説明

皮膚の生体内生体力学特性を測定するための装置及び方法

皮膚の生体内生体力学特性を測定するためのアセンブリであって、試験デバイスを備え、試験デバイスが、皮膚に取付け可能な第1のパッドと、第1のパッドから既知の距離で、皮膚に取付け可能な第2のパッドとを備え、皮膚へのパッドの前記取付け可能性が、当該パッドと、パッドが取り付けられる皮膚との相対移動を防止し、さらに、前記パッド間の皮膚の変形によるパッド間の対応する相対移動を誘発するように、パッドが皮膚に取り付けられた状態で、第1と第2のパッドをつなぐ第1の軸に沿って、第1のパッドに力を加えるための付勢手段と、加えられた力を測定するための力測定デバイスと、対応する誘発された移動を測定するための変位測定デバイスとを備える、アセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、非侵襲性手法を使用する皮膚の生体力学特性の測定に関する。
【背景】
【0002】
人の皮膚は、表皮、真皮、及び皮下組織からなる高い統合性の層状構造によって、外部環境に対する柔軟な障壁を身体に提供する。各層は、それ自体特有の構造及び機能を有する。人の皮膚の力学的な挙動は複雑であり、非線形及び時間依存の力学的挙動を示すことがよく知られている。
【0003】
皮膚弁/移植片再建手術中、外科医は、健康な領域(すなわち、ドナー部位)から外傷領域(すなわち、レシピエント部位)に皮膚移植片を移植する必要がある。移植片に関して、外科者は、弁がレシピエント部位に適合することができるように、ドナー部位からの切除された弁の最終的な形状を推定する必要がある。ドナー部位から切除されるとき、弁は収縮する。収縮の量は、患者特有の皮膚構造に大きく左右される。
【0004】
広く受け入れられているように、皮膚は、人の身体内で2軸で伸展され、したがって、収縮を推定する1つの方法は、様々な方向で皮膚の非伸展長さ/自然長(NL)を求めることである。この伸展状態で、皮膚は、静的及び動的な残留張力を有する。静的張力は、生来の皮膚張力であり、動的張力は、関節運動及び他の随意筋活動からの力によって引き起こされる。どちらも、皮膚弁収縮に寄与することが示されている。したがって、患者特有の皮膚弁収縮を予測するためには、生体力学特性だけでなく、対象の皮膚部位の自然張力(NT)も測定しなければならないことになる。ある研究者らは、プレテンション装置及び歪ゲージを使用して皮膚の自然張力を推定し、張力が、ランゲル線の方向でより大きいことを報告している。しかし現在、これらの方向に依存するNT及びNL値を推定する利用可能な商用デバイスは存在しない。
【0005】
通常の移植片は「弁」であり、この専門用語は、皮膚だけでなく、皮膚の下からの材料も含み、すなわち、顕微手術がレシピエント部位での血管につなぐことができる血管も含む。本出願では、簡潔に、この複合の多層を「皮膚」と呼ぶ。より狭い意味で(例えば、スキンクリームの皮膚に対する影響を評価する際に)皮膚の力学的な特性を測定することを望む者の観点からは、下にある層の生体内力学的効果が問題となる。移植片に関する観点からは、弁における複数の層の生体力学特性の組合せを近似する全体的な特徴付けがより有用となる。
【0006】
皮膚弁は、それぞれ栄養素を提供するため及び廃棄物を除去するために動脈及び戻りの静脈を有する2つの主要な層(真皮及び脂肪)を有する。移植後の生存のために、組織内部の血圧は、臨界値(32mmHg)よりも高く保たれるべきである。圧力がこれよりも低く降下する場合、血液供給は適切でなくなり、移植された弁が生存することができない。弁を元のサイズに伸展して戻すことは、その不完全な動脈接続を、それが機能しない点まで圧迫し、したがって、外科医は、浪費を避けながら、所与のレシピエント部位のために回収すべき様々な方向での余剰量の弁を決定するという複雑な問題を有する。
【0007】
現在、収縮推定は、医師の技能及び経験に基づいている。医師は通常、張力及び弾性を推定するための患者の皮膚の触覚的な摘まみ、患者の生理、ドナー部位の評価、及び他の因子に基づいて推定を行う。経験の浅い外科医は、判断ミス、定量ツールの欠如、及び皮膚の力学的挙動の不適切な理解により、弁/創傷不一致の問題が頻繁に起こる。そのような問題は、しばしば、患者にさらなる合併症及び外傷をもたらす。したがって、皮膚弁計画の重要な段階中に外科医を補助するために、適切な測定デバイスを開発する必要がある。
【0008】
通常の生理学的状態では、皮膚は伸展されていることが知られている。これは、その生体力学的挙動にかなり影響を及ぼす。皮膚に対する力学的な力の影響は、皮膚の張力の線の存在をランゲルが初めて報告した1861年以来研究されており、ランゲルの研究は、後にコックスによって報告されている。コックスの張力線は、ランゲルのものと一致しなかったが、どちらも、人の皮膚の生体力学的挙動におけるこれらの張力線の対称的な性質を報告した。これらの線は、顕微鏡技法によってしか定義することができない。これらの線に平行に切断された断面では、網状層のコラーゲン束のほとんどが長手方向で切断され、一方、線を横切って切断された断面では、束が断面内にある。真皮組織内部の繊維の好ましい向きに従う線は、その先駆的な研究が線の発見をもたらしたランゲルの功績を称えてランゲル線と呼ばれる。
【0009】
これらの張力線は、線に平行になされた切開がより小さい瘢痕を伴って癒えるので、外科医に注目される。張力線を横切る切開は、不規則な張力を引き起こすことがあり、より顕著な瘢痕化をもたらす。さらに、切除された弁の収縮は、これらの張力線に対する高い依存性を示す。残念ながら、ランゲル線の方向は、患者毎に同じではなく、かなりの相違を示し、特定の被験者に関して1つの解剖学的部位で一定でないこともある。ランゲル線は、身体のほとんどの部分で、皮膚の表面にある割線と密接に対応している。そのような線を定義する繊維の正確な向きは、貫入技法によってしか見出すことができない。そのような技法は、それらの侵襲性質により、広く適用可能ではない。
【発明の概要】
【0010】
したがって、本発明の目的は、生体力学的特性の測定のための非侵襲性試験方法を提供することであり、これはさらに、ランゲル線を特徴付けるため、及び皮膚弁収縮を術前に予測するために使用されることがある。
【0011】
第1の態様では、本発明は、皮膚の生体内生体力学特性を測定するためのアセンブリであって、試験デバイスを備え、前記試験デバイスが、皮膚に取付け可能な第1のパッドと、第1のパッドから既知の距離で、皮膚に取付け可能な第2のパッドとを備え、皮膚へのパッドの前記取付け可能性が、当該パッドと、パッドが取り付けられる皮膚との相対移動を防止し、さらに、前記パッド間の皮膚の変形によるパッド間の対応する相対移動を誘発するように、前記パッドが皮膚に取り付けられた状態で、第1と第2のパッドをつなぐ第1の軸に沿って、第1のパッドに力を加えるための付勢手段と、加えられた力を測定するための力測定デバイスと、対応する誘発された移動を測定するための変位測定デバイスとを備える、アセンブリを提供する。
【0012】
第2の態様では、本発明は、皮膚の生体内生体力学特性を測定するためのアセンブリであって、試験デバイスを備え、前記試験デバイスが、皮膚に取付け可能な第1のパッドと、第1のパッドから既知の距離で、皮膚に取付け可能な第2のパッドとを備え、皮膚へのパッドの前記取付け可能性が、当該パッドと、パッドが取り付けられる皮膚との相対移動を防止し、さらに、前記パッド間の皮膚の変形によるパッドの対応する相対移動を誘発するように、前記パッドが皮膚に取り付けられた状態で、第1と第2のパッドをつなぐ第2の軸に直交する第1の軸に沿って、第1のパッドに力を加えるための付勢手段と、加えられた力を測定するための力測定デバイスと、対応する誘発された移動を測定するための変位測定デバイスとを備える、アセンブリを提供する。
【0013】
本発明は、皮膚の力学的な特性を得るために、単に皮膚への測定デバイスの取付けによる代替の非侵襲性手法を取ることによって、外科手術の侵襲性手法を回避することができる。外科的手法は追加の情報を提供することがあるが、本発明によって解決される測定問題には不要である。
【0014】
デバイスが企図されている加えられる力及び歪の実効範囲内で、皮膚とパッドとの相対移動の防止が適用可能であることを当業者は理解されよう。
【0015】
さらに、本発明はまた、患者の広い範囲を調べるより迅速な手段を提供し、それにより、複数の位置での反復測定によって、より完全なマップを提供する。ある点での外科手術はその近くの位置での歪及び張力を変えるので、これは、外科的手法では実用できないことがある。
【0016】
本発明はまた、皮膚弁収縮を術前に予測したいと思う外科医のためのツールを提供する。したがって、治癒プロセスを最適化するため、及び張力に関係付けられる瘢痕を減少するために回収すべきドナー弁の設計は、手術室とは別の場所で行うことができる。
【0017】
好ましい実施形態では、試験デバイスはまた、支持ブラケットに摺動可能に取り付けられた第1のパッドと、支持ブラケットに固定して取り付けられた第2のパッドとを有する支持ブラケットを含むことがあり、第1のパッドが第1の軸に平行に摺動可能である。
【0018】
より好ましい実施形態では、試験デバイスはまた、第2と第3のパッドの間で中間に第1のパッドを配置するように、皮膚に取り付けられ、且つ第1の軸に沿って支持ブラケットに固定して取り付けられた第3のパッドを含むことがある。第3のパッドの目的は、第1と第2のパッドの間の測定される皮膚を外乱から隔離することである。それにより、直接の軸方向力が加えられることがあり、直接力/伸長特性がより正確に決定される。測定中にさらなる安定性を提供するために、望みに応じて、支持ブラケットに取り付けられる追加のパッドが使用されることもある。
【0019】
代替実施形態では、試験デバイスは、皮膚に取り付けられ、支持ブラケットに固定して取り付けられた第2のパッドを使用し、第2のパッドが、第1の軸に直交する第2の軸に沿って第1のパッドから離隔されることがある。力の同様の付加によって、初めは第1のパッドと水平である第2のパッドの位置が、皮膚のせん断力/伸長特性の測定を可能にすることがある。
【0020】
いずれの実施形態でも、試験デバイスは、支持ブラケットに固定された第2及び第3のパッドと、所望の位置に摺動可能な、又は皮膚に取り付けられたときに、適切な測定を行うために皮膚の局所的な圧縮/伸張を可能にするように摺動可能な第1のパッドとを有する単体デバイスであってよい。
【0021】
この単体構造は、さらに、患者の複数の位置での複数の読取りを容易にするためのより簡単な再取付けを可能にすることができる。また、支持ブラケットは、試験中に、ある程度の安定性を試験デバイスに提供することができる。力の付加は、皮膚からずれることがあり、それによりパッドの周りにモーメントを加える。支持ブラケットの使用は、パッドとの高耐性の係合により、このモーメントに抵抗することができ、それにより回転変位は許されない。したがって、この実施形態では、回転又はモーメントの任意の誤差が最小限にされる、又は回避されることがある。
【0022】
さらなる好ましい実施形態では、付勢手段が、皮膚に所定の歪速度で力を選択的に加えるための一定歪速度アクチュエータを含むことがある。皮膚の粘弾性特性は、歪の不均一な付加による誤った測定を受けやすくすることがある。さらに、測定を標準化するために、一定の速度、例えば0.35mm/秒で歪を付加することが必要となることがある。前記アクチュエータは、さらに、ウォームギアによって、又は他の適切な高耐性デバイスを介して力を加えることがあり、力付加装置の正確な移動を保証する。
【0023】
より好ましい実施形態では、一定歪速度アクチュエータの制御は、力の付加を自動的に制御し、それと同時に力及び変位を記録する制御システムに従うことがある。また、この情報は、瞬時にプロッタに転記されることがあり、ファイルに電子的に記憶されることがあり、又はその両方が行われることもある。
【0024】
さらなる好ましい実施形態では、パッドは、皮膚取付け手段を使用して皮膚に取り付けられることがあり、前記皮膚取付け手段は、両面テープ又は液体接着剤などの接着材と、各パッドを皮膚に留めるためのクランプと、ストラップの張力によってパッドを取り付ける、各パッドを皮膚に縛るためのストラップとの任意の1つ又は組合せを含むことがある。例えば、ストラップは、Velcro(商標)によって閉じられることがある。ストラップは、さらに、パッドに皮膚取付け力を集中するための、ストラップと皮膚との間でパッドの下に配置されたスペーサを含むことがある。
【0025】
より好ましい実施形態では、力は、ロードセルによって測定されることがある。このロードセルは、さらに、パッドに接触して、好ましくは皮膚取付け手段に接触して、皮膚に隣接して位置されることがある。
【0026】
この試験デバイスの適用は、患者の皮膚の生体力学的特性の決定を含むことがあり、この生体力学的特性は、線形及びせん断力伸長特性と、力弛緩及びクリープなど時間依存の力及び伸長特性との任意の1つ又は組合せを含むことがある。
【0027】
複数の点で、付加された力と、対応する誘発された移動との複数の測定を行うことによって、2次元生体力学特性を決定することができ、これは、ランゲル線の方向、皮膚弁収縮を決定するための生体力学特性、自然張力、及び自然長測定値を決定することを含むことがある。
【0028】
好ましい実施形態では、支持ブラケットへの第2及び第3のパッドの固定取付けは、前記パッドの摺動を可能にするように選択的に調節可能であることがある。
【0029】
誤差の原因は、試験デバイスがパッドで皮膚に押圧する一貫性のない圧力と、操作者によって使用される取扱い手段とを含むことがあることに留意すべきである。したがって、好ましい実施形態では、アセンブリはまた、外部本体を係合するための係合部分と、試験デバイスを保持するための保持部分とを有する位置決めアセンブリを含むことがあり、前記位置決めアセンブリは、指定された力で、皮膚に対して一定であり且つ一貫したパッドの圧力を加えるように適合される。
【0030】
好ましい実施形態では、保持部分は、試験デバイスとの選択的な摺動係合部を有することがある。また、位置決めアセンブリは、皮膚に対して試験デバイスを位置決めするために選択的に変形可能であることがある。
【0031】
より好ましい実施形態では、保持部分は、試験デバイスによって皮膚に直角に加えられる力の成分を測定するために負荷測定デバイスを含むことがある。負荷測定デバイスはまた、パッドが均等な圧力を皮膚に加えることを確実にするために、加えられたトルクを測定することもある。
【0032】
第3の態様では、本発明は、皮膚の生体内生体力学特性を測定するための方法であって、皮膚に第1のパッドを取り付けるステップと、第1のパッドから既知の距離で、皮膚に第2のパッドを取り付けるステップであって、前記パッドが、当該パッドと皮膚との相対移動を防止するように取り付けられるステップと、前記パッド間の皮膚の変形によるパッドの対応する相対移動を誘発するために、第1と第2のパッドをつなぐ第1の軸に沿って、第1のパッドに力を加えるステップと、加えられた力を測定するステップと、対応する誘発された移動を測定するステップとを含む方法を提供する。
【0033】
好ましい実施形態では、この方法は、皮膚の同じ領域に関して複数の方向で、加えられた力と、対応する誘発された移動とを測定するステップと、複数の方向での測定に基づいて2次元生体力学特性を決定するステップとを含むことがある。最も好ましい実施形態では、これは、皮膚弁収縮を推定するために、皮膚の前記領域内でのランゲル線の方向、及び他の必要な生体力学的特性、並びに自然張力測定値を決定するのに十分な情報を提供することがある。
【0034】
第4の態様では、本発明は、皮膚の生体内自然長を測定するための方法であって、皮膚に第1のパッドを取り付けるステップと、第1のパッドから既知の距離で、皮膚に第2のパッドを取り付けるステップと、第2と第3のパッドの中間に第1のパッドを配置するように、第1と第2のパッドをつなぐ第1の軸と同一直線上に皮膚に第3のパッドを取り付けるステップとを含み、前記パッドが、当該パッドと皮膚との相対移動を防止するように取り付けられ、さらに、所定の物理的限界まで、前記パッド間での皮膚の所望の変形を引き起こすようにパッドの相対移動を誘発するために、第3のパッドに向かって第1の軸に沿って、第1のパッドに力を加えるステップと、前記限界に達した時に、加えられた力を測定するステップと、前記力を解放するステップと、より第1のパッドに近い所定の距離に前記第2と第3のパッドのいずれか又は両方を取り付け直すステップと、所定の限界まで、前記パッド間の皮膚の所望の変形を引き起こすようにパッドの相対移動を誘発するために、第3のパッドに向かって第1の軸に沿って、第1のパッドに力を再び加えるステップと、前記限界に達した時に、加えられた力を測定するステップと、前記力を解放するステップと、測定された力に関する指定された基準に達するまで、取り付け直すステップ、再び加えるステップ、測定するステップ、及び解放するステップのサイクルを繰り返すステップとを含み、自然長が、指定された基準に達した時の第2と第3のパッドの間の距離に等しい方法を提供する。
【0035】
第5の態様では、本発明は、皮膚の生体内自然張力を測定するための方法であって、皮膚に第1のパッドを取り付けるステップと、前記第1のパッドから既知の距離で、皮膚に第2のパッドを取り付けるステップとを含み、前記パッドが、当該パッドと皮膚との相対移動を防止するように取り付けられ、さらに、第1と第2のパッド間の距離が皮膚の自然長に等しくなるまで、前記パッド間での皮膚の変形を引き起こすようにパッドの対応する相対移動を誘発するために、第1と第2のパッドをつなぐ第1の軸に沿って、第2のパッドに向かって、第1のパッドに力を加えるステップと、加えられた力を測定するステップであって、加えられた力が、前記自然張力に等しいステップとを含む方法を提供する。
【0036】
本発明の取り得る構成を例示する添付図面を参照しながら本発明をさらに説明することが簡便であろう。本発明の他の構成も可能であり、したがって、添付図面の詳細は、本発明の前述の説明の一般性に取って代わるものとは理解すべきでない。
【好ましい実施形態の説明】
【0037】
高弾性係数領域での負荷は、主に、きつく引っ張られたコラーゲン繊維の伸展によるものであり、一方、典型的なコラーゲン分子が十分に弛緩して皮膚伸展に対してほとんど抵抗を示さない低弾性係数領域/初期段階での振舞いは、エラスチンネットワークの変形が支配していることが報告されている。したがって、力伸長曲線の高弾性係数領域を研究することによって、コラーゲン構造に関する情報を得ることが可能である。
【0038】
様々な向きで固定点を通る応力歪曲線の高剛性領域の弾性係数が極座標でプロットされるとき、試験方向に関する力学的な特性のグラフは周期的である。これらの点が楕円形状1を形成するようにつながることは図1から明らかである。
【0039】
これらの結果は、ランゲル線5が、網状真皮組織内部の繊維の好ましい向きであるという仮定を実証する。図1に示される結果は、局所ランゲル線5の方向を、複数の力伸長テストによって能動的に求めることができることを実証する。しかし、多くの方向での負荷伸張曲線の完全なセットを得ることは、非常に時間がかかる。
【0040】
図2は、そのようなテストの数を制限する効果を示す。必要とされるテストの数を最小限にするために、3つの点F1、F2、及びF3のみを使用して公式化される数学的処置が採用されることがある。3つのデータ点が楕円10を辿ると仮定される。3つのデータ点に最も良く適合する楕円の式を見出すために、全ての計算が極座標で行われ、楕円の式は以下のように与えられる。
【数1】


ここで、
a=楕円の長軸
b=楕円の短軸
θ=楕円上の任意の点と長軸との間の角度
【0041】
0°での第1のデータ点F1は、皮膚の割線(ランゲル線に近いものとして知られている)の方向にほぼ沿って取られ、したがってこの大きさは、F2及びF3よりも大きい。したがって、楕円の長軸はこの点の近くに位置すると予想され、それゆえθの値は小さいと予想される。45°のサンプリング間隔を選択することによって、3つのデータ点が、高い適合精度のために楕円の1象限をできるだけ大きくカバーすることを保証することができる。別法として、3つのデータ点が少なくとも2象限に及ぶように、60°の角度で3つの線を選択することもできる。F1、F2、F3に対するテストデータと、角度とを式(1)に代入することによって、方程式(2)を得ることができる。その後、方程式(2)を最も良く満足する数値解を見出すことができる。
【数2】


適合誤差は、θを正確に取り、同じ角度での実験データと楕円上のデータとの間の差を見出すことによって計算される。3つのデータ点のうちの最大誤差が、適合誤差とみなされる。
【0042】
したがって、局所ランゲル線の方向を見極めるこの理想的な方法は、互いに45°又は60°の3つの異なる方向での負荷伸張データセットを生成するために試験デバイスを使用するものである。次いで、式(2)によって示される数学的原理を使用することによって、予測される楕円の極方程式が数値的に解かれる。ランゲル線の方向は、楕円の長軸の方向に対応する。
【0043】
別法として、楕円は、(任意の2つの直交方向、又は測定のうち2つの方向など、任意の簡便な軸系に対して)
ax+2bxy+cy=1 (3)
という形の式によって表わされると考えることもできる。
【0044】
このとき、X+Y=1(すなわち単位ベクトル)を有するベクトル(X,Y)の方向での単位力による伸張は、その方向での式(3)の大きな半径がaX+2bXY+cYの小さな値に対応するので、ax+2bxy+cyに反比例する。したがって、3つのベクトル(X,Y)、(X,Y)、及び(X,Y)のそれぞれの方向でのそのような伸張E、E、及びEを仮定すると、3つの係数a、b、及びcでの線形問題
【数3】


を得る。これは、3つの方向が異なる場合に良く定義され、3つの方向が十分に離隔されている場合に最もロバストな解
【数4】


を有する。このとき、現在の点を通るランゲル線は、より小さな固有値
【数5】


に属する固有線であり、すなわち、線
(a−λ)x+by=0
又はそれと等価に
bx+(c−λ)y=0
である。
【0045】
当業者には、多くの代替の数式がこれらと等価なものとして認識されよう。
【0046】
したがって、前述の結果を実現するために、本発明の一実施形態による試験デバイス18が図3に示される。3つのパッド20、25、及び30が、患者の皮膚に取り付けられる。パッドのうち2つは、ブラケット60に空間的に固定され、第3のパッド30は、前記ブラケット60と摺動係合している。サーボモータ50が、ウォームギア45に作用して、摺動可能なパッド30に力を加えて、遠位パッド20又は近位パッド25に向けてパッド30を偏らせる。加えられた力の記録が、ロードセル35によって測定され、この実施形態では電子的に記録される(図示せず)。
【0047】
変位は、変位トランスデューサによって測定されることがある。したがって、皮膚の伸張又は収縮40中の変位又は時間に対する力の付加のログを記録することができる。患者の不快感を回避するため、また、パッドの取付け手段の皮膚に対する完全性を保証するために、50%の好ましい加えられる最大歪が採用されることがある。
【0048】
図4aは、試験デバイスの代替構成65を示す。ここで、遠位パッド70は、力80の付加に対して直角に位置決めされる。したがって、図4bに示されるように、摺動可能なパッド75は、皮膚を伸展してせん断効果を生じやすくなる。
【0049】
図3における構成の結果のプロットが、伸長と張力との関係の直接的な特徴付けを提供する一方で、図4aの構成に関する位置的に課せられた歪に対する力の同等のプロットは、伸長とせん断との関係の特徴付けを生み出し、本発明の試験デバイスの実施形態によって提供される生体力学的な特性の範囲をさらに増す。
【0050】
図5は、図3の直接力付加デバイスに対する代替構成85を示す。ここでは、サーボモータ100が、ギア45の上に配置され、駆動力は、ベルト又はチェーン駆動構成90、95を介して提供される。図3の構成と同様に、直接力/伸長測定のために、摺動可能なパッドが近位パッド25に向けて偏らされる(40)。
【0051】
図6は、アセンブリ全体に対する追加の構成を示し、ここでは、試験デバイス18が、位置決めアセンブリ105に取り付けられる。この位置決めアセンブリ105は、安定な外部位置に取り付けられることがあるブラケット又はプラットフォーム108と、可撓性の関節式アーム110とを含む。アーム110の遠位端には保持構成118があり、それにより、試験デバイス18を、スライド115を介して摺動構成120内に支持することができる。このとき、位置決めアセンブリ105から試験デバイス18を離すために、さらなる延在アーム119が使用される。
【0052】
したがって、位置決めアセンブリ105は、操作者がデバイスを取り扱うことなく、任意の数の構成で試験デバイス18を位置決めすることができる。スライド115は、デバイス18が、それ自体の重量で皮膚125の上に水平方向に位置することを可能にし、それにより、パッド20、25、及び30が皮膚を押圧する圧力を標準化する。この標準化及び操作者取扱いの不要が、一貫した再現可能な測定を行うことを可能にする。
【0053】
図7は、位置決めアセンブリ105のさらなる構成を示し、ここでは、図6の保持構成118が、保持係合機構135で置き換えられている。
【0054】
試験デバイス18は、好ましくは、測定中に標準的な力で皮膚を押圧する。そうでない場合、読取値が試料毎に異なることがある。圧力が非常に高い場合、パッドの下の皮膚は、過剰に圧縮される。これにより、パッド間の皮膚が外側に押し出て、測定に影響を及ぼすことがある。さらにまた、ロードセルが、オフセット読取値を示し、さらに誤差に寄与する。最後に、皮膚の圧縮は、内部の生物学的構造を押し付け合わせ、これは、力学的な挙動に影響を及ぼす。逆に、圧力が非常に小さく、それによりパッドが皮膚に軽くしか触れない場合、皮膚取付け手段は、小さな歪の後に簡単に外れることがある。したがって、読取値は、皮膚に対する圧力と、操作者の異なる取扱い処置とによって影響を及ぼされることがある。したがって、時間にわたって、且つ異なる操作者間で一貫した再現可能な測定結果のためには、標準化が非常に魅力的である。
【0055】
さらなる好ましい実施形態では、ロードセルは、トルクを測定することもあり、全てのパッドが同じ力で皮膚を押圧することを確実にする。何らかの不均等が存在する場合、生じたトルクが示される。別法として、各パッドの下に配置されたロードセルが、パッド間での圧力の差を検出するために使用され、その後、圧力のバランスを取るために使用されることがある。操作者は、指定された力及びトルクがロードセルメータ140で示されるまで皮膚にデバイスを押し付ける。次いで、測定が始まる。この構成は、デバイスが表面に対して任意の角度で配置されることを可能にする。
【0056】
さらなる実施形態では、生体内実験中の「エッジ効果」を最小限にするために、異なるサイズのパッドが使用されることがある。「アスペクト比」(パッド幅と、パッド間の距離との比)の増加が、生体内データと試験管内データとの差を減少することがあることが示唆されている。したがって、2.5など実用上大きなアスペクト比を有するパッドを選択することによって、生体内測定環境内での周囲材料による誤差寄与が最小限にされることがある。したがって、達成される結果は、(せん断応答など、何らかの測定はより困難になることがあるが)試験管内で測定されるよりも材料の真の特性に近くなる。これは、従来標準のデバイスの使用によって獲得されたデータに対する、本発明によって獲得されるデータの比較及び正規化を可能にする。
【0057】
以下の議論は、図8a及び図8bを参照する。試験管内測定では、材料の応力歪特性を正確に測定することができる。これは、引張試験機の把持機構が試料を完全にカバーするように、テスト試料が適当なサイズで準備されるからである。したがって、引張り中、材料内の張力線(より大きな固有値に関しては、応力テンソルの主方向)は、加えられる力の方向に全て整列される。
【0058】
他方、生体内測定では、(把持機構として作用する)パッドが測定中に移動して離れるとき、隣接する材料も変形される。したがって、隣接する材料からの追加のテンソル寄与があり、測定は、パッド間の材料の応力歪特性を完全には表さない。
【0059】
生体内テストからの応力歪データは、試験管内テストに比べて大きい。これは、伸縮計など全ての生体内試験機に関して問題である。
【0060】
一実施形態では、パッドの幅は、パッド間の離隔に比べて大きいことがある。アスペクト比(パッドの離隔距離に対するパッドの幅の比)の増加は、標準の試験管内テストと比較して、生体内テストから得られる応力歪結果の間の誤差を減少することがある。
【0061】
大きなアスペクト比では、伸展中、脚部165a、b間のテンソル成分170が、側部180から寄与するテンソル成分に比べて主流である。側部テンソル180からの影響は比較的最小であり、測定は、パッド間の実際の応力歪に近付く。したがって、測定されるデータは、試験管内データに近付く。
【0062】
これは、数学的に説明することもできる。幅広のパッド165a、b(大きなアスペクト比の構成)の幅が、小さなパッド160a、bよりも4倍大きい状況を仮定する。
【0063】
FL=小さなパッド160a、b間の直線テンソル175からの力寄与とする。
【0064】
このとき、幅広のパッド間の主テンソル成分170からの力=4FLである。
【0065】
S1=隣接する材料の伸展による小さなパッドでの横方向テンソル成分185からの力寄与とする。
【0066】
S2=隣接する材料の伸展による幅広のパッドでの横方向テンソル成分180からの力寄与とする。
【0067】
したがって、小さなパッドでの応力は、
【数6】


であり、幅広のパッドでの応力は、
【数7】


である。試験管内テストでは、FS1=0又はFS2=0であり、したがって応力は、
【数8】


である。
【0068】
σIn−vitroと比較すると、式FS1/Wは、σSmallに関する誤差項であり、FS2/4Wは、σWideに関する誤差項である。小さなパッド及び幅広のパッドはどちらも、一緒に伸展する隣接する材料によって取り囲まれているので、両パッドでの横方向テンソル成分は近い。したがって、FS1≒FS2と仮定することができる。
【0069】
それゆえ、FS2/4Wは、FS1/Wのほぼ4分の1である。
【0070】
したがって、σWideは、σSmallよりも、σIn−vitroにはるかに近い。
【0071】
一般に、幅広のパッドの幅が増加するにつれて、誤差項は減少し、結果は、試験管内結果に向かって徐々に収束する。したがって、測定はより正確になる。
【0072】
パッドのための代替構成が、図9a及び図9bに示される。ここで、「シールドパッド」の概念が導入される。第1の実施形態では、パッド構成190は、前述の実施形態による固定パッド195を含む。さらに含まれるのは、周辺パッド205a、bであり、これらは、センサパッド200に対する「シールドパッド」として働く。
【0073】
典型的な伸縮計は、測定中に移動して離れる(皮膚に取り付けられた)2つのパッドを有する。この構成190では、生体内で測定される力は、同じ伸張に関して、試験管内のものよりも常に高い。試験管内測定では、材料は、幅がパッド又はグリッパの幅と同じになる/パッド又はグリッパの幅よりも小さくなるように切除されて準備される。
【0074】
生体内測定では、周囲材料がパッド間の材料と一緒に伸展されるので、測定される力はより高くなる。図9aは、生体内測定での経過を例示するために、簡略化されたテンソル線210、215を示す。
【0075】
所望のデータは、パッド210と195との間の皮膚210の力学的な特性であるので、テンソル線215による寄与は望ましくない。さらに、以下の理由から、「試験管内」データが必要とされる。
1.有限要素モデリングが、皮膚弁収縮をシミュレートするために真の材料特性を必要とする。
2.皮膚の真のNL、弾性係数、及びNTを見出すため。
3.試験管内データは、測定される方向で皮膚の「真の単軸」特性を反映する。測定されるデータが、他の方向での皮膚の特性によって影響を及ぼされる場合、データ解釈がより難しくなる。
【0076】
この構成の右側で、上側周辺パッド205aと下側周辺パッド205bとが、ロードセルを含むセンサパッドを挟む。これらの周辺パッド205a、bは、センサパッドを周囲の力から効果的に遮蔽し、ロードセルは、パッド195とパッド200との間の力210を主に受ける。したがって、測定される結果は、試験管内結果にはるかに近付く。
【0077】
「シールドパッド」概念の代替実施形態では、図9bに示されるように、ロードセルを外部の力からさらに隔離するために、センサパッド235の完全な遮蔽のためにC字形パッド225が使用されることもある。
【0078】
図10〜12は、本発明の態様に従って伸縮計を使用して生体内で皮膚のNLを見出すための方法を示す。
【0079】
この方法の一実施形態では、図10の(a)〜(d)が4段階プロセスを示す。ここでは、2つの大きなサイドパッド250、255が皮膚252に取り付けられ、ロードセルパッド260が、左のパッドからの固定距離(d)から、指定された伸張(x)での力を測定する。この実施形態では、60mmのパッド250、255間の距離に関して、固定距離(d)は、10〜30mmの範囲内となることがあり、指定された伸張(x)は、10mmである。図10の(a)に示される段階1で、力Fが最高になる。図10の(b)に示されるように段階2でサイドパッド250、255が一緒に移動するとき(xで表わされる)、間の皮膚253は、わずかに弛緩される。したがって、同じ位置(d)及び同じ伸張xで測定される力(F)はより低くなる。パッド(x)の増分移動が約1mmであってよいことに留意すべきである。
【0080】
図10の(c)に示されるように段階3にパッド250、255が移動するとき、間の皮膚254は、自然長に到達し、完全に弛緩される。それゆえ、測定される力Fは、理想的には最小値に達する。それに続く任意の距離(x)では、測定される力は同じ値のままである(F=F)。他方、自然長に達した後、図10の(d)に示されるように皮膚256が縮む場合、測定される力はより高くなる(F4a>F)(335)。
【0081】
図12aに示されるように、上のいずれの場合にも、曲線310が平坦340になる移行点330が観察され、その移行点330は自然長位置に対応する。いくつかの状況では、曲線は、予想されるように水平にならないことがあり、勾配は、ゼロに近い低い値F4bまで降下することがある(345)。移行点は、指定されたしきい値まで勾配が降下する点とみなされることがある。
【0082】
図10の(a)〜(d)の方法に続いて、サイドパッドが一緒に移動される(x)ときはいつでも、ロードセルパッド260を取り除くことが必要であることがある。ロードセルパッド260が距離(d)で皮膚に取り付けられており、右のパッドがより近くに移動される場合、ロードセルパッドの両側にある皮膚は不均等に分布されることがある。この場合、結果は十分に正確ではないことがある。
【0083】
さらに、皮膚は、サイドパッド250、255の間で不均等に皺が寄ることがあり、よりサイドパッド250に近い皮膚は、中央に近い皮膚よりも大きく皺が生じる。
【0084】
この不均等な皺は、皮膚が左右で均等に分布されるようにロードセルパッド260がサイドパッド250、255の中心に常に保たれていない限り、ロードセルパッド260での力測定に関する問題を生じることがある。しかし、ロードセルパッドは、片側から標準の距離(d)で保たれなければならないので、不均等な皺が力測定を不正確にすることがある。
【0085】
図11の(a)〜(d)の方法によって示されるさらなる実施形態で解決策が示される。ここでは、目的は、歪に関して考慮することである。これは、ロードセルパッドを常に中心に保つことによって行われ、同じ伸張での力の代わりに、場合によっては5%〜100%の範囲内での同じ歪(ε)での力に関する結果をプロットする。図11の(a)〜(d)に示されるように、距離d1〜d4は、60mmのパッド離隔に関して10〜30mmの範囲内であってよい。
【0086】
予想される結果が図12bに例示され、ここで、各曲線に関する指定された歪(ε)での力がxに対してプロットされ(350)、xは、図10の(a)〜(d)に示される方法と同様に1mmの増分であってよい。力の代わりに、指定された歪での各曲線のエネルギー(単位長さ当たり)がプロットされることもある(355)。このエネルギーは、(指定された歪までの)曲線の下の面積を計算することによって見出される。実用上、エネルギーは、力よりも良いパラメータであり、これは、このパラメータが測定雑音をあまり受けないからである。
【0087】
より高い精度が必要とされる場合、自動化の難しさ及び不均等な皮膚の皺によって引き起こされる問題は、この代替方法で解決されることがある。ロードセルパッドを常に中心に保つことによって、その左右への皮膚の分布は常に均等になる。したがって、力測定は正確である。さらに、サイドパッドの後退の度にロードセルパッドを取り除く必要がなく、それにより自動化を簡単にする。
【0088】
さらなる実施形態では、本発明による方法は、図13の(a)及び(b)に示されるように、「シールドパッド」実施形態を使用して、皮膚のNT、弾性係数、及びNLを測定するために採用されることがある。前述したように、「シールドパッド」実施形態は、測定される力を一方向に効果的に低減する。
【0089】
伸縮計によって測定される力は、ロードセル360の左(F)と右(F)とでの皮膚張力の差、すなわちF−Fである。伸縮計が皮膚362に最初に取り付けられるとき、右側での自然張力(T)が左側での自然張力を打ち消すので、ロードセルパッド360は力を読み取らない。通常の無応力位置でのパッド360、365の離隔距離は、ほぼ25mmであってよい。
【0090】
ロードセルパッド360が、固定パッド365に向かって左に移動されて皮膚367を縮めるとき、張力Fは、典型的なJ字形で徐々に減少する。他方、張力Fは、皮膚367が右手側で「無限に」長い場合、ほぼ一定のままである。加えられる変位は、はるかに大きな皮膚表面に比べて小さいので、これは妥当な仮定である。Fが圧縮中に一定のままではないという問題がある場合、この問題を解決するために、特にC字形パッドシールド225を使用することができる。
【0091】
ロードセルパッド360が、パッド360、365間の皮膚367が自然長(NL)になる位置に達するとき、この位置で、張力Fはゼロであり、Fは自然張力Tのままである。したがって、ロードセルは、自然張力を読み取る。
【0092】
パッド離隔距離がさらに減少されるとき、中央の皮膚が縮められる。この段階では、力伸長読取りに、3つの異なるケースが生じ得る(図14参照)。第1のケース368では、力の変化は、皮膚が弛緩して緩やかに上方向に皺が寄るにつれて、変位と共に小さくなる。第2のケース369では、力の変化は、元の曲線に沿って、変位と共に線形に増加し続ける。第3のケース370では、力の変化は、皮膚に皺が生じて絞り込まれるにつれて、変位と共にさらに大きくなる。より多くの皮膚が絞り込まれるにつれて、皮膚組織が互いに密接に絞り込まれるので、測定される力は、最終的には大幅に増加して下方向に曲がることに留意されたい。
【0093】
上の第1及び第2のケース368及び370では、力変位曲線は、当初の直線から方向を変える。これらのケースでは、自然長に対応する移行点371を明確に識別することができる。第2のケース369に関しては、自然長は大きく評価され、しかし、このケースは比較的まれであることが実験で示されている。
【0094】
上のことから自然長371が決定されるとき、皮膚の力伸長挙動の真の原点372を定位することができる(図15参照)。ここから、自然張力373を直接導出することができ、直線374の勾配が、第1の段階での皮膚の弾性係数である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】ランゲル線を定位するために使用されるグラフである。
【図2】図1の楕円を識別するために使用される一手法の図である。
【図3】本発明による一実施形態の斜視図である。
【図4a】本発明による第2の実施形態の図である。
【図4b】本発明による第2の実施形態の図である。
【図5】本発明による第3の実施形態の斜視図である。
【図6】本発明による第4の実施形態の斜視図である。
【図7】本発明による第5の実施形態の斜視図である。
【図8a】本発明による皮膚の負荷分布の概略図である。
【図8b】本発明による皮膚の負荷分布の概略図である。
【図9a】本発明による第6の実施形態の平面図である。
【図9b】本発明による第6の実施形態の平面図である。
【図10】本発明のさらなる実施形態による方法の一連の図である。
【図11】本発明のさらなる実施形態による方法の一連の図である。
【図12a】図10及び11の方法を行った実験結果である。
【図12b】図10及び11の方法を行った実験結果である。
【図13】本発明のさらなる実施形態による方法の一連の図である。
【図14】パッド離隔距離がさらに減少されるとき、中央の皮膚が縮められた場合における、力伸長読取りの状態を示す図である。
【図15】自然長371が決定されるとき、皮膚の力伸長挙動の真の原点372を定位することができることを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験デバイスを備える、皮膚の生体内生体力学特性を測定するためのアセンブリであって、
前記試験デバイスが、前記皮膚に取付け可能な第1のパッドを備え、
前記試験デバイスが、前記第1のパッドから既知の距離で、前記皮膚に取付け可能な第2のパッドを備え、
前記皮膚への前記パッドの前記取付け可能性が、当該パッドと、前記パッドが取り付けられる前記皮膚との相対移動を防止し、
前記試験デバイスが、前記パッド間の前記皮膚の変形による前記パッドの対応する相対移動を誘発するように、前記パッドが前記皮膚に取り付けられた状態で、前記第1と第2のパッドをつなぐ第1の軸に沿って、前記第1のパッドに力を加えるための付勢手段を備え、
前記試験デバイスが、前記加えられた力を測定するための力測定デバイスを備え、
前記試験デバイスが、前記対応する誘発された移動を測定するための変位測定デバイスを備える、アセンブリ。
【請求項2】
前記試験デバイスが、さらに、支持ブラケットを含み、
前記第1のパッドが、前記支持ブラケットに摺動可能に取り付けられ、
前記第2のパッドが、前記支持ブラケットに固定して取り付けられ、
前記第1のパッドが、前記第1の軸に平行に摺動可能である、
請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記試験デバイスが、さらに、前記第2と第3のパッドの間で中間に前記第1のパッドを配置するように、前記皮膚に取付け可能であり、且つ前記第1の軸に沿って前記支持ブラケットに固定して取り付けられた第3のパッドを含む、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記試験デバイスが、さらに、前記皮膚に取付け可能であり、且つ前記支持ブラケットに固定して取り付けられた第3のパッドを含み、前記第3のパッドが、前記第1の軸に直交する第2の軸に沿って前記第1のパッドから離隔される、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記付勢手段が、前記皮膚の所定の歪速度で前記力を選択的に加えるための一定歪速度アクチュエータを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
パッドが、皮膚取付け手段を使用して前記皮膚に取付け可能であり、前記皮膚取付け手段が、接着材と、両面テープと、各パッドを前記皮膚に留めるためのクランプと、各パッドを前記皮膚に縛るためのストラップとのいずれか1つ又は組合せを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記ストラップが、前記パッドに皮膚取付け力を集中するための、前記ストラップと皮膚との間で前記パッドの下に配置されたスペーサを含む、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記生体力学特性が、力伸長特性と、時間依存の力及び歪特性との任意の1つ又は組合せを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
一点を通って複数の方向への、加えられる力と、対応する誘発される移動との複数の測定値が、前記点での2次元生体力学特性を決定するために使用される、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記2次元生体力学特性が、前記点を通るランゲル線の方向を決定することを含む、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記支持ブラケットに対する前記第2及び第3のパッドの固定取付けが、前記パッドの摺動を可能にするように選択的に調節可能である、請求項3〜10のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項12】
さらに、外部本体を係合するための係合部分と、前記試験デバイスを保持するための保持部分とを有する位置決めアセンブリを含み、前記位置決めアセンブリが、前記試験デバイスの重量を選択的に支持するように適合された、請求項1〜11のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記保持部分が、前記試験デバイスの制約された摺動係合部を含む、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記位置決めアセンブリが、前記皮膚に対して前記試験デバイスを位置決めするために選択的に変形可能である、請求項13に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記保持部分が、前記試験デバイスによって前記皮膚に加えられる力及びトルクを測定するために負荷測定デバイスを含む、請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記付勢手段が、前記一定歪速度アクチュエータと前記第1のパッドとの間で中間にウォームギアを含む、請求項5〜15のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項17】
さらに、前記皮膚取付け手段を使用して前記皮膚に取付け可能な少なくとも1つの支持パッドを含み、前記支持パッドが、前記支持ブラケットに取り付けられ、それにより前記少なくとも1つのパッドが、前記加えられる力の付加時に前記試験デバイスに対する追加の支持を提供するように位置決め可能である、請求項1〜16のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記第1と第2のパッドを離隔する前記既知の距離に対するパッド幅の比が、少なくとも1.0である、請求項1〜17のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記比が、少なくとも2.5である請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項20】
試験デバイスを備える、皮膚の生体内生体力学特性を測定するためのアセンブリであって、
前記試験デバイスが、前記皮膚に取付け可能な第1のパッドアレイを備え、
前記試験デバイスが、前記第1のパッドアレイから既知の距離で、前記皮膚に取付け可能な第2のパッドを備え、
前記皮膚への前記パッドの前記取付け可能性が、当該パッドと、前記パッドが取り付けられる前記皮膚との相対移動を防止し、
前記試験デバイスが、前記皮膚の変形による前記第1のパッドアレイの一部分と前記第2のパッドとの対応する相対移動を誘発するように、前記第1のパッドアレイと第2のパッドとが前記皮膚に取り付けられた状態で、前記第1のパッドアレイと第2のパッドとをつなぐ第1の軸に沿って、前記第1のパッドアレイに力を加えるための付勢手段を備え、
前記試験デバイスが、前記加えられた力の結果としての、前記第1のパッドアレイの前記部分と前記第2のパッドとの間での力を測定するための力測定デバイスを備え、
前記試験デバイスが、前記対応する誘発された移動を測定するための変位測定デバイスを備える、アセンブリ。
【請求項21】
前記第1のパッドアレイの前記部分が、前記第1のパッドアレイを形成する他のパッドから隔離されたセンサパッドを含む、請求項20に記載のアセンブリ。
【請求項22】
前記第1のパッドアレイが、さらに、前記センサパッドの周辺に配置された少なくとも2つの別個のパッドを備え、前記付勢手段が、前記別個のパッドに取り付けられる、請求項21に記載のアセンブリ。
【請求項23】
前記第1のパッドアレイが、さらに、前記センサパッドよりも大きい幅のスプレッダパッドを備え、前記センサパッドが、前記スプレッダパッドに隣接して、且つ前記スプレッダパッドと第2のパッドとの中間に配置され、前記付勢手段が、前記スプレッダパッドに取り付けられる、請求項21に記載のアセンブリ。
【請求項24】
前記スプレッダパッドが、C字形であり、前記センサパッドが、前記C字形の凹部領域内部に位置される、請求項23に記載のアセンブリ。
【請求項25】
試験デバイスを備える、皮膚の生体内生体力学特性を測定するためのアセンブリであって、
前記試験デバイスが、前記皮膚に取付け可能な第1のパッドを備え、
前記試験デバイスが、前記第1のパッドから既知の距離で、前記皮膚に取付け可能な第2のパッドを備え、
前記皮膚への前記パッドの前記取付け可能性が、当該パッドと、前記パッドが取り付けられる前記皮膚との相対移動を防止し、
前記試験デバイスが、前記パッド間の前記皮膚の変形による前記パッドの対応する相対移動を誘発するように、前記パッドが前記皮膚に取り付けられた状態で、前記第1と第2のパッドをつなぐ第2の軸に直交する第1の軸に沿って、前記第1のパッドに力を加えるための付勢手段を備え、
前記試験デバイスが、前記加えられた力を測定するための力測定デバイスを備え、
前記試験デバイスが、前記対応する誘発された移動を測定するための変位測定デバイスを備える、アセンブリ。
【請求項26】
前記試験デバイスが、さらに、支持ブラケットを含み、
前記第1のパッドが、前記支持ブラケットに摺動可能に取り付けられ、
前記第2のパッドが、前記支持ブラケットに固定して取り付けられ、
前記第1のパッドが、前記第1の軸に平行に摺動可能である
請求項25に記載のアセンブリ。
【請求項27】
前記生体力学特性が、せん断力伸長特性と、時間依存のせん断力及び歪特性との任意の1つ又は組合せを含む、請求項25又は26に記載のアセンブリ。
【請求項28】
皮膚の生体内生体力学特性を測定するための方法であって、
前記皮膚に第1のパッドを取り付けるステップと、
前記第1のパッドから既知の距離で、前記皮膚に第2のパッドを取り付けるステップであり、前記パッドが、当該パッドと前記皮膚との相対移動を防止するように取り付けられるステップと、
前記パッド間の前記皮膚の変形を引き起こすように前記パッドの対応する相対移動を誘発するために、前記第1と第2のパッドをつなぐ第1の軸に沿って、前記第1のパッドに力を加えるステップと、
前記加えられた力を測定するステップと、
前記対応する誘発された移動を測定するステップと
を含む方法。
【請求項29】
さらに、前記第2と第3のパッドの間で中間に前記第1のパッドを配置するように、前記第1の軸と同一直線上に前記皮膚に第3のパッドを取り付けるステップを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
さらに、前記皮膚に第3のパッドを取り付けるステップを含み、前記第3のパッドが、前記第1の軸に直交する第2の軸に沿って前記第1のパッドから離隔される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記力を加える前記ステップが、前記皮膚の所定の歪速度で前記力を選択的に加えるための一定歪速度アクチュエータを使用するステップを含む、請求項28〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
パッドが、皮膚取付け手段を使用して前記皮膚に取り付けられ、前記皮膚取付け手段が、接着材と、両面テープと、各パッドを前記皮膚に留めるためのクランプと、各パッドを前記皮膚に縛るためのストラップとの任意の1つ又は組合せを含む、請求項28〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記ストラップが、前記パッドに皮膚取付け力を集中するための、前記ストラップと皮膚との間で前記パッドの下に配置されたスペーサを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記生体力学特性が、力伸長特性と、時間依存の力及び歪特性との任意の1つ又は組合せを含む、請求項28〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
さらに、一点を通って複数の方向への、前記加えられる力と、対応する誘発される移動とを測定するステップと、前記点での2次元生体力学特性を決定するステップとを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記2次元生体力学特性が、前記点を通るランゲル線の方向を決定するステップを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
測定する前記ステップが複数の点で繰り返され、前記複数の点が領域を定義し、さらに、前記領域に関係する生体力学特性のマップを構成するステップを含む、請求項34〜36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
皮膚の生体内自然長を測定するための方法であって、
前記皮膚に第1のパッドを取り付けるステップと、
前記第1のパッドから既知の距離で、前記皮膚に第2のパッドを取り付けるステップと、
前記第2と第3のパッドの中間に前記第1のパッドを配置するように、前記第1と第2のパッドをつなぐ第1の軸と同一直線上に前記皮膚に第3のパッドを取り付けるステップであり、前記パッドが、当該パッドと前記皮膚とでの相対移動を防止するように取り付けられる、ステップと、
所定の物理的限界まで、前記パッド間の前記皮膚の所望の変形を引き起こすように前記パッドの相対移動を誘発するために、前記第3のパッドに向かって前記第1の軸に沿って、前記第1のパッドに力を加えるステップと、前記限界に達した時に、前記加えられた力を測定するステップと、
前記力を解放するステップと、
より前記第1のパッドに近い所定の距離に前記第2と第3のパッドのいずれか又は両方を取り付け直すステップと、
前記所定の限界まで、前記パッド間の前記皮膚の所望の変形を引き起こすように前記パッドの相対移動を誘発するために、前記第3のパッドに向かって前記第1の軸に沿って、前記第1のパッドに力を再び加えるステップと、
前記限界に達した時に、前記加えられた力を測定するステップと、
前記力を解放するステップと、
前記測定された力に関する指定された基準に達するまで、取り付け直すステップ、再び加えるステップ、測定するステップ、及び解放するステップのサイクルを繰り返すステップと
を含み、前記自然長が、前記指定された基準に達した時の前記第2と第3のパッドの間の距離に等しい、方法。
【請求項39】
各サイクル中に、前記第3のパッドのみが取り付け直され、前記所定の物理的限界が、前記第1と第3のパッドの既知の相対移動に対応する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
各サイクル中に、前記第2と第3のパッドの両方が取り付け直され、それにより前記第2と第3のパッド間で等距離に前記第1のパッドを維持し、前記所定の物理的限界が、前記第1と第3のパッドの間での前記皮膚の既知の歪に対応する、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記指定された基準が、最後のサイクルに関する前記測定された力が前のサイクルに関する前記測定された力以上であることを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記指定された基準が、最後のサイクルに関する前記測定された力が所定の最小の力に等しいことを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
皮膚の生体内自然張力を測定するための方法であって、
前記皮膚に第1のパッドを取り付けるステップと、
前記第1のパッドから既知の距離で、前記皮膚に第2のパッドを取り付けるステップであり、前記パッドが、当該パッドと前記皮膚との相対移動を防止するように取り付けられる、ステップと、
前記第1と第2のパッドの間の距離が前記皮膚の自然長に等しくなるまで、前記パッド間の前記皮膚の変形を引き起こすように前記パッドの対応する相対移動を誘発するために、前記第1と第2のパッドをつなぐ第1の軸に沿って、前記第2のパッドに向かって、前記第1のパッドに力を加えるステップと、
前記加えられた力を測定するステップであって、前記加えられた力が、前記自然張力に等しいステップと
を含む方法。
【請求項44】
前記自然長が、請求項38〜42のいずれか一項に記載の方法を使用して決定される請求項43に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9(a)】
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【図9(b)】
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【図10】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2009−500065(P2009−500065A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519240(P2008−519240)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際出願番号】PCT/SG2006/000182
【国際公開番号】WO2007/004993
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(507421865)ナショナル ユニヴァーシティ オブ シンガポール (3)
【Fターム(参考)】