説明

眼球組織に切開部を形成する装置と方法

【課題】眼球組織に切開部を形成する装置と方法を提供する。
【解決手段】外科器具が、切開部形成のために運動するように構成された外科用刃を含んでいる。外科器具は、また外科用刃を運動させるように構成されたワイヤを含んでいる。外科器具は、更に、外科用刃を運動させるためワイヤの長さを短縮するように構成されたアクチュエータを含んでいる。外科器具は、ワイヤの単一回の短縮に応じて、外科用刃を、第1方向に次いで第2方向に運動させるように構成できよう。また、前記ワイヤは第1ワイヤ610として構成し、外科器具が第2ワイヤ620を含むようにして、外科用刃を、第1ワイヤの短縮に応じて第1方向へ、第2ワイヤの短縮に応じて第2方向へ運動させるように、外科器具を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは外科器具に係わり、より具体的には眼球組織に切開部を形成する器具及び方法に関するものである。
本出願は、特許文献1〜特許文献25に記載の米国特許出願及び交付済み米国特許に関係するものである。
該米国特許及び特許出願は、ここに引用することで本明細書に取り入れられるものである。
【背景技術】
【0002】
幾つかの視力上の問題を低減又は矯正するために、患者の眼球に種々の外科処置を施すことができる。例えば、老視、近視、遠視、眼内圧上昇、眼球緊張亢進症(ocular hypertension)、緑内障の治療のさい、しばしば外科処置が行われる。特殊な例としては、患者の眼球の強膜組織内に強膜プロテーゼを埋め込むことにより、しばしば老視の治療が可能である。個別の強膜プロテーゼ毎に、眼球の強膜に切開を施すことができる。次いで、切開部が強膜表面下に拡張され、強膜「トンネル」が形成され、該トンネル内に強膜プロテーゼを埋め込むことができる。患者の眼球内に単数又は複数の強膜プロテーゼを埋め込むことにより、老視の一部又は全部を除去することができる。これと同じ又は類似の技術は、緑内障、眼球緊張亢進症、眼内圧上昇、その他の眼球異常の治療にも使用できる。この技術は、引用により本明細書に取り入れられた米国特許及び特許出願に、より詳しく説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,007,578号公報
【特許文献2】米国特許第6,280,468号公報
【特許文献3】米国特許第6,299,640号公報
【特許文献4】米国特許第5,354,331号公報
【特許文献5】米国特許第5,465,737号公報
【特許文献6】米国特許第5,489,299号公報
【特許文献7】米国特許第5,503,165号公報
【特許文献8】米国特許第5,529,076号公報
【特許文献9】米国特許第5,722,952号公報
【特許文献10】米国特許第6,197,056号公報
【特許文献11】米国特許第6,579,316号公報
【特許文献12】米国特許第6,926,727号公報
【特許文献13】米国特許第6,991,650号公報
【特許文献14】米国特許出願公開第10/080,877号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開第10/443,122号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第11/137,085号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開第11/199,591号明細書
【特許文献18】米国特許出願公開第11/252,369号明細書
【特許文献19】米国特許出願公開第11/323,283号明細書
【特許文献20】米国特許出願公開第11/323,284号明細書
【特許文献21】米国特許出願公開第11/322,728号明細書
【特許文献22】米国特許出願公開第11/323,752号明細書
【特許文献23】米国特許仮出願第60/819,995号明細書
【特許文献24】米国特許出願公開第11/827,444号明細書
【特許文献25】米国特許出願公開第11/827,382号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、眼球組織に切開部を形成する装置と方法を提供する。
【0005】
第1実施例の場合、外科器具は、切開部形成のための運動を行うように構成された外科用刃を含んでいる。外科器具は、また外科用刃に運動を生じさせるように構成されたワイヤを含んでいる。外科器具は、更に、外科用刃に運動を生じさせるワイヤの長さを短縮するように構成されたアクチュエータを含んでいる。
【0006】
複数の特定実施例の場合、アクチュエータは、ワイヤに電流を印加することによりワイヤ長さを短縮するように構成されている。ワイヤは、例えばフレキシブルなニチノールを含むことができよう。
【0007】
別の複数特定実施例の場合、外科器具は、外科用刃が、ワイヤの単1回の短縮に応じて、第1方向に運動した後、第2方向に運動するように構成されている。
【0008】
更に別の特定実施例の場合、前記ワイヤが第1ワイヤであり、外科器具が、また外科用刃を運動させる第2ワイヤに結合されたプレートを含んでいる。外科器具は、更に第1ワイヤの短縮に応じて回転するように構成されたロコモーティヴ・ホイールと、該ホイール及びプレートに結合されたロコモーティヴ・アームとを含んでいる。ロコモーティヴ・ホイールの回転により、ロコモーティヴ・アームが第2ワイヤの運動を生じさせる。
【0009】
別の複数特定実施例の場合、前記ワイヤが第1ワイヤであり、外科器具が、また第2ワイヤを含んでいる。外科器具は、外科用刃を、第1ワイヤの短縮に応じて第1方向へ運動させ、第2ワイヤの短縮に応じて第2方向へ運動させるように構成されている。
【0010】
更に別の複数特定実施例の場合、外科器具は、外科用刃と第1及び第2のコネクタとを運動させるように構成された第3ワイヤを含んでいる。第1コネクタは、第1ワイヤを第3ワイヤに結合しており、これにより、第1ワイヤの短縮によって外科用刃が第1方向へ運動する。第2コネクタは、第2ワイヤを第3ワイヤに結合しており、これにより、第2ワイヤの短縮によって外科用刃は第2方向へ運動する。
【0011】
別の複数特定実施例の場合、外科器具は、また外科用刃を運動させるように構成された第3ワイヤを含んでいる。外科器具は、更に揺れ腕を含み、該揺れ腕が、第3ワイヤに結合され、かつ回転するように構成されている。加えて、外科器具は、第1と第2のバネクリップを含んでいる。第1バネクリップは第1ワイヤ及び揺れ腕に結合され、それにより第1ワイヤの短縮によって揺れ腕が時計回りに揺動する。第2バネクリップは第2ワイヤ及び揺れ腕に結合され、それにより第2ワイヤの短縮によって揺れ腕が逆時計回りに揺動する。
【0012】
複数追加実施例の場合、外科器具は、また外科用刃を運動させるように構成された第3ワイヤを含んでいる。外科器具は、更に揺れ腕を含み、該揺れ腕が、第1及び第3のワイヤに結合され、かつ揺動するように構成され、第1ワイヤの短縮によって揺れ腕が時計回りに揺動する。加えて、外科器具は、第2ワイヤ及び揺れ腕に結合されたバネクリップを含み、これにより第2ワイヤの短縮によって揺れ腕が逆時計回りに揺動する。
【0013】
第2実施例による方法の場合、ワイヤの加熱により外科器具内でワイヤ長さを短縮する段階が含まれている。該方法は、ワイヤの短縮に基づき外科用刃を運動させる段階を含んでいる。
【0014】
第3実施例の場合、外科器具は、切開部を形成する運動を行うように構成された外科用刃と、外科用刃を運動させるように構成されたワイヤとを含んでいる。外科器具は、またワイヤが巻き掛けられた中心軸と、各々第1及び第2の方向に中心軸を回転させるように構成された第1及び第2のバネとを含んでいる。外科器具は、更に、各々第1及び第2のバネを固定又は解除するように構成された第1及び第2のラッチ含んでいる。外科器具は、またスイッチ組み立て体を含み、該スイッチ組み立て体は、第1ラッチが第1バネを解除することで、中心軸を第1方向へ回転させるように構成され、他方、第2ラッチが第2バネを解除することで、中心軸を第2方向に回転させるように構成されている。加えて、外科器具はプランジャを含み、該プランジャが、ラッチの少なくとも一方によりバネの少なくとも一方を再固定位置へ戻すように構成されている。
【0015】
複数の特定実施例の場合、外科器具は第1及び第2の機械式アームを含み、該アームが、プランジャに結合され、かつ第1及び第2のラッチにより第1及び第2のバネを再固定位置へ戻すように構成されている。
【0016】
このほかの技術的な特徴は、当業者には、以下の図説明および特許請求の範囲
により容易に明らかとなろう。
本発明の、より完全な理解に資するために、以下で添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】本発明による切開部形成用外科器具の第1実施例を示す図。(実施例1)
【図1B】本発明による切開部形成用外科器具の第1実施例を示す図。(実施例1)
【図1C】本発明による切開部形成用外科器具の第1実施例を示す図。(実施例1)
【図1D】本発明による切開部形成用外科器具の第1実施例を示す図。(実施例1)
【図2A】本発明による切開部形成用外科器具の第2実施例を示す図。(実施例2)
【図2B】本発明による切開部形成用外科器具の第2実施例を示す図。(実施例2)
【図2C】本発明による切開部形成用外科器具の第2実施例を示す図。(実施例2)
【図3A】本発明による切開部形成用外科器具の第3実施例を示す図。(実施例3)
【図3B】本発明による切開部形成用外科器具の第3実施例を示す図。(実施例3)
【図3C】本発明による切開部形成用外科器具の第3実施例を示す図。(実施例3)
【図4A】本発明による切開部形成用外科器具の第4実施例を示す図。(実施例4)
【図4B】本発明による切開部形成用外科器具の第4実施例を示す図。(実施例4)
【図4C】本発明による切開部形成用外科器具の第4実施例を示す図。(実施例4)
【図4D】本発明による切開部形成用外科器具の第4実施例を示す図。(実施例4)
【図4E】本発明による切開部形成用外科器具の第4実施例を示す図。(実施例4)
【図4F】本発明による切開部形成用外科器具の第4実施例を示す図。(実施例4)
【図4G】本発明による切開部形成用外科器具の第4実施例を示す図。(実施例4)
【図4H】本発明による切開部形成用外科器具の第4実施例を示す図。(実施例4)
【図4I】本発明による切開部形成用外科器具の第4実施例を示す図。(実施例4)
【図5A】本発明による切開部形成用外科器具の第5実施例を示す図。(実施例5)
【図5B】本発明による切開部形成用外科器具の第5実施例を示す図。(実施例5)
【図5C】本発明による切開部形成用外科器具の第5実施例を示す図。(実施例5)
【図5D】本発明による切開部形成用外科器具の第5実施例を示す図。(実施例5)
【図5E】本発明による切開部形成用外科器具の第5実施例を示す図。(実施例5)
【図5F】本発明による切開部形成用外科器具の第5実施例を示す図。(実施例5)
【図5G】本発明による切開部形成用外科器具の第5実施例を示す図。(実施例5)
【図5H】本発明による切開部形成用外科器具の第5実施例を示す図。(実施例5)
【図5I】本発明による切開部形成用外科器具の第5実施例を示す図。(実施例5)
【図5J】本発明による切開部形成用外科器具の第5実施例を示す図。(実施例5)
【図5K】本発明による切開部形成用外科器具の第5実施例を示す図。(実施例5)
【図5L】本発明による切開部形成用外科器具の第5実施例を示す図。(実施例5)
【図5M】本発明による切開部形成用外科器具の第5実施例を示す図。(実施例5)
【図5N】本発明による切開部形成用外科器具の第5実施例を示す図。(実施例5)
【図5O】本発明による切開部形成用外科器具の第5実施例を示す図。(実施例5)
【図5P】本発明による切開部形成用外科器具の第5実施例を示す図。(実施例5)
【図5Q】本発明による切開部形成用外科器具の第5実施例を示す図。(実施例5)
【図6A】本発明による切開部形成用外科器具の第6実施例を示す図。(実施例6)
【図6B】本発明による切開部形成用外科器具の第6実施例を示す図。(実施例6)
【図6C】本発明による切開部形成用外科器具の第6実施例を示す図。(実施例6)
【図6D】本発明による切開部形成用外科器具の第6実施例を示す図。(実施例6)
【図6E】本発明による切開部形成用外科器具の第6実施例を示す図。(実施例6)
【図7A】本発明による切開部形成用外科器具の第7実施例を示す図。(実施例7)
【図7B】本発明による切開部形成用外科器具の第7実施例を示す図。(実施例7)
【図7C】本発明による切開部形成用外科器具の第7実施例を示す図。(実施例7)
【図7D】本発明による切開部形成用外科器具の第7実施例を示す図。(実施例7)
【図7E】本発明による切開部形成用外科器具の第7実施例を示す図。(実施例7)
【図7F】本発明による切開部形成用外科器具の第7実施例を示す図。(実施例7)
【図7G】本発明による切開部形成用外科器具の第7実施例を示す図。(実施例7)
【図7H】本発明による切開部形成用外科器具の第7実施例を示す図。(実施例7)
【0018】
【図8A】本発明による切開部形成用外科器具の第8実施例を示す図。(実施例8)
【図8B】本発明による切開部形成用外科器具の第8実施例を示す図。(実施例8)
【図8C】本発明による切開部形成用外科器具の第8実施例を示す図。(実施例8)
【図8D】本発明による切開部形成用外科器具の第8実施例を示す図。(実施例8)
【図9A】本発明による切開部形成用外科器具と共に使用する眼用プロテーゼを有する外科用刃組み立て体の一実施例を示す図。(実施例9)
【図9B】本発明による切開部形成用外科器具と共に使用する眼用プロテーゼを有する外科用刃組み立て体の一実施例を示す図。(実施例9)
【図9C】本発明による切開部形成用外科器具と共に使用する眼用プロテーゼを有する外科用刃組み立て体の一実施例を示す図。(実施例9)
【図9D】本発明による切開部形成用外科器具と共に使用する眼用プロテーゼを有する外科用刃組み立て体の一実施例を示す図。(実施例9)
【図10A】本発明により切開部を形成する方法の実施例を示す図。(実施例10)
【図10B】本発明により切開部を形成する方法の実施例を示す図。(実施例10)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下で説明する図1A〜図10Bと、本明細書に記載された発明の原理を説明するするの使用される種々の実施例は、単に説明目的のものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。当業者には理解されようが、本発明の原理は、どのような種類の適切に構成された器具又はシステムによっても実現可能である。
【実施例1】
【0020】
図1A〜図1Dには、本発明による切開部形成用外科器具の第1実施例が示されている。図1A〜図1Dに示した外科器具の実施例100は、単に説明目的のものに過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく他の実施例も可能である。
図1A〜図1Dに示すように、外科器具100はフレーム102を含んでいる。フレーム102は支持構造物であり、この構造物には、外科器具100の他の構成部材を取り付けるか固定することができる。この実施例では、フレーム102は、概して直線的で平らな構造物であり、該構造物は種々の穴を有し、これらの穴には、フレーム102に外科器具100の他の種々の構成部材を固定するのに使用されるボルト、ネジ、ピン、その他の取り付け機構を通すことができる。フレーム102は、金属又はプラスチック等の適当などのような単数又は複数の材料で形成してもよい。フレーム102は、また、どのような適当な大きさ、形状、寸法を有していてもよく、これらは、外科器具100の他の構成部材の配置及び構成に応じて変更することができる。
【0021】
この実施例の場合、外科器具100は、また外科用刃組み立て体104を含んでいる。外科用刃組み立て体104は、外科用刃106と、回転ホイール108と、支持板110とを含んでいる。外科用刃106は、患者の眼球の組織に物理的に切開部を形成するのに使用される。この実施例の場合、外科用刃106は、中心部分と、中心部分に結合された湾曲した切断刃とを含んでいる。外科用刃106の中心部分は、外科器具100によって回転させることができる。したがって、外科用刃106の中心部分の回転の結果、切断刃の運動が生じる。
【0022】
外科用刃106の中心部分が一方の方向に回転することによって、切断刃は、患者の眼の組織内へ切り込むことができる。外科用刃106の中心部分を逆方向に回転させることにより、切断刃は患者の眼の組織内から脱出することができる。この実施例の場合、外科用刃106は湾曲した切断刃を有し、この切断刃は、患者の眼の強膜組織内に(とりわけ)トンネルを形成するのに使用することができる。しかし、外科用刃106は、どのような他の適当な切開部の形成にも使用でき、かつ外科用刃106は、どのような適当な種類の切断刃(湾曲形その他の)を使用することもできる。
【0023】
外科用刃106の中心部分は、回転ホイール108に結合されている。このために、回転ホイール108が回転すれば、外科用刃106が対応して回転する。外科用刃106の回転(したがって、切開部の形成)は、回転ホイール108の回転を制御することによって制御できる。この実施例の場合、以下で更に詳しく説明するが、外科器具100は、回転ホイール108を双方向に回転させるように構成され、それにより外科用刃106が双方向に(患者の眼の組織の内方と外方へ)回転させられる。回転ホイール108は、外科用刃106の回転の制御を容易にする適当な構造部材を含んでいる。
【0024】
支持板110は、患者の眼の表面上に載置できる構造部材である。外科器具100は、支持板110により患者の眼球上の適正な位置に位置決めされることで、患者の眼の適正な部位に確実に切開部を形成することができる。図示のように、支持板110は2つの切り欠きを含み、これらの切り欠きによって、外科用刃106の湾曲切断刃が支持板110を通過して患者の眼の組織に出入できる。支持板110は、患者の眼球上への外科器具100の配置を容易にする適当な何らかの構造部材を含んでいる。
【0025】
外科器具100は、また1つ以上の給電源111を含んでいる。給電源111は、外科器具100に作業電力、例えば外科用刃106を回転させるのに使用する電力を供給する。給電源111は、外科器具100用の何らかの適当な電源、例えば電池、太陽電池、燃料電池、その他の単数又は複数の何らかの電源又は追加電源を含んでいる。特定の例として、給電源111は、カメラ電池又はカムコーダー電池、例えば1.5v電池でよい。この実施例の場合、2個の給電源111を含んでいるが、外科器具100には、適当な幾つの給電源を使用してもよい(単一給電源をも含む)。
【0026】
外科器具100の制御用の論理は印刷配線板112が実行する。例えば、印刷配線板112は、外科用刃106の回転制御用の制御論理を含むことができよう。印刷配線板112は、また外部の構成素子又はシステムとの通信用回路を含むことができよう。特定の例として、印刷配線板112は、有線又は無線の通信、例えば赤外線又は無線周波数(RF)による通信を容易にする構成素子を含むことができよう。有線又は無線の通信は、何らかの適当な目的に使用できよう。例えば、印刷配線板112は、可聴、触知可能(振動により)、可視いずれかの機構(外科器具100の内部又は外部の)と通信できよう。この可聴、触知可能、可視いずれかの機構は、外科医又は他の人員に外科器具100の状態を知らせることができよう。それらの状態の例には、外科器具が適正に位置決めされ、使用準備ができている状態、外科用刃が前進している状態、外科用刃が後進している状態、外科用刃のサイクルが中断した状態、外科用刃のサイクルが成功裡に完了した状態その他の様々な可能な情報が含まれる。
【0027】
印刷配線板112は、また外科用刃106の回転を起動する信号を(例えば、フットペダルから、又は外科器具100のスイッチから、又は有線又は無線の素子から)受信できよう。何らかの他の有線又は無線の通信も、印刷配線板112により行うことができ、印刷配線板112は、何らかの他の又は付加的な機能を支援できよう。
【0028】
この実施例の場合、外科器具100は、回転ホイール108の回転に使用されるワイヤ114を含んでいる(それにより外科用刃106が回転させられる)。ワイヤ114は、適当などのような材料で、例えばケヴラー(Kevlar)で形成できる。ワイヤ114は、また適当などのような形状を有しいてもよい。例えば、円形又は卵形の横断面を有する材料ストランドでよい(ただし、別の断面形状も使用できよう)。
【0029】
ワイヤ114は、回転ホイール108内へ挿入されるか、回転ホイール108に結合されるか、回転ホイール108に対し固定されるか、別様に回転ホイール108に関連付けられるかする。この実施例の場合、ワイヤ114は、回転ホイール108のチャネル116内へ挿入されている。チャネル116は、ワイヤ114を受容し、ワイヤ114の運動を回転ホイール108の回転に変換できる。ワイヤ114は、またホイール118の周囲に巻き掛けられている。ホイール118は、回転することで、ワイヤ114を前進後退運動させることができる。加えて、ワイヤ114にはプレート120が固定又は付加されている。より詳しくは以下で説明するが、プレート120は、概してフレーム102に沿って前進後進運動可能であり、それによってワイヤ114に双方向回転運動を生じさせる。ワイヤ114の双方向回転の結果、回転ホイール108の双方向回転が生じ、これにより外科用刃106の双方向回転が生じる。ホイール118は、ワイヤ114の双方向回転を可能にする何らかの適当な構造物を含んでいる。プレート120は、ワイヤ114の運動を生じさせる何らかの適当な構造物を含んでいる。
【0030】
ワイヤ114の双方向回転を起動するには、別のワイヤ122が使用される。ワイヤ122は、印刷配線板112に電気接続されている。ワイヤ122は、ワイヤ長さを短縮できる単数又は複数の材料で形成されている。例えば、ワイヤ122は、フレキシノール又はフレキシブルなニチノール(nickel titanium naval ordnance)で形成できよう。フレキシノール・ワイヤは、加熱に応じて長さが短縮され、かつまた印刷配線板112は、例えばワイヤ122を電流の印加により加熱するのに適当な単数又は複数の何らかの構造物を含んでいる。
【0031】
特定の例として、印刷配線板112は、ワイヤ122に電流を印加して、ワイヤ122を少なくとも約100°Cまで加熱することができよう。この加熱により、ワイヤ122は長さを短縮することができる。より詳しくは後述するが、このワイヤ122の短縮によって、プレート120の運動が生じ、この運動で外科用刃106が回転させられる。ワイヤ122は単一の又は複数の適当な何らかの材料、例えばフレキシノールで形成できる。ワイヤ122は、また適当などのような形状を有していてもよく、例えば円形又は卵形の横断面を有する単数又は複数の材料のストランドでよい(ただし、別の断面形状を使用することもできる)。
【0032】
この実施例の場合、ワイヤ122は2組のプーリ124,126に巻き掛けられている。これら2組のプーリ124,126により、ワイヤ122は、比較的長さを長くできる一方、ワイヤ122に要するスペースを低減できる。この特定実施例の場合、各組のプーリ124,126は、互いに独立した4個のプーリを含んでいる。加えて、支持カバー128が各組のプーリ124,126を覆って固定されており、該カバーに、中心軸が貫通挿入され、各組のプーリ124,126の回転が可能になる。
【0033】
ワイヤ122は、また中心ホイール130に巻き掛けられるか、又は結合されている。中心ホイール130は、フレーム102の反対側でロコモーティヴ・ホイール132に付加又は固定されている。ロコモーティヴ・ホイール132とプレート120には、ロコモーティヴ・アーム134が回転可能に取り付けられている。ワイヤ122の長さが短縮されると(例えば、ワイヤ122への電流印加により)、ワイヤ122の短縮により中心ホイール130が回転する。中心ホイール130はロコモーティヴ・ホイール132に結合されているので、中心ホイール130の回転は、ロコモーティヴ・ホイール132を相応に回転させる。
【0034】
ロコモーティヴ・ホイール132の回転により、ロコモーティヴ・アーム134がフレーム102を概して前後進させる一方、プレート120もフレーム102を概して前後進させる。既述のように、フレーム102を前後進させるプレート120の運動の結果、ワイヤ114は、一方の方向に回転し、次いで逆方向に回転する。ロコモーティヴ・ホイール132の使用により、中心ホイール130/ロコモーティヴ・ホイール132の単一方向の回転を、ワイヤ114の双方向の回転(したがって、外科用刃106の双方向回転)に変換することが可能になる。例えば、ワイヤ122は、中心ホイール130/ロコモーティヴ・ホイール132の約360°の回転を生じさせる長さだけ短縮でき、その結果、外科用刃106は、患者の眼球組織内へ約180°回転して進入し、次いで約180°回転して患者の眼球組織から脱出する。結果として、ワイヤ122に電流を1回印加する間に、外科用刃106が回転して患者の眼球組織に進入し脱出することで、切開部が形成できる。
【0035】
複数特定実施例の場合、中心ホイール130は単一方向にだけ回転できる。例えば、中心ホイール130は、一方向クラッチ、例えば、一方の方向には回転可能だが、逆方向の回転は阻止されるボール・ベアリングで形成されたクラッチを含むことができよう。これらの実施例の場合、一方向回転の中心ホイール130は、ワイヤ122が電力の使用により短縮されると、ロコモーティヴ・ホイール132を回転させるが、その後の(例えば、電流が停止され、ワイヤ122が熱を失った後の)、ロコモーティヴ・ホイール132の逆方向回転は阻止する。
【0036】
切開部が形成された後、外科器具100は患者の眼から除去できる。この間、ワイヤ122は、電流を欠くため冷却される。幾つかの実施例では、この時点で、ワイヤ122は延伸して再び長さが長くなり、前設定状態に近くなることで、外科器具100は、患者の眼球の別の切開に再使用することができる。ワイヤ122は、何らかの適当な形式で延伸し、再び長い長さにすることができる。例えば、ワイヤ122は、手で1箇所以上引張って長さを増すことができよう。別の例として、ワイヤ122は、中心ホイール130から外して引張ることで、長さを増すこともできよう。更に、バネ押し機構その他の適当な機械式機構を外科器具100に組み込んで、使用者が起動することでワイヤ122に張力を加えることもできよう。何らかの他の適当な機械式又は電気式その他の単数又は複数の機構も、使用後に、ワイヤ122の長さを増すのに使用して、次の切開サイクルを準備することができよう。
【0037】
外科器具100は、具体的な必要による何らかの他の又は追加の構成部材を含むことができよう。例えば、何らかの適当な種類の単数又は複数のコネクタ(例えばボルト、ネジ、ピン、その他のアタッチメント機構)を使用して、外科器具100の種々の構成部材をフレーム102に結合したり、相互に結合することができる。また、複数スペーサ又はその他の適当な分離機構を使用して種々の構成部材を互いに分離する、例えば印刷配線板112をフレーム102から分離することができよう。
【実施例2】
【0038】
図2A〜図2Cには、本発明による、第2実施例の切開部形成用外科器具200が示されている。図2A〜図2Cに示した外科器具200の実施例は、単に説明目的のものに過ぎない。外科器具の他の実施例も、本発明の範囲を逸脱することなく使用できよう。
この実施例の場合、外科器具200は、胴部202、軸204、軸204の先端の外科用刃組み立て体206を含んでいる。この実施例の胴部202は、外科器具200の操作及び制御に使用される種々の構成素子が含まれている。例えば、胴部202は、印刷配線板208を拘束するか又は含むことができる。印刷配線板208は、外科器具200の種々の機能を支援でき、例えば外科用刃の回転を可能にすることができる。この実施例の場合、印刷配線板208は接続ブロック210を含み、該接続ブロックが、外科器具200内に種々のワイヤを保持又は拘束するのに使用されている。
【0039】
この実施例の外科用刃組み立て体206は、外科用刃212と支持板214とを含んでいる。図2B及び図2Cでは、外科器具200の軸204が説明を容易にするために省略されている。図示のように、外科用刃212は、突出部218を有する中心部分216を含んでいる。中心部分216は、外科用刃212の実際の切断刃から突出しており、突出部218は、その中心部分216から更に突出している。外科用刃212の各側は突出部218を含み、突出部218は軸204の先端近くの対応穴220へ挿入できよう。このようにすることで、外科用刃212は、外科器具200の軸204内に挿入し拘束できる。これにより、また外科用刃212は、外科器具200の軸204内へ挿入されれば、回転が可能となる。
【0040】
支持板214は、軸204の端部か又は端部近くに取り付けられ、患者の眼球上に載置できる。この実施例の支持板214は2つの開口を含み、切開部形成時、外科用刃212の湾曲切断刃が該開口を通過できる。支持板214は、また支持板214を適切な位置に固定するために患者の眼球組織内へ突き立てるための錐状突起を含んでいる。この実施例の支持板214は、外科器具200の端部で前後に揺動可能である。
図2B及び図2Cに示すように、外科器具200は、2組のワイヤ222a〜222c,224a〜224cを含んでいる。この実施例のワイヤの各組は3本のワイヤを含んでいる。各組の第1のワイヤ222a及び224aは、カヴラーその他の材料製でよく、外科用刃212の中心部分216に巻き掛けられている。この場合、ワイヤ222aと224aとは、中心部分216に逆方向に巻き掛けられている。各組の第2ワイヤ222b,224bは、フレキシノール又は、長さを短縮可能な他の単数又は複数の材料で形成できる。第3のワイヤ222c及び224cは、接地ワイヤとすることができる。
【0041】
図示のように、ワイヤの各組はコネクタ226を含んでいる。各組みのコネクタ226は、当該組のワイヤを互いに物理的に接続している。ワイヤ各組のコネクタ226は、またワイヤ222bと222cとを、又は224bと224cとを電気的に接続している(これにより、各フレキシノール又はその他のワイヤが大地に接続される)。ワイヤの各々は、適当などのような寸法、形状、断面を有する適当などのような単数又は複数材料のストランドでもよい。コネクタ226の各々は、複数ワイヤを相互接続するのに適当な何らかの構造物を含んでいる。
この実施例では、外科器具200に複数のワイヤを用いて、外科用刃212が双方向に回転するようになっている。例えば、ワイヤ222bに電流を印加することにより、このワイヤを収縮又は短縮することができる。これにより、ワイヤ組222a〜222cのコネクタ226が、このワイヤ組のワイヤ222aに張力を加える。このワイヤ組のワイヤ222aは、外科用刃212の中心部分216に巻き掛けられているので、外科用刃212を一方の方向に引張り、切断刃を回転させ、患者の眼球組織内へ進入させる。
【0042】
このワイヤ組のワイヤ222bへの電流が停止されることで、ワイヤは冷却される。それと同時に又はその後で、別のワイヤ組224a〜224cのワイヤ224bの電流を印加できる。これによって、このワイヤ組のワイヤ224bが収縮又は短縮される。この場合も、第2ワイヤ組224a〜224cを接続するコネクタ226が、このワイヤ組の、外科用刃212の中心部分216に巻き掛けられたワイヤ224aに張力を加える(ただし、逆方向に)。これにより、外科用刃212は、逆方向に引張られ、切断刃が回転し、患者の眼球組織から脱出する。これで、切開部形成が完了する。第2ワイヤ組224の赤ワイヤへの給電は停止され、該ワイヤは冷却できる。
【0043】
この型の外科器具200では、長さ短縮可能な複数ワイヤ(222b及び224b)が、外科用刃212の逆方向回転に使用されている。結果として、外科器具200の収縮ワイヤ222b,224bを延伸させるための何らかの機構を使用する必要がない。例えば、一方のワイヤ222bの短縮で生じる引張力により、他方のワイヤ224bを引張って、延伸させることができる。しかし、外科器具200では、前設定状態に近い長さにワイヤ222b及び224bを手操作で又は自動式に延伸させることも可能だろう。
【0044】
外科器具100の場合のように、外科器具200は、適当な形式で制御できよう。例えば、印刷配線板208が、指令を受け取り、状態情報を伝達するための有線又は無線のインタフェースを含むことができよう。外科器具200は、また外科器具200の制御に使用できる手動スイッチを含むことができよう。例えば、外科器具200頂部のスイッチ228は、外科器具200の制御に使用できよう。幾つかの実施例では、スイッチ228を押すことによって、一方の方向への外科用刃212の回転を起動でき、スイッチ228を放すことで、逆方向への外科用刃212の回転を起動できよう。別の実施例では、スイッチ228を押して放すことによって、一方の方向への外科用刃212の回転を起動でき、またスイッチ228を押して放すことによって、逆方向への外科用刃212の回転を起動できよう。しかし、これは、外科器具200の操作を制御する可能な2例に過ぎない。外科器具200は、他の適当などのような形式で制御してもよい。
【実施例3】
【0045】
図3A〜図3Cには、本発明による切開部形成用外科器具の第3実施例300が示されている。図3A〜図3Cに示す第3実施例の外科器具300は、単に説明目的のものに過ぎない。外科器具300の他の実施例も、本発明の範囲を逸脱することなく使用できよう。
この実施例の場合、外科器具300は、本明細書に記載の外科器具のいずれとも等しい又は類似の形式で構成又は操作することができよう。外科器具300は、例えば、電流に反応して収縮又は短縮可能なフレキシノール又はその他の単数又は複数の材料で形成された1つ以上のワイヤを含むことができよう。これらの1つ以上のワイヤは、外科器具300の外科用刃を回転させ、患者の眼球組織に切開部を設けるのに使用できる。
【0046】
加えて、この実施例の外科器具300は、取り付け突起302を含み、この突起が、眼球固定具304に外科器具300を取り付けるのに使用できる。眼球固定具304は、患者の眼球に付加されるか又は取り付けられる用具であり、これにより、外科処置中、患者の眼球の動きを低減又は阻止する作業が助けられる。特許文献24には、眼球固定具の種々の実施例が記載されている。該特許文献は、引用により本発明明細書に取り入れられている。図面には、具体的な1つの眼球固定具304が示されているが、他の適当な何らかの眼球固定具304も外科器具300に使用できる。
【0047】
図示のように、外科器具300の取り付け突起302は、眼球固定具304の円蓋周囲に部分円部を形成する2つの延長部306a,306bを含んでいる。延長部306a,306bの各々は、眼球固定具304の円蓋の穴内へ挿入可能な端部を含んでいる。図3Bに示すように、外科器具300の取り付け突起302は、またストッパ308を含み、該ストッパを眼球固定具304に対して押し付けることができる。延長部306a,306bの両端部及びストッパ308は一緒に3点を、つまり、眼球固定具304上の1つ以上の特定個所への外科器具300の取り付けに利用可能な3点を形成しており、これにより、患者の眼球上での外科器具300の適正な位置決めが保証される。しかし、眼球固定具304への外科器具300取り付けに延長部306a,306b及びストッパ308を使用するのは、単に説明目的のことに過ぎない。眼球固定具304への外科器具300の取り付け、結合、付加、その他の配属には、適当な他のどのような技術、構成、機構を使用してもよい。
【0048】
この実施例の場合、外科器具300の延長部306a,306bは、眼球固定具304の円蓋周囲に部分円部を形成している。これにより、外科器具300は、眼球固定具304に付加又は取り付けできる一方、眼球固定具304の大部分は露出したままとなる。とりわけ、このことによって、患者の眼球上の1つ以上の個所への眼球固定具304の配置に利用できる位置決め用具310の使用が可能になる。この実施例の場合、位置決め用具310は、バネ押し式のシリンジであり、該シリンジは、円蓋に対して真空を作り出すことにより眼球固定具304に付加されるが、他の適当な何らかの位置決め用具を使用することもできよう。
【実施例4】
【0049】
図4A〜図4Iには、本発明による第4実施例の切開部形成用外科器具400が示されている。図4A〜図4Iに示す実施例の外科器具400は、単に説明目的のものに過ぎない。外科器具400の他の実施例も、本発明の範囲を逸脱することなく使用可能である。
図4Aに示すように、外科器具400は、ハウジング402と外科用刃組み立て体404とを含んでいる。ハウジング402は、概して外科用刃組み立て体404の外科用刃を回転させるための、外科器具400の種々の構成部品を収容している。ハウジング402内の構成部品は、図4B及び図4Cに示されている。例えば、印刷配線板406は、外科器具400の種々の機能を、例えば外科用刃408の回転を可能にすること又は制御することで支援できる。また、1つ以上の給電源410、例えば1つ以上の電池により、外科器具400に給電することができる。
【0050】
この実施例の場合、外科器具400は、3本のワイヤ412〜416を使用して外科用刃408を双方向に回転させる。第1のワイヤ412は、概して、外科用刃組み立て体404に近い位置からバネクリップ418aまで延び、第2のワイヤ414は、概して、外科用刃組み立て体404に近い位置からバネクリップ418bまで延びている(印刷配線板406の反対側で)。第3のワイヤ416は、上部揺れ腕420と下部プーリ422との間でループを形成している。ワイヤ412〜416の各々は、適当などのような単数又は複数の材料で形成してもよい。例えば、ワイヤ412〜414は、フレキシノール又はその他の収縮可能な単数又は複数の材料で形成でき、ワイヤ416はケヴラーで形成できよう。ワイヤ412〜416の各々は、また適当などのような形状を有していてもよく、例えば、円形又は卵形断面を有する単数又は複数の材料のストランドでよい(ただし、他の断面形状を用いることもできよう)。
【0051】
この実施例の場合、バネクリップ418a及びバネクリップ418bにより、駆動ワイヤ412,414に張力を加えることで揺れ腕420の(ひいてはワイヤ416の)双方向回転が容易になる。ワイヤ412は、バネクリップ418aに張力を加えて、揺れ腕420を一方の方向へ揺動させ、ワイヤ414は、バネクリップ418bに張力を加えて、揺れ腕420を逆方向へ揺動させるように構成されている。このため、ワイヤ412は、ワイヤ416に対して一方の方向を指向する回転を与え(バネクリップ418a及び揺れ腕420を介して)、ワイヤ414は、ワイヤ416に対して逆方向を指向する回転を与える(バネクリップ418簿揺れ腕420を介して)。
【0052】
ワイヤ416は、揺れ腕420とプーリ422とに巻き掛けられ、プーリ422は、外科用刃408に結合又は固定されている。したがって、ワイヤ416の回転により外科用刃408は、対応して回転する。この実施例の印刷配線板406は、例えばワイヤ412,414に電流を印加して加熱することでワイヤ412,414を収縮させるように構成できよう。印刷配線板406は、したがって、ワイヤ412,414を加熱して揺れ腕420に双方向の運動与えることができる。例えば、ワイヤ412に電流を印加して外科用刃408を回転させ、患者の眼球組織内へ進入させることができ、ワイヤ414に電流を印加して外科用刃408を回転させ、患者の眼球組織から脱出させることができる。
【0053】
バネクリップ418a,418bと揺れ腕420との近くの外科器具400の構成の細部は、図4D〜図4Gに示されている。特に図4D及び図4Eには、ワイヤ412とバネクリップ418aとが配置された側での外科器具400の動作が示されている。図4F及び図4Gには、ワイヤ414とバネクリップ418bとが配置された側での外科器具400の動作が示されている。
図4D及び図4Eに示すように、バネクリップ418aは、ワイヤ412に付加又は固定されている。ワイヤ412は、例えば電流を印加することで収縮できる。図4Dでは、ワイヤ412は収縮されておらず、バネクリップ418aは休止位置にある。図4Eでは、ワイヤ412が収縮し、バネクリップ418aを下方へ引張っている。これによって、揺れ腕420に一方の方向を指向する(時計回り方向の)運動が与えられ、この運動が、ワイヤ416、プーリ422、外科用刃408を回転させる。
【0054】
外科用刃408の回転制御には、2つのマイクロスイッチ424a,424bが使用される。例えば、外科用刃408の回転前に、バネクリップ418a又は揺れ腕420がマイクロスイッチ424aを押すことで、外科器具400又は外部構成素子に、外科器具400の使用準備完了(刃が開位置にあること)を知らせることができる。外科用刃408の回転中、バネクリップ418a又は揺れ腕420により、マイクロスイッチ424aを押すのが中止され、場合によりマイクロスイッチ424bが押される。これにより、外科器具400又は外部構成素子には、外科用刃408が目標値(例えば、患者の眼球内に強膜トンネルを形成するのに適した値)だけ回転したことが報知できる。外科器具400は、次いで、外科用刃408を逆回転させ、患者の眼球から脱出させることができる。これにより、バネクリップ418a又は揺れ腕420が、再びマイクロスイッチ424aを押すことになろう。マイクロスイッチ424a,424bは、各々、外部素子からの接触により信号をトリガ又は中断できる適当な何らかの構成部材を、例えば、押すと、回路が閉じられ、また押すと回路が遮断される何らかの適当なスイッチを有している。
【0055】
図示のように、磁石426,428を使用して、外科用刃408を開位置(非回転位置)に保持できる。例えば、磁石426,428は、互いに引き付け合い、揺れ腕420を、図4Dに示す位置に付勢することができる。磁石426,428は、この位置に、ワイヤ412の収縮により引き離されるまで保持される。後述するように、次いで、ワイヤ414の収縮により、磁石426,428は互いに接近し、接近した時点で磁石426,428は互いに引き付け合い、図4Dに示した位置へ揺れ腕420を付勢する。この実施例では、磁石426は揺れ腕420に配置され、磁石428は、印刷配線板406又は、外科器具400の他の構造物に取り付けておくことができる磁石ホールダ430内に配置されている。また、ワイヤ414を加熱する電流は、患者の眼球から外科用刃が完全に除去される前に停止され、外科用刃の完全な除去は磁石426,428によって完了させることができる。
【0056】
図4F及び図4Gに示したように、バネクリップ418bはワイヤ414に付加又は固定されている。図4Fでは、ワイヤ414が収縮しておらず、バネクリップ418bは、休止位置にあり、揺れ腕420の突出部から離間している。図4Gは、ワイヤ412が収縮し、これにより旋回点432を中心として揺れ腕420が運動した状態を示している。したがって、外科用刃408は回転し、患者の眼球内へ進入する。この時点で、揺れ腕420の突出部は、バネクリップ418bの一端に近づくか又は接触する。次いで、ワイヤ414が、例えば電流を印加されることで収縮できる。これにより、バネクリップ418bの端部に下方への張力が加わることで、揺れ腕420の突起にも下方への張力が加わる。これにより、揺れ腕420が逆方向に運動し、外科用刃408が回転して患者の眼球から脱出する。
【0057】
図4H及び図4Iは、外科器具400の種々の細かな部材を示したものである。例えば、該図には、外科器具400の種々の構成部材が互いにどのように結合されるかが示されている。該図には、また外科器具400の種々の構成部材の構造が示されている。
【0058】
複数特定実施例では、既述の外科器具のいずれもが、取り外し可能な部分、例えば取り外し可能なモジュールを含んでいる。この取り外し可能な部分は、多くの外科器具に再使用可能な種々の構成部材を包含している。例えば、取り外し可能なモジュールの構成部材は、多くの外科器具に再使用できる一方、各外科器具の他の部分は廃棄可能である(例えば、単一の患者に器具を使用した後に)。これによって、例えば、異なる患者に使用する場合、外科器具の廃棄可能部分は滅菌する必要がない。複数特定実施例の場合、外科器具の取り外し可能なモジュールには、外科器具用給電源、例えば1個以上の電池を含めてよい。取り外し可能なモジュールには、また外科器具制御用の論理を有する印刷配線板や、無線送/受信素子も含めることができよう。外科器具の取り外し可能部分には、その他の又は付加的な構成部材も含められよう。
【0059】
この場合、マイクロスイッチ424a,424bが、揺れ腕420の運動のモニタに使用されるように示してあるが、他の機構を使用することもできよう。例えば、マイクロスイッチは、光学式エンコーダに替えることができよう。光学式エンコーダの一例には、目盛マーク付きの半円形その他の構造物や目盛マーク読み取り用の光学式読み取り器を含むことができよう。光学式エンコーダは、揺れ腕の運動時、構造物の目盛マークを読み取ることで揺れ腕420の位置をモニタできる。これにより、光学式エンコーダは、揺れ腕420の位置を連続的にモニタでき、それにより外科用刃の位置も連続的にモニタできる。光学式エンコーダは、また外科器具400の他の構成部材に、例えば揺れ腕の揺動の完了又は中止の指令又はデータを提供できる。
【実施例5】
【0060】
図5A〜図5Qには、本発明による第5実施例の切開部形成用外科器具500が示されている。図5A〜図5Qに示した実施例の外科器具500は、単に説明目的のものに過ぎない。外科器具500の別の実施例も、本発明の範囲を逸脱することなく使用できる。
この実施例では、外科器具500が既述の構成部材と等しい又は類似の構成部材の多くを含んでいる。例えば、外科器具500は、ハウジング502と外科用刃組み立て体504とを含んでいる。印刷配線板506は、外科器具500により行われる種々の機能を、例えば、外科用刃508の回転を可能にし、かつ制御することによって支援することができよう。また、外科器具500には、1つ以上の給電源510、例えば1つ以上の電池により給電可能である。
【0061】
外科用刃508の双方向の回転には、3本のワイヤ512〜516が使用されている。第1ワイヤ512は、概して、揺れ腕520から(図5D及び図5I)、プーリ522aを周回して、印刷配線板506まで延びている(図5K及び図5L)。第2ワイヤ514は、概して、バネクリップ518から(図5D及び図5I)、プーリ522bを周回し、印刷配線板506まで延びている(図5K及び図5L)。バネクリップ518及び揺れ腕520は、フレーム521に揺動可能に取り付けられている。ワイヤ512,514の各々は、どのような適当な単数又は複数の材料、例えばフレキシノール又は収縮可能な他の単数又は複数の材料で形成できよう。第3ワイヤ516は、両端が揺れ腕520に結合され、外科用刃508の周囲でループを形成している。ワイヤ516は、例えばカヴラー等の何らかの適当な単数又は複数の材料で形成できよう。ワイヤ512〜516の各々は、また適当などのような形状を有していてもよく、例えば、円形又は卵形断面を有する材料のストランドでよい(ただし、他の断面形状も使用できよう)。
【0062】
この実施例の場合、ワイヤ512,514の収縮で揺れ腕520が運動し、それによって、ワイヤ516に双方向の回転が与えられ、ひいては、外科用刃508に双方向の回転が与えられる。例えば、図5Iに示すように、ワイヤ512の収縮により揺れ腕520が時計回りに回転すると、外科用刃508が一方の方向に回転できる。また、ワイヤ514が収縮すると、バネクリップ518に張力が作用し、これによって揺れ腕520が押されて逆時計回りに回転し、外科用刃508が逆方向に回転する。外科用刃508のこの逆方向回転により、第1ワイヤ512が伸張し、再び、前設定状態に近い長さになる。第2ワイヤ514の収縮を生じさせる電流その他が停止されると、バネクリップ518がワイヤ514に張力を加え、伸張させる結果、ワイヤ514は再び前設定状態に近い長さとなる。
【0063】
外科用刃508の回転制御には、2個のマイクロスイッチ524a,524bが使用されている。マイクロスイッチ524a,524bは、例えば、印刷配線板506上又は他の何らかの適当な個所に配置できよう。揺れ腕520の2つの突起526a,526bは、揺れ腕520の運動につれて前進後退し、各突起526a,526bは、場合によりマイクロスイッチ524a,524bの1つを押すことができる。こうすることで、外科器具500又は外部構成部品は、外科用刃508が適正に回転し終わった時点を検出できる。繰り返すが、ここでは、マイクロスイッチ524a,524bが、揺れ腕520の運動のモニタに使用されるように示されているが、別の機構、例えば光学式エンコーダ等が使用されることもできよう。
【0064】
外科器具500は、種々の機能を果たすために付加的構成部品を含むことができる。例えば、図5Mに示すように、外科器具500との無線送/受信用に無線トランシーバ528を備えることができる。無線トランシーバ528は、例えばRF又は赤外線による通信が可能である。これらの通信は、単向性(送信のみ/受信のみ)又は双方向性にすることができる。
【0065】
別の例としては、図5N及び図5Oに示すように、リボンケーブル530を外科用刃508と関連付けて使用できる。例えば、外科用刃508に柔軟な支持板532を備え、この支持板532が、患者の眼球に押し付けられるにつれて、より平らになるようにすることができよう。一定の押圧レベルが検出された場合(例えば、支持板532が概して平らになった場合)、リボンケーブル530は、印刷配線板506へ、可聴式及び/又は可視式及び/又は触知(振動)式の指示器533をトリガできる信号、又は別の種類の信号を送ることができよう(外科器具500内又は外部構成素子内で)。こうすることにより、外科器具500は、外科器具500が患者の眼球上の適正位置に置かれたか時点を外科医又は他の人員に報知できる。
【0066】
また、リボンケーブル530を使用して、外科用刃の運動/回転時の位置を検出することもできる(例えば、外科用刃が完全に回転したかどうか、又は回転中に動かなくなったかどうかを)。更に一例として、磁石534a,534bを、それぞれフレーム521及び揺れ腕520に付加できよう。磁石534a,534bは、ワイヤ512の収縮中に引き離すことができよう。ワイヤ514の収縮中、ワイヤ514への電流の停止後、磁石534a,534bは、互いに引き付け合い、接触し、患者の眼球からの外科用刃の脱出を容易にすることができよう。
【実施例6】
【0067】
図6A〜図6Eには、本発明による第6実施例の切開部形成用外科器具600が示されている。図6A〜図6Eに示す実施例の外科器具600は、単に説明目的のものに過ぎない。外科器具600の別の実施例も、本発明の範囲を逸脱することなく使用可能である。
この実施例の場合、外科器具600は、既述の構成部品と等しい又は類似の構成部品の多くを含むことができる。例えば、外科器具600は、ハウジング602と外科用刃組み立て体604とを含んでいる。外科器具600が行う種々の機能は、印刷配線板606が、例えば刃組み立て体604の外科用刃を回転可能にし、制御することで支援できよう。また、1つ以上の給電源、例えば1つ以上の電池により、外科器具600に給電できる。
【0068】
外科用刃組み立て体604の外科用刃の双方向回転は、3本のワイヤ610〜614を用いて行われる。第1ワイヤ610は、概して、バネクリップ616からプーリ618を周回して印刷配線板606まで延びている。第2ワイヤ612は、概して、揺れ腕620からプーリ622を周回して印刷配線板606まで延びている。バネクリップ616と揺れ腕620とは、フレームに揺動可能に取り付けられている。ワイヤ610〜614の各々は、適当な単数又は複数の材料、例えばフレキシノール又は他の収縮可能な単数又は複数の材料で形成できよう。第3ワイヤ614は、両端が揺れ腕620に結合され、外科用刃組み立て体604の外科用刃の周囲にループを形成している。この場合、付加的な2個のプーリ624,626を使用することでワイヤ614の経路が形成される。ワイヤ614は、何らかの適当な材料、例えばケヴラーで形成できよう。ワイヤ610〜614の各々も、何らかの適当な形状の、例えば円形又は卵形の断面を有する単数又は複数材料のストランドとすることができよう(ただし、他の断面形状も使用できよう)。
【0069】
この実施例の場合、ワイヤ610,612の収縮により揺れ腕620の運動が生じ、それによって、ワイヤ614に、ひいては外科用刃に、双方向の回転が与えられる。例えば、ワイヤ612の収縮は、揺れ腕620の時計回りの回転を生じさせ(図6Bに示す)、これにより外科用刃が一方の方向に回転できる。またワイヤ610の収縮によりバネクリップ616に張力が加わり、それによって揺れ腕620が押されて、逆時計回りに回転し、外科用刃が逆方向に回転する。揺れ腕620のこの逆時計回りの回転により、ワイヤ612が延伸され、再び長さが増し、前設定状態に近づく。第2ワイヤ610を収縮させる電流又は他の原因が停止されると、バネクリップ616がワイヤ610に張力を加え、延伸させることで、再び長さが増し、前設定状態に近づく。
【0070】
外科器具600は、種々の機能を果たすための付加的構成部品を含むことができる。例えば、無線トランシーバを備えることで、外科器具600との無線通信、例えば単向又は双方向RF通信又は赤外線通信が可能になる。別の例では、リボンケーブル630を外科用刃と関連付けて使用して、例えば、柔軟な支持板が患者の眼球に押し付けられた時点を検出したり、外科用刃の回転/運動中の位置を検出することができよう。可聴式及び/又は可視式及び/又は触知式の指示器を用いて操作員に対する指示を得ることもできよう。
【実施例7】
【0071】
図7A〜図7Hには、本発明の第7実施例の外科器具700が示されている。図7A〜図7Hに示す実施例の外科器具700は、単に説明目的のものに過ぎない。外科器具700の他の実施例も、本発明の範囲を逸脱することなく使用可能である。
この実施例の場合、外科器具700はハウジング702を含んでいる。ハウジング702は、外科器具700の種々の構成部品を保持又は拘束している。この実施例のハウジング702には、主ボディと軸とが含まれている。ハウジング702は、適当などのような寸法及び形状を有することができ、かつプラスチック等の何らかの適当な単数又は複数の材料で形成できる。
外科用刃組み立て体704は、ハウジング702の一端に結合又は固定されている。外科用刃組み立て体704は、外科用刃706、支持板708、刃ハウジング710を含んでいる。外科用刃706は突起を含み、該突起が支持板708及び/又は外科用刃ハウジング710の対応穴にはめ合わされ、外科用刃706が所定位置に固定される。支持板708は、患者の眼球上への外科器具700の配置を容易にし、かつ切断刃が通過する開口を含んでいる。
【0072】
ワイヤ712は、(とりわけ)外科用刃706の周囲に巻き掛けられている。ワイヤ712には、外科器具700の別の構成部品によって双方向の回転を与えることができる。ワイヤ612の双方向の回転によって、外科用刃706は、相応して双方向に回転し、患者の眼の組織に進入し脱出して切開部を形成する。ワイヤ712は、何らかの適当な材料、例えばケヴラーにより形成される。
外科器具700を制御するには、スイッチ組み立て体714を使用できる。例えば、スイッチ組み立て体714を使用してワイヤ712の回転を起動し、外科用刃706を回転させて、患者の眼球組織に進入・脱出させることができる。スイッチ組み立て体714は、使用者がハウジング702の外部から接近可能な外側部分と、該外側部分を外科器具700の他の内部構成部品に接続する内側部分とを含んでいる。
【0073】
この実施例では、中心シリンダ716がハウジング702の主ボディ内に配置されている。図示のように、ワイヤ712は、シリンダ716の中心部717に幾重にも巻き掛けられている。結果として、シリンダ716は、ワイヤ712に対して双方向の回転を与えるために使用でき、それにより、外科用刃706に双方向の回転を与える助けとなる。
図7C〜図7Fに示すように、中心シリンダ716の回転は、2個のバネ718,720と2個のラッチ722,724とを使用して制御される。この場合、バネ718の一端が、シリンダ716の切り欠きに貫通挿入され、ラッチ722によって固定される。同じように、バネ720の一端が、シリンダ716の別の切り欠きに貫通挿入され、ラッチ724によって固定される(図7G及び図7Hには、よりはっきりと示されている)。バネ718,720がラッチ722,724によって固定されると(図7C及び図7Dに示すように)、外科用刃706はスタート位置に付くことができる。
【0074】
次いで、使用者はスイッチ組み立て体714を下方へ移動させることができる。スイッチ組み立て体714は、ラッチ722のスロットに貫通挿入される突起を有している。ラッチ722は回転可能であり、スイッチ組み立て体714は、ラッチ722の一部分に対し下方へ張力を加える。これにより、バネ718を保持するラッチ722の部分が上方へ旋回して、バネ718が解放される。この実施例では、バネ718が付勢され、シリンダ716の切り欠きを上方へ引張ることで、シリンダ716が時計回りに(図7C及び図7E)又は後方へ(図7D及び図7F)回転する一方、中心部717がバネ720に接近するように押し付けられる(図7D及び図7F)。これにより、外科用刃706が一方の方向に回転させられ、外科用刃706が患者の眼球組織内へ進入する。
【0075】
患者の眼球組織から外科用刃706を脱出回転させるには、バネ720とラッチ724を有する類似の機構が使用できよう。ラッチ724は、解除されるまでバネ720を固定でき、何らかの適当な形式でトリガできる(例えば、中心部717の運動を)。バネ720はバネ718より強力に構成でき、言い換えると、バネ720は、バネ718より大きい回転力を与えることができる。結果として、バネ718がラッチ722によって固定されていない場合でも、バネ720は、シリンダ716に逆回転力を作用させて、シリンダ716を逆時計回りに(図7C及び図7E)又は前方へ(図7D及び図7F)回転させることができる。これにより、外科用刃706は、患者の眼球組織から脱出回転させられる。場合により、バネ718の端部は、ラッチ722が捕捉し固定できる位置へ戻される。その時点で、使用者は、スイッチ組み立て体714を上方へ移動させ、ラッチ722を、バネ718が捕捉される位置へ逆回転させる(図7E及び図7Fに示す位置から図7C及び図7Dに示す位置へ)。
【0076】
バネ720を固定位置へ戻すには、図7G及び図7Hに示す戻しプランジャ726を使用する。図示のように、バネ720は、戻しプランジャ726を押すことによって動かすことができる。戻しプランジャは、図7G及び図7Hに示すように、バネ720がラッチ724に捕捉されるまで、バネ720を押し下げる。この時点で、戻しプランジャ726は、解放され、出発位置へ戻される。外科器具700には、再使用の、例えば、同じ患者の眼球に別の切開部を形成するための準備が整う。
【実施例8】
【0077】
図8A〜図8Dには、本発明による第8実施例の切開部形成用外科器具800が示されている。図8A〜図8Dに示す外科器具800の実施例は、単なる説明目的のものに過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく、外科器具800の別の実施例を使用することも可能である。
この実施例の場合、外科器具800は、ボディ802、軸804、外科用刃組み立て体806を含んでいる。外科用刃組み立て体806は支持板808を含み、この実施例の支持板は、図2A及び図2Cの支持板214と類似している。支持板808は、外科用刃が通過する開口と、患者の眼球上に支持板808を固定するための複数尖端とを含んでいる。支持板808は、また外科器具800のところで前後に揺動可能である。しかし、この実施例では、支持板808は、より丸みを帯びるか又はアーチ形である。支持板808は、適当な他のどのような寸法、形状、構成を有していてもよい。
【0078】
外科器具800は、また外科器具800の制御に使用されるスイッチ組み立て体810を含んでいる。外科器具800は、更に2つのバネ812、2つのラッチ814、2つの機械式アーム816、戻しプランジャ818を含んでいる。スイッチ組み立て体810、バネ812、ラッチ814は、図7A及び図7Hの外科器具700と等しい形式又は類似の形式で操作できよう。例えば、一方のラッチ814が、スイッチ組み立て体810の下方への運動に応じて一方のバネ812を解放すると、外科用刃806が一方の方向へ回転できる。次いで、他方のラッチ814が他方のバネ812を解放すると、外科用刃が逆方向に回転できる。また、戻しプランジャ818の下方運動により、機械式アーム816を使用してバネ812を目標位置へ戻すことができる。戻しプランジャ818の上方への運動により、機械式アーム816はバネ812を解放できる。
【0079】
複数の特定実施例では、図7A及び図7Hに示した外科器具700と、図8A〜図8Dに示した外科器具800とは、一人の患者に使用した後に廃棄される使い捨て式の器具にすることができよう。外科器具700又は800は患者に使用する前に滅菌されるが、使い捨てであれば、外科器具700又は800を再滅菌する必要がなくなろう。
【0080】
図1A〜図8Dには、切開部形成用外科器具の種々の実施例が示されているが、各図の実施例には種々変更を施すことができよう。例えば、各外科器具の構成部品の配置や構成は、単に説明目的のものに過ぎず、他の配置や構成も使用可能である。また、各外科器具の種々の構成部品は、組み合わせたり省略したりすることもでき、具体的な必要に応じて追加の構成部品を付加することもできよう。更に、各外科器具の種々の構成部品は、等しい又は類似の機能を有する他の構成部品に替えることもできよう。加えて、外科器具の1つ以上に関して図示し説明した種々の特徴は、外科器具の他の特徴と一緒に使用することもできよう。更に、その他の又は追加の機構、例えば電動モータを使用して、外科用刃を回転させることもできよう。外科用刃は、また手操作で、例えば外科医の親指又は手のその他の部分で制御されるホイールを使用することにより、手動で回転させることもできよう。加えて、図の幾つかに示された異なる外科器具の場合、外科用刃は、1つ以上のフレキシノールその他のワイヤ長さの変化によって回転又は別様の運動を行う。等しい又は類似の技術は、他の適当な外科器具にも使用できよう(外科器具を患者の眼球の切開に使用するかしないかは問わない)。
【実施例9】
【0081】
図9A〜図9Dには、本発明による切開部形成用外科器具と一緒に使用するための外科用刃組み立て体900と眼のプロテーゼとの一例が示されている。図9A〜図9Dに示された外科用刃組み立て体900は、単に説明目的のものに過ぎない。外科用刃組み立て体900の別に実施例も、本発明の範囲を逸脱することなしに使用可能である。
この実施例の場合、外科用刃組み立て体900は、切開部の形成と、強膜プロテーゼその他のインプラントの埋め込みとに使用される。外科用刃組み立て体900は、本明細書に開示した外科器具のどれとも一緒に使用可能である。
図示のように、外科用刃組み立て体900は、中心部分902、切断刃904、ハブアーム906a,906bを含んでいる。中心部分902は、多方向に回転可能で、切断刃904を患者の眼球の強膜組織に進入、脱出させることができる。ハブアーム906a,906bは、中心部分902を切断刃904に結合し、中心部分902の回転を切断刃904の運動に変換するのを補助する。
【0082】
強膜プロテーゼ908は、切断刃904の後端部に接触している。図示のように、切断刃904は、先ず、ハブアーム906bを使用して患者の眼球の強膜組織内を回転する。やがて、ハブアーム906aが切断刃904の先端に接触し、ハブアーム906bが切断刃904から解離される。ハブアーム906aは、切断刃904を強膜組織内で回転させ続け、新たに形成した強膜トンネルから通過脱出させる。この実施例の場合、強膜プロテーゼ908は切断刃904によって強膜トンネル内へ上から下へ引き込まれ、切断刃904から解離される。強膜プロテーゼ908は、次いで、新たに形成された強膜トンネル内で適正に位置決めするために回転させられる(例えば外科医その他の人員が外科用具を用いて手で強膜プロテーゼ908を回転させる)。
【0083】
図9A〜図9Dに示した技術は単に説明目的のものに過ぎない。強膜プロテーゼを強膜トンネル内へ埋め込む別の適当な何らかの技術も使用可能である。例えば、外科用刃組み立て体900は、単一ハブアームを含むことができ、かつ切断刃904を強膜組織に進入させ、次いで該組織から脱出させて、強膜トンネルを形成することができよう。次に、別の適当な何らかの用具又は技術を使用して強膜プロテーゼ908を強膜トンネル内へ挿入することもできよう。
図9A〜図9Dには、切開部形成用外科器具と一緒に使用するための外科用刃組み立て体900の一実施例と眼球プロテーゼとが示されているが、図示の実施例には種々変更を加えることができる。例えば、患者の眼球内に強膜トンネルを形成するには、他の適当な何らかの技術を使用できよう。強膜トンネルの形成には、強膜トンネル内への強膜プロテーゼの同時的な又は同時に近い埋め込む作業が含まれても含まれなくてもよい。
【0084】
図10A及び図10Bには本発明による切開部形成方法1000,1050の実施例が示されている。図10A及び図10Bに示された方法1000,1050の実施例は、単に説明目的のものに過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく、前記方法1000,1050の別の実施例を使用可能である。
【実施例10】
【0085】
図10Aに示すように、外科器具が、段階1002で患者の眼球に固定される。この段階には、例えば、外科器具を患者の眼球上の適正な位置に配置し、外科器具の支持板を用いてその位置を保持する作業が含まれる。この段階には、また患者の眼球上に配置された眼球固定具上に外科器具を取り付ける作業をも含んでいる。
【0086】
段階1004では、外科器具が起動される。この段階には、例えば、外科器具の適切な位置に配置されたスイッチを動作させる作業が含まれる。この段階には、またフットペダルその他の外部器具又は構造物を使用して外科器具に有線又は無線の指令を送る作業が含まれる。
段階1006では、外科器具内での収縮性ワイヤの長さが短縮される。この段階には、例えば、フレキシノール製ワイヤを、例えば電流を使用して加熱する作業が含まれる。電流によりフレキシノール製ワイヤに発生する熱によって、フレキシノール製ワイヤは短縮又は収縮し、外科器具内での全長が低減される。
【0087】
段階1008では、外科用刃が回転し患者の眼球に進入し脱出する。この段階には、例えば、収縮性ワイヤがロコモーティヴ・ホイール132を回転させる作業が含まれ、それによりロコモーティヴ・アーム134がワイヤ114を移動させ、それにより回転ホイール108が外科用刃を回転させる。ロコモーティヴ・ホイール132は、360°又は360°近く回転でき、このことは、ロコモーティヴ・アーム134がワイヤ114を双方向に回転させることを意味する。それにより、また外科用刃106が、双方向に回転させられ、患者の眼球組織内へ進入した後、該組織から脱出する。
段階1010では、外科器具が患者の眼球から除去される。この段階には、例えば、外科器具を一方の部位から別の部位へ移動させて、別の切開部を形成する作業が含まれる。この段階には、また追加の外科的段階又は処置、例えば切開部内への強膜プロテーゼその他の埋め込みを行い得るように、外科器具を除去する作業が含まれる。
【実施例11】
【0088】
図10Bに示すように、外科器具は、段階1052で患者の眼球に固定され、段階1054で起動される。外科器具の第1収縮性ワイヤの長さは、段階1056で、例えば、第1収縮性ワイヤに電流を印加することで短縮される。段階1058では、外科用刃が回転して患者の眼球内へ進入する。この段階には、例えば、第1収縮性ワイヤが外科用刃212に張力を加える作業が含まれる。第1収縮性ワイヤは、例えば、外科用刃212に巻き掛けられ、外科用刃212を一方の方向へ引張り/回転させることができる。
段階1060では、外科器具の第2収縮性ワイヤの長さが、例えば、第2収縮性ワイヤに電流を加えることにより短縮される。段階1062では、外科用刃が患者の眼球から脱出回転する。この段階には、例えば、第2収縮性ワイヤが外科用刃212に張力を加える作業が含まれる。第2収縮性ワイヤは、例えば、外科用刃212に巻き掛けられ、外科用刃212を逆方向へ(第1収縮性ワイヤが生じさせる回転の方向に対して)引張り/回転させることができよう。段階1064では、外科器具が患者の眼球から除去できる。
【0089】
図10A及び図10Bには、切開部を形成する方法1000及び1050の例を示したが、これらの例には種々の変更を加えることができる。例えば、図10A及び図10Bには各段階が一連の段階として示されているが、これらの段階は、重複して、又は平行して、又は異なる順序で、又は複数回にわたり、実施することができよう。また、1本以上のワイヤの収縮を、外科用刃の単一方向又は多方向の回転に変換するには、別の機構を使用してもよい。加えて、類似の方法は、別の部位での切開部形成にも使用でき、眼球の切開のみに限定する必要はない。
【0090】
幾つかの実施例では、既述の種々の機能は、コンピュータ・プログラムにより実現又は支援される。このプログラムは、コンピュータにより読み出し可能なプログラム・コードによって形成され、コンピュータにより読み出し可能な媒体に具体化されている。「コンピュータにより読み出し可能なプログラム・コード」という語句には、ソース・コード、目的コード、実行コードを含むどのような種類のコンピュータ・コードも含まれる。「コンピュータにより読み出し可能な媒体」という語句には、コンピュータによりアクセス可能などのような種類の媒体もが含まれ、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ハードディスク・ドライヴ、コンパクト・ディスク(CD)、デジタル・ビデオ/多目的ディスク(DVD)、その他の種類が含まれる。
【0091】
本特許明細書に使用されている一定の単語や語句について定義を加えておくのが好ましかろう。「含む」(include,comprise)及びその派生語は、制限なしに含むことを意味する。「又は」(or)の語は包括的で、及び/又はの意味である。「と関連する」(with associated)の語句及びその派生語は、含むことを意味し、その内部に含まれること、相互に関係すること、包含すること、内包されること、何々に又は何々と接続すること、何々に又は何々と結合すること、何々と通信可能であること、何々と協働すること、差し挟むこと、並列すること、何々に直近すること、何々に又は何々と結ばれていること、有すること、何々を所有していること、等々を意味している。
【0092】
以上、本発明を複数実施例と概して関連する方法とにより説明したが、当業者には、これらの実施例及び方法の別形式及び入れ替えが可能なことは明らかだろう。したがって、実施例の既述の説明は、本発明を定義でもなければ拘束するものでもない。他の変化形、代替形式、別形式も、特許請求の範囲に定義された本発明の精神の範囲を逸脱することなく可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科器具において、
切開部形成のために運動するように構成された外科用刃と、
前記外科用刃の運動を生じさせるように構成されたワイヤと、
前記ワイヤが巻き掛けられる中心軸と、
それぞれ第1及び第2の方向へ中心軸を回転させるように構成された第1及び第2のバネと、
それぞれ第1及び第2の前記バネを固定し、かつ解除するように構成された第1及び第2のラッチと、
第1ラッチにより第1バネを解除することにより中心軸を第1方向に回転させるように構成されたスイッチとが含まれ、前記第2ラッチが、第2バネを解放することにより中心軸を第2方向に回転させるように構成されており、更に、
前記バネの少なくとも1つを、ラッチの少なくとも1つにより再固定する位置へ戻すように構成されたプランジャが含まれている、外科器具。
【請求項2】
前記外科器具が、更に、第1及び第2の機械式アームを含み、該機械式アームが、プランジャに結合され、第1及び第2のバネを第1及び第2のラッチにより再固定する位置に戻すように構成されている、請求項1に記載の外科器具。
【請求項3】
スイッチは、第一ラッチのスロットに挿入される突起を有し、スイッチの移動は突起を移動させて突起が第一ラッチを回転させ、第1バネを解除する、請求項1に記載の外科器具。
【請求項4】
第1バネは、中心軸を第2ラッチにより近づくよう移動させる、請求項1に記載の外科器具。
【請求項5】
第2ラッチは、中心軸の第2ラッチに向かっての移動によりトリガーされる時に、第2バネを解放する、請求項4に記載の外科器具。
【請求項6】
第2バネは、第1バネより強く、第1バネが第一ラッチにより固定されない時でさえ中心軸を第2方向に回転させる、請求項1に記載の外科器具。
【請求項7】
第2バネは、第1バネの端部を、第1バネの端部が第一ラッチにより固定される位置まで戻し、更に、
プランジャは、第2バネの端部を、第2バネの端部が第二ラッチにより固定される位置まで戻す、請求項6に記載の外科器具。
【請求項8】
更に、患者の眼球上に載置される支持板を有し、支持板は、外科用刃の回転中に外科用刃が通過する切り欠きを備える、請求項1に記載の外科器具。
【請求項9】
第1及び第2のラッチは、第1及び第2のバネにそれぞれ物理的に接触して第1及び第2のバネを固定する、請求項1に記載の外科器具。
【請求項10】
外科器具において、
切開部形成のための外科用刃の運動を生じさせるように構成されたワイヤと、
前記ワイヤが巻き掛けられる中心軸と、
それぞれ第1及び第2の方向へ中心軸を回転させるように構成された第1及び第2のバネと、
それぞれ第1及び第2の前記バネを固定し、かつ解除するように構成された第1及び第2のラッチと、
第1ラッチにより第1バネを解除することにより中心軸を第1方向に回転させるように構成されたスイッチとが含まれ、前記第2ラッチが、第2バネを解放することにより中心軸を第2方向に回転させるように構成されている、外科器具。
【請求項11】
更に、前記バネの少なくとも1つを、ラッチの少なくとも1つにより再固定する位置へ戻すように構成されたプランジャを含む、請求項10に記載の外科器具。
【請求項12】
更に、プランジャに接続され、第1及び第2のラッチにより再固定する位置へ第1及び第2のバネを戻すように構成された、第1及び第2の機械式アームを含む、請求項11に記載の外科器具。
【請求項13】
第2のバネは、第1バネの端部を、第1ラッチにより当該第1バネの端部を固定する位置まで戻すように構成され、
プランジャは、第2バネの端部を、第2ラッチにより当該第2バネの端部を固定する位置まで戻すように構成される、請求項11に記載の外科器具。
【請求項14】
スイッチは、第一ラッチのスロットに挿入される突起を有し、スイッチの移動は突起を移動させて突起が第一ラッチを回転させ、第1バネを解除する、請求項10に記載の外科器具。
【請求項15】
第1バネは、中心軸を第2ラッチにより近づくよう移動させ、
第2ラッチは、中心軸の第2ラッチに向かっての移動によりトリガーされる時に、第2バネを解放する、請求項10に記載の外科器具。
【請求項16】
第2バネは、第1バネより強く、第1バネが第一ラッチにより固定されない時でさえ中心軸を第2方向に回転させる、請求項10に記載の外科器具。
【請求項17】
第1及び第2のラッチは、第1及び第2のバネにそれぞれ物理的に接触して第1及び第2のバネを固定する、請求項10に記載の外科器具。
【請求項18】
切開部形成のための外科用刃の運動を生じさせるためにワイヤに第一及び第二方向の移動を生じさせるよう、それぞれ第1及び第2の方向へ中心軸を回転させるように構成された第1及び第2のバネと、
それぞれ第1及び第2の前記バネを固定し、かつ解除するように構成された第1及び第2のラッチと、
第1ラッチにより第1バネを解除することにより中心軸を第1方向に回転させるように構成されたスイッチとが含まれ、前記第2ラッチが、第2バネを解放することにより中心軸を第2方向に回転させるように構成され、
第1バネは、中心軸を第2ラッチにより近づくよう移動させて、第2ラッチによる第2バネの解放をトリガーし、
第1及び第2のラッチは、第1及び第2のバネにそれぞれ物理的に接触して第1及び第2のバネを固定する、外科器具。
【請求項19】
スイッチは、第一ラッチのスロットに挿入される突起を有し、スイッチの移動は突起を移動させて突起が第一ラッチを回転させ、第1バネを解除する、請求項18に記載の外科器具。
【請求項20】
第2バネは、第1バネより強く、第1バネが第一ラッチにより固定されない時でさえ中心軸を第2方向に回転させる、請求項18に記載の外科器具。
【請求項21】
第2のバネは、第1バネの端部を、第1ラッチにより当該第1バネの端部を固定する位置まで戻すように構成され、
プランジャは、第2バネの端部を、第2ラッチにより当該第2バネの端部を固定する位置まで戻すように構成される、請求項20に記載の外科器具。

【図10A】
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【図10B】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図4I】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図5I】
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【図5J】
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【図5K】
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【図5L】
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【図5M】
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【図5N】
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【図5O】
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【図5P】
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【図5Q】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図7H】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【公開番号】特開2012−81284(P2012−81284A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258798(P2011−258798)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【分割の表示】特願2010−532244(P2010−532244)の分割
【原出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(509010849)リフォーカス グループ、インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】