監視システム、監視装置及び監視装置のプログラム、端末装置及び端末装置のプログラム
【課題】 複数の端末から複数種類の監視情報を取得する場合であっても、各監視情報の実時間性を確保できる監視システム等を提供する。
【解決手段】 端末20は、第1所定期間毎に取得された監視情報と端末側時刻とを関連付けた端末側時刻付き監視情報を記憶する端末側記憶部23を有し、監視装置10は、第1所定期間よりも短い第2所定期間ごとポーリング開始要求を発行する監視装置側時計部13と、ポーリング開始要求に従ってポーリング通信を開始して端末10から監視情報又は端末側時刻付き監視情報を取得する監視装置側通信部14と、ポーリング開始要求が発行された時の監視装置側時刻と監視情報とを関連付けた監視装置側時刻付き監視情報を記憶する監視装置側記憶部12とを備え、第1所定期間内に含まれる第2所定期間のポーリング通信のうち何れかのポーリング通信によって端末側時刻付き監視情報を取得する。
【解決手段】 端末20は、第1所定期間毎に取得された監視情報と端末側時刻とを関連付けた端末側時刻付き監視情報を記憶する端末側記憶部23を有し、監視装置10は、第1所定期間よりも短い第2所定期間ごとポーリング開始要求を発行する監視装置側時計部13と、ポーリング開始要求に従ってポーリング通信を開始して端末10から監視情報又は端末側時刻付き監視情報を取得する監視装置側通信部14と、ポーリング開始要求が発行された時の監視装置側時刻と監視情報とを関連付けた監視装置側時刻付き監視情報を記憶する監視装置側記憶部12とを備え、第1所定期間内に含まれる第2所定期間のポーリング通信のうち何れかのポーリング通信によって端末側時刻付き監視情報を取得する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末と通信を行って端末の有する監視情報を取得する監視システム、監視装置及び監視装置のプログラム、端末装置及び端末装置のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の端末によりデータを計測し、当該計測されたデータを監視装置が取得するために、各端末と監視装置との間でポーリング通信を行う監視システムが知られている(下記の特許文献1,2参照)。
【0003】
特許文献1には、全端末に対するポーリングが一巡する可変長の1サイクル周期T1内に特定の端末に対するポーリングを繰返す可変長の小周期T2を割込み重畳させる、ことが記載されている。
【0004】
特許文献2には、所定の周期でタイミング信号を出力するタイミング発生部と、所望の端末に対する送信内容を設定する設定部と、複数の端末にポーリングを順番に行ってデータを受信し、タイミング信号に基づいて所望の端末に送信内容を送信する通信処理部とを有し、通信処理部は、タイミング信号が入力されると、次の端末へのポーリングを中断して送信内容を送信することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05−007383号公報
【特許文献2】特開2004−295745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した監視システムにおいて端末から取得した計測データ(監視情報)の実時間性を確保することが望まれている。このため、端末によって、取得した計測データに当該計測データの取得時刻を示す時刻情報ラベルを付けて保存し、監視装置によって、取得時刻付きデータを収集することが考えられる。
【0007】
しかし、実時間性を確保したい計測データが複数種類ある場合、端末は、複数の時刻情報付きデータを記憶部に保存する必要があり、必要な記憶部の容量を大きくする必要がある。
【0008】
これに対し、監視装置が計測データを収集して時間情報ラベルを付して保存することが考えられる。しかし、所定の順序で端末とポーリング通信を行う方式では、監視装置が全端末にポーリング通信をするために長い通信処理時間を要することがあり、複数の端末から複数種類の計測データを取得した場合に実時間性を確保できない可能性がある。
【0009】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、複数の端末から複数種類の監視情報を取得する場合であっても、各監視情報の実時間性を確保できる監視システム、監視装置及び監視装置のプログラム、端末装置及び端末装置のプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決する第1の発明に係る監視システムは、複数の端末と監視装置とが通信可能に接続され、前記監視装置が前記端末との間で行うポーリング通信によって当該端末の有する監視情報を収集する監視システムであって、前記端末は、前記監視装置から送信されたポーリング信号に従って前記監視装置とポーリング通信を行う端末側通信部と、端末側時刻を取得する端末側時計部と、前記監視情報を取得する監視情報取得部と、第1所定期間毎に前記監視情報取得部により取得された監視情報と前記端末側時計部により取得された端末側時刻とを関連付けた端末側時刻付き監視情報を記憶する端末側記憶部とを有し、前記監視装置は、監視装置側時刻を取得して前記第1所定期間よりも短い第2所定期間ごとポーリング開始要求を発行する監視装置側時計部と、前記ポーリング開始要求に従ってポーリング通信を開始して前記端末から前記監視情報又は前記端末側時刻付き監視情報を取得する監視装置側通信部と、前記ポーリング開始要求が発行された時の監視装置側時刻と前記監視装置側通信部により取得された前記監視情報とを関連付けた監視装置側時刻付き監視情報を記憶する監視装置側記憶部とを備え、前記監視装置は、前記第1所定期間内に含まれる第2所定期間のポーリング通信のうち何れかのポーリング通信によって前記端末側時刻付き監視情報を取得することを特徴とする。
【0011】
第1の発明に係る監視システムであって、第2の発明は、前記監視装置側記憶部は、前記監視装置側通信部によって前記端末の監視項目の属性を示す監視項目属性情報を記憶しており、前記監視項目属性情報に基づいて前記端末のポーリング順序を示すポーリングスケジュールを組み立てるスケジュール作成部を更に備え、前記監視装置側通信部は、前記スケジュール作成部により作成された前記ポーリングスケジュールに従ってポーリング通信を行うことを特徴とする。
【0012】
第2の発明に係る監視システムであって、第3の発明は、前記監視装置側通信部によって取得され前記監視装置側記憶部に記憶された端末側時刻付き監視情報の欠損状態を調べるデータ状態取得部を更に備え、前記スケジュール作成部は、前記データ状態取得部により調べられた欠損情報に基づいて、欠損している端末側時刻付き監視情報を前記端末に要求しても前記第2所定期間を超えない場合に、前記欠損している端末側時刻付き監視情報を取得するよう前記ポーリングスケジュールを作成することを特徴とする。
【0013】
第3の発明に係る監視システムであって、第4の発明は、前記端末は、前記端末側時刻付き監視情報の項目として端末側時刻付き監視情報の保有数を有し、前記スケジュール作成部は、前記端末側時刻付き監視情報の保有数を、前記監視装置側時刻と関連付けられる監視情報よりも優先度の低い監視情報としてポーリングスケジュールを作成することを特徴とする。
第2の発明に係る監視システムであって、第5の発明は、前記監視装置に対して監視情報を要求する割り込み要求が発生した場合に、前記端末側時刻付き監視情報よりも優先度が高い監視情報を取得するポーリング通信が終了した時まで待機して割り込み要求に応じたポーリング通信を行うことを特徴とする。
【0014】
第2の発明に係る監視システムであって、第6の発明は、前記スケジュール作成部は、前記監視装置側時刻と関連付けられる監視情報よりも優先度の低い監視情報として前記端末側時刻を前記監視装置側時刻に同期させるために必要な情報を設定してポーリング順序を決定し、前記監視装置側通信部は、当該ポーリング順序で前記端末側時刻を前記監視装置側時刻に同期させるために必要な情報を前記端末に送信することを特徴とする。
【0015】
上記の課題を解決する第7の発明に係る監視装置は、複数の端末と通信可能に接続され、前記端末との間で行うポーリング通信によって当該端末の有する監視情報を収集する監視装置であって、監視装置側時刻を取得して、前記端末が監視情報を取得する第1所定期間よりも短い第2所定期間ごとポーリング開始要求を発行する監視装置側時計部と、前記ポーリング開始要求に従ってポーリング通信を開始して前記端末から前記監視情報又は前記監視情報に端末側時刻が関連付けられた端末側時刻付き監視情報を取得する監視装置側通信部と、前記ポーリング開始要求が発行された時の監視装置側時刻と前記監視装置側通信部により取得された前記監視情報とを関連付けた監視装置側時刻付き監視情報を記憶する監視装置側記憶部とを備え、前記監視装置側通信部は、前記第1所定期間内に含まれる第2所定期間のポーリング通信のうち何れかのポーリング通信によって前記端末側時刻付き監視情報を取得することを特徴とする。
【0016】
上記の課題を解決する第8の発明に係る監視装置のプログラムは、複数の端末と通信可能に接続され、前記端末との間で行うポーリング通信によって当該端末の有する監視情報を収集する監視装置により実行されるプログラムであって、前記監視装置に、監視装置側時刻を取得して、前記端末が監視情報を取得する第1所定期間よりも短い第2所定期間ごとポーリング開始要求を発行し、前記ポーリング開始要求に従ってポーリング通信を開始して前記端末から前記監視情報又は前記監視情報に端末側時刻が関連付けられた端末側時刻付き監視情報を取得し、前記ポーリング開始要求が発行された時の監視装置側時刻と前記監視情報とを関連付けた監視装置側時刻付き監視情報を記憶部に記憶させ、前記第1所定期間内に含まれる第2所定期間のポーリング通信のうち何れかのポーリング通信によって前記端末側時刻付き監視情報を取得することを実行させる。
【0017】
上記の課題を解決する第9の発明に係る端末装置は、監視装置と通信可能に接続され、前記監視装置との間で行うポーリング通信によって監視情報を送信する端末装置であって、前記監視装置から送信されたポーリング信号に従って前記監視装置とポーリング通信を行う端末側通信部と、端末側時刻を取得する端末側時計部と、前記監視情報を取得する監視情報取得部と、第1所定期間毎に前記監視情報取得部により取得された監視情報と前記端末側時計部により取得された端末側時刻とを関連付けた端末側時刻付き監視情報を記憶する端末側記憶部とを有し、前記端末側通信部は、前記第1所定期間内に含まれ、前記第1所定期間よりも短い第2所定期間のポーリング通信のうち、何れかのポーリング通信によって前記端末側記憶部に記憶された前記端末側時刻付き監視情報を送信し、それ以外のポーリング通信によって前記監視情報を送信することを特徴とする。
【0018】
上記の課題を解決する第10の発明に係る端末装置のプログラムは、監視装置と通信可能に接続され、前記監視装置との間で行うポーリング通信によって監視情報を送信する端末装置のプログラムであって、前記端末装置に、第1所定期間毎に監視情報と端末側時刻とを関連付けた端末側時刻付き監視情報を端末側記憶部に記憶させ、前記監視装置から送信されたポーリング信号に従って前記監視装置とポーリング通信を行って、前記第1所定期間内に含まれ、前記第1所定期間よりも短い第2所定期間のポーリング通信のうち、何れかのポーリング通信によって前記端末側記憶部に記憶された前記端末側時刻付き監視情報を送信し、それ以外のポーリング通信によって前記監視情報を送信することを実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、第1所定期間内に含まれる第2所定期間のポーリング通信のうち何れかのポーリング通信によって監視装置が端末側時刻付き監視情報を取得するので、複数種類の監視情報をポーリング通信によって監視装置が取得したい場合であっても、高い実時間性が要求される監視情報を端末側時刻付き監視情報として取得できる。これにより、本発明は、各監視情報の実時間性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態として示す監視システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態として示す監視システムの他の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態として示す監視システムにおけるポーリングスケジュールを示す図であり、(a)は3N分のポーリング順序、(b)は3N+1分のポーリング順序、(c)は2分のポーリング順序、(d)は3N+2分のポーリング順序、である。
【図4】本発明の一実施形態として示す監視システムにおいてポーリングスケジュールに従ったポーリング通信処理のシーケンス図であり、(a)は3N分のポーリングシーケンス、(b)は3N+1分のポーリングシーケンス、(c)は2分のポーリングシーケンス、(d)は3N+2分のポーリングシーケンス、である。
【図5】本発明の一実施形態として示す監視システムにおいて監視装置によって補完ポーリング通信処理を行う処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態として示す監視システムにおいて、補完ポーリング通信処理によって行われるポーリング通信処理のシーケンス図である。
【図7】本発明の一実施形態として示す監視システムにおけるポーリングスケジュールを示す図であり、(a)は3N+2分のポーリング順序、(b)は59分のポーリング順序、である。
【図8】本発明の一実施形態として示す監視システムにおいてポーリングスケジュールに従ったポーリング通信処理のシーケンス図であり、(a)は3N+2分のポーリングシーケンス、(b)は59分のポーリングシーケンス、である。
【図9】本発明の一実施形態として示す監視システムにおいて、監視装置に記憶された端末側時刻付き計測データの状態を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態として示す監視システムにおいて、端末に記憶された端末側時刻付き計測データの状態を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態として示す監視システムにおいて、割り込み要求が発生したときの処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態として示す監視システムにおけるポーリングスケジュールを示す図であり、(a)は高優先度データをポーリング通信しているときの割り込みポーリング通信処理のポーリング通信処理のシーケンス、(b)は高優先度データ以外をポーリング通信しているときの割り込みポーリング通信処理のポーリング通信処理のシーケンス、である。
【図13】本発明の一実施形態として示す監視システムにおいて、端末側時刻を監視側時刻に同期させるための情報を送信するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
本発明の実施形態として示す監視システムは、図1に示すように、監視装置10と複数の端末20A,20B,20C,・・・(以下、総称するときには単に「端末20」と呼ぶ。)とが、ネットワークNWを介して通信可能に接続されている。この監視システムは、監視装置10によって端末20が取得した計測データ(監視情報)を収集するものである。このため、各端末20が計測データを有し、監視装置10は、各端末20との間でポーリング通信を行う。
【0023】
この監視システムによって収集される計測データは、実時間性が確保されることが望まれるデータである。この実時間性とは、計測データを取得した実際の時刻と、当該計測データに付加される時刻情報とが一致しているほど良好である。
【0024】
この実時間性を確保したい計測データとは、例えば第1所定期間Aごとに計測された電力量や、第2所定期間Bごとに計測された累積電力量、電力、電流、電圧等の瞬時値が挙げられる。ここで、第1所定期間Aは、時間単位、日単位、月単位であることが挙げられる。また、第2所定期間Bは、第1所定期間Aよりも短い分単位となることが挙げられる。
【0025】
この計測データのうち、特に時間単位や月単位の電力量である期間計測データは、当該電力量を用いた課金に関連する。したがって、期間計測データには、非常に高い実時間性の精度が求められる。一方、電圧等の瞬時値の瞬時計測データは、端末20を含む設備運用の監視や省エネの詳細分析に用いられる。このため、瞬時計測データにも、ある程度の実時間性が求められる。すなわち、電圧等の瞬時値の瞬時計測データは、時間別や月別の電力量といった期間計測データに求められる実時間性よりは低い実時間性で足りる。
【0026】
また、ポーリング通信の対象となるデータは、端末20による計測に関わる動作パラメータ情報、エラー情報、動作状態情報が含まれる。動作パラメータ情報は、例えば電力計測をする端末20の場合、相線式の種類、センサの種類等の情報が含まれる。エラー情報は、端末20のハード異常や動作パラメータ設定異常を識別する情報である。動作状態情報は、端末側時刻や計測状態を含む。これらのデータは、瞬時計測データと同様の実時間性が要求される。
【0027】
端末20A,20B,20C,・・・は、端末側通信部21A,21B,21C,・・・、端末側計測部22A,22B,22C,・・・、端末側記憶部23A,23B,23C,・・・、端末側時計部24A,24B,24C,・・・を有する。なお、端末側通信部21A,21B,21C,・・・は、総称するときには単に「端末側通信部21」と呼ぶ。端末側計測部22A,22B,22C,・・・は、総称するときには単に「端末側計測部22」と呼ぶ。端末側記憶部23A,23B,23C,・・・は、総称するときには単に「端末側記憶部23」と呼ぶ。端末側時計部24A,24B,24C,・・・は、総称するときには単に「端末側時計部24」と呼ぶ。
【0028】
この端末20は、記憶部や通信I/F回路、CPU及びプログラムを含むコンピュータであり、CPUがプログラムを実行する。これにより、端末20のプログラムは、後述するように、監視情報を取得してポーリング通信を行って監視情報を送信する手順を実行させる。
【0029】
端末側計測部22は、例えば、累積電力量、電力値、電圧値、電流値、力率値、温度値、湿度値等の瞬時計測データを計測する計測装置やセンサ等である。また、端末側計測部22は、第1所定期間Aに積算した電力量等の期間計測データを計測する計測装置を含む。なお、端末側計測部22は、センサや計測装置に接続されているのみであっても良い。
【0030】
端末20は、端末側時計部24によって計時された第1所定期間Aとなるタイミングで、端末側計測部22によって取得された期間計測データを取得する。端末側計測部22によって期間計測データを取得した場合には、端末側記憶部23は、当該期間計測データと、当該取得した端末側時刻とを関連付けて端末側時刻付き計測データとして記憶する。
【0031】
端末側通信部21は、ネットワークNWを介して監視装置10との間でポーリング通信を行う。端末側通信部21は、監視装置10から送信されたポーリング信号を受信する。その後、端末側通信部21は、瞬時計測データ又は端末側時刻付き計測データを取得する。このとき、端末側通信部21は、端末側記憶部23に記憶された端末側時刻付き計測データを取得する動作又は端末側計測部22によって取得された瞬時計測データを取得して、監視装置10に送信する。
【0032】
このような端末20は、期間計測データには端末側時刻を付して端末側時刻付き計測データとして端末側記憶部23に記憶する。一方、端末20は、瞬時計測データには時刻情報を付して端末側記憶部23には記憶しない。
【0033】
監視装置10は、処理部11に、監視側記憶部12、監視側時計部13、監視側通信部14が接続されている。この監視装置10は、記憶部や通信I/F回路、CPU及びプログラムを含むコンピュータであり、CPUがプログラムを実行する。これにより、監視装置10のプログラムは、後述するポーリング通信によって監視情報を取得して記憶する手順を実行させる。
【0034】
監視側時計部13は、監視側時刻情報を取得して監視装置10における第1所定期間Aよりも短い第2所定期間Bごとポーリング開始要求を発行する。このポーリング開始要求は監視側通信部14に供給される。
【0035】
監視側通信部14は、ポーリング開始要求に従ってポーリング通信を開始し、ポーリング信号を端末20に送信する。その後、監視側通信部14は、ポーリング信号を送信した端末20から瞬時計測データ又は期間計測データを含む端末側時刻付き計測データを取得する。
【0036】
監視側通信部14により瞬時計測データが取得された場合、端末側記憶部23は、ポーリング開始要求が発行された時の監視側時刻と当該瞬時計測データとを関連付けて、監視側時刻付き計測データとして記憶する。また、監視側通信部14により期間計測データを含む端末側時刻付き計測データが取得された場合、端末側記憶部23は、そのまま端末側時刻付き計測データを記憶する。
【0037】
この監視装置10は、第1所定期間A内に含まれる第2所定期間Bのポーリング通信のうち何れかのポーリング通信によって端末側時刻付き計測データを取得する。これにより、この監視システムは、長い第1所定期間A毎と当該第1所定期間Aよりも短い第2所定期間B毎の2つの計測データの実時間性の確保が安価に実現できる。
【0038】
例えば、監視装置10側で分単位、端末20側で時間単位の時刻情報のラベルを計測データに付けることができる。ここで、端末20によって計測データが取得されるために端末20によって時刻情報を計測データに付した方が、当該計測データの実時間性が高い。しかし、全種類の計測データに端末側時刻を付して端末側記憶部23に記憶させると、端末側記憶部23に多くの記憶容量が必要となる。
【0039】
したがって、この監視システムは、高い実時間性が要求される計測データには端末20によって端末側時刻を付し、あまり実時間性が要求されない計測データには監視装置10によって監視側時刻を付す。したがって、複数種類の計測データをポーリング通信によって監視装置10が取得したい場合であっても、各計測データの実時間性を確保できる。
【0040】
また、この監視システムによれば、瞬時計測データを端末側記憶部23に記憶させないので、各端末20を安価なものとできる。
【0041】
つぎに、本発明の実施形態として示す上述した監視システムにおいて、監視装置10によって、端末20の監視項目属性情報に基づいてポーリング順序を示すポーリングスケジュールを作成する機能を追加したものについて説明する。この監視システムは、図2に示すように、監視装置10に、データ状態取得部15、外部通信部16、スケジュール作成部17を含む。この監視装置10も、記憶部や通信I/F回路、CPU及びプログラムを含むコンピュータであり、CPUがプログラムを実行する。これにより、監視装置10のプログラムは、後述するポーリング通信によって監視情報を取得して記憶する手順を実行させる。
【0042】
監視項目属性情報は、監視側記憶部12に記憶されている。監視項目属性情報は、端末20の監視項目の属性を示す。監視項目属性情報は、例えば、監視する端末20の端末情報(1,2,3,・・・)と、当該端末20の種別を含む。端末20の種別は、期間計測データを計測する電力計測端末であることの識別情報、期間計測データを計測しない電力計測端末であることの識別情報、温湿度計測端末であることの識別情報等を含む。
【0043】
スケジュール作成部17は、監視項目属性情報に基づいて端末20のポーリング順序を示すポーリングスケジュールを組み立てる。そして、監視装置10における監視側通信部14は、スケジュール作成部17により作成されたポーリングスケジュールに従ってポーリング通信を行う。
【0044】
具体的には、スケジュール作成部17は、図3に示すようなポーリングスケジュールを作成し、監視装置10は、図4に示すようにポーリング通信を行う。
【0045】
監視装置10のスケジュール作成部17は、1分単位の第2所定期間Bごとの実時間性を確保する電力値等の瞬時計測データを高優先度データとして割り付ける。一方、端末20の処理部11は、1時間単位の第1所定期間Aの実時間性を確保する期間計測データ(端末側時刻付き計測データ)を低優先度データとして割り付ける。また、端末20の処理部11は、その他の監視データとしての端末20自身の動作パラメータ情報、エラー情報、動作状態情報も低優先度データとして割り付ける。なお、図4において、端末20によって実時間性を確保する端末側時刻付き計測データは、低優先度データDで表している。
【0046】
そして、監視装置10のスケジュール作成部17は、ポーリングスケジュール全体に亘って、第2所定期間B内で優先的に高優先度データを取得するようポーリング順序をスケジュールする。また、スケジュール作成部17は、第1所定期間A内に含まれる第2所定期間Bのポーリング通信のうち何れかのポーリング通信によって低優先度データを取得するようポーリング順序をスケジュールする。
【0047】
ここで、スケジュール作成部17は、端末20によって実時間性を確保するデータ(端末側時刻付き計測データを含む)を、第1所定期間A内に少なくとも1回は取得するようスケジュールする。また、監視装置10が監視する端末20の台数と番号(図3の例では1〜5の5台)、端末20の種別も考慮してポーリング順序のスケジュールを組み立てる。
【0048】
これにより、図3に示すように、第2所定期間Bごとに、(a)、(b)、(c)、(d)の順序でポーリング通信を行う。
【0049】
先ず3N分(N=0,1,…,19)から開始する第2所定期間Bの期間では、図3(a)及び図4(a)に示すようにポーリング通信を行う。このポーリング通信では、ポーリング順序1〜5に従って、電力等の瞬時計測データである高優先度データA1〜A5を取得するために、監視装置10から端末番号が1〜5の端末20に順次ポーリング信号を送信する。これにより、監視装置10は、端末番号が1〜5の端末20から高優先度データA1〜A5を取得できる。その後、ポーリング順序が6〜10のポーリング通信では、端末20の動作パラメータ情報である低優先度データB1〜B5を取得するために、監視装置10から端末番号が1〜5の端末20に順次ポーリング信号を送信する。これにより、監視装置10は、端末番号が1〜5の端末20から低優先度データB1〜B5を取得できる。監視装置10は、高優先度データA1〜A5及び低優先度データB1〜B5を取得するポーリング開始要求を発行した時の監視側時刻を付して監視側記憶部12に記憶する。
【0050】
次の3N+1分(N=0,1,…,19)から開始する第2所定期間Bの期間では、図3(b)及び図4(b)に示すようにポーリング通信を行う。このポーリング通信では、ポーリング順序1〜5に従って、電力等の瞬時計測データである高優先度データA1〜A5を取得するために、監視装置10から端末番号が1〜5の端末20に順次ポーリング信号を送信する。これにより、監視装置10は、端末番号が1〜5の端末20から高優先度データA1〜A5を取得できる。その後、ポーリング順序が6〜10のポーリング通信では、端末20のエラー情報や動作状態情報である低優先度データC1〜C5を取得するために、監視装置10から端末番号が1〜5の端末20に順次ポーリング信号を送信する。これにより、監視装置10は、端末番号が1〜5の端末20から低優先度データC1〜C5を取得できる。監視装置10は、高優先度データA1〜A5及び低優先度データC1〜C5を取得するポーリング開始要求を発行した時の監視側時刻を付して監視側記憶部12に記憶する。
【0051】
次の2分から開始する第2所定期間Bの期間では、図3(c)及び図4(c)に示すようにポーリング通信を行う。このポーリング通信では、ポーリング順序1〜5に従って、電力等の瞬時計測データである高優先度データA1〜A5を取得するために、監視装置10から端末番号が1〜5の端末20に順次ポーリング信号を送信する。これにより、監視装置10は、端末番号が1〜5の端末20から高優先度データA1〜A5を取得できる。その後、ポーリング順序が6〜10のポーリング通信では、端末20の端末側時刻付き計測データである低優先度データD1〜D5を取得するために、監視装置10から端末番号が1〜5の端末20に順次ポーリング信号を送信する。これにより、監視装置10は、端末番号が1〜5の端末20から低優先度データD1〜D5を取得できる。監視装置10は、高優先度データA1〜A5を取得するポーリング開始要求を発行した時の監視側時刻を付して監視側記憶部12に記憶する。一方、監視装置10は、低優先度データDには端末側時刻が付されているので、そのまま監視側記憶部12に記憶する。
【0052】
次の3N+2分(N=1,…,19)から開始する第2所定期間Bの期間では、図3(d)及び図4(d)に示すようにポーリング通信を行う。このポーリング通信では、ポーリング順序1〜5に従って、電力等の瞬時計測データである高優先度データA1〜A5を取得するために、監視装置10から端末番号が1〜5の端末20に順次ポーリング信号を送信する。これにより、監視装置10は、端末番号が1〜5の端末20から高優先度データA1〜A5を取得できる。監視装置10は、高優先度データA1〜A5を取得するポーリング開始要求を発行した時の監視側時刻を付して監視側記憶部12に記憶する。
【0053】
以上のように、この監視システムによれば、監視項目属性情報から、瞬時計測データを高優先度データとし、期間計測データを低優先度データとして設定してポーリング順序をスケジュールする。これにより、監視システムは、瞬時計測データの実時間性を高めることができる。
【0054】
また、監視システムは、瞬時計測データの実時間性を端末20で確保する必要がない。したがって、この監視システムによれば、瞬時計測データの時刻を記憶する必要が無いために端末20の端末側記憶部23の容量を多くする必要が無く、複数種類の計測データの実時間性を確保するシステムを安価に実現できる。
【0055】
つぎに、上述した監視システムにおいて、監視装置10における端末側時刻付き計測データの欠損を復旧するものについて説明する。
【0056】
この監視システムは、監視装置10のデータ状態取得部15によって、監視側通信部14によって取得され監視側記憶部12に記憶された端末側時刻付き計測データの欠損状態を調べるものについて説明する。そして、スケジュール作成部17は、データ状態取得部15により調べられた欠損情報に基づいて、欠損している端末側時刻付き計測データを取得するようポーリングスケジュールを作成する。このとき、スケジュール作成部17は、欠損している端末側時刻付き計測データを端末20に要求しても第1所定期間Aを超えない場合に、欠損している端末側時刻付き計測データを取得するようポーリングスケジュールを作成する。
【0057】
データ状態取得部15は、監視側記憶部12に記憶されている端末側時刻付き計測データを時系列に並べ、略第1所定期間Aごとに端末側時刻付き計測データが無い場合には、当該期間の端末側時刻付き計測データが欠損していることを判定する。端末側時刻付き計測データが欠損する場面としては、停電や通信遮断等によってポーリング通信が行えなかった場合等が挙げられる。この場合に、スケジュール作成部17は、欠損している端末側時刻付き計測データを取得するようポーリングスケジュールを作成する。
【0058】
このとき、監視装置10は、図5に示すように、処理部11によってポーリングスケジュールを作成するポーリングスケジュール処理の開始要求が発行されると、スケジュール作成部17によってステップS1以降の処理を開始する。このポーリングスケジュール処理は、第2所定期間B以内に1回行われる。
【0059】
ステップS1において、スケジュール作成部17は、定期的に取得する必要がある端末20の種別に応じた高優先度データ及び低優先度データごとに、ポーリング順序を割り付ける。そして、定期的に取得する必要がある全ての高優先度データ及び低優先度データについてポーリング順序の割り付けが決定した場合に、ポーリングスケジュールの作成が完了したと判定して、ポーリングスケジュール処理が完了したと判定する。
【0060】
その後、スケジュール作成部17は、次のポーリングスケジュール処理の開始要求が発行される前に(ステップS3:NO)、監視側記憶部12に欠損している端末側時刻付き計測データ(欠損データ)があるか否かを判定する。すなわち、前の第2所定期間Bの終了時から第2所定期間B以内か否かを判定する。
【0061】
このとき、データ状態取得部15によって監視側記憶部12に欠損データがあると判定された場合には、スケジュール作成部17は、ステップS5において、欠損データを補完する補完ポーリング通信処理を行う。この補完ポーリング通信処理は、スケジュール作成部17によって、欠損している端末側時刻付き計測データを端末20に要求しても第2所定期間Bを超えない場合に、欠損している端末側時刻付き計測データを取得するようポーリングスケジュールを作成する。すなわち、既存のポーリングスケジュールに欠損データを取得するポーリング順序を追加して、ポーリング通信を行う。
【0062】
この補完ポーリング通信処理は、ステップS3で次のポーリングスケジュール処理の時間ではなく、ステップS4にて欠損データが無くなったと判定されるまで繰り返される。そして、ステップS3にて次のポーリングスケジュール処理の開始要求が発生した場合(ステップS3:YES)には、ステップS1以降に処理を戻す。
【0063】
これにより図6に示すように、ある第1所定期間Aにおける端末側時刻付き計測データDxが監視装置10に記憶されていない場合、第2所定期間B内における空き時間において、欠損している端末側時刻付き計測データを取得するようポーリング通信を行う。
【0064】
以上のように、この監視システムによれば、端末側時刻付き計測データが欠損している場合には、第2所定期間Bを超えない限り、欠損している端末側時刻付き計測データを取得できる。これにより、第2所定期間B内における余裕時間に過去に欠損した端末側時刻付き計測データを取得できる。
【0065】
つぎに、本発明の実施形態として示す上述の監視システムにおいて、端末側時刻付き計測データの欠損を可能な限り復旧するものについて説明する。
【0066】
この監視システムは、端末20が、端末側時刻付き計測データの項目として端末側時刻付き計測データの保有数を有する。そして、監視装置10のスケジュール作成部17は、端末側時刻付き計測データの保有数を、監視側時刻と関連付けられる計測データよりも優先度の低い計測データとしてポーリングスケジュールを作成する。このポーリングスケジュールは、例えば図7のようになる。また、端末20は、保有数ではなく、保有期間を有していても実質的に同じである。
【0067】
この監視システムは、図7(a)及び図8(a)に示すように、3N+2分の第2所定期間Bにおいて、監視装置10から端末番号が1〜5の端末20に順次ポーリング信号を送信する。これにより、監視装置10は、端末番号が1〜5の端末20から高優先度データA1〜A5を取得できる。
【0068】
その後、図7(b)及び図8(b)に示すように、第1所定期間Aが満了する前の59分において、監視装置10から端末番号が1〜5の端末20に高優先度データA1〜A5を取得するポーリング信号を順次送信する。次いで、監視装置10は、端末番号が1〜5の端末20に期間計測データの保有数E1〜E5を取得するポーリング信号を順次送信する。これにより、監視装置10は、端末番号が1〜5の端末20から期間計測データの保有数E1〜E5を取得できる。
【0069】
このような監視システムにおいて、監視装置10は、上述した図5のステップS5における補完ポーリング通信時に、期間計測データの保有数E1〜E5から、端末20から欠損データを取得可能か否かを判定する。監視装置10は、欠損している端末側時刻付き計測データが、端末20から取得した保有数に応じた保有期間内である場合には、補完ポーリング通信処理によって欠損データを取得する。一方、監視装置10は、欠損している端末側時刻付き計測データが、端末20から取得した保有数に応じた保有期間内ではない場合には、補完ポーリング通信処理を行わない。
【0070】
具体的には、図9に示すように、監視側記憶部12のうち端末側時刻付き計測データの記憶領域に端末側時刻付き計測データが記憶されているとする。図9によれば、監視側記憶部12には、X日0時の端末側時刻付き計測データからX+2日23時の端末側時刻付き計測データが記憶されている必要がある。しかし、監視側記憶部12には、図9中○で示すように、X+2日23時の期間端末側時刻付き計測データからX+2日0時の端末側時刻付き計測データしか記憶されていない。この状況において、データ状態取得部15は、X日0時の端末側時刻付き計測データからX+1日23時の端末側時刻付き計測データまでが欠損データであると判定する。
【0071】
一方、端末20には、図10の○に示すように、X+2日23時の期間端末側時刻付き計測データからX+1日0時の端末側時刻付き計測データのみが保存されており、図中●のようにX+1日0時より以前の端末側時刻付き計測データは保存されていない。端末側時刻付き計測データが保存されていない原因としては、停電や動作エラー等が挙げられる。
【0072】
このような状況において、端末20は、端末側時刻付き計測データを端末側記憶部23に記憶する度に末側時刻付き計測データの保有数を更新している。この端末側時刻付き計測データの保有数は、監視装置10によるポーリング通信によって監視装置10に取得される。これにより、監視装置10は、端末20の保有数から、X+1日23時の端末側時刻付き計測データからX+1日0時の端末側時刻付き計測データのみを補完ポーリング通信処理によって取得して復旧できることを判断できる。換言すれば、監視装置10は、欠損データのうち、端末20の端末側記憶部23に記憶されていないX日23時からX日0時の端末側時刻付き計測データは補完ポーリング通信処理を行っても復旧できないために、補完ポーリング通信処理を行わない。
【0073】
以上のように、この監視システムによれば、監視装置10によって端末20に記憶されている端末側時刻付き計測データを把握できるので、端末20に記憶されていない端末側時刻付き計測データを取得する補完ポーリング通信処理を回避できる。したがって、この監視システムによれば、補完ポーリング通信処理の通信ロスを減らして、端末側時刻付き計測データの欠損に対する復旧を短時間で行うことができる。
【0074】
つぎに、本発明の実施形態として示す上述の監視システムにおいて、監視装置10に対して外部から割り込み要求が発生したことに対処するものついて説明する。
【0075】
この監視システムは、監視装置10に対して計測データを要求する割り込み要求が発生した場合に、端末側時刻付き計測データよりも優先度が高い高優先度データを取得するポーリング通信が終了した時まで待機して割り込み要求に応じたポーリング通信を行う。この監視システムは、図2に示したように、監視装置10に外部システム30が接続されている。この外部システム30は、端末20の情報を要求するものであり、監視装置10に対して上位システムやユーザが操作する携帯端末等が挙げられる。例えば端末20がユーザが所有する設備の電力計やセンサ等である場合、ユーザが所有する携帯端末によって端末20の状態を送信する要求が発生して、監視装置10に供給される。
【0076】
監視装置10は、外部システム30に接続された外部通信部16を備える。外部通信部16は、外部システム30と通信可能となるよう通信設定がされている。監視装置10は、図11に示すように、外部通信部16によって外部システム30から要求を受信すると、ポーリング通信に対する割り込みを発生させ、ステップS11以降の処理を行う。
【0077】
ステップS11において、処理部11は、スケジュール作成部17によって作成されたポーリングスケジュールを参照して、現在が高優先度データを取得するポーリングスケジュール処理中か否かを判定する。高優先度データを取得するポーリングスケジュール処理中である場合には、割り込みに対するポーリング通信処理を待機する。高優先度データを取得するポーリングスケジュール処理ではない場合には、ステップS12に処理を進める。
【0078】
ステップS12において、処理部11は、定期的に低優先度データを取得するための各端末20に対するポーリング通信処理が終了したか否かを判定する。また、処理部11は、上述した補完ポーリング通信処理によって低優先度データを取得するための各端末20に対するポーリング通信処理が終了したか否かを判定する。何れかの判定が肯定判定(ステップS12:YES)された場合には、ステップS13に処理を進める。
【0079】
次のステップS13において、監視装置10は、割り込み要求に応じた端末20の情報を取得するための割り込みポーリング通信処理を行う。このとき、監視側通信部14は、割り込み要求によって示された端末20及び情報の種類を取得するようポーリング信号を送信して、端末20の情報を取得する。
【0080】
次のステップS13において、監視装置10は、外部通信部16によって、割り込み要求を発行した外部システム30に、割り込みポーリング通信処理によって取得した端末20の情報を送信する応答処理を行う。
【0081】
このような監視システムによれば、具体的には図12に示す動作を行う。
【0082】
図12(a)に示すように、高優先度データを取得するためのポーリングスケジュール処理中ではない場合、次のポーリング順序で外部システム30からの要求に応じたポーリング通信処理を行う。例えば、低優先度データB3を取得するポーリング通信処理中に、外部システム30から端末番号が1の端末20の低優先度データD1を取得する要求を外部通信部16が取得したとする。この場合、外部通信部16は、割り込み要求を発生させ、次のポーリング順序の低優先度データB4よりも先に、低優先度データD1を取得するためのポーリング通信処理を行う。
【0083】
一方、図12(b)に示すように、高優先度データを取得するためのポーリングスケジュール処理中である場合、高優先度データA1〜A5のポーリング通信処理を終了した後に、外部システム30からの要求に応じたポーリング通信処理を行う。例えば、高優先度データA3を取得するポーリング通信処理中に、外部システム30から端末番号が1の端末20の低優先度データD1を取得する要求を外部通信部16が取得したとする。この場合、外部通信部16は、割り込み要求を発生させ、高優先度データA1〜A5のポーリング通信処理が終了した次のポーリング順序で、ポーリング順序の低優先度データB1に代えて、低優先度データD1を取得するためのポーリング通信処理を行う。
【0084】
以上のように、この監視システムによれば、高優先度データを取得するためのポーリング通信処理中に割り込みが発生した場合には、当該ポーリング通信処理が終了するまで割り込みに応じたポーリング通信処理を行わない。したがって、この監視システムによれば、割り込みが発生した場合であっても、高優先度データの実時間性を確保しつつ、割り込みに対するポーリング通信処理を行うことができる。
【0085】
つぎに、上述した監視システムにおいて、複数の端末20で計時している端末側時刻と、監視装置10で計時している監視側時刻とを同期させることについて説明する。
【0086】
この監視システムは、スケジュール作成部17によって、高優先度データよりも優先度の低い低優先度データとして端末側時刻を監視側時刻に同期させるために必要な情報を設定してポーリング順序を決定する。そして、監視装置10は、監視側通信部14によって、当該低優先度データとして設定されたポーリング順序で、端末側時刻を監視側時刻に同期させるために必要な情報を各端末20に送信する。この同期に必要な情報としては、端末側時刻に、ポーリング信号を送信する通信時間及びポーリング順序に応じた遅延時間を加算した時刻が挙げられる。
【0087】
監視装置10のスケジュール作成部17は、ポーリングスケジュールに、時刻同期に必要な低優先度データとしてのT1〜T5を送信するポーリング順序を決定する。このとき、スケジュール作成部17は、例えば図3に示したように、高優先度データの後に低優先度データとしてのT1〜T5を送信するようスケジュールする。すなわち、高優先度データを送信しない空き時間に低優先度データとしてのT1〜T5を送信させるようスケジュールする。これにより、図13のように、高優先度データA1〜A5の次のポーリング順序で低優先度データとしてのT1〜T5を、端末番号が1〜5の端末20に順次送信する。そして、端末20は、低優先度データとしてのT1〜T5を受信すると、端末側時計部24の端末側時刻を、監視側時刻に同期させる。
【0088】
以上のように、この監視システムによれば、監視装置10と端末20との時刻同期に必要な情報を、高優先度データが送信されていない余裕の時間で行うことができる。したがって、この監視システムによれば、端末20間における端末側時刻の誤差を少なくすることができ、より端末側時刻付き計測データに関連付けられる端末側時刻の精度を高くできる。また、この監視システムによれば、監視側記憶部12に記憶された端末側時刻付き計測データと監視側時刻付き計測データとの時刻誤差を少なくできる。
【0089】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0090】
10 監視装置
11 処理部
12 監視側記憶部
13 監視側時計部
14 監視側通信部
15 データ状態取得部
16 外部通信部
17 スケジュール作成部
20 端末
21 端末側通信部
22 端末側計測部
23 端末側記憶部
24 端末側時計部
30 外部システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末と通信を行って端末の有する監視情報を取得する監視システム、監視装置及び監視装置のプログラム、端末装置及び端末装置のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の端末によりデータを計測し、当該計測されたデータを監視装置が取得するために、各端末と監視装置との間でポーリング通信を行う監視システムが知られている(下記の特許文献1,2参照)。
【0003】
特許文献1には、全端末に対するポーリングが一巡する可変長の1サイクル周期T1内に特定の端末に対するポーリングを繰返す可変長の小周期T2を割込み重畳させる、ことが記載されている。
【0004】
特許文献2には、所定の周期でタイミング信号を出力するタイミング発生部と、所望の端末に対する送信内容を設定する設定部と、複数の端末にポーリングを順番に行ってデータを受信し、タイミング信号に基づいて所望の端末に送信内容を送信する通信処理部とを有し、通信処理部は、タイミング信号が入力されると、次の端末へのポーリングを中断して送信内容を送信することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平05−007383号公報
【特許文献2】特開2004−295745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した監視システムにおいて端末から取得した計測データ(監視情報)の実時間性を確保することが望まれている。このため、端末によって、取得した計測データに当該計測データの取得時刻を示す時刻情報ラベルを付けて保存し、監視装置によって、取得時刻付きデータを収集することが考えられる。
【0007】
しかし、実時間性を確保したい計測データが複数種類ある場合、端末は、複数の時刻情報付きデータを記憶部に保存する必要があり、必要な記憶部の容量を大きくする必要がある。
【0008】
これに対し、監視装置が計測データを収集して時間情報ラベルを付して保存することが考えられる。しかし、所定の順序で端末とポーリング通信を行う方式では、監視装置が全端末にポーリング通信をするために長い通信処理時間を要することがあり、複数の端末から複数種類の計測データを取得した場合に実時間性を確保できない可能性がある。
【0009】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、複数の端末から複数種類の監視情報を取得する場合であっても、各監視情報の実時間性を確保できる監視システム、監視装置及び監視装置のプログラム、端末装置及び端末装置のプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決する第1の発明に係る監視システムは、複数の端末と監視装置とが通信可能に接続され、前記監視装置が前記端末との間で行うポーリング通信によって当該端末の有する監視情報を収集する監視システムであって、前記端末は、前記監視装置から送信されたポーリング信号に従って前記監視装置とポーリング通信を行う端末側通信部と、端末側時刻を取得する端末側時計部と、前記監視情報を取得する監視情報取得部と、第1所定期間毎に前記監視情報取得部により取得された監視情報と前記端末側時計部により取得された端末側時刻とを関連付けた端末側時刻付き監視情報を記憶する端末側記憶部とを有し、前記監視装置は、監視装置側時刻を取得して前記第1所定期間よりも短い第2所定期間ごとポーリング開始要求を発行する監視装置側時計部と、前記ポーリング開始要求に従ってポーリング通信を開始して前記端末から前記監視情報又は前記端末側時刻付き監視情報を取得する監視装置側通信部と、前記ポーリング開始要求が発行された時の監視装置側時刻と前記監視装置側通信部により取得された前記監視情報とを関連付けた監視装置側時刻付き監視情報を記憶する監視装置側記憶部とを備え、前記監視装置は、前記第1所定期間内に含まれる第2所定期間のポーリング通信のうち何れかのポーリング通信によって前記端末側時刻付き監視情報を取得することを特徴とする。
【0011】
第1の発明に係る監視システムであって、第2の発明は、前記監視装置側記憶部は、前記監視装置側通信部によって前記端末の監視項目の属性を示す監視項目属性情報を記憶しており、前記監視項目属性情報に基づいて前記端末のポーリング順序を示すポーリングスケジュールを組み立てるスケジュール作成部を更に備え、前記監視装置側通信部は、前記スケジュール作成部により作成された前記ポーリングスケジュールに従ってポーリング通信を行うことを特徴とする。
【0012】
第2の発明に係る監視システムであって、第3の発明は、前記監視装置側通信部によって取得され前記監視装置側記憶部に記憶された端末側時刻付き監視情報の欠損状態を調べるデータ状態取得部を更に備え、前記スケジュール作成部は、前記データ状態取得部により調べられた欠損情報に基づいて、欠損している端末側時刻付き監視情報を前記端末に要求しても前記第2所定期間を超えない場合に、前記欠損している端末側時刻付き監視情報を取得するよう前記ポーリングスケジュールを作成することを特徴とする。
【0013】
第3の発明に係る監視システムであって、第4の発明は、前記端末は、前記端末側時刻付き監視情報の項目として端末側時刻付き監視情報の保有数を有し、前記スケジュール作成部は、前記端末側時刻付き監視情報の保有数を、前記監視装置側時刻と関連付けられる監視情報よりも優先度の低い監視情報としてポーリングスケジュールを作成することを特徴とする。
第2の発明に係る監視システムであって、第5の発明は、前記監視装置に対して監視情報を要求する割り込み要求が発生した場合に、前記端末側時刻付き監視情報よりも優先度が高い監視情報を取得するポーリング通信が終了した時まで待機して割り込み要求に応じたポーリング通信を行うことを特徴とする。
【0014】
第2の発明に係る監視システムであって、第6の発明は、前記スケジュール作成部は、前記監視装置側時刻と関連付けられる監視情報よりも優先度の低い監視情報として前記端末側時刻を前記監視装置側時刻に同期させるために必要な情報を設定してポーリング順序を決定し、前記監視装置側通信部は、当該ポーリング順序で前記端末側時刻を前記監視装置側時刻に同期させるために必要な情報を前記端末に送信することを特徴とする。
【0015】
上記の課題を解決する第7の発明に係る監視装置は、複数の端末と通信可能に接続され、前記端末との間で行うポーリング通信によって当該端末の有する監視情報を収集する監視装置であって、監視装置側時刻を取得して、前記端末が監視情報を取得する第1所定期間よりも短い第2所定期間ごとポーリング開始要求を発行する監視装置側時計部と、前記ポーリング開始要求に従ってポーリング通信を開始して前記端末から前記監視情報又は前記監視情報に端末側時刻が関連付けられた端末側時刻付き監視情報を取得する監視装置側通信部と、前記ポーリング開始要求が発行された時の監視装置側時刻と前記監視装置側通信部により取得された前記監視情報とを関連付けた監視装置側時刻付き監視情報を記憶する監視装置側記憶部とを備え、前記監視装置側通信部は、前記第1所定期間内に含まれる第2所定期間のポーリング通信のうち何れかのポーリング通信によって前記端末側時刻付き監視情報を取得することを特徴とする。
【0016】
上記の課題を解決する第8の発明に係る監視装置のプログラムは、複数の端末と通信可能に接続され、前記端末との間で行うポーリング通信によって当該端末の有する監視情報を収集する監視装置により実行されるプログラムであって、前記監視装置に、監視装置側時刻を取得して、前記端末が監視情報を取得する第1所定期間よりも短い第2所定期間ごとポーリング開始要求を発行し、前記ポーリング開始要求に従ってポーリング通信を開始して前記端末から前記監視情報又は前記監視情報に端末側時刻が関連付けられた端末側時刻付き監視情報を取得し、前記ポーリング開始要求が発行された時の監視装置側時刻と前記監視情報とを関連付けた監視装置側時刻付き監視情報を記憶部に記憶させ、前記第1所定期間内に含まれる第2所定期間のポーリング通信のうち何れかのポーリング通信によって前記端末側時刻付き監視情報を取得することを実行させる。
【0017】
上記の課題を解決する第9の発明に係る端末装置は、監視装置と通信可能に接続され、前記監視装置との間で行うポーリング通信によって監視情報を送信する端末装置であって、前記監視装置から送信されたポーリング信号に従って前記監視装置とポーリング通信を行う端末側通信部と、端末側時刻を取得する端末側時計部と、前記監視情報を取得する監視情報取得部と、第1所定期間毎に前記監視情報取得部により取得された監視情報と前記端末側時計部により取得された端末側時刻とを関連付けた端末側時刻付き監視情報を記憶する端末側記憶部とを有し、前記端末側通信部は、前記第1所定期間内に含まれ、前記第1所定期間よりも短い第2所定期間のポーリング通信のうち、何れかのポーリング通信によって前記端末側記憶部に記憶された前記端末側時刻付き監視情報を送信し、それ以外のポーリング通信によって前記監視情報を送信することを特徴とする。
【0018】
上記の課題を解決する第10の発明に係る端末装置のプログラムは、監視装置と通信可能に接続され、前記監視装置との間で行うポーリング通信によって監視情報を送信する端末装置のプログラムであって、前記端末装置に、第1所定期間毎に監視情報と端末側時刻とを関連付けた端末側時刻付き監視情報を端末側記憶部に記憶させ、前記監視装置から送信されたポーリング信号に従って前記監視装置とポーリング通信を行って、前記第1所定期間内に含まれ、前記第1所定期間よりも短い第2所定期間のポーリング通信のうち、何れかのポーリング通信によって前記端末側記憶部に記憶された前記端末側時刻付き監視情報を送信し、それ以外のポーリング通信によって前記監視情報を送信することを実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、第1所定期間内に含まれる第2所定期間のポーリング通信のうち何れかのポーリング通信によって監視装置が端末側時刻付き監視情報を取得するので、複数種類の監視情報をポーリング通信によって監視装置が取得したい場合であっても、高い実時間性が要求される監視情報を端末側時刻付き監視情報として取得できる。これにより、本発明は、各監視情報の実時間性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態として示す監視システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態として示す監視システムの他の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態として示す監視システムにおけるポーリングスケジュールを示す図であり、(a)は3N分のポーリング順序、(b)は3N+1分のポーリング順序、(c)は2分のポーリング順序、(d)は3N+2分のポーリング順序、である。
【図4】本発明の一実施形態として示す監視システムにおいてポーリングスケジュールに従ったポーリング通信処理のシーケンス図であり、(a)は3N分のポーリングシーケンス、(b)は3N+1分のポーリングシーケンス、(c)は2分のポーリングシーケンス、(d)は3N+2分のポーリングシーケンス、である。
【図5】本発明の一実施形態として示す監視システムにおいて監視装置によって補完ポーリング通信処理を行う処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態として示す監視システムにおいて、補完ポーリング通信処理によって行われるポーリング通信処理のシーケンス図である。
【図7】本発明の一実施形態として示す監視システムにおけるポーリングスケジュールを示す図であり、(a)は3N+2分のポーリング順序、(b)は59分のポーリング順序、である。
【図8】本発明の一実施形態として示す監視システムにおいてポーリングスケジュールに従ったポーリング通信処理のシーケンス図であり、(a)は3N+2分のポーリングシーケンス、(b)は59分のポーリングシーケンス、である。
【図9】本発明の一実施形態として示す監視システムにおいて、監視装置に記憶された端末側時刻付き計測データの状態を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態として示す監視システムにおいて、端末に記憶された端末側時刻付き計測データの状態を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態として示す監視システムにおいて、割り込み要求が発生したときの処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態として示す監視システムにおけるポーリングスケジュールを示す図であり、(a)は高優先度データをポーリング通信しているときの割り込みポーリング通信処理のポーリング通信処理のシーケンス、(b)は高優先度データ以外をポーリング通信しているときの割り込みポーリング通信処理のポーリング通信処理のシーケンス、である。
【図13】本発明の一実施形態として示す監視システムにおいて、端末側時刻を監視側時刻に同期させるための情報を送信するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
本発明の実施形態として示す監視システムは、図1に示すように、監視装置10と複数の端末20A,20B,20C,・・・(以下、総称するときには単に「端末20」と呼ぶ。)とが、ネットワークNWを介して通信可能に接続されている。この監視システムは、監視装置10によって端末20が取得した計測データ(監視情報)を収集するものである。このため、各端末20が計測データを有し、監視装置10は、各端末20との間でポーリング通信を行う。
【0023】
この監視システムによって収集される計測データは、実時間性が確保されることが望まれるデータである。この実時間性とは、計測データを取得した実際の時刻と、当該計測データに付加される時刻情報とが一致しているほど良好である。
【0024】
この実時間性を確保したい計測データとは、例えば第1所定期間Aごとに計測された電力量や、第2所定期間Bごとに計測された累積電力量、電力、電流、電圧等の瞬時値が挙げられる。ここで、第1所定期間Aは、時間単位、日単位、月単位であることが挙げられる。また、第2所定期間Bは、第1所定期間Aよりも短い分単位となることが挙げられる。
【0025】
この計測データのうち、特に時間単位や月単位の電力量である期間計測データは、当該電力量を用いた課金に関連する。したがって、期間計測データには、非常に高い実時間性の精度が求められる。一方、電圧等の瞬時値の瞬時計測データは、端末20を含む設備運用の監視や省エネの詳細分析に用いられる。このため、瞬時計測データにも、ある程度の実時間性が求められる。すなわち、電圧等の瞬時値の瞬時計測データは、時間別や月別の電力量といった期間計測データに求められる実時間性よりは低い実時間性で足りる。
【0026】
また、ポーリング通信の対象となるデータは、端末20による計測に関わる動作パラメータ情報、エラー情報、動作状態情報が含まれる。動作パラメータ情報は、例えば電力計測をする端末20の場合、相線式の種類、センサの種類等の情報が含まれる。エラー情報は、端末20のハード異常や動作パラメータ設定異常を識別する情報である。動作状態情報は、端末側時刻や計測状態を含む。これらのデータは、瞬時計測データと同様の実時間性が要求される。
【0027】
端末20A,20B,20C,・・・は、端末側通信部21A,21B,21C,・・・、端末側計測部22A,22B,22C,・・・、端末側記憶部23A,23B,23C,・・・、端末側時計部24A,24B,24C,・・・を有する。なお、端末側通信部21A,21B,21C,・・・は、総称するときには単に「端末側通信部21」と呼ぶ。端末側計測部22A,22B,22C,・・・は、総称するときには単に「端末側計測部22」と呼ぶ。端末側記憶部23A,23B,23C,・・・は、総称するときには単に「端末側記憶部23」と呼ぶ。端末側時計部24A,24B,24C,・・・は、総称するときには単に「端末側時計部24」と呼ぶ。
【0028】
この端末20は、記憶部や通信I/F回路、CPU及びプログラムを含むコンピュータであり、CPUがプログラムを実行する。これにより、端末20のプログラムは、後述するように、監視情報を取得してポーリング通信を行って監視情報を送信する手順を実行させる。
【0029】
端末側計測部22は、例えば、累積電力量、電力値、電圧値、電流値、力率値、温度値、湿度値等の瞬時計測データを計測する計測装置やセンサ等である。また、端末側計測部22は、第1所定期間Aに積算した電力量等の期間計測データを計測する計測装置を含む。なお、端末側計測部22は、センサや計測装置に接続されているのみであっても良い。
【0030】
端末20は、端末側時計部24によって計時された第1所定期間Aとなるタイミングで、端末側計測部22によって取得された期間計測データを取得する。端末側計測部22によって期間計測データを取得した場合には、端末側記憶部23は、当該期間計測データと、当該取得した端末側時刻とを関連付けて端末側時刻付き計測データとして記憶する。
【0031】
端末側通信部21は、ネットワークNWを介して監視装置10との間でポーリング通信を行う。端末側通信部21は、監視装置10から送信されたポーリング信号を受信する。その後、端末側通信部21は、瞬時計測データ又は端末側時刻付き計測データを取得する。このとき、端末側通信部21は、端末側記憶部23に記憶された端末側時刻付き計測データを取得する動作又は端末側計測部22によって取得された瞬時計測データを取得して、監視装置10に送信する。
【0032】
このような端末20は、期間計測データには端末側時刻を付して端末側時刻付き計測データとして端末側記憶部23に記憶する。一方、端末20は、瞬時計測データには時刻情報を付して端末側記憶部23には記憶しない。
【0033】
監視装置10は、処理部11に、監視側記憶部12、監視側時計部13、監視側通信部14が接続されている。この監視装置10は、記憶部や通信I/F回路、CPU及びプログラムを含むコンピュータであり、CPUがプログラムを実行する。これにより、監視装置10のプログラムは、後述するポーリング通信によって監視情報を取得して記憶する手順を実行させる。
【0034】
監視側時計部13は、監視側時刻情報を取得して監視装置10における第1所定期間Aよりも短い第2所定期間Bごとポーリング開始要求を発行する。このポーリング開始要求は監視側通信部14に供給される。
【0035】
監視側通信部14は、ポーリング開始要求に従ってポーリング通信を開始し、ポーリング信号を端末20に送信する。その後、監視側通信部14は、ポーリング信号を送信した端末20から瞬時計測データ又は期間計測データを含む端末側時刻付き計測データを取得する。
【0036】
監視側通信部14により瞬時計測データが取得された場合、端末側記憶部23は、ポーリング開始要求が発行された時の監視側時刻と当該瞬時計測データとを関連付けて、監視側時刻付き計測データとして記憶する。また、監視側通信部14により期間計測データを含む端末側時刻付き計測データが取得された場合、端末側記憶部23は、そのまま端末側時刻付き計測データを記憶する。
【0037】
この監視装置10は、第1所定期間A内に含まれる第2所定期間Bのポーリング通信のうち何れかのポーリング通信によって端末側時刻付き計測データを取得する。これにより、この監視システムは、長い第1所定期間A毎と当該第1所定期間Aよりも短い第2所定期間B毎の2つの計測データの実時間性の確保が安価に実現できる。
【0038】
例えば、監視装置10側で分単位、端末20側で時間単位の時刻情報のラベルを計測データに付けることができる。ここで、端末20によって計測データが取得されるために端末20によって時刻情報を計測データに付した方が、当該計測データの実時間性が高い。しかし、全種類の計測データに端末側時刻を付して端末側記憶部23に記憶させると、端末側記憶部23に多くの記憶容量が必要となる。
【0039】
したがって、この監視システムは、高い実時間性が要求される計測データには端末20によって端末側時刻を付し、あまり実時間性が要求されない計測データには監視装置10によって監視側時刻を付す。したがって、複数種類の計測データをポーリング通信によって監視装置10が取得したい場合であっても、各計測データの実時間性を確保できる。
【0040】
また、この監視システムによれば、瞬時計測データを端末側記憶部23に記憶させないので、各端末20を安価なものとできる。
【0041】
つぎに、本発明の実施形態として示す上述した監視システムにおいて、監視装置10によって、端末20の監視項目属性情報に基づいてポーリング順序を示すポーリングスケジュールを作成する機能を追加したものについて説明する。この監視システムは、図2に示すように、監視装置10に、データ状態取得部15、外部通信部16、スケジュール作成部17を含む。この監視装置10も、記憶部や通信I/F回路、CPU及びプログラムを含むコンピュータであり、CPUがプログラムを実行する。これにより、監視装置10のプログラムは、後述するポーリング通信によって監視情報を取得して記憶する手順を実行させる。
【0042】
監視項目属性情報は、監視側記憶部12に記憶されている。監視項目属性情報は、端末20の監視項目の属性を示す。監視項目属性情報は、例えば、監視する端末20の端末情報(1,2,3,・・・)と、当該端末20の種別を含む。端末20の種別は、期間計測データを計測する電力計測端末であることの識別情報、期間計測データを計測しない電力計測端末であることの識別情報、温湿度計測端末であることの識別情報等を含む。
【0043】
スケジュール作成部17は、監視項目属性情報に基づいて端末20のポーリング順序を示すポーリングスケジュールを組み立てる。そして、監視装置10における監視側通信部14は、スケジュール作成部17により作成されたポーリングスケジュールに従ってポーリング通信を行う。
【0044】
具体的には、スケジュール作成部17は、図3に示すようなポーリングスケジュールを作成し、監視装置10は、図4に示すようにポーリング通信を行う。
【0045】
監視装置10のスケジュール作成部17は、1分単位の第2所定期間Bごとの実時間性を確保する電力値等の瞬時計測データを高優先度データとして割り付ける。一方、端末20の処理部11は、1時間単位の第1所定期間Aの実時間性を確保する期間計測データ(端末側時刻付き計測データ)を低優先度データとして割り付ける。また、端末20の処理部11は、その他の監視データとしての端末20自身の動作パラメータ情報、エラー情報、動作状態情報も低優先度データとして割り付ける。なお、図4において、端末20によって実時間性を確保する端末側時刻付き計測データは、低優先度データDで表している。
【0046】
そして、監視装置10のスケジュール作成部17は、ポーリングスケジュール全体に亘って、第2所定期間B内で優先的に高優先度データを取得するようポーリング順序をスケジュールする。また、スケジュール作成部17は、第1所定期間A内に含まれる第2所定期間Bのポーリング通信のうち何れかのポーリング通信によって低優先度データを取得するようポーリング順序をスケジュールする。
【0047】
ここで、スケジュール作成部17は、端末20によって実時間性を確保するデータ(端末側時刻付き計測データを含む)を、第1所定期間A内に少なくとも1回は取得するようスケジュールする。また、監視装置10が監視する端末20の台数と番号(図3の例では1〜5の5台)、端末20の種別も考慮してポーリング順序のスケジュールを組み立てる。
【0048】
これにより、図3に示すように、第2所定期間Bごとに、(a)、(b)、(c)、(d)の順序でポーリング通信を行う。
【0049】
先ず3N分(N=0,1,…,19)から開始する第2所定期間Bの期間では、図3(a)及び図4(a)に示すようにポーリング通信を行う。このポーリング通信では、ポーリング順序1〜5に従って、電力等の瞬時計測データである高優先度データA1〜A5を取得するために、監視装置10から端末番号が1〜5の端末20に順次ポーリング信号を送信する。これにより、監視装置10は、端末番号が1〜5の端末20から高優先度データA1〜A5を取得できる。その後、ポーリング順序が6〜10のポーリング通信では、端末20の動作パラメータ情報である低優先度データB1〜B5を取得するために、監視装置10から端末番号が1〜5の端末20に順次ポーリング信号を送信する。これにより、監視装置10は、端末番号が1〜5の端末20から低優先度データB1〜B5を取得できる。監視装置10は、高優先度データA1〜A5及び低優先度データB1〜B5を取得するポーリング開始要求を発行した時の監視側時刻を付して監視側記憶部12に記憶する。
【0050】
次の3N+1分(N=0,1,…,19)から開始する第2所定期間Bの期間では、図3(b)及び図4(b)に示すようにポーリング通信を行う。このポーリング通信では、ポーリング順序1〜5に従って、電力等の瞬時計測データである高優先度データA1〜A5を取得するために、監視装置10から端末番号が1〜5の端末20に順次ポーリング信号を送信する。これにより、監視装置10は、端末番号が1〜5の端末20から高優先度データA1〜A5を取得できる。その後、ポーリング順序が6〜10のポーリング通信では、端末20のエラー情報や動作状態情報である低優先度データC1〜C5を取得するために、監視装置10から端末番号が1〜5の端末20に順次ポーリング信号を送信する。これにより、監視装置10は、端末番号が1〜5の端末20から低優先度データC1〜C5を取得できる。監視装置10は、高優先度データA1〜A5及び低優先度データC1〜C5を取得するポーリング開始要求を発行した時の監視側時刻を付して監視側記憶部12に記憶する。
【0051】
次の2分から開始する第2所定期間Bの期間では、図3(c)及び図4(c)に示すようにポーリング通信を行う。このポーリング通信では、ポーリング順序1〜5に従って、電力等の瞬時計測データである高優先度データA1〜A5を取得するために、監視装置10から端末番号が1〜5の端末20に順次ポーリング信号を送信する。これにより、監視装置10は、端末番号が1〜5の端末20から高優先度データA1〜A5を取得できる。その後、ポーリング順序が6〜10のポーリング通信では、端末20の端末側時刻付き計測データである低優先度データD1〜D5を取得するために、監視装置10から端末番号が1〜5の端末20に順次ポーリング信号を送信する。これにより、監視装置10は、端末番号が1〜5の端末20から低優先度データD1〜D5を取得できる。監視装置10は、高優先度データA1〜A5を取得するポーリング開始要求を発行した時の監視側時刻を付して監視側記憶部12に記憶する。一方、監視装置10は、低優先度データDには端末側時刻が付されているので、そのまま監視側記憶部12に記憶する。
【0052】
次の3N+2分(N=1,…,19)から開始する第2所定期間Bの期間では、図3(d)及び図4(d)に示すようにポーリング通信を行う。このポーリング通信では、ポーリング順序1〜5に従って、電力等の瞬時計測データである高優先度データA1〜A5を取得するために、監視装置10から端末番号が1〜5の端末20に順次ポーリング信号を送信する。これにより、監視装置10は、端末番号が1〜5の端末20から高優先度データA1〜A5を取得できる。監視装置10は、高優先度データA1〜A5を取得するポーリング開始要求を発行した時の監視側時刻を付して監視側記憶部12に記憶する。
【0053】
以上のように、この監視システムによれば、監視項目属性情報から、瞬時計測データを高優先度データとし、期間計測データを低優先度データとして設定してポーリング順序をスケジュールする。これにより、監視システムは、瞬時計測データの実時間性を高めることができる。
【0054】
また、監視システムは、瞬時計測データの実時間性を端末20で確保する必要がない。したがって、この監視システムによれば、瞬時計測データの時刻を記憶する必要が無いために端末20の端末側記憶部23の容量を多くする必要が無く、複数種類の計測データの実時間性を確保するシステムを安価に実現できる。
【0055】
つぎに、上述した監視システムにおいて、監視装置10における端末側時刻付き計測データの欠損を復旧するものについて説明する。
【0056】
この監視システムは、監視装置10のデータ状態取得部15によって、監視側通信部14によって取得され監視側記憶部12に記憶された端末側時刻付き計測データの欠損状態を調べるものについて説明する。そして、スケジュール作成部17は、データ状態取得部15により調べられた欠損情報に基づいて、欠損している端末側時刻付き計測データを取得するようポーリングスケジュールを作成する。このとき、スケジュール作成部17は、欠損している端末側時刻付き計測データを端末20に要求しても第1所定期間Aを超えない場合に、欠損している端末側時刻付き計測データを取得するようポーリングスケジュールを作成する。
【0057】
データ状態取得部15は、監視側記憶部12に記憶されている端末側時刻付き計測データを時系列に並べ、略第1所定期間Aごとに端末側時刻付き計測データが無い場合には、当該期間の端末側時刻付き計測データが欠損していることを判定する。端末側時刻付き計測データが欠損する場面としては、停電や通信遮断等によってポーリング通信が行えなかった場合等が挙げられる。この場合に、スケジュール作成部17は、欠損している端末側時刻付き計測データを取得するようポーリングスケジュールを作成する。
【0058】
このとき、監視装置10は、図5に示すように、処理部11によってポーリングスケジュールを作成するポーリングスケジュール処理の開始要求が発行されると、スケジュール作成部17によってステップS1以降の処理を開始する。このポーリングスケジュール処理は、第2所定期間B以内に1回行われる。
【0059】
ステップS1において、スケジュール作成部17は、定期的に取得する必要がある端末20の種別に応じた高優先度データ及び低優先度データごとに、ポーリング順序を割り付ける。そして、定期的に取得する必要がある全ての高優先度データ及び低優先度データについてポーリング順序の割り付けが決定した場合に、ポーリングスケジュールの作成が完了したと判定して、ポーリングスケジュール処理が完了したと判定する。
【0060】
その後、スケジュール作成部17は、次のポーリングスケジュール処理の開始要求が発行される前に(ステップS3:NO)、監視側記憶部12に欠損している端末側時刻付き計測データ(欠損データ)があるか否かを判定する。すなわち、前の第2所定期間Bの終了時から第2所定期間B以内か否かを判定する。
【0061】
このとき、データ状態取得部15によって監視側記憶部12に欠損データがあると判定された場合には、スケジュール作成部17は、ステップS5において、欠損データを補完する補完ポーリング通信処理を行う。この補完ポーリング通信処理は、スケジュール作成部17によって、欠損している端末側時刻付き計測データを端末20に要求しても第2所定期間Bを超えない場合に、欠損している端末側時刻付き計測データを取得するようポーリングスケジュールを作成する。すなわち、既存のポーリングスケジュールに欠損データを取得するポーリング順序を追加して、ポーリング通信を行う。
【0062】
この補完ポーリング通信処理は、ステップS3で次のポーリングスケジュール処理の時間ではなく、ステップS4にて欠損データが無くなったと判定されるまで繰り返される。そして、ステップS3にて次のポーリングスケジュール処理の開始要求が発生した場合(ステップS3:YES)には、ステップS1以降に処理を戻す。
【0063】
これにより図6に示すように、ある第1所定期間Aにおける端末側時刻付き計測データDxが監視装置10に記憶されていない場合、第2所定期間B内における空き時間において、欠損している端末側時刻付き計測データを取得するようポーリング通信を行う。
【0064】
以上のように、この監視システムによれば、端末側時刻付き計測データが欠損している場合には、第2所定期間Bを超えない限り、欠損している端末側時刻付き計測データを取得できる。これにより、第2所定期間B内における余裕時間に過去に欠損した端末側時刻付き計測データを取得できる。
【0065】
つぎに、本発明の実施形態として示す上述の監視システムにおいて、端末側時刻付き計測データの欠損を可能な限り復旧するものについて説明する。
【0066】
この監視システムは、端末20が、端末側時刻付き計測データの項目として端末側時刻付き計測データの保有数を有する。そして、監視装置10のスケジュール作成部17は、端末側時刻付き計測データの保有数を、監視側時刻と関連付けられる計測データよりも優先度の低い計測データとしてポーリングスケジュールを作成する。このポーリングスケジュールは、例えば図7のようになる。また、端末20は、保有数ではなく、保有期間を有していても実質的に同じである。
【0067】
この監視システムは、図7(a)及び図8(a)に示すように、3N+2分の第2所定期間Bにおいて、監視装置10から端末番号が1〜5の端末20に順次ポーリング信号を送信する。これにより、監視装置10は、端末番号が1〜5の端末20から高優先度データA1〜A5を取得できる。
【0068】
その後、図7(b)及び図8(b)に示すように、第1所定期間Aが満了する前の59分において、監視装置10から端末番号が1〜5の端末20に高優先度データA1〜A5を取得するポーリング信号を順次送信する。次いで、監視装置10は、端末番号が1〜5の端末20に期間計測データの保有数E1〜E5を取得するポーリング信号を順次送信する。これにより、監視装置10は、端末番号が1〜5の端末20から期間計測データの保有数E1〜E5を取得できる。
【0069】
このような監視システムにおいて、監視装置10は、上述した図5のステップS5における補完ポーリング通信時に、期間計測データの保有数E1〜E5から、端末20から欠損データを取得可能か否かを判定する。監視装置10は、欠損している端末側時刻付き計測データが、端末20から取得した保有数に応じた保有期間内である場合には、補完ポーリング通信処理によって欠損データを取得する。一方、監視装置10は、欠損している端末側時刻付き計測データが、端末20から取得した保有数に応じた保有期間内ではない場合には、補完ポーリング通信処理を行わない。
【0070】
具体的には、図9に示すように、監視側記憶部12のうち端末側時刻付き計測データの記憶領域に端末側時刻付き計測データが記憶されているとする。図9によれば、監視側記憶部12には、X日0時の端末側時刻付き計測データからX+2日23時の端末側時刻付き計測データが記憶されている必要がある。しかし、監視側記憶部12には、図9中○で示すように、X+2日23時の期間端末側時刻付き計測データからX+2日0時の端末側時刻付き計測データしか記憶されていない。この状況において、データ状態取得部15は、X日0時の端末側時刻付き計測データからX+1日23時の端末側時刻付き計測データまでが欠損データであると判定する。
【0071】
一方、端末20には、図10の○に示すように、X+2日23時の期間端末側時刻付き計測データからX+1日0時の端末側時刻付き計測データのみが保存されており、図中●のようにX+1日0時より以前の端末側時刻付き計測データは保存されていない。端末側時刻付き計測データが保存されていない原因としては、停電や動作エラー等が挙げられる。
【0072】
このような状況において、端末20は、端末側時刻付き計測データを端末側記憶部23に記憶する度に末側時刻付き計測データの保有数を更新している。この端末側時刻付き計測データの保有数は、監視装置10によるポーリング通信によって監視装置10に取得される。これにより、監視装置10は、端末20の保有数から、X+1日23時の端末側時刻付き計測データからX+1日0時の端末側時刻付き計測データのみを補完ポーリング通信処理によって取得して復旧できることを判断できる。換言すれば、監視装置10は、欠損データのうち、端末20の端末側記憶部23に記憶されていないX日23時からX日0時の端末側時刻付き計測データは補完ポーリング通信処理を行っても復旧できないために、補完ポーリング通信処理を行わない。
【0073】
以上のように、この監視システムによれば、監視装置10によって端末20に記憶されている端末側時刻付き計測データを把握できるので、端末20に記憶されていない端末側時刻付き計測データを取得する補完ポーリング通信処理を回避できる。したがって、この監視システムによれば、補完ポーリング通信処理の通信ロスを減らして、端末側時刻付き計測データの欠損に対する復旧を短時間で行うことができる。
【0074】
つぎに、本発明の実施形態として示す上述の監視システムにおいて、監視装置10に対して外部から割り込み要求が発生したことに対処するものついて説明する。
【0075】
この監視システムは、監視装置10に対して計測データを要求する割り込み要求が発生した場合に、端末側時刻付き計測データよりも優先度が高い高優先度データを取得するポーリング通信が終了した時まで待機して割り込み要求に応じたポーリング通信を行う。この監視システムは、図2に示したように、監視装置10に外部システム30が接続されている。この外部システム30は、端末20の情報を要求するものであり、監視装置10に対して上位システムやユーザが操作する携帯端末等が挙げられる。例えば端末20がユーザが所有する設備の電力計やセンサ等である場合、ユーザが所有する携帯端末によって端末20の状態を送信する要求が発生して、監視装置10に供給される。
【0076】
監視装置10は、外部システム30に接続された外部通信部16を備える。外部通信部16は、外部システム30と通信可能となるよう通信設定がされている。監視装置10は、図11に示すように、外部通信部16によって外部システム30から要求を受信すると、ポーリング通信に対する割り込みを発生させ、ステップS11以降の処理を行う。
【0077】
ステップS11において、処理部11は、スケジュール作成部17によって作成されたポーリングスケジュールを参照して、現在が高優先度データを取得するポーリングスケジュール処理中か否かを判定する。高優先度データを取得するポーリングスケジュール処理中である場合には、割り込みに対するポーリング通信処理を待機する。高優先度データを取得するポーリングスケジュール処理ではない場合には、ステップS12に処理を進める。
【0078】
ステップS12において、処理部11は、定期的に低優先度データを取得するための各端末20に対するポーリング通信処理が終了したか否かを判定する。また、処理部11は、上述した補完ポーリング通信処理によって低優先度データを取得するための各端末20に対するポーリング通信処理が終了したか否かを判定する。何れかの判定が肯定判定(ステップS12:YES)された場合には、ステップS13に処理を進める。
【0079】
次のステップS13において、監視装置10は、割り込み要求に応じた端末20の情報を取得するための割り込みポーリング通信処理を行う。このとき、監視側通信部14は、割り込み要求によって示された端末20及び情報の種類を取得するようポーリング信号を送信して、端末20の情報を取得する。
【0080】
次のステップS13において、監視装置10は、外部通信部16によって、割り込み要求を発行した外部システム30に、割り込みポーリング通信処理によって取得した端末20の情報を送信する応答処理を行う。
【0081】
このような監視システムによれば、具体的には図12に示す動作を行う。
【0082】
図12(a)に示すように、高優先度データを取得するためのポーリングスケジュール処理中ではない場合、次のポーリング順序で外部システム30からの要求に応じたポーリング通信処理を行う。例えば、低優先度データB3を取得するポーリング通信処理中に、外部システム30から端末番号が1の端末20の低優先度データD1を取得する要求を外部通信部16が取得したとする。この場合、外部通信部16は、割り込み要求を発生させ、次のポーリング順序の低優先度データB4よりも先に、低優先度データD1を取得するためのポーリング通信処理を行う。
【0083】
一方、図12(b)に示すように、高優先度データを取得するためのポーリングスケジュール処理中である場合、高優先度データA1〜A5のポーリング通信処理を終了した後に、外部システム30からの要求に応じたポーリング通信処理を行う。例えば、高優先度データA3を取得するポーリング通信処理中に、外部システム30から端末番号が1の端末20の低優先度データD1を取得する要求を外部通信部16が取得したとする。この場合、外部通信部16は、割り込み要求を発生させ、高優先度データA1〜A5のポーリング通信処理が終了した次のポーリング順序で、ポーリング順序の低優先度データB1に代えて、低優先度データD1を取得するためのポーリング通信処理を行う。
【0084】
以上のように、この監視システムによれば、高優先度データを取得するためのポーリング通信処理中に割り込みが発生した場合には、当該ポーリング通信処理が終了するまで割り込みに応じたポーリング通信処理を行わない。したがって、この監視システムによれば、割り込みが発生した場合であっても、高優先度データの実時間性を確保しつつ、割り込みに対するポーリング通信処理を行うことができる。
【0085】
つぎに、上述した監視システムにおいて、複数の端末20で計時している端末側時刻と、監視装置10で計時している監視側時刻とを同期させることについて説明する。
【0086】
この監視システムは、スケジュール作成部17によって、高優先度データよりも優先度の低い低優先度データとして端末側時刻を監視側時刻に同期させるために必要な情報を設定してポーリング順序を決定する。そして、監視装置10は、監視側通信部14によって、当該低優先度データとして設定されたポーリング順序で、端末側時刻を監視側時刻に同期させるために必要な情報を各端末20に送信する。この同期に必要な情報としては、端末側時刻に、ポーリング信号を送信する通信時間及びポーリング順序に応じた遅延時間を加算した時刻が挙げられる。
【0087】
監視装置10のスケジュール作成部17は、ポーリングスケジュールに、時刻同期に必要な低優先度データとしてのT1〜T5を送信するポーリング順序を決定する。このとき、スケジュール作成部17は、例えば図3に示したように、高優先度データの後に低優先度データとしてのT1〜T5を送信するようスケジュールする。すなわち、高優先度データを送信しない空き時間に低優先度データとしてのT1〜T5を送信させるようスケジュールする。これにより、図13のように、高優先度データA1〜A5の次のポーリング順序で低優先度データとしてのT1〜T5を、端末番号が1〜5の端末20に順次送信する。そして、端末20は、低優先度データとしてのT1〜T5を受信すると、端末側時計部24の端末側時刻を、監視側時刻に同期させる。
【0088】
以上のように、この監視システムによれば、監視装置10と端末20との時刻同期に必要な情報を、高優先度データが送信されていない余裕の時間で行うことができる。したがって、この監視システムによれば、端末20間における端末側時刻の誤差を少なくすることができ、より端末側時刻付き計測データに関連付けられる端末側時刻の精度を高くできる。また、この監視システムによれば、監視側記憶部12に記憶された端末側時刻付き計測データと監視側時刻付き計測データとの時刻誤差を少なくできる。
【0089】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0090】
10 監視装置
11 処理部
12 監視側記憶部
13 監視側時計部
14 監視側通信部
15 データ状態取得部
16 外部通信部
17 スケジュール作成部
20 端末
21 端末側通信部
22 端末側計測部
23 端末側記憶部
24 端末側時計部
30 外部システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末と監視装置とが通信可能に接続され、前記監視装置が前記端末との間で行うポーリング通信によって当該端末の有する監視情報を収集する監視システムであって、
前記端末は、前記監視装置から送信されたポーリング信号に従って前記監視装置とポーリング通信を行う端末側通信部と、端末側時刻を取得する端末側時計部と、前記監視情報を取得する監視情報取得部と、第1所定期間毎に前記監視情報取得部により取得された監視情報と前記端末側時計部により取得された端末側時刻とを関連付けた端末側時刻付き監視情報を記憶する端末側記憶部とを有し、
前記監視装置は、監視装置側時刻を取得して前記第1所定期間よりも短い第2所定期間ごとポーリング開始要求を発行する監視装置側時計部と、前記ポーリング開始要求に従ってポーリング通信を開始して前記端末から前記監視情報又は前記端末側時刻付き監視情報を取得する監視装置側通信部と、前記ポーリング開始要求が発行された時の監視装置側時刻と前記監視装置側通信部により取得された前記監視情報とを関連付けた監視装置側時刻付き監視情報を記憶する監視装置側記憶部とを備え、
前記監視装置は、前記第1所定期間内に含まれる第2所定期間のポーリング通信のうち何れかのポーリング通信によって前記端末側時刻付き監視情報を取得すること
を特徴とする監視システム。
【請求項2】
前記監視装置側記憶部は、前記監視装置側通信部によって前記端末の監視項目の属性を示す監視項目属性情報を記憶しており、
前記監視項目属性情報に基づいて前記端末のポーリング順序を示すポーリングスケジュールを組み立てるスケジュール作成部を更に備え、
前記監視装置側通信部は、前記スケジュール作成部により作成された前記ポーリングスケジュールに従ってポーリング通信を行うこと
を特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記監視装置側通信部によって取得され前記監視装置側記憶部に記憶された端末側時刻付き監視情報の欠損状態を調べるデータ状態取得部を更に備え、
前記スケジュール作成部は、前記データ状態取得部により調べられた欠損情報に基づいて、欠損している端末側時刻付き監視情報を前記端末に要求しても前記第2所定期間を超えない場合に、前記欠損している端末側時刻付き監視情報を取得するよう前記ポーリングスケジュールを作成すること
を特徴とする請求項2に記載の監視システム。
【請求項4】
前記端末は、前記端末側時刻付き監視情報の項目として端末側時刻付き監視情報の保有数を有し、
前記スケジュール作成部は、前記端末側時刻付き監視情報の保有数を、前記監視装置側時刻と関連付けられる監視情報よりも優先度の低い監視情報としてポーリングスケジュールを作成すること
を特徴とする請求項3に記載の監視システム。
【請求項5】
前記監視装置に対して監視情報を要求する割り込み要求が発生した場合に、前記端末側時刻付き監視情報よりも優先度が高い監視情報を取得するポーリング通信が終了した時まで待機して割り込み要求に応じたポーリング通信を行うことを特徴とする請求項2に記載の監視システム。
【請求項6】
前記スケジュール作成部は、前記監視装置側時刻と関連付けられる監視情報よりも優先度の低い監視情報として前記端末側時刻を前記監視装置側時刻に同期させるために必要な情報を設定してポーリング順序を決定し、
前記監視装置側通信部は、当該ポーリング順序で前記端末側時刻を前記監視装置側時刻に同期させるために必要な情報を前記端末に送信すること
を特徴とする請求項2に記載の監視システム。
【請求項7】
複数の端末と通信可能に接続され、前記端末との間で行うポーリング通信によって当該端末の有する監視情報を収集する監視装置であって、
監視装置側時刻を取得して、前記端末が監視情報を取得する第1所定期間よりも短い第2所定期間ごとポーリング開始要求を発行する監視装置側時計部と、
前記ポーリング開始要求に従ってポーリング通信を開始して前記端末から前記監視情報又は前記監視情報に端末側時刻が関連付けられた端末側時刻付き監視情報を取得する監視装置側通信部と、
前記ポーリング開始要求が発行された時の監視装置側時刻と前記監視装置側通信部により取得された前記監視情報とを関連付けた監視装置側時刻付き監視情報を記憶する監視装置側記憶部とを備え、
前記監視装置側通信部は、前記第1所定期間内に含まれる第2所定期間のポーリング通信のうち何れかのポーリング通信によって前記端末側時刻付き監視情報を取得すること
を特徴とする監視装置。
【請求項8】
複数の端末と通信可能に接続され、前記端末との間で行うポーリング通信によって当該端末の有する監視情報を収集する監視装置により実行されるプログラムであって、
前記監視装置に、
監視装置側時刻を取得して、前記端末が監視情報を取得する第1所定期間よりも短い第2所定期間ごとポーリング開始要求を発行し、
前記ポーリング開始要求に従ってポーリング通信を開始して前記端末から前記監視情報又は前記監視情報に端末側時刻が関連付けられた端末側時刻付き監視情報を取得し、
前記ポーリング開始要求が発行された時の監視装置側時刻と前記監視情報とを関連付けた監視装置側時刻付き監視情報を記憶部に記憶させ、
前記第1所定期間内に含まれる第2所定期間のポーリング通信のうち何れかのポーリング通信によって前記端末側時刻付き監視情報を取得すること
を実行させるための監視装置のプログラム。
【請求項9】
監視装置と通信可能に接続され、前記監視装置との間で行うポーリング通信によって監視情報を送信する端末装置であって、
前記監視装置から送信されたポーリング信号に従って前記監視装置とポーリング通信を行う端末側通信部と、
端末側時刻を取得する端末側時計部と、
前記監視情報を取得する監視情報取得部と、
第1所定期間毎に前記監視情報取得部により取得された監視情報と前記端末側時計部により取得された端末側時刻とを関連付けた端末側時刻付き監視情報を記憶する端末側記憶部とを有し、
前記端末側通信部は、前記第1所定期間内に含まれ、前記第1所定期間よりも短い第2所定期間のポーリング通信のうち、何れかのポーリング通信によって前記端末側記憶部に記憶された前記端末側時刻付き監視情報を送信し、それ以外のポーリング通信によって前記監視情報を送信することを特徴とする端末装置。
【請求項10】
監視装置と通信可能に接続され、前記監視装置との間で行うポーリング通信によって監視情報を送信する端末装置のプログラムであって、
前記端末装置に、
第1所定期間毎に監視情報と端末側時刻とを関連付けた端末側時刻付き監視情報を端末側記憶部に記憶させ、
前記監視装置から送信されたポーリング信号に従って前記監視装置とポーリング通信を行って、前記第1所定期間内に含まれ、前記第1所定期間よりも短い第2所定期間のポーリング通信のうち、何れかのポーリング通信によって前記端末側記憶部に記憶された前記端末側時刻付き監視情報を送信し、それ以外のポーリング通信によって前記監視情報を送信すること
を実行させるための端末装置のプログラム。
【請求項1】
複数の端末と監視装置とが通信可能に接続され、前記監視装置が前記端末との間で行うポーリング通信によって当該端末の有する監視情報を収集する監視システムであって、
前記端末は、前記監視装置から送信されたポーリング信号に従って前記監視装置とポーリング通信を行う端末側通信部と、端末側時刻を取得する端末側時計部と、前記監視情報を取得する監視情報取得部と、第1所定期間毎に前記監視情報取得部により取得された監視情報と前記端末側時計部により取得された端末側時刻とを関連付けた端末側時刻付き監視情報を記憶する端末側記憶部とを有し、
前記監視装置は、監視装置側時刻を取得して前記第1所定期間よりも短い第2所定期間ごとポーリング開始要求を発行する監視装置側時計部と、前記ポーリング開始要求に従ってポーリング通信を開始して前記端末から前記監視情報又は前記端末側時刻付き監視情報を取得する監視装置側通信部と、前記ポーリング開始要求が発行された時の監視装置側時刻と前記監視装置側通信部により取得された前記監視情報とを関連付けた監視装置側時刻付き監視情報を記憶する監視装置側記憶部とを備え、
前記監視装置は、前記第1所定期間内に含まれる第2所定期間のポーリング通信のうち何れかのポーリング通信によって前記端末側時刻付き監視情報を取得すること
を特徴とする監視システム。
【請求項2】
前記監視装置側記憶部は、前記監視装置側通信部によって前記端末の監視項目の属性を示す監視項目属性情報を記憶しており、
前記監視項目属性情報に基づいて前記端末のポーリング順序を示すポーリングスケジュールを組み立てるスケジュール作成部を更に備え、
前記監視装置側通信部は、前記スケジュール作成部により作成された前記ポーリングスケジュールに従ってポーリング通信を行うこと
を特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記監視装置側通信部によって取得され前記監視装置側記憶部に記憶された端末側時刻付き監視情報の欠損状態を調べるデータ状態取得部を更に備え、
前記スケジュール作成部は、前記データ状態取得部により調べられた欠損情報に基づいて、欠損している端末側時刻付き監視情報を前記端末に要求しても前記第2所定期間を超えない場合に、前記欠損している端末側時刻付き監視情報を取得するよう前記ポーリングスケジュールを作成すること
を特徴とする請求項2に記載の監視システム。
【請求項4】
前記端末は、前記端末側時刻付き監視情報の項目として端末側時刻付き監視情報の保有数を有し、
前記スケジュール作成部は、前記端末側時刻付き監視情報の保有数を、前記監視装置側時刻と関連付けられる監視情報よりも優先度の低い監視情報としてポーリングスケジュールを作成すること
を特徴とする請求項3に記載の監視システム。
【請求項5】
前記監視装置に対して監視情報を要求する割り込み要求が発生した場合に、前記端末側時刻付き監視情報よりも優先度が高い監視情報を取得するポーリング通信が終了した時まで待機して割り込み要求に応じたポーリング通信を行うことを特徴とする請求項2に記載の監視システム。
【請求項6】
前記スケジュール作成部は、前記監視装置側時刻と関連付けられる監視情報よりも優先度の低い監視情報として前記端末側時刻を前記監視装置側時刻に同期させるために必要な情報を設定してポーリング順序を決定し、
前記監視装置側通信部は、当該ポーリング順序で前記端末側時刻を前記監視装置側時刻に同期させるために必要な情報を前記端末に送信すること
を特徴とする請求項2に記載の監視システム。
【請求項7】
複数の端末と通信可能に接続され、前記端末との間で行うポーリング通信によって当該端末の有する監視情報を収集する監視装置であって、
監視装置側時刻を取得して、前記端末が監視情報を取得する第1所定期間よりも短い第2所定期間ごとポーリング開始要求を発行する監視装置側時計部と、
前記ポーリング開始要求に従ってポーリング通信を開始して前記端末から前記監視情報又は前記監視情報に端末側時刻が関連付けられた端末側時刻付き監視情報を取得する監視装置側通信部と、
前記ポーリング開始要求が発行された時の監視装置側時刻と前記監視装置側通信部により取得された前記監視情報とを関連付けた監視装置側時刻付き監視情報を記憶する監視装置側記憶部とを備え、
前記監視装置側通信部は、前記第1所定期間内に含まれる第2所定期間のポーリング通信のうち何れかのポーリング通信によって前記端末側時刻付き監視情報を取得すること
を特徴とする監視装置。
【請求項8】
複数の端末と通信可能に接続され、前記端末との間で行うポーリング通信によって当該端末の有する監視情報を収集する監視装置により実行されるプログラムであって、
前記監視装置に、
監視装置側時刻を取得して、前記端末が監視情報を取得する第1所定期間よりも短い第2所定期間ごとポーリング開始要求を発行し、
前記ポーリング開始要求に従ってポーリング通信を開始して前記端末から前記監視情報又は前記監視情報に端末側時刻が関連付けられた端末側時刻付き監視情報を取得し、
前記ポーリング開始要求が発行された時の監視装置側時刻と前記監視情報とを関連付けた監視装置側時刻付き監視情報を記憶部に記憶させ、
前記第1所定期間内に含まれる第2所定期間のポーリング通信のうち何れかのポーリング通信によって前記端末側時刻付き監視情報を取得すること
を実行させるための監視装置のプログラム。
【請求項9】
監視装置と通信可能に接続され、前記監視装置との間で行うポーリング通信によって監視情報を送信する端末装置であって、
前記監視装置から送信されたポーリング信号に従って前記監視装置とポーリング通信を行う端末側通信部と、
端末側時刻を取得する端末側時計部と、
前記監視情報を取得する監視情報取得部と、
第1所定期間毎に前記監視情報取得部により取得された監視情報と前記端末側時計部により取得された端末側時刻とを関連付けた端末側時刻付き監視情報を記憶する端末側記憶部とを有し、
前記端末側通信部は、前記第1所定期間内に含まれ、前記第1所定期間よりも短い第2所定期間のポーリング通信のうち、何れかのポーリング通信によって前記端末側記憶部に記憶された前記端末側時刻付き監視情報を送信し、それ以外のポーリング通信によって前記監視情報を送信することを特徴とする端末装置。
【請求項10】
監視装置と通信可能に接続され、前記監視装置との間で行うポーリング通信によって監視情報を送信する端末装置のプログラムであって、
前記端末装置に、
第1所定期間毎に監視情報と端末側時刻とを関連付けた端末側時刻付き監視情報を端末側記憶部に記憶させ、
前記監視装置から送信されたポーリング信号に従って前記監視装置とポーリング通信を行って、前記第1所定期間内に含まれ、前記第1所定期間よりも短い第2所定期間のポーリング通信のうち、何れかのポーリング通信によって前記端末側記憶部に記憶された前記端末側時刻付き監視情報を送信し、それ以外のポーリング通信によって前記監視情報を送信すること
を実行させるための端末装置のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−199651(P2012−199651A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61004(P2011−61004)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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