真空バルブおよびガス絶縁負荷時タップ切換器
【課題】高圧ガス中で使用を可能にする真空バルブ、およびこの真空バルブを適用した小型で信頼性の高いガス絶縁負荷時タップ切換器を提供する。
【解決手段】真空バルブ2は、絶縁ガスを充填した密閉容器内に配置され、開離可能な一対の電極15a、15bを有し、可動側電極15bに連結した可動側導電棒16bと、密閉容器内の真空状態を保持して可動側電極15bの動作を促すベロー17とを有する。可動側導電棒16bとベロー17間に円筒状の可動側導体ガイド9を設け、可動側導体ガイド9と可動側端板12b間、および可動側導体ガイド9と可動側導電棒16b間で気密を保持し、ベロー17、可動側導体ガイド9、および可動側導電棒16bで気密室4を形成し、気密室4内の圧力を絶縁ガス6の圧力と密閉容器内の圧力の中間の圧力に保持する。
【解決手段】真空バルブ2は、絶縁ガスを充填した密閉容器内に配置され、開離可能な一対の電極15a、15bを有し、可動側電極15bに連結した可動側導電棒16bと、密閉容器内の真空状態を保持して可動側電極15bの動作を促すベロー17とを有する。可動側導電棒16bとベロー17間に円筒状の可動側導体ガイド9を設け、可動側導体ガイド9と可動側端板12b間、および可動側導体ガイド9と可動側導電棒16b間で気密を保持し、ベロー17、可動側導体ガイド9、および可動側導電棒16bで気密室4を形成し、気密室4内の圧力を絶縁ガス6の圧力と密閉容器内の圧力の中間の圧力に保持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスを絶縁媒体とするガス絶縁変圧器に用いられるガス絶縁負荷時タップ切換器、およびその電流開閉を行う真空バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大都市のような人口密集地域に設置する変圧器においては、従来の油入変圧器に代わり、火災の要因の無い不燃性のガスを用いたガス絶縁変圧器が採用されている。さらに、大都市では消費電力が大きいにもかかわらず、電力機器の設置スペース等の制約の問題から、大容量にして小型の機器とすることが要求されている。したがって、ガス絶縁変圧器の場合、内部の絶縁距離を縮小するため、高圧力にて絶縁ガスを封入することが絶対条件となってきている。
【0003】
ガス絶縁変圧器には、通常の場合、真空バルブ式の負荷時タップ切換器が取り付けられるが、ここで、従来のガス絶縁負荷時タップ切換器の構成について、図面を参照して簡単に説明する。
【0004】
図9は、従来のガス絶縁負荷時タップ切換器の概略構成図である。図9において、負荷時タップ切換器1は、変圧器51の外まわりを構成するタンク60のカバー61から吊り下げられて、タンク60内に取り付けられている。変圧器本体34は、主として、鉄心34aと、この鉄心34aに巻回されたコイル34bで構成されている。
【0005】
負荷時タップ切換器1は、電流開閉を行う真空バルブ2を備えた切換開閉器31と、電流開閉を行なわないタップ選択器32より構成されている。
【0006】
ここで、切換開閉器31の電流開閉を行う真空バルブ2の概略構成図を図11に示す。
【0007】
負荷時タップ切換器1の駆動は、タンク60の外側に取り付けられた電動操作機構39が生み出す回転力を、伝動軸38を介して切換開閉器31及びタップ選択器32に伝達して行なわれる。高圧の絶縁ガス6と変圧器51外部の大気とは大きな圧力差があるため、負荷時タップ切換器1には回転シール部71及び静圧シール部72が設けられている。
【0008】
また、切換開閉器31とタップ選択器32は電気的に接続されており、さらに、タップ選択器32は変圧器コイル34bと電気的に接続されている。
【0009】
変圧器51は、絶縁距離を縮小するために、タンク60内に高圧力の絶縁ガス6が封入される。これに伴い、負荷時タップ切換器1自身も高圧力下に置かれることになる。
【0010】
このため、切換開閉器31に取り付けられている真空バルブ2は、バルブ内の真空に対して外部からかなりの高圧力を受け、外圧力のシール部であるベロー17の寿命が著しく低下してしまう。
【0011】
これにより真空バルブ2自身の寿命が支配され、著しくは負荷時タップ切換器1の電気的寿命を低下させることになる。このような構成においても、絶縁ガス6の絶対圧力が0.2MPa程度であれば、図9に示した構成において、真空バルブ2のベロー17に特別な対策を施さずに使用することが可能である(特許文献1参照)。
【0012】
しかるに、ガス絶縁機器のコンパクト化への市場の要求から、絶縁ガス6の圧力をさらに高くする必要があり、真空バルブ2のベロー17部分の対策が必要となってきた。
【0013】
さらに、近年、絶縁ガス6として、環境に対して負荷の少ない天然ガスである窒素や二酸化炭素を使用したガス絶縁変圧器が求められるようになってきている。このような環境負荷の少ないガスを用いる場合には、絶縁性能等の問題から、従来使用しているSF6ガスよりもさらに高い圧力で使用する必要があり、場合によっては、絶縁ガス6の絶対圧力が1MPaを超える可能性も出てきている。
【0014】
この対策として、切換開閉器31を、タップ選択器32を含む変圧器51と分離して、変圧器51とは別圧力にするための切換開閉器室を設けて、この中に切換開閉器31を収納し、切換開閉器室内に封入する絶縁ガス圧力を変圧器のものより低い圧力とする方法がある。
【0015】
このような方法を採用した代表的なガス絶縁負荷時タップ切換器の概略構成図を図10に示す。
【0016】
図において、34は変圧器本体であり、タンク60内には高圧力の絶縁ガス6が封入され、同じくタンク60内には変圧器本体34と負荷時タップ切換器1のタップ選択器32が収納されている。切換開閉器31は、切換開閉器室64内に収められており、切換開閉器室64内には、タンク60内の絶縁ガス6より低圧力の絶縁ガス6Lが封入され、負荷時タップ切換器1の切換開閉器31が収納されている。
【0017】
変圧器のタンク60と切換開閉器室64は絶縁バリヤ130によって気密を施して分離されている。電動操作機構39による回転駆動力は伝動軸38に伝達され切換開閉器31に伝達される。また、回転駆動力は切換開閉器31とタップ選択器32間に配置された回転伝動軸40にも伝達されタップ選択器32に伝達される。
【0018】
負荷時タップ切換器1の場合、絶縁に関して言えば、切換開閉器31は隣接するタップ間のみの絶縁を必要とし、一方タップ選択器32は全タップ間の絶縁を必要とするという負荷時タップ切換器固有の特徴がある。
【0019】
したがって、上述のように切換開閉器31とタップ選択器32を分離すれば、切換開閉器31側の絶縁ガス6Lの圧力を低くすることが可能となる。
【0020】
したがって、このような構成にすることで、切換開閉器31の真空バルブ2のベロー17に加わる圧力は、0.2MPa程度にすることが可能となる。このため、真空バルブ2をシールするベロー17の寿命を従来構成に比べて長くすることが可能となり、負荷時タップ切換器1自身の電気的寿命を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開平2−123715号公報
【特許文献2】実開昭54−137863号公報
【特許文献3】特開平6−208820号公報
【特許文献4】特開2006−187195号公報
【特許文献5】特開2002−280229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
しかしながら、上述した従来のガス絶縁負荷時タップ切換器においては、次のような解決すべき課題をかかえている。
【0023】
高ガス圧を適用したガス絶縁変圧器の負荷時タップ切換器においては、真空バルブ2のベロー17に加わる圧力を0.2MPa程度にするため、負荷時タップ切換器1を切換開閉器31とタップ選択器32に分離する必要がある。
【0024】
このため、変圧器本体を収納するタンク以外にもうひとつのタンクを必要とする。それにより、変圧器全体として大型化するだけでなく、部品点数の増加や内部接続作業が増加し、生産効率が低下する等の問題があった。
【0025】
このような問題を解決し、変圧器全体の大型化を抑制するために、変圧器巻線を収納するタンクに負荷時タップ切換器を収めることで、変圧器全体の小型化を実現することが可能となる。このために、ベロー17に絶縁ガス6の圧力が加わらないようにした種々の提案がなされている。
【0026】
図5は、特許文献2に、図6は、特許文献3に、図7、図8は特許文献4に示された従来のガス絶縁負荷時タップ切換器における真空バルブの構成を示す概略構成図である。いずれも、真空バルブの外側に中間圧力室を設けてガスの圧力差を分散させて、ベロー17部分に高い圧力が加わらないように工夫がなされている。
【0027】
しかるに、絶縁ガス6を0.6MPa以上で使用する場合には、ベローは2つでは足りず3つ以上を使用する必要がある。また、従来の中間圧力室を設ける方法では、真空バルブ2の長手方向の長さが大きくなってしまい、負荷時タップ切換器を構成する場合には、油入変圧器の負荷時タップ切換器よりも大型化してしまうという欠点があった。
【0028】
また、特許文献5には、図示しないが、真空バルブを絶縁材料でモールドして、真空バルブとモールド部材との間に中間圧力差を設けて、ガスの圧力差を分散させて、ベロー部分に高い圧力が加わらないように工夫がなされている。
【0029】
以上のような従来の中間圧力差を設ける方法では、いずれも真空バルブの長さ方向の長さが大きくなってしまい、負荷時タップ切換器を構成する場合には、油入変圧器の負荷時タップ切換器に比べ大型化してしまうという課題があった。
【0030】
本発明は、上記した従来技術の課題を解決するために提案されたものであり、簡易な構造でベローの内外面の圧力差を抑えて、高圧ガス中での使用が可能な真空バルブ、およびこの真空バルブを適用した小型で信頼性の高いガス絶縁負荷時タップ切換器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0031】
上記目的を達成するため、本発明に係る真空バルブは、絶縁ガスが充填された密閉容器内に配置される真空バルブであって、絶縁筒の両端を固定側端板と可動側端板とで密閉して構成され、真空状態が保持された絶縁容器内に可動側電極と固定側電極とからなる互いに接離可能な一対の電極を配置し、前記可動側電極を可動側導電棒の一端に連結するとともに、可動側導電棒の他端を前記絶縁容器外に設けた操作機構に接続して、前記絶縁容器内の真空状態を保持しながら前記可動側導電棒を動作可能にするベローとを備えた真空バルブにおいて、前記ベローは、前記絶縁容器内の前記可動側導電棒の外周側に配置され、前記ベローの一端は前記可動側導電棒の外周面に気密接合され、前記ベローの他端は前記絶縁容器の可動側端板に気密接合され、前記可動側導電棒の外周側と前記ベローの内周側との間に円筒状の可動側導体ガイドを配設し、前記可動側導電棒と前記可動側導体ガイドとの間にシール材を介在させて、前記ベロー、前記可動側導電棒、および前記可動側導体ガイドによって環状の気密室を形成し、前記気密室内の圧力を前記絶縁ガスの圧力と前記絶縁容器内の圧力の中間の圧力に保持したことを特徴とする。
【0032】
また、本発明に係る真空バルブは、絶縁ガスが充填された密閉容器内に配置される真空バルブであって、絶縁筒の両端を固定側端板と可動側端板とで密閉して構成され、真空状態が保持された絶縁容器内に可動側電極と固定側電極とからなる互いに接離可能な一対の電極を配置し、前記可動側電極を可動側導電棒の一端に連結するとともに、可動側導電棒の他端を前記絶縁容器外に設けた操作機構に接続して、前記絶縁容器内の真空状態を保持しながら前記可動側導電棒を動作可能にするベローとを備えた真空バルブにおいて、前記ベローは、前記絶縁容器内の前記可動側導電棒の外周側に配置され、前記ベローの一端は前記可動側導電棒の外周面に気密接合され、前記ベローの他端は前記絶縁容器の可動側端板に気密接合され、前記可動側導電棒の外周側と前記ベローの内周側との間に円筒状の可動側導体ガイドを配設し、前記可動側導電棒と可動側導体ガイドとの間に外周面が前記可動側導電棒の外周面より滑らかに形成された円筒状の摺動ガイドを介挿し、前記可動側導体ガイドと前記摺動ガイド、および前記ベローと前記摺動ガイドとの間に、それぞれシール材を介在させて、前記ベロー、前記摺動ガイド、および前記可動側導体ガイドによって環状の気密室を形成し、前記気密室内の圧力を前記絶縁ガスの圧力と前記絶縁容器内の圧力の中間の圧力に保持したことを特徴とする。
【0033】
また、本発明に係る真空バルブは、絶縁ガスが充填された密閉容器内に配置される真空バルブであって、絶縁筒の両端を固定側端板と可動側端板とで密閉して構成され、真空状態が保持された絶縁容器内に可動側電極と固定側電極とからなる互いに接離可能な一対の電極を配置し、前記可動側電極を可動側導電棒の一端に連結するとともに、可動側導電棒の他端を前記絶縁容器外に設けた操作機構に接続して、前記絶縁容器内の真空状態を保持しながら前記可動側導電棒を動作可能にするベローとを備えた真空バルブにおいて、前記ベローは、前記絶縁容器内の前記可動側導電棒の外周側に配置され、前記ベローの一端は前記可動側導電棒の外周面に気密接合され、前記ベローの他端は前記絶縁容器の端板に気密接合され、前記絶縁筒の軸方向外側に位置する前記可動側導電棒の外周部に、外周面が可動側導電棒の外周面より滑らかに形成された円筒状の摺動ガイドを接合し、前記摺動ガイドの外周側に沿って前記絶縁筒の外側に延びる円筒状の可動側導体ガイドを配設し、前記摺動ガイドと前記可動側導体ガイドとの間にシール材を介在させて、前記ベロー、前記摺動ガイド、および前記可動側導体ガイドによって環状の気密室を形成し、前記気密室内の圧力を前記絶縁ガスの圧力と絶縁容器内の圧力の中間の圧力に保持したことを特徴とする。
【0034】
また、本発明に係るガス絶縁負荷時タップ切換器は、上記いずれかの真空バルブを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
以上説明したように、本発明においては、真空バルブの絶縁容器内においてベロー部の内側空間に気密室を形成して、気密室の圧力を、絶縁容器外の絶縁ガスの圧力と絶縁容器内のベロー部の外側空間における圧力との中間の圧力としたことで、従来のように真空バルブのベロー部に周囲の高圧の絶縁ガスの圧力が直接加わらないようにしてその機械的寿命の低下を防止すると共に、周囲の絶縁ガスの圧力を高めて高電圧化を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るガス絶縁負荷時タップ切換器の真空バルブの概略構成図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るガス絶縁負荷時タップ切換器の真空バルブの概略構成図。
【図3】本発明の第3の実施形態に係るガス絶縁負荷時タップ切換器の真空バルブの概略構成図。
【図4】本発明の第4の実施形態に係るガス絶縁負荷時タップ切換器の真空バルブの概略構成図。
【図5】従来のガス絶縁負荷時タップ切換器の真空バルブの概略構成図。
【図6】従来のガス絶縁負荷時タップ切換器の真空バルブの概略構成図。
【図7】従来のガス絶縁負荷時タップ切換器の真空バルブの概略構成図。
【図8】従来のガス絶縁負荷時タップ切換器の真空バルブの概略構成図。
【図9】従来のガス絶縁負荷時タップ切換器の概略構成図。
【図10】従来のガス絶縁負荷時タップ切換器において、切換開閉器を別圧力にした構成図。
【図11】従来のガス絶縁負荷時タップ切換器の真空バルブの概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明を実施するための代表的な形態について、図面を参照して説明する。なお、従来技術と同一または類似の部分については同一の符号を付し、重複説明は省略する。
【0038】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るガス絶縁負荷時タップ切換器に適用される真空バルブの概略構成図を示すもので、全体構成については、真空バルブの部分を除いて図9に示した構成と同様の構成であることから、ここでは図示を省略する。
【0039】
ここで、真空バルブ2は、図9における絶縁ガス6を充填した切換開閉器31の密閉容器68内に収納されている。
【0040】
絶縁筒11の一端(図1では左端)には固定側端板12aが設けられ、この固定側端板12aに固定された固定側導電棒16aの真空室3内には固定側電極15aが取り付けられている。また、絶縁筒11の他端(図1では右端)には可動側端板12bが設けられ、可動側導電棒16bの外周には、ベロー17が設けられている。ベロー17の一端は可動側端版12bに、他端は可動側導電棒16bに気密接続されている。
【0041】
また、可動側導電棒16bには、固定側電極15aに対向する可動側電極15bが取り付けられ、両電極15a、15bは、このようにして構成された真空バルブ2の真空室3内に収納されている。
【0042】
一方、可動側導電棒16bの外周側には、円筒形状で一端に鍔を設けた可動側導体ガイド9が設けられている。可動側導体ガイド9はその鍔部が可動側端板12bに形成されたガイド押え10にロウ付けまたはネジ止め等により固定されている。
【0043】
ここで、可動側導体ガイド9と可動側端板12bの間にはシ−ル材22aが介挿されており、また、可動側導体ガイド9の円筒部内周側と可動側導電棒16bの外周側との間は、例えば、EPゴム等からなるシ−ル材22b、22cが介挿されており、ベロー17の内側と可動側導電棒16bの外周側、および可動側導体ガイド9で囲まれた空間に気密室4を形成して、可動側導電棒16bが可動側導体ガイド9との間の気密を保ちながら気密室4の外部空間に可摺動的に導出される。
【0044】
したがって、ベロー17の内側空間に形成された気密室4は、真空バルブ2の周囲の絶縁ガス6雰囲気から完全に区分されている。シ−ル材22b、22cを介して気密室4外へ導出した可動側導電棒16bには、図示しない集電子を介して主回路に電気的に接続され、また、可動側導電棒16bには図示しない操作器が連結されている。このように構成された真空バルブ2は、例えば、図9に示すように高圧の絶縁ガス6を密封した密閉容器68内に設置して用いられる。なお、同図において、密閉容器68における真空バルブ2の操作機構部は表示を省略している。
【0045】
このように可動側導体ガイド9を真空バルブ2のベロー17の内側に介挿したことにより、ベロー17の外側には真空室4内の真空圧が作用するが、その内側には、真空バルブ2の外部空間の高圧の絶縁ガス6が作用しないようにすることができる。
【0046】
したがって、気密室4内に絶縁ガス6の圧力と真空室3の真空圧との中間の圧力の空気やガスを封入することで、ベロー17の内外側面に作用する圧力差は従来よりも小さくでき、その機械的寿命を向上させることができる。
【0047】
また、同じ機械的寿命を期待するなら、全体を収納する密閉容器内に充填する絶縁ガスの圧力を高めて、より絶縁性能を向上させたガス絶縁負荷時タップ切換器が実現できる。
【0048】
また、本実施形態においては、絶縁筒と端板とで囲まれた真空バルブの真空室内部空間に気密室を形成することで、空間内に真空バルブの全長を従来の真空バルブと同じ長さに構成することが可能となる。
【0049】
さらに、気密室4内に万一絶縁ガス6が漏れた場合を考慮して、気密室4内にゼオライト等のガス吸着材29を介在させて漏れたガス吸着することで、真空バルブ2のベロー17部分には、0.1MPa以下の圧力差しか加わらないようにすることが可能となり、ベロー17の内外面に作用する圧力差を従来のガス絶縁変圧器の場合よりも小さくすることが可能であり、小型で長期間の信頼性を有するガス絶縁負荷時タップ切換器を提供することができる。
【0050】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0051】
図2は、本発明の第2の実施形態に係るガス絶縁負荷時タップ切換器に適用される真空バルブの概略構成図である。真空バルブ2の構成については、図1に示した第1の実施形態と要部を除いてほぼ同様であるから、図1と共通する部分については同一符号を付し、詳細な説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
【0052】
本実施形態においては、可動側導電棒16bの外周側で且つ可動側導体ガイド9の内周側に、ベロー17の内側に形成された気密室4内から気密室4外に可動側導電棒16bの軸方向に沿って延びる円筒状の摺動ガイド7が介挿されている。
【0053】
この摺動ガイド7の外周面は滑らかな表面状態に形成されており、可動側導電棒16bの外周側に施されたねじ部分に、内周側にねじが切られた摺動ガイド押え8を用いて可動側導電棒16bの軸方向反電極側から締付け固定されている。
【0054】
なお、摺動ガイド7としては、例えば、ステンレス鋼や、鉄の表面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)、タングステン、チタン等をコーティングしたものを用いることができる。
【0055】
摺動ガイド押え8により締付けられた摺動ガイド7は、シ−ル材22dを介してベロー17に接触してガスシールがなされている。さらに、可動側導体ガイド9は、ねじ13により可動側端板12bに設けられたガイド押え10に固定されている。
【0056】
ここで、可動側導電棒16bは、真空バルブ2内の高真空を保つために、絶縁筒11と固定側端板12aおよび可動側端板12b、固定側端板12aと固定側電極16a、可動側導電棒16bとベロー17の一端とが、それぞれロウ付け等で気密接合されている。この際、可動側導電棒16bの表面粗さを摺動時に摩擦が小さくなるようにあらかじめ滑らかに保っておくための保護方法には工夫が必要である。特に、金属同士の衝突を防止するためには、ゴム状の有機材料が好ましいが、可動側導電棒16bとベロー17とをロウ付けにて接合する場合においては、ロウ付け時にゴム状の有機材料が焦げて、周囲に張り付くなどして実用的ではない。このため、真空バルブ2を高真空にするまでは従来の行程で行い、その後、内側の表面が滑らかな可動側導体ガイド9と外側の表面が滑らかな摺動ガイド7を取り付けて構成している。
【0057】
このように、本実施形態においては、可動側導電棒16bの外周面に外周面が滑らかな表面状態に形成された円筒状の摺動ガイド7を取付け固定し、摺動ガイド7の外周側と可動側導体ガイド9の内周側にシール材22b、22cを配置したことで、可動側導電棒16bの摺動時の摩擦および絶縁ガス6の気密室4内への侵入を防止でき、気密室4内の圧力上昇を抑えることができる。
【0058】
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態に係るガス絶縁負荷時タップ切換器に適用される真空バルブの概略構成図である。これは、図2に示した第2の実施形態の真空バルブの変形例を示すものであるから、図2と共通する部分には同一符号を付して詳細な説明を省略し、相違する部分についてのみ説明する。
【0059】
可動側導体ガイド9は、可動側導電棒16bの外周部において、その円筒部分の一端が内側に折り返された二重円筒形状になっており、内側円筒の内周側にシ−ル材22b、22cを介して可動側導電棒16bに接触するように配置されて気密室4内の気密性が保たれている。
【0060】
上述した本実施形態によれば、絶縁ガス6の圧力による力は、可動側導体ガイド9の二重円筒部の隙間を押し広げるように加わる。そうすることで、可動側導体ガイド9と可動側導電棒16bの気密性は、絶縁ガス6の圧力が高いほど良くなることから、気密室4内の圧力上昇を抑えることができる。
【0061】
(第4の実施形態)
図4は、本発明の第4の実施形態に係るガス絶縁負荷時タップ切換器に適用される真空バルブの概略構成図である。これは、図2に示した第2の実施形態の真空バルブの変形例を示すものであるから、図2と共通する部分には同一符号を付して詳細な説明を省略し、相違する部分についてのみ説明する。
【0062】
本実施形態においては、図2に示した円筒状の摺動ガイド7の軸方向長さを短くし、摺動ガイド7の端面を可動側導電棒16bの周囲にロウ付け部18を形成して気密を保って固定している。さらに、本実施形態では、可動側導体ガイド9の一端に形成した鍔部を可動側端板12bに取付け固定し、円筒部は真空バルブ2の気密室4に対して可動側導電棒16bの軸方向反電極側に延びる構成として、可動側導体ガイド9と摺動ガイド7との間にシ−ル材22b、22cを介在させて気密を保っている。
【0063】
このように、可動側導体ガイド9の円筒部を真空バルブ2の気密室4に対して外側方向に延びるように構成したことで、第3の実施形態と同様に、絶縁ガス6の圧力による力は、可動側導体ガイド9を押し縮める方向に加わる。
【0064】
このように構成することで、可動側導体ガイド9と可動側導電棒16bの気密性は、絶縁ガス6の圧力が高いほど良くなることから、気密室4内の圧力上昇を抑えることができる。
【0065】
なお、本実施形態においても、第1の実施形態のように、気密室内にゼオライト等を主成分とするガス吸着剤を介在させることにより、気密室内にわずかに漏れ出す絶縁ガスを吸着することができるので、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 … 負荷時タップ切換器、 2 … 真空バルブ、
3 … 真空室、 4 … 気密室、
5 … 空気室、 6、6L … 絶縁ガス、
7 … 円筒状の摺動ガイド、 8 … 摺動ガイド押えねじ、
9 … 可動側導体ガイド、 10 … ガイド押え、
11 … 絶縁筒、 12a … 固定側端板、
12b … 可動側端板、 13 … ネジ、
15a … 固定側電極、 15b … 可動側電極、
16a … 固定側導電棒、 16b … 可動側導電棒、
17 … ベロー、 18 … ロウ付け部、
22a、22b、22c、22d … シ−ル材、
31 … 切換開閉器、 32 … タップ選択器、
34 … 変圧器本体、 34a … 主構成物は鉄心、
34b … コイル、 38 … 伝動軸、
39 … 電動操作機構、 51 … 変圧器、
60 … タンク、 61 … カバー、
69 … 密閉容器、 71 … 回転シール部、
72 … 静圧シール部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスを絶縁媒体とするガス絶縁変圧器に用いられるガス絶縁負荷時タップ切換器、およびその電流開閉を行う真空バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大都市のような人口密集地域に設置する変圧器においては、従来の油入変圧器に代わり、火災の要因の無い不燃性のガスを用いたガス絶縁変圧器が採用されている。さらに、大都市では消費電力が大きいにもかかわらず、電力機器の設置スペース等の制約の問題から、大容量にして小型の機器とすることが要求されている。したがって、ガス絶縁変圧器の場合、内部の絶縁距離を縮小するため、高圧力にて絶縁ガスを封入することが絶対条件となってきている。
【0003】
ガス絶縁変圧器には、通常の場合、真空バルブ式の負荷時タップ切換器が取り付けられるが、ここで、従来のガス絶縁負荷時タップ切換器の構成について、図面を参照して簡単に説明する。
【0004】
図9は、従来のガス絶縁負荷時タップ切換器の概略構成図である。図9において、負荷時タップ切換器1は、変圧器51の外まわりを構成するタンク60のカバー61から吊り下げられて、タンク60内に取り付けられている。変圧器本体34は、主として、鉄心34aと、この鉄心34aに巻回されたコイル34bで構成されている。
【0005】
負荷時タップ切換器1は、電流開閉を行う真空バルブ2を備えた切換開閉器31と、電流開閉を行なわないタップ選択器32より構成されている。
【0006】
ここで、切換開閉器31の電流開閉を行う真空バルブ2の概略構成図を図11に示す。
【0007】
負荷時タップ切換器1の駆動は、タンク60の外側に取り付けられた電動操作機構39が生み出す回転力を、伝動軸38を介して切換開閉器31及びタップ選択器32に伝達して行なわれる。高圧の絶縁ガス6と変圧器51外部の大気とは大きな圧力差があるため、負荷時タップ切換器1には回転シール部71及び静圧シール部72が設けられている。
【0008】
また、切換開閉器31とタップ選択器32は電気的に接続されており、さらに、タップ選択器32は変圧器コイル34bと電気的に接続されている。
【0009】
変圧器51は、絶縁距離を縮小するために、タンク60内に高圧力の絶縁ガス6が封入される。これに伴い、負荷時タップ切換器1自身も高圧力下に置かれることになる。
【0010】
このため、切換開閉器31に取り付けられている真空バルブ2は、バルブ内の真空に対して外部からかなりの高圧力を受け、外圧力のシール部であるベロー17の寿命が著しく低下してしまう。
【0011】
これにより真空バルブ2自身の寿命が支配され、著しくは負荷時タップ切換器1の電気的寿命を低下させることになる。このような構成においても、絶縁ガス6の絶対圧力が0.2MPa程度であれば、図9に示した構成において、真空バルブ2のベロー17に特別な対策を施さずに使用することが可能である(特許文献1参照)。
【0012】
しかるに、ガス絶縁機器のコンパクト化への市場の要求から、絶縁ガス6の圧力をさらに高くする必要があり、真空バルブ2のベロー17部分の対策が必要となってきた。
【0013】
さらに、近年、絶縁ガス6として、環境に対して負荷の少ない天然ガスである窒素や二酸化炭素を使用したガス絶縁変圧器が求められるようになってきている。このような環境負荷の少ないガスを用いる場合には、絶縁性能等の問題から、従来使用しているSF6ガスよりもさらに高い圧力で使用する必要があり、場合によっては、絶縁ガス6の絶対圧力が1MPaを超える可能性も出てきている。
【0014】
この対策として、切換開閉器31を、タップ選択器32を含む変圧器51と分離して、変圧器51とは別圧力にするための切換開閉器室を設けて、この中に切換開閉器31を収納し、切換開閉器室内に封入する絶縁ガス圧力を変圧器のものより低い圧力とする方法がある。
【0015】
このような方法を採用した代表的なガス絶縁負荷時タップ切換器の概略構成図を図10に示す。
【0016】
図において、34は変圧器本体であり、タンク60内には高圧力の絶縁ガス6が封入され、同じくタンク60内には変圧器本体34と負荷時タップ切換器1のタップ選択器32が収納されている。切換開閉器31は、切換開閉器室64内に収められており、切換開閉器室64内には、タンク60内の絶縁ガス6より低圧力の絶縁ガス6Lが封入され、負荷時タップ切換器1の切換開閉器31が収納されている。
【0017】
変圧器のタンク60と切換開閉器室64は絶縁バリヤ130によって気密を施して分離されている。電動操作機構39による回転駆動力は伝動軸38に伝達され切換開閉器31に伝達される。また、回転駆動力は切換開閉器31とタップ選択器32間に配置された回転伝動軸40にも伝達されタップ選択器32に伝達される。
【0018】
負荷時タップ切換器1の場合、絶縁に関して言えば、切換開閉器31は隣接するタップ間のみの絶縁を必要とし、一方タップ選択器32は全タップ間の絶縁を必要とするという負荷時タップ切換器固有の特徴がある。
【0019】
したがって、上述のように切換開閉器31とタップ選択器32を分離すれば、切換開閉器31側の絶縁ガス6Lの圧力を低くすることが可能となる。
【0020】
したがって、このような構成にすることで、切換開閉器31の真空バルブ2のベロー17に加わる圧力は、0.2MPa程度にすることが可能となる。このため、真空バルブ2をシールするベロー17の寿命を従来構成に比べて長くすることが可能となり、負荷時タップ切換器1自身の電気的寿命を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開平2−123715号公報
【特許文献2】実開昭54−137863号公報
【特許文献3】特開平6−208820号公報
【特許文献4】特開2006−187195号公報
【特許文献5】特開2002−280229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
しかしながら、上述した従来のガス絶縁負荷時タップ切換器においては、次のような解決すべき課題をかかえている。
【0023】
高ガス圧を適用したガス絶縁変圧器の負荷時タップ切換器においては、真空バルブ2のベロー17に加わる圧力を0.2MPa程度にするため、負荷時タップ切換器1を切換開閉器31とタップ選択器32に分離する必要がある。
【0024】
このため、変圧器本体を収納するタンク以外にもうひとつのタンクを必要とする。それにより、変圧器全体として大型化するだけでなく、部品点数の増加や内部接続作業が増加し、生産効率が低下する等の問題があった。
【0025】
このような問題を解決し、変圧器全体の大型化を抑制するために、変圧器巻線を収納するタンクに負荷時タップ切換器を収めることで、変圧器全体の小型化を実現することが可能となる。このために、ベロー17に絶縁ガス6の圧力が加わらないようにした種々の提案がなされている。
【0026】
図5は、特許文献2に、図6は、特許文献3に、図7、図8は特許文献4に示された従来のガス絶縁負荷時タップ切換器における真空バルブの構成を示す概略構成図である。いずれも、真空バルブの外側に中間圧力室を設けてガスの圧力差を分散させて、ベロー17部分に高い圧力が加わらないように工夫がなされている。
【0027】
しかるに、絶縁ガス6を0.6MPa以上で使用する場合には、ベローは2つでは足りず3つ以上を使用する必要がある。また、従来の中間圧力室を設ける方法では、真空バルブ2の長手方向の長さが大きくなってしまい、負荷時タップ切換器を構成する場合には、油入変圧器の負荷時タップ切換器よりも大型化してしまうという欠点があった。
【0028】
また、特許文献5には、図示しないが、真空バルブを絶縁材料でモールドして、真空バルブとモールド部材との間に中間圧力差を設けて、ガスの圧力差を分散させて、ベロー部分に高い圧力が加わらないように工夫がなされている。
【0029】
以上のような従来の中間圧力差を設ける方法では、いずれも真空バルブの長さ方向の長さが大きくなってしまい、負荷時タップ切換器を構成する場合には、油入変圧器の負荷時タップ切換器に比べ大型化してしまうという課題があった。
【0030】
本発明は、上記した従来技術の課題を解決するために提案されたものであり、簡易な構造でベローの内外面の圧力差を抑えて、高圧ガス中での使用が可能な真空バルブ、およびこの真空バルブを適用した小型で信頼性の高いガス絶縁負荷時タップ切換器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0031】
上記目的を達成するため、本発明に係る真空バルブは、絶縁ガスが充填された密閉容器内に配置される真空バルブであって、絶縁筒の両端を固定側端板と可動側端板とで密閉して構成され、真空状態が保持された絶縁容器内に可動側電極と固定側電極とからなる互いに接離可能な一対の電極を配置し、前記可動側電極を可動側導電棒の一端に連結するとともに、可動側導電棒の他端を前記絶縁容器外に設けた操作機構に接続して、前記絶縁容器内の真空状態を保持しながら前記可動側導電棒を動作可能にするベローとを備えた真空バルブにおいて、前記ベローは、前記絶縁容器内の前記可動側導電棒の外周側に配置され、前記ベローの一端は前記可動側導電棒の外周面に気密接合され、前記ベローの他端は前記絶縁容器の可動側端板に気密接合され、前記可動側導電棒の外周側と前記ベローの内周側との間に円筒状の可動側導体ガイドを配設し、前記可動側導電棒と前記可動側導体ガイドとの間にシール材を介在させて、前記ベロー、前記可動側導電棒、および前記可動側導体ガイドによって環状の気密室を形成し、前記気密室内の圧力を前記絶縁ガスの圧力と前記絶縁容器内の圧力の中間の圧力に保持したことを特徴とする。
【0032】
また、本発明に係る真空バルブは、絶縁ガスが充填された密閉容器内に配置される真空バルブであって、絶縁筒の両端を固定側端板と可動側端板とで密閉して構成され、真空状態が保持された絶縁容器内に可動側電極と固定側電極とからなる互いに接離可能な一対の電極を配置し、前記可動側電極を可動側導電棒の一端に連結するとともに、可動側導電棒の他端を前記絶縁容器外に設けた操作機構に接続して、前記絶縁容器内の真空状態を保持しながら前記可動側導電棒を動作可能にするベローとを備えた真空バルブにおいて、前記ベローは、前記絶縁容器内の前記可動側導電棒の外周側に配置され、前記ベローの一端は前記可動側導電棒の外周面に気密接合され、前記ベローの他端は前記絶縁容器の可動側端板に気密接合され、前記可動側導電棒の外周側と前記ベローの内周側との間に円筒状の可動側導体ガイドを配設し、前記可動側導電棒と可動側導体ガイドとの間に外周面が前記可動側導電棒の外周面より滑らかに形成された円筒状の摺動ガイドを介挿し、前記可動側導体ガイドと前記摺動ガイド、および前記ベローと前記摺動ガイドとの間に、それぞれシール材を介在させて、前記ベロー、前記摺動ガイド、および前記可動側導体ガイドによって環状の気密室を形成し、前記気密室内の圧力を前記絶縁ガスの圧力と前記絶縁容器内の圧力の中間の圧力に保持したことを特徴とする。
【0033】
また、本発明に係る真空バルブは、絶縁ガスが充填された密閉容器内に配置される真空バルブであって、絶縁筒の両端を固定側端板と可動側端板とで密閉して構成され、真空状態が保持された絶縁容器内に可動側電極と固定側電極とからなる互いに接離可能な一対の電極を配置し、前記可動側電極を可動側導電棒の一端に連結するとともに、可動側導電棒の他端を前記絶縁容器外に設けた操作機構に接続して、前記絶縁容器内の真空状態を保持しながら前記可動側導電棒を動作可能にするベローとを備えた真空バルブにおいて、前記ベローは、前記絶縁容器内の前記可動側導電棒の外周側に配置され、前記ベローの一端は前記可動側導電棒の外周面に気密接合され、前記ベローの他端は前記絶縁容器の端板に気密接合され、前記絶縁筒の軸方向外側に位置する前記可動側導電棒の外周部に、外周面が可動側導電棒の外周面より滑らかに形成された円筒状の摺動ガイドを接合し、前記摺動ガイドの外周側に沿って前記絶縁筒の外側に延びる円筒状の可動側導体ガイドを配設し、前記摺動ガイドと前記可動側導体ガイドとの間にシール材を介在させて、前記ベロー、前記摺動ガイド、および前記可動側導体ガイドによって環状の気密室を形成し、前記気密室内の圧力を前記絶縁ガスの圧力と絶縁容器内の圧力の中間の圧力に保持したことを特徴とする。
【0034】
また、本発明に係るガス絶縁負荷時タップ切換器は、上記いずれかの真空バルブを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
以上説明したように、本発明においては、真空バルブの絶縁容器内においてベロー部の内側空間に気密室を形成して、気密室の圧力を、絶縁容器外の絶縁ガスの圧力と絶縁容器内のベロー部の外側空間における圧力との中間の圧力としたことで、従来のように真空バルブのベロー部に周囲の高圧の絶縁ガスの圧力が直接加わらないようにしてその機械的寿命の低下を防止すると共に、周囲の絶縁ガスの圧力を高めて高電圧化を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るガス絶縁負荷時タップ切換器の真空バルブの概略構成図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るガス絶縁負荷時タップ切換器の真空バルブの概略構成図。
【図3】本発明の第3の実施形態に係るガス絶縁負荷時タップ切換器の真空バルブの概略構成図。
【図4】本発明の第4の実施形態に係るガス絶縁負荷時タップ切換器の真空バルブの概略構成図。
【図5】従来のガス絶縁負荷時タップ切換器の真空バルブの概略構成図。
【図6】従来のガス絶縁負荷時タップ切換器の真空バルブの概略構成図。
【図7】従来のガス絶縁負荷時タップ切換器の真空バルブの概略構成図。
【図8】従来のガス絶縁負荷時タップ切換器の真空バルブの概略構成図。
【図9】従来のガス絶縁負荷時タップ切換器の概略構成図。
【図10】従来のガス絶縁負荷時タップ切換器において、切換開閉器を別圧力にした構成図。
【図11】従来のガス絶縁負荷時タップ切換器の真空バルブの概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明を実施するための代表的な形態について、図面を参照して説明する。なお、従来技術と同一または類似の部分については同一の符号を付し、重複説明は省略する。
【0038】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るガス絶縁負荷時タップ切換器に適用される真空バルブの概略構成図を示すもので、全体構成については、真空バルブの部分を除いて図9に示した構成と同様の構成であることから、ここでは図示を省略する。
【0039】
ここで、真空バルブ2は、図9における絶縁ガス6を充填した切換開閉器31の密閉容器68内に収納されている。
【0040】
絶縁筒11の一端(図1では左端)には固定側端板12aが設けられ、この固定側端板12aに固定された固定側導電棒16aの真空室3内には固定側電極15aが取り付けられている。また、絶縁筒11の他端(図1では右端)には可動側端板12bが設けられ、可動側導電棒16bの外周には、ベロー17が設けられている。ベロー17の一端は可動側端版12bに、他端は可動側導電棒16bに気密接続されている。
【0041】
また、可動側導電棒16bには、固定側電極15aに対向する可動側電極15bが取り付けられ、両電極15a、15bは、このようにして構成された真空バルブ2の真空室3内に収納されている。
【0042】
一方、可動側導電棒16bの外周側には、円筒形状で一端に鍔を設けた可動側導体ガイド9が設けられている。可動側導体ガイド9はその鍔部が可動側端板12bに形成されたガイド押え10にロウ付けまたはネジ止め等により固定されている。
【0043】
ここで、可動側導体ガイド9と可動側端板12bの間にはシ−ル材22aが介挿されており、また、可動側導体ガイド9の円筒部内周側と可動側導電棒16bの外周側との間は、例えば、EPゴム等からなるシ−ル材22b、22cが介挿されており、ベロー17の内側と可動側導電棒16bの外周側、および可動側導体ガイド9で囲まれた空間に気密室4を形成して、可動側導電棒16bが可動側導体ガイド9との間の気密を保ちながら気密室4の外部空間に可摺動的に導出される。
【0044】
したがって、ベロー17の内側空間に形成された気密室4は、真空バルブ2の周囲の絶縁ガス6雰囲気から完全に区分されている。シ−ル材22b、22cを介して気密室4外へ導出した可動側導電棒16bには、図示しない集電子を介して主回路に電気的に接続され、また、可動側導電棒16bには図示しない操作器が連結されている。このように構成された真空バルブ2は、例えば、図9に示すように高圧の絶縁ガス6を密封した密閉容器68内に設置して用いられる。なお、同図において、密閉容器68における真空バルブ2の操作機構部は表示を省略している。
【0045】
このように可動側導体ガイド9を真空バルブ2のベロー17の内側に介挿したことにより、ベロー17の外側には真空室4内の真空圧が作用するが、その内側には、真空バルブ2の外部空間の高圧の絶縁ガス6が作用しないようにすることができる。
【0046】
したがって、気密室4内に絶縁ガス6の圧力と真空室3の真空圧との中間の圧力の空気やガスを封入することで、ベロー17の内外側面に作用する圧力差は従来よりも小さくでき、その機械的寿命を向上させることができる。
【0047】
また、同じ機械的寿命を期待するなら、全体を収納する密閉容器内に充填する絶縁ガスの圧力を高めて、より絶縁性能を向上させたガス絶縁負荷時タップ切換器が実現できる。
【0048】
また、本実施形態においては、絶縁筒と端板とで囲まれた真空バルブの真空室内部空間に気密室を形成することで、空間内に真空バルブの全長を従来の真空バルブと同じ長さに構成することが可能となる。
【0049】
さらに、気密室4内に万一絶縁ガス6が漏れた場合を考慮して、気密室4内にゼオライト等のガス吸着材29を介在させて漏れたガス吸着することで、真空バルブ2のベロー17部分には、0.1MPa以下の圧力差しか加わらないようにすることが可能となり、ベロー17の内外面に作用する圧力差を従来のガス絶縁変圧器の場合よりも小さくすることが可能であり、小型で長期間の信頼性を有するガス絶縁負荷時タップ切換器を提供することができる。
【0050】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0051】
図2は、本発明の第2の実施形態に係るガス絶縁負荷時タップ切換器に適用される真空バルブの概略構成図である。真空バルブ2の構成については、図1に示した第1の実施形態と要部を除いてほぼ同様であるから、図1と共通する部分については同一符号を付し、詳細な説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
【0052】
本実施形態においては、可動側導電棒16bの外周側で且つ可動側導体ガイド9の内周側に、ベロー17の内側に形成された気密室4内から気密室4外に可動側導電棒16bの軸方向に沿って延びる円筒状の摺動ガイド7が介挿されている。
【0053】
この摺動ガイド7の外周面は滑らかな表面状態に形成されており、可動側導電棒16bの外周側に施されたねじ部分に、内周側にねじが切られた摺動ガイド押え8を用いて可動側導電棒16bの軸方向反電極側から締付け固定されている。
【0054】
なお、摺動ガイド7としては、例えば、ステンレス鋼や、鉄の表面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)、タングステン、チタン等をコーティングしたものを用いることができる。
【0055】
摺動ガイド押え8により締付けられた摺動ガイド7は、シ−ル材22dを介してベロー17に接触してガスシールがなされている。さらに、可動側導体ガイド9は、ねじ13により可動側端板12bに設けられたガイド押え10に固定されている。
【0056】
ここで、可動側導電棒16bは、真空バルブ2内の高真空を保つために、絶縁筒11と固定側端板12aおよび可動側端板12b、固定側端板12aと固定側電極16a、可動側導電棒16bとベロー17の一端とが、それぞれロウ付け等で気密接合されている。この際、可動側導電棒16bの表面粗さを摺動時に摩擦が小さくなるようにあらかじめ滑らかに保っておくための保護方法には工夫が必要である。特に、金属同士の衝突を防止するためには、ゴム状の有機材料が好ましいが、可動側導電棒16bとベロー17とをロウ付けにて接合する場合においては、ロウ付け時にゴム状の有機材料が焦げて、周囲に張り付くなどして実用的ではない。このため、真空バルブ2を高真空にするまでは従来の行程で行い、その後、内側の表面が滑らかな可動側導体ガイド9と外側の表面が滑らかな摺動ガイド7を取り付けて構成している。
【0057】
このように、本実施形態においては、可動側導電棒16bの外周面に外周面が滑らかな表面状態に形成された円筒状の摺動ガイド7を取付け固定し、摺動ガイド7の外周側と可動側導体ガイド9の内周側にシール材22b、22cを配置したことで、可動側導電棒16bの摺動時の摩擦および絶縁ガス6の気密室4内への侵入を防止でき、気密室4内の圧力上昇を抑えることができる。
【0058】
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態に係るガス絶縁負荷時タップ切換器に適用される真空バルブの概略構成図である。これは、図2に示した第2の実施形態の真空バルブの変形例を示すものであるから、図2と共通する部分には同一符号を付して詳細な説明を省略し、相違する部分についてのみ説明する。
【0059】
可動側導体ガイド9は、可動側導電棒16bの外周部において、その円筒部分の一端が内側に折り返された二重円筒形状になっており、内側円筒の内周側にシ−ル材22b、22cを介して可動側導電棒16bに接触するように配置されて気密室4内の気密性が保たれている。
【0060】
上述した本実施形態によれば、絶縁ガス6の圧力による力は、可動側導体ガイド9の二重円筒部の隙間を押し広げるように加わる。そうすることで、可動側導体ガイド9と可動側導電棒16bの気密性は、絶縁ガス6の圧力が高いほど良くなることから、気密室4内の圧力上昇を抑えることができる。
【0061】
(第4の実施形態)
図4は、本発明の第4の実施形態に係るガス絶縁負荷時タップ切換器に適用される真空バルブの概略構成図である。これは、図2に示した第2の実施形態の真空バルブの変形例を示すものであるから、図2と共通する部分には同一符号を付して詳細な説明を省略し、相違する部分についてのみ説明する。
【0062】
本実施形態においては、図2に示した円筒状の摺動ガイド7の軸方向長さを短くし、摺動ガイド7の端面を可動側導電棒16bの周囲にロウ付け部18を形成して気密を保って固定している。さらに、本実施形態では、可動側導体ガイド9の一端に形成した鍔部を可動側端板12bに取付け固定し、円筒部は真空バルブ2の気密室4に対して可動側導電棒16bの軸方向反電極側に延びる構成として、可動側導体ガイド9と摺動ガイド7との間にシ−ル材22b、22cを介在させて気密を保っている。
【0063】
このように、可動側導体ガイド9の円筒部を真空バルブ2の気密室4に対して外側方向に延びるように構成したことで、第3の実施形態と同様に、絶縁ガス6の圧力による力は、可動側導体ガイド9を押し縮める方向に加わる。
【0064】
このように構成することで、可動側導体ガイド9と可動側導電棒16bの気密性は、絶縁ガス6の圧力が高いほど良くなることから、気密室4内の圧力上昇を抑えることができる。
【0065】
なお、本実施形態においても、第1の実施形態のように、気密室内にゼオライト等を主成分とするガス吸着剤を介在させることにより、気密室内にわずかに漏れ出す絶縁ガスを吸着することができるので、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 … 負荷時タップ切換器、 2 … 真空バルブ、
3 … 真空室、 4 … 気密室、
5 … 空気室、 6、6L … 絶縁ガス、
7 … 円筒状の摺動ガイド、 8 … 摺動ガイド押えねじ、
9 … 可動側導体ガイド、 10 … ガイド押え、
11 … 絶縁筒、 12a … 固定側端板、
12b … 可動側端板、 13 … ネジ、
15a … 固定側電極、 15b … 可動側電極、
16a … 固定側導電棒、 16b … 可動側導電棒、
17 … ベロー、 18 … ロウ付け部、
22a、22b、22c、22d … シ−ル材、
31 … 切換開閉器、 32 … タップ選択器、
34 … 変圧器本体、 34a … 主構成物は鉄心、
34b … コイル、 38 … 伝動軸、
39 … 電動操作機構、 51 … 変圧器、
60 … タンク、 61 … カバー、
69 … 密閉容器、 71 … 回転シール部、
72 … 静圧シール部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁ガスが充填された密閉容器内に配置される真空バルブであって、
絶縁筒の両端を固定側端板と可動側端板とで密閉して構成され、真空状態が保持された絶縁容器内に可動側電極と固定側電極とからなる互いに接離可能な一対の電極を配置し、前記可動側電極を可動側導電棒の一端に連結するとともに、可動側導電棒の他端を前記絶縁容器外に設けた操作機構に接続して、前記絶縁容器内の真空状態を保持しながら前記可動側導電棒を動作可能にするベローとを備えた真空バルブにおいて、
前記ベローは、前記絶縁容器内の前記可動側導電棒の外周側に配置され、前記ベローの一端は前記可動側導電棒の外周面に気密接合され、前記ベローの他端は前記絶縁容器の可動側端板に気密接合され、前記可動側導電棒の外周側と前記ベローの内周側との間に円筒状の可動側導体ガイドを配設し、
前記可動側導電棒と前記可動側導体ガイドとの間にシール材を介在させて、前記ベロー、前記可動側導電棒、および前記可動側導体ガイドによって環状の気密室を形成し、前記気密室内の圧力を前記絶縁ガスの圧力と前記絶縁容器内の圧力の中間の圧力に保持したことを特徴とする真空バルブ。
【請求項2】
絶縁ガスが充填された密閉容器内に配置される真空バルブであって、
絶縁筒の両端を固定側端板と可動側端板とで密閉して構成され、真空状態が保持された絶縁容器内に可動側電極と固定側電極とからなる互いに接離可能な一対の電極を配置し、前記可動側電極を可動側導電棒の一端に連結するとともに、可動側導電棒の他端を前記絶縁容器外に設けた操作機構に接続して、前記絶縁容器内の真空状態を保持しながら前記可動側導電棒を動作可能にするベローとを備えた真空バルブにおいて、
前記ベローは、前記絶縁容器内の前記可動側導電棒の外周側に配置され、前記ベローの一端は前記可動側導電棒の外周面に気密接合され、前記ベローの他端は前記絶縁容器の可動側端板に気密接合され、前記可動側導電棒の外周側と前記ベローの内周側との間に円筒状の可動側導体ガイドを配設し、
前記可動側導電棒と可動側導体ガイドとの間に外周面が前記可動側導電棒の外周面より滑らかに形成された円筒状の摺動ガイドを介挿し、前記可動側導体ガイドと前記摺動ガイド、および前記ベローと前記摺動ガイドとの間に、それぞれシール材を介在させて、前記ベロー、前記摺動ガイド、および前記可動側導体ガイドによって環状の気密室を形成し、前記気密室内の圧力を前記絶縁ガスの圧力と前記絶縁容器内の圧力の中間の圧力に保持したことを特徴とする真空バルブ。
【請求項3】
前記可動側導体ガイドは、円筒の一端を内側に折り曲げて形成した二重円筒構造を成し、可動側導体ガイドの内側円筒部と前記可動側導電棒との間にシール材を介在させて、ベロー、可動側導電棒、および可動側導体ガイドによって環状の気密室を形成したことを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ。
【請求項4】
前記可動側導体ガイドは、円筒を内側に折り曲げて形成した二重円筒構造を成し、内側円筒部と摺動ガイドとの間にシール材を介在させて、ベロー部、摺動ガイド、および可動側導体ガイドによって環状の気密室を形成したことを特徴とする請求項2に記載の真空バルブ。
【請求項5】
絶縁ガスが充填された密閉容器内に配置される真空バルブであって、
絶縁筒の両端を固定側端板と可動側端板とで密閉して構成され、真空状態が保持された絶縁容器内に可動側電極と固定側電極とからなる互いに接離可能な一対の電極を配置し、前記可動側電極を可動側導電棒の一端に連結するとともに、可動側導電棒の他端を前記絶縁容器外に設けた操作機構に接続して、前記絶縁容器内の真空状態を保持しながら前記可動側導電棒を動作可能にするベローとを備えた真空バルブにおいて、
前記ベローは、前記絶縁容器内の前記可動側導電棒の外周側に配置され、前記ベローの一端は前記可動側導電棒の外周面に気密接合され、前記ベローの他端は前記絶縁容器の端板に気密接合され、
前記絶縁筒の軸方向外側に位置する前記可動側導電棒の外周部に、外周面が可動側導電棒の外周面より滑らかに形成された円筒状の摺動ガイドを接合し、前記摺動ガイドの外周側に沿って前記絶縁筒の外側に延びる円筒状の可動側導体ガイドを配設し、前記摺動ガイドと前記可動側導体ガイドとの間にシール材を介在させて、前記ベロー、前記摺動ガイド、および前記可動側導体ガイドによって環状の気密室を形成し、前記気密室内の圧力を前記絶縁ガスの圧力と絶縁容器内の圧力の中間の圧力に保持したことを特徴とする真空バルブ。
【請求項6】
前記気密室内に、前記絶縁ガスを吸着する吸着剤を介在させたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の真空バルブ。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の真空バルブを備えたことを特徴とするガス絶縁負荷時タップ切換器。
【請求項1】
絶縁ガスが充填された密閉容器内に配置される真空バルブであって、
絶縁筒の両端を固定側端板と可動側端板とで密閉して構成され、真空状態が保持された絶縁容器内に可動側電極と固定側電極とからなる互いに接離可能な一対の電極を配置し、前記可動側電極を可動側導電棒の一端に連結するとともに、可動側導電棒の他端を前記絶縁容器外に設けた操作機構に接続して、前記絶縁容器内の真空状態を保持しながら前記可動側導電棒を動作可能にするベローとを備えた真空バルブにおいて、
前記ベローは、前記絶縁容器内の前記可動側導電棒の外周側に配置され、前記ベローの一端は前記可動側導電棒の外周面に気密接合され、前記ベローの他端は前記絶縁容器の可動側端板に気密接合され、前記可動側導電棒の外周側と前記ベローの内周側との間に円筒状の可動側導体ガイドを配設し、
前記可動側導電棒と前記可動側導体ガイドとの間にシール材を介在させて、前記ベロー、前記可動側導電棒、および前記可動側導体ガイドによって環状の気密室を形成し、前記気密室内の圧力を前記絶縁ガスの圧力と前記絶縁容器内の圧力の中間の圧力に保持したことを特徴とする真空バルブ。
【請求項2】
絶縁ガスが充填された密閉容器内に配置される真空バルブであって、
絶縁筒の両端を固定側端板と可動側端板とで密閉して構成され、真空状態が保持された絶縁容器内に可動側電極と固定側電極とからなる互いに接離可能な一対の電極を配置し、前記可動側電極を可動側導電棒の一端に連結するとともに、可動側導電棒の他端を前記絶縁容器外に設けた操作機構に接続して、前記絶縁容器内の真空状態を保持しながら前記可動側導電棒を動作可能にするベローとを備えた真空バルブにおいて、
前記ベローは、前記絶縁容器内の前記可動側導電棒の外周側に配置され、前記ベローの一端は前記可動側導電棒の外周面に気密接合され、前記ベローの他端は前記絶縁容器の可動側端板に気密接合され、前記可動側導電棒の外周側と前記ベローの内周側との間に円筒状の可動側導体ガイドを配設し、
前記可動側導電棒と可動側導体ガイドとの間に外周面が前記可動側導電棒の外周面より滑らかに形成された円筒状の摺動ガイドを介挿し、前記可動側導体ガイドと前記摺動ガイド、および前記ベローと前記摺動ガイドとの間に、それぞれシール材を介在させて、前記ベロー、前記摺動ガイド、および前記可動側導体ガイドによって環状の気密室を形成し、前記気密室内の圧力を前記絶縁ガスの圧力と前記絶縁容器内の圧力の中間の圧力に保持したことを特徴とする真空バルブ。
【請求項3】
前記可動側導体ガイドは、円筒の一端を内側に折り曲げて形成した二重円筒構造を成し、可動側導体ガイドの内側円筒部と前記可動側導電棒との間にシール材を介在させて、ベロー、可動側導電棒、および可動側導体ガイドによって環状の気密室を形成したことを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ。
【請求項4】
前記可動側導体ガイドは、円筒を内側に折り曲げて形成した二重円筒構造を成し、内側円筒部と摺動ガイドとの間にシール材を介在させて、ベロー部、摺動ガイド、および可動側導体ガイドによって環状の気密室を形成したことを特徴とする請求項2に記載の真空バルブ。
【請求項5】
絶縁ガスが充填された密閉容器内に配置される真空バルブであって、
絶縁筒の両端を固定側端板と可動側端板とで密閉して構成され、真空状態が保持された絶縁容器内に可動側電極と固定側電極とからなる互いに接離可能な一対の電極を配置し、前記可動側電極を可動側導電棒の一端に連結するとともに、可動側導電棒の他端を前記絶縁容器外に設けた操作機構に接続して、前記絶縁容器内の真空状態を保持しながら前記可動側導電棒を動作可能にするベローとを備えた真空バルブにおいて、
前記ベローは、前記絶縁容器内の前記可動側導電棒の外周側に配置され、前記ベローの一端は前記可動側導電棒の外周面に気密接合され、前記ベローの他端は前記絶縁容器の端板に気密接合され、
前記絶縁筒の軸方向外側に位置する前記可動側導電棒の外周部に、外周面が可動側導電棒の外周面より滑らかに形成された円筒状の摺動ガイドを接合し、前記摺動ガイドの外周側に沿って前記絶縁筒の外側に延びる円筒状の可動側導体ガイドを配設し、前記摺動ガイドと前記可動側導体ガイドとの間にシール材を介在させて、前記ベロー、前記摺動ガイド、および前記可動側導体ガイドによって環状の気密室を形成し、前記気密室内の圧力を前記絶縁ガスの圧力と絶縁容器内の圧力の中間の圧力に保持したことを特徴とする真空バルブ。
【請求項6】
前記気密室内に、前記絶縁ガスを吸着する吸着剤を介在させたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の真空バルブ。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の真空バルブを備えたことを特徴とするガス絶縁負荷時タップ切換器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−54504(P2011−54504A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−204210(P2009−204210)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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