説明

皮膚接触表面としての成型可能な層を有する層状接着剤構成物

本発明は、裏材層及び水コロイド接着剤の第1及び第2の層を含む層状接着剤構成物であって、該第1及び第2の水コロイド接着剤層は組成を異にしており、そして該第2の水コロイド接着剤層は該第1の水コロイド層と該裏材層との間に置かれており、該第1接着剤層は45%より低い歪回復を持つ水コロイドを含む成型可能な接着剤の層であり、そして該第2の接着剤層は55%より高い歪回復を持つ水コロイドの層である、層状接着剤構成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばオストミー(ostomy)装置の1部として、又はフィステル(fistulas)、便失禁管理又は傷治療製品と関係した使用のため、皮膚上で剥がし可能に装着されるように設計された層状接着剤構成物に関し、そしてより詳細には2つ又はそれより多いタイプの感圧接着剤の特性を持つ、そのような装置に関する。
本発明は特に、皮膚接触接着剤としての成型可能な接着剤ペーストを含む層状接着剤構成物に関する。
【背景技術】
【0002】
結腸、回腸又は尿道が手術上暴露されそして該患者は腹部小孔を持って放置される多くの場合、体の流出又は排泄物、それらはこれらの器官を通って運ばれ人工のオリフィス即ち開口部を通って廃棄され収集袋中に収集され、該収集袋は通常該小孔を収容するための入口開口部を持つ接着性のウエハー又は板により皮膚上に接着される。また、フィステルに関係して該患者はまた、そのような開口部から出てくる体の物質を収集するための装置に頼らざるを得ない。
【0003】
しばしば、接着剤ペーストが、該小孔又はフィステルと装着されたガスケット、オストミー洗浄器及び/又は皮膚遮断層(barrier)との間の領域を満たし、又は該小孔の周りの腹部上に或る領域を造りそれにより装置又は皮膚遮断層を固定的に取り付けることができる比較的平坦で且つ滑らかな表面を提供する、ために使用される。
【0004】
皮膚への接触装置として使用される場合、接着剤ペーストの成形性は如何なる不規則な性状をも遮蔽し、塞ぎそして皮膚を覆うために非常に重要である。一方、成型可能なペーストは弾性又は凝集性に比し高度の可塑性を持つため、流れ去りそして該装置と皮膚の間に隙間を残し易いであろう。また、もし、裏材層を持つ接着剤ペーストの層が皮膚のシワ又は他の原因により折られると、該接着剤ペーストは該裏材から押出され、該裏材に接着剤の付いていない部分が残り、それにより該裏材と皮膚の間に洩れを生じる。
【0005】
成型可能な接着性皮膚接触表面、及び該裏材層と該成型可能な接着剤との間に該成型可能な接着剤よりも低い流動性を持つ接着剤の第2の層、を持つ層状接着剤構成物を用いることにより、成型可能な皮膚接触表面と洩れに対する安全性を提供する第2の層という利点を持った構成物が提供されることが見出された。
また、該第2の接着剤層は、漏れを防ぐことにつき及び該装置を除去する際皮膚上に残渣を残す傾向につき有利な、該層状構成物へのある程度の硬さを与えることがある、ことが見出された。
【0006】
水コロイド接着剤の層を持つ接着剤構成物は技術的によく知られている:
EP 1527789 A1は、フィルム層と少なくとも2つの異なる組成の水コロイド接着剤の層を持つ構成物を記載している。
そこに記載された該接着剤構成物の第1の目的は、皮膚の近くで用いられる皮膚に優しい湿潤粘着感圧接着剤と、皮膚から離して用いられる、消毒(sterilization)後の分解に耐性があり、且つ制御された仕方で該小孔の周囲の遮蔽を産生できる、柔軟性があり、快適で湿気に耐える接着剤、の特性を持つ多層接着剤医療用装置を提供することである。
そこには、皮膚の近くで用いられる公知の皮膚に優しい接着剤の不利な点は、それらが、厚すぎると幾分硬い傾向があることであると記載されている。かくて、本出願によれば、皮膚近くの接着剤層は、皮膚から離して用いられる、より柔軟、快適で湿気に耐える接着剤よりも薄いのが好ましい。
EP 1527789 A1はまた、該接着剤層の1つは成型可能な水コロイド接着剤であり得ると記載しているが、該構成物中の該成型可能な接着剤層は皮膚と接触する2つの接着剤層の1つではないこともまた明らかである、該文献のパラグラフ0033参照。
【0007】
EP 686381は、異なる組成を持つ水コロイドの2つの層を持つ、同様の接着剤構成物を記載している。この特許出願によれば、皮膚に該接着剤構成物を固定する接着剤の層は、小孔からの流出物との接触による溶解及び/又は崩壊への耐性が比較的低い、皮膚に優しい水コロイド含有接着剤からなり、一方皮膚から離れて置かれる他の接着剤層は、該皮膚接触接着剤の物質よりも小孔流出物による溶解または崩壊への耐性のある、比較的柔らかで、容易に変形、押出しされ得る接着性シーラント物質からなる。図面から、皮膚に近い該接着剤層は皮膚から離れて置かれる該接着剤層よりも薄いことが明らかである。
【0008】
EP 413250 A1は、裏材層と2つの水コロイド接着剤層を持つ、例えばオストミー装置の部分として使用するための接着剤構成物を記載している。この資料によれば、両方の接着剤層が皮膚と接触し、該装置の中央部で皮膚と接触する該接着剤層は該構成物の周辺部で皮膚と接触する該接着剤層の2倍よりも多い厚さを持つ。
【0009】
米国特許第4,538,603号はまた、組成が異なると思われる2つの接着剤層を持つ接着剤構成物を記載しており、皮膚接触を意図する該接着剤層は皮膚から離れて置かれる該接着剤層より厚い。皮膚から離れて置かれる該接着剤層は、該接着剤層から離れて対面する表面にフィルム支持体(carrier)を持つ発泡層に接着されている。ここに記載された該接着剤構成物は、浸出性の傷又は潰瘍を被覆するのに有用である。該比較的厚い接着性皮膚接触層は、該接着剤構成物が皮膚上の決まった場所に数日間留まるのを許容する成分からなると記載されている。該水分散性の水コロイド、該水膨張性の凝集性強化剤及び該接着剤層の全面に散布された水和性重合体は、時間と共に徐々に水和する。最終的に、該接着剤層は、該傷部分の周囲の皮膚を剥ぎ取る又は軟らかくすること無しに該構成物が除去出来るように水和される。皮膚上に置かれる該比較的厚い接着剤層は、低分子量ポリイソブチレンのような熱可塑性エラストマー、及び水コロイド、水膨張性凝集性強化剤及び水和性重合体を含み、一方皮膚から離れて置かれて発泡層に接着される該比較的薄い接着剤層はまた可塑剤及び粘着性付与剤を含むことがある。
【0010】
WO 94/15562は、2種の接着剤からなる接着剤構成物を記載しており、一方の接着剤が他の接着剤中に埋め込まれた島を構成している。該島を構成する付加的な物質ユニットがどのように凝集性が低く従って該構成物の残りの部分を構成する該接着性物質よりも可塑性であるかを記載している。該島は他の接着剤層より厚いか又は薄い層であり得る。
【0011】
皮膚接触接着剤としての成型可能な接着剤ペーストを含む層状接着剤構成物は、GB 2290974、WO 98/17212及びWO 98/53771中に記載されている。
しかしながら、これらの構成物は何れも成型可能な接着剤ペーストと裏材層との間に第2の接着剤層を持っておらず、そしてこれらの構成物では該ペーストは皮膚に医療用装置を取り付けるための唯一の接着剤手段として使用されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
医療用装置への使用に適した新規な層状接着剤構造物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かくて、本発明は、裏材層及び水コロイド接着剤の第1及び第2の層を含む層状接着剤構成物であって、該第1及び第2の水コロイド接着剤層は組成を異にしており、そして該第2の水コロイド接着剤層は該第1の水コロイド層と該裏材層との間に置かれており、該第1接着剤層は本明細書中の記載のように測定されたとき45%より低い歪回復を持つ水コロイドを含む成型可能な接着剤の層であり、そして該第2の接着剤層は本明細書中の記載のように測定されたとき55%より高い歪回復を持つ水コロイドの層である、層状接着剤構成物に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
上記したように、本発明の該接着剤構成物の第1の接着剤層は、下記のように測定されたとき45%より低い歪回復を持つ成型可能な水コロイド接着剤から作られる。より好ましくは、該成型可能な水コロイド接着剤についての歪回復は40%より低く、又はより好ましくは35%より低い。
上記した歪回復特性の他に、該成型可能な水コロイド接着剤は皮膚へのよい接着性、よい湿気処理(handling)性及び皮膚に優しい性質を持つ。
【0015】
本発明により用いられる該第2の接着剤層は、55%より高い歪回復を持つ水コロイド接着剤から適切に作られる。より好ましくは、該第2の接着剤層についての該歪回復は65%より高く、更により好ましくは75%より高い。該第2の接着剤層に用いられる該水コロイド接着剤は皮膚の不規則な領域で折られたときの破損又は変形(flow)を避け、且つ皮膚から除去されるとき該第1の層状接着剤が本質的に一体として外れるのを助けるように、十分な凝集強さを持つ。
【0016】
本発明によれば、該歪回復は下記の方法により測定される:
試験される物質接着剤の板は厚さ1mmの板に圧縮される。このものから直径25mmの円形試料が切出され、Thermo ElectronからのRheoStress RS600流動計中に置かれる。適用される配置は25mmの板に対し平行である。測定は32℃で行なわれる。
15%及び5%のせん断歪(Y)が歪の行き過ぎを避けるため2段階で適用され、該20%の歪は60秒間保持された。(歪の行き過ぎは22%を超えるべきではない)該歪の全時間は90秒より少なくすべきである。該応力は除去され、残留弾力は該適用された歪の1部を回復する。該歪回復結果は1000秒後に測定される。
歪回復は、大段階(large step)歪からの回復パーセンテージとして定義され、次のように計算される:
歪回復=Y−Y1000/Y、但しYは0.20であり、そしてY1000は1000秒後の該せん断歪であり、該流動計により提供される曲線から見ることも出来る。
【0017】
本発明の該接着剤構成物の第1の接着剤層は、WO 98/017329に記載されているもののような成型可能な水コロイド接着剤ペーストであり得よう。ここに記載された成型可能な接着剤ペーストにおいて、ジブロック共重合体の含有量が比較的大きいスチレンブロック共重合体と粘着性付与液体成分及びワックス状成分との組合せが凝集に関して極めて優れた性質を示し、かたまり(mass)への侵蝕耐性を与え、同時に皮膚への残渣を残すことの無い集合単位としてのかたまりの除去を可能にする。
該スチレンブロック共重合体はジブロック共重合体のみならずトリブロック共重合体をも含む。
使用される該スチレンブロック共重合体は、分子量が比較的低く、且つジブロック共重合体の含有量が高い。該ブロック共重合体中のジブロック共重合体の含有量は、物理的架橋度がより低いため、該成型可能な接着剤を、トリブロック共重合体を含む対応する接着剤よりも弾性の低いものとし、そしてそれにより、該接着剤の可塑性及び記憶残留の無いパテ様の特性に寄与する。
【0018】
従って、本発明により用いられる該成型可能な接着剤は適切には次のものを含む:GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による分子量が20000〜150000であり、且つジブロック含有量が25%超であるスチレンブロック共重合体、粘性の重合体状物質の形態であり該ブロック共重合体と相溶性の粘着性付与液体成分5〜60重量%;本来的に又は該外観上ワックス様である成分1〜10%;及び1種又は多種の水コロイド。
本発明の1つの実施態様において、該成型可能な接着剤ペースト中のスチレンブロック共重合体の量は1〜10% 重量/重量、又はより好ましくは5〜10%重量/重量である。
該ブロック共重合体は、SBS、SIS又はSEBSのようなブロック共重合体であり、例えばスチレンとブタジエン、イソプレン又はエチレンブチレンとの共重合体である。好ましい共重合体はKRATON G1726Xのようなジブロック成分が約30%重量/重量超のSEBS(スチレン-エチレンブチレン-スチレン 共重合体)、又は同様の物理的性質を持つブロック共重合体である。
【0019】
該粘着性付与粘性液体は、好ましくは該ブロック共重合体と相溶性の粘性重合体状物質である。該粘着性付与液体は粘性液状ポリブチレン又はポリイソブチレンであることができ、好ましくは該接着剤の記憶残留の無いパテ様の特性を損ねる化学的架橋を増加させない飽和成分である。該粘着性付与液体成分は好ましくはポリイソブチレンである。該粘性の粘着性付与液体の分子量は好ましくはGPCによる測定値として10000〜120000である。
該成型可能な接着剤に用いられる粘着性付与液体の量は、1つの実施態様において15〜60%重量/重量、又はより好ましくは30〜40%重量/重量である。
【0020】
本発明の成型可能なかたまりは、要すれば、弾性を低下させるためSEBS及びポリイソブチレン/ポリブチレンを可塑化するための油状の可塑剤を含む。そのような油状可塑剤は、適切にはGPC測定による分子量が300〜10000である粘性の重合体状物質である。該成型可能な接着剤は、かくて、20重量%までの量の石油ゼリー、30重量%までの量のポリブチレン油及び/又は30重量%までの量の液状パラフィンを含むことができる。
【0021】
本発明により有用な成型可能な接着剤は、該装置と皮膚とのよい接触を確実にするため該組成物の接着性を増加させる粘着性付与剤を含み得る。そのような粘着性付与剤は、好ましくは該接着剤のかたまり中に均質に分布される炭化水素粘着性付与剤である。該粘着性付与剤は好ましくはテルペン粘着性付与樹脂又はジシクロペンタジエン粘着性付与樹脂である。炭化水素粘着性付与剤として特に好ましいのはジシクロペンタジエン、α-ピネン及び/又はβ-ピネンの共重合体である。
【0022】
該ワックス状成分は、ミネラルワックス又は石油ゼリーであり得、最も好ましいのは該好ましいSEBSブロック共重合体相溶性であるマイクロクリスタリンワックスである。
【0023】
本発明の該接着剤組成物中に混和される適切な水コロイドは、天然水コロイド、半合成水コロイド及び合成水コロイドから選ばれる。
該水コロイドは、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース及びメチルセルロースのようなセルロース誘導体、ペクチン、ゼラチン、グアーガム(guar gum)、カラヤ(karaya)、ローカストビーンガム(locust bean gum)、カラギーナン(carrageenan)、キサンタン(xanthan)、又はアルギン酸のナトリウム塩又はカルシウム塩及び/又は澱粉グリコラートナトリウム及び/又はポリビニルアルコール及び/又はポリエチレングリコールであり得る。
2種又は多種の水コロイドを組み合わせて用いるのが好ましい。よいそしてしっかりしたゲルとするため、グアーガム、ペクチン及びヒドロキシメチルセルロースの、又はペクチン、ゼラチン及びCMCの、組合せを用いるのが特に好ましい。
該水コロイドは、十分な吸収力を持ち尚且つ該成型可能な接着剤の特性を保持するため、典型的には該全組成物の20〜70重量%の量で存在するであろう。より好ましくは水コロイドの全量は30〜60%であり、最も好ましくは水コロイドの全量は45〜60%である。
【0024】
ある種の目的のため、本発明のかたまりの中に少量の充填剤を含ませることもまた適切であり、それらは該凝集を増加しそしてまた可塑性に寄与する。そのような充填剤は、例えば、タルク、炭酸カルシウム、白土、酸化亜鉛のようなオストミー又は傷治療目的のため本来知られている如何なる充填剤でもよいであろう。そのような充填剤は該組成物の3〜20%までを構成することが出来るであろう。
【0025】
また更に、該接着剤は所望により、オストミー又は傷治療目的のため本来知られている軟化剤、消毒剤及び/又抗微生物剤のような更なる成分を含み得る。
【0026】
本発明の好ましい実施態様において、該成型可能な接着剤は5〜10%重量/重量のスチレンブロック共重合体、30〜40%重量/重量の粘性液状ポリイソブチレン、2〜5%重量/重量の粘着性付与剤、2〜5%重量/重量のマイクロクリスタリンワックス及び45〜55%の水コロイドを含む。更により好ましい該成型可能な接着剤は下記の実施例2に記載されたような組成を持つ。
他の好ましい成型可能な接着剤はWO 98/017329中の実施例1〜13及びWO 98/017329中に引用された参考文献中に記載されたものである。
該成型可能な接着剤のかたまりの調製はWO 98/017329中に記載されたようにして行うことが出来よう。
【0027】
水コロイド接着剤の第2の層は、適切には米国特許第6451883中に記載されたもののような接着剤である。米国特許第6451883中に記載された接着剤組成物は5〜
20%の1種又は多種のスチレン共重合体、35〜50%の1種又は多種のポリブテン、及び20〜60%の1種又は多種の水コロイドの均質な混合物を含む。
該スチレン共重合体は、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体又はスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体が好ましい。好ましくは、1種又は多種のスチレン-イソプレン-スチレン(SIS)ブロックタイプ共重合体が用いられる。好ましいブロック共重合体はKRATON D 1107、KRATON D-1161 NU、又は同様の物理的性質を持つブロック共重合体である。
スチレンブロック共重合体の量は、好ましくは該全接着剤組成物の5〜20%である。
該ポリブテン成分は、適切にはOppanol B10SFN、Oppanol B11SFN、Oppanol B12SF、Oppanol B13SFN及びOppanol B15SFNのようなポリイソブチレンである。該ポリイソブチレンの分子量(数平均)は、好ましくは75000〜360000である。
【0028】
該水コロイド(群)は該成型可能な接着剤層用として上記した該水コロイド群から選択できる。好ましい実施態様において、該第2の接着剤層として使用される該接着剤組成物はまた、天然の馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、エンドウマメ澱粉又は小麦澱粉のような天然澱粉を含むが、これらは例えば上記した該水コロイドのような接着剤に通常使用される該水コロイドよりも顕著に水吸収が少なく、しかし水コロイドとして該接着剤に同一のレオロジーを提供する。
【0029】
該裏材層は、薄い重合体フィルム、不織布、または所望によりフィルムで被覆された外表面を持つ連続気泡又は独立気泡の発泡層であり得る。
薄い重合体フィルムとして適した物質は、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、エチレンアクリル酸、エチレン酢酸ビニル、塩化ビニル、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリウレタン等を含む。該重合体フィルムは、適切には液体の水に非透過性であり、そして様々な程度の水蒸気透過性を持ち得る。適切な不織布は、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、複合オレフィン繊維、又はセルロースを含む。
該裏材層の厚さは原料物質により変り得る。該裏材層がLDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(線状低密度ポリエチレン)、EVA(エチレン酢酸ビニル)及びEVA(エチレン酢酸ブチル)のような重合体フィルムであるときは、該裏材層の厚さは適切には30〜100μmである。
好ましい該裏材層原料は溶着可能な物質であり、それにより他の単位品又は装置は該裏材層上に溶着され得る。好ましくは、該裏材層は、厚さが30μm〜100μm、好ましくは40〜70μmであるLLDPE(線状低密度ポリエチレン)のような溶着可能な重合体フィルムである。
該裏材層はまた、米国特許第4538603に記載されているような発泡層であり得る。
【0030】
本発明による該層状接着剤構成物において、該生計可能な皮膚接触接着剤層、即ち第1の接着剤層、は、適切には該第2の接着剤層よりも厚い。好ましくは、該第2の接着剤層は該第1の接着剤層の厚さの半分未満である。
本発明の1つの実施態様において、該第1の接着剤層は、1〜2.5mm、好ましくは1.25〜2.25mm、より好ましくは1.25〜1.75mmそして最も好ましくは約1.5mmである。
【0031】
本発明による該接着剤構成物は、1つの実施態様において、面取りした周辺部を持つ。この実施態様において、該接着剤構成物はi)該第2の接着剤層が該第1の接着剤層の厚さの半分より薄い厚さを持つ中央部及びii)面取りした周辺部を持つ。該面取りした周辺部において、該第1の接着剤層は該第2の接着剤層よりも薄くなり得、そして該構成物の周辺縁からある距離において完全に消滅することさえあり得る。
本発明のこの実施態様において、該第1の接着剤層は、該接着剤構成物の中央部において、1〜2.5mm、好ましくは1.25〜2.25mm、より好ましくは1.25〜1.75mm又は最も好ましくは約1.5mmであり得る。
【0032】
2つの接着剤層は、同一の面積及び形状を持つことができ、又は該第2の層を該第1の接着剤層の周辺縁を越えて広げ、該第1の接着剤層が皮膚と接触する範囲を超えた範囲で皮膚と接触するようにすることが出来得る。
適切には、本発明の該層状接着剤構成物は円形又は楕円形である。
該周辺部の長さを増しそれにより皮膚へのよりよい付着を達成するため、該層状接着剤構成物の周辺部縁は波型にすることができ、所望により該波群の頂部(群)は円形又は楕円形をなす。
【0033】
本発明のi実施態様において、該層状接着剤構成物は、裏材層を提供される表面に溝形状のくぼみ模様を持つ。これらの溝群は該接着剤構成物の柔軟性を改善し、そして該第1の接着剤層に形成されて該裏材層及び該第2の接着剤層を本質的にそのまま残す。溝の深さは該第1の接着剤層の厚さに対応することが出来、又は該第1の接着剤層の厚さよりも小さくすることが出来る。
1実施態様において、該くぼみ群は該層状接着剤構成物の中央から該層状接着剤構成物の周辺部の方へ放射状に伸びる。所望により、該接着剤構成物はまた、該放射状くぼみ群と交叉する曲線状のくぼみ群を持つ。
接着剤構成物の柔軟性を改善するためのくぼみ群の使用はWO 04/087004中に記載されている。
【0034】
本発明は、以下に、より詳細に説明される。
【実施例】
【0035】
物質と方法
Kraton G1726 X、 Kraton Polymresから入手:スチレン-エチレンブチレン-スチレン共重合体(SEBS)、GPCによる分子量45000、ジブロック共重合体含有量70%
Kraton D-1161 NU、Kraton Polymersから入手
Elastoflex E1003D、Eastman Chemicalから入手
Indopol H-18000 ポリブチレン、BPから入手
Oppanol B 12 SFN ポリイソブチレン、BASFから入手
WAX Total 40/60、Totalから入手のマイクロクリスタリンワックス
石油ゼリー:Vaselinum Album、Witcoから入手
Akucell AF 2881、カルボキシメチルセルロース型Akzoから入手、Natroso1250 HX pharm、ヒドロキシエチルセルロース、aqualon Herculesから入手
グアーガム:Guar Gum FG 200、Nordisk Gelatineから入手
Pektin Pomosin LM 12CG Z、Copenhagen Pectinから入手
酸化亜鉛:Zinkoxid Pharma、Hoechst AGから入手
天然馬鈴薯澱粉 M4、KMCから入手
AZミキサータイプLKB 025、Herman-Lindenから入手、が使用された。
【0036】
実験
実施例1
該第2の接着剤層用の接着剤組成物
成分 % 重量/重量
Kraton D-1161 NU 10
Oppanol B 12 SFN 40
Akkucel AF2881 5
馬鈴薯澱粉 45
【0037】
実施例2
該第1の接着剤層用の接着剤組成物
成分 % 重量/重量
Kraton G 1726 X 6.25
Indopol H-1800 37.5
Elastoflex E1003D 3.125
Total Wax 40/60 3.125
Acucell AF 2881 5
Natrosol 250HX pharm 25
Guar Gum FG 200 5
Pektin Pomosin LM 12 14.5
Zinkoxide 0.5
【0038】
実施例3
該接着剤は常用の接着剤機械(Z-ブレード)により製造され、そして90℃、5秒間の熱圧縮により2つの離型ライナー間で接着剤層に成型された。望ましい厚さは、0.5mm及び1.5mmの2つの距離のストリップの間で該接着剤のかたまりを圧縮して得られた。これらの接着剤は次いで、該0.5mm厚さの第2の接着剤層から該離型ライナーを外し、55μmのLLDPEを適用し、次いで該第1の接着剤層の離型ライナーを外し、そして本発明による2mmの層状構成物を形成するように該2つの接着剤を積層することにより層状構成物に加工された。該構成物は、熱圧縮機中で90℃、5秒間の熱圧縮により金型中で圧縮され且つ面取りされ、そして望ましい形状と大きさに切出された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏材層及び水コロイド接着剤の第1及び第2の層を含む層状接着剤構成物であって、該第1及び第2の水コロイド接着剤層は組成を異にしており、そして該第2の水コロイド接着剤層は該第1の水コロイド層と該裏材層との間に置かれており、該第1接着剤層は本明細書中の記載のように測定されたとき45%より低い歪回復を持つ水コロイドを含む成型可能な接着剤の層であり、そして該第2の接着剤層は本明細書中の記載のように測定されたとき55%より高い歪回復を持つ水コロイドの層である、層状接着剤構成物。
【請求項2】
該第1の接着剤層が、1〜20重量%のスチレンブロック共重合体;5〜60重量%の、該ブロック共重合体と相溶性の粘性の重合物の形態である粘着性液状成分;1〜10重量%の本来的に又は外観上ワックス様の成分;及び1種又はより多種の水コロイド、を含む成型可能な接着剤ペーストの層である、請求項1に記載の層状接着剤構成物。
【請求項3】
該第2の接着剤層が、5〜20%の1種又は多種のスチレンブロック共重合体、35〜50%の1種又は多種のポリブテン、及び20〜60%の1種又は多種の水コロイドを含む水コロイド接着剤の層である、請求項1に記載の層状接着剤構成物。
【請求項4】
該第2の接着剤層が該第1の接着剤層の厚さの半分より少ない厚さを持つ、請求項1〜3の何れか1項に記載の層状接着剤構成物。
【請求項5】
該第1の接着剤層が1〜2.5mm、好ましくは1.25〜2.25mm、より好ましくは1.25〜1.75mmそして最も好ましくは約1.5mmである、請求項4に記載の層状接着剤構成物。
【請求項6】
該接着剤構成物が、i)該第2の接着剤層が該第1の接着剤層の厚さの半分より少ない厚さを持つ中心部分及びii)面取りした周辺部を持つ、請求項1〜3の何れか1項に記載の層状接着剤構成物。
【請求項7】
該第1の接着剤層が、該接着剤構成物の中心部において、1〜2.5mm、好ましくは1.25〜2.25mm、より好ましくは1.25〜1.75mm又は最も好ましくは約1.5mmである、請求項6に記載の層状接着剤構成物。
【請求項8】
該裏材層が、フィルム、発泡層、フィルム層を持つ発泡層、又は不織布層である、請求項1〜7の何れか1項に記載の層状接着剤構成物。
【請求項9】
該層状接着剤構成物が、該裏材により提供される表面において、溝形状のくぼみ模様を持つ、請求項1〜8の何れか1項に記載の層状接着剤構成物。
【請求項10】
該構成物が、該層状接着剤構成物の中央から該層状接着剤構成物の周辺部方向に放射状に延びるくぼみ群、及び所望により該放射状くぼみ群と交叉する曲線状のくぼみ群を持つ、請求項9に記載の層状接着剤構成物。
【請求項11】
該層状接着剤構成物が円形又は楕円形である、請求項1〜10の何れか1項に記載の層状接着剤構成物。
【請求項12】
該層状接着剤構成物の周辺縁部が波型であり、該波型の頂部(群)が円形又は楕円形である、請求項1〜11の何れか1項に記載の層状接着剤構成物。

【公表番号】特表2009−521964(P2009−521964A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547852(P2008−547852)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【国際出願番号】PCT/DK2006/000722
【国際公開番号】WO2007/076862
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(500085884)コロプラスト アクティーゼルスカブ (153)
【Fターム(参考)】