盤の扉構造
【課題】 配電盤等の盤やコンピュータのサーバ用キャビネット等に搭載される扉を軽量にするために扉の板材を薄肉にすると撓み易くなる。
【解決手段】配電盤等の盤１の開口部を開閉する扉２である。該扉２は、板状の扉本体３と、該板状の扉本体３の周囲に取り付けた枠体４と、からなっている。扉本体３は、板材で形成されている。枠体４は、四本の角パイプ５を図示しないネジやリベットにより矩形状に結合することにより形成されていて、該枠体４内に扉本体３が嵌め付けられている。
【解決手段】配電盤等の盤１の開口部を開閉する扉２である。該扉２は、板状の扉本体３と、該板状の扉本体３の周囲に取り付けた枠体４と、からなっている。扉本体３は、板材で形成されている。枠体４は、四本の角パイプ５を図示しないネジやリベットにより矩形状に結合することにより形成されていて、該枠体４内に扉本体３が嵌め付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、電気設備における配電盤やコンピュータのサーバ用キャビネット、その他の一般的なキャビネット等にも適用可能な扉の構造に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
電気設備における配電盤等の盤やコンピュータのサーバ用キャビネット等に搭載される扉は、主に板金を曲げ加工した一体構造で製作されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００９−９５１７６（特に図３（ｂ））
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで、上記従来の扉には、次に述べるような問題点があった。
（１）扉の板厚を薄くすると自重を支えられなくなり撓（たわ）んでしまう。扉に強度を持たせるため板厚を厚くするとコストが高くなり、また重くて扱い難いものになる。
（２）盤の扉は、製品毎に様々な形で設計されており設計・製造効率が悪い。設計のバリエーションが増えれば、不良率の増加の原因ともなり得る。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
請求項１は、板状の扉本体と、該板状の扉本体の周囲に取り付けた枠体と、からなる盤の扉構造であって、
上記扉本体は、板材で形成されていて、上記枠体の枠内に嵌合して係止部材で固定されていることを特徴とする。
【０００６】
請求項２の発明は、請求項１記載の盤の扉構造において、上記扉本体は、プラットな板材の周縁部を直角に折り曲げることにより係合部が形成されていることを特徴とする。
【０００７】
請求項３の発明は、請求項１又は２記載の盤の扉構造において、上記枠体は、４本の角パイプを接続することにより形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００８】
（１）請求項１の盤の扉構造は、板状の扉本体と、該板状の扉本体の周囲に取り付けた枠体と、で構成し、扉本体の周縁部をしっかりと補強したので、板状の扉本体自体が薄くて撓み易いものでも、枠体で扉本体の撓み等を防止することができる。扉本体と枠体とをそれぞれ共通部品化し、目的に応じたものを採用することで様々な盤製品の扉の設計効率が改善できる。また、目的に応じた扉本体と枠体とをそれぞれ共通部品化して必要な数量だけストックすることにより、量産化する際の設計工数の削減、不良率低減が図られる。
（２）請求項２の盤の扉構造は、上記扉本体の周縁部を直角に折り曲げることにより係合部を形成したので、該係合部を枠体の内面に重ね合わせて、両者をネジやリッベト等で結合することより、扉本体と枠体を一体的に結合することができる。
（３）請求項３の扉は、枠体をアルミ複合材で形成したので、扉全体を軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】本発明の扉を使用した盤の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
図１は、配電盤１と、該配電盤１の筐体の開口部を開閉する扉２の分解斜視図である。扉２は、板状の扉本体３と、該板状の扉本体３の周囲に取り付けた枠体４と、からなっている。
【００１１】
上記扉本体３は、軽量なアルミ複合材等でフラットな板材で矩形状に形成されていて、四辺は略直角に折り曲げられていて、上記枠体４との係合部５が形成されている。
【００１２】
上記枠体４は、四本の角パイプ５を図示しないネジやリベットにより矩形状に結合することにより形成されている。上記枠体４に角パイプを用いることにより、枠体４の強度を向上させ、扉本体３等を支持する。これにより、扉本体３を薄くしても撓みを防止することができる。
【００１３】
上記枠体４には扉２を配電盤１の筐体の開口部を開閉可能に取り付ける取付部材６、銘板７、取手８、錠９などが組み付けられている。上記取付部材６にはヒンジ等の公知の部材が用いられる。
【００１４】
上記扉本体３には、各種の計器類の表示窓やスイッチ類の窓、もしくは通風孔１０などが目的に応じて所定の箇所に所定の個数形成されている。
【００１５】
実施例においては、矩形状の扉本体３の四辺を折り曲げて、枠体４との係合部５を形成した場合を示したが対向する二辺を折り曲げて、枠体４との係合部５を形成してもよい。
【００１６】
次に、上記扉２の組み立てについて説明する。上記枠体４内に扉本体３を挿入し、枠体４内に嵌合して、枠体４の内面と扉本体３の係合部５を重ね合わせて両者をネジやリベット等の結合部材により結合する。
【００１７】
そして、上記ヒンジ等の取付部材６により扉２を、配電盤１の筐体に取り付ける。
【００１８】
なお、上記実施例では、ネジやリベット等の結合部材を使用して、枠体４内に扉本体３を組み付ける構成にしたが、結合部材を省略してスポット溶接等により枠体４と扉本体３を結合してもよい。但し、この場合には当然のことながら枠体４と扉本体３の素材は、溶接が可能なものに限定される。
【００１９】
なお、本発明の扉２を量産する上では、設計工数の削減、不良率ていげんを図るために、目的に応じた複数種類の扉本体３と枠体４とをそれぞれ必要数量だけストックしておくことが望ましい。
【符号の説明】
【００２０】
１…配電盤
２…扉
３…扉本体
４…枠体
５…係合部
６…取付部材
７…銘板
８…取手
９…錠
【技術分野】
【０００１】
本発明は、電気設備における配電盤やコンピュータのサーバ用キャビネット、その他の一般的なキャビネット等にも適用可能な扉の構造に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
電気設備における配電盤等の盤やコンピュータのサーバ用キャビネット等に搭載される扉は、主に板金を曲げ加工した一体構造で製作されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００９−９５１７６（特に図３（ｂ））
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで、上記従来の扉には、次に述べるような問題点があった。
（１）扉の板厚を薄くすると自重を支えられなくなり撓（たわ）んでしまう。扉に強度を持たせるため板厚を厚くするとコストが高くなり、また重くて扱い難いものになる。
（２）盤の扉は、製品毎に様々な形で設計されており設計・製造効率が悪い。設計のバリエーションが増えれば、不良率の増加の原因ともなり得る。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
請求項１は、板状の扉本体と、該板状の扉本体の周囲に取り付けた枠体と、からなる盤の扉構造であって、
上記扉本体は、板材で形成されていて、上記枠体の枠内に嵌合して係止部材で固定されていることを特徴とする。
【０００６】
請求項２の発明は、請求項１記載の盤の扉構造において、上記扉本体は、プラットな板材の周縁部を直角に折り曲げることにより係合部が形成されていることを特徴とする。
【０００７】
請求項３の発明は、請求項１又は２記載の盤の扉構造において、上記枠体は、４本の角パイプを接続することにより形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００８】
（１）請求項１の盤の扉構造は、板状の扉本体と、該板状の扉本体の周囲に取り付けた枠体と、で構成し、扉本体の周縁部をしっかりと補強したので、板状の扉本体自体が薄くて撓み易いものでも、枠体で扉本体の撓み等を防止することができる。扉本体と枠体とをそれぞれ共通部品化し、目的に応じたものを採用することで様々な盤製品の扉の設計効率が改善できる。また、目的に応じた扉本体と枠体とをそれぞれ共通部品化して必要な数量だけストックすることにより、量産化する際の設計工数の削減、不良率低減が図られる。
（２）請求項２の盤の扉構造は、上記扉本体の周縁部を直角に折り曲げることにより係合部を形成したので、該係合部を枠体の内面に重ね合わせて、両者をネジやリッベト等で結合することより、扉本体と枠体を一体的に結合することができる。
（３）請求項３の扉は、枠体をアルミ複合材で形成したので、扉全体を軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】本発明の扉を使用した盤の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
図１は、配電盤１と、該配電盤１の筐体の開口部を開閉する扉２の分解斜視図である。扉２は、板状の扉本体３と、該板状の扉本体３の周囲に取り付けた枠体４と、からなっている。
【００１１】
上記扉本体３は、軽量なアルミ複合材等でフラットな板材で矩形状に形成されていて、四辺は略直角に折り曲げられていて、上記枠体４との係合部５が形成されている。
【００１２】
上記枠体４は、四本の角パイプ５を図示しないネジやリベットにより矩形状に結合することにより形成されている。上記枠体４に角パイプを用いることにより、枠体４の強度を向上させ、扉本体３等を支持する。これにより、扉本体３を薄くしても撓みを防止することができる。
【００１３】
上記枠体４には扉２を配電盤１の筐体の開口部を開閉可能に取り付ける取付部材６、銘板７、取手８、錠９などが組み付けられている。上記取付部材６にはヒンジ等の公知の部材が用いられる。
【００１４】
上記扉本体３には、各種の計器類の表示窓やスイッチ類の窓、もしくは通風孔１０などが目的に応じて所定の箇所に所定の個数形成されている。
【００１５】
実施例においては、矩形状の扉本体３の四辺を折り曲げて、枠体４との係合部５を形成した場合を示したが対向する二辺を折り曲げて、枠体４との係合部５を形成してもよい。
【００１６】
次に、上記扉２の組み立てについて説明する。上記枠体４内に扉本体３を挿入し、枠体４内に嵌合して、枠体４の内面と扉本体３の係合部５を重ね合わせて両者をネジやリベット等の結合部材により結合する。
【００１７】
そして、上記ヒンジ等の取付部材６により扉２を、配電盤１の筐体に取り付ける。
【００１８】
なお、上記実施例では、ネジやリベット等の結合部材を使用して、枠体４内に扉本体３を組み付ける構成にしたが、結合部材を省略してスポット溶接等により枠体４と扉本体３を結合してもよい。但し、この場合には当然のことながら枠体４と扉本体３の素材は、溶接が可能なものに限定される。
【００１９】
なお、本発明の扉２を量産する上では、設計工数の削減、不良率ていげんを図るために、目的に応じた複数種類の扉本体３と枠体４とをそれぞれ必要数量だけストックしておくことが望ましい。
【符号の説明】
【００２０】
１…配電盤
２…扉
３…扉本体
４…枠体
５…係合部
６…取付部材
７…銘板
８…取手
９…錠
【特許請求の範囲】
【請求項１】
板状の扉本体と、該板状の扉本体の周囲に取り付けた枠体と、からなる盤の扉構造であって、
上記扉本体は、板材で形成されていて、上記枠体の枠内に嵌合して係止部材で固定されていることを特徴とする盤の扉構造。
【請求項２】
上記扉本体は、プラットな板材の周縁部を直角に折り曲げることにより係合部が形成されていることを特徴とする請求項１記載の盤の扉構造。
【請求項３】
上記枠体は、４本の角パイプを接続することにより形成されていることを特徴とする請求項１又は２記載の盤の扉構造。
【請求項１】
板状の扉本体と、該板状の扉本体の周囲に取り付けた枠体と、からなる盤の扉構造であって、
上記扉本体は、板材で形成されていて、上記枠体の枠内に嵌合して係止部材で固定されていることを特徴とする盤の扉構造。
【請求項２】
上記扉本体は、プラットな板材の周縁部を直角に折り曲げることにより係合部が形成されていることを特徴とする請求項１記載の盤の扉構造。
【請求項３】
上記枠体は、４本の角パイプを接続することにより形成されていることを特徴とする請求項１又は２記載の盤の扉構造。
【図１】
【公開番号】特開２０１３−１０２６１９（Ｐ２０１３−１０２６１９Ａ）
【公開日】平成２５年５月２３日（２０１３．５．２３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２４４９９８（Ｐ２０１１−２４４９９８）
【出願日】平成２３年１１月８日（２０１１．１１．８）
【出願人】（０００００６１０５）株式会社明電舎 (1,739)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年５月２３日（２０１３．５．２３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年１１月８日（２０１１．１１．８）
【出願人】（０００００６１０５）株式会社明電舎 (1,739)
【Ｆターム（参考）】
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