説明

発電装置及び潤滑油回収方法

【課題】潤滑油系統から分離して作動媒体系の作動媒体中に混入した潤滑油を分離回収し潤滑油系に戻す潤滑油回収手段を備えた発電装置、及び潤滑油回収方法を提供すること。
【解決手段】蒸気発生器11で発生した作動媒体蒸気を、タービン13に導き発電機12を駆動し、凝縮器15にて凝縮した作動媒体液を送液ポンプ16にて蒸気発生器11に送り込み、潤滑油供給ポンプ20により発電機12の軸受18、19に潤滑油を送り込むように構成した発電装置において、気液分離器34を流量制御手段(オリフィス29)を介して潤滑油循環経路24を接続し、蒸気発生器11からの作動媒体の高圧蒸気102を気液分離器34に導き、作動媒体液の液面付近の潤滑油と作動媒体の混合体を潤滑油循環経路24に戻す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比較的低温の排熱等を回収して、この熱エネルギーを電力に変換する発電装置に係り、特にタービン発電機の軸受の潤滑に用いる潤滑油が作動媒体循環経路の作動媒体に混入した場合に潤滑油を作動媒体から分離し、潤滑油循環経路に回収することができるようにした発電装置、及び潤滑油回収方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
200℃〜400℃程度の排ガス或いは60℃〜100℃の排温水等比較的低温の排熱を発電電力として有効に回収することが試みられている。このような低温度の排熱の回収は、ランキンサイクル等を利用したクローズドシステムの発電装置として実現可能であり、装置のコンパクト化のために、作動媒体として水ではなく、低沸点の作動媒体が用いられている。
【0003】
上述したクローズドシステムの発電装置におけるタービン発電機の軸受の潤滑は、通常潤滑油を用いて行われている。この潤滑油が循環する潤滑油系統は、通常、熱サイクルを構成する作動媒体系統とは、ラビリングシール等により分離されているが、隙間無く遮断することは不可能で、条件によっては作動媒体系に潤滑油が漏れ出すことも、潤滑油系統に作動媒体が入り込むこともある。特にタービン発電機の起動時或いは停止時に、潤滑油と作動媒体の温度、圧力の違いにより、潤滑油と作動媒体の混合が生じ易い。そのまま放置すると、潤滑油系統すら潤滑油成分がなくなり、作動媒体が主体になり,粘性が低下し、軸受の潤滑に支障をきたす場合もある。これを防止するため、潤滑油に混入した作動媒体をタンク内に貯留し、潤滑油と作動媒体の比重差により分離し、潤滑油を潤滑油系統に、作動媒体を作動媒体系にそれぞれ戻す試みもなされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記潤滑油と作動媒体の比重差により分離する方法は、潤滑油中の作動媒体を排出するためには、一定の効果はあるものの、条件によっては潤滑油と作動媒体の分離が不十分となり、分離した作動媒体中に潤滑油が混入したり、逆に作動媒体系統に潤滑油が混入する場合もある。作動媒体中に潤滑油が混入すると、作動媒体の伝熱特性が悪化したり、沸点上昇により蒸気圧力が低下したりするため、性能の悪化を招く。また、潤滑油が減少することで、潤滑系統の循環不良を招くこともある。
【0005】
また、潤滑系統の圧力と、凝縮器内圧との差が小さい場合、分離作動媒体を戻すために潤滑油タンクの高さを高くし液ヘッドを高く取るか、ポンプ等の補助動力を用いる等の手段が必要となる。また、分離作動媒体に混入した潤滑油以外にも、装置内には作動媒体に潤滑油が混入する可能性のある個所があり、潤滑油を回収する手段が望まれている。
【0006】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、潤滑油系統から分離して作動媒体系統の作動媒体中に混入した潤滑油を分離回収し潤滑油系に戻す潤滑油回収手段を備えた発電装置、及び潤滑油回収方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、蒸気発生器、凝縮器、膨張機、これらを作動媒体が循環する作動媒体循環経路と、及び前記膨張機により駆動される発電機を具備し、前記蒸気発生器にて外部熱源からの熱で発生した作動媒体蒸気を、前記膨張機に導き前記発電機を駆動し、該膨張機からの作動媒体蒸気を前記凝縮器に導き外部からの冷却媒体にて凝縮させ、該凝縮した作動媒体液を作動媒体循環ポンプにて前記蒸気発生器に送り込むように構成し、潤滑油循環経路と、該潤滑油循環経路に設けた潤滑油供給ポンプを具備し、該潤滑油供給ポンプにより前記膨張機及び/又は前記発電機のロータ軸を支持する軸受に潤滑油を送り込むように構成した発電装置において、作動媒体蒸気と作動媒体液を分離する気液分離器を設け、該気液分離器を流量制御手段を介して前記潤滑油循環経路とを接続し、前記蒸気発生器からの作動媒体蒸気を前記気液分離器に導き、該気液分離器で分離された作動媒体液の液面付近の作動媒体が混入する潤滑油を前記流量制御手段を介して前記潤滑油循環経路に戻すと共に、該分離された作動媒体液を作動媒体循環経路に戻すように構成したことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発電装置において、潤滑油と作動媒体液を比重差により分離する油液分離器を前記気液分離器と前記流量制御手段の間に設け、前記気液分離器で分離された作動媒体液の液面付近の作動媒体が混入する潤滑油を前記油液分離器に導き、該油液分離器で分離された潤滑油を前記流量制御手段を介して前記潤滑油循環経路に戻すと共に、分離された作動媒体液を前記作動媒体循環経路に戻すように構成したことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発電装置において、前記油液分離器は、比重差により潤滑油と作動媒体液を分離する油液分離胴と、前記気液分離器内の分離された作動媒体液の液面付近の作動媒体が混入する潤滑油を前記油液分離胴に導くための配管を具備していることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発電装置において、前記油液分離器は、前記気液分離器の内底部に油液分離堰で囲まれた油液分離空間を具備し、該油液分離空間に前記油液分離堰に設けた作動媒体排出口を通して前記気液分離器の分離された作動媒体液を導くと共に、該気液分離器で分離された作動媒体液の液面付近の作動媒体が混入する潤滑油を前記油液分離堰を越して該油液分離空間に導き、該油液分離空間で比重差により分離された潤滑油を前記潤滑油循環経路に戻すと共に、分離された作動媒体液を作動媒体循環経路に戻すように構成したことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発電装置において、前記蒸気発生器で発生する作動媒体蒸気は概ね過熱蒸気となるように設計されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発電装置において、前記作動媒体循環経路から前記蒸気発生器に供給される作動媒体量を制限する作動媒体循環量制御手段を設けると共に、潤滑油を回収しようとする時には、前記蒸気発生器に供給される作動媒体の量を制限し、該蒸気発生器から排出される作動媒体蒸気を過熱蒸気とすることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の発電装置において、前記蒸気発生器の出口に作動媒体蒸気の過熱度を検出する過熱度検出手段を設け、過熱度が低下した場合には前記蒸気発生器への作動媒体の送り量を減じ、過熱度が上昇した場合に作動媒体の送り量を増すように前記作動媒体循環経路の作動媒体の循環量を制御する作動媒体循環量制御手段を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の発電装置において、前記潤滑油循環経路に、作動媒体を含む潤滑油を減圧下の雰囲気中に曝して作動媒体を蒸発させる油再生器を設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、蒸気発生器にて外部熱源からの熱で発生した作動媒体蒸気を膨張機に導き、発電機を駆動し、該膨張機からの作動媒体蒸気を凝縮器にて外部からの冷却媒体にて凝縮させ、該凝縮した作動媒体液を作動循環ポンプにて蒸気発生器に送り込むように構成すると共に、前記膨張機もしくは前記発電機のロータ軸を支持する軸受に潤滑油を循環させる潤滑油循環経路を具備する発電装置の作動媒体に混入した潤滑油を回収する潤滑油回収方法において、前記蒸気発生器からの作動媒体蒸気を前記気液分離器に導き、該気液分離器で分離された作動媒体液の液面付近の作動媒体が混入する潤滑油を前記潤滑油循環経路に戻すことを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の潤滑油回収方法において、前記気液分離器内の作動媒体液面付近の作動媒体が混入する潤滑油を前記油液分離器に導き分離された潤滑油を前記潤滑油循環経路に戻すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、蒸気発生器からの作動媒体蒸気を気液分離器に導き、該気液分離器で分離された作動媒体液の液面付近の作動媒体が混入する潤滑油を流量制御手段を介して潤滑油循環経路に戻すように構成したので、作動媒体循環経路中に混入した潤滑油を効率よく潤滑油循環経路に回収できる。
【0018】
請求項2乃至4に記載の発明によれば、気液分離器で分離された作動媒体液の液面付近の潤滑油と作動媒体の混合体を油液分離器に導き、該油液分離器で分離された潤滑油を流量制御手段を介して潤滑油循環経路に戻すので、作動媒体循環経路中に混入した潤滑油を更に効率よく潤滑油循環経路に回収できる。
【0019】
請求項5乃至7に記載の発明によれば、蒸気発生器で発生する作動媒体蒸気は概ね過熱蒸気となるように設計されているので、気液分離器で分離される液の大部分は潤滑油となり、作動媒体循環経路に混入した潤滑油をさらに効率良く潤滑油循環経路に回収できる。
【0020】
請求項8に記載の発明によれば、潤滑油循環経路に作動媒体を含む潤滑油を減圧下の雰囲気中に曝して作動媒体を蒸発させる油再生器を設けたので、潤滑油循環経路に混入した作動媒体を気化・分離して作動媒体循環経路に戻すことができ、潤滑油に作動媒体が同伴される場合や、その他の理由で潤滑油中に作動媒体が混入した場合もこれを回収することができる。
【0021】
請求項9及び10に記載の発明によれば、気液分離器で分離された作動媒体液の液面付近の潤滑油と作動媒体の混合体を潤滑油循環経路に戻すので、作動媒体循環経路中に混入した潤滑油を効率よく潤滑油循環経路に回収できる。
【0022】
請求項10に記載の発明によれば、気液分離器内の作動媒体液面付近の潤滑油と作動媒体の混合体を油液分離器に導き分離された潤滑油を前記潤滑油循環経路に戻すので、作動媒体循環経路中に混入した潤滑油を更に効率よく潤滑油循環経路に回収できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態例を図面を基づいて説明する。図1は本発明に係る発電装置の概略システム構成を示す図である。この発電装置は、クローズドシステムの発電装置であり、ランキンサイクルを利用した発電装置である。本発電装置は、外部排熱源(例えば、200℃〜400℃程度の排ガス或いは60℃〜100℃の排温水等)101の排熱を回収して作動媒体の高圧蒸気102を発生する蒸気発生器11と、該高圧蒸気102を膨張させることにより駆動するタービン(膨張機)13と該タービン13で駆動される発電機12を備えたタービン発電機14と、前記タービン13を駆動した後の低圧蒸気103を外部冷却媒体(例えば、冷却水等)104にて冷却して作動媒体の凝縮液105を形成する凝縮器15と、該凝縮器15にて凝縮した作動媒体の凝縮液105を加圧して前記蒸気発生器11に送り込む送液ポンプ16を備え、これらを蒸気発生器11、タービン13、凝縮器15、及び送液ポンプ16を作動媒体循環経路17で接続している。
【0024】
なお、本実施形態では、膨張機としてタービン発電機14のタービン13を用いる例を説明するが、発電機12を駆動する膨張機はタービン13に限らずスクリュー型の膨張機やスクロール型の膨張機などの他の形式の膨張機についても同様に適用が可能である。
【0025】
ここで、作動媒体として、例えば低沸点媒体であるHFC123或いはトリフルオロエタノール(CF3CH2OH)等を用いている。これにより、比較的低温(200℃〜400℃程度)の排ガス或いは比較的低温(60℃〜100℃)の排温水等の熱源を利用して、これらの熱をまず作動媒体の高圧蒸気に変換し、これによりタービン発電機14の発電機12に直結したタービン13を回転駆動し、発電を行うことができる。また、作動媒体は低沸点媒体に限定されるものではなく、高沸点媒体であってもよい。
【0026】
上記発電装置において、送液ポンプ16で、作動媒体の凝縮液105を蒸気発生器11に送り込む。凝縮液105は蒸気発生器11で外部排熱源101の熱エネルギーを受け、沸騰蒸発して高圧蒸気102となる。この作動媒体の高圧蒸気102はタービン発電機14の発電機12に直結したタービン13に送りこまれ、ここで高圧蒸気102の膨張によりタービン13を駆動して発電機12を駆動(回転)させて発電する。タービン13から排出された低圧蒸気103は凝縮器15にて、冷却水もしくは外気等の冷却媒体104で冷却され、凝縮し、必要に応じて過冷却器(図示せず)で冷却され、送液ポンプ16に吸引され、クローズドシステムを一巡する。
【0027】
タービン発電機14の主軸は軸受18、19により支持されている。そして各軸受18、19には、潤滑油供給ポンプ20により潤滑油タンク21に貯留された潤滑油106が加圧され潤滑油循環経路24を通って各軸受18、19に供給される。各軸受18、19を潤滑・冷却した潤滑油106は加熱され昇温して潤滑油受皿22、23に貯留され、潤滑油循環経路24を通って潤滑油タンク21に戻るようになっている。発電機12とタービン13の間にはラビリンスシールLSが設けられている。なお、潤滑油循環経路24の潤滑油供給ポンプ20の吐出口側には、ゴミ取り用の潤滑油フィルタ27や潤滑油の流れを確認する等のための流量計28が設けられている。また、潤滑油タンク21内と凝縮器15内は媒体戻し管33により制御弁46を介して連通している。
【0028】
潤滑油供給ポンプ20の吐出口側の配管(潤滑油循環経路24)には、温度調節器(装置)25が配置され、該温度調節器(装置)25に冷却媒体として送液ポンプ16により作動媒体の凝縮液105を冷却媒体配管26を通して供給し、加熱媒体として蒸気発生器11からの高圧蒸気102が加熱媒体配管40を通して供給することで、軸受18、19に供給する潤滑油106の温度を望ましい範囲に維持するようなっている。温度調節器(装置)25から軸受の間に、潤滑油の温度を計測する機器(温度計等)を設け、潤滑油の温度が一定の値よりも上昇したら、加熱媒体配管40に設けられた制御弁41を閉の方向に開度調整し、潤滑油の温度が一定の値よりも下降したら、冷却媒体配管26の制御弁42を閉の方向に開度調整する等、制御弁によって温度を調整することができるようになっている。ここで、潤滑油の温度を計測する機器(温度計等)を設ける位置は、温度調節器(装置)25から軸受の間が望ましいが、軸受と潤滑油タンク21との間であってもよい。温度調節器(装置)25に供給された作動媒体は媒体戻し配管30を通って凝縮器15に戻される。該媒体戻し配管30には流量を制御するオリフィス31が設けられている。
【0029】
また、本発電装置においては、タービン発電機14の軸受18、19に潤滑油を供給する潤滑油循環経路24に潤滑油タンク21を設けると共に、該潤滑油タンク21内に一体として形成された油再生器60を設け、上部に一体として形成された油滴分離器70を設けている。該油再生器60を設けることにより、潤滑油106を減圧下で気相と接触させることで、潤滑油中に混入した作動媒体を気化させ、潤滑油106中の作動媒体を分離させることができる。
【0030】
図2は本発電装置の潤滑油タンク21内に一体として形成された油再生器60と油滴分離器70の構造を示す図である。油再生器60は上下方向に所定の間隙を設けて複数枚(図では8枚)の蒸発皿61が水平に且つ交互に配置されている。タービン発電機14の軸受18、19を冷却・潤滑して昇温した潤滑油は、潤滑油循環経路(配管)24を通って油再生器60に導かれる。油再生器60内には、最上段の蒸発皿61に供給され、気相と接触しながら下段の蒸発皿61に流れ、最下段の蒸発皿61から潤滑油タンク21内の底部に滞留する。潤滑油106が蒸発皿61の上を流れ、気相と接触することで、潤滑油106中に含まれる作動媒体は気化し、分離される。潤滑油中の作動媒体を気化させるためには、潤滑油の温度は高い方が望ましく、油再生器60内の圧力が低いほうが望ましい。
【0031】
潤滑油循環系統の中で、もっとも温度が高くなるのは、軸受を冷却した直後であるので、油再生器60は軸受18、19から潤滑油が戻る部分に設けることが望ましく、更に、油再生器60は凝縮器15と連通させることが望ましく、ここでは媒体蒸気戻し管33で凝縮器15内と潤滑油タンク21内とが連通されている。また、上記した温度調節器25で、望ましい範囲に油温を保つようにしている。本発電装置では気化した作動媒体は、油再生器60と一体として形成された油滴分離器70を通して、凝縮器15に戻される。なお、油滴分離器70は、潤滑油タンク21内の上部に所定の間隙を設けて複数枚(図では3枚)の邪魔板71を水平に且つ交互に配置した構造である。
【0032】
本発電装置では、蒸気発生器11の出口に気液分離器34を設けると共に、この気液分離器34に油液分離器37を設けている。一般に蒸気発生器11は、蒸発させようとする作動媒体量よりも5〜20%程度多くの作動媒体を流すことで伝熱性が向上することが知られており、余剰の作動媒体液を回収し、媒体再循環配管39を通して蒸気発生器11の入口に環流させる目的で気液分離器34が設けられている場合が多い。本発電装置に必要な気液分離器34も、この気液分離器を兼用して差し支えない。なお、本例の気液分離器は粘着式としたが、他の形式の気液分離器であっても特に差し支えない。
【0033】
媒体再循環配管39を通して循環する蒸気発生器11に送られた作動媒体中に混入している潤滑油は、蒸気発生器11で加熱されても気化しないため、気液分離器34で作動媒体蒸気から分離され、媒体再循環配管39を通して蒸気発生器11の入口に戻される。従って、通常の運転中では、作動媒体中に混入した潤滑油は、蒸気発生器11に集まることになり、その濃度が最も高くなるのは気液分離器34で作動媒体蒸気と分離された作動媒体液となる。例えば、この気液分離器34で分離された作動媒体液の一部を潤滑油循環経路24に戻すことで、作動媒体循環経路17に混入した潤滑油を回収することも可能である。しかしこのようにすると潤滑油循環経路24に作動媒体が必要以上に多く混入することとなり、必ずしも好ましくない。
【0034】
上述したように、気液分離器34内では作動媒体中の潤滑油の濃度が比較的高いため、潤滑油は作動媒体液面に析出しやすい。そこで本発電装置では、気液分離器34に油液分離器37を接続し液面近辺に集まる潤滑油を潤滑油戻し管38を通して潤滑油タンク21の油再生器60に戻すことにより潤滑油を回収することにした。
【0035】
図3は本発電装置の気液分離器34と油液分離器37の構造を示す図である。図示するように、油液分離器37は潤滑油と作動媒体を分離する油液分離胴37aと、気液分離器34の作動媒体液107の液面付近から油液分離器37に立ち上がるように配管された潤滑油回収配管37bと、分離された作動媒体液107を作動媒体循環経路17(媒体再循環配管39)に戻す作動媒体戻し配管37cと、油液分離胴37aの潤滑油106の集まる部分から流量制御手段(オリフィス29(図1参照))を介して潤滑油を取り出す潤滑油戻し配管38とからなる。なお、34aは気液分離器34の上部に垂直に配置された液滴粘着板である。
【0036】
気液分離器34内の液面は、運転条件があまり変動しなければ略一定となると考えられるが、ここでは、気液分離器34内の液面を液面検出器LVで検出し、この液面が略一定となるように、蒸気発生器11への作動媒体の送り量を制御している。なお、これに代えてサイフォン管などにより気液分離器34内の液面を一定に保つようにしても良く、気液分離器34内の液面に代えて、油液分離胴37a内の作動媒体と潤滑油の界面を検出することとしても良い。
【0037】
図3に示すように、油液分離器37の潤滑油戻し管38では、流量制御手段として配管中にオリフィス29を設け(図1参照)、これを潤滑油タンク21の油再生器60に接続している。本発電装置の運転中、気液分離器34内は高圧となり、油再生器60内は低圧となるため、油液分離器37内の潤滑油106は潤滑油戻し配管38から吸い出される。このとき、油液分離器37内の作動媒体蒸気も一緒に吸い出されるため、油液分離器37内は気液分離器34内に比して若干低圧となる。従って、気液分離器34からは液面付近に析出した潤滑油106が作動媒体液107と作動媒体蒸気と共に油液分離器37に吸い出される。吸い出された作動媒体蒸気は、油液分離器37内に滞留している潤滑油106とともに潤滑油戻し配管38に吸い出される。
【0038】
一方、作動媒体液107と潤滑油106は、油液分離胴37a内で分離され、作動媒体液107は下方に、潤滑油106は上方に滞留する。ここで、気液分離器34内で分離された作動媒体液107は、媒体再循環配管39を通して作動媒体循環経路17に環流する。本発電装置では、気液分離器34から蒸気発生器11の入口に作動媒体液107を戻すことにより、作動媒体液107を作動媒体循環経路17に戻している。ここで、油液分離器37内の作動媒体液107を媒体再循環配管39に戻すためには、該媒体再循環配管39内の作動媒体の圧力が気液分離器34内より若干低い必要がある。このため、本発電装置ではオリフィスを設けたように図示しているが、これは圧力損失としては極微小であるので、特段にオリフィスを設けなくとも、配管の圧力損失だけでも十分である。なお、図7に示すように、気液分離器34の作動媒体液107を一旦油液分離器37に導いてから、該油液分離器37で潤滑油分の除去された作動媒体液107を媒体再循環配管39を介して蒸気発生器11に戻すこととしてもかまわない。
【0039】
また、油液分離器37は図4に示すように、気液分離器34内に一体にした構成とすることもできる。図4に示す油液分離器では、気液分離器34内に作動媒体排出口37fを有する油分分離堰37dを設けている。気液分離器34で分離された作動媒体は、作動媒体排出口37fから油液分離空間34cに導かれ、ここから媒体再循環配管39を通して気液分離器34の外に排出される。この作動媒体液107の流量は、略気液分離器34の作動媒体液107の液面と油液分離器37の潤滑油106の面の差に比例するので、常に一定であると考えてよい。油液分離空間34cの上方には防滴板34bが設けられている。
【0040】
また、ここでは上記図3の場合と同様、気液分離器34内の液面を液面検出器LVにより検出し、この液面が油分分離堰37dの上縁よりも低下しないよう、蒸気発生器11への作動媒体の送り量を制御している。なお、気液分離器34内の液面に代えて、油液分離空間34cの作動媒体107と潤滑油106の界面を検出することとしてもよい。
【0041】
気液分離器34で分離された作動媒体液107の量がこれを上回る場合、上回った作動媒体液107は油分分離堰37dを越えて油液分離空間34cに流れ込む。このとき気液分離器34の作動媒体液107の液面近くにある析出した潤滑油はこの作動媒体液107と共に、油液分離空間34cに流れ込む。該油液分離空間34cでは、図3の油液分離胴37aと同様に、比重差により潤滑油106が上方に溜まるので、これを潤滑油戻し配管38で抜き取ることで潤滑油が回収される。なお、図1において、43は潤滑油循環経路24に設けた制御弁、45は潤滑油タンク21内とタービン発電機14内を連通する均圧配管44に設けた制御弁、35は凝縮器15に設けた液面計、41は加熱媒体配管40に設けた制御弁、42は制御弁である。
【0042】
図3、図4に示す油液分離器37のどちらであっても、本発電装置では潤滑油を潤滑油戻し配管38を通してその内圧が凝縮器15の内圧と略等しい潤滑油タンク21の油再生器60に導くこととしている。これにより、回収した潤滑油に含まれる作動媒体を油再生器60にて速やかに分離することができる。また、潤滑油戻し配管38にはオリフィス29を設けている。これにより、潤滑油の戻りを調整しているが、これに代えて自動弁や手動弁により潤滑油の戻り量を制御してもよい。また、本発電装置では気液分離器34内の作動媒体液107を、媒体再循環配管39を通して蒸気発生器11に戻すこととしているが、凝縮器15等に戻すこととしても差し支えない。
【0043】
凝縮器15に戻す場合は、油液分離器37内、もしくは油液分離空間34c内の、作動媒体液107と潤滑油106との界面が一定となるように、分離された作動媒体液の戻り量を制御することが望ましい。なぜならば、蒸気発生器11の入口圧力と気液分離器34内の圧力との差は小さいのに対して、気液分離器34内の圧力と凝縮器15の圧力差は比較的大きく、戻り量を適切に制御しないと、気液分離器34内の潤滑油や、作動媒体蒸気までが凝縮器15へぬけ出してしまう可能性があるためである。具体的には、分離された作動媒体液107を凝縮器15に戻す配管の途中に制御弁を設け、油液分離器37内若しくは油液分離空間34c内に潤滑油106と作動媒体液107の界面を検出する検出器を設け、該界面が上昇した場合は制御弁を開き、下降した場合は閉じるようにすることが好ましい。なお、油液分離器37もしくは油液分離空間34cに代えて、気液分離器34内の界面を検出しても良い。
【0044】
また、潤滑油に混入した作動媒体を作動媒体循環経路17に戻すために、油再生器60を設けることに代えて、潤滑油に混入した作動媒体を潤滑油タンク21の底部に集めることにより、分離・回収するようにしてもよい。すなわち、潤滑油タンク21に貯留された潤滑油に混入した作動媒体は、比重差により潤滑油タンク21の下部に滞留する。これは必要に応じ凝縮器15へ送り、排出しても良いし、加熱器等により気化させ、作動媒体蒸気にして凝縮器15等に戻してもよい。
【0045】
また、本発電装置では蒸気発生器11出口の作動媒体液量を少なくすると、分離の効果が高くなる。これは、蒸気発生器11への作動媒体の送り流量を減ずることで容易に実現できるので、特に潤滑油を回収する必要が高い場合などでは、作動媒体の送り量を減ずることで、潤滑油の分離を促進することも可能である。
【0046】
図5は本発明に係る発電装置の他の概略システム構成を示す図である。図5において、図1と同一符号を付した部分は同一又は相当部分を示す。以下他の図面においても同様とする。本発電装置では、気液分離器34の液面付近から、油再生器60へ潤滑油を回収・送液する潤滑油戻し配管38を設けた。なお、気液分離器34の液面付近には、図1の場合と同じような油液分離器を設けてもよい。また、気液分離器34で分離された作動媒体液107を作動媒体戻し配管51を通して凝縮器15へ戻すこととすると共に、該作動媒体戻し配管51に制御弁50を設け、凝縮器15への分離液の流量を調整できるようにした。該制御弁50は気液分離器34に設けた液面検出器52の検出信号により作動媒体液107の液面が一定の位置になるように制御されている。
【0047】
また、送液ポンプ16を可変速装置を有するものとして、蒸気発生器11に送る作動媒体液(凝縮液105)を自在に制御できるようにした。ここでは、交流電力で駆動される送液ポンプ16をインバータ駆動とすることで可変速を実現しているが、可変速機能を有するDCブラシレスモータを用いてもよく、可変速装置に代えて、送液ポンプ出口に制御弁を設けるなどをしても良い。また、気液分離器34の作動媒体液107を凝縮器15に代えて蒸気発生器11に戻しても良い。また、凝縮器15に送る作動媒体液の持つ熱を、凝縮器15から蒸気発生器11に送る作動媒体液と熱回収器49で熱交換させることにより、効率低下を抑制している。
【0048】
本発電装置では、作動媒体中に混入した潤滑油を分離しようとする場合には、まず、送液ポンプ16を制御して、蒸気発生器11に送る作動媒体(凝縮液105)量を通常より少なくする。これにより蒸気発生器11の出口の作動媒体が過熱蒸気となる。このとき、作動媒体中に混入していた潤滑油は、過熱蒸気中に油滴として析出するが、これは気液分離器34で捕集される。従って、気液分離器34の作動媒体液107の液面付近に、潤滑油が蓄積してゆく。潤滑油戻し配管38中の制御弁36を開くことで、潤滑油は潤滑油循環経路24に戻される。
【0049】
このとき、作動媒体液(凝縮液105)の送り量は、蒸気発生器11の出口での作動媒体が過熱蒸気となる程度まで減じれば、特にその減じる量については構わない。本発電装置では、蒸気発生器11の出口における作動媒体の圧力と温度を測定し、温度検出器53と圧力検出器54で検出し、この検出温度及び検出圧力から作動媒体蒸気の過熱度を計算し、この過熱度を設定値とするように制御することとしている。即ち、過熱度が大きくなれば、蒸気発生器11に送る作動媒体液の量を増し、小さくなれば送り量を減じることとした。なお、作動媒体蒸気の過熱度の算出方法は上記例に限定されるものではなく、例えば蒸気発生器11内の作動媒体温度と作動媒体蒸気の温度と温度差を計測することにより、およその過熱度が計算できる。また、外部熱源101の温度と、作動媒体蒸気温度の差から、おおよそ「推定」することも可能である。
【0050】
また、この潤滑油の分離操作を行なう条件としては、例えば蒸気発生器11の伝熱が悪化したと判断される場合に行うこと、潤滑油タンク21の潤滑油106の液面が低下した場合に行うこと、運転時間や起動回数などが規定値に達した場合に行うことなどが考えられるが、下記のような方法が効果的である。
【0051】
〔発電装置に供給される排熱の温度により行う方法〕
第1は、発電装置に供給される排熱の温度により行う方法である。本発電装置が潤滑油の分離を行なうときは、一般に蒸気発生器11内の作動循環媒体の循環量が低下するため排熱回収量が低下する。従って、外部排熱源101から供給される排熱量が低下した場合に上記のように操作を行なえば、両者バランスがとれて望ましい。従って、排熱の供給量を計測するなどして、これが低下した場合に上記の操作を行なっても良いが、排熱量の測定は外部排熱源101から熱エネルギーを搬送する媒体(温水、排気ガス等)流量を測定する必要があり、一般に高コストとなる。また、外部排熱源101から供給熱量に関する情報を、電流信号、電圧信号、或いはデジタル通信による数値情報などとして得ることも考えられるが、両者の情報伝達手順を統一することが必要なこともあり、容易でない。このような場合、もっとも簡便な手段は、外部排熱源101の温度を用いることである。一般に多くの排熱源では、排熱の量が低下すると排熱の温度も低下する。また、排熱を温度測定することは、比較的容易である。従って、排熱の温度を常時測定し、この温度が予め定められた規定値を下回った場合、潤滑油の回収動作に入ることで、発電装置の発電能力を損ねることなく、潤滑油の回収が可能となる。
【0052】
〔蒸気発生器の出口の作動媒体が過熱蒸気となったことを以って、潤滑油の回収を行う方法〕
第2は、蒸気発生器11の出口の作動媒体が過熱蒸気となったことを以って、潤滑油の回収を行う方法である。上記したように、発電装置が必要とする排熱量と、発電装置に供給される排熱量とは、バランスしていることが望ましい。特に、循環する排温水を熱源とする場合、両者がアンバランスになると、外部排熱源101の温度が上下して、同じ排熱源に接続されている他の装置に影響したり、外部排熱源の能力に影響したりする。従って、排熱温度が上下した場合に、発電装置の熱回収を調整してバランスを取ることが考えられる。
【0053】
本発電装置であれば、送液ポンプ16により蒸気発生器11に送る作動媒体液(凝縮液)量を調整することで、発電装置の熱回収量を比較的自由に制御できる。具体的には外部排熱源101の排熱温度が上昇した場合は作動媒体の送り量を増やして排熱回収量を増し排熱温度が低下した場合は作動媒体の送り量を減じて排熱の回収量を減じる。このように熱回収量を制御することにより、外部排熱源101の排熱の供給量が少ない場合には作動媒体液の送り量が少なくなり、作動媒体蒸気が過熱蒸気となる。従って、その場合に、前記した潤滑油の回収動作を行うことで、発電装置の能力を損ねることなく潤滑油の回収動作を行うことができ、発電装置の能力を損ねることなく、潤滑油の回収が可能となる。
【0054】
〔発電中止中に行う方法〕
第3は、発電中止中に行う方法である。本発電装置はタービン発電機14を用いた発電装置であるが、タービン発電機14を用いた発電装置では、タービン13の蒸気入口に遮断弁47を設け、タービン発電機14と並列にバイパス弁48を設けることが一般的である。本発電装置を停止しようとする場合、安全のため、先ず遮断弁47を閉じてタービン発電機14を停止し、バイパス弁48を開いて蒸気発生器11内の蒸気を逃がすこととなる。このとき蒸気発生器11や熱源媒体の保有する熱は特に利用されること無く、放熱される。また、タービン発電機14を運転しようとする時には、遮断弁47を閉じ、バイパス弁48を開けた状態で作動媒体の循環を始め、蒸気発生器11の圧力が上昇し、作動媒体の循環が安定してから遮断弁47を開き、発電を開始することが一般的である。これも、この間の排熱は有効に利用されることなく、凝縮器15から排出される。
【0055】
本発電装置では、これらの本来無効となる熱を有効利用して、潤滑油の回収ができる。即ち、遮断弁47を閉じてバイパス弁48を開いた状態で、送液ポンプ16の回転速度を制御して、蒸気発生器11の出口蒸気を過熱蒸気とし、上記のように潤滑油106を回収できる。また、上記のように作動媒体循環経路17に潤滑油が特に侵入しやすいのは、タービン発電機14の起動時と停止時であり、起動時若しくは停止時に潤滑油を分離することは、理にかなっている。
【0056】
上記第1〜第3の方法で潤滑油の回収を行うことにより、発電装置の能力を損わずに、潤滑油を回収することができる。これらの方法は、当然、組み合せてもよい。
【0057】
図6は本発明に係る発電装置の他の概略システム構成を示す図である。本発電装置は、常時蒸気発生器11の出口蒸気が過熱状態になるように設計された、貫流型の蒸気発生器11を有する発電装置で、気液分離器34で分離された作動媒体分離液を流量制御手段であるオリフィス55を介して潤滑油循環経路24(ここでは潤滑油タンク21の油再生器60に)に接続している。流量制御手段は細管やオリフィス等の簡単なものでも良く、制御弁を用いても良い。ここではオリフィス55としている。
【0058】
図6に示す発電装置では、蒸気発生器11の出口蒸気が常に過熱蒸気となるように、図5に示す発電装置と同様、蒸気発生器11への作動媒体液の供給量を制御することが望ましい。また、起動時など、一時的に作動媒体液が気液分離器34に流入したときのために、凝縮器15と潤滑油循環経路24とを切り換え可能に接続し、流入した作動媒体液を凝縮器15に戻すことができるようにしてもよい。具体的には、蒸気発生器11の出口の上記過熱度が設定値以下の場合は、気液分離器34の分離液を凝縮器15に戻し、設定値以上に上昇したら潤滑油循環経路24と接続するなどの方法がある。
【0059】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に係る発電装置の概略システム構成を示す図である。
【図2】本発明に係る発電装置の潤滑油タンクと油滴再生器と油滴分離器の概略構造を示す図である。
【図3】本発明に係る発電装置の気液分離器と油液分離器概略構造を示す図である。
【図4】本発明に係る発電装置の気液分離器と油液分離器概略構造を示す図である。
【図5】本発明に係る発電装置の概略システム構成を示す図である。
【図6】本発明に係る発電装置の概略システム構成を示す図である。
【図7】本発明に係る発電装置の気液分離器と油液分離器概略構造を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
11 蒸気発生器
12 発電機
13 タービン(膨張機)
14 タービン発電機
15 凝縮器
16 送液ポンプ
17 作動媒体循環経路
18 軸受
19 軸受
20 潤滑油供給ポンプ
21 潤滑油タンク
22 潤滑油受皿
23 潤滑油受皿
24 潤滑油循環経路
25 温度調節器
26 冷却媒体配管
27 潤滑油フィルタ
28 流量計
29 オリフィス
30 冷媒戻し配管
31 オリフィス
33 媒体蒸気戻し管
34 気液分離器
35 液面計
36 制御弁
37 油液分離器
38 潤滑油戻し配管
39 媒体再循環配管
40 加熱媒体配管
41 制御弁
42 制御弁
43 制御弁
44 均圧配管
45 制御弁
46 制御弁
47 遮断弁
48 バイパス弁
49 熱回収器
50 制御弁
51 作動媒体戻し配管
52 液面検出器
53 温度検出器
54 圧力検出器
55 オリフィス
60 油再生器
61 蒸発皿
70 油滴分離器
71 邪魔板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気発生器、凝縮器、膨張機、これらを作動媒体が循環する作動媒体循環経路と、及び前記膨張機により駆動される発電機を具備し、前記蒸気発生器にて外部熱源からの熱で発生した作動媒体蒸気を、前記膨張機に導き前記発電機を駆動し、該膨張機からの作動媒体蒸気を前記凝縮器に導き外部からの冷却媒体にて凝縮させ、該凝縮した作動媒体液を作動媒体循環ポンプにて前記蒸気発生器に送り込むように構成し、潤滑油循環経路と、該潤滑油循環経路に設けた潤滑油供給ポンプを具備し、該潤滑油供給ポンプにより前記膨張機及び/又は前記発電機のロータ軸を支持する軸受に潤滑油を送り込むように構成した発電装置において、
作動媒体蒸気と作動媒体液を分離する気液分離器を設け、該気液分離器を流量制御手段を介して前記潤滑油循環経路とを接続し、
前記蒸気発生器からの作動媒体蒸気を前記気液分離器に導き、該気液分離器で分離された作動媒体液の液面付近の作動媒体が混入する潤滑油を前記流量制御手段を介して前記潤滑油循環経路に戻すと共に、前記気液分離器で分離された作動媒体液を作動媒体循環経路に戻すように構成したことを特徴とする発電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発電装置において、
潤滑油と作動媒体液を比重差により分離する油液分離器を前記気液分離器と前記流量制御手段の間に設け、
前記気液分離器で分離された作動媒体液の液面付近の作動媒体が混入する潤滑油を前記油液分離器に導き、該油液分離器で分離された潤滑油を前記流量制御手段を介して前記潤滑油循環経路に戻すと共に、該油液分離器で分離された作動媒体液を前記作動媒体循環経路に戻すように構成したことを特徴とする発電装置。
【請求項3】
請求項2に記載の発電装置において、
前記油液分離器は、比重差により潤滑油と作動媒体液を分離する油液分離胴と、
前記気液分離器内の分離された作動媒体液の液面付近の作動媒体が混入する潤滑油を前記油液分離胴に導くための配管を具備していることを特徴とする発電装置。
【請求項4】
請求項2に記載の発電装置において、
前記油液分離器は、前記気液分離器の内底部に油液分離堰で囲まれた油液分離空間を具備し、該油液分離空間に前記油液分離堰に設けた作動媒体排出口を通して前記気液分離器の分離された作動媒体液を導くと共に、該気液分離器で分離された作動媒体液の液面付近の作動媒体が混入する潤滑油を前記油液分離堰を越して該油液分離空間に導き、該油液分離空間で比重差により分離された潤滑油を前記潤滑油循環経路に戻すと共に、分離された作動媒体液を作動媒体循環経路に戻すように構成したことを特徴とする発電装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発電装置において、
前記蒸気発生器で発生する作動媒体蒸気は概ね過熱蒸気となるように設計されていることを特徴とする発電装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発電装置において、
前記作動媒体循環経路から前記蒸気発生器に供給される作動媒体量を制限する作動媒体循環量制御手段を設けると共に、潤滑油を回収しようとする時には、前記蒸気発生器に供給される作動媒体の量を制限し、該蒸気発生器から排出される作動媒体蒸気を過熱蒸気とすることを特徴とする発電装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の発電装置において、
前記蒸気発生器の出口に作動媒体蒸気の過熱度を検出する過熱度検出手段を設け、過熱度が低下した場合には前記蒸気発生器への作動媒体の送り量を減じ、過熱度が上昇した場合に作動媒体の送り量を増すように前記作動媒体循環経路の作動媒体の循環量を制御する作動媒体循環量制御手段を設けたことを特徴とする発電装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の発電装置において、
前記潤滑油循環経路に、作動媒体を含む潤滑油を減圧下の雰囲気中に曝して作動媒体を蒸発させる油再生器を設けたことを特徴とする発電装置。
【請求項9】
蒸気発生器にて外部熱源からの熱で発生した作動媒体蒸気を膨張機に導き、発電機を駆動し、該膨張機からの作動媒体蒸気を凝縮器にて外部からの冷却媒体にて凝縮させ、該凝縮した作動媒体液を作動循環ポンプにて蒸気発生器に送り込むように構成すると共に、前記膨張機もしくは前記発電機のロータ軸を支持する軸受に潤滑油を循環させる潤滑油循環経路を具備する発電装置の作動媒体に混入した潤滑油を回収する潤滑油回収方法において、
前記蒸気発生器からの作動媒体蒸気を前記気液分離器に導き、該気液分離器で分離された作動媒体液の液面付近の作動媒体が混入する潤滑油を前記潤滑油循環経路に戻すことを特徴とする潤滑油回収方法。
【請求項10】
請求項9に記載の潤滑油回収方法において、
前記気液分離器内の作動媒体液面付近の作動媒体が混入する潤滑油を前記油液分離器に導き分離された潤滑油を前記潤滑油循環経路に戻すことを特徴とする潤滑油回収方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−283675(P2006−283675A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−105265(P2005−105265)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)