盗難防止用シートタグ及びこれを用いた盗難防止装置
【課題】スマートフォン等の本体の盗難と、電池やシムカードの盗難のいずれをも防止する盗難防止装置に用いられるシートタグを提供する。
【解決手段】略U字形状を構成する3つの略直線部分からなる盗難防止用シートタグ10であって、そのシートタグは、折り曲げ自在な絶縁材に、略U字形状に沿って導体パターンを設けたものであり、略U字形状の一方の縦線に相当する略直線部分は、シートタグコネクタ20に挿入する接続片10aであって、その接続片をシートタグコネクタに挿入したときに前記導体パターンに通電可能な構成であり、略U字形状の他方の縦線及び底辺に相当する略直線部分は、片面に接着層を有し、前記底辺に相当する略直線部分の接着層は、スマートフォン等の前面又は背面のいずれか一方の面に貼付され、前記他方の縦線に相当する略直線部分の接着層は、スマートフォン等の側面から反対側の面にかけて折り曲げて貼付されることを特徴とする。
【解決手段】略U字形状を構成する3つの略直線部分からなる盗難防止用シートタグ10であって、そのシートタグは、折り曲げ自在な絶縁材に、略U字形状に沿って導体パターンを設けたものであり、略U字形状の一方の縦線に相当する略直線部分は、シートタグコネクタ20に挿入する接続片10aであって、その接続片をシートタグコネクタに挿入したときに前記導体パターンに通電可能な構成であり、略U字形状の他方の縦線及び底辺に相当する略直線部分は、片面に接着層を有し、前記底辺に相当する略直線部分の接着層は、スマートフォン等の前面又は背面のいずれか一方の面に貼付され、前記他方の縦線に相当する略直線部分の接着層は、スマートフォン等の側面から反対側の面にかけて折り曲げて貼付されることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売店において展示している携帯電話やスマートフォン及びこれらの電池やシムカード等の盗難を防ぐために用いる盗難防止用シートタグ及びこれを用いた盗難防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家電量販店などでは、商品や商品の見本などを展示し、購入者はその商品等を手に取ってデザインや操作性などを確認し、購入するかどうかを決定するという販売形態が多い。そして、このように展示している商品等は盗難されやすいので、盗難防止装置を取り付けて対策されていることが多い(例えば、特許文献1,2)。
【0003】
一般的な盗難防止装置は、展示している商品に両面テープなどで盗難防止タグを貼付するものである。このような盗難防止タグは、小さな筺体の内部に、電源電池、ブザーなどの警報装置、これら電源と警報装置とを接続する警報回路が形成された回路基板、盗難を検知するための検出スイッチなどを収納したものである。回路基板からはさらに、ループ状のケーブルが筺体の外へと延びており、このケーブルを商品の展示棚の固定バー等に結合させる構成になっている。また、ケーブルの先端にもう一つ盗難防止タグを設けて、展示棚等に貼付するという構成でもよい。そして、盗難者が、この盗難防止タグを剥がしたり、接続されているケーブルを切断したりして、商品を店外に持ち出そうとすると、警報を鳴らして店員に知らせることになる。
【0004】
ところで、被保護体となるスマートフォンや携帯電話は、厚さ15mm程度の四角い薄板状で、液晶画面や電装品が含まれる本体部の裏面のほぼ全体を蓋体で覆う構造であったり、裏面の一部だけを蓋体で覆う構造になっている。そして、携帯電話やスマートフォン(以下、スマートフォン等、とする。)についても実際に手に取って操作できるように展示することが多いため、盗難防止装置が利用されている。しかし、近年は、スマートフォン等の本体の盗難だけではなく、蓋体を外して内部の電池やシムカード等だけが盗難される被害が多くなり、問題となっている。
【0005】
この問題に対し、例えば、一組の盗難防止タグをスマートフォン等の本体に付けただけでは、蓋体を外しても検知できないので、電池等の盗難を防ぐことはできない。また、複数の盗難防止タグを取り付けるのは煩雑である。さらに、蓋の中にある電池そのものに盗難防止タグを付けることも難しい。
【0006】
一方、盗難防止装置には、シート状のタグを用いた構成の物もある(例えば、特許文献3参照)。図11は、特許文献3に記載されたシートタグを用いた従来の盗難防止タグの斜視図である。
【0007】
この盗難防止タグは、導体パターン41を有するシートタグ40をシートタグコネクタ20に差し込んで使用される。シートタグ40は、シート状の基材と、基材上に形成される導電層と、導電層上に形成される接着層とを有し、物品にシートタグ40の接着層面を貼り付け、制御手段により導電層の抵抗値を検出して異なる状態になったときに警報手段を駆動させるものである。つまり、シートタグ40を剥がしたり、シートタグコネクタ20からシートタグ40を抜いたり、ケーブル21やシートタグ40を切断したりすると、警報装置が作動するようになっている。
【0008】
このような盗難防止タグであれば、スマートフォン等の本体部分と電池等の蓋体部分とを跨ぐように貼付することにより、スマートフォン等の本体と電池等とを同時に盗難被害から守ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−30156号公報
【特許文献2】特開平10−222772号公報
【特許文献3】特開2004−78610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、図11に示した従来のシートタグの形状では、スマートフォン等の前面又は背面にシートタグコネクタ20が突出することになり、手に取って操作するときに邪魔であるし、また、シートタグコネクタ20がスマートフォン等の前面にあると、画面が見にくく、外観上も好ましくない。また、近年増加している非接触充電は、充電パッドの上にスマートフォン等を置くだけで充電できるものであるが、背面にシートタグコネクタ等があると、充電パッド等の平面上に安定した状態で置くことができないため、充電を妨げる要因になることもある。
【0011】
そこで、このような実情に鑑み、本発明は、スマートフォン等の本体の盗難と、電池やシムカードの盗難のいずれをも防止できる盗難防止装置に使用されるシートタグ及びこのシートタグを用いて、平面上に安定して置くことができる構成にした盗難防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために本発明のスマートフォンや携帯電話に用いる本発明の盗難防止用シートタグは、スマートフォンや携帯電話の盗難防止に用いられる略U字形状を構成する3本の略直線部分からなる盗難防止用シートタグであって、前記シートタグは、折り曲げ自在な絶縁材に、略U字形状に沿って導体パターンを設けたものであり、略U字形状の一方の縦線に相当する略直線部分は、シートタグコネクタに挿入する接続片であって、前記接続片をシートタグコネクタに挿入したときに前記導体パターンに通電可能な構成であり、略U字形状の他方の縦線及び底辺に相当する略直線部分は、片面に接着層を有し、前記底辺に相当する略直線部分の接着層は、スマートフォンや携帯電話の前面又は背面のいずれか一方の面に貼付され、前記他方の縦線に相当する検知片の接着層は、スマートフォンや携帯電話の側面から反対側の面にかけて折り曲げて貼付されることを特徴としている。なお、底辺に相当する略直線部分の接着層をスマートフォン等の前面に貼付し、他方の縦線に相当する略直線部分の接着層を側面から背面にかけて折り曲げて貼付してもよい。
【0013】
または、本体部と蓋体とを備えた薄板状の被保護体の盗難を防止する盗難防止装置に用いられる盗難防止用シートタグであって、前記盗難防止用シートタグは、折り曲げ自在なシート状の絶縁材に導体パターンを設けた検知片と、該検知片の導体パターンと電気的な接続をするとともに外部との電気的な接続が可能な接続片とを有し、前記検知片が、片面に接着層を有し、一端が前記被保護体の一方の面上に接着され、他端が反対側の面上に接着され、これらの間に前記蓋体の一部が含まれるように接着可能なことを特徴としている。
【0014】
前記検知片が、前記接続片の両側に相互に直交する方向に延設され、前記被保護体の角部に装着されるようにした構成にしたり、前記検知片が、前記接続片の両側に相互に平行に延設され、前記被保護体の側部に装着されるように構成したりすることができる。
【0015】
また、この盗難防止用シートタグを備えた盗難防止装置は、シートタグと、そのシートタグの接続片を挿入する挿入口を備えたシートタグコネクタと、そのシートタグコネクタに接続するケーブルと、前記シートタグコネクタの内部又は前記ケーブルの先端部に備えられた警報装置と、を有し、前記シートタグが貼付後に剥がされたり、前記シートタグが破断されたり、前記シートタグが前記シートタグコネクタの挿入口から抜かれたり、前記ケーブルが切断されたりしたときに、前記警報装置が作動することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の盗難防止用シートタグ及びこれを用いた盗難防止装置によれば、スマートフォン等の前面から背面にかけて本体と蓋体とを跨ぐようにしてシートタグを貼付できることから、本体だけでなく、蓋体を外してバッテリーやシムカードを抜き取る盗難被害をも防ぐことができるという効果を奏する。
【0017】
また、シートタグコネクタは、スマートフォン等の側面に配置させることが可能なので、スマートフォン等を充電パッド等の平面上に安定した状態で置くことができるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る盗難防止装置の分解斜視図である。
【図2】シートタグをシートタグコネクタに結合する状況を示した斜視図である。
【図3】本発明に用いられる回路図である。
【図4】シートタグをスマートフォン等に貼付する状況を示した斜視図である。
【図5】シートタグの先端接着部をスマートフォン等の側面から前面にかけて貼付する状況を示した斜視図である。
【図6】ケーブルクリップによりケーブルを係止する状況を示した斜視図である。
【図7】盗難防止装置をスマートフォン等に設置した全体を示す斜視図であり、(a)はケーブル先端に盗難防止タグを設けた場合、(b)はケーブル先端をループ状にして固定バーに結合した場合である。
【図8】シートタグの第2実施例の図で、(a)は展開した斜視図、(b)は使用状態を示す斜視図である。
【図9】シートタグの第3実施例の図で、(a)は展開した斜視図、(b)は使用状態を示す斜視図である。
【図10】シートタグの第4実施例の図で、(a)は展開した斜視図、(b)は使用状態を示す斜視図である。
【図11】従来のシートタグを用いた盗難防止タグを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1実施例のシートタグを使用した盗難防止装置の分解斜視図であり、図2は、図1に示すシートタグをシートタグコネクタに結合する状況を示した斜視図である。
【0021】
本発明において、盗難防止装置100は、シートタグ10をシートタグコネクタ20に結合して用いられる。盗難防止装置100全体としては、シートタグコネクタ20から延びるケーブル21を有し、ケーブル21の他端は、図1(a)に示したように盗難防止タグ30を設けてもよいし、(b)に示したようにケーブル21をループ形状にしてもよい。なお、ケーブル21の端部に盗難防止タグ30を設ける場合は、警報装置や電池等は、盗難防止タグ30に内蔵させればよいが、端部をループ形状にする場合は、シートタグコネクタ20に警報装置や電池等を内蔵させる必要がある。
【0022】
シートタグ10は、略U字形状をしている。言い換えると、シートタグ10は、2本の平行な直線部とそれらを繋ぐ底辺部とからなる形状をしている。一方の縦線に相当する略直線部分は、シートタグコネクタ20に挿入する接続片10aとなっていて、端部には導線が露出していて、図2(a),(b)に示すように、シートタグコネクタ20に挿入でき、外部との電気的接続ができる構造になっている。また、もう一方の縦線に相当する直線部分は、片面が接着層になっていて、スマートフォン等50に貼付できる構成になっている。ここでは、接着層を有する縦線部分を検知片10bとし、接着層を有する底辺部分を連結片10cということにする。なお、シートタグ10は、略U字形状をしているが、必ずしも検知片10bと接続片10aを同じ長さにする必要はなく、接続片10aの方を長くすることがあり、その場合は、U字よりもJ字形状に近くなることもある。
【0023】
シートタグ10は、柔軟で折り曲げ自在な絶縁材からなるが、接続片10aはシートタグコネクタ20と接続可能な剛性を備えている。シートタグ10の表面には、シートタグ10の形状に沿って、導体パターンが形成されている。そして、シートタグコネクタ20に接続片10aを挿入すると、導体パターンに通電可能な構成になっている。そこで、本発明の盗難防止装置100に係る電気回路について、説明する。
【0024】
図3は、本発明に用いられる回路図である。この図3は、回路3とシートタグコネクタ20をケーブル21で繋いだように示しているので、図1(a)に示したケーブル21の先端に盗難防止タグ30を設けた盗難防止装置を表している。しかし、検出装置5を削除し、回路3をすべてシートタグコネクタ20に内蔵させ、ケーブル21を延ばしてループ状にすれば、図1(b)に示した盗難防止装置を表すことになる。したがって、図3によって、図1(a),(b)の両方の実施例の回路3を説明することができる。
【0025】
警報装置4としてのブザーは、一端が電源スイッチ6を介して電源2のプラス側に接続され、他端はトランジスタQ3のコレクタに接続される。トランジスタQ3のエミッタは電源2のマイナス極に接続され、Q3のベースは抵抗R3を介してトランジスタQ2のコレクタに接続されている。Q2のベースは抵抗R4を介してトランジスタQ1のコレクタに接続され、Q2のエミッタは電源2のプラス側に接続される。抵抗R1、検出スイッチ5、ケーブル21及び導体パターン10dは直列に接続され、電源2の両極に接続される。Q2のベースは抵抗R4を介してトランジスタQ1のコレクタに接続されるとともに、並列に配置されたダイオードDを介して、抵抗R1と検出スイッチ5との間に接続されている。Q2のコレクタとQ1のベースとは、抵抗R4を介して接続されている。トランジスタQ1のエミッタは電源2のマイナス極に接続される。
【0026】
以上の構成において、盗難防止タグ30が貼付された状態でシートタグ10をシートタグコネクタ20に挿入したときは、検出スイッチ5がONで、電源スイッチ6がONになっている。このとき、電源2→電源スイッチ6→R1→検出スイッチ5→ケーブル21→導体パターン10d→ケーブル21→電源2の回路に電気が流れる。トランジスタQ1,Q2,Q3はオフの状態となり、警報装置4はOFFとなり、電気が流れず、警報を発しない。
【0027】
盗難者が盗難防止タグ30を剥がすと、検出スイッチ5が突出してOFFとなる。また、シートタグ10をシートタグコネクタ20から引き抜いたり、ケーブル21や導体パターン10dを切断したときも同様にOFFとなる。すると、抵抗R1からダイオードDを経てトランジスタQ1のベースからエミッタに電気が流れ、Q1がONとなり、R4を通じトランジスタQ2のベースが接地されQ2がONとなる。トランジスタQ2がONになると、抵抗R3からトランジスタQ3のベースからエミッタ間に電気が流れ、Q3がONとなり、警報装置4が鳴動する。Q3がONとなると、検出スイッチ5をONの状態にしたり、シートタグ10をシートタグコネクタ20に挿入してもQ1はONの状態を保持し、警報装置4は鳴動を停止しない。警報装置4を停止させるには、電源スイッチ6をOFFにしなければならないことになる。
【0028】
図4は、シートタグをスマートフォン等に貼付する状況を示した斜視図であり、図5は、シートタグの先端接着部をスマートフォン等の側面から前面にかけて貼付する状況を示した斜視図である。
【0029】
図4はスマートフォン50の裏面側を示すが、この図のスマートフォン50では、裏面の1平面で画定されるほぼ裏面の全体が蓋体となっている。シートタグコネクタ20に接続片10aを挿入した後、シートタグ10の検知片10bの一端(連結片10cとの接続部)をスマートフォン等50の蓋体の一部、すなわち背面側方部の点線で示した箇所Aに貼付する。図5(a)はこの状態を前面側から見た図である。これで、スマートフォン等50に盗難防止装置100が取り付けられたことになるが、このままでは、蓋体を外して本体から、例えばバッテリー等を盗難されるおそれがある。そこで、シートタグ10の検知片10bの他端(先端側)を折り曲げて、スマートフォン等50の側面から本体の前面にかけて図5(b)に示すように貼付する。このとき、検知片10bは、前面のごく一部しか覆わないので、液晶画面を見るのを妨げることはない。なお、上記とは逆に、スマートフォン等50の前面にシートタグ10の検知片10bの一端を貼付し、検知片10bの他端をスマートフォン等50の側面から背面の蓋体にかけて折り曲げて貼付してもよい。
【0030】
このような方法でシートタグ10を貼付するとスマートフォン等50を前面から背面まで(蓋体と本体とを)一つのシートタグ10で把持したような形になるので、スマートフォン等50から盗難防止装置100を外すためには、シートタグ10を剥がすか若しくは切るか、又はシートタグコネクタ20からシートタグ10を抜くといったことをしなければならない。前述したように、シートタグ10を切ったり、シートタグ10を抜いたりすると警報装置4が作動する。また、剥離インク等を使用して、シートタグ10を剥がすとシートタグ10内の導体パターン10dが破壊されるような構成にしておけば、シートタグ10を剥がすだけで警報装置4が作動することになる。
【0031】
また、シートタグ10を用いると、シートタグコネクタ20は、スマートフォン等50の側面部に位置することになる。そうすると、スマートフォン等50を充電パッドのような平面上に置くときに邪魔にならず、安定した状態で置くことができる。なお、別のシートタグ10を充電パッドに貼付し、充電パッドの盗難防止に用いてもよい。
【0032】
シートタグコネクタ20から延びているケーブル21を引っ張ると、シートタグコネクタ20からシートタグ10が抜け、それによって警報装置4が作動することがある。そうすると普通に展示しているスマートフォン等50を手に取ったとき、ケーブル21に何かが引っ掛かって、不意に警報装置4が作動することが懸念される。そこで、ケーブルクリップ22を使って、ケーブル21をスマートフォン等50に係止しておくことで、不意による警報装置4の作動を減らすことができる。
【0033】
図6は、ケーブルクリップによりケーブルを係止する状況を示した斜視図である。シートタグ10をスマートフォン等50の本体に取り付けた後、ケーブル21にケーブルクリップ22を取り付ける。ケーブルクリップ22は、シートタグ10と同様に、片面が接着面になっていて、スマートフォン等50に貼付できる構成である。そして、図6(a)に点線で示した箇所Bにケーブルクリップ22を貼付する。図6(b)は、ケーブルクリップ22を取り付けた後の図であり、このようにしてケーブル21を固定しておけば、容易にシートタグ10が抜けることを防止することができる。
【0034】
図7は、盗難防止装置をスマートフォン等に設置した全体を示す斜視図であり、(a)はケーブル先端に盗難防止タグを設けた場合、(b)はケーブル先端をループ状にして固定バーに結合した場合である。
【0035】
図7(a)のように、端部に盗難防止タグ30を設ける例では、盗難防止タグ30を展示棚24に両面テープで貼付することで、盗難を防止する構成になっている。なお、盗難防止タグ30の裏面には検出スイッチ5があり、盗難防止タグ30を展示棚24から剥がすと、警報装置が作動する構成になっている。このようにケーブル21の端部に盗難防止タグ30を設ける構成にすると、盗難防止タグ30に電池や警報装置を設けることができるために、シートタグコネクタ20を小型化することが可能となり、充電パッド等の平面上にスマートフォン等50を置くときに邪魔になりにくい。
【0036】
また、図7(b)のように、シートタグコネクタ20から延びたケーブル21の先端のループ21aを、商品の陳列棚等に立設された固定バー23の回りに一回りさせた後、先端のループ21aにシートタグコネクタ20を通過させ、固定バー23と結合する。固定バー23は、両端が棚や壁などに固定されているので、ケーブル21を固定バー23の長手方向に移動して端部から抜き取ることはできない。したがって、スマートフォン等50を盗難するにはシートタグ10を引き抜くかケーブル21を切断しなければならないことになる。
【0037】
図8から10は、本発明のシートタグの別の実施例で、すべて、第1実施例と同じく、基材に導電パターンが形成され、接着層を備えるもので、形状のみが相違しているだけである。
【0038】
図8は、本発明のシートタグの第2実施例で、(a)は使用前の展開した状態を示す斜視図、(b)は使用状態を示す斜視図である。このシートタグ11は、導電パターンが形成され、検知片11bを互いに直交する方向に2つ有し、中央に両検知片11bに対して45゜の角度で接続片11aを設けている。両検知片11bの交差部が、連結片11cである。点線の位置で折り曲げると、図8(b)に示すようになり、スマートフォン等の角部に取り付けることができる。使用方法は、第1実施例と同様であり、少なくとも一方の検知片12bが、本体正面と、裏面の蓋体とに貼付されるようにして使用する。被保護体が、蝶番で開閉するタイプの携帯電話の場合、2つの端面を接着するので、開けにくくなり、貼付面積が大きくなるので、剥がしくい。
【0039】
図9は、本発明のシートタグの第3実施例で、(a)は使用前の展開した状態を示す斜視図、(b)は使用状態を示す斜視図である。このシートタグ12は、検知片12bを互いに直交する方向に2つ有し、一方の検知片12bと平行に接続片12aを形成している。両検知片11bの交差部が、連結片12cである。図8と同じく点線の位置で折り曲げると、図9(b)に示すようになり、スマートフォンの角部ないし角部に近い位置に取り付けることができる。接続片12aの両側を検知片12bで押さえ、かつ、蝶番で開閉するタイプの携帯電話では、2方向を押さえるので、開きにくくなる。また、貼付面積も大きいので剥がしにくい。
【0040】
図10は、本発明のシートタグの第3実施例で、(a)は使用前の展開した状態を示す斜視図、(b)は使用状態を示す斜視図である。このシートタグ13は、2つの検知片13bを平行に配置し、中央に両検知片13bに平行な接続片13aを設けている。両検知片13bの中間部が、連結片13cである。点線の位置で折り曲げると、図10(b)に示すようになり、スマートフォンの側部であればどこにでも取り付けることができる。接続片13aの両側を検知片13bで押さえるので、接続片13aに加わる力のバランスがとれる。
【符号の説明】
【0041】
10、11、12、13 シートタグ
10a、11a、12a、13a 接続片
10b、11b、12b、13b 検知片
10c、11c、12c、13c 連結片
10d 導体パターン
20 シートタグコネクタ
21 ケーブル
22 ケーブルクリップ
50 スマートフォン等
100 盗難防止装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売店において展示している携帯電話やスマートフォン及びこれらの電池やシムカード等の盗難を防ぐために用いる盗難防止用シートタグ及びこれを用いた盗難防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家電量販店などでは、商品や商品の見本などを展示し、購入者はその商品等を手に取ってデザインや操作性などを確認し、購入するかどうかを決定するという販売形態が多い。そして、このように展示している商品等は盗難されやすいので、盗難防止装置を取り付けて対策されていることが多い(例えば、特許文献1,2)。
【0003】
一般的な盗難防止装置は、展示している商品に両面テープなどで盗難防止タグを貼付するものである。このような盗難防止タグは、小さな筺体の内部に、電源電池、ブザーなどの警報装置、これら電源と警報装置とを接続する警報回路が形成された回路基板、盗難を検知するための検出スイッチなどを収納したものである。回路基板からはさらに、ループ状のケーブルが筺体の外へと延びており、このケーブルを商品の展示棚の固定バー等に結合させる構成になっている。また、ケーブルの先端にもう一つ盗難防止タグを設けて、展示棚等に貼付するという構成でもよい。そして、盗難者が、この盗難防止タグを剥がしたり、接続されているケーブルを切断したりして、商品を店外に持ち出そうとすると、警報を鳴らして店員に知らせることになる。
【0004】
ところで、被保護体となるスマートフォンや携帯電話は、厚さ15mm程度の四角い薄板状で、液晶画面や電装品が含まれる本体部の裏面のほぼ全体を蓋体で覆う構造であったり、裏面の一部だけを蓋体で覆う構造になっている。そして、携帯電話やスマートフォン(以下、スマートフォン等、とする。)についても実際に手に取って操作できるように展示することが多いため、盗難防止装置が利用されている。しかし、近年は、スマートフォン等の本体の盗難だけではなく、蓋体を外して内部の電池やシムカード等だけが盗難される被害が多くなり、問題となっている。
【0005】
この問題に対し、例えば、一組の盗難防止タグをスマートフォン等の本体に付けただけでは、蓋体を外しても検知できないので、電池等の盗難を防ぐことはできない。また、複数の盗難防止タグを取り付けるのは煩雑である。さらに、蓋の中にある電池そのものに盗難防止タグを付けることも難しい。
【0006】
一方、盗難防止装置には、シート状のタグを用いた構成の物もある(例えば、特許文献3参照)。図11は、特許文献3に記載されたシートタグを用いた従来の盗難防止タグの斜視図である。
【0007】
この盗難防止タグは、導体パターン41を有するシートタグ40をシートタグコネクタ20に差し込んで使用される。シートタグ40は、シート状の基材と、基材上に形成される導電層と、導電層上に形成される接着層とを有し、物品にシートタグ40の接着層面を貼り付け、制御手段により導電層の抵抗値を検出して異なる状態になったときに警報手段を駆動させるものである。つまり、シートタグ40を剥がしたり、シートタグコネクタ20からシートタグ40を抜いたり、ケーブル21やシートタグ40を切断したりすると、警報装置が作動するようになっている。
【0008】
このような盗難防止タグであれば、スマートフォン等の本体部分と電池等の蓋体部分とを跨ぐように貼付することにより、スマートフォン等の本体と電池等とを同時に盗難被害から守ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−30156号公報
【特許文献2】特開平10−222772号公報
【特許文献3】特開2004−78610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、図11に示した従来のシートタグの形状では、スマートフォン等の前面又は背面にシートタグコネクタ20が突出することになり、手に取って操作するときに邪魔であるし、また、シートタグコネクタ20がスマートフォン等の前面にあると、画面が見にくく、外観上も好ましくない。また、近年増加している非接触充電は、充電パッドの上にスマートフォン等を置くだけで充電できるものであるが、背面にシートタグコネクタ等があると、充電パッド等の平面上に安定した状態で置くことができないため、充電を妨げる要因になることもある。
【0011】
そこで、このような実情に鑑み、本発明は、スマートフォン等の本体の盗難と、電池やシムカードの盗難のいずれをも防止できる盗難防止装置に使用されるシートタグ及びこのシートタグを用いて、平面上に安定して置くことができる構成にした盗難防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために本発明のスマートフォンや携帯電話に用いる本発明の盗難防止用シートタグは、スマートフォンや携帯電話の盗難防止に用いられる略U字形状を構成する3本の略直線部分からなる盗難防止用シートタグであって、前記シートタグは、折り曲げ自在な絶縁材に、略U字形状に沿って導体パターンを設けたものであり、略U字形状の一方の縦線に相当する略直線部分は、シートタグコネクタに挿入する接続片であって、前記接続片をシートタグコネクタに挿入したときに前記導体パターンに通電可能な構成であり、略U字形状の他方の縦線及び底辺に相当する略直線部分は、片面に接着層を有し、前記底辺に相当する略直線部分の接着層は、スマートフォンや携帯電話の前面又は背面のいずれか一方の面に貼付され、前記他方の縦線に相当する検知片の接着層は、スマートフォンや携帯電話の側面から反対側の面にかけて折り曲げて貼付されることを特徴としている。なお、底辺に相当する略直線部分の接着層をスマートフォン等の前面に貼付し、他方の縦線に相当する略直線部分の接着層を側面から背面にかけて折り曲げて貼付してもよい。
【0013】
または、本体部と蓋体とを備えた薄板状の被保護体の盗難を防止する盗難防止装置に用いられる盗難防止用シートタグであって、前記盗難防止用シートタグは、折り曲げ自在なシート状の絶縁材に導体パターンを設けた検知片と、該検知片の導体パターンと電気的な接続をするとともに外部との電気的な接続が可能な接続片とを有し、前記検知片が、片面に接着層を有し、一端が前記被保護体の一方の面上に接着され、他端が反対側の面上に接着され、これらの間に前記蓋体の一部が含まれるように接着可能なことを特徴としている。
【0014】
前記検知片が、前記接続片の両側に相互に直交する方向に延設され、前記被保護体の角部に装着されるようにした構成にしたり、前記検知片が、前記接続片の両側に相互に平行に延設され、前記被保護体の側部に装着されるように構成したりすることができる。
【0015】
また、この盗難防止用シートタグを備えた盗難防止装置は、シートタグと、そのシートタグの接続片を挿入する挿入口を備えたシートタグコネクタと、そのシートタグコネクタに接続するケーブルと、前記シートタグコネクタの内部又は前記ケーブルの先端部に備えられた警報装置と、を有し、前記シートタグが貼付後に剥がされたり、前記シートタグが破断されたり、前記シートタグが前記シートタグコネクタの挿入口から抜かれたり、前記ケーブルが切断されたりしたときに、前記警報装置が作動することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の盗難防止用シートタグ及びこれを用いた盗難防止装置によれば、スマートフォン等の前面から背面にかけて本体と蓋体とを跨ぐようにしてシートタグを貼付できることから、本体だけでなく、蓋体を外してバッテリーやシムカードを抜き取る盗難被害をも防ぐことができるという効果を奏する。
【0017】
また、シートタグコネクタは、スマートフォン等の側面に配置させることが可能なので、スマートフォン等を充電パッド等の平面上に安定した状態で置くことができるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る盗難防止装置の分解斜視図である。
【図2】シートタグをシートタグコネクタに結合する状況を示した斜視図である。
【図3】本発明に用いられる回路図である。
【図4】シートタグをスマートフォン等に貼付する状況を示した斜視図である。
【図5】シートタグの先端接着部をスマートフォン等の側面から前面にかけて貼付する状況を示した斜視図である。
【図6】ケーブルクリップによりケーブルを係止する状況を示した斜視図である。
【図7】盗難防止装置をスマートフォン等に設置した全体を示す斜視図であり、(a)はケーブル先端に盗難防止タグを設けた場合、(b)はケーブル先端をループ状にして固定バーに結合した場合である。
【図8】シートタグの第2実施例の図で、(a)は展開した斜視図、(b)は使用状態を示す斜視図である。
【図9】シートタグの第3実施例の図で、(a)は展開した斜視図、(b)は使用状態を示す斜視図である。
【図10】シートタグの第4実施例の図で、(a)は展開した斜視図、(b)は使用状態を示す斜視図である。
【図11】従来のシートタグを用いた盗難防止タグを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1実施例のシートタグを使用した盗難防止装置の分解斜視図であり、図2は、図1に示すシートタグをシートタグコネクタに結合する状況を示した斜視図である。
【0021】
本発明において、盗難防止装置100は、シートタグ10をシートタグコネクタ20に結合して用いられる。盗難防止装置100全体としては、シートタグコネクタ20から延びるケーブル21を有し、ケーブル21の他端は、図1(a)に示したように盗難防止タグ30を設けてもよいし、(b)に示したようにケーブル21をループ形状にしてもよい。なお、ケーブル21の端部に盗難防止タグ30を設ける場合は、警報装置や電池等は、盗難防止タグ30に内蔵させればよいが、端部をループ形状にする場合は、シートタグコネクタ20に警報装置や電池等を内蔵させる必要がある。
【0022】
シートタグ10は、略U字形状をしている。言い換えると、シートタグ10は、2本の平行な直線部とそれらを繋ぐ底辺部とからなる形状をしている。一方の縦線に相当する略直線部分は、シートタグコネクタ20に挿入する接続片10aとなっていて、端部には導線が露出していて、図2(a),(b)に示すように、シートタグコネクタ20に挿入でき、外部との電気的接続ができる構造になっている。また、もう一方の縦線に相当する直線部分は、片面が接着層になっていて、スマートフォン等50に貼付できる構成になっている。ここでは、接着層を有する縦線部分を検知片10bとし、接着層を有する底辺部分を連結片10cということにする。なお、シートタグ10は、略U字形状をしているが、必ずしも検知片10bと接続片10aを同じ長さにする必要はなく、接続片10aの方を長くすることがあり、その場合は、U字よりもJ字形状に近くなることもある。
【0023】
シートタグ10は、柔軟で折り曲げ自在な絶縁材からなるが、接続片10aはシートタグコネクタ20と接続可能な剛性を備えている。シートタグ10の表面には、シートタグ10の形状に沿って、導体パターンが形成されている。そして、シートタグコネクタ20に接続片10aを挿入すると、導体パターンに通電可能な構成になっている。そこで、本発明の盗難防止装置100に係る電気回路について、説明する。
【0024】
図3は、本発明に用いられる回路図である。この図3は、回路3とシートタグコネクタ20をケーブル21で繋いだように示しているので、図1(a)に示したケーブル21の先端に盗難防止タグ30を設けた盗難防止装置を表している。しかし、検出装置5を削除し、回路3をすべてシートタグコネクタ20に内蔵させ、ケーブル21を延ばしてループ状にすれば、図1(b)に示した盗難防止装置を表すことになる。したがって、図3によって、図1(a),(b)の両方の実施例の回路3を説明することができる。
【0025】
警報装置4としてのブザーは、一端が電源スイッチ6を介して電源2のプラス側に接続され、他端はトランジスタQ3のコレクタに接続される。トランジスタQ3のエミッタは電源2のマイナス極に接続され、Q3のベースは抵抗R3を介してトランジスタQ2のコレクタに接続されている。Q2のベースは抵抗R4を介してトランジスタQ1のコレクタに接続され、Q2のエミッタは電源2のプラス側に接続される。抵抗R1、検出スイッチ5、ケーブル21及び導体パターン10dは直列に接続され、電源2の両極に接続される。Q2のベースは抵抗R4を介してトランジスタQ1のコレクタに接続されるとともに、並列に配置されたダイオードDを介して、抵抗R1と検出スイッチ5との間に接続されている。Q2のコレクタとQ1のベースとは、抵抗R4を介して接続されている。トランジスタQ1のエミッタは電源2のマイナス極に接続される。
【0026】
以上の構成において、盗難防止タグ30が貼付された状態でシートタグ10をシートタグコネクタ20に挿入したときは、検出スイッチ5がONで、電源スイッチ6がONになっている。このとき、電源2→電源スイッチ6→R1→検出スイッチ5→ケーブル21→導体パターン10d→ケーブル21→電源2の回路に電気が流れる。トランジスタQ1,Q2,Q3はオフの状態となり、警報装置4はOFFとなり、電気が流れず、警報を発しない。
【0027】
盗難者が盗難防止タグ30を剥がすと、検出スイッチ5が突出してOFFとなる。また、シートタグ10をシートタグコネクタ20から引き抜いたり、ケーブル21や導体パターン10dを切断したときも同様にOFFとなる。すると、抵抗R1からダイオードDを経てトランジスタQ1のベースからエミッタに電気が流れ、Q1がONとなり、R4を通じトランジスタQ2のベースが接地されQ2がONとなる。トランジスタQ2がONになると、抵抗R3からトランジスタQ3のベースからエミッタ間に電気が流れ、Q3がONとなり、警報装置4が鳴動する。Q3がONとなると、検出スイッチ5をONの状態にしたり、シートタグ10をシートタグコネクタ20に挿入してもQ1はONの状態を保持し、警報装置4は鳴動を停止しない。警報装置4を停止させるには、電源スイッチ6をOFFにしなければならないことになる。
【0028】
図4は、シートタグをスマートフォン等に貼付する状況を示した斜視図であり、図5は、シートタグの先端接着部をスマートフォン等の側面から前面にかけて貼付する状況を示した斜視図である。
【0029】
図4はスマートフォン50の裏面側を示すが、この図のスマートフォン50では、裏面の1平面で画定されるほぼ裏面の全体が蓋体となっている。シートタグコネクタ20に接続片10aを挿入した後、シートタグ10の検知片10bの一端(連結片10cとの接続部)をスマートフォン等50の蓋体の一部、すなわち背面側方部の点線で示した箇所Aに貼付する。図5(a)はこの状態を前面側から見た図である。これで、スマートフォン等50に盗難防止装置100が取り付けられたことになるが、このままでは、蓋体を外して本体から、例えばバッテリー等を盗難されるおそれがある。そこで、シートタグ10の検知片10bの他端(先端側)を折り曲げて、スマートフォン等50の側面から本体の前面にかけて図5(b)に示すように貼付する。このとき、検知片10bは、前面のごく一部しか覆わないので、液晶画面を見るのを妨げることはない。なお、上記とは逆に、スマートフォン等50の前面にシートタグ10の検知片10bの一端を貼付し、検知片10bの他端をスマートフォン等50の側面から背面の蓋体にかけて折り曲げて貼付してもよい。
【0030】
このような方法でシートタグ10を貼付するとスマートフォン等50を前面から背面まで(蓋体と本体とを)一つのシートタグ10で把持したような形になるので、スマートフォン等50から盗難防止装置100を外すためには、シートタグ10を剥がすか若しくは切るか、又はシートタグコネクタ20からシートタグ10を抜くといったことをしなければならない。前述したように、シートタグ10を切ったり、シートタグ10を抜いたりすると警報装置4が作動する。また、剥離インク等を使用して、シートタグ10を剥がすとシートタグ10内の導体パターン10dが破壊されるような構成にしておけば、シートタグ10を剥がすだけで警報装置4が作動することになる。
【0031】
また、シートタグ10を用いると、シートタグコネクタ20は、スマートフォン等50の側面部に位置することになる。そうすると、スマートフォン等50を充電パッドのような平面上に置くときに邪魔にならず、安定した状態で置くことができる。なお、別のシートタグ10を充電パッドに貼付し、充電パッドの盗難防止に用いてもよい。
【0032】
シートタグコネクタ20から延びているケーブル21を引っ張ると、シートタグコネクタ20からシートタグ10が抜け、それによって警報装置4が作動することがある。そうすると普通に展示しているスマートフォン等50を手に取ったとき、ケーブル21に何かが引っ掛かって、不意に警報装置4が作動することが懸念される。そこで、ケーブルクリップ22を使って、ケーブル21をスマートフォン等50に係止しておくことで、不意による警報装置4の作動を減らすことができる。
【0033】
図6は、ケーブルクリップによりケーブルを係止する状況を示した斜視図である。シートタグ10をスマートフォン等50の本体に取り付けた後、ケーブル21にケーブルクリップ22を取り付ける。ケーブルクリップ22は、シートタグ10と同様に、片面が接着面になっていて、スマートフォン等50に貼付できる構成である。そして、図6(a)に点線で示した箇所Bにケーブルクリップ22を貼付する。図6(b)は、ケーブルクリップ22を取り付けた後の図であり、このようにしてケーブル21を固定しておけば、容易にシートタグ10が抜けることを防止することができる。
【0034】
図7は、盗難防止装置をスマートフォン等に設置した全体を示す斜視図であり、(a)はケーブル先端に盗難防止タグを設けた場合、(b)はケーブル先端をループ状にして固定バーに結合した場合である。
【0035】
図7(a)のように、端部に盗難防止タグ30を設ける例では、盗難防止タグ30を展示棚24に両面テープで貼付することで、盗難を防止する構成になっている。なお、盗難防止タグ30の裏面には検出スイッチ5があり、盗難防止タグ30を展示棚24から剥がすと、警報装置が作動する構成になっている。このようにケーブル21の端部に盗難防止タグ30を設ける構成にすると、盗難防止タグ30に電池や警報装置を設けることができるために、シートタグコネクタ20を小型化することが可能となり、充電パッド等の平面上にスマートフォン等50を置くときに邪魔になりにくい。
【0036】
また、図7(b)のように、シートタグコネクタ20から延びたケーブル21の先端のループ21aを、商品の陳列棚等に立設された固定バー23の回りに一回りさせた後、先端のループ21aにシートタグコネクタ20を通過させ、固定バー23と結合する。固定バー23は、両端が棚や壁などに固定されているので、ケーブル21を固定バー23の長手方向に移動して端部から抜き取ることはできない。したがって、スマートフォン等50を盗難するにはシートタグ10を引き抜くかケーブル21を切断しなければならないことになる。
【0037】
図8から10は、本発明のシートタグの別の実施例で、すべて、第1実施例と同じく、基材に導電パターンが形成され、接着層を備えるもので、形状のみが相違しているだけである。
【0038】
図8は、本発明のシートタグの第2実施例で、(a)は使用前の展開した状態を示す斜視図、(b)は使用状態を示す斜視図である。このシートタグ11は、導電パターンが形成され、検知片11bを互いに直交する方向に2つ有し、中央に両検知片11bに対して45゜の角度で接続片11aを設けている。両検知片11bの交差部が、連結片11cである。点線の位置で折り曲げると、図8(b)に示すようになり、スマートフォン等の角部に取り付けることができる。使用方法は、第1実施例と同様であり、少なくとも一方の検知片12bが、本体正面と、裏面の蓋体とに貼付されるようにして使用する。被保護体が、蝶番で開閉するタイプの携帯電話の場合、2つの端面を接着するので、開けにくくなり、貼付面積が大きくなるので、剥がしくい。
【0039】
図9は、本発明のシートタグの第3実施例で、(a)は使用前の展開した状態を示す斜視図、(b)は使用状態を示す斜視図である。このシートタグ12は、検知片12bを互いに直交する方向に2つ有し、一方の検知片12bと平行に接続片12aを形成している。両検知片11bの交差部が、連結片12cである。図8と同じく点線の位置で折り曲げると、図9(b)に示すようになり、スマートフォンの角部ないし角部に近い位置に取り付けることができる。接続片12aの両側を検知片12bで押さえ、かつ、蝶番で開閉するタイプの携帯電話では、2方向を押さえるので、開きにくくなる。また、貼付面積も大きいので剥がしにくい。
【0040】
図10は、本発明のシートタグの第3実施例で、(a)は使用前の展開した状態を示す斜視図、(b)は使用状態を示す斜視図である。このシートタグ13は、2つの検知片13bを平行に配置し、中央に両検知片13bに平行な接続片13aを設けている。両検知片13bの中間部が、連結片13cである。点線の位置で折り曲げると、図10(b)に示すようになり、スマートフォンの側部であればどこにでも取り付けることができる。接続片13aの両側を検知片13bで押さえるので、接続片13aに加わる力のバランスがとれる。
【符号の説明】
【0041】
10、11、12、13 シートタグ
10a、11a、12a、13a 接続片
10b、11b、12b、13b 検知片
10c、11c、12c、13c 連結片
10d 導体パターン
20 シートタグコネクタ
21 ケーブル
22 ケーブルクリップ
50 スマートフォン等
100 盗難防止装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートフォンや携帯電話の盗難防止に用いられる略U字形状を構成する3本の略直線部分からなる盗難防止用シートタグであって、
前記シートタグは、折り曲げ自在な絶縁材に、略U字形状に沿って導体パターンを設けたものであり、
略U字形状の一方の縦線に相当する略直線部分は、シートタグコネクタに挿入する接続片であって、前記接続片をシートタグコネクタに挿入したときに前記導体パターンに通電可能な構成であり、
略U字形状の他方の縦線及び底辺に相当する略直線部分は、片面に接着層を有し、前記底辺に相当する略直線部分の接着層は、スマートフォンや携帯電話の前面又は背面のいずれか一方の面に貼付され、前記他方の縦線に相当する検知片の接着層は、スマートフォンや携帯電話の側面から反対側の面にかけて折り曲げて貼付されることを特徴とする盗難防止用シートタグ。
【請求項2】
本体部と蓋体とを備えた薄板状の被保護体の盗難を防止する盗難防止装置に用いられる盗難防止用シートタグであって、
前記盗難防止用シートタグは、折り曲げ自在なシート状の絶縁材に導体パターンを設けた検知片と、該検知片の導体パターンと電気的な接続をするとともに外部との電気的な接続が可能な接続片とを有し、
前記検知片が、片面に接着層を有し、一端が前記被保護体の一方の面上に接着され、他端が反対側の面上に接着され、これらの間に前記蓋体の一部が含まれるように接着可能なことを特徴とする盗難防止用シートタグ。
【請求項3】
前記検知片が、前記接続片の両側に相互に直交する方向に延設され、前記被保護体の角部に装着されるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の盗難防止用シートタグ。
【請求項4】
前記検知片が、前記接続片の両側に相互に平行に延設され、前記被保護体の側部に装着されるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の盗難防止用シートタグ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載した盗難防止用シートタグと、
前記シートタグの接続片を挿入する挿入口を備えたシートタグコネクタと、
前記シートタグコネクタに接続するケーブルと、
前記シートタグコネクタの内部又は前記ケーブルの先端部に備えられた警報装置と、を有し、
前記シートタグが貼付後に剥がされたり、前記シートタグが破断されたり、前記シートタグが前記シートタグコネクタの挿入口から抜かれたり、前記ケーブルが切断されたりしたときに、前記警報装置が作動することを特徴とする盗難防止装置。
【請求項1】
スマートフォンや携帯電話の盗難防止に用いられる略U字形状を構成する3本の略直線部分からなる盗難防止用シートタグであって、
前記シートタグは、折り曲げ自在な絶縁材に、略U字形状に沿って導体パターンを設けたものであり、
略U字形状の一方の縦線に相当する略直線部分は、シートタグコネクタに挿入する接続片であって、前記接続片をシートタグコネクタに挿入したときに前記導体パターンに通電可能な構成であり、
略U字形状の他方の縦線及び底辺に相当する略直線部分は、片面に接着層を有し、前記底辺に相当する略直線部分の接着層は、スマートフォンや携帯電話の前面又は背面のいずれか一方の面に貼付され、前記他方の縦線に相当する検知片の接着層は、スマートフォンや携帯電話の側面から反対側の面にかけて折り曲げて貼付されることを特徴とする盗難防止用シートタグ。
【請求項2】
本体部と蓋体とを備えた薄板状の被保護体の盗難を防止する盗難防止装置に用いられる盗難防止用シートタグであって、
前記盗難防止用シートタグは、折り曲げ自在なシート状の絶縁材に導体パターンを設けた検知片と、該検知片の導体パターンと電気的な接続をするとともに外部との電気的な接続が可能な接続片とを有し、
前記検知片が、片面に接着層を有し、一端が前記被保護体の一方の面上に接着され、他端が反対側の面上に接着され、これらの間に前記蓋体の一部が含まれるように接着可能なことを特徴とする盗難防止用シートタグ。
【請求項3】
前記検知片が、前記接続片の両側に相互に直交する方向に延設され、前記被保護体の角部に装着されるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の盗難防止用シートタグ。
【請求項4】
前記検知片が、前記接続片の両側に相互に平行に延設され、前記被保護体の側部に装着されるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の盗難防止用シートタグ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載した盗難防止用シートタグと、
前記シートタグの接続片を挿入する挿入口を備えたシートタグコネクタと、
前記シートタグコネクタに接続するケーブルと、
前記シートタグコネクタの内部又は前記ケーブルの先端部に備えられた警報装置と、を有し、
前記シートタグが貼付後に剥がされたり、前記シートタグが破断されたり、前記シートタグが前記シートタグコネクタの挿入口から抜かれたり、前記ケーブルが切断されたりしたときに、前記警報装置が作動することを特徴とする盗難防止装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−80446(P2013−80446A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226320(P2011−226320)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(303041308)チェスコムアドバンス株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(303041308)チェスコムアドバンス株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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