルブが呼吸器の圧力トランスジューサとの空気的連通を阻止するからである。
3)バルブが使用されないので、一方向バルブの膜からの干渉無しで患者の強い咳を許容する。
4)発話バルブを外す必要性無しに、エアゾール治療を可能にする。
5)発話バルブを外す必要性無しに、吸引を可能にする。
6)発話バルブが必要とされないので、斯かるバルブのディスク/膜が痰により詰まるのを防止するために該発話バルブを取り出す必要性を回避する。
【0046】
発話バルブが存在する実施例では、配管回路内に捕捉されたガスは該発話バルブを介してのみ逃れることができることに注意されたい。発話バルブを介するガス流は、該バルブの間に圧力差が存在する場合にのみ可能とする。このようにして、配管系圧力の監視を介しての患者の気道及び肺内の圧力の監視は、導管アセンブリ32内の圧力が当該患者の肺内の圧力より大きいか該圧力に等しい限り可能であり、これが本発明の動作態様である。
【0047】
発明者は、上述したような発話モードの間に、当該換気システムがユーザにとり安全なままとなる態様で動作することを保証することが望ましいことを認識している。例えば、発話モードの間において気管切開チューブカフが収縮されないか又は気管切開チューブの周囲の気道が閉塞状態になった場合に、ガスは患者の肺を離れることができない。また、患者回路チューブの切断(外れ)は、当該呼吸器の患者を換気する効果的な動作を妨害し得る。このように、本発明は、患者の肺内の圧力が所与の閾を超えるのを防止すると共に窒息を防止するために閉塞を検出すると共に、呼吸器アセンブリ又は気管内チューブアセンブリの構成部品の外れ又は緩みを検出しようとするものである。
【0048】
呼吸器アセンブリ又は気管内チューブアセンブリの構成部品の外れ又は緩みを検出することは、患者における又は患者の近くの呼吸器回路の圧力(Py)を監視することにより達成される。上記圧力の監視は、Y字状(Y)コネクタ上等の、患者に又は患者の近くに圧力センサを設けることにより達成することができるか、又は、斯かる圧力の監視は吸気及び/又は呼気通路内の圧力を監視することにより達成することができることに注意されたい。他の実施例において、患者における又は患者の近くの圧力は、当該呼吸器アセンブリ内で圧力を測定すると共に、例えば吸気通路における圧力降下を考慮することにより(吸気肢内の圧力を監視する場合)又は呼気通路における圧力降下を考慮することにより(呼気肢内の圧力を監視する場合)配管及び/又は気管内チューブアセンブリにおける圧力降下を考慮する従来の技術を用いることによって近似される。
【0049】
発話モードで動作している間は、換気の全フェーズの間において、即ち吸気及び呼気の両方の間において呼気バルブは閉じたままとなる。配管回路に切断又は漏れがない場合、配管回路及び患者の気道における圧力は、患者の口及び/又は鼻を介して吐き出されるガスのレベルの関数として減衰する。本発明者は、患者回路の切断及び/又は患者回路における著しい漏れが存在する場合、当該呼吸器からのガス供給レベルが或る閾(即ち、2lpm)より低下されると、配管回路分岐における圧力は零に近い値まで急速に減衰することを認識した。更に詳細には、この急速な圧力減衰は呼吸の呼気フェーズ開始から最初の100ミリ秒内に発生し、該呼気フェーズの残部では、このレベルに留まる。本発明は、この特性を、回路の切断又は漏れ("回路の切断"と総称する)を検出/告知するために利用する。
【0050】
本発明は、圧力が呼気モニタ58を使用して監視され、回路の切断又は漏れ検出アルゴリズムがコントローラ52により実施されることを想定する。呼吸器から供給されるガスの全流量は、呼吸器アセンブリ14内の吸気回路と直列に配置されるフローセンサ等の、吸気ガスの流れに関連するフローセンサにより監視される。他の実施例において、全流量(Qtot)は、所与の期間にわたる、第1フローセンサにより監視される空気の流れ(Qair)及び第2のフローセンサにより監視される酸素等の補足ガス(Qo2)の両方に基づくものである。即ち、Qtot=Qair+Qo2であり、50ms等のある期間にわたり取り込まれた、これら流れの移動平均である。また、Qtotは如何なる所与の評価基準に対しても補償することができる。例えば、斯かる流れを体温圧力飽和(BTPS)流れに対して補償することが知られている。
【0051】
本発明の一実施例において、当該システムは患者が何時呼気フェーズにある場合かを検出又は決定する。呼気フェーズの開始から経過した時間(Texh)が100msec等の所定の値より大きく、且つ、全流量Qtotが2.0lpm等の所定の量より少なくなると(少なくとも一度)、当該システムは、回路の切断又は著しい漏れが存在するかを検出するためにPyを監視する。この実施例においては、ピーク圧力Ppeakが監視される。この実施例において、呼気の間に測定される50msの移動ウインドウにわたりとられる平均圧力のピーク値であるピーク圧力Ppeakが監視される。ここでも、圧力に関するピーク値の識別は、100msの呼気が経過し、且つ、Qtot<2lmsである場合に開始する。
【0052】
該実施例において、最小圧力Pminも監視される。最小圧力Pminは、呼気の間に50msecの移動ウインドウにわたり測定された平均圧力に対する最小値に対応する。この最小値の識別は、100msの呼気が経過し、且つ、少なくとも一度Qtot<2lmsとなる場合に開始する。
【0053】
本発明の一実施例において、回路の切断は下記の条件が存在すると告知される:
1)Ppeak−Pmin<Pthreshold1、
2)Ppeak<Pthreshold2、
3)患者が呼吸器をトリガしておらず、且つ、
4a)呼気の終了時の圧力(Pend_exh)≦1cmH2O、又は
4b)Pend_exh≦呼気の開始時の圧力(Pstart_exh)−デルタ圧。
デルタ圧は1cmH2O又はPstart_exhの50%のうちの高い方である。患者が呼吸器をトリガした時を決定するために使用するための多数の技術が存在する。例えば、米国特許第6,626,175号(参照により本明細書に組み込まれる)は、そのような幾つかの技術を教示している。患者が何時呼気から吸気へと移行したかを決定するために使用されるトリガ評価基準が満たされた場合、該患者は呼吸器をトリガしたと見なされる。呼吸器のトリガは自動的に、即ち患者の吸気努力無しで内部タイミングメカニズムによっても発生し得ることに注意されたい。
【0054】
上述した回路切断評価基準は、本当の切断が発生したかを保証するために設けられる。本発明の他の実施例は、これら評価基準の全てが満たされることは要しないと理解されたい。逆に、回路切断の決定が何の程度強引であるべきか又は信頼性があるべきかに依存して、更に他の条件が必要とされ得る。
【0055】
配管回路内に圧力の安定性を生じさせ、かくして、患者配管の切断の検出を可能にするために、本発明は、空気及び酸素フローバルブ、即ち吸気バルブを、さもなければガス供給バルブの急激な閉鎖により発生され得るような当該配管系における圧力振動を最少化するような態様で閉じるよう制御することを目論む。例えば、これらのバルブ又は1つのバルブは、これらが"緩やかに"閉じるように指数関数軌跡を用いて閉じることができる。
【0056】
本発明の一実施例において、Pthreshold1は1.0cmH2Oに設定される一方、Pthreshold2は3.0cmH2Oに設定される。また、これら圧力閾に対するバルブは、これら固有の値に対応する必要はないことに注意されたい。現在の閾値は、フロー/圧力センサのドリフトが誤った回路切断判定を生じないように選択されている。
【0057】
本発明は、更に、回路切断に対する評価基準が全呼気フェーズを通して試験されることを目論んでいる。加えて、本発明は、回路切断が、高吸気圧(HIP)状況が発生した場合、又は呼吸の間に後述する閉塞が宣告された場合は宣告されないことも想定する。
【0058】
回路切断が検出された場合、種々の動作をとることができる。例えば、当該呼吸器は回路切断警報を響かせるようにプログラムすることができる。また、該呼吸器は、呼吸の呼気フェーズの間に呼気バルブが閉じられるようにして、スケジュールされた時間で換気呼吸を供給し続けるようプログラムすることもできる(モード及び呼吸タイプに基づいて)。回路切断に対する条件は、前述したように、各呼吸に対して試験することができる。後の呼吸において該試験が偽となった場合、即ち回路切断が検出されない場合、回路切断警報は中断又はリセットすることができる。勿論、該回路切断の記録は維持することができる。
【0059】
本発明は、患者の気道の閉塞を検出するための幾つかの技術を考えている。前述したように、発話モードの間における斯様な閉塞は、部分的であるか完全であるかに拘わらず、発話モードを実施する能力及び患者を換気する能力に悪影響を与え得ると共に、患者を過度の肺圧力に曝すことになり得る。
【0060】
第1実施例において、気道閉塞は、高呼気圧状況が所定の期間にわたり連続して検出される場合に宣告される。例えば、高呼気圧が連続して190msecにわたり存在すると、閉塞が存在すると見なされる。この実施例において、高呼気圧は、呼気圧センサにより測定された、高吸気圧(HIP)限界(典型的には、介護者により設定される)より高い圧力の検出として定義される。
【0061】
一実施例において、高呼気圧状況が190msecにわたり連続して検出された場合、呼気バルブは即座に開放される。該呼気バルブは次の吸気の開始時に再び閉じられ、換気は、閉塞状況がユーザにより手動でリセットされるまで、呼気バルブが吸気の間は閉じる一方、呼気フェーズの間は開くようにして復旧する。上記状況が一旦リセットされると、呼気バルブの動作は吸気及び呼気フェーズの両方において閉じられた状態に戻り、次の呼吸の吸気の開始時において開始する。
【0062】
上述した190msecなる期間はアプリケーション標準(即ち、60601−2−12 IEC:2001(E);調整可能な圧力限界及び高圧警報条件なる各題名の項50.105及び50.106を参照されたい)に基づくものであることに注意されたい。他の期間及び高呼気圧レベルも、本発明により想定され、患者の必要性又は介護者の判断に基づいて設定又は決定することができる。また、本発明は、上記期間及び高呼気圧を、例えば呼吸器の設定、患者の状況又は何らかの他の入力に基づいて調整可能とすることも想定している。
【0063】
第2実施例において、気道閉塞は、Y字状分岐における圧力と或る閉塞閾基準との比較に基づいて宣言される。即ち、発話モードにおいては、強制呼吸(即ち体積制御換気(VCV)又は圧力制御換気(PCV))の呼気フェーズの間においてY字状分岐における圧力が閉塞閾評価基準と比較される。この比較は、減少した流れ状況に到達てから100ms後(即ち、Texh>100ms及び呼気フェーズの間に少なくとも1回のQtot<2lpmが満たされる)に開始し、該呼気フェーズの終了まで継続する。
【0064】
この実施例において、気道閉塞は、呼気フェーズの間において100msecより長く連続してPexh_50<Pocclとなる場合は宣言されない。Pexh_50は圧力測定値の50ミリ秒移動平均に対応し、cmH2Oで表される。これもcmH2Oで表される閉塞閾評価基準(Poccl)は、下記のように5msec毎に(即ち、当該処理の制御サイクル(n)毎に)計算される:
【0065】
Poccl = Po * exp (-n * 3* 0.005 / RT ) - 0.5, (1)
ここで、
Po=Qtotが最初に2lpmより低下してから100msec後のPexh_50であり、
RT=Tauocclであり、ここでTauoccl=0.06*CL*Roccl(秒で示す)であり、
CL=Vt/Po=患者の肺のコンプライアンス(ml/cmH2O)であり、
Vt=吸気フェーズの間に呼吸器により供給される体積(mlで示す)であり、
Roccl=Po/Qoccl=等価閉塞抵抗(cmH2O/L/minで示す)であり、
Qoccl=気道閉塞の間に患者の気道を離れると予測される最大フローレベルであり、該Qocclはlpmで表されると共に下記のように計算される:
Qoccl = 1E-05*Po^3 - 0.0019* Po^2 + 0.1581 * Po + 0.2424. (2)
【0066】
気道閉塞警告は、呼気の殆どに対してPexh_50≧Pocclであり、且つ、この条件が2つの連続する呼吸に対して満足されるなら宣告される。呼気の殆どに対してPexh_50≧Pocclなら、第2の吸気が開始され、この吸気の間に配管系において測定される圧力が、HIP限界から1cmH2Oを引いた値(HIP−1)より大きい又は該値に等しいレベルに到達した場合、ガス供給システムはガス供給動作を中断するが、呼気バルブは次の呼気の期間にわたり閉じたままとなる。第2の後続する呼気において、該呼気の殆どに対してPexh_50≧Poccl条件が有効なら、気道閉塞が続く吸気の開始時点で宣告される。その場合、呼気バルブは開かれ、新たな呼気フェーズが宣言される。この付加的呼気フェーズの終了時に、呼気バルブは次の吸気の開始時に再び閉じられ、換気は、該閉塞状況がユーザにより手動でリセットされるまで、呼気バルブが吸気の間は閉じ、呼気フェーズの間は開くようにして復旧する。上記状況が一旦リセットされると、呼気バルブは吸気フェーズ及び呼気フェーズの両方で閉じられ、次の呼吸の吸気の開始時において開始する。
【0067】
図7A及び7Bは、この実施例の閉塞検出技術を示すグラフである。波形100は、上述のようにして決定された閉塞閾評価基準Pocclを表している。波形102は、患者の呼吸状態を示す状態信号である。ハイの値は吸気状態を対応し、ローの値は呼気状態に対応する。波形104はPexh_50に対応する。呼気の開始は108で示される。Pocclは減衰する指数関数であり、呼気が開始してから約100ms後に開始することが分かる。
【0068】
図7Aは気道閉塞がない状況を示す一方、図7Bは気道が閉塞されている状況を示している。図7Bにおいて、104で示すPexh_50は呼気の期間の殆どの間でPocclより上に留まる(より大きいままである)ことが分かる。図7Aでは、反対のことが起きている。
【0069】
第3実施例において、気道の閉塞は、患者の気道が塞がれている間に該患者を離れると予測される最大のフローに基づいて宣言される。何れかの呼吸の(即ち、当該呼吸器がVCV、PCV、PSV又はCPAP治療を提供している間の)呼気フェーズの間において、且つ、発話モードの間において、Y字状分岐における圧力が、患者の気道が塞がれている間に該患者を離れると予測される最大フローを推定するために使用される。この実施例において、臨界的体積は、患者の気道が塞がれている間に該患者を離れると予測される最大フローの積分により形成される体積として定義される。該臨界的体積は下記のように計算される:
【数1】

ここで、
Qoccl (n) = 1E-05 * |Pexh(n)|^3 - 0.0019* |Pexh(n)|^2 + 0.1581 * |Pexh(n)| + 0.2424であり、Qoccl (n)はlpmで与えられ、
n=制御サイクル番号であり、
m=呼気制御サイクルの数であり、
Pexh(n)が負なら、Qoccl(n)=−Qoccl(n)である。
【0070】
気道の閉塞を検出するために、推定されたフローは積分され、次の吸気において患者の配管系に供給される体積と比較される。次の吸気で患者の配管系に供給される体積(Vdel_next_breath)が、2つの連続する呼吸の各々において少ない場合、気道の閉塞が宣言される。Vdel_next_breathは下記のように定義され:
【数2】

ここで、
Qtot(k)=Qair(k)+QO2(k)=k番目の制御期間の間に呼吸器により供給されるフローであり、
Qoccl(k)は先に定義されたものであり、
k=制御サイクル番号であり、
j=吸気制御サイクルの数である。
【0071】
先に説明したように、気道閉塞が検出された場合、呼気バルブは次の吸気が開始されるまで開かれる。換気は、当該閉塞状態がユーザにより手動でリセットされるまで、吸気の間には閉じ、呼気フェーズの間は開くような呼気バルブにより復旧する。上記状態がリセットされると、次の呼吸の吸気の始めで開始して、呼気バルブの動作は、吸気フェーズ及び呼気フェーズの両方で閉じられるように戻る。この閉塞検出技術は、圧力Pyに著しい変動があり、他の閉塞検出技術を実施するのを困難にさせるような状況において特に有効である。
【0072】
気道閉塞を検出するための第4実施例は、当該呼吸器がCPAPモードで動作している場合に、即ち該呼吸器が強制呼吸を提供していない場合に使用される。CPAPモードの間であって、且つ、発話モードが実施されている間の呼気フェーズの間においては、呼気バルブは、呼吸の開始から経過した時間が無呼吸期間から吸気時間を引くと共に2秒を引いたもの又は呼気時間の8秒のうちの小さい方に等しい時に開かれる。
【0073】
次いで、吐き出された体積が、呼気フロー(呼気フローセンサにより測定される)を積分することにより計算される。吐き出された体積(Exhaled_Volume)と、臨界体積が相殺された前の吸気フェーズの間に呼吸器により供給された体積(Inhaled_Volume−Critical_Volume)との比較が、次の吸気フェーズの始めに実行される。Exhaled_Volume>0.5*(Inhaled_Volume−Critical_Volume)なら、気道閉塞が宣言される。
【0074】
ここで、
【数3】

【数4】

であり、これら式において、
Ctube=患者配管回路のコンプライアンスであり、ml/cmH2Oにより与えられ、
Pexh(j)=前の吸気フェーズの最後の制御期間サイクルにおいて呼気圧センサにより得られる配管回路圧測定値であり、
Pexh(m)=現在の呼気フェーズの最後の制御期間サイクルにおいて呼気圧センサにより得られる配管回路圧測定値である。
【0075】
以上、本発明を現在最も実用的で好ましい実施例であると考えられるものに基づいて解説目的で詳細に説明したが、斯かる詳細は単に上記目的のためであって、本発明は開示された実施例に限定されるものではなく、反対に、添付請求項の趣旨及び範囲に入る変形及び等価構成もカバーすることを意図するものであると理解されるべきである。例えば、本発明は、可能な程度まで、何れかの実施例の1以上のフィーチャを何れかの他の実施例の1以上のフィーチャと組み合わせることができることを想定している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに連通する吸気通路及び呼気通路と、繰り返し呼吸サイクルを実行することができる呼吸アセンブリとを有し、各呼吸サイクルが、前記吸気通路と連通する吸気バルブが相対的に開かれてガスを該吸気バルブを介して前記吸気通路及び患者へと通過させる一方、前記呼気通路と前記呼吸アセンブリの呼気出口との間の呼気バルブが相対的に閉じられる吸気フェーズと、前記吸気バルブが相対的に閉じられる呼気フェーズとを含むような呼吸器アセンブリを動作させる方法であって、
前記呼吸アセンブリを繰り返し動作させて、前記吸気フェーズの間に前記吸気通路内のガスを気管内チューブを介して患者の声帯より下の気道及び肺へ流す一方、前記呼気フェーズの間に前記呼気バルブが相対的に閉じた状態に維持されると共に患者が気道及び肺内のガスを声帯を通過して口から外へ吐き出すのを可能にされ、これにより該患者の話す能力を促進するステップと、
前記呼気フェーズの間に前記通路の少なくとも一方内の圧力を監視するステップと、
回路の切断又は閉塞が存在するかを、前記圧力の監視に基づいて決定するステップと、
を有する呼吸器アセンブリを動作させる方法。
【請求項2】
前記気管内チューブがチェックバルブを有さず、各呼吸フェーズの間において患者により吐き出されるガスが、前記吸気バルブ及び前記呼気バルブの両方が閉じている間に前記通路に通じる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記気管内チューブがチェックバルブを有し、各呼吸フェーズの間において患者により吐き出されるガスが、前記通路に通じるのを防止される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
回路の切断が存在するかを決定する前記ステップが、
前記呼気フェーズの間のピーク圧力を決定するステップと、
前記ピクセル圧力を第1閾と比較するステップと、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
回路の切断が存在するかを決定する前記ステップが、
前記呼気フェーズの間の最小圧力を決定するステップと、
デルタ圧力を前記最小圧力と前記ピーク圧力との間の差として決定するステップと、
前記デルタ圧力を第2閾と比較するステップと、
を更に有する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
閉塞が存在するかを決定する前記ステップが、
前記圧力を閾と比較するステップと、
前記圧力が前記閾を超える時間を監視するステップと、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
閉塞が存在するかを決定する前記ステップが、
前記圧力に基づいた時間変化関数である閉塞評価基準を決定するステップと、
前記圧力を前記閉塞評価基準と比較するステップと、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
閉塞が存在するかを決定する前記ステップが、
塞がりが存在する場合に患者を離れることが予測されるガスの臨界体積を決定するステップと、
前記呼吸器アセンブリから供給されるガスの体積を前記臨界体積と比較するステップと、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
閉塞が存在するかを決定する前記ステップが、
前記呼吸器アセンブリにより供給される呼気体積を決定するステップと、
前記呼吸器アセンブリにより供給される吸気体積を決定するステップと、
前記呼気体積を前記吸気体積又は該吸気体積に基づいて決定される体積と比較するステップと、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記呼気フェーズの間において、前記吸気バルブ又は前記呼気バルブが、導管内の圧力を調整して前記患者の話す能力を促進するように制御される請求項1に記載の方法。
【請求項11】
導管内の圧力が前記バルブの少なくとも一方の開閉を制御することにより調整され、これにより前記導管内に所望の圧力を形成して、前記患者の話す能力を促進する請求項1に記載の方法。
【請求項12】
患者呼吸器アセンブリにおいて、
互いに連通する吸気通路及び呼気通路を含み、気管内チューブの外側開放端に接続される導管と、
前記吸気通路及び前記呼気通路の各々における吸気バルブ及び呼気バルブと、
呼気フェーズの間に前記通路の少なくとも一方における圧力を監視する圧力センサと、
前記吸気バルブ及び前記呼気バルブを制御して繰り返し呼吸サイクルを生成し、各呼吸サイクルが吸気フェーズ及び呼気フェーズを含み、前記吸気フェーズの間に前記吸気バルブが相対的に開かれる一方、前記呼気バルブが相対的に閉じられて、ガスの流れが前記吸気通路及び前記チューブを介して患者の気道及び肺へと通過するのを可能にするコントローラであって、該コントローラは前記呼気バルブを、
(1)前記呼気フェーズの間に前記呼気バルブが相対的に開かれて、前の吸気フェーズの後の前記患者の気道及び肺内のガスが前記相対的に開かれた呼気バルブ及び前記呼吸器アセンブリの出口を介して通過されるのを可能にする第1モード、及び
(2)前記呼気バルブが相対的に閉じられた状態に維持されて、前記患者が前の吸気フェーズの後の気道及び肺内のガスを声帯を通過して口から外へ流れさせ、これにより該患者の話す能力を促進する第2モード、
を含む2つの呼気フェーズモードで使用すべく制御するコントローラと、
を有し、
前記コントローラが回路の切断又は閉塞が存在するかを前記監視される圧力に基づいて決定する患者呼吸器アセンブリ。
【請求項13】
前記コントローラが、前記呼気バルブを制御する呼気コントローラモジュール及び前記吸気バルブを制御する吸気コントローラモジュールを有している請求項12に記載の患者呼吸器アセンブリ。
【請求項14】
前記コントローラが、前記吸気バルブを制御する第1アルゴリズムと、前記呼気バルブを制御する第2アルゴリズムと、前記回路の切断又は前記閉塞が存在するかを決定する第3アルゴリズムとを有する請求項12に記載の患者呼吸器アセンブリ。
【請求項15】
前記呼気バルブが前記コントローラにより前記吸気フェーズの間に十分に閉じられるように制御され、前記導管内に所望の圧力が生じるのを可能にする請求項12に記載の患者呼吸器アセンブリ。
【請求項16】
前記導管内に所望の圧力を維持するために、前記呼気バルブが前記コントローラにより前記呼気フェーズの間に十分に閉じられるように制御される請求項12に記載の患者呼吸器アセンブリ。
【請求項17】
前記気管内チューブがチェックバルブを有さず、前記呼気バルブが前記第1モードにある間における前記通路と前記患者の気道及び肺との間の連通が、前記外側チューブ端を介しての両方向のものである請求項12に記載の患者呼吸器アセンブリ。
【請求項18】
前記コントローラが、回路の切断が存在するかを、前記呼気フェーズの間のピーク圧力を決定すると共に該ピーク圧力を第1閾と比較することにより決定する請求項12に記載の患者呼吸器アセンブリ。
【請求項19】
前記コントローラが、回路の切断が存在するかを、
前記呼気フェーズの間の最小圧力を決定し、
デルタ圧力を、前記最小圧力と前記ピーク圧力との間の差として決定し、
前記デルタ圧力を第2閾と比較する、
ことにより決定する請求項18に記載の患者呼吸器アセンブリ。
【請求項20】
前記コントローラが閉塞が存在するかを、前記圧力を閾と比較すると共に、前記圧力が前記閾を超える時間を監視することにより決定する請求項12に記載の患者呼吸器アセンブリ。
【請求項21】
前記コントローラが閉塞が存在するかを、前記圧力に基づいた時間変化関数である閉塞評価基準を決定すると共に、前記圧力を前記閉塞評価基準と比較することにより決定する請求項12に記載の患者呼吸器アセンブリ。
【請求項22】
前記コントローラが閉塞が存在するかを、塞がりが存在する場合に患者を離れることが予測されるガスの臨界体積を決定すると共に、前記呼吸器アセンブリから供給されるガスの体積を前記臨界体積と比較することにより決定する請求項12に記載の患者呼吸器アセンブリ。
【請求項23】
前記コントローラが閉塞が存在するかを、前記呼吸器アセンブリにより供給される呼気体積を決定し、前記呼吸器アセンブリにより供給される吸気体積を決定し、前記呼気体積を前記吸気体積又は該吸気体積に基づいて決定される体積と比較することにより決定する請求項12に記載の患者呼吸器アセンブリ。
【請求項24】
患者換気装置において、
外側開放端が患者の外部にあり且つ内側開放端が該患者の気道及び肺と連通するようにして該患者の声帯より下の気管内に装着されるよう構成及び配置される気管内チューブと、
前記チューブの前記外側開放端に接続されると共に、互いに連通する吸気通路及び呼気通路を形成する導管と、
各々が(a)前記吸気通路内の吸気バルブが相対的に開かれる一方、前記呼気通路内の呼気バルブが相対的に閉じられて、ガスの流れが前記吸気通路及び前記気管内チューブを介して前記患者の気道及び肺へと通過するのを可能にする吸気フェーズと、(b)前記吸気バルブが相対的に閉じられる一方、前記呼気バルブが相対的に閉じられた状態に維持される呼気フェーズとを含む繰り返し呼吸サイクルを行うように構成及び配置された呼吸アセンブリと、
前記気管内チューブに結合され、前記患者が各吸気フェーズの終わりに前記気道及び肺内のガスを声帯を介して口から外へと通過させるのを可能にし、これにより該患者の話す能力を促進するチェックバルブであって、前記吸気バルブ及び前記呼気バルブの両方が相対的に閉じている場合に前記吸気フェーズの終了時における前記患者の肺内の圧力を捕捉して、各吸気フェーズの終了時における前記通路内の圧力が前記呼吸フェーズの間において前記患者の気道及び肺内の圧力と実質的に等しくなるようにするチェックバルブと、
呼気フェーズの間に前記吸気通路及び呼気通路の少なくとも一方における圧力を監視する圧力モニタと、
前記吸気バルブ及び呼気バルブの動作を制御すると共に、回路の切断又は閉塞が存在するかを前記監視される圧力に基づいて決定するコントローラと、
を有する患者換気装置。
【請求項25】
前記吸気フェーズの間に前記ガスの流れが前記呼気バルブを通過するのを可能にする請求項24に記載の患者換気装置。
【請求項26】
前記コントローラが、回路の切断が存在するかを、前記呼気フェーズの間のピーク圧力を決定すると共に該ピーク圧力を第1閾と比較することにより決定する請求項24に記載の患者換気装置。
【請求項27】
前記コントローラが、回路の切断が存在するかを、
前記呼気フェーズの間の最小圧力を決定し、
デルタ圧力を、前記最小圧力と前記ピーク圧力との間の差として決定し、
前記デルタ圧力を第2閾と比較する、
ことにより決定する請求項26に記載の患者換気装置。
【請求項28】
前記コントローラが閉塞が存在するかを、前記圧力を閾と比較すると共に、前記圧力が前記閾を超える時間を監視することにより決定する請求項24に記載の患者換気装置。
【請求項29】
前記コントローラが閉塞が存在するかを、前記圧力に基づいた時間変化関数である閉塞評価基準を決定すると共に、前記圧力を前記閉塞評価基準と比較することにより決定する請求項24に記載の患者換気装置。
【請求項30】
前記コントローラが閉塞が存在するかを、塞がりが存在する場合に患者を離れることが予測されるガスの臨界体積を決定すると共に、前記呼吸アセンブリから供給されるガスの体積を前記臨界体積と比較することにより決定する請求項24に記載の患者換気装置。
【請求項31】
前記コントローラが閉塞が存在するかを、前記呼吸アセンブリにより供給される呼気体積を決定し、前記呼吸アセンブリにより供給される吸気体積を決定し、前記呼気体積を前記吸気体積又は該吸気体積に基づいて決定される体積と比較することにより決定する請求項24に記載の患者換気装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公表番号】特表2010−502401(P2010−502401A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527588(P2009−527588)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【国際出願番号】PCT/US2007/077902
【国際公開番号】WO2008/033730
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(505338497)アールアイシー・インベストメンツ・エルエルシー (81)