説明

皮質刺激方法および装置

皮質刺激システムが提供される。本システムは、様々な電極を選択的に制御するスイッチを有する刺激装置と、電子スイッチおよび刺激装置を制御するための刺激装置に操作可能に接続されたユーザインターフェース装置とを備え、与えられた刺激のレポートを提供する。皮質刺激装置を操作する方法も提供され得る。本方法は、皮質刺激装置に一組のプローブを接続するステップと、一組のプローブに送られる信号に関するパラメータを選択するステップと、一組のプローブに信号を送信するステップと、信号が一組のプローブに送信されると、一組のプローブを脳に接触させている被験者の反応を観察するステップと、観察された反応を皮質刺激装置に入力するステップと、反応を特定のプローブの組に関連付けるステップと、反応および関連するプローブを説明するレポートを作成するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年4月24日に出願された、「皮質刺激方法および装置」と題された米国仮特許出願第61/172,372号の優先権を主張し、その開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、皮質刺激装置等に関する。
【背景技術】
【0003】
皮質刺激は、この数十年間手術前の精密検査の一部として行われてきており、十分な裏付けがなされ、臨床的に認められている。皮質刺激は、一般的に、主として患者の手術中は双極プローブによって供給されるか、あるいは、長期モニタリングの間は、頭蓋内の電極を通じて供給される、二相性の定電流パルスを用いて皮質に直接刺激を与えることにより行われる。脳機能マッピングにより、運動を制御する運動野、感覚を制御する体性感覚野、発語および理解を制御する表現力および受容性の言語野を含む、脳の重要な機能領域が特定される。脳をマッピングすることにより、脳神経外科医は、腫瘍またはてんかんを誘発する病巣を切除することと、患者の生命の質に影響を及ぼしかねない重要な脳の領域へ損傷を与える可能性とを秤にかけて検討することができる。
【0004】
グリッド電極を介した刺激というものは一般的に扱いにくい、というのも、電極を増幅器と刺激装置との間で切り替えなければならず、配電盤を介しても手動であっても大きな労力を要し、非常に間違いが発生しやすい。さらに、発作時、発作間、および、機能的反応という観点で刺激の結果を表した脳マップは、通常手描きである。
【0005】
したがって、電極を電子的に切り替えられ、刺激能力があり、ソフトウェア統合の実現および/またはレポート作成機能付き皮質刺激装置が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態により、電極を電子的に切り替えられ、刺激能力があり、ソフトウェア統合の実現および/またはレポート作成機能付きの皮質刺激装置が提供される。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態に従って、皮質刺激システムが提供される。本システムは、様々な電極を選択的に制御するスイッチを有する刺激装置と、電子スイッチおよび刺激装置を制御するために刺激装置に操作可能に接続されたユーザインターフェース装置とを備え、皮質刺激システムは、与えられた刺激のレポートを提供する。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態に従って、皮質刺激装置を操作する方法が提供される。本方法は、皮質刺激装置にプローブ対を接続するステップと、プローブ対に送られるシグナルに関するパラメータを選択するステップと、プローブ対にシグナルを送信するステップと、シグナルがプローブに送信された際、被験者の脳に接触するプローブ対を有する被験者の反応を観察するステップと、皮質電気刺激装置での反応の観察に入るステップと、反応と特定のプローブ対とを関連付けるステップと、反応と対応するプローブとを説明するレポートを作成するステップとを含む。
【0009】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明するにあたり、本発明は、その適用を以下の説明に記載されるかまたは図面に示された設計の詳細および構成要素の配置に限定されるものではないことを理解されたい。本発明の実施形態は、それらの説明の他にも、さまざまな方法で実施および実行されることが可能である。また、本明細書、同様に要約でも用いられている言い回しまたは用語は、説明の目的であり、限定を意味するとみなされるべきでないことを理解されたい。
【0010】
当業者は、本開示の基礎となる概念を、本発明のいくつかの目的を実行するための他の構造、方法およびシステムを設計する根拠として容易に利用することができることを理解できよう。したがって、特許請求の範囲は、本発明の趣旨および範囲から逸脱しない限りにおいて、そのような均等物を含むものとみなされることが重要である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に従った、皮質刺激装置の概略斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に従った、刺激制御ユニットの概略斜視図である。
【図3】図2の刺激制御ユニットの概略底面図である。
【図4】本発明の一実施形態に従った、刺激制御ユニットに付随する電子部品のブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に従った、皮質刺激装置の一部の概略斜視図である。
【図6】図5に示される皮質刺激装置の一部の概略底面図である。
【図7】本発明の一実施形態に従った、刺激切り替えユニットのブロック図である。
【図8】本発明の一実施形態に従った、二相性波形を示すグラフである。
【図9】ORプローブ二相モードにおける皮質刺激システムの一実施形態の概略図である。
【図10】電極二相モードにおける皮質刺激システムの一実施形態の概略図である。
【図11】電極二相モードにおける皮質刺激システムの一実施形態の概略図である。
【図12】電極二相モードにおける皮質刺激システムの一実施形態の概略図である
【図13】スタンドアロン構成における皮質刺激システムの一実施形態の概略図である。
【図14】コンピュータを含む皮質刺激システムの一実施形態の概略図である。
【図15】ラップトップコンピュータを含む、皮質刺激システムの一実施形態の概略図である。
【図16】エラーコードおよびエラーコードの意味を示す表である。
【図17】本発明の一実施形態に従った、皮質刺激システムのための増幅器の概略斜視図であって、増幅器の一部を拡大して示している。
【図18】図17に示される増幅器のチャネルセレクタの様々な設定を示す。
【図19】図17の増幅器のチャネル起動時にどのLEDライトが点灯しているかを示すLEDライトの構成を示す表である。
【図20】皮質刺激装置の操作方法のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成し、本発明を実施することができる特定の実施形態を示す添付の図面への参照がなされる。これらの実施形態は当業者が本発明を実施できるように十分に詳細に説明される。また、他の実施形態も利用でき、構造、ロジック、処理、および、電気的変更を加えることができることを理解されたい。しかしながら、説明される処理ステップの進行は一例であり、ステップの順序は、本明細書に設定されたものに限定されず、また、一定の順序で発生することが必要なステップを除いて、当分野で知られているように変更してもよい。
【0013】
本発明の皮質刺激装置の実施形態は、ソフトウェアとハードウェアを統合した完全なシステムを含み、リアルタイムな電気生理学的反応について患者の脳波(EEG)をモニタリングする間に、刺激パルス列による広範囲な二相性定電流刺激を提供する。この完全なシステムは、任意の対の、例えば、128までのグリッドおよび/またはストリップ電極を電子的に選択する機能と組み合わせてよい。刺激開始および他のパラメータは、ハードウェアまたはソフトウェアのどちらの制御パネルからでも制御することができる。
【0014】
次に本発明について、図面を参照して説明する。図面全体を通して、同様の参照番号は、同様の部分を表す。図1は、本発明の一実施形態に従った、皮質刺激装置の概略斜視図である。皮質刺激装置100は、刺激制御ユニット110、第1の増幅器120、刺激切り替えユニット(SSU)130、および、第2の増幅器140を含んでよい。
【0015】
図2は、本発明の一実施形態に従った、刺激制御ユニットの概略斜視図である。刺激制御ユニット(SCU)110は、刺激装置100の現在のステータスを示すためのステータスインジケータ202を含んでよい。様々なステータスの状態は、セットアップモード、使用可能モードおよび刺激装置がオンの状態(刺激が実際に起こっている)モードなどを含んでよい。刺激制御ユニット110のセットアップセレクタ204は、ユーザが刺激制御ユニット110のパラメータを変更することができるようにしてよい。例えば、SCU110へのいくつかの変更は、二相プローブおよび二相電極モード(これらのモードについては後述する)間の変更を含んでよい。数字およびモンタージュラベルのセットから選択すると、SCU110から言語メッセージのリストが現れる。SCU110は、パルス伝搬速度を見るためおよび/または設定するためのパルス周波数セレクタ206を含んでよい。一般的なレートは50Hzであるが、他のレートを使用してもよい。
【0016】
SCU110は、それぞれのパルスの期間を見るためおよび/または設定するためのパルス持続時間セレクタ208を含んでよい。実際のパルス長は、パルス持続時間の2倍であってよい。例えば、パルス持続時間は100〜1000u(ミュー)秒の範囲であるが、他の持続時間を用いてもよい。パルス列持続時間セレクタ210は、最大の刺激持続時間を見るためおよび/または設定するために使用されてよい。5秒のパルス列持続時間が一般的であるが、他の持続時間が用いられてもよい。単一のパルス列持続時間または外部制御されたトリガ(SCU110に接続されたコンピュータなど)が選択されてよい。
【0017】
刺激制御ユニット110は、電極チャネルセレクタ212および214をさらに含んでよい。チャネルセレクタ212および214は、プローブまたは電極をアノードからカソードへ、またはその逆に切り替えるために使われてよい。いくつかの実施形態において、第2のSSU(以下で説明される)がSCU110に接続されている場合、チャネルセレクタ212および214は、1〜64または1〜128のチャネルからチャネルを選択してよい。チャネルを選択することにより、どの電極が刺激を受け取るかが選択される。チャネルセレクタ212および/または214が起動されると、セレクタノブ228の回転により、チャネルが選択され得る。SCU110には、患者に印加する電流レベルを設定するための刺激設定セレクタ216が備えられている。8mAmp以下までのベースラインが一般的であるが、他のレベルを用いてもよい。セレクタノブ228は、刺激設定セレクタ216が起動された後、電流値を調節するために用いられてよい。供給刺激インジケータ218は、患者が受けている刺激レベルを表示する。刺激を受けていることを示すために、LEDが点灯してよい。刺激チェックセレクタ220は、正しい操作を確認するために、選択された刺激を内部負荷(図示せず)に印加できる。この機能が有効な場合には、いくつかの任意の実施形態においてLEDライトが点灯してよい。供給される実際の電流は、供給される刺激の表示フィールドに表示される。
【0018】
刺激コントロールユニット110は、どのチャネルが選択されているのかを示すマークチャネルセレクタ222をさらに含んでよい。マークチャネルセレクタ222は、チャネルが選択されたときにユーザによって押されてよい。SCU110は、刺激パルス(列、または単一)を供給するための開始セレクタ224を有する。一実施形態において、開始セレクタ224は、皮質刺激装置100が「使用可能状態」のとき、すなわち、皮質刺激を提供する準備ができており、外部トリガ機能が使用されていないときのみ機能してよい。SCU110は、発作中断セレクタ226を含んでよい。発作中断セレクタ226が起動されたとき、パルス列の最初のパルスが繰り返されてよい。セレクタ入力228は、例えば、電極チャネルセレクタ212、214および刺激設定セレクタ216などの様々なセレクタおよびインジケータのいずれによってもアクセスできる様々なオプションをユーザがスクロールできるようにしてよい。停止セレクタ230は、刺激を中断してよい。トリガイン、トリガアウト、および同期コネクタ入力232、234、236は、刺激制御ユニット110の外部制御を可能にし得る。シリアルポート238は、外部インターフェースと他の装置またはコンピュータとのシリアル接続を可能にし得る。USBポート240は、例えば、サービス診断のための外部インターフェース、および、オプションでコンピュータインターフェースのためのUSB接続を可能にし得る。遠隔開始/停止ポート242は、皮質刺激装置100の開始および/または停止の遠隔制御を可能にし得る。
【0019】
刺激制御ユニット110は、上述のインジケータまたはセレクタによって生成された任意の情報を含む、操作に関するいかなる情報および/またはパラメータをユーザに表示するためのディスプレイ244をさらに含んでよい。ディスプレイ244は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)であってよい。
【0020】
図3は、図2の刺激制御ユニットの概略底面図である。刺激制御ユニット110は、電源スイッチ250および電源接続252をさらに含んでよい。図2および図3の構成要素のいずれも、適切な位置に配置され得ることを理解されたい。図示された構成要素は、示された位置、サイズ、または、形状に限定されない。例えば、セレクタ入力228はノブとして示されているが、ジョイスティック、スクロールホイール、矢印ボタン、または、所望の機能に適した任意の入力デバイスであってもよい。
【0021】
図4は、本発明の一実施形態に従った、刺激制御ユニット110のブロック図である。刺激制御ユニット110は、セレクタ202〜230が配置され得るフロントパネル膜301を含んでよい。膜上のマーキングは、グラフィックまたは任意の適切な言語によるテキストであってもよいことを理解されたい。本発明の一実施形態では、テキストが書かれている言語に精通していないユーザでも皮質刺激装置100を理解し操作することができるように、テキストおよびグラフィックの両方が提供される。フロントパネル膜301への入力は、ユーザの入力をデバウンスし、安定させる少なくとも1つのデバウンス回路302に送られてもよい。例えば、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラマブル論理デバイス(PLD)303は、上述したインジケータまたはセレクタからの入力を、デバウンス回路302を介して、またはフロントパネル膜301から直接受け取ってもよい。
【0022】
アドレス、データ、および制御情報は、刺激制御ユニット110の操作を制御するPLD303およびプロセッサ(uP)304の間を通過し得る。プロセッサ304は、ディスプレイ244を制御してもよい。セレクタ入力228は、プロセッサ304に直接入力を提供してよい。プロセッサ304は、二相刺激装置309にそれぞれ正および負の入力を提供する正刺激AND論理307および負刺激AND論理308に出力を提供してもよい。
【0023】
PLD303は、トリガインおよびトリガアウトコネクタ入力232、234に電気的に接続されてよい。
【0024】
電源スイッチ250が「ON」位置に設定された場合、電力は、電源接続252を介して供給されるが、他の回路を通って直流直流(DC/DC)変換器313へと供給されてもよい。DC/DC変換器は、例えば、+15Vなどの受け取った電圧レベルを、二相刺激装置309に要求される電圧レベル、例えば、+150Vに変換する。二相刺激装置309は、PLD303およびプロセッサ304から送られた制御に基づいて患者に刺激を与える。
【0025】
図4で示されるように、PSUシンク420は、CPLD303に取り付けられてよい。ADC422は、電流検知器424とuP304との間に配置される。本発明に従ったいくつかの実施形態では、SCU110から被験者への電流リークの可能性を減らすために、絶縁回路426を含んでよい。本発明のいくつかの実施形態においては、絶縁回路(しばしば、ブロッキング回路とも称される)は、電流を受けるための電極に関連した増幅器の入力に電流が漏れるのを防ぐことができる。このブロッキングまたは絶縁機能により、電流を受け取ることを目的とする電極はより多くの電流が得られるようになり、また、増幅器のリカバリタイムがより短くなり得る。
【0026】
絶縁回路426は、SSUインターフェース248およびオプトアイソレーション430に接続される、RS485トランシーバ428を含んでよい。オプトアイソレーション430は、uP304内のシリアルポートからの入力を受け取る。オプトアイソレーション432は、uP制御信号および補助+3.3V入力を受け取ってよい。オプトアイソレーション434は、CPLD制御信号および補助+3.3V入力を受け取ってよく、また、図に示すようなスイッチである電流制限438、24Vまたは100Vのクランプ440、および、チャネルマーキング438に接続されてよい。絶縁された5V供給436は、絶縁回路426の一部であってもよい。電圧の例を本明細書中に記載しているが、これらは例示目的のみであり、本発明に従った任意の他の電圧が用いられてもよいことを理解されたい。
【0027】
SCU110内で使用されるマイクロプロセッサ304は、いくつかのタスクを実行し得る。例えば、マイクロプロセッサ304は、出力において±24VのDCを可能にし、刺激レベルを設定し、正の刺激パルスを要求し、負の刺激パルスを要求し、出力リレーが刺激電流を伝達することを可能にし、内蔵の16ビットADCを介して刺激電流をモニタすることを可能にする。マイクロプロセッサは、フロントパネルスイッチ202〜230の状態をモニタしてもよく、ロータリーエンコーダおよび付随するスイッチの位置、および、LCD244の現在の情報もモニタしてよい。マイクロプロセッサ304は、RS232リンクを介してリモートコンピュータと交信してよい。マイクロプロセッサ304は、パラメータの設定を確認し、ステータス情報を返すために、リモートコンピュータと交信してよい。マイクロプロセッサ304は、SSU130の構成を設定し、SSU130のステータスをモニタするために、SSU130と交信してよい。マイクロプロセッサ304は、刺激レベル、および、+12Vおよび−15Vの電圧レールをモニタしてもよい。
【0028】
マイクロプロセッサは、外部メモリインターフェースを介して、LCD249およびCPLD(複合プログラマブル論理デバイス303)コンポーネントにアクセスする。
【0029】
マイクロプロセッサ304が機能的だと仮定すると、動作状況を確認できる。
【0030】
刺激が起こされる前に、マイクロプロセッサ304は、16ビットDACによって設定される刺激強度レベルが期待されるレベルであることを確認する。
【0031】
マイクロプロセッサ304は、刺激を目的としていない場合であっても、刺激装置の出力電流をモニタしてよい。出力電流が、期待される出力電流の設定パーセンテージの範囲内でなかった場合、マイクロプロセッサ304は、刺激装置回路のスイッチを切り、フォトモスリレーの通電を断つ。
【0032】
マイクロプロセッサ304は、3.3Vの電圧レールが期待される範囲外になった場合、プロセッサを停止するのに用いられ得る供給電圧モニタを有してよい。
【0033】
マイクロプロセッサ304は、タイマによって定期的(10u(ミュー)秒おき)に中断されてよい。割り込み処理ルーチンの開始および終了に向けて、マイクロプロセッサ304は、CPLD303内のレジスタをリフレッシュする。このプロセスが行われなかった場合、CPLD303は、刺激装置出力ステージにおけるいくつかのフォトモスリレーのスイッチを切ることで、電流の流れをさえぎることができる。CPLD303からの2つの刺激可能出力のスイッチをオフにしてもよく、それにより、マイクロプロセッサ304から生成されるいかなる刺激パルスもさらなる作用を及ぼさないようにする。
【0034】
複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)303は、刺激制御ユニット110内にあり、マイクロプロセッサ304に対するいくつかの信号のインターフェースとなりまた、マイクロプロセッサ304の動作をモニタするように用いられる。
【0035】
CPLD303は、マイクロプロセッサ304によって生成された刺激パルスを阻止し、かつ、刺激出力リレーの1つへの通電を断つことによって刺激を無効にする。
【0036】
CPLD303は、マイクロプロセッサのシステムクロックとは別個に作製される、計時目的の専用基準発振器を備えてもよい。
【0037】
CPLD303はまた、刺激の周波数および持続時間をモニタする。刺激装置の構成は、CPLD303内のレジスタに書き込まれ、これらレジスタの内容は、LCD244のデータを示すのに用いられる。このプロセスは、ローカルモードで刺激制御ユニット110を操作するユーザによって、または、刺激制御ユニット110に遠隔で問い合わせるシステムによって通知されることなくして、マイクロプロセッサ304内部のメモリ内のいかなる欠陥もCPLD303を通じて広まらないようにし得る。
【0038】
刺激が進行中の場合、CPLD303は、マイクロプロセッサ304が期待されるパルス列を生成していることを確認する。マイクロプロセッサ304が期待をはずした場合、CPLD303は、2つの刺激可能出力をオフにし、それにより、マイクロプロセッサ304から生成されるいかなる刺激パルスもさらなる作用を及ぼさないようにする。CPLD303はまた、出力ステージにおけるフォトモスリレーのいくつかのスイッチも切る。
【0039】
図5は、本発明の一実施形態に従った、皮質刺激装置の一部の概略斜視図である。刺激切り替え装置400は、第1の増幅器120、刺激切り替えユニット(SSU)130、および、ヘッドボックス140を含んでよい。第1および第2のケーブルコネクタ410、420は、刺激切り替えユニット130を介して刺激切り替え装置400へ入力を提供する。
【0040】
図6に示されるように、刺激切り替え装置400の底442には、多数の端子444がある。多数の端子444は、様々な電極(図6には図示せず)を接続するための場所が提供されるように構成される。電極は、グリッド、マトリックス、ストリップ電極の一部であってよい。電極は、刺激処置を受ける被験者の脳に挿入されてよい。
【0041】
図7は、本発明の一実施形態に従った、刺激切り替えユニットのブロック図である。刺激切り替えユニット130は、ヘッドボックス140からのヘッド入力501を含んでよい。刺激切り替えユニット130の出力502は、増幅器、例えば第4の出力464における第1の増幅器120に提供されてよい。図示の例では、1〜64の入力/出力セット、すなわちチャネルがある。
【0042】
低損失(LDO)レギュレータ504は、刺激入力503からの入力を受け取ってよい。刺激入力503は、例えば、RS−485通信チャネルなどの通信チャネル505を介して、プロセッサ506と通信してよい。プロセッサ506は、第1のフォトモスアレイ507、すなわち、回路構成要素を電気的に絶縁した状態に保ちつつ、それらの間で信号を伝送するための短い光伝送路を用いる光アイソレータと通信することが可能である。トランジスタまたは他の切り替えアレイが用いられてもよい。BCD SEl.スイッチおよびLED519もコントローラ506に操作可能に接続される。第1の入出力(I/O)エキスパンダ508は、第1のフォトモスアレイ507に信号を提供するためにプロセッサ506と通信可能に接続されてよい。第1のフォトモスアレイ507には、刺激入力503によって基準電圧REF(例えば、5V)も提供されてよい。上述の構成要素503〜508は、第1の回路基板上に設けられてよい。いくつかの構成要素503〜508は、第2の回路基板448にオプションで含まれてよい。フォトモスアレイ507の出力は、例えば、100ピンの基板対基板コネクタ上にあってもよい、第2の出力450におけるヘッド入力501からの出力と結合され得る。
【0043】
第2の出力450は、第1の雄/雌インターフェース510に提供されてよい。第2のフォトモスアレイ512は、プロセッサ506からの出力452を受け取ってよい。第2のフォトモスアレイ512は、雄/雌インターフェース510から雄/雌インターフェース520への出力456と結合され得る、出力454を提供してよい。
【0044】
第2の雄/雌インターフェース520は、出力460を第3のフォトモスアレイ522に提供し得る第3の入出力エキスパンダ521へ出力458を提供してよい。雄/雌インターフェース520からの出力462は、負荷523(例えば80kΩの値を持つ抵抗器)を含み得る第3のフォトモスアレイ522に第2の入力として提供され得る。第3のフォトモスアレイ522は、例えば、100ピンの基板対基板コネクタ上にあってもよい、第4の出力464を提供し得る。第3の入出力エキスパンダ521および第3のフォトモスアレイ522は、第3の回路基板466上に設けられてよい。
【0045】
図8は、本発明の一実施形態に従った、二相性波形468のグラフを示す。二相性波形468は、数ミリ秒の期間にわたって患者を刺激する正負の電圧を有するパルスである。電圧レベル、パルス時間、および初期方向、すなわち、正電圧または負電圧は、本発明の実施形態の範囲内で、特定用途に応じて調整され得ることを理解されたい。
【0046】
本明細書に記載される皮質刺激システムは、少なくとも2つの基本的なモードで用いられる。第1のモードはORプローブ二相モードと称され、第2のモードは電極モードと称され得る。本明細書で使用されているような、「プローブ」という単語および「電極」という単語は、交換可能であり、互いに排他的であることは意図されていない。ORプローブ二相モードは、処置の間、一組のプローブ(図14の470に示すような、アノードおよびカソード)が被験者の脳のあちこちに動く場合に用いられ得る。
【0047】
電極モードでは、一連のプローブ(または電極)は、被験者の脳に取り付けられている。一連の電極は、対(アノードとカソード)として構成されてよく、また、グリッド、マトリックス、または、ストリップ状に配置されてもよい。一連の電極は、被験者が動いても適切な場所にあるように、被験者の脳に固定されうる。いくつかの例において、一連の電極は、より早期に配置されていてもよく、皮質刺激の前の手順で使用されていてもよい。
【0048】
ソフトウェアグラフィカルユーザインターフェース(GUI)は、脳の図に示されるグリッド/ストリップ状の電極アレイを示し得る。GUIは、使い勝手を良くする。刺激にする一対の電極の選択は、GUIに示された特定の電極を指示し、クリックすることによって可能である。刺激の開始時に、EEG獲得窓がすぐに開くことによって、主治医は、刺激されている対を含むすべての電極における、発作に関連した、発作時または発作間の活動(「放電後」の前兆および発作など)の瞬間を見ることができるようになる。発作時/発作間のアノテーションは、観察されたEEG活動によって示されるように、該当する電極で直接なされてもよい。さらに、機能アノテーション領域は、刺激された電極対によって誘発される運動、知覚、言語または視覚的な反応を記録するために利用され得る。これらの反応は、刺激された電極の対を結ぶ様々な色のバーとして、特定の機能に関連付けられたキャプションと共に記録されてよい。
【0049】
刺激され、「明確になった」電極は、意図しない再度の刺激を防ぐためにグレーの枠でマーキングされてよい。発作時および発作間の反応は、対応する電極シンボル内を、生理反応の的確な性質を示す特定の色で塗りつぶすことによって示されてもよい。
【0050】
上述の特徴に加えて、他の特徴が含まれてよい。回路は、刺激電流が増幅器に漏れるのを防ぐよう設計されており、これにより、すべての電流が選択された電極対を通って流れ、かつ、刺激後の増幅器の回復時間を、1秒未満くらいに短縮することを確実にし得る。小さくて使いやすいので、コンパクトなスタンドアロンユニットとして用いることが可能である。装置は、手術中に手動で脳マッピングするための双極プローブと共に用いられてもよく、または、病床の患者に対する処置のための頭蓋内の電極と共に用いられてよい。追加の電極または電極の対を電子的に選択するために2つ以上の刺激切り替えユニットが結合されてよい。本発明の一実施形態において、2つの刺激切り替えユニットは、128までの電極(例えば、64の電極対)を選択することを可能にするために結合される。追加のまたはより少ないユニットおよび電極が要求通りに用いられてよいことを理解されたい。
【0051】
本装置はまた、ユーザが設定可能なパルス周波数、パルス持続時間、パルス列持続時間、および、電流レベルを有してもよく、これらは、例えば、パルス周波数セレクタ206、パルス持続時間セレクタ208、パルス列持続時間セレクタ210、および、刺激設定セレクタ216でそれぞれ設定される。さらに、刺激装置はまた、例えば、発作中断セレクタ226によって選択され得るような、パルス列ではなく単一のパルスが生成されることが可能な「単一刺激パルス」モードを含んでもよい。例えば、双極プローブと共に用いられるような、「連続刺激パルス」モードが使用可能であってもよい。供給された電流の実際の読み取りが表示されてよく、例えば、刺激チェックセレクタ220などによって選択可能である。残りの刺激時間は、ゼロまでカウントダウンされるか、あるいは、必要に応じて、例えば、現在の時間まで、または、際限なくカウントアップされ、例えばディスプレイ244に表示されてよい。継続的な誤り検出により、高いレベルでの患者の安全性を提供できる。現在進行している刺激を表示する、例えば、ステータスインジケータ202などの「アクティブな刺激」インジケータを備えてもよい。「トリガアウト」は、例えば、トリガアウトコネクタ入力234などの追加の機器の同期を許容してよい。
【0052】
EEG獲得増幅器および刺激切り替えユニットは、単一のロバストなユニットを形成すべく機械的に接続されてよい。皮質刺激が不要な場合、ユニットは、信号品質を下げずに、日常的な長期のモニタリングに用いることができる。
【0053】
発作中断機能は、放電によって発作が引き起こされる前に放電を停止してもよく、それによってセッションが早期に終了し、このことは発作中断セレクタ226によって選択可能である。刺激パルス列は、例えば、停止セレクタ230などの「停止」ボタンによって、早めに中断され得る。「刺激チェック」機能は、例えば、刺激チェックセレクタ220などによって選択可能な正確な刺激装置の動作を測定し、確認してよい。「チャネルマーク」機能は、チャネルマークセレクタ222などにより選択可能な正確な電極対が選択されて刺激されていることを確認してよい。アノテーションログは、刺激の設定と共に自動的に更新されてよい。多数のカラーコード化された機能および発作に関するイベントが説明文と共に脳マッピングに示される。
【0054】
グリッド/ストリップエディタは、選択可能なグリッド、ストリップ、深部電極の完全なリストを提供してそこから選択できるようにしてよい。脳マップは、乳児から成人までの範囲をカバーできるようなサイズにすることができる。レポート結果は、反応カテゴリごとに表形式で表示されてよい。自動レポート作成機能により、視覚的文書化、および、刺激と反応のオーディット・トレイルが提供され得る。刺激パラメータの制御は、複数の言語で可能であってもよい。
【0055】
図9〜図15は、本発明の実施形態に従った様々なシステムを示す。図9〜図12はブロック図であり、図13〜図15はシステム内の様々な構成要素である。図9は、SCU110に電力を供給する病院の電源472を示す。SCU110は、USBインターフェースボード476を有するコンピュータ474に操作可能に接続されており、それによってコンピュータはヘッドボックス484および増幅器120と通信できる。コンピュータ474は、カメラ480に操作可能に接続されているデジタルビデオ機能478を有する。カメラ480は、処置を記録するために用いられてよい。カメラ480からの画像は、被験者の脳マップを作成するために用いられてもよい。
【0056】
図10は、図9と類似しているが、システムにスイッチング機能を提供するSSU130を追加したものである。図11は、図10と類似しているが、デスクトップコンピュータ474ではなく、ラップトップコンピュータ490を用いている。コンピュータ490の通信を助けるため、電源492付きIボックス494が用いられている。カメラ480は図示されていないが、図11の構成要素に加えることもあり得る。図12は、図10に示されるものと類似しているが、デジタルビデオ機能478およびカメラ480が示されていない。
【0057】
図13は、手に持って用いられる皮質刺激システム496を示す。このシステムは、SCU110に接続されたプローブ470を含み、SCU110は電源472に接続されている。プローブ470は、2.3mmの電極またはその同等物であってもよい。図14は、コンピュータ474の追加された機能を有するシステム496を示す。プローブ470は、SCU110に接続され、SCU110は、電源472およびコンピュータ474に接続される。コンピュータ474およびSCU110は、いずれも増幅器120およびSSU130に操作可能に接続されている。図15は、図14に類似しているが、ラップトップタイプのコンピュータ490を用いている。ラップトップコンピュータ490は、Iボックス494を介して刺激切り替え装置400に接続されている。Iボックス494は、電源492に接続されている。
【0058】
図14および15にはプローブ470が示されているが、グリッド、マトリックス、または、ストリップ電極482がSSU130に接続され、プローブ470ではなくこれらが使われてもよいことを理解されたい。
【0059】
図16は、エラーコードおよびエラーコードの意味を示す表である。SCU110またはシステム496がエラーまたは故障を検出した場合、ユーザのトラブルシューティングを助けるためにエラーコードが表示される。
【0060】
図17は、底部442に配置される端子444を有する刺激切り替え装置400を示す。切り替えユーザインターフェース600は、どのチャネルをアクティブにするかユーザが切り替えられるようにする。チャネルは、特定の端子444に対応し得る。チャネルセレクタ602を手動で設定することにより、チャネルのグループが起動され、SSU130によって電子的に制御されてよい。LEDライト604が点灯し、点灯したライト604をインジケータ606と照らし合わせることにより、ユーザはどのチャネルがアクティブかを知ることができる。
【0061】
図18は、チャネルインジケータ602がとり得る状態を示す。回転スイッチ610は、どのチャネルが選択されているかを示すための、様々なインジケータのライン608を示す。図19は、特定のチャネルが起動されたときに、どのLEDライト604が点灯するかを示す表である。
【0062】
図20は、システム496を使用中に実行され得る様々なステップを示すフローチャート700である。フローチャート700に示されるステップは、システム496がセットアップされており、様々なパラメータがすでに設定されていることを前提とする。列記されたステップは、示され記載された順序に限定されない。ステップS50において、プローブ470(または、マトリックス/ストリップ電極482)が、被験者の脳内に挿入される。ステップS52において、プローブ470/電極482が刺激装置に接続される(任意でSSUを経由する)。ステップS54において、選択されたプローブ対470/電極対482が、電流の信号が送られることによって刺激される。ステップS56において、被験者が観察される。被験者は単純なタスクを行うように求められ、被験者の反応が観察される。ステップS58において、被験者が発作の兆候を示しているかどうかが判定される。もし示していれば、ステップS59に示されるように、刺激が停止される。発作反応を避ける/中断する、または改善すべく、ステップS60に示されるように、以前に印加されたパルス電流列の一部を、発作反応を誘発するプローブ/電極に印加してよい。
【0063】
発作反応が中断されるかまたは観察されなかった場合、ユーザは、ステップS62に示すように、被験者の観察結果をシステムに入力してよい。ユーザは、観察結果に色を関連付ける。システムは、色および/または観察結果と、プローブ/電極の組およびプローブ/電極が挿入された脳の部分とを関連付ける。この情報は、ステップS66に示されるように保存される。追加のプローブ/電極が刺激された場合、本方法は、図に示すように、ステップS54に戻ってよい。ステップS68に示されるように、被験者の脳のマップを作成するために情報が用いられる。ステップS70に示されるように、マップは、印刷されるかまたは表示されてよい。マップは、被験者の脳のどの部分が特定のおよび/または重大な機能を果たしているかを決定するのに有益であり得る。
【0064】
上述の明細書本文および図面中の装置およびプロセスは、本明細書中に記載された実施形態の利点、特徴、および目的を達成するために用いられ、製造されるいくつかの方法および装置の実施例を示す。それゆえに、それらは、上述の実施形態の説明によって限定するものとみなされるべきではなく、特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。いかなる請求項または特徴も、発明の趣旨及び範囲の中において他の請求項または特徴と組み合わせることが可能である。本発明の多くの特徴および利点は詳細な説明から明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲は本発明の範囲にあてはまるそのようなすべての特徴および利点を包含することを意図される。さらに、当業者には幾多の修正および変更が容易に可能である。本発明の範囲を本明細書中で記載されまたは図示された構造および操作に限定することは望んでおらず、したがって、適切な修正および均等物は、本発明の範囲内に収まると考えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮質刺激システムであって、
様々な電極を選択的に制御するスイッチを有する刺激装置と、
電子スイッチおよび刺激装置を制御するための刺激装置に操作可能に接続されたユーザインターフェース装置とを備え、
与えられた刺激のレポートを提供する、皮質刺激システム。
【請求項2】
前記刺激装置とプローブマトリックスとの間に接続された増幅器をさらに備える、請求項1に記載の皮質刺激システム。
【請求項3】
前記刺激装置に操作可能に接続されるコンピュータをさらに備え、前記コンピュータは、ユーザが被験者に関する観察記録を入力することを可能にし、前記システムは、前記入力された観察結果を刺激される特定の一組のプローブに関連付け、前記特定のプローブの組と、前記入力された観察記録とに関するレポートを準備する、請求項1に記載の皮質刺激システム。
【請求項4】
前記コンピュータは、ユーザが色を一組のプローブと関連付けることができるようにし、前記レポートは、前記関連付けられた色を表示する、請求項3に記載の皮質刺激システム。
【請求項5】
前記コンピュータに操作可能に接続されるディスプレイをさらに備え、前記ディスプレイは、刺激処置に関するデータで覆われた被験者の脳を表示する、請求項3に記載の皮質刺激システム。
【請求項6】
前記刺激装置に操作可能に接続されたディスプレイスクリーンをさらに備え、前記ディスプレイスクリーンは、プローブおよび前記プローブによって選択された操作パラメータに関する情報を表示する、請求項1に記載の皮質刺激システム。
【請求項7】
前記ユーザインターフェースは、ユーザが一組のプローブに送られる電流を調整することを可能にし、前記電流は、電流レベル、パルス周波数、パルス持続時間、パルス列持続時間、および、いずれのプローブがカソードでいずれのプローブがアノードか、のうちの少なくとも1つの側面から調整される、請求項1に記載の皮質刺激システム。
【請求項8】
停止アクチュエータをさらに備え、前記停止アクチュエータは、前記刺激装置に操作可能に接続され、起動されるとすぐに、刺激処置に用いられるプローブへの刺激信号の送信を停止する、請求項1に記載の皮質刺激システム。
【請求項9】
発作中断アクチュエータをさらに備え、前記発作中断アクチュエータは、前記刺激装置に操作可能に接続され、起動されると、前記刺激装置に、刺激処置中に用いられるプローブへの発作中断信号を送信させる、請求項1に記載の皮質刺激システム。
【請求項10】
前記発作中断信号は、停止アクチュエータが起動されるとすぐに前記プローブに印加された信号の少なくとも一部である、請求項9に記載の皮質刺激システム。
【請求項11】
前記システムは、複数組のプローブを同時に接続する多数の端子をさらに備え、前記システムは、前記複数の端子に操作可能に接続され、選択されたプローブの組に信号を選択的に送信する切り替え装置もさらに備える、請求項9に記載の皮質刺激システム。
【請求項12】
前記複数組のプローブが前記切り替え装置に並列に接続されることによって、前記複数組のプローブが前記切り替え装置に接続された状態で、前記切換装置は信号をプローブのそれぞれの組に選択的に送信することができる、請求項11に記載の皮質刺激システム。
【請求項13】
前記システムが、前記システムの動作中に誤りを検出した場合、前記システムは、エラーコードを表示する、請求項1に記載の皮質刺激システム。
【請求項14】
前記システムが一組のプローブに電流を送るように設定されていない場合に、前記システムに接続された前記一組のプローブに電流が流れるのを防ぐブロック回路をさらに備える、請求項1に記載の皮質刺激システム。
【請求項15】
皮質刺激装置を操作する方法であって、
前記皮質刺激装置に一組のプローブを接続するステップと、
前記一組のプローブに送られる信号に関するパラメータを選択するステップと、
前記一組のプローブに信号を送信するステップと、
前記信号が前記一組のプローブに送信されると、前記一組のプローブを脳に接触させている被験者の反応を観察するステップと、
前記観察された反応を前記皮質刺激装置に入力するステップと、
前記反応を特定のプローブの組に関連付けるステップと、
前記反応および関連するプローブを説明するレポートを作成するステップとを含む、皮質刺激装置を操作する方法。
【請求項16】
発作反応が観察された場合に、被験者に取り付けられた一組のプローブに電流が流れるのを阻止するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記発作反応が観察される直前に一組のプローブに送信された前記信号を再送するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
どのプローブの組が信号を送信されるかを電子的に切り替えるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
色を、観察された反応、および、刺激されたことによって前記反応を示した前記一組のプローブに関連付けるステップと、前記反応および前記関連付けられた色を前記皮質刺激装置に入力するステップとをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
特定のプローブの組に送信される前記信号に関する前記選択されたパラメータと、前記特定のプローブの組と、前記入力された観察された反応とを電子的に保存するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
皮質刺激システムであって、
少なくとも一組の電極を制御する刺激装置と、
前記刺激装置と操作可能に接続され、前記発作中断アクチュエータが起動されると、前記刺激装置に、刺激処置中に用いられる電極に対して発作中断信号を送信させる発作中断アクチュエータとを備える、皮質刺激システム。
【請求項22】
皮質刺激システムであって、
少なくとも一組のプローブに選択的に電流を送る刺激装置と、
刺激されるべく選択されたプローブと関連付けられた増幅器の入力に電流が流れるのを防ぐブロック回路とを備える、皮質刺激システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2012−524633(P2012−524633A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507422(P2012−507422)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/032214
【国際公開番号】WO2010/124193
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(511256141)ケアフュージョン 2200 インコーポレーション (1)
【Fターム(参考)】