説明

真空装置用照明器具

【課題】覗き窓から真空装置の内部に光を進入させることができ、真空装置の内部を照らすことで覗き窓から真空装置の内部を視認することができる真空装置用照明器具を提供する。
【解決手段】真空装置用照明器具10Aは、覗き窓に連結手段を介して着脱可能に連結される連結アダプタ11と、連結アダプタ11の中央部に形成されて覗き窓をとおして真空装置の内部を視認可能な開口12と、連結アダプタ11に設置されて覗き窓に対向する複数個のLED13(発光ダイオード)とを有する。照明器具10Aは、真空装置の内部を視認するための覗き窓に取り付けられ、真空装置の内部を照らす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空装置の内部を視認するための覗き窓に取り付けられて真空装置の内部を照らす真空装置用照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
測定対象物を格納する真空チャンバーと、真空チャンバーの端部に連接されて測定対象物をチャンバー内部に搬送する搬送ユニットと、真空チャンバーを低温から高温に向かって次第に昇温させる加熱器と、真空チャンバー内部に搬送された測定対象物の温度上昇にともなってその測定対象物から放出される水素ガスの水素ガス分圧を分析する分圧分析計と、分圧分析計から出力された水素ガス分圧に基づいて測定対象物に含まれる水素量を求めるコントローラとを備えた水素量測定装置(真空装置)がある(特許文献1参照)。
【0003】
搬送ユニットは、所定容積のケーシングと、ケーシングの内部に挿脱可能な搬送棒と、搬送棒の端部に取り付けられて測定対象物を着脱可能に支持する支持部材と、ケーシングの外周面に配置された誘導マグネットとから形成されている。この水素量測定装置では、搬送棒の端部に取り付けられた支持部材に測定対象物を着脱可能に支持させ、搬送棒と誘導マグネットとを利用して測定対象物をチャンバーの端部からチャンバーの中央部に移動させ、測定対象物をチャンバーの中央部に設置されたステージの上に置いた後、その測定対象物の水素量を測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−006877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記公報に開示の水素量測定装置(真空装置)には、図示はされていないが、真空チャンバーの内部を視認する複数個の覗き窓が設置されている。水素量測定装置では、それら覗き窓を覗き込みつつ、測定対象物を目視しながら対象物をチャンバーの中央部に移動させるとともに、対象物をステージの上に置く。水素量測定装置では、真空チャンバーの内部やケーシングの内部に照明器具を設置することはできず、外部の照明を頼りに覗き窓から測定対象物を目視しなければならない。しかし、外部の照明が少ないと、覗き窓から真空チャンバーの内部やケーシングの内部に進入する光が少なく、チャンバーの内部やケーシングの内部を十分に照らすことができず、チャンバーの内部やケーシングの内部を視認することができない。真空チャンバーの内部を視認することができないと、測定対象物を目視することができず、対象物をチャンバーの中央部に設置されたステージに搬送することができない場合があるとともに、対象物をステージの上に置くことができない場合がある。また、ケーシングの内部を視認することができないと、ケーシングの内部に複数個の測定対象物をストックする場合、それら測定対象物から所期する対象物を取り出すことができない場合がある。
【0006】
本発明の目的は、覗き窓から真空装置の内部に光を進入させることができ、真空装置の内部を照らすことで覗き窓から真空装置の内部を視認することができる真空装置用照明器具を提供することにある。本発明の他の目的は、覗き窓から真空装置の内部に光を進入させ、真空装置の内部を視認しつつ、真空処理対象物を真空装置の所定の箇所に確実に搬送することができる真空装置用照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための本発明の前提は、真空装置の内部を視認するための覗き窓に取り付けられ、真空装置の内部を照らす真空装置用照明器具である。
【0008】
前記前提における本発明の特徴は、照明器具が、覗き窓に連結手段を介して着脱可能に連結される連結アダプタと、連結アダプタの中央部に形成されて覗き窓をとおして真空装置の内部を視認可能な開口と、連結アダプタに設置されて覗き窓に対向する複数個のLED(発光ダイオード)とを有することにある。
【0009】
本発明の一例としては、連結アダプタが、覗き窓の側に位置する前端部と前端部の反対側に位置する後端部と前後端部の間に位置する中間部とを有して軸方向へ延びる周壁と、周壁の中間部における内周面に固定されて開口を取り囲むように周壁の径方向内方へ延びる環状のLED設置板とから形成され、複数個のLEDがLED設置板の覗き窓に対向する対向面に設置されている。
【0010】
本発明の他の一例としては、複数個のLEDがLED設置板の対向面の周り方向へ等間隔で並んでいる。
【0011】
本発明の他の一例としては、LEDから放射された光を拡散する光拡散板が連結アダプタの周壁の前端部および中間部における内周面とLED設置板の対向面とのうちの少なくとも一方に取り付けられている。
【0012】
本発明の他の一例としては、LEDから放射された光を反射する光反射板が連結アダプタの周壁の前端部および中間部における内周面とLED設置板の対向面とのうちの少なくとも一方に取り付けられている。
【0013】
本発明の他の一例としては、照明器具が、連結アダプタの周壁の後端部に着脱可能に設置されて真空装置の内部を撮影する撮像装置と、撮像装置が撮影した映像を表示する表示装置とを含む。
【0014】
本発明の他の一例としては、撮像装置がCCDイメージセンサを有するCCDカメラである。
【0015】
本発明の他の一例としては、真空装置が、真空チャンバーと真空チャンバーに連接されて真空チャンバーの内部に真空処理対象物を搬送する搬送手段を有する搬送ユニットとを備え、覗き窓が真空チャンバーと搬送ユニットとのうちの少なくとも真空チャンバーに形成され、照明器具が真空チャンバーと搬送ユニットとのうちの少なくとも真空チャンバーに形成された覗き窓に設置される。
【0016】
本発明の他の一例としては、表示装置が搬送ユニットの搬送手段の近傍に設置されている。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかる真空装置用照明器具によれば、覗き窓に連結手段を介して着脱可能に連結される連結アダプタと、連結アダプタの中央部に形成されて覗き窓をとおして真空装置の内部を視認可能な開口と、連結アダプタに設置されて覗き窓に対向する複数個のLED(発光ダイオード)とを有し、照明器具が覗き窓に設置されると、LEDから放射された光が覗き窓から真空装置の内部に進入し、その光によって真空装置の内部全体が照らされ、覗き窓から真空装置の内部を十分に視認することができ、真空装置の内部に設置される真空処理対象物を覗き窓から確実に目視することができる。
【0018】
連結アダプタが前後端部と中間部とを有して軸方向へ延びる周壁と周壁の中間部における内周面に固定されたLED設置板とを有し、複数個のLEDがLED設置板の覗き窓に対向する対向面に設置されている真空装置用照明器具は、複数個のLEDがLED設置板の対向面に設置され、それらLEDからの光がLED設置板の対向面から覗き窓に向かって放射されるから、LEDから放射された光が覗き窓から真空装置の内部に確実に進入し、その光によって真空装置の内部全体が照らされ、覗き窓から真空装置の内部を十分に視認することができ、真空装置の内部に設置される真空処理対象物を覗き窓から確実に目視することができる。
【0019】
複数個のLEDがLED設置板の対向面の周り方向へ等間隔で並んでいる真空装置用照明器具は、それらLEDからの光がLED設置板の対向面から覗き窓全体に満遍なく放射されるから、LEDから放射された光が覗き窓から真空装置の内部に確実に進入し、その光によって真空装置の内部全体が照らされ、覗き窓から真空装置の内部を十分に視認することができ、真空装置の内部に設置される真空処理対象物を覗き窓から確実に目視することができる。
【0020】
LEDから放射された光を拡散する光拡散板が連結アダプタの周壁の前端部および中間部における内周面とLED設置板の対向面とのうちの少なくとも一方に取り付けられている真空装置用照明器具は、LEDから放射された光が拡散板によって拡散され、LEDからの光が覗き窓全体に満遍なく放射されるから、LEDから放射された光が拡散しつつ覗き窓から真空装置の内部に確実に進入し、その光によって真空装置の内部全体が照らされ、覗き窓から真空装置の内部を十分に視認することができ、真空装置の内部に設置される真空処理対象物を覗き窓から確実に目視することができる。
【0021】
LEDから放射された光を反射する光反射板が連結アダプタの周壁の前端部および中間部における内周面とLED設置板の対向面とのうちの少なくとも一方に取り付けられている真空装置用照明器具は、LEDから放射された光が覗き窓によって反射されたとしても、その光が反射板によって反射して再び覗き窓に入射するから、LEDから放射された光の大部分が覗き窓から真空装置の内部に進入し、その光によって真空装置の内部全体が照らされ、覗き窓から真空装置の内部を十分に視認することができ、真空装置の内部に設置される真空処理対象物を覗き窓から確実に目視することができる。
【0022】
連結アダプタの周壁の後端部に着脱可能に設置されて真空装置の内部を撮影する撮像装置と撮像装置が撮影した映像を表示する表示装置とを含む真空装置用照明器具は、覗き窓を覗き込んで真空装置の内部の視認する必要はなく、撮像装置が撮影した映像を表示する表示装置から真空装置の内部を視認することができるから、覗き窓から離れた箇所において真空装置の操作を行わなければならない場合であっても、撮像装置と表示装置とを利用して真空装置の内部の様子を知ることができ、撮像装置と表示装置とを利用して真空装置の内部に設置される真空処理対象物を目視することができる。真空装置用照明器具は、撮像装置が連結アダプタの周壁の後端部に着脱可能であるから、撮像装置を利用せずに直接覗き窓から真空装置の内部を視認する場合、撮像装置を連結アダプタから取り外せばよく、撮像装置のみならず、覗き窓を利用して真空装置の内部を視認することができる。
【0023】
撮像装置がCCDイメージセンサを有するCCDカメラである真空装置用照明器具は、CCDカメラを利用しつつ、それが撮影した映像を表示する表示装置から真空装置の内部を視認することができるから、覗き窓から離れた箇所において真空装置の操作を行わなければならない場合であっても、CCDカメラと表示装置とを利用して真空装置の内部の様子を知ることができ、CCDカメラと表示装置とを利用して真空装置の内部に設置される真空処理対象物を目視することができる。真空装置用照明器具は、CCDカメラが連結アダプタの周壁の後端部における内周面に着脱可能であるから、CCDカメラを利用せずに直接覗き窓から真空装置の内部を視認する場合、CCDカメラをアダプタから取り外せばよく、CCDカメラのみならず、覗き窓を利用して真空装置の内部を視認することができる。
【0024】
真空装置が真空チャンバーと真空チャンバーの内部に真空処理対象物を搬送する搬送手段を有する搬送ユニットとを備え、覗き窓が真空チャンバーと搬送ユニットとのうちの少なくとも真空チャンバーに形成され、真空チャンバーと搬送ユニットとのうちの少なくとも真空チャンバーに形成された覗き窓に設置される真空装置用照明器具は、LEDから放射された光が覗き窓から真空チャンバーや搬送ユニットの内部に進入し、その光によって真空チャンバーや搬送ユニットの内部が照らされ、覗き窓や表示装置を利用して真空チャンバーや搬送ユニットの内部全体を十分に視認することができ、覗き窓や表示装置を利用して搬送ユニットから真空チャンバーに設置される真空処理対象物を確実に目視することができる。真空装置用照明器具は、搬送ユニットから真空チャンバーに真空処理対象物を搬送する場合に、真空チャンバーや搬送ユニットの内部がLEDから放射された光によって照らされるから、覗き窓や表示装置を利用して真空処理対象物を搬送ユニットから真空チャンバーの所定の箇所に確実に搬送することができる。
【0025】
表示装置が搬送ユニットの搬送手段の近傍に設置されている真空装置用照明器具は、撮像装置が撮影した映像を表示する表示装置が搬送ユニットの搬送手段の近傍に設置され、その表示装置から真空装置の内部を視認することができるから、覗き窓から離れた箇所に搬送ユニットが設置され、覗き窓から離れた箇所において真空処理対象物の搬送操作を行わなければならない場合であっても、撮像装置と表示装置とを利用して真空装置の内部の様子を知ることができ、撮像装置と表示装置とを利用して真空装置の内部に設置される真空処理対象物を目視することができる。真空装置用照明器具は、表示装置を確認しつつ搬送ユニットから真空チャンバーに真空処理対象物を搬送することができるから、表示装置を利用して真空処理対象物を搬送ユニットから真空チャンバーの所定の箇所に確実に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】一例として示す真空装置用照明器具の斜視図。
【図2】図1の2−2線断面図。
【図3】真空装置用照明器具の正面図。
【図4】図1の照明器具を覗き窓に設置した状態で示す真空装置の概念図。
【図5】図4の5−5線矢視断面図。
【図6】他の一例として示す真空装置用照明装置の斜視図。
【図7】図6の7−7線矢視断面図。
【図8】真空装置用照明器具の正面図。
【図9】図6の照明器具を覗き窓に設置した状態で示す真空装置の概念図。
【図10】図9の10−10線矢視断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
一例として示す真空装置用照明器具の斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる照明器具の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、図1の2−2線断面図であり、図3は、真空装置用照明器具10Aの正面図である。図1では、軸方向を矢印Lで示す。図3では、径方向を矢印Mで示し、周り方向を矢印Nで示す。真空装置用照明器具10Aは、後記する真空装置50の真空チャンバー51やケーシング63の内部を視認するための覗き窓60に着脱可能に取り付けられ、光をチャンバー51やケーシング63の内部に放射してチャンバー51やケーシング63の内部を照らす。
【0028】
なお、この照明器具10Aを利用可能な真空装置50としては、真空蒸着装置やスパッタリング装置、ドライエッチング装置、アッシング装置、CVD装置、イオン注入装置等の真空薄膜形成・加工装置、真空反応装置や真空蒸留装置、真空乾燥装置、真空冷却装置、真空蒸発・濃縮・晶析装置、真空含浸装置、真空注入装置、真空脱泡装置、真空発泡装置、真空乳化装置等の真空化学装置、電子検出形表面分析装置やイオン検出形表面分析装置、光検出形表面分析装置等の表面分析装置、ヘリウムリークディテクタや真空疲労試験機、真空曲げ試験機、真空引張り・圧縮試験機等の試験装置がある。
【0029】
真空装置用照明器具10Aは、真空装置50のチャンバー51やケーシング63の覗き窓60に着脱可能に連結される連結アダプタ11と、アダプタ11の中央部に形成された円形の開口12と、複数個のLED13(発光ダイオード)とを有する。連結アダプタ11は、周壁14とLED設置板15とから形成されている。周壁14は、ABS樹脂から作られ、円筒状に成型されて軸方向へ延びている。周壁14は、前端部16と前端部16の反対側に位置する後端部18と前後端部16,18の間に位置する中間部17とを有する。前端部16は、照明器具10Aを真空装置の覗き窓60に設置したときに、その覗き窓60の側に位置する部分である。
【0030】
周壁14の前端部16には、周壁14の周り方向へ180°離間対向して径方向へ貫通する2つの連結ビス螺着孔19が形成されている。連結ビス螺着孔19には、雌螺子(図示せず)が作られている。それら連結ビス螺着孔19には、雄螺子が作られた連結ビス20(連結手段)の軸が螺着されている。周壁14の中間部17には、軸方向へ延びる2つの固定ビス螺着孔21が形成されている。周壁14の前端部16と中間部17とにおける内周面には、光拡散板22が取り付けられている。光拡散板22は、アクリル樹脂やポリカーボネートにシリカや炭酸バリウム、チタン酸バリウム等の白色の微粉末を練り込んだ乳白色のプラスチック板である。光拡散板22は、そこに入射した光をその全域に拡散する。
【0031】
周壁14の後端部18における外面には、ACアダプタ22(図4参照)から延びる電線23のコネクタが着脱可能に嵌合するコネクタ嵌合端子24が作られている。ACアダプタ22は、それらLED13に直流電力を供給する。なお、図示はしていないが、周壁14の後端部18における外面には、ACアダプタ22から供給される直流電力をON/OFFするスイッチが取り付けられている。
【0032】
LED設置板15は、ABS樹脂から作られ、円環状に成型されている。LED設置板15は、開口12を取り囲むように周壁14の径方向内方へ延びている。LED設置板15は、固定ビス孔21に螺着された複数個の固定ビス25を介して周壁14の中間部17の内周面に取り付けられている。LED設置板15の対向面には、LED13から放射された光を反射する光反射板26が取り付けられている。ここで、LED設置板15の対向面とは、照明器具10Aを真空装置の覗き窓60に設置したときに、その覗き窓60に対向する面である。光反射板26には、PET樹脂から作られた超微細発泡光反射板が使用されている。光反射板26は、そこに入射した光を96%拡散反射する。光反射板26には、アルミニウム箔を蒸着した蒸着板や鏡面加工を施した金属板を使用することもできる。
【0033】
開口12は、連結アダプタ11の中央部においてアダプタ11を軸方向へ貫通している。それらLED13は、LED設置板15の対向面に設置され、設置板15の対向面において周り方向へ等間隔で並んでいる。図3では、12個のLED13がLED設置板15の対向面に設置されているが、LED13の個数を図示のそれに限定するものではなく、LED13の出力やサイズ、照度等の各種条件に応じて任意の数のLED13を設置板15に設置することができる。
【0034】
図4は、真空装置用照明器具10Aを覗き窓60に設置した状態で示す真空装置50の概念図であり、図5は、図4の5−5線矢視断面図である。図4では、真空装置50を構成する各種センサや分析計、電気炉、コントローラ等の各構成機器の図示を省略している。なお、図4の真空装置50は一例であり、真空装置を図示例のそれに限定するものではなく、上述したように、各種の真空薄膜形成・加工装置や各種の真空化学装置、各種の表面分析装置、各種の試験装置の覗き窓60に照明装置10Aを設置することができる。
【0035】
この真空装置50は、真空チャンバー51、搬送ユニット52、真空バルブ53,54、真空ポンプ55,56を有する。真空チャンバー51は、四角柱状に成型された金属製の箱であり、略矩形の6つの壁が直角に交差する六面体である。真空チャンバー51は、その内部に所定形状の真空処理対象物57を格納可能である。真空チャンバー51では、その中央部に設置されたステージ58(設置箇所)に真空処理対象物57が載置される。
【0036】
真空チャンバー51の壁には、真空バルブ53と真空ポンプ55とが連結されている。真空バルブ53と真空ポンプ55とは、真空管路59を介してつながっている。真空管路59には、図示なしていないが、真空計が設置されている。真空チャンバー51の2つの壁には、チャンバー51の内部を覗くことが可能な覗き窓60が設置されている。それら覗き窓60は、図5に示すように、真空チャンバー51の壁から延出する円筒状の周壁61と、周壁61に固定された円形のガラス62とから作られている。周壁61は、チャンバー51と同様の金属から作られている。ガラス62には、強化ガラスや耐熱ガラスが使用されている。
【0037】
搬送ユニット52は、ケーシング63と、一方向へ長い搬送棒64と、搬送棒64を着脱可能な搬送管路65と、搬送管路65の外周面に配置された誘導マグネット66とから形成されている。ケーシング63は、四角柱状に成型された金属製の箱であり、略矩形の6つの壁が直角に交差する六面体である。ケーシング63の2つの壁には、ケーシング63の内部を覗くことが可能な覗き窓60が設置されている。それら覗き窓60は、ケーシング63の壁から延出する円筒状の周壁61と、周壁61に固定された円形のガラス62とから作られている(図5参照)。
【0038】
ケーシング63は、連結管路67を介して真空チャンバー51に連結されている。連結管路67の中央部には、開閉可能なゲートバルブ68が設置されている。ケーシング63の壁の1つには、真空バルブ54と真空ポンプ56とが連結されている。真空バルブ54と真空ポンプ56とは、真空管路69を介してつながっている。真空管路69には、図示なしていないが、真空計が設置されている。ケーシング63の壁の1つには、搬送管路65が連結されている。
【0039】
搬送棒64は、図4に矢印Pで示すように、搬送管路65の内部を一方向へ移動可能である。搬送棒64の一方の端部には、真空処理対象物57を着脱可能に支持する支持部材71が取り付けられている。搬送棒64の他方の端部には、誘導マグネット66と引き合うマグネット70が取り付けられている。搬送管路65の後端部には、図示はしていないが、開閉可能なハッチが取り付けられている。搬送棒64は、搬送管路65を通り、ケーシング63の内部から真空チャンバー51の内部に達する。マグネット66は、搬送管路65の外周面を摺動しつつ、搬送管路65の外周面を一方向へ移動可能かつ搬送管路65の外周面を周り方向へ移動可能である。搬送ユニット52は、搬送棒64を利用して真空処理対象物57をケーシング63の内部から真空チャンバー51の中央部に搬送し、真空処理対象物57をチャンバー51のステージ58に搬送する。
【0040】
照明器具10Aを真空装置50のチャンバー51やケーシング63の覗き窓60に設置する手順は、以下のとおりである。照明器具10Aの連結アダプタ11の前端部16に螺着された連結ビス20を反時計回りに回転させ、ビス20の軸の先端を連結ビス螺着孔19にまで引っ込める。次に、連結アダプタ11の前端部16を覗き窓60の周壁61の外側に嵌め込み、アダプタ11を覗き窓60の周壁61にセットする。なお、連結アダプタ11の前端部16の内周縁はその半径が覗き窓60の周壁61の外周縁のそれよりもわずかに大きく、アダプタ11の前端部16を覗き窓60の周壁61に嵌め込むと、アダプタ11の前端部16の内周面が覗き窓60の周壁61の外周面を取り囲む。連結アダプタ11を覗き窓60の周壁61にセットした後、連結ビス20を時計回りに回転させ、ビス20の軸の先端で覗き窓60の周壁61の外周面を押圧させ、アダプタ11を覗き窓60の周壁61に固定する。
【0041】
連結ビス20を介して連結アダプタ11(照明装置10A)を覗き窓60の周壁61に固定した後、スイッチをONにする。スイッチをONにすると、ACアダプタ22から直流電力がそれらLED13に供給され、LED13から光が放射される。LED13から放射された光のうち、覗き窓60のガラス62に直接入射された光は、ガラス62を透過して覗き窓から真空チャンバー51の内部に進入する。LED13から放射された光のうち、光拡散板22に入射した光は、拡散板22によって拡散しつつ、覗き窓60のガラス62に進入し、ガラス62を透過して覗き窓から真空チャンバー51の内部に進入する。なお、ガラス62において反射した光は、光反射板26によって反射して再びガラス62に進入し、ガラス62を透過して覗き窓60から真空チャンバー51の内部に進入する。
【0042】
真空チャンバー51の内部は、LED13から放射された光によって照らされて明るくなる。同様の手順で照明器具10Aをケーシング63の覗き窓60に設置した場合、ケーシング63の内部がLED13から放射された光によって照らされて明るくなる。なお、照明装置10Aをチャンバー51の覗き窓60やケーシング63の覗き窓60に設置しない場合は、外部の光が覗き窓60から真空チャンバー51の内部やケーシング63の内部に入り難く、チャンバー51やケーシング63の内部が薄暗いため、チャンバー51やケーシング63の内部の様子をはっきりと目視することができない。
【0043】
照明器具10Aを利用しつつ、搬送ユニット52によって真空処理対象物57を真空チャンバー51の中央部へ搬送する手順の一例を説明すると、以下のとおりである。最初に、管路69の真空バルブ54が閉じ、ケーシング63や搬送管路65に窒素ガスが注入され、ケーシング63や搬送管路65の内部が大気圧にされる。このとき、ゲートバルブ68は閉状態にあり、真空チャンバー51に連結された真空ポンプ55は稼動状態にある。真空チャンバー51の内部や真空管路59における真空度は、ポンプによって1×10−7〜1×10−10paの範囲に保持されている。
【0044】
ケーシング63や搬送管路65の内部が大気圧に戻った後、搬送棒64の支持部材71に真空処理対象物57を支持させ、搬送管路65のハッチを開けて搬送棒64を搬送管路65の内部に設置する。このとき、支持部材71はゲートバルブ68に対向する。真空処理対象物57を取り付けた搬送棒64を搬送管路65の内部に設置した後、ハッチを閉めて搬送管路65を密閉する。搬送管路65を密閉した後、真空管路69の真空バルブ54が開かれ、真空ポンプ56を介して窒素ガスがケーシング63や搬送管路65から外部に排出される。ケーシング63や搬送管路65の内部が所定の真空度に達した後、ゲートバルブ68が開かれる。ゲートバルブ68が開かれると、LED13から放射された光が真空チャンバー51を通ってケーシング63に達し、ケーシング63の内部がLED13から放射された光によって照らされて明るくなる。
【0045】
ケーシング63に設置された覗き窓60を覗き込むことによって、搬送棒64の支持部材71に支持された真空処理対象物57の状態を確認することができる。なお、ケーシング63の内部に複数個の真空処理対象物57がストックされている場合、ケーシング63に設置された覗き窓60を覗き込むことによって、それら測定対象物57から所望の対象物57を確認することができ、所望の対象物57を搬送棒64の支持部材71に支持させることができる。
【0046】
次に、誘導マグネット66を真空チャンバー51に向かって搬送管路65の外周面を一方向へ移動させる。搬送棒64のマグネット70の磁力と誘導マグネット66の磁力とが作用し、マグネット66,70どうしが引き合うことで搬送棒64がゲートバルブ68に向かって一方向へ移動する。誘導マグネット66を真空チャンバー51に向かってさらに一方向へ移動させると、搬送棒64の支持部材71に支持された真空処理対象物57がゲートバルブ68を通過してチャンバー51の中央部に向かって移動し、真空処理対象物57がチャンバー51のステージ58に達する。真空処理対象物57の真空チャンバー51の内部における移動の様子や真空処理対象物57がチャンバー51のステージ58に達した状態は、覗く窓60を覗き込むことによって確認することができる。
【0047】
真空処理対象物57が真空チャンバー51のステージ58に達した後、誘導マグネット66を搬送管路65の周り方向へ移動させ、搬送棒64を回転させる。搬送棒64を回転させると、支持部材71が回転し、真空処理対象物57がチャンバー51の下方に向く。この状態で支持部材71の支持が解除され、真空処理対象物57がチャンバー51のステージ58の上に載置される。真空処理対象物57を真空チャンバー51のステージ58に載置した後、誘導マグネット66をチャンバー51から離間する方向へ移動させ、搬送棒64をチャンバー51から抜き取る。搬送棒64をチャンバー51から抜き取ると、ゲートバルブ68が閉じられる。
【0048】
真空装置用照明器具10Aは、それを覗き窓60に設置することで、それらLED13からの光がLED設置板15の対向面から覗き窓60に向かって放射されるから、LED13から放射された光が覗き窓60から真空チャンバー51やケーシング63の内部に進入し、その光によってチャンバー51やケーシング63の内部全体が照らされ、覗き窓60からチャンバー51やケーシング63の内部を視認することができ、チャンバー51の内部に設置される真空処理対象物57を覗き窓60から目視することができる。
【0049】
真空装置用照明器具10Aは、複数個のLED13がLED設置板15の対向面の周り方向へ等間隔で並んでいるから、それらLED13からの光がLED設置板15の対向面から覗き窓60全体に満遍なく放射される。また、LED13から放射された光を拡散する光拡散板22が連結アダプタ11の周壁14の前端部16と中間部17とにおける内周面に取り付けられているから、LED13から放射された光が拡散板22によって拡散され、LED13からの光が覗き窓60全体に満遍なく放射される。さらに、LED13から放射された光を反射する光反射板26がLED設置板15の対向面に取り付けられているから、LED13から放射された光が覗き窓60のガラス62によって反射されたとしても、その光が反射板26によって反射して再び覗き窓60に入射する。したがって、照明器具10Aは、LED13からの光が効率よく覗き窓からチャンバー51やケーシング63の内部に進入し、LED13からの光によって覗き窓60からチャンバー51やケーシング63の内部を十分に視認することができ、チャンバー51やケーシング63の内部に設置される真空処理対象物57を覗き窓60から確実に目視することができる。
【0050】
図6は、他の一例として示す真空装置用照明装置10Bの斜視図であり、図7は、図6の7−7線矢視断面図である。図8は、真空装置用照明器具10Bの正面図であり、図9は、真空装置用照明器具10Bを覗き窓60に設置した状態で示す真空装置50の概念図である。図10は、図9の10−10線矢視断面図である。図6では、軸方向を矢印Lで示す。図8では、径方向を矢印Mで示し、周り方向を矢印Nで示す。
【0051】
この照明装置10Bが図1のそれと異なるところは、アダプタ11に着脱可能に設置されるCCDカメラ27(撮像装置)とカラー液晶ディスプレイ28(表示装置)とを有する点にあり、その他の構成は図1の照明器具10Aと同一であるから、図1と同一の符号を付すことで、この照明器具10Bのその他の構成の詳細な説明は省略する。
【0052】
真空装置用照明器具10Bは、真空装置50のチャンバー51やケーシング63の内部を視認するための覗き窓60に取り付けられ、真空装置50のチャンバー51やケーシング63の内部を照らすとともに、CCDカメラ27を利用して真空装置50のチャンバー51やケーシング63の内部を撮影する。照明器具10Bは、連結アダプタ111と、アダプタ11の中央部に形成された円形の開口12と、複数個のLED13と、CCDカメラ27およびディスプレイ28とを有する。
【0053】
連結アダプタ11は、周壁14とカメラ固定リング29とLED設置板15とから形成されている。周壁14は、ABS樹脂から作られ、円筒状に成型されて軸方向へ延びている。周壁14は、前後端部16,18と中間部17とを有する。周壁14では、その前端部16に2つの連結ビス螺着孔19が形成され、それら連結ビス螺着孔19に連結ビス20(連結手段)の軸が螺着されている。周壁14の前端部16と中間部17とにおける内周面には、光拡散板22が取り付けられている。
【0054】
周壁14の後端部18における外面には、コネクタ嵌合端子24が作られ、ON/OFFするスイッチ(図示せず)が取り付けられている。カメラ固定リング29は、ABS樹脂から作られ、円筒状に成型されている。カメラ固定リング29には、それをアダプタ11に固定するための軸方向へ貫通する固定螺子螺着孔30と、CCDカメラ28を固定するための径方向へ貫通する固定螺子螺着孔31とが形成されている。それら固定螺子螺着孔30,31には、雌螺子(図示せず)が作られている。カメラ固定リング29は、螺子螺着孔30に螺着された固定螺子32を介して周壁14の後端部18に固定されている。
【0055】
LED設置板15は、ABS樹脂から作られ、円環状に成型されている。LED設置板15は、開口12を取り囲むように周壁14の径方向内方へ延びており、周壁14の中間部17の内周面に取り付けられている。LED設置板15の対向面には、光反射板26が取り付けられている。開口12は、連結アダプタ11の中央部においてアダプタ11を軸方向へ貫通している。
【0056】
CCDカメラ27は、そのレンズ(図示せず)がアダプタ11の前端部16に向かうように、アダプタ11の後端部18に設置され、螺子螺着孔31に螺着された固定螺子33を介してカメラ固定リング29に固定されている。ディスプレイ28は、CCDカメラ27にインターフェイス34を介して接続され、図8に示すように、搬送ユニット52の搬送管路65(搬送手段)の近傍に設置されている。ディスプレイ28は、CCDカメラ27が撮影した真空装置50のチャンバー51やケーシング63の内部の映像を表示する。
【0057】
連結アダプタ11にCCDカメラ27を設置する手順は、以下のとおりである。カメラ固定リング29の固定螺子螺着孔31に螺着された固定螺子33を反時計回りに回転させ、螺子33の軸の先端を固定リング29内に引っ込める。次に、CCDカメラ27のレンズ側の先端部を固定リング29内に挿入し、カメラ27を連結アダプタ11にセットする。なお、カメラ固定リング29の内周縁やアダプタ11の前端部16の内周縁はその半径がCCDカメラ27の外周縁のそれよりもわずかに大きく、カメラ27の前端部をリング29とアダプタ11とに嵌め込むと、リング29の内周面とアダプタ11の後端部18の内周面とがカメラ27の外周面を取り囲む。CCDカメラ27を連結アダプタ11にセットした後、固定螺子33を時計回りに回転させ、螺子33の軸の先端でカメラ27の外周面を押圧させ、カメラ27をアダプタ11に固定する。
【0058】
真空装置50の構成は、図5のそれと同一である。また、照明器具10Bを真空装置50のチャンバー51やケーシング63の覗き窓60に設置する手順は、図5のそれと同一であるから、図5の説明を援用することで、その説明は省略する。照明装置10Bを覗き窓60の周壁61に固定した後、照明装置10BのスイッチをONにするとともに、CCDカメラ27やディスプレイ28のスイッチをONにする。スイッチをONにすると、ACアダプタ22から直流電力がそれらLED13に供給され、LED13から光が放射される。
【0059】
LED13から放射された光のうち、覗き窓60のガラス62に直接入射された光は、ガラス62を透過して覗き窓60から真空チャンバー51に進入する。LED13から放射された光のうち、光拡散板22に入射した光は、拡散板22によって拡散しつつ、覗き窓60のガラス62に進入し、ガラス62を透過して覗き窓60から真空チャンバー51に進入する。なお、ガラス62において反射した光は、光反射板26によって反射して再びガラス62に進入し、ガラス62を透過して覗き窓60から真空チャンバー51に進入する。
【0060】
真空チャンバー51の内部は、LED13から放射された光によって照らされて明るくなる。真空チャンバー51の内部の様子は、CCDカメラ27によって撮影され、ディスプレイ28に表示される。照明器具10Bをケーシング63の覗き窓60に設置した場合、ケーシング63の内部がLED13から放射された光によって照らされて明るくなる。ケーシング63の内部の様子は、CCDカメラ27によって撮影され、ディスプレイ28に表示される。なお、照明装置10Bをチャンバー51の覗き窓60やケーシング63の覗き窓60に設置しない場合は、外部の光が覗き窓60から真空チャンバー51の内部やケーシング63の内部に入り難く、チャンバー51やケーシング63の内部が薄暗いため、チャンバー51やケーシング63の内部の様子をはっきりと撮影することができない。
【0061】
この真空装置50では、LED13やCCDカメラ27、ディスプレイ28を利用しつつ、搬送ユニット52によって真空処理対象物57を真空チャンバー51のステージ58に搬送する。CCDカメラ27が撮影した映像をディスプレイ28を介して確認しつつ、搬送作業を行う。真空処理対象物57を真空チャンバー51のステージ58に搬送する手順は、図5のそれと同一であるから、図5の説明を援用することで、その説明は省略する。
【0062】
この真空装置用照明器具10Bは、図1のそれが有する効果に加え、以下の効果を有する。照明装置10Bは、覗き窓60を覗き込んで真空装置50の真空チャンバー51やケーシング63の内部の視認する必要はなく、CCDカメラ27を利用しつつ、それが撮影した映像を表示するディスプレイ28から真空装置50の真空チャンバー51やケーシング63の内部を視認することができるから、覗き窓60から離れた箇所において真空装置50の操作を行わなければならない場合であっても、CCDカメラ27と表示装置28とを利用して真空チャンバー51やケーシング63の内部の様子を知ることができ、CCDカメラ27と表示装置28とを利用して真空チャンバー51の内部に設置される真空処理対象物57を目視することができる。
【0063】
真空装置用照明器具10Bは、CCDカメラ27がカメラ固定リング29を介して連結アダプタ11の周壁14の後端部18に着脱可能であるから、CCDカメラ27を利用せずに直接覗き窓60から真空装置50の真空チャンバー51やケーシング63の内部を視認する場合、CCDカメラ27をアダプタ11から取り外せばよく、CCDカメラ27のみならず、覗き窓60を利用して真空チャンバー51やケーシング63の内部を視認することができる。真空装置用照明器具10Bは、搬送ユニット52から真空チャンバー51に真空処理対象物57を搬送する場合に、真空チャンバー51や搬送ユニット52の内部がLED13から放射された光によって照らされるから、覗き窓60やディスプレイ28を利用して真空処理対象物57を搬送ユニット52から真空チャンバー51のステージ58に確実に搬送することができる。
【0064】
それら図示の照明器具10A,10Bでは、周壁14の前端部16と中間部17とにおける内周面に光拡散板22が取り付けられ、LED設置板15の対向面に光反射板26が取り付けられているが、それら面に光拡散板22や光反射板26が取り付けられていなくてもよい。また、周壁14の前端部16と中間部17とにおける内周面に光反射板26が取り付けられ、LED設置板15の対向面に光拡散板22が取り付けられていてもよい。照明器具10A,10Bでは、周壁14の前端部16と中間部17とにおける内周面に光拡散板22が取り付けられ、LED設置板15の対向面に光拡散板22が取り付けられていてもよい。また、周壁14の前端部16と中間部17とにおける内周面に光反射板26が取り付けられ、LED設置板15の対向面に光反射板26が取り付けられていてもよい。
【符号の説明】
【0065】
10A 真空装置用照明器具
10B 真空装置用照明器具
11 連結アダプタ
12 開口
13 LED(発光ダイオード)
14 周壁
15 LED設置板
16 前端部
17 中間部
18 後端部
22 光拡散板
26 光反射板
27 CCDカメラ(撮像装置)
28 ディスプレイ(表示装置)
50 真空装置
51 真空チャンバー
52 搬送ユニット
60 覗き窓


【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空装置の内部を視認するための覗き窓に取り付けられ、前記真空装置の内部を照らす真空装置用照明器具において、
前記照明器具が、前記覗き窓に連結手段を介して着脱可能に連結される連結アダプタと、前記連結アダプタの中央部に形成されて前記覗き窓をとおして前記真空装置の内部を視認可能な開口と、前記連結アダプタに設置されて前記覗き窓に対向する複数個のLED(発光ダイオード)とを有することを特徴とする真空装置用照明器具。
【請求項2】
前記連結アダプタが、前記覗き窓の側に位置する前端部と前記前端部の反対側に位置する後端部と前記前後端部の間に位置する中間部とを有して軸方向へ延びる周壁と、前記周壁の中間部における内周面に固定されて前記開口を取り囲むように該周壁の径方向内方へ延びる環状のLED設置板とから形成され、前記複数個のLEDが、前記LED設置板の前記覗き窓に対向する対向面に設置されている請求項1記載の真空装置用照明器具。
【請求項3】
前記複数個のLEDが、前記LED設置板の対向面の周り方向へ等間隔で並んでいる請求項2記載の真空装置用照明器具。
【請求項4】
前記LEDから放射された光を拡散する光拡散板が、前記連結アダプタの周壁の前端部および中間部における内周面と前記LED設置板の対向面とのうちの少なくとも一方に取り付けられている請求項2または請求項3に記載の真空装置用照明器具。
【請求項5】
前記LEDから放射された光を反射する光反射板が、前記連結アダプタの周壁の前端部および中間部における内周面と前記LED設置板の対向面とのうちの少なくとも一方に取り付けられている請求項2または請求項3に記載の真空装置用照明器具。
【請求項6】
前記照明器具が、前記連結アダプタの周壁の後端部に着脱可能に設置されて前記真空装置の内部を撮影する撮像装置と、前記撮像装置が撮影した映像を表示する表示装置とを含む請求項1ないし請求項5いずれかに記載の真空装置用照明器具。
【請求項7】
前記撮像装置が、CCDイメージセンサを有するCCDカメラである請求項6記載の真空装置用照明器具。
【請求項8】
前記真空装置が、真空チャンバーと、前記真空チャンバーに連接されて該真空チャンバーの内部に真空処理対象物を搬送する搬送手段を有する搬送ユニットとを備え、前記覗き窓が、前記真空チャンバーと前記搬送ユニットとのうちの少なくとも該真空チャンバーに形成され、前記照明器具が、前記真空チャンバーと前記搬送ユニットとのうちの少なくとも該真空チャンバーに形成された覗き窓に設置される請求項1ないし請求項7いずれかに記載の真空装置用照明器具。
【請求項9】
前記表示装置が、前記搬送ユニットの搬送手段の近傍に設置されている請求項8記載の真空装置用照明器具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−59538(P2012−59538A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201568(P2010−201568)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(507228312)株式会社 エイブイシー (5)
【Fターム(参考)】