監視装置
【課題】 モータ電流値の重点監視範囲におけるメータ上での視認性を高くすること。
【解決手段】
この監視装置100では、モータの測定値をA/D変換部1でデジタル変換し、演算部2にて所定の演算式を用いて演算処理を行う。演算処理は、通常監視範囲では入力値に対して一定の係数を掛けるが、重点監視範囲では前記係数より大きい係数を掛ける。出力された測定値は、D/A変換部3においてアナログ変換され、メータ4の指針8を駆動する電流として出力される。これにより、重点監視範囲のモータの測定値は、通常監視範囲の測定値よりもメータ上で拡大されて表示されるので、モータの電流の低下や上昇を詳細かつ容易に視認できる。
【解決手段】
この監視装置100では、モータの測定値をA/D変換部1でデジタル変換し、演算部2にて所定の演算式を用いて演算処理を行う。演算処理は、通常監視範囲では入力値に対して一定の係数を掛けるが、重点監視範囲では前記係数より大きい係数を掛ける。出力された測定値は、D/A変換部3においてアナログ変換され、メータ4の指針8を駆動する電流として出力される。これにより、重点監視範囲のモータの測定値は、通常監視範囲の測定値よりもメータ上で拡大されて表示されるので、モータの電流の低下や上昇を詳細かつ容易に視認できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ等の電動機その他の電気機器の負荷状態をその電流値により測定し、モータやそのモータを用いている機械の状態を監視する監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、工場等において、生産機械等の稼動状況等を管理者等が見やすいようにして監視することが「見える化」等と呼ばれ、様々な企業で実施されている。例えば、生産ライン、これを構成する加工機、ローダー、ロボット等には多くのモータが用いられており、このモータの電流を測定することで、モータ自体の寿命等を判断したり、モータの負荷状態からモータの先の機械の状態を判断したりすることができる。
【0003】
一般的に、直流電流の測定器によりモータの電流を詳細に測定する場合、測定器の倍率を所定の値に設定し、メータ上に表示されている当該倍率の表示を読むようにする。メータ上には、所定の倍率ごとに目盛が表示されている(例えば、特許文献1に記載のサーベイメータ)。
【特許文献1】 特開平06−109857号公報
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、測定器の倍率を変更できたとしても、メータ全体にわたって当該倍率で表示されるにすぎないため、例えば、測定値が当該倍率により測定可能な範囲の上限または下限を超える場合、指針が動かないか又は振り切れてしまい、おおよその電流値が判断できないという問題点があった。その一方で、入力され得る電流値の全範囲を表示するような倍率に設定すると、重点的に測定したい範囲を視認し難いという問題点があった。
【発明を解決するための手段】
【0006】
この発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであり、指針及び目盛を有するメータを備え、電動機その他の電気機器の電流または電圧を測定する監視装置において、前記目盛は、通常表示領域よりも拡大して表示される拡大表示領域を有し、当該通常表示領域と拡大表示領域とで連続的に表示され、電動機から入力された測定値を所定のデジタル値に変換するアナログ/デジタル変換手段と、当該デジタル変換された測定値のうちの重点監視範囲の測定値を通常監視範囲の測定値に対して相対的に拡大するように演算処理を行う演算手段と、前記演算手段にて演算処理した測定値を、前記指針を動かす電流に変換するデジタル/アナログ変換手段と、を備えたことを特徴とする。具体的には、演算手段は、前記アナログ/デジタル変換手段によりデジタル変換された重点監視範囲の測定値に対して、通常監視範囲の測定値よりも大きな係数を掛け、この演算処理した測定値を前記デジタル/アナログ変換手段が再びアナログ変換し、これにより、当該重点監視範囲の測定値を表示するときには前記指針が大きく動き、且つ、この重点監視範囲に対応する目盛は通常表示領域よりも拡大して表示されているから(拡大表示領域)、当該重点監視範囲において測定値を拡大して表示できる。
【0007】
また、この発明は、上記発明において、更に、重点監視範囲を設定する設定手段を備え、この設定手段は、重点監視範囲の上限値及び/又は下限値を入力する入力手段と、この上限値及び/又は下限値から演算式を取得する演算式取得手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、この発明は、上記発明において、更に、拡大表示領域を設定する設定手段を備え、この設定手段は、拡大表示範囲の上限値及び/又は下限値を入力する入力手段と、この上限値及び/又は下限値から演算式を取得する演算式取得手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、この発明は、上記発明において、複数の前記メータと、複数の電気機器の測定値を電気機器ごとに該当するメータに対応させる対応手段とを備えたことを特徴とする。具体例として、この対応手段は、複数の前記メータと、複数の電気機器の測定値に電気機器ごとの判別データを付与する判別データ付与手段と、判別データに基づいて所定の演算式を選択する選択手段と、前記演算手段による演算後の測定値を電気機器ごとに分別し、該当するメータに出力する分別出力手段とから構成される。
【0010】
また、この発明は、上記発明において、更に、前記メータと、複数の電気機器の測定値に電気機器ごとの判別データを付与する判別データ付与手段と、判別データに基づいて所定の演算式を選択する選択手段と、前記演算手段による演算後の測定値を電気機器ごとに分別し、出力する分別出力手段と、分別出力手段からの出力のうち、特定の出力を選択して前記メータに送る選択手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、この発明は、上記発明において、拡大表示領域と通常表示領域とが異なる色で表示されることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかる監視装置を示す外観斜視図である。図2は、図1に示した監視装置を示す構成図である。この監視装置100は、測定対象となるモータ等の電動機の直流電流(又は直流電圧)を入力する入力部と、入力された直流電流をアナログ値からデジタル値に変換するアナログ/テジタル変換部1(A/D変換部1)と、デジタル変換された測定値に対して所定の演算処理を行う演算部2と、演算されたデジタル値をアナログ値に再変換するデジタル/アナログ変換部3(D/A変換部3)と、演算処理された測定値を表示するアナログ式のメータ4と、前記演算部2の演算処理の演算式を設定する設定部5と、監視装置100の電源6と、所定のプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)等の記憶部10と、警報部12とを備える。
【0013】
監視装置100の筐体50の正面には、前記メータ4及び前記設定部5を構成するダイヤル51、前記電源6の電源スイッチ52等が配置される。また、筐体50の下部には、監視対象となるモータその他の電動機が接続される入力端子が設けられる(図示省略)。なお、ダイヤル51は、筐体50内部に設けても良い。また、図1に示した筐体50の外形やダイヤル51等の配置は単なる一例であり、この他の形態を適宜採用できる。
【0014】
前記メータ4は可動コイル形計器であり、可動コイル、永久磁石、指針8、目盛板9等から構成される。目盛板上に表示される目盛7は、特定範囲が拡大表示された扇形状である。目盛7には、例えば、測定範囲全体として0A〜100Aまでが表示されているが、そのうちの40A〜60Aの範囲(重点監視範囲)は拡大されて表示される(拡大表示領域7a)。具体的には、当該目盛の全部に対して、左1/3の部分が0A〜40Aの範囲(通常監視範囲)を表示する部分(通常表示領域7b)となり、中央1/3の部分が40A〜60Aの範囲(重点監視範囲)を表示する部分(拡大表示領域7a)となり、右1/3の部分が60A〜100Aの範囲(通常監視範囲)を表示する部分(通常表示領域7b)となり、全体的に見て40A〜60Aの範囲がその他の範囲に比べて拡大して表示され且つ通常表示領域7bの目盛と拡大表示領域7aの目盛とが連続的に表示されている。
【0015】
換言すれば、目盛全体の左1/3の部分に0A〜40Aの表示を割り当てて、例えば当該部分を40等分して5Aごとに1目盛を付し、中央1/3の部分に40A〜60Aの表示を割り当てて、例えば当該部分を20等分して5Aごとに1目盛を付し、右1/3の部分に60A〜100Aの表示を割り当てて、例えば当該部分を40等分して5Aごとに1目盛を付することで、重点監視範囲を拡大して表示する。
【0016】
また、前記目盛7には、拡大表示領域7aと通常表示領域7bとで異なる色を設ける。具体的には、40A〜60Aの拡大表示領域7aは、電動機の正常運転を意味するため、例えば緑で表示される。一方、通常表示領域7bについては、電動機になんらかの問題(例えば無負荷又は過負荷状態にある)が生じている可能性が高いため、例えば赤で表示される。配色については、拡大表示領域7aと通常表示領域7bとが視覚的に容易に区別でき且つ指針8を視認しやすい色であれば、緑や赤に限定されない。
【0017】
A/D変換部1は、入力された電流をアナログ値からデジタル値に変換する。デジタル変換時の分割数は、指針8の振れがぎこちないものにならない程度の数とすべきであるが、分割数を多くし過ぎると演算処理が複雑になるため、全体の測定範囲を考慮して妥当な分割数とすべきである。例えば、監視対象がモータであれば、具体的には512分割,1024分割、2048分割または4096分割するのが好ましい。
【0018】
演算部2は、デジタル値に変換された測定値に対し、所定の係数を掛ける。即ち、重点監視範囲の入力値に対しては、通常監視範囲の入力値よりも大きな係数(例えば4倍の係数)を掛ける。図3は、演算方法を説明するための図表である。横軸に入力値、縦軸に出力値を示す。入力値が通常監視範囲である0A〜40Aの範囲および60A〜100Aの範囲では入力値に対して一定の係数(例えば係数「0.5」とする)を掛けるが、重点監視範囲である40A〜60Aの範囲では、前記係数より大きい係数(例えば係数「2」とする)を掛ける。この係数(図表における傾き)の比が拡大率となる。なお、この係数は、通常監視範囲、重点監視範囲においてどのような値でもよいが、少なくとも、重点監視範囲の測定値が通常監視範囲の測定値に対して相対的に拡大されるような値である必要がある。
【0019】
記憶部10には、前記拡大を行うための演算式が記憶されている。D/A変換部3は、前記演算後の測定値を、メータ4を駆動するためのアナログ電流に変換する。また、筐体50には、上限値を超える又は下限値を下まわる場合に警告をならす警報器53(ブザー等)が設けられる。警報器53は、測定値が重点監視範囲を超えた場合に警報部12の信号に基づいて動作する。なお、電源オンから数秒間は警報器53への通電を遮断するようにすれば、電源のオンの際に測定値が下限値を下回っても警報器53が鳴ることがない。また、電源オフの際は、警報器53への通電を同時に遮断すれば警報器53が鳴ることがない。
【0020】
次に、この発明の監視装置100の動作について説明する。例えば鋳物工場の生産ラインや機械を駆動している直流モータを監視対象とする。監視する必要があるモータをこの監視装置100の入力端子に接続する。モータは、無負荷状態であれば電流値が低下し、過負荷が加わると電流値が大きくなるから、この電流値を監視することで、モータ自体又はモータにより駆動される機械等の正常・異常を判断できる。例えば、モータが正常運転をしている場合、その電流値は40A〜60Aの範囲にあり、入力部には当該範囲内の直流電流が測定値として入力される。この測定値は、A/D変換部1でデジタル変換され、演算部2に送られる。
【0021】
演算部2は、予め記憶部10に記憶されている演算式を一時的なメモリ(図示省略)に読み込んでおり、当該演算式を用いて前記測定値に対して演算処理を行う。演算処理は、図3に示したような方法により行われる。即ち、入力値が通常監視範囲である0A以上40A以下の範囲および60A以上〜100A以下の範囲では、入力値に対して一定の係数(例えば係数「0.5」とする)を掛けるが、重点監視範囲である40Aより大きく60A未満の範囲では、前記係数より大きい係数(例えば係数「2」とする)を掛けて、これを出力する。
【0022】
次に、出力された測定値は、D/A変換部3においてアナログ変換され、メータ4の指針8を駆動するための適切な電流として出力される。メータ4の指針8は、この電流値に基づいて動作する。この結果、重点監視範囲のモータの測定値は、通常監視範囲の測定値よりもメータ上で拡大されて表示されることになる。
【0023】
以上のように、この監視装置100では、重点的に監視したい測定値の範囲を拡大して表示するようにしたので、モータを駆動する電流の低下や上昇を詳細かつ容易に視認できる。監視者は、指針8が重点監視範囲の上限値または下限値に指針8が近づくか或いは超えるようであれば、モータ或いはモータの駆動対象である生産装置等に異常が生じていると判断できる。
【0024】
また、前記設定部5により、重点監視範囲を自由に設定変更できる。例えば、図1に示したように、監視装置100の筐体50正面に上限値設定用のダイヤル51Hと、下限値設定用のダイヤル51Lとを設け、この各ダイヤルを用いて下限値と上限値とを設定する(「入力手段」)。例えば、図4に示すように、重点監視範囲の下限値を35Aにし、上限値を65Aに設定したり、あるいは、下限値を45A、上限値を55Aに設定したりすることができる。また、当該設定は、例えば5A単位で設定可能である。
【0025】
メータ4に対する出力値の上限及び下限(M1.M2)は固定されており、入力値(I1,I2)が可変となるため、設定部5により入力値を設定すると、この入力値(I1,I2)、出力値(M1,M2)から重点監視範囲及び通常監視範囲のそれぞれの傾きが求められ、これが当該設定した入力値に対応する演算式として記憶部10に記憶される。なお、設定部5には、上限値、下限値及び固定された出力値から前記演算式を生成(または選択)により取得するプログラムを格納した記憶部5aと、当該演算式を生成(または選択)して特定の演算式を取得する処理部5bとが設けられる(「演算式取得手段」)。
【0026】
例えば、図4の(a)に示すように、入力値の下限値を35A、上限値を65Aに設定した場合、出力値のM1,M2は固定されているから、演算式取得手段によって通常監視範囲と重点監視範囲におけるそれぞれの演算式の傾きが求められる。この演算式は前記記憶部10に記憶され、演算時には前記演算部2の一時的なメモリに読み込まれる。
【0027】
同様に図4の(b)に示すように、入力値の下限値を45A、上限値を55Aに設定した場合、出力値のM1,M2は固定されているから、演算式取得手段によって通常監視範囲と重点監視範囲におけるそれぞれの演算式の傾きが求められる。この演算式は前記記憶部10に記憶され、演算時には前記演算部2の一時的なメモリに読み込まれる。なお、目盛上の下限値の表示と上限値の表示とは、ダイヤル51の切換に連動して電気的または機械的に変更されるようにするのが好ましい。
【0028】
また、入力値の上限値と下限値との組み合わせごとに各演算式を予め作成して記憶部10に記憶しておき、入力手段であるダイヤル51を切り換えることで、演算式取得手段が当該記憶部10から該当する演算式を選択し、演算部2に読み込ませるようにしても良い。この場合、記憶部10には、ROM等からなる書き込み不可のものを用いることができる。
【0029】
以上のようにすれば、監視対象のモータ等の電動機やその電動機を用いる機械等の特性に応じて、適切な重点監視範囲を設定できる。
【0030】
図5は、目盛の表示形態の変形例を示す説明図である。メータ4の目盛7は、図1または図2に示したような四分の一円弧形状ではなく、図5に示すような、四分の三円弧形状であっても良い。目盛7の表示範囲を広くし、これに応じてメータ4の指針8の動きを大きくすることで視認性を高めることができる。なお、メータ4の形状は、通常監視範囲と重点監視範囲とが異なるスケールで表示されていれば、どのようなものでも良い。また、図示しないが、目盛7を円弧状ではなく直線状に表示し、指針8が当該直線状の目盛7に対してリニアに動くようにしても良い。
【0031】
図6は、拡大表示領域を設定した場合の演算方法を示す説明図である。同図に示すように、入力値(I1,I2)を固定し、拡大表示領域の上限値及び下限値(M1,M2)を設定するようにしてもよい。なお、設定部5には、上限値、下限値及び固定された入力値から前記演算式を生成(または選択)により取得するプログラムを格納した記憶部5aと、当該演算式を生成(または選択)して特定の演算式を取得する処理部5bとが設けられる(「演算式取得手段」)。
【0032】
例えば、図6の(a)に示すように、拡大表示領域の下限値をM1b、上限値をM2bに設定した場合、重点監視範囲における演算式の傾きが大きくなり、入力値の拡大率をより大きくできる。その一方、通常監視範囲の傾きが小さくなる。この場合も、演算式取得手段によって入力値(I1,I2)、出力値(M1,M2)から重点監視範囲及び通常監視範囲のそれぞれの傾きが求められ、これを当該設定した入力値に対応する演算式として、記憶部10に記憶される。そして、演算時に、前記演算部2の一時的なメモリに読み込まれる。
【0033】
また、図6の(b)に示すように、拡大表示領域の下限値をM1a、上限値をM2aに設定した場合、重点監視範囲における演算式の傾きが小さくなる。この場合、通常監視範囲の傾きが大きくなるから、この通常表示領域での監視が容易になる。この場合も、上記同様に、演算式取得手段によって入力値(I1,I2)、出力値(M1,M2)から重点監視範囲及び通常監視範囲のそれぞれの傾きが求められ、これを当該設定した入力値に対応する演算式として、記憶部10に記憶される。そして、演算時に、前記演算部2の一時的なメモリに読み込まれる。
【0034】
また、メータ側の出力値を設定する場合、目盛7の表示をこれにあわせて変更しなければならない。例えば、図7に示すように、当該監視装置150では、その筐体50正面に、範囲設定の対象(入力値(I1,I2)か或いは出力値(M1,M2)か)を選択するスイッチ54を設け、上限値設定用のダイヤル51Hと下限値設定用のダイヤル51Lとを入力値の設定と出力値の設定とで共用とする。スイッチ54をINにすれば、上限値設定用のダイヤル51Hと下限値設定用のダイヤル51Lにより入力値の下限値I1及び上限値I2の設定ができ、スイッチ54をOUTにすれば、上限値設定用のダイヤル51Hと下限値設定用のダイヤル51Lにより出力値の下限値M1及び上限値M2の設定ができる。なお、ダイヤル51およびスイッチ54は筐体50内部に設けても良い。また、上限値設定用のダイヤルと下限値設定用のダイヤルの形態は同図に示すものに限定されない。
【0035】
また、筐体50上部に、拡大表示領域の目盛全幅を調整する上限値用ダイヤル55と下限値用ダイヤル56とでそれぞれ設ける。各ダイヤル55,56を回転させることで、機械的または電気的に下限値の表示ライン57と上限値との表示ライン58が略左右円弧方向に動く。図示しないが、これを機械的に実現する場合、例えば通常表示領域の部分を扇形の表示プレートとし、ダイヤル55,56の回転をギア等により伝達し、メータ4の指針8の回転中心を中心として回転するようにすればよい。前記表示プレートの色を変えれば、通常表示領域と拡大表示領域を色分けできる。また、電気的に実現する場合、複数のLEDを目盛7に沿って円弧状に配列し、或いは、目盛7を液晶やELにより表示し、ダイヤル55,56によって表示範囲を変更するようにすれば良い。
【0036】
さらに、簡便な方法として、図8に示すように、下限値の表示ライン57と上限値との表示ライン58がそれぞれ異なる目盛プレート13を用意し、この目盛プレート13を交換することで、拡大表示領域の目盛全幅を変更するようにしても良い。具体的には、図8の(a)に示すように、標準よりも拡大表示領域7aの目盛全幅を大きくしたもの、図8の(b)に示すように、標準よりも拡大表示領域7aの目盛全幅を小さくしたもの、を用意しておく。このようにすれば、通常表示領域7bと拡大表示領域7aを簡単に変更できる。なお、拡大表示領域7aの目盛幅の調整手段は、以上の手段に限定されない。
【0037】
また、図9に示すように、交流駆動されるモータ等の電動機を測定できるようにしても良い。具体的には、図1及び図2に示した監視装置の入力部に交流(AC)/直流(DC)変換器11を設ける。このAC/DC変換器11は、図示しない整流器と平滑器とから構成される。入力部にAC/DC変換器11を設けることで、交流モータの監視が可能となる。その他の構成は、上記図1乃至図7に示した監視装置100と同じである。
【0038】
以上、この発明の実施の形態1にかかる監視装置100によれば、重点的に監視したい測定値の範囲を重点監視範囲として他の範囲よりも拡大して表示するので、視認性が高くなる。このため、電動機やその電動機を用いている生産機械等の正常/異常を判断しやすい。さらに、図示しないが、電動機に加わる電圧を入力値として当該電動機等の正常/異常を監視するようにしても良い。
【0039】
(実施の形態2)
図10は、この発明の実施の形態2にかかる監視装置を示す構成図である。この監視装置200は、実施の形態1に示した監視装置100の構成に対して、複数のモータMを監視するように構成した点に特徴がある。即ち、入力部が複数設けられると共に当該各入力部に監視対象のモータMがそれぞれ接続され、且つ、モータMごとにメータ4が設けられている点に特徴がある。入力切替部204は、各入力部からの入力を切り替えて一つにし、A/D変換部201に送る。なお、入力部同士が互いに絶縁されていない場合は、各入力に対して絶縁アンプを設ける(図示省略)。A/D変換部201は、各モータMの測定値をそれぞれデジタル変換すると共に、各モータMの測定値ごとにいずれのモータMの電流かを判別するためのヘッダを付与する(「判別データ付与手段」)。
【0040】
演算部202は、このデジタル変換された測定値を順次演算処理する。モータMの種類やモータMを使用している機械等は、それぞれ異なる重点監視範囲を有する。このため、前記記憶部10には、各モータMに対応する演算式が記憶されており、この演算式は、演算部202により予め読み込まれてメモリに一時的に記憶されている。演算部202は、デジタル変換された測定値に付与されたヘッダに基づいて、当該測定値がいずれのモータMのものであるか判別すると共に当該モータMの測定値の演算に用いる演算式を選択し(「選択手段」)、当該当該演算式に基づいて演算処理を行う。
【0041】
モータMごとの演算結果はD/A変換部203に送られて再びアナログ変換され、メータ4の指針8を駆動するための適切な電流として出力される。出力切替部205では、前記ヘッダに基づいて前記演算結果がいずれのモータMのものであるか分別され、各演算結果を該当するモータMに対応するメータ4に出力される(「分別出力手段」)。なお、出力切替部205と各メータ4との間には、当該出力を固定するホールドアンプ206が設けられる。そして、各メータ4は、この出力された電流に基づいて指針8を動かす。各メータ4の目盛7は、当該重点監視範囲においてスケールが拡大表示されている。このようにすれば、複数のモータMの監視を1台の監視装置200で行うことができる。更に、モータMの特性や監視すべき範囲が異なる場合でも、同時に監視することができる。
【0042】
なお、上記では、入力切替部204により入力を切り替える手順、A/D変換部201における各モータMの測定値に対してヘッダを付与する手順、出力切替部205における前記ヘッダに基づいて前記演算結果がいずれのモータMのものであるか分別する手順、により個々のモータMの測定値を対応する個々のメータに出力しているが、モータMの測定値とメータ4とを1対1で対応させる手段(「対応手段」)はこれに限定されない。例えば、入力と出力との切り替えを同期させ、当該切り替えを高速に行うようにしても良い。また、上記D/A変換部203をメータ4ごとに対応させて設けるようにすれば、前記出力切替部205及びホールドアンプ206は不要となる。
【0043】
(実施の形態3)
図11は、この発明の実施の形態3にかかる監視装置を示す構成図である。この監視装置300は、実施の形態2に示した監視装置の構成に対して、一つのメータ4により、複数のモータMを監視するように構成した点に特徴がある。この監視装置300では、表示選択部206を出力切替部205の後段に設けると共に、この出力切替部205を操作する表示選択ダイヤル301をメータ4の前面に設けた構成である。その他の構成は実施の形態2にかかる監視装置200と同じであるからその説明を省略する。この監視装置300では、ユーザが表示選択ダイヤル301により監視したいモータMの番号(例えば「1」)を選択すると、当該表示選択ダイヤル301と連動する入力切替部204がモータM1の電流値のみをA/D変換部201に送る。
【0044】
また、ユーザが表示選択ダイヤル301により別のモータMの番号(例えば「2」)を選択すると、入力切替部204が、モータM2の電流値のみをA/D変換部201に送る。このようにすれば、一つのメータ4で複数のモータMを監視でき、かつ、異なる種類のモータMを最適な範囲で監視できる。特に、筐体50上のメータを設置するスペースや、メータを単体とした場合にその設置場所が少ないときに、有効である。
【0045】
なお、上記実施の形態1〜3では、電気機器としてモータを例に挙げて説明したが、この監視装置の監視対象はモータに限定されない。例えば、電源や発電機等も監視対象になり得る。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】 この発明の実施の形態1にかかる監視装置を示す外観斜視図である。
【図2】 図1に示した監視装置を示す構成図である。
【図3】 演算方法を説明するための図表である。
【図4】 演算方法を説明するための図表である。
【図5】 目盛の表示形態の変形例を示す説明図である。
【図6】 拡大表示領域を設定した場合の演算方法を示す説明図である。
【図7】 拡大表示領域を設定可能にした監視装置を示す外観斜視図である
【図8】 目盛プレートの一例を示す説明図である。
【図9】 図2に示した監視装置の変形例を示す構成図である。
【図10】 この発明の実施の形態2にかかる監視装置を示す構成図である。
【図11】 この発明の実施の形態3にかかる監視装置を示す構成図である。
【符号の説明】
【0047】
100 監視装置
1 A/D変換部
2 演算部
3 D/A変換部
4 メータ
5 設定部
7 目盛
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ等の電動機その他の電気機器の負荷状態をその電流値により測定し、モータやそのモータを用いている機械の状態を監視する監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、工場等において、生産機械等の稼動状況等を管理者等が見やすいようにして監視することが「見える化」等と呼ばれ、様々な企業で実施されている。例えば、生産ライン、これを構成する加工機、ローダー、ロボット等には多くのモータが用いられており、このモータの電流を測定することで、モータ自体の寿命等を判断したり、モータの負荷状態からモータの先の機械の状態を判断したりすることができる。
【0003】
一般的に、直流電流の測定器によりモータの電流を詳細に測定する場合、測定器の倍率を所定の値に設定し、メータ上に表示されている当該倍率の表示を読むようにする。メータ上には、所定の倍率ごとに目盛が表示されている(例えば、特許文献1に記載のサーベイメータ)。
【特許文献1】 特開平06−109857号公報
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、測定器の倍率を変更できたとしても、メータ全体にわたって当該倍率で表示されるにすぎないため、例えば、測定値が当該倍率により測定可能な範囲の上限または下限を超える場合、指針が動かないか又は振り切れてしまい、おおよその電流値が判断できないという問題点があった。その一方で、入力され得る電流値の全範囲を表示するような倍率に設定すると、重点的に測定したい範囲を視認し難いという問題点があった。
【発明を解決するための手段】
【0006】
この発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであり、指針及び目盛を有するメータを備え、電動機その他の電気機器の電流または電圧を測定する監視装置において、前記目盛は、通常表示領域よりも拡大して表示される拡大表示領域を有し、当該通常表示領域と拡大表示領域とで連続的に表示され、電動機から入力された測定値を所定のデジタル値に変換するアナログ/デジタル変換手段と、当該デジタル変換された測定値のうちの重点監視範囲の測定値を通常監視範囲の測定値に対して相対的に拡大するように演算処理を行う演算手段と、前記演算手段にて演算処理した測定値を、前記指針を動かす電流に変換するデジタル/アナログ変換手段と、を備えたことを特徴とする。具体的には、演算手段は、前記アナログ/デジタル変換手段によりデジタル変換された重点監視範囲の測定値に対して、通常監視範囲の測定値よりも大きな係数を掛け、この演算処理した測定値を前記デジタル/アナログ変換手段が再びアナログ変換し、これにより、当該重点監視範囲の測定値を表示するときには前記指針が大きく動き、且つ、この重点監視範囲に対応する目盛は通常表示領域よりも拡大して表示されているから(拡大表示領域)、当該重点監視範囲において測定値を拡大して表示できる。
【0007】
また、この発明は、上記発明において、更に、重点監視範囲を設定する設定手段を備え、この設定手段は、重点監視範囲の上限値及び/又は下限値を入力する入力手段と、この上限値及び/又は下限値から演算式を取得する演算式取得手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、この発明は、上記発明において、更に、拡大表示領域を設定する設定手段を備え、この設定手段は、拡大表示範囲の上限値及び/又は下限値を入力する入力手段と、この上限値及び/又は下限値から演算式を取得する演算式取得手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、この発明は、上記発明において、複数の前記メータと、複数の電気機器の測定値を電気機器ごとに該当するメータに対応させる対応手段とを備えたことを特徴とする。具体例として、この対応手段は、複数の前記メータと、複数の電気機器の測定値に電気機器ごとの判別データを付与する判別データ付与手段と、判別データに基づいて所定の演算式を選択する選択手段と、前記演算手段による演算後の測定値を電気機器ごとに分別し、該当するメータに出力する分別出力手段とから構成される。
【0010】
また、この発明は、上記発明において、更に、前記メータと、複数の電気機器の測定値に電気機器ごとの判別データを付与する判別データ付与手段と、判別データに基づいて所定の演算式を選択する選択手段と、前記演算手段による演算後の測定値を電気機器ごとに分別し、出力する分別出力手段と、分別出力手段からの出力のうち、特定の出力を選択して前記メータに送る選択手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、この発明は、上記発明において、拡大表示領域と通常表示領域とが異なる色で表示されることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかる監視装置を示す外観斜視図である。図2は、図1に示した監視装置を示す構成図である。この監視装置100は、測定対象となるモータ等の電動機の直流電流(又は直流電圧)を入力する入力部と、入力された直流電流をアナログ値からデジタル値に変換するアナログ/テジタル変換部1(A/D変換部1)と、デジタル変換された測定値に対して所定の演算処理を行う演算部2と、演算されたデジタル値をアナログ値に再変換するデジタル/アナログ変換部3(D/A変換部3)と、演算処理された測定値を表示するアナログ式のメータ4と、前記演算部2の演算処理の演算式を設定する設定部5と、監視装置100の電源6と、所定のプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)等の記憶部10と、警報部12とを備える。
【0013】
監視装置100の筐体50の正面には、前記メータ4及び前記設定部5を構成するダイヤル51、前記電源6の電源スイッチ52等が配置される。また、筐体50の下部には、監視対象となるモータその他の電動機が接続される入力端子が設けられる(図示省略)。なお、ダイヤル51は、筐体50内部に設けても良い。また、図1に示した筐体50の外形やダイヤル51等の配置は単なる一例であり、この他の形態を適宜採用できる。
【0014】
前記メータ4は可動コイル形計器であり、可動コイル、永久磁石、指針8、目盛板9等から構成される。目盛板上に表示される目盛7は、特定範囲が拡大表示された扇形状である。目盛7には、例えば、測定範囲全体として0A〜100Aまでが表示されているが、そのうちの40A〜60Aの範囲(重点監視範囲)は拡大されて表示される(拡大表示領域7a)。具体的には、当該目盛の全部に対して、左1/3の部分が0A〜40Aの範囲(通常監視範囲)を表示する部分(通常表示領域7b)となり、中央1/3の部分が40A〜60Aの範囲(重点監視範囲)を表示する部分(拡大表示領域7a)となり、右1/3の部分が60A〜100Aの範囲(通常監視範囲)を表示する部分(通常表示領域7b)となり、全体的に見て40A〜60Aの範囲がその他の範囲に比べて拡大して表示され且つ通常表示領域7bの目盛と拡大表示領域7aの目盛とが連続的に表示されている。
【0015】
換言すれば、目盛全体の左1/3の部分に0A〜40Aの表示を割り当てて、例えば当該部分を40等分して5Aごとに1目盛を付し、中央1/3の部分に40A〜60Aの表示を割り当てて、例えば当該部分を20等分して5Aごとに1目盛を付し、右1/3の部分に60A〜100Aの表示を割り当てて、例えば当該部分を40等分して5Aごとに1目盛を付することで、重点監視範囲を拡大して表示する。
【0016】
また、前記目盛7には、拡大表示領域7aと通常表示領域7bとで異なる色を設ける。具体的には、40A〜60Aの拡大表示領域7aは、電動機の正常運転を意味するため、例えば緑で表示される。一方、通常表示領域7bについては、電動機になんらかの問題(例えば無負荷又は過負荷状態にある)が生じている可能性が高いため、例えば赤で表示される。配色については、拡大表示領域7aと通常表示領域7bとが視覚的に容易に区別でき且つ指針8を視認しやすい色であれば、緑や赤に限定されない。
【0017】
A/D変換部1は、入力された電流をアナログ値からデジタル値に変換する。デジタル変換時の分割数は、指針8の振れがぎこちないものにならない程度の数とすべきであるが、分割数を多くし過ぎると演算処理が複雑になるため、全体の測定範囲を考慮して妥当な分割数とすべきである。例えば、監視対象がモータであれば、具体的には512分割,1024分割、2048分割または4096分割するのが好ましい。
【0018】
演算部2は、デジタル値に変換された測定値に対し、所定の係数を掛ける。即ち、重点監視範囲の入力値に対しては、通常監視範囲の入力値よりも大きな係数(例えば4倍の係数)を掛ける。図3は、演算方法を説明するための図表である。横軸に入力値、縦軸に出力値を示す。入力値が通常監視範囲である0A〜40Aの範囲および60A〜100Aの範囲では入力値に対して一定の係数(例えば係数「0.5」とする)を掛けるが、重点監視範囲である40A〜60Aの範囲では、前記係数より大きい係数(例えば係数「2」とする)を掛ける。この係数(図表における傾き)の比が拡大率となる。なお、この係数は、通常監視範囲、重点監視範囲においてどのような値でもよいが、少なくとも、重点監視範囲の測定値が通常監視範囲の測定値に対して相対的に拡大されるような値である必要がある。
【0019】
記憶部10には、前記拡大を行うための演算式が記憶されている。D/A変換部3は、前記演算後の測定値を、メータ4を駆動するためのアナログ電流に変換する。また、筐体50には、上限値を超える又は下限値を下まわる場合に警告をならす警報器53(ブザー等)が設けられる。警報器53は、測定値が重点監視範囲を超えた場合に警報部12の信号に基づいて動作する。なお、電源オンから数秒間は警報器53への通電を遮断するようにすれば、電源のオンの際に測定値が下限値を下回っても警報器53が鳴ることがない。また、電源オフの際は、警報器53への通電を同時に遮断すれば警報器53が鳴ることがない。
【0020】
次に、この発明の監視装置100の動作について説明する。例えば鋳物工場の生産ラインや機械を駆動している直流モータを監視対象とする。監視する必要があるモータをこの監視装置100の入力端子に接続する。モータは、無負荷状態であれば電流値が低下し、過負荷が加わると電流値が大きくなるから、この電流値を監視することで、モータ自体又はモータにより駆動される機械等の正常・異常を判断できる。例えば、モータが正常運転をしている場合、その電流値は40A〜60Aの範囲にあり、入力部には当該範囲内の直流電流が測定値として入力される。この測定値は、A/D変換部1でデジタル変換され、演算部2に送られる。
【0021】
演算部2は、予め記憶部10に記憶されている演算式を一時的なメモリ(図示省略)に読み込んでおり、当該演算式を用いて前記測定値に対して演算処理を行う。演算処理は、図3に示したような方法により行われる。即ち、入力値が通常監視範囲である0A以上40A以下の範囲および60A以上〜100A以下の範囲では、入力値に対して一定の係数(例えば係数「0.5」とする)を掛けるが、重点監視範囲である40Aより大きく60A未満の範囲では、前記係数より大きい係数(例えば係数「2」とする)を掛けて、これを出力する。
【0022】
次に、出力された測定値は、D/A変換部3においてアナログ変換され、メータ4の指針8を駆動するための適切な電流として出力される。メータ4の指針8は、この電流値に基づいて動作する。この結果、重点監視範囲のモータの測定値は、通常監視範囲の測定値よりもメータ上で拡大されて表示されることになる。
【0023】
以上のように、この監視装置100では、重点的に監視したい測定値の範囲を拡大して表示するようにしたので、モータを駆動する電流の低下や上昇を詳細かつ容易に視認できる。監視者は、指針8が重点監視範囲の上限値または下限値に指針8が近づくか或いは超えるようであれば、モータ或いはモータの駆動対象である生産装置等に異常が生じていると判断できる。
【0024】
また、前記設定部5により、重点監視範囲を自由に設定変更できる。例えば、図1に示したように、監視装置100の筐体50正面に上限値設定用のダイヤル51Hと、下限値設定用のダイヤル51Lとを設け、この各ダイヤルを用いて下限値と上限値とを設定する(「入力手段」)。例えば、図4に示すように、重点監視範囲の下限値を35Aにし、上限値を65Aに設定したり、あるいは、下限値を45A、上限値を55Aに設定したりすることができる。また、当該設定は、例えば5A単位で設定可能である。
【0025】
メータ4に対する出力値の上限及び下限(M1.M2)は固定されており、入力値(I1,I2)が可変となるため、設定部5により入力値を設定すると、この入力値(I1,I2)、出力値(M1,M2)から重点監視範囲及び通常監視範囲のそれぞれの傾きが求められ、これが当該設定した入力値に対応する演算式として記憶部10に記憶される。なお、設定部5には、上限値、下限値及び固定された出力値から前記演算式を生成(または選択)により取得するプログラムを格納した記憶部5aと、当該演算式を生成(または選択)して特定の演算式を取得する処理部5bとが設けられる(「演算式取得手段」)。
【0026】
例えば、図4の(a)に示すように、入力値の下限値を35A、上限値を65Aに設定した場合、出力値のM1,M2は固定されているから、演算式取得手段によって通常監視範囲と重点監視範囲におけるそれぞれの演算式の傾きが求められる。この演算式は前記記憶部10に記憶され、演算時には前記演算部2の一時的なメモリに読み込まれる。
【0027】
同様に図4の(b)に示すように、入力値の下限値を45A、上限値を55Aに設定した場合、出力値のM1,M2は固定されているから、演算式取得手段によって通常監視範囲と重点監視範囲におけるそれぞれの演算式の傾きが求められる。この演算式は前記記憶部10に記憶され、演算時には前記演算部2の一時的なメモリに読み込まれる。なお、目盛上の下限値の表示と上限値の表示とは、ダイヤル51の切換に連動して電気的または機械的に変更されるようにするのが好ましい。
【0028】
また、入力値の上限値と下限値との組み合わせごとに各演算式を予め作成して記憶部10に記憶しておき、入力手段であるダイヤル51を切り換えることで、演算式取得手段が当該記憶部10から該当する演算式を選択し、演算部2に読み込ませるようにしても良い。この場合、記憶部10には、ROM等からなる書き込み不可のものを用いることができる。
【0029】
以上のようにすれば、監視対象のモータ等の電動機やその電動機を用いる機械等の特性に応じて、適切な重点監視範囲を設定できる。
【0030】
図5は、目盛の表示形態の変形例を示す説明図である。メータ4の目盛7は、図1または図2に示したような四分の一円弧形状ではなく、図5に示すような、四分の三円弧形状であっても良い。目盛7の表示範囲を広くし、これに応じてメータ4の指針8の動きを大きくすることで視認性を高めることができる。なお、メータ4の形状は、通常監視範囲と重点監視範囲とが異なるスケールで表示されていれば、どのようなものでも良い。また、図示しないが、目盛7を円弧状ではなく直線状に表示し、指針8が当該直線状の目盛7に対してリニアに動くようにしても良い。
【0031】
図6は、拡大表示領域を設定した場合の演算方法を示す説明図である。同図に示すように、入力値(I1,I2)を固定し、拡大表示領域の上限値及び下限値(M1,M2)を設定するようにしてもよい。なお、設定部5には、上限値、下限値及び固定された入力値から前記演算式を生成(または選択)により取得するプログラムを格納した記憶部5aと、当該演算式を生成(または選択)して特定の演算式を取得する処理部5bとが設けられる(「演算式取得手段」)。
【0032】
例えば、図6の(a)に示すように、拡大表示領域の下限値をM1b、上限値をM2bに設定した場合、重点監視範囲における演算式の傾きが大きくなり、入力値の拡大率をより大きくできる。その一方、通常監視範囲の傾きが小さくなる。この場合も、演算式取得手段によって入力値(I1,I2)、出力値(M1,M2)から重点監視範囲及び通常監視範囲のそれぞれの傾きが求められ、これを当該設定した入力値に対応する演算式として、記憶部10に記憶される。そして、演算時に、前記演算部2の一時的なメモリに読み込まれる。
【0033】
また、図6の(b)に示すように、拡大表示領域の下限値をM1a、上限値をM2aに設定した場合、重点監視範囲における演算式の傾きが小さくなる。この場合、通常監視範囲の傾きが大きくなるから、この通常表示領域での監視が容易になる。この場合も、上記同様に、演算式取得手段によって入力値(I1,I2)、出力値(M1,M2)から重点監視範囲及び通常監視範囲のそれぞれの傾きが求められ、これを当該設定した入力値に対応する演算式として、記憶部10に記憶される。そして、演算時に、前記演算部2の一時的なメモリに読み込まれる。
【0034】
また、メータ側の出力値を設定する場合、目盛7の表示をこれにあわせて変更しなければならない。例えば、図7に示すように、当該監視装置150では、その筐体50正面に、範囲設定の対象(入力値(I1,I2)か或いは出力値(M1,M2)か)を選択するスイッチ54を設け、上限値設定用のダイヤル51Hと下限値設定用のダイヤル51Lとを入力値の設定と出力値の設定とで共用とする。スイッチ54をINにすれば、上限値設定用のダイヤル51Hと下限値設定用のダイヤル51Lにより入力値の下限値I1及び上限値I2の設定ができ、スイッチ54をOUTにすれば、上限値設定用のダイヤル51Hと下限値設定用のダイヤル51Lにより出力値の下限値M1及び上限値M2の設定ができる。なお、ダイヤル51およびスイッチ54は筐体50内部に設けても良い。また、上限値設定用のダイヤルと下限値設定用のダイヤルの形態は同図に示すものに限定されない。
【0035】
また、筐体50上部に、拡大表示領域の目盛全幅を調整する上限値用ダイヤル55と下限値用ダイヤル56とでそれぞれ設ける。各ダイヤル55,56を回転させることで、機械的または電気的に下限値の表示ライン57と上限値との表示ライン58が略左右円弧方向に動く。図示しないが、これを機械的に実現する場合、例えば通常表示領域の部分を扇形の表示プレートとし、ダイヤル55,56の回転をギア等により伝達し、メータ4の指針8の回転中心を中心として回転するようにすればよい。前記表示プレートの色を変えれば、通常表示領域と拡大表示領域を色分けできる。また、電気的に実現する場合、複数のLEDを目盛7に沿って円弧状に配列し、或いは、目盛7を液晶やELにより表示し、ダイヤル55,56によって表示範囲を変更するようにすれば良い。
【0036】
さらに、簡便な方法として、図8に示すように、下限値の表示ライン57と上限値との表示ライン58がそれぞれ異なる目盛プレート13を用意し、この目盛プレート13を交換することで、拡大表示領域の目盛全幅を変更するようにしても良い。具体的には、図8の(a)に示すように、標準よりも拡大表示領域7aの目盛全幅を大きくしたもの、図8の(b)に示すように、標準よりも拡大表示領域7aの目盛全幅を小さくしたもの、を用意しておく。このようにすれば、通常表示領域7bと拡大表示領域7aを簡単に変更できる。なお、拡大表示領域7aの目盛幅の調整手段は、以上の手段に限定されない。
【0037】
また、図9に示すように、交流駆動されるモータ等の電動機を測定できるようにしても良い。具体的には、図1及び図2に示した監視装置の入力部に交流(AC)/直流(DC)変換器11を設ける。このAC/DC変換器11は、図示しない整流器と平滑器とから構成される。入力部にAC/DC変換器11を設けることで、交流モータの監視が可能となる。その他の構成は、上記図1乃至図7に示した監視装置100と同じである。
【0038】
以上、この発明の実施の形態1にかかる監視装置100によれば、重点的に監視したい測定値の範囲を重点監視範囲として他の範囲よりも拡大して表示するので、視認性が高くなる。このため、電動機やその電動機を用いている生産機械等の正常/異常を判断しやすい。さらに、図示しないが、電動機に加わる電圧を入力値として当該電動機等の正常/異常を監視するようにしても良い。
【0039】
(実施の形態2)
図10は、この発明の実施の形態2にかかる監視装置を示す構成図である。この監視装置200は、実施の形態1に示した監視装置100の構成に対して、複数のモータMを監視するように構成した点に特徴がある。即ち、入力部が複数設けられると共に当該各入力部に監視対象のモータMがそれぞれ接続され、且つ、モータMごとにメータ4が設けられている点に特徴がある。入力切替部204は、各入力部からの入力を切り替えて一つにし、A/D変換部201に送る。なお、入力部同士が互いに絶縁されていない場合は、各入力に対して絶縁アンプを設ける(図示省略)。A/D変換部201は、各モータMの測定値をそれぞれデジタル変換すると共に、各モータMの測定値ごとにいずれのモータMの電流かを判別するためのヘッダを付与する(「判別データ付与手段」)。
【0040】
演算部202は、このデジタル変換された測定値を順次演算処理する。モータMの種類やモータMを使用している機械等は、それぞれ異なる重点監視範囲を有する。このため、前記記憶部10には、各モータMに対応する演算式が記憶されており、この演算式は、演算部202により予め読み込まれてメモリに一時的に記憶されている。演算部202は、デジタル変換された測定値に付与されたヘッダに基づいて、当該測定値がいずれのモータMのものであるか判別すると共に当該モータMの測定値の演算に用いる演算式を選択し(「選択手段」)、当該当該演算式に基づいて演算処理を行う。
【0041】
モータMごとの演算結果はD/A変換部203に送られて再びアナログ変換され、メータ4の指針8を駆動するための適切な電流として出力される。出力切替部205では、前記ヘッダに基づいて前記演算結果がいずれのモータMのものであるか分別され、各演算結果を該当するモータMに対応するメータ4に出力される(「分別出力手段」)。なお、出力切替部205と各メータ4との間には、当該出力を固定するホールドアンプ206が設けられる。そして、各メータ4は、この出力された電流に基づいて指針8を動かす。各メータ4の目盛7は、当該重点監視範囲においてスケールが拡大表示されている。このようにすれば、複数のモータMの監視を1台の監視装置200で行うことができる。更に、モータMの特性や監視すべき範囲が異なる場合でも、同時に監視することができる。
【0042】
なお、上記では、入力切替部204により入力を切り替える手順、A/D変換部201における各モータMの測定値に対してヘッダを付与する手順、出力切替部205における前記ヘッダに基づいて前記演算結果がいずれのモータMのものであるか分別する手順、により個々のモータMの測定値を対応する個々のメータに出力しているが、モータMの測定値とメータ4とを1対1で対応させる手段(「対応手段」)はこれに限定されない。例えば、入力と出力との切り替えを同期させ、当該切り替えを高速に行うようにしても良い。また、上記D/A変換部203をメータ4ごとに対応させて設けるようにすれば、前記出力切替部205及びホールドアンプ206は不要となる。
【0043】
(実施の形態3)
図11は、この発明の実施の形態3にかかる監視装置を示す構成図である。この監視装置300は、実施の形態2に示した監視装置の構成に対して、一つのメータ4により、複数のモータMを監視するように構成した点に特徴がある。この監視装置300では、表示選択部206を出力切替部205の後段に設けると共に、この出力切替部205を操作する表示選択ダイヤル301をメータ4の前面に設けた構成である。その他の構成は実施の形態2にかかる監視装置200と同じであるからその説明を省略する。この監視装置300では、ユーザが表示選択ダイヤル301により監視したいモータMの番号(例えば「1」)を選択すると、当該表示選択ダイヤル301と連動する入力切替部204がモータM1の電流値のみをA/D変換部201に送る。
【0044】
また、ユーザが表示選択ダイヤル301により別のモータMの番号(例えば「2」)を選択すると、入力切替部204が、モータM2の電流値のみをA/D変換部201に送る。このようにすれば、一つのメータ4で複数のモータMを監視でき、かつ、異なる種類のモータMを最適な範囲で監視できる。特に、筐体50上のメータを設置するスペースや、メータを単体とした場合にその設置場所が少ないときに、有効である。
【0045】
なお、上記実施の形態1〜3では、電気機器としてモータを例に挙げて説明したが、この監視装置の監視対象はモータに限定されない。例えば、電源や発電機等も監視対象になり得る。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】 この発明の実施の形態1にかかる監視装置を示す外観斜視図である。
【図2】 図1に示した監視装置を示す構成図である。
【図3】 演算方法を説明するための図表である。
【図4】 演算方法を説明するための図表である。
【図5】 目盛の表示形態の変形例を示す説明図である。
【図6】 拡大表示領域を設定した場合の演算方法を示す説明図である。
【図7】 拡大表示領域を設定可能にした監視装置を示す外観斜視図である
【図8】 目盛プレートの一例を示す説明図である。
【図9】 図2に示した監視装置の変形例を示す構成図である。
【図10】 この発明の実施の形態2にかかる監視装置を示す構成図である。
【図11】 この発明の実施の形態3にかかる監視装置を示す構成図である。
【符号の説明】
【0047】
100 監視装置
1 A/D変換部
2 演算部
3 D/A変換部
4 メータ
5 設定部
7 目盛
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指針及び目盛を有するメータを備え、電動機その他の電気機器の電流または電圧を測定する監視装置であって、
前記目盛は、通常表示領域よりも拡大して表示される拡大表示領域を有し、当該通常表示領域と拡大表示領域とで連続的に表示され、
電気機器から入力された測定値を所定のデジタル値に変換するアナログ/デジタル変換手段と、
当該デジタル変換された測定値のうちの重点監視範囲の測定値を通常監視範囲の測定値に対して相対的に拡大するように演算処理を行う演算手段と、
前記演算手段にて演算処理した測定値を、前記指針を動かす電流に変換するデジタル/アナログ変換手段と、
を備えたことを特徴とする監視装置。
【請求項2】
更に、重点監視範囲を設定する設定手段を備え、この設定手段は、
重点監視範囲の上限値及び/又は下限値を入力する入力手段と、
この上限値及び/又は下限値から演算式を取得する演算式取得手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
更に、拡大表示領域を設定する設定手段を備え、この設定手段は、
拡大表示領域の上限値及び/又は下限値を入力する入力手段と、
この上限値及び/又は下限値から演算式を取得する演算式取得手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の監視装置。
【請求項4】
更に、複数の前記メータと、複数の電気機器の測定値を電気機器ごとに該当するメータに対応させる対応手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の監視装置。
【請求項5】
更に、前記対応手段は、
複数の電気機器の測定値に電気機器ごとの判別データを付与する判別データ付与手段と、
判別データに基づいて所定の演算式を選択する選択手段と、
前記演算手段による演算後の測定値を電気機器ごとに分別し、該当するメータに出力する分別出力手段と、
を備えたことを特徴とする請求項4に記載の監視装置。
【請求項6】
更に、前記メータと、
複数の電気機器の測定値に電気機器ごとの判別データを付与する判別データ付与手段と、
判別データに基づいて所定の演算式を選択する選択手段と、
前記演算手段による演算後の測定値を電気機器ごとに分別し、出力する分別出力手段と、
分別出力手段からの出力のうち、特定の出力を選択して前記メータに送る選択手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の監視装置。
【請求項7】
拡大表示領域と通常表示領域とが異なる色で表示されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の監視装置。
【請求項1】
指針及び目盛を有するメータを備え、電動機その他の電気機器の電流または電圧を測定する監視装置であって、
前記目盛は、通常表示領域よりも拡大して表示される拡大表示領域を有し、当該通常表示領域と拡大表示領域とで連続的に表示され、
電気機器から入力された測定値を所定のデジタル値に変換するアナログ/デジタル変換手段と、
当該デジタル変換された測定値のうちの重点監視範囲の測定値を通常監視範囲の測定値に対して相対的に拡大するように演算処理を行う演算手段と、
前記演算手段にて演算処理した測定値を、前記指針を動かす電流に変換するデジタル/アナログ変換手段と、
を備えたことを特徴とする監視装置。
【請求項2】
更に、重点監視範囲を設定する設定手段を備え、この設定手段は、
重点監視範囲の上限値及び/又は下限値を入力する入力手段と、
この上限値及び/又は下限値から演算式を取得する演算式取得手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
更に、拡大表示領域を設定する設定手段を備え、この設定手段は、
拡大表示領域の上限値及び/又は下限値を入力する入力手段と、
この上限値及び/又は下限値から演算式を取得する演算式取得手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の監視装置。
【請求項4】
更に、複数の前記メータと、複数の電気機器の測定値を電気機器ごとに該当するメータに対応させる対応手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の監視装置。
【請求項5】
更に、前記対応手段は、
複数の電気機器の測定値に電気機器ごとの判別データを付与する判別データ付与手段と、
判別データに基づいて所定の演算式を選択する選択手段と、
前記演算手段による演算後の測定値を電気機器ごとに分別し、該当するメータに出力する分別出力手段と、
を備えたことを特徴とする請求項4に記載の監視装置。
【請求項6】
更に、前記メータと、
複数の電気機器の測定値に電気機器ごとの判別データを付与する判別データ付与手段と、
判別データに基づいて所定の演算式を選択する選択手段と、
前記演算手段による演算後の測定値を電気機器ごとに分別し、出力する分別出力手段と、
分別出力手段からの出力のうち、特定の出力を選択して前記メータに送る選択手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の監視装置。
【請求項7】
拡大表示領域と通常表示領域とが異なる色で表示されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の監視装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−192515(P2009−192515A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64911(P2008−64911)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(504151594)株式会社友鉄ランド (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(504151594)株式会社友鉄ランド (6)
【Fターム(参考)】
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