説明

直結式回動装置

【課題】回動部材の締め切り位置での停止精度を確保することができる直結式回動装置を提供する。
【解決手段】開口部(14,15)を開閉する回動部材(12)と、回動部材(12)を駆動する駆動部(13)とを備え、駆動軸(17)と回動部材(12)の従動軸(16)とが同軸方向に嵌め合わされて直結される直結式回動装置において、両軸(16,17)が嵌め合わされる部位に形成され、両軸(16,17)を互いに係合させる係合部(20)を備え、係合部(20)は、両軸(16,17)のうちいずれか一方に設けられた凸部(22)と、他方に設けられた凹部(21a,21b)とを有し、回動部材(12)を回動させる際には両軸(16,17)が連動して回動するように係合部(20)を係合態様とし、回動部材(12)が所定の停止位置に到達した後には駆動軸(17)が従動軸(16)に対して相対回動するように係合が解除された非係合態様とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両用空調装置の内外気切替装置における切替ドア回動用に用いられ、駆動軸と切替ドア側の従動軸とが直結されている直結式回動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両用空調装置の内外気切替装置等の空気流れ調節装置では、特許文献1に記載されるように、サーボモータ(駆動部)等の回転駆動力をリンク機構部を介して、室内空気(内気)を導入する場合と室外空気(外気)を導入する場合とを切り換えるドア(回動部材)を回動駆動するようにしている。
【0003】
しかし、リンク機構部を介在させることで、リンク部材費や組み付けコストがかかるという問題や、リンクを積み重ねることでサーボモータと内外気切替ケースとの間に所定のスペースが必要となり搭載性が悪いといった問題があった。
【0004】
そこで、リンク機構部を有さず、サーボモータ側の駆動軸とドア側の従動軸とを直結した直結タイプのドア装置(直結式回動装置)も知られている。この直結タイプのドア装置によれば、リンク機構部のスペースが節約でき、搭載性を向上させることができるとされていた。
【特許文献1】特開平10−170063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような直結タイプでは、サーボモータとドアとが1対1で回転するため、締め切り位置でのドアの停止精度はサーボモータの停止精度と等しくなる。そして、サーボモータの停止精度が十分ではないことから、ドアを所望の締め切り位置に正確に停止することができず、締め切り位置に対して回動不足の場合にはシール不良を生じる虞があった。
【0006】
上記問題に鑑み、本発明は、駆動軸と従動軸とが直結された直結式回動装置において、回動部材の締め切り位置での停止精度を確保することができる直結式回動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0008】
請求項1に記載の発明では、開口部(14,15)が形成されるケース(11)と、ケース(11)内に収容されて開口部(14,15)を開閉する回動部材(12)と、回動部材(12)を駆動する駆動部(13)とを備え、駆動部(13)の回転軸である駆動軸(17)と回動部材(12)の回転軸である従動軸(16)とが同軸方向に嵌め合わされて直結されてなる直結式回動装置において、駆動軸(17)と従動軸(16)とが嵌め合わされる部位に形成され、駆動軸(17)と従動軸(16)とを互いに係合させる係合部(20)を備え、係合部(20)は、駆動軸(17)側および従動軸(16)側のいずれか一方に設けられた凸部(22)と、他方に設けられた凹部(21a,21b)とを有し、回動部材(12)を回動させる際には、駆動軸(17)と従動軸(16)とが連動して回動するように凸部(22)と凹部(21a,21b)とが互いに係合した係合態様とする一方、回動部材(12)が所定の停止位置に到達した後には、駆動軸(17)が従動軸(16)に対して相対回動するように凸部(22)と凹部(21a,21b)との係合が解除された非係合態様とすることを特徴とする。
【0009】
直結式回動装置では、例えばサーボモータ等で構成される駆動部(13)と、回動部材(12)とが1対1の回転をするため、締め切り位置での回動部材(12)の停止精度は駆動部(13)の停止精度と等しくなる。このような直結式回動装置において、本構成によれば、適宜係合および非係合をなしうる係合部(20)を備えているため、回動部材(12)が停止位置に到達した後には非係合態様となって駆動軸(17)が従動軸(16)に対して空回りできるようになっている。駆動軸(17)がこのように空回りする過回動分は、駆動軸(17)のみ回動し、従動軸(16)(回動部材(12))は回動しない所謂「遊び分」である。すなわち、駆動部(13)の僅かな回動精度誤差を、駆動軸(17)が空回りする「遊び分」で吸収することにより、シール不良を生じることなく回動部材(12)を確実に停止位置で停止させることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、係合部(20)は、回動部材(12)の一方向(r1)への回動時に凸部(22)が係合する第1凹部(21a)と、回動部材(12)の他方向(r2)への回動時に凸部(22)が係合する第2凹部(21b)と、第1凹部(21a)と第2凹部(21b)との間に形成されて非係合態様の際に係合が解除されるように駆動軸(17)の回動を許容する許容部(23)とを有していることを特徴とする。
【0011】
本構成によれば、凸部(22)と第1凹部(21a)とが係合した係合態様で一方向へ回動し、回動部材(12)が一方側の停止位置に到達した後には許容部(23)によりその係合が外れて駆動軸(17)のみが回転する。また、他方向への回動時には、凸部(22)と第2凹部(21b)とが係合した係合態様で回動し、回動部材(12)が他方側の停止位置に到達した後には許容部(23)によりその係合が外れて駆動軸(17)のみが回転する。
【0012】
すなわち、第1凹部(21a)と第2凹部(21b)との間に形成される許容部(23)が駆動軸(17)の「遊び分」に相当する。そして、駆動軸(17)が「遊び分」回動した後には、凸部(22)はもう一方の凹部(回動時に係合していた凹部とは別の凹部)に再び係合するため、駆動軸(17)が過回動した後の停止が安定する。
【0013】
さらに、本構成によれば、許容部(23)の設定によって駆動軸(17)の空回りする量(遊び分)を適宜設定することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明では、凸部(22)および凹部(21a,21b)は、駆動軸(17)および従動軸(16)の軸方向と垂直な断面形状が略半円形状であることを特徴とする。
【0015】
本構成によれば、凸部(22)および凹部(21a,21b)の断面形状が略半円形状であるため、凸部(22)と凹部(21a,21b)の係合および脱係合が、半円形状の湾曲面を滑るようにして円滑に行われる。
【0016】
請求項4に記載の発明では、係合部(20)は、複数形成されていることを特徴とする。
【0017】
本構成によれば、例えば1つの係合部(20)における凸部(22)と凹部(21a,21b)との係合が不十分であった場合等に、複数形成されたその他の係合部(20)によって駆動軸(17)と従動軸(16)とを確実に係合および脱係合させることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明では、開口部(14,15)は、車両用空調装置の内気導入口(14)および外気導入口(15)であって、回動部材(12)は、各導入口(14,15)の開閉状態を切り替える切替ドア(12)であることを特徴とする。
【0019】
本構成よれば、車両用空調装置の空調ケースの上流に配置される内外気切替装置における切替ドアを、シール不良を生じることなく確実に内気モード(内気導入口(14)を開状態、外気導入口(15)を閉状態)もしくは外気モード(内気導入口(14)を閉状態、外気導入口(15)を開状態)での停止位置に停止させることができる。これにより、内気モード時に外気が混入したり、または外気モード時に内気が混入したりすることを回避することができる。
【0020】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、図1〜図4を参照しつつ説明する。本実施形態は、直結式回動装置を内外気切替装置に具体化した例である。図1は、本実施形態における内外気切替装置1の全体構成を示す斜視図であり、図2は、図1におけるII方向から見た内外気切替装置1を示す正面図である。内外気切替装置1は、車両用空調装置において空気流路をなす空調ケーシング(いずれも図示略)の空気上流側部位に設けられているものである。
【0022】
図1に示すように、内外気切替装置1は、ケース11と、このケース11内に回動可能に収容される回動部材としての内外気切替ドア12(以下、単に「切替ドア12」という。)と、この切替ドア12を回動駆動する駆動源としてのサーボモータ13(駆動部)とを備えている。ケース11には、内気を導入するための内気導入口14(開口部)と外気を導入するための外気導入口15(開口部)とが開口形成されている。切替ドア12は、側断面形状が中心角約60度の扇形状をなす細長の柱状部材であって、その扇形状の中心部分には従動軸としてのドア側シャフト16(図2参照)が接続されている。
【0023】
さらにこのドア側シャフト16には、サーボモータ13の駆動軸としてのモータ側シャフト17(図2参照)の一端(図2における右端)が直接連結されている。なお、ドア側シャフト16のモータ側シャフト17と対向する側の端部(図2における左端部)は、中心部が中空に形成されており、モータ側シャフト17にドア側シャフト16が嵌め合わされている。より詳しくは、係合部20を介して直結されており、その詳細については本発明の要部であるため後に詳述する。そして、モータ側シャフト17が回動した際には、切替ドア12は、ドア側シャフト16を中心に回動するようになっている。そして、この切替ドア12を回動作動させることで、各導入口14、15を選択的に開閉して、内気導入と外気導入とを切り換えるようになっている。なお、ドア側シャフト16およびモータ側シャフト17は、ポリプロピレン等の樹脂やゴム等で形成され、共にある程度の弾性を有する材質で形成されている。
【0024】
次に、本発明の要部である、ドア側シャフト16とモータ側シャフト17との直結部位における構成について、図3、図4を参照しつつ説明する。図3は、図2におけるIII−III部を示す断面図であり、内気導入口14が開口される内気モード時の態様を示している。また、図4は、切替ドア12の回動時における係合部20の作動を説明するための図であって、係合部20の拡大図である。
【0025】
図3に示すように、モータ側シャフト17の外径は、ドア側シャフト16の内径より僅かに小さく形成されており、モータ側シャフト17に対して切替ドア12のドア側シャフト16が外嵌合するようになっている。モータ側シャフト17の外周とドア側シャフト16の内周との間には、回動時に互いに適宜係合する係合部20が、周方向に略等間隔に複数(本実施形態では4つ)形成されている。1つの係合部20は、ドア側シャフト16側に形成される2つの凹部21a,21bと、モータ側シャフト17に形成される1つの凸部22との組み合わせで構成されている。
【0026】
ドア側シャフト16の内周に形成される2つの凹部21a,21bは、断面半円形状をなし、断面視において周方向に二コブ状をなすように僅かな所定間隔をおいて連続して形成されている。本実施形態において、内気モード時および切替ドア12が内気モードから外気モードへ回動する際に凸部22が係合する凹部(図4における左側の凹部)が第1凹部21aであり、外気モード時および切替ドア12が外気モードから内気モードへ回動する際に凸部22が係合する凹部(図4における右側の凹部)が第2凹部21bである。そして、各凹部21a、21bの間には、モータ側シャフト17のみの回動を許容する山部23(許容部)が形成されている。なお、モータ側シャフト17のみの回動についての詳細は後に作動として詳述する。
【0027】
モータ側シャフト17の外周に形成される1つの凸部22は、凹部21a,21bと略同一形状であって断面半円形状をなしている。そして、例えば、図4に示すように内気導入口14が開口される内気モード時には、凸部22が一方の凹部21aに所定のオーバーラップ代Hを持って嵌り込んで係合した状態となる。例えば、オーバーラップ代Hは、凸部22の突出量の半分程度に設定できる。なお、モータ側シャフト17の外径が例えば10mm程度であれば、凸部22の突出量は約1mm程度に設定される。
【0028】
(作動)
次に、上記構成による内外気切替装置1の作動について、特に、切替ドア12の回動時における係合部20の作動に着目して説明する。図4(a)は、内気導入口14が開口される内気モード時の態様を示し、図4(b)は、外気導入口15が開口される外気モード時の態様を示している。
【0029】
まず、図4(a)に示す内気モード時の態様から、図4(b)に示す外気モード時の態様へ切り換える場合の作動について説明する。図4(a)に示す内気モード時の態様において、サーボモータ13が正転駆動されると、このときモータ側シャフト17の凸部22とドア側シャフト16の第1凹部21aとは、所定のオーバーラップ代Hを持って互いに係合しているため(係合態様)、図4(a)に示す係合状態を維持しつつ、その駆動力がモータ側シャフト17、ドア側シャフト16を介して伝達され、モータ側シャフト17とともにドア側シャフト16(切替ドア12)が図4における時計回り(r1方向)へ回動する。
【0030】
そして、切替ドア12が回動して、外気モード時における締め切り位置まで到達すると、切替ドア12はケース11と接触することによりそれ以上回動することなく停止する。なお、切替ドア12が回動する際、モータ側シャフト17とドア側シャフト16とは直結されており、1:1の回転をする。そして、切替ドア12が所望の締め切り位置で停止するようにサーボモータ13の回転停止が調整されている。しかし、サーボモータ13の回転制御によって切替ドア12の締め切り位置に確実に停止させることはモータの制御精度上困難である。このため、通常、切替ドア12の締め切り不良を防止するためサーボモータ13の回転角度に少し余裕を持たせて、切替ドア12の締め切り位置から例えば5度程度余分(遊び分)に回動するように制御している。なお、予め、この遊び分に対応するように、各凹部21a,21b同士の間隔(山部23に相当する。)が設定されている。
【0031】
したがって、切替ドア12が停止した後、サーボモータ13が各凹部21a,21b同士の間隔(山部23に相当する過回動分である遊び分)僅かに正転駆動すると、回転トルクが係合部20の凹凸係合による係合力を上回り、凸部22が第1凹部21aから徐々に外れて行く(非係合態様)。このとき、モータ側シャフト17のみが回動し、凸部22は2つの各凹部21a、21bの間の山部23に接触して山部23を乗り越えるように動作する。この際、モータ側シャフト17は径方向内側へ、ドア側シャフト16は径方向外側へ互いに弾性変形するため、凸部22は滑らかに山部23を通過することができる。そして、凸部22が山部23を通過した後は、凸部22は第2凹部21bに係合する。
【0032】
次に、図4(b)に示す外気吸い込み時の態様から、図4(a)に示す内気吸い込み時の態様へ切り換える場合の作動については、サーボモータ13が逆転駆動されることによって上記とは逆の動作を経ることになる。すなわち、サーボモータ13が逆転駆動されると、モータ側シャフト17の凸部22とドア側シャフト16の第2凹部21bとは、所定のオーバーラップ代Hを持って互いに係合しているため(係合態様)、図4(b)に示す係合状態を維持しつつ、その駆動力がモータ側シャフト17、ドア側シャフト16を介して伝達され、モータ側シャフト17とともにドア側シャフト16(切替ドア12)が図4における反時計回り(r2方向)へ回動する。
【0033】
そして、切替ドア12が回動して、内気モード時における締め切り位置まで到達すると、切替ドア12はケース11と接触することによりそれ以上回動することなく停止する。さらに、上記と同様の作用により、凸部22が第2凹部21aから徐々に外れて行き(非係合態様)、モータ側シャフト17のみが回動する。そして、凸部22が山部23を通過した後は、凸部22は第1凹部21aに係合する。
【0034】
上記詳述したように、図4(a)、(b)に示している態様が係合態様であり、図4(a)から(b)または、図4(b)から(a)へモータ側シャフト17のみが回動する際の態様が非係合態様である。
【0035】
(効果)
上記実施形態によれば、まず、ドア側シャフト16とモータ側シャフト17とが直結されている。このため、例えば、サーボモータ13からリンク機構を介してドア側シャフト16とモータ側シャフト17とが間接的に接続される場合と比較して、リンクを積み重ねる必要もないことからサーボモータ13とケース11の側面部との間のスペースを節約することができる。また、リンク部材費や組み付けコストを削減することができる。
【0036】
さらに、切替ドア12が停止位置に到達した後には非係合態様となってモータ側シャフト17がドア側シャフト16に対して、各凹部21a,21b同士の間隔(山部23に相当する過回動分である遊び分)回動できるようになっている。したがって、サーボモータ13の回動精度誤差を、モータ側シャフト17が空回りする「遊び分」で吸収することにより、各導入口14,15のシール不良を生じることなく切替ドア12を確実に停止位置で停止させることができる。
【0037】
また、本実施形態では、係合部20を、モータ側シャフト17の外周面から突出した凸部22と、ドア側シャフト16の内周面に凹設された凹部21a,21bで構成し、凹凸係合という簡単な構成としてある。このため、別部材を必要とすることもなく、コスト低減および組み付け性の容易化を図ることができる。
【0038】
上記実施形態では、凸部22および凹部21a,21bは、軸方向に切断した断面形状が半円形状をなしている。このため、凸部22と凹部21a,21bの係合および脱係合作動を、半円形状の曲面を滑るようにして円滑に行うようにすることができる。
【0039】
さらに、上記実施形態では係合部20が、周方向に略等間隔に4つ形成されているため、例えば1つの係合部20における係合が不十分であった場合等に、複数形成されたその他の係合部によって確実に係合させることができる。
【0040】
上記実施形態では、ドア側シャフト16の先端を中空としてモータ側シャフト17に対してドア側シャフト16が外嵌合するものとしたが、モータ側シャフト17の先端を中空としてドア側シャフト16に対してモータ側シャフト17が外嵌合するようにしても良い。
【0041】
また、例えば、別な従来例として、直結式タイプであって、モータ側シャフト17とドア側シャフト16との間に弾性材としてのバネを設け、バネの弾性力によってモータ側シャフト17が遊び分を有するようにしたものも知られている。しかし、この場合、バネという別部材を必要とするため、部品点数が増加しコストがかかるとともに構成も複雑となる。この点、本実施形態によれば、別部材を必要とせず、構成も容易にすることができる。
【0042】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、サーボモータ13からなる電気的アクチュエータを使用したが、空調制御パネル(図示略)に設けられた内外気切替操作部材(例えば、手動操作レバー)の手動操作力をケーブルを介して駆動レバーに伝達する手動操作機構を使用してもよい。この場合、駆動レバーの回転軸が駆動軸(上記実施形態ではモータ側シャフト17)に相当することになる。
【0043】
上記実施形態では、本発明の直結式回動装置を内外気切替装置1に具体化したが、例えば、車両用空調装置内の冷風バイパスドア等を回動する回動装置に具体化しても良い。
【0044】
また、上記実施形態では、切替ドア12をロータリドアとしたが、これに限定されることなく板ドア等、その他の種類のドアとしても良い。
【0045】
上記実施形態では、モータ側シャフト17に凸部22を設け、ドア側シャフト16に凹部21a,21bを設ける構成としたが、モータ側シャフト17に凹部を設け、ドア側シャフト16に凸部を設ける構成としも良い。
【0046】
また、上記実施形態では、凸部22および凹部21a,21bの断面形状を略半円形状としたが、モータ側シャフト17が空回りする際に、係合が外れ、切替ドア12を回動させる際には再び係合する形態であれば、その他、三角形状や矩形状等でも良い。
【0047】
上記実施形態では、係合部20を周方向に等間隔に4つ設ける構成としたが、等間隔でなくても良く、また、個数についても単数もしくは4つ以外の複数個設ける構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施形態における内外気切替装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1におけるII方向から見た内外気切替装置の正面図である。
【図3】図2におけるIII−III部を示す断面図である。
【図4】係合部を示す拡大図であり、(a)は、内気モード時の態様を示す図であり、(b)は、外気モード時の態様を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1 内外気切替装置(直結式回動装置)
11 ケース
12 内外気切替ドア(回動部材、切替ドア)
13 サーボモータ(駆動部)
14 内気導入口(開口部)
15 外気導入口(開口部)
16 ドア側シャフト(従動軸)
17 モータ側シャフト(駆動軸)
20 係合部
21a 第1凹部
21b 第2凹部
22 凸部
23 山部(許容部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部(14,15)が形成されるケース(11)と、当該ケース(11)内に収容されて前記開口部(14,15)を開閉する回動部材(12)と、当該回動部材(12)を駆動する駆動部(13)とを備え、前記駆動部(13)の回転軸である駆動軸(17)と前記回動部材(12)の回転軸である従動軸(16)とが同軸方向に嵌め合わされて直結されてなる直結式回動装置において、
前記駆動軸(17)と従動軸(16)とが嵌め合わされる部位に形成され、前記駆動軸(17)と従動軸(16)とを互いに係合させる係合部(20)を備え、当該係合部(20)は、前記駆動軸(17)側および従動軸(16)側のいずれか一方に設けられた凸部(22)と、他方に設けられた凹部(21a,21b)とを有し、前記回動部材(12)を回動させる際には、前記駆動軸(17)と従動軸(16)とが連動して回動するように前記凸部(22)と凹部(21a,21b)とが互いに係合した係合態様とする一方、前記回動部材(12)が所定の停止位置に到達した後には、前記駆動軸(17)が従動軸(16)に対して相対回動するように前記凸部(22)と凹部(21a,21b)との係合が解除された非係合態様とすることを特徴とする直結式回動装置。
【請求項2】
前記係合部(20)は、前記回動部材(12)の一方向(r1)への回動時に前記凸部(22)が係合する第1凹部(21a)と、前記回動部材(12)の他方向(r2)への回動時に前記凸部(22)が係合する第2凹部(21b)と、前記第1凹部(21a)と第2凹部(21b)との間に形成されて前記非係合態様の際に係合が解除されるように前記駆動軸(17)の回動を許容する許容部(23)とを有していることを特徴とする請求項1に記載の直結式回動装置。
【請求項3】
前記凸部(22)および凹部(21a,21b)は、前記駆動軸(17)および従動軸(16)の軸方向と垂直な断面形状が略半円形状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の直結式回動装置。
【請求項4】
前記係合部(20)は、複数形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の直結式回動装置。
【請求項5】
前記開口部(14,15)は、車両用空調装置の内気導入口(14)および外気導入口(15)であって、前記回動部材(12)は、前記各導入口(14,15)の開閉状態を切り替える切替ドア(12)であることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の直結式回動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−248609(P2009−248609A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−95450(P2008−95450)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】