説明

白色二軸延伸ポリオレフィンフィルム

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、白色二軸延伸ポリオレフィンフイルムに関する。更に詳しくは、白くて光学濃度が高く隠蔽性に優れ、また耐衝撃性、水蒸気バリア性に優れ、さらにヒートシール性をも有した白色二軸延伸ポリオレフィンフイルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、白色二軸延伸ポリオレフィンフイルムとしては、炭酸カルシウム等の無機フィラーあるいはポリエステル等の非相溶性樹脂をブレンドして延伸し、形成されたボイドの光散乱により、白色化するものが知られている(特公昭60ー37793号、特開昭61ー157547号等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリオレフィンに炭酸カルシウム等の無機フィラーあるいはポリエステル等の非相溶性樹脂を大量に添加し、白色化フイルムとした場合、ボイドの体積が大きく、またボイド形成物の吸湿性が高いために、耐衝撃性、水蒸気バリア性に劣り、さらには表層がデラミネーションしたり、経日で白色度が低下するという問題点があり、各種印刷用紙、各種ラベル、各種粘着テープ、各種包装紙として用いた場合好ましいものではなかつた。
【0004】従って本発明は、上記の白色二軸延伸ポリオレフィンフイルムの問題点を解決すべく鋭意検討を行なった結果、白くて光学濃度が高く隠蔽性に優れ、耐衝撃性、水蒸気バリア性に優れ、さらにヒートシール性をも有し、各種印刷用紙、各種ラベル、各種粘着テープ、各種包装紙として好適な白色二軸延伸ポリオレフィンフイルムを提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、結晶性ポリプロピレン65〜93重量%と、該結晶性ポリプロピレンに非相溶性で熱変形温度が120℃以上の熱可塑性樹脂5〜20重量%と、該結晶性ポリプロピレンに相溶性で融解温度が140℃以下の樹脂2〜15重量%とからなり(ただし、ポリエーテルエステルアミドを含有しない)、フイルム厚み30μmにおける光学濃度が0.35以上であることを特徴とする白色二軸延伸ポリオレフィンフィルムに関するものである。
【0006】本発明の結晶性ポリプロピレン(以下PPと略称する)は、極限粘度[η]が1.4〜3.2dl/g、好ましくは1.6〜2.4dl/g、アイソタクチックインデックス(II)が、95%以上、メルトフローインデックス(MFI)が1.0〜15g/10分の範囲が機械特性、耐衝撃性等の諸物性、および光学濃度の均一性が良好となるので好ましい。プロピレン以外の第2成分、例えばエチレン、ブテン、ヘキセンなどを少量ランダムに共重合させてもよい。また、公知の添加剤、例えば結晶核剤、酸化防止剤、熱安定剤、すべり剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、充填剤、粘度調整剤、着色防止剤などを含有させてもよい。
【0007】本発明の該PPに非相溶性な熱可塑性樹脂の熱変形温度(ASTMD648に準じて測定。荷重は4.6kg/cm2 )は120℃以上であることが必要であり、好ましくは130〜180℃である。熱変形温度が120℃より低い場合は、非相溶性樹脂によるボイド形成が不十分で、隠蔽性の発現が困難となるので好ましくない。
【0008】非相溶性樹脂として具体的には、ポリー4ーメチルペンテン1、ポリー3ーメチルブテン1、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド等が挙げられる。この中でも重量平均分子量(以下Mwと略称する)40000以下のポリカーボネート樹脂(以下PCと略称する)がPPとの分散性が良く、化学的安定性に優れるので好ましい。
【0009】本発明のPCは、芳香族ポリカーボネートであり、直鎖状および分岐鎖状のポリカーボネートをも用いることができる。該PCは、ホモポリマーまたは他のモノマーとの共重合体でもよい。また該PCの熱変形温度は120℃以上、好ましくは130℃以上である。熱変形温度が120℃より低い場合は、ボイド形成が不十分で、隠蔽性の発現が困難となるので好ましくない。また、本発明のPCのMwは40000以下が好ましい。Mwが40000を越えると該PPへの分散性が悪化して、光学濃度むらができて隠蔽性が不十分となり、耐衝撃性、水蒸気バリア性も悪化するので好ましくない。また、溶融特性として、メルトフローインデックスが1〜50g/10分であることが、該PPへの分散性が良くて光学濃度が高くなり好ましい。
【0010】本発明のフイルム中に含まれる非相溶性樹脂の含有量は、5〜20重量%であることが必要であり、特に10〜15重量%であることが望ましい。非相溶性樹脂の含有量が本発明の範囲未満では、フイルムの白色度と光学濃度が不十分となる。また、この範囲を越えると、本発明のフイルムの耐衝撃性と水蒸気バリア性が悪化する。
【0011】本発明のフイルム中に含まれる該PPと相溶性で融解温度が140℃以下の樹脂は、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体から選ばれた一種又は二種以上の樹脂からなるものである。この中でエチレン−α−オレフィン共重合体としてはエチレン−プロピレンランダム共重合体(以下EPCと略称する)、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体としてはエチレン−アクリル酸エステル共重合体が、該PPに該PCを微分散させて隠蔽性を向上させ、さらに耐衝撃性、水蒸気バリア性を向上させるので好ましい。また、該EPCおよびエチレン−アクリル酸エステル共重合体のメルトフロ−インデックス(MFI)が、1.0〜20g/10分の範囲が機械特性、耐衝撃性等の諸物性、および光学濃度の均一性が良好となるので好ましい。
【0012】本発明のフイルム中に含まれる該PPと相溶性の樹脂の融解温度は、140℃以下であることが必要である。140℃を越えると、該PCの該PPへの分散性が悪化して製膜安定性に劣り、また耐衝撃性、水蒸気バリア性も悪化する。
【0013】本発明のフイルム中に含まれる該PPと相溶性で融解温度が140℃以下の樹脂の含有量は、2〜15重量%であることが必要であり、特に5〜10重量%であることが望ましい。該相溶性樹脂の含有量が2重量%未満では、耐衝撃性と水蒸気バリア性が悪化する。また、この範囲を越えると、フイルムの光学濃度が不十分となる。
【0014】本発明のフイルム厚みは特に限定されるものではないが、好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜70μmである。
【0015】本発明のフイルムは、フイルム厚み30μmにおける光学濃度(OD)が0.35以上、好ましくは0.45以上である。0.35未満では、例えば包装用フイルムとして用いた場合、包装する内容物を隠蔽するのに不十分であり、また紙などの他の基材とラミネートした場合に、下地の表面が透けて見えやすくなるので好ましくない。
【0016】また本発明のフイルムの長さ方向と幅方向のシャルピー衝撃強度の和が15(kg・cm/mm2 )以上であることが望ましい。本発明の範囲未満では、例えば包装紙、あるいは粘着テープの基材として用いた場合に実用に耐えない。
【0017】また、本発明のフイルムの水蒸気透過率は、4.0( g/m2 ・日/0.1mm)以下であることが望ましい。本発明の範囲未満では、吸湿性の高い小菓子や米菓などの包装用として用いた場合に、長期保存性に劣る。
【0018】次に、本発明のフイルムのB層の樹脂は、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体から選ばれた一種又は二種以上の樹脂からなるものである。この中でもEPCがヒートシール力が高く、また水蒸気バリア性が高いので好ましい。
【0019】B層を積層した本発明のフイルムの積層構成は、B層/A層、B層/A層/B層である。B層の積層厚みは、2〜10μmが好ましい。
【0020】本発明のフイルムは、それ自身のフイルムで包装用、ラベル用、粘着テープ用、カード用として使うことができる。また紙、ポリエステルフイルム、ポリプロピレンフイルム、アルミ箔等と張り合わせて使うこともできる。この場合、B層の表面に接着性を良くするためにコロナ放電処理を行なうことが好ましい。コロナ放電処理は公知の方法を用いることができるが、処理を施す時の雰囲気ガスとして、空気、炭酸ガス、窒素ガス、炭酸ガス/窒素ガスが好ましく、特に空気が簡便性、経済性の点で好ましい。
【0021】次に本発明の白色ポリオレフィンフイルムの製造方法について述べるが、これに限定されるものではない。
【0022】結晶性PPと熱変形温度が120℃以上の非相溶性樹脂と融解温度が140℃以下の相溶性樹脂のそれぞれ特定範囲の混合物からなるA層樹脂を押出機に供給し、270℃以上、好ましくは280℃〜300℃の温度で溶融してT型口金でシート状に押出成形し、該シートを20〜100℃、好ましくは40〜80℃の温度のドラムに巻き付けて冷却固化する。次いで、該シートを90℃〜130℃の温度に加熱した周速差をつけたロール間で長手方向に4〜6倍に延伸し、ただちに室温に冷却する。このときの延伸温度は次の横延伸性が悪化しない下限の温度、100〜120℃の範囲がフイルムの光学濃度が高くなるので好ましい。該延伸フイルムをテンターに導いて、150〜165℃の温度で幅方向に5〜10倍に延伸し、次いで幅方向に2〜20%の弛緩を与えつつ、160〜170℃の温度で熱固定して巻取る。
【0023】本発明のフイルムの延伸方法は、逐次二軸延伸法が好ましく、同時二軸延伸法は光学濃度が高くなりにくいので好ましくない。
【0024】またB層の積層は、B層の樹脂をもう一台の押出機に供給して220〜280℃の温度で溶融した後、多層成形口金にてB層/A層またはB層/A層/B層の構成となるように口金内で合流させた後、積層シート状に成形する。また、別の積層方法としては、口金の上流の短管内でA層樹脂とB層樹脂とを合流せしめた後、T型口金でシート状に成形するか、または上記製膜工程で長手方向に延伸された延伸フイルムにB層の樹脂を押出ラミネートし、該積層フイルムをテンターに導き、幅方向に延伸する方法が用いられる。具体的には、B層の樹脂を押出機に供給し、240〜260℃の温度で溶融した後、カラス口型の口金にてシート状に溶融押出をし、その溶融シートを5〜50℃の温度の冷却ロールとゴムロールの間で該長手方向に延伸したフイルムと張り合わせ圧着する。
【0025】本発明のフイルムは、目的に応じて帯電防止剤、耐候剤、防曇剤、滑り剤などの添加剤を添加、またはコーティングしてもよい。また、表面改質の目的で空気雰囲気中、不活性ガス雰囲気中等でコロナ放電処理などの公知の処理を施してもよい。
【0026】また本発明のフイルムは、目的に応じてエンボス加工、印刷、押出ラミネーション加工、他の樹脂フイルム、紙、布などと張り合わせ加工を行なつて用いることもできる。
【0027】
【特性の測定方法並びに効果の評価方法】本発明の特性値の測定方法、並びに効果の評価方法は次のとおりである。
【0028】(1)極限粘度([η])
試料0.1gを135℃のテトラリン100mlに完全溶解させ、この溶液を粘度計で135℃の恒温槽中で測定して、比粘度Sにより次式に従って極限粘度を求める。単位はdl/gとする。
[η]=S/0.1×(1+0.22×S)
【0029】(2)アイソタクチックインデックス(II)
試料を130℃で2時間真空乾燥する。これから重量W(mg)の試料をとり、ソックスレー抽出器に入れ沸騰n−ヘプタンで12時間抽出する。次に、この試料を取り出しアセトンで十分洗浄した後、130℃で6時間真空乾燥しその後、重量W' (mg)を測定し、次式で求める。
II(%)=W' /W×100
【0030】(3)フイルム厚みダイヤルゲージ式厚み計(JIS−B−7509、測定子5mmφ平型)を用いて測定した。
【0031】(4)シャルピー衝撃強度Charpy衝撃試験機によつて求められた値で、試験片を切断する方向に要したエネルギーE(kg・cm)を、サンプル幅(cm)で割った値で示し、算出法は次式による。
E=WR(cosβーcosα)
Wはハンマー重量(kg)、Rはハンマーの回転中心軸から重心までの距離(cm)、αはハンマー持ち上げ角、βは試験片切断後のハンマー振り上げ角である。測定雰囲気は25℃・65%RHである。
【0032】(5)光学濃度(OD)
マクベス社製濃度計TD−504を用いて測定した。入射光量をI0 、透過光量をIとすると、OD=−log(I/I0)
で定義される。この値をフイルム厚み30μmに換算した値を記す。
【0033】(6)融解温度(Tm)及び溶融結晶化温度(Tmc)
示差走査熱量計(DSC−2型、パーキンエルマー社製)を用い、サンプル5mgを室温より、20℃/分の昇温速度で昇温していった際の結晶の融解に伴う融解吸熱ピークを融解温度(Tm)とする。ついで、280℃の溶融保持温度まで昇温し、5分間保持した後に20℃/分の冷却速度にて冷却していった時に、結晶化に伴う潜熱のピーク温度を溶融結晶化温度(Tmc)とした。
【0034】(7)重量平均分子量(Mw)
重量平均分子量(Mw)は以下の測定条件により求めた。
装 置:東ソ−製HLC A 802型カラム:東ソ−製GMH6×2,G2000H8溶 媒:テトラヒドロフラン温 度:23℃流 速:1.5ml/min
【0035】(8)メルトフローインデックス(MFI)
ASTM−D−1238に準じて、PPおよび該PPに相溶性の樹脂は230℃,2.16kg、PCは300℃,1.2kgの条件で測定した。
【0036】(9)樹脂の熱変形温度ASTMーDー648の方法に準じて、荷重4.6kg/cm2 として測定して求めた温度を熱変形温度とした。
【0037】(10)ヒートシール力フイルムの接着層面同志を重ね合わせ、120℃に加熱保持された金属板とシリコンゴムの間に入れ、圧力1kg/cm2 ,1secの条件でヒートシールし、剥離速度300mm/分で90度剥離したときの強度を測定した。
【0038】(11)フイルム表面のデラミネーションフイルム表面に幅18mmのセロハンテープ(ニチバン(株)製、NO405)を長さ50mm貼りつけて、手剥離(速度:約200mm/sec)し、フイルム表面の表層部分の劈開の有無で判定した。
【0039】(12)水蒸気透過率JIS Z−0208に従い、40℃・90%RHの条件で測定した値で、g/m2 ・日/0.1mm単位で表わす。
【0040】
【実施例】本発明を実施例、比較例に基づいて説明する。
【0041】実施例1〜3、比較例1〜4結晶性PP(極限粘度:1.80dl/g、MI:4.0g/10分、II:97%)樹脂に、該結晶性PPに非相溶性樹脂としてPC(熱変形温度:138℃)と、該結晶性PPに相溶性で融解温度が100℃の樹脂としてエチレンーメタアクリル酸共重合体(EMA)を第1表に示した割合に混合して押出機に供給し、290℃の温度で溶融し、T型口金に導きシート状に押出成形し、60℃の温度のドラムに巻き付けてシート状に冷却固化した。該シートを110℃に保たれたロールに通して予熱した後、125℃の温度で周速差の異なるロール間で長手方向に5.0倍延伸し、ただちに40℃に冷却した。次に該延伸シートをテンターに導き、165℃の温度に予熱し、引き続き155℃の温度で幅方向に10倍延伸し、次いで幅方向に5%の弛緩を与えつつ165℃の温度で熱処理をした後、冷却し巻き取った。フイルム特性は第2表のとおりであった。本発明の範囲のフイルムは光学濃度が高くて隠蔽性に優れ、耐衝撃性、水蒸気バリア性にも優れたものであった。また、本発明の範囲をはずれたフイルムは、光学濃度、耐衝撃性、水蒸気バリア性のいずれかに劣り、本発明の目的とするフイルムは得られなかった。
【0042】実施例4,5、比較例6,7実施例4では、実施例1の非相溶性樹脂をポリフェニレンオキサイド(PPO)(熱変形温度:132℃)、相溶性樹脂をエチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(EMMA)(融解温度:110℃)とし、実施例5では、相溶性樹脂をエチレン含有量4.5wt%のEPC(融解温度:132℃)とし、比較例6では、実施例1の非相溶性樹脂をポリスチレン(PS)(熱変形温度:78℃)とし、比較例7では、実施例1の相溶性樹脂をエチレン含有量2wt%のEPC(融解温度:147℃)とした以外は実施例1と全く同様にしてフイルムを製造した。フイルム特性は第2表のとおりであった。非相溶性樹脂の熱変形温度が、本発明の範囲のフイルムは光学濃度が高くて隠蔽性に優れ、耐衝撃性、水蒸気バリア性にも優れたものであったが、範囲をはずれたフイルムは、光学濃度、耐衝撃性、水蒸気バリア性に劣り、本発明の目的とするフイルムは得られなかった。
【0043】実施例6、7実施例1の樹脂組成(A層)と、B層の樹脂として、実施例6ではエチレン含有量3.7wt%のEPCとし、実施例7ではメタアクリル酸含有量10wt%のEMAとし、別々の2台の押出機にそれぞれ供給し、A層樹脂は280℃、B層樹脂は260℃の温度で溶融し、多層成形口金にてB層/A層/B層となるように口金内で合流させた後、実施例1と全く同様にして二軸延伸複合フイルムを製造した。フイルム特性は、第2表に示したように、光学濃度が高くて隠蔽性に優れ、耐衝撃性、水蒸気バリア性にも優れ、さらにA層/B層間のデラミがなく、ヒートシール力が高いものであった。
【0044】
【表1】


【0045】
【表2】


【0046】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の白色二軸延伸ポリオレフィンフイルムは、結晶性PPに特定の非相溶性樹脂と相溶性樹脂を添加混合した樹脂を逐次二軸延伸したフィルムであって、次のような優れた効果を生じるものである。
【0047】(1)白くて隠蔽性に優れ、印刷の白色下塗り層が省略でき印刷仕上がりが良い。
(2)二次加工で必要な機械強度、耐衝撃性に優れ、各種印刷用紙、粘着テープベース用として良好な特性を有する。
(3)ボイドの形状が小さく扁平で均一であることから、菓子やスナック類の包装用として必要な防湿性に優れている。
(4)無機粒子の添加がないので、製膜性に優れている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 結晶性ポリプロピレン65〜93重量%と、該結晶性ポリプロピレンに非相溶性で熱変形温度が120℃以上の熱可塑性樹脂5〜20重量%と、該結晶性ポリプロピレンに相溶性で融解温度が140℃以下の樹脂2〜15重量%とからなり(ただし、ポリエーテルエステルアミドを含有しない)、フイルム厚み30μmにおける光学濃度が0.35以上であることを特徴とする白色二軸延伸ポリオレフィンフィルム。
【請求項2】 結晶性ポリプロピレンに非相溶性で熱変形温度が120℃以上の熱可塑性樹脂が、重量平均分子量(MW)40000以下のポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の白色二軸延伸ポリオレフィンフィルム。
【請求項3】 結晶性ポリプロピレンに相溶性で融解温度が140℃以下の樹脂が、エチレン−α−オレフィン、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体から選ばれた一種又は二種以上の樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の白色二軸延伸ポリオレフィンフィルム。
【請求項4】 請求項1に記載の白色二軸延伸ポリオレフィンフイルム(A層)の少なくとも片面に、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体から選ばれた一種又は二種以上の樹脂からなる樹脂層(B層)を積層してなることを特徴とする白色二軸延伸ポリオレフィンフイルム。

【特許番号】特許第3139510号(P3139510)
【登録日】平成12年12月15日(2000.12.15)
【発行日】平成13年3月5日(2001.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−295752
【出願日】平成3年11月12日(1991.11.12)
【公開番号】特開平5−132571
【公開日】平成5年5月28日(1993.5.28)
【審査請求日】平成10年3月20日(1998.3.20)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【参考文献】
【文献】特開 平4−122736(JP,A)