説明

眼科用機器の改善および眼科用機器に関する改善

検査中に眼を観察するための眼科用機器を提供する。機器は、上記眼の画像を取込むための画像取込み手段(26)と、上記画像をコンピュータ読取り可能なファイルに変換するためのデータ処理手段(40、42、46)とを含む。機器は、後にコンピュータに転送できるよう上記ファイルを記憶するための取外し可能なメモリ(44、200)を担持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
この発明は眼科用機器に関し、より特定的には、眼の画像を取込んで実習中に使用したり後に分析したりするのに使用可能な間接検眼鏡に関するが、これには限定されない。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
間接検眼法、特に、双眼間接検眼法は、眼底を検査するために一般に用いられる手法である。この技術では、使用者と被験者との間に配置される手持ち型の集光レンズが用いられる。このレンズは網膜の空中像を作り出し、この空中像は、検眼鏡の観察光学系を介して観察される。
【0003】
典型的には、検眼鏡は頭部装着型であり、光源を備え、光線が検査中にこの光源から手持ち型の集光レンズを介して眼に向かって投影される。観察光学系は、通常双眼用であり、検査官または使用者が検査中に眼底の画像の図を得ることを可能にする。
【0004】
いくつかの検眼鏡、特に、実習用検眼鏡は、検査中に眼の画像を取込むためのビデオカメラを備えている。これらの画像は外部のコンピュータに送ることができ、そこに記録され、その後、資格を有する専門家または間接検眼法の技術を学んでいる学生によって分析される。コンピュータと機器との間は、使用者の移動を妨げる恐れのあるUSBまたはファイヤワイヤのケーブルなどのケーブルで接続される。加えて、ケーブル接続では、画像データを伝送する帯域幅手段が制限されてしまい、機器からコンピュータに供給することのできるビデオ映像の解像度および/またはフレームレートがこれに対応して制限されてしまう可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に従うと、検査中に眼を観察するための眼科用機器が提供される。当該機器は、眼の画像を取込むための画像取込み手段と、当該画像をコンピュータ読取り可能なファイルに変換するためのデータ処理手段とを備える。当該機器は、後にコンピュータに転送できるよう当該ファイルを記憶するためのメモリを担持する。
【0006】
好ましくは、機器は、使用時に手持ちにされるかまたは頭部に装着される。
機器にメモリを備えることにより、画像の取込み時に機器が外部コンピュータと通信する必要がなくなる。このように、使用中に、ケーブルを介して機器をコンピュータに接続する必要がなくなる。このような接続は不便であるかもしれず、つまづく危険を引起す可能性もある。また、機器は、途切れを起こしやすい恐れのあるコンピュータとの無線リンクも必要としない。
【0007】
好ましくは、画像取込み手段はビデオカメラを含む。
この場合、取込まれたビデオ映像(すなわち、一連の取込まれた画像)の解像度およびフレームレートは、コンピュータに対する接続の許容帯域幅によっては制限されない。なぜなら、ビデオデータがメモリに局所的に記憶されるからである。たとえば、USB2とファイヤワイヤケーブルとの接続は、480M Bits/sのデータ転送速度をもたらすが、これによって、ビデオ取込み速度が、毎秒15フレームで1.2MPに制限される。これに対し、局所的にメモリに記録することにより、記録ハードウェア間の選択のみに応じて解像度およびフレームレートをさらにより高くすることができる。
【0008】
便宜上、メモリは携帯型メモリデバイスを含み、この携帯型メモリデバイスは、機器から取外し可能であり、これによって読取られるようコンピュータに接続可能である。
【0009】
このように、画像および/または映像は、機器によって取込まれると、装置を取外してコンピュータに接続することによって容易に転送され得る。加えて、機器は、取外された1つの装置から画像および/または映像を転送しつつ新しい画像および/または映像が別のこのようなデバイスに記録され得るように、いくつかのこのようなデバイスの各々と順々に用いられてもよい。
【0010】
好ましくは、取外し可能なメモリデバイスは、ソリッドステートデバイスであり、好ましくはメモリカードまたはUSBスティックを含む。
【0011】
このようなデバイスは、一般に、コンパクトで、軽量で、ロバストで、安価で、使い易く、大抵のコンピュータと互換性がある。
【0012】
代替的には、メモリが機器に内蔵されてもよく、この場合、画像を転送するには、この機器を大容量記憶装置として処理するコンピュータに接続することが必要となる。このような接続はファイヤワイヤまたはUSBのケーブルを用いてなされてもよく、この場合、上述の帯域幅の制限では、転送された映像の解像度またはフレームレートは制限されないだろう。なぜなら、映像にわたる期間よりも転送にかかる期間の方が長くなる可能性があるからである。
【0013】
好ましくは、機器はディスプレイスクリーン(好ましくは、局所的なディスプレイスクリーン)を備え、このディスプレイスクリーン上で、使用者が画像取込み手段によって取込まれている画像を閲覧し得る。
【0014】
加えて、機器は有利には観察光学系を含んでいてもよく、使用者が、検査中にこの観察光学系を介して眼を観察し得る。
【0015】
このような光学系は、従来の機器の特徴をなしており、検査中に眼の高解像度画像を提供することができる。また、双眼間接検眼鏡などのいくつかの種類の機器の場合、観察光学系により眼の立体視が得られる。加えて、機器は、さらに、画像取込み手段とスイッチが切られた観察用スクリーンとともに、すなわち(その動作モード時には、機器の電力消費が低減される)従来の機器として、用いることができる。
【0016】
観察光学系が接眼レンズを含む場合、スクリーンは、有利には、機器上で、たとえば上記接眼レンズに隣接して配置される。
【0017】
代替的には、スクリーンは、機器の本体とは別個であってもよく、使用者の片方の手の付近にスクリーンを監視および保持するための手段を備える。
【0018】
機器が間接検眼鏡である場合、スクリーンをこのように手持ち型レンズの付近に保持することができる。この目的のために、スクリーンはレンズに取付けられてもよく、または、使用者の前腕にスクリーンを取付けるためのストラップまたはバンドを備えていてもよい。このようなバンドは、ジョギング中に音楽を聞きたい人の腕に個人用音楽プレーヤを取付けるタイプのバンドと同様であってもよい。
【0019】
スクリーンは、閲覧者の眼から離れたところに位置決めされるが、それでも、スクリーンの前に如何なる付加的な調節レンズをも必要とすることなく検眼鏡の観察光学系を介して見ることができる。
【0020】
メモリ、データ処理手段およびスクリーンは共通のハウジングに収容されてもよく、このハウジングは、これら構成要素と、ケーブルによってそれに接続される画像取込み手段とのための電源をも含む。
【0021】
この場合、機器は、好ましくは、使用者による近接観察を補償するために1つ以上のレンズをスクリーンの前方に備える。さらに、レンズは、スクリーンと使用者の眼との間の距離が使用者の最小の明視距離未満である場合、使用者がスクリーンに焦点を合わせることを可能にするだろう。観察光学系が2つの接眼レンズを含む場合、スクリーンは、好ましくは、それぞれの接眼レンズに隣接して対応して配置される2つのこのようなスクリーンのうちの一方である。
【0022】
本発明はまた眼科用機器であり、眼科用機器は、検査中に眼の画像を取込むための画像取込み手段と、画像をコンピュータ読取り可能なファイルに変換するためのデータ処理手段と、デバイスへの上記ファイルの記録を可能にするようにデータ処理手段を携帯型メモリデバイスに取外し可能に接続するためのコネクタとを含む。
【0023】
上記コネクタは、たとえば、メモリカードスロットまたはUSBソケットを含み得る。
好ましくは、上述の機器はいずれも、間接的な頭部装着型検眼鏡を含む。
【0024】
好ましくは、機器は、当該機器を使用者の頭部に装着するためのヘッドバンドと、ヘッドバンドによって担持され、使用時にメモリに接続されるディスプレイスクリーンとを含む。ディスプレイスクリーンは、使用者がヘッドバンドの取外し後に上記画像を見ることができるようにするために、メモリに記憶された画像を表示するよう動作可能である。
【0025】
このように、機器を操作してビデオ映像または静止画像を獲得した使用者は、彼/彼女が自身の頭部から機器を取外したときにこの素材を直ちに都合よく閲覧することができる。
【0026】
好ましくは、ディスプレイスクリーンは、ヘッドバンドの前部から間隔を空けた箇所に位置する。
【0027】
結果として、ディスプレイによってヘッドバンドに加えられる力のモーメントによって、機器の残りの部分によって加えられる力のモーメントを強化する必要がなくなる。
【0028】
好ましくは、ディスプレイスクリーンはヘッドバンドの後部に位置する。ディスプレイスクリーンがこの位置にある場合にもたらす力のモーメントは、機器のうちヘッドバンドの前方にある部品によってもたらされる力のモーメントを相殺することとなる。
【0029】
機器は、便宜上、使用時に1つ以上の電池などのそれ自体の電源を担持していてもよい。したがって、機器は、ヘッドバンドの後部に装着された(1つ以上のバッテリを収容するための)バッテリハウジングを含み得る。ディスプレイスクリーンはこのハウジングに搭載される。
【0030】
便宜上、バッテリハウジングは、1つ以上のバッテリを収容するバッテリパックを含む。
【0031】
好ましくは、ディスプレイスクリーンは、機器上で解放可能に搭載可能なディスプレイモジュールを含む。
【0032】
モジュールは、便宜上、上記メモリを含んでいてもよい。
結果として、ディスプレイスクリーン上の取込み画像を閲覧した使用者は、簡単にモジュールを取外して、(たとえば、コンピュータにおけるUSBソケットに差込まれたモジュール上のUSB雄型コネクタを介して)コンピュータに接続することができる。
【0033】
図面の簡単な説明
ここで、本発明を、添付の図面に関連付けて例示としてのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に従った(ヘッドバンドを備えた)検眼鏡の第1の実施例を示す等角図である。
【図2】図1の検眼鏡のさまざまな構成要素を示すブロック回路図である。
【図3】本発明に従った(ヘッドバンドを備えた)検眼鏡の第2の実施例を示す、図1の対応図である。
【図4】図3の検眼鏡の変形例を示す、図1の対応図である。
【図5】検眼鏡の別の変形例を後部から示す等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
詳細な説明
図1を参照して、本発明に従った機器の第1の実施例は、全体的に1と参照符号が付された間接検眼鏡を含む。間接検眼鏡1は、ヘッドバンド2の前部に取付けられ、これにより、機器を使用者の頭部に装着することが可能となる。ヘッドバンド2の後部は、検眼鏡1における光源を作動させるための電力を供給するバッテリパック4を担持する。その光源が発した光の強さは、ヘッドバンド2上の輝度制御部6によって制御することができる。
【0036】
検眼鏡1は、全体的に逆T字型の形状であるハウジング8を含む。ハウジングは、(上述の光源を含む)照明光学系および両眼用観察光学系を収容する。
【0037】
照明光学系は、ハウジングの垂直なステム10内に収容されており、光源に加えて、角度の付けられたミラーを含む。このミラーは、光源の下に位置決めされており、光源からの光をハウジング1の前部にある窓12へと反射させる。
【0038】
ミラーは、ハウジング8の横材14内に収容される観察光学系の真上に位置決めされる。2つの側部制御部16および18により、照明用ミラーの角度を調節することができる。
【0039】
機器の照明および観察光学系(および関連する制御部)は、本出願人の米国特許明細書番号US6280033に記載されるとおりである。
【0040】
角度の付けられた半鍍銀のミラー20は、取付台上で観察光学系の前方に位置しており、これにより、2つの側部制御部22および24によってミラー20の角度を調整することが可能となる。ミラー20は、そこに入射する光を、ミラー20の真上にありステム10に据えられたビデオカメラ26へと反射させる。制御部24および/または22が行なう調整により、検眼鏡の使用者が、カメラによって検出された画像の視野を、観察光学系を介して使用者が見ているものと可能な限り合致するように、調整することが可能となる。
【0041】
使用時に、ミラー20に入射した光のうち30%が反射してカメラへと入射し、残りの光が観察光学系へと移動するので、観察光学系を介して見られる画像をミラーが過度に劣化させることはなくなる。ここまで記載してきた検眼鏡1の特徴はまた、本願出願人の既存のKEELER VANTAGE PLUS LED DIGITAL(登録商標)検眼鏡上に存在する。ステム10の側部にある制御ノブ28は、照明光学系がもたらす照明光線の幅を公知の態様で調整するためのものである。
【0042】
ハウジング8の横材14はまた、使用者の眼の各々に対応する2つの接眼レンズ(図1には図示せず)を収容する。これらの接眼レンズの真上では、横材14の上に、2つの局所的なLCDディスプレイスクリーン30および32が設けられており、その各々は、カメラ26によって検出された画像を表示するよう動作可能である。それぞれの集束レンズ(図1には図示せず)は、各スクリーンの前方に位置しており、これにより、使用者が、検眼鏡の着用中にスクリーンに表示された画像に焦点を合わせることが可能となる。スクリーンが接眼レンズの真上にあるので、使用者は、検査中に観察光学系を介して眼の画像を観察したり、スクリーン30および32に表示されている画像を観察したりと容易に切り替えることができ、このため、使用者が、それらの画像を適度な程度に一致させるように制御部22および/または24をより容易に調整し得ることが認識されるだろう。
【0043】
照明光学系、観察光学系、およびカメラと半鍍銀のミラーとの構成は、本願出願人の既存のKEELER VANTAGE PLUS DIGITAL(登録商標)検眼鏡の対応する部品と実質的に同じである。
【0044】
カメラ26はUSB2で電力供給されるボードカメラである。
図2を参照すると、カメラは、回路接合部36において分割されるアナログビデオコンポジット出力信号を生成し、こうして、この信号を、ディスプレイスクリーン30および32、(集合的に参照符号38で示される)関連する駆動回路、ならびにアナログ−デジタルビデオ信号コンバータ(ADC:analogue to digital video signal converter)40に供給することができるようになる。ビデオADC 40は、ビデオコンポジット信号を、マイクロプロセッサ42に供給されるデジタルデータストリームに変換する。マイクロプロセッサ42は、入力されたデータストリームを圧縮し、公知の方法でコンピュータ読取り可能なファイルに変換するよう動作可能である。マイクロプロセッサ42は、さらに、ソリッドステートメモリ44に接続される。マイクロプロセッサ42はまた、コンピュータインタフェイス回路46に接続され、これが、USBリード線34への接続用のUSBソケットを提供し、これを介して、マイクロプロセッサ42(と、これによりメモリ44と)が外部コンピュータに接続可能となり、この外部コンピュータによって制御可能となる。
【0045】
マイクロプロセッサ42は、コマンド信号のための入力48を含む。この入力48は、検眼鏡ハウジング上の好適な外部位置にある記録ボタン50に接続されており、使用者が、カメラ26によって取込まれた映像の記録を開始または中断することを可能にする。マイクロプロセッサ42の出力52は、システムが記録モードである場合に点灯するインジケータLED 54に接続される。
【0046】
図2から分かるように、カメラ、ディスプレイ、ADC、マイクロプロセッサ、メモリカードおよびインジケータのための電源はバッテリパック4から得られる。
【0047】
使用時に、検眼鏡1は外部コンピュータには接続されず、従来の検眼鏡と同様の態様で使用者が動作させる。しかしながら、使用者が検査の映像を記録したいと希望するのであれば、使用者は、最初に、スクリーン30および32を用いて、カメラ126によって検出されている画像をチェックし、そして、カメラ26によって検出された画像が観察光学系を介して観察されている画像と一致するように、制御部22または24を介して必要な調節を行うこととなる。
【0048】
次いで、検査の映像の記録は、ボタン50を押すことによって開始させることができ、こうして、ビデオADC 40からのデジタルデータストリームをマイクロプロセッサ42によって処理して、圧縮された画像データがメモリ44に書込まれるようにする。ボタン50が再び押されると、記録は停止し、マイクロプロセッサ42が、メモリ44に書込まれたデータをコンピュータ読取り可能なファイルに変換し、これがさらにメモリ44にも書込まれる。
【0049】
検眼鏡が使用された後、この検眼鏡は、ケーブル34を介して外部コンピュータに接続することができる。この外部コンピュータにとっては、検眼鏡は、ビデオ映像を含む(メモリ44内の)1つ以上のファイルを有する大容量記憶装置として認識される。こうして、コンピュータは、その後の観察および分析のためにこれらのファイルをダウンロードすることができる。図2に示される構成要素が、たとえば、何らかの専用のデジタルビデオカメラや、携帯電話および個人用音楽プレーヤなどの多目的の個人用デジタル電子機器において見出されるような他の従来のデジタルビデオおよびストレージシステムの対応する構成要素と同様の形状および機能を有することが認識されるだろう。
【0050】
このように、検眼鏡1が外部コンピュータに接続されていない場合、ビデオ映像は検眼鏡1によって取込むことができる。加えて、その後、映像が別個のコンピュータにダウンロードされると、この映像は、ストリーミングされたビデオデータとしてではなく、1つ以上の予め記憶されたファイルとして転送される。したがって、検眼鏡からコンピュータへのデータの転送速度に対する制限は、取込まれたビデオ映像の解像度またはフレームレートに影響を及ぼすことはない。というのも、ダウンロードは、映像の期間よりも長い期間にわたって行うことできるからである。
【0051】
図3に示される検眼鏡の実施例は、多くの点で検眼鏡の第1の実施例と同じであり、このため、対応する構成要素は、図1の参照番号を100ずつ増やして表わされている。
【0052】
しかしながら、この場合、検眼鏡101はオンボードメモリを含まないが、代わりに、取外し可能なソリッドステートメモリカード200を収容するためのメモリカード読取/書込デバイスを有する。メモリカードおよび関連する読取/書込デバイスは、図2に示されるメモリ44と同じように機能する。しかしながら、データが転送されるべき場合、メモリカードは、検眼鏡101から簡単に取外され、リーダに挿入されるかまたは外部コンピュータに接続される。第2の実施例は、メモリカードが検眼鏡101におけるUSBソケットに挿入可能なUSBメモリスティックと置換えられるように、変更されてもよい。専用のメモリカードリーダに接続されなくてもこのようなメモリデバイスと互換性のある多くのコンピュータが存在するだろう。この実施例においては、図2のブロック46に対応する回路は設けられていない。検眼鏡は、取込まれた映像を転送するのにコンピュータに直接接続されなくてもよい。
【0053】
図3に示される実施例は、より安価な製品を提供するために、観察用スクリーン30および32が省略されている図4に示されるように変更することもできる。
【0054】
図5に示されるさらに変更されたタイプの検眼鏡は、図4の検眼鏡と共通する多くの特徴を有しており、これらは図4において用いられるのと同じ参照符号で表わされている。
【0055】
図5に示される構成は、検眼鏡自体がメモリカードのためのスロットを備えていない点、および、ディスプレイモジュール200のディスプレイスクリーン形成部分がバッテリパック104の上に搭載されている点において、図4に示される構成とは異なっている。バッテリパック104とモジュール200の下側とに、連結形成部(図示せず)が設けられており、この連結形成部は、モジュール200をパック104の上に解放可能に取付けることを可能にし、さらに、パック104から電力を供給するための電力およびデータ接点を含み、これにより、モジュール200の(参照番号200が付された)ディスプレイスクリーンを作動させ、カメラによって取込まれた画像を表わすデータをスクリーン200に伝送する。データ接続により、モジュール200におけるスクリーンドライバ(図示せず)がインターフェイス46などのコンピュータインタフェイスを介してマイクロプロセッサ42に連結される。したがって、関連する形成部は、たとえば、バッテリパック104の上にあるソケットと(またはこれとは逆の状態で)協働するUSBプラグをモジュール200上に備え得る。パック104上のモジュール200を機械的に保持する形成部は、たとえば、モジュール200の下側に雄型のラッチング部材(たとえば、つめ)を含み得る。これらの雄型のラッチング部材は、パック104の上にある対応する開口部に係合し、モジュール200上のボタン(図示せず)によってそこから解放可能である。このボタンは、これらの形成部が開口部の端縁から離れてモジュール200の取外しが可能になるまで、このボタンを押してこれらの形成部を移動させるように、雄型のラッチング部材に連結されている。
【0056】
モジュール200は、カメラからマイクロプロセッサを介してモジュール200に伝送される画像データを記憶するメモリ(図示せず)を含み得る。加えて、または、代替的には、検眼鏡101は、図2に示される実施例のメモリ44などの内部メモリを含んでもよい。
【0057】
使用時に、使用者は、他のタイプの発明と同じ態様でカメラを作動させる。使用者が機器の使用を終えると、使用者は機器を取外し、モジュール200の前部にある制御ボタン204を介する入力に応じて、記録されたビデオデータをスクリーン202上で見ることができる。これらの制御ボタンは、(各々が開始/停止などの専用の機能を有することによって、または、スクリーン202に表示されたメニューのまわりでカーソルを移動可能にすることによって)通常の再生オプションを制御し得る。機器が取外されると、使用者がバンド102を保持するので、容易にスクリーン202を閲覧したり、ボタン204を操作したりすることができるようになるだろう。
【0058】
こうして、再生機能を用いて検査を完了した後、使用者は画像およびビデオを見ることができ、PCを用いなくても、取込まれたデータの品質を直ちに評価することが可能となる。加えて、または、代替的には、取込まれたビデオ映像は、検査中にスクリーン202を見る観察者によって検査/観察可能である。
【0059】
スクリーン202は、ビデオまたは静止画像を表示するための好適な如何なるディスプレイスクリーンであってもよく、たとえば、LCD、LED、OLEDスクリーンであってもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査中に眼を観察するための眼科用機器であって、
機器は、前記眼の画像を取込むための画像取込み手段と、前記画像をコンピュータ読取り可能なファイルに変換するためのデータ処理手段とを含み、
機器は、後の表示および/またはコンピュータへの転送のために前記ファイルを記憶するためのメモリを担持する、眼科用機器。
【請求項2】
機器は、使用時に手持ちにされるかまたは頭部に装着される、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
画像取込み手段はビデオカメラを含む、請求項1または2に記載の機器。
【請求項4】
メモリは携帯型メモリデバイスを含み、前記携帯型メモリデバイスは、機器から取外し可能であり、コンピュータが読取れるようコンピュータに接続可能である、請求項1から3のいずれかに記載の機器。
【請求項5】
取外し可能なメモリデバイスはソリッドステートデバイスである、請求項4に記載の機器。
【請求項6】
メモリデバイスはメモリカードまたはUSBスティックを含む、請求項5に記載の機器。
【請求項7】
メモリは機器に内蔵される、請求項1から3のいずれかに記載の機器。
【請求項8】
機器はディスプレイスクリーンを備え、前記ディスプレイスクリーン上で、使用者が、画像取込み手段によって取込まれている画像を閲覧し得る、請求項1から7いずれかに記載の機器。
【請求項9】
機器は観察光学系を含み、前記観察光学系を介して使用者が検査中に眼を観察し得る、請求項8に記載の機器。
【請求項10】
観察光学系は接眼レンズを含み、スクリーンは、機器上で前記接眼レンズに隣接して配置される、請求項9に記載の機器。
【請求項11】
スクリーンは機器の本体とは別個であり、使用者の片方の手の付近にスクリーンを装着および保持するための手段を含む、請求項8に記載の機器。
【請求項12】
機器は間接検眼鏡を含む、請求項1から11のいずれかに記載の機器。
【請求項13】
スクリーンは、手持ち型レンズに取付けられるか、または、使用者の前腕にスクリーンを取付けるためのストラップもしくはバンドを備える、請求項8に従属する、請求項12に記載の機器。
【請求項14】
メモリ、データ処理手段およびスクリーンが共通のハウジングに収容され、前記共通のハウジングはまた、これらの構成要素および画像取込み手段のための電源を収容し、前記画像取込み手段は電源に接続される、請求項8から11のいずれかに記載の機器。
【請求項15】
機器は、使用者による近接観察を補償するために1つ以上のレンズをスクリーンの前部に備える、請求項10に記載の機器。
【請求項16】
観察光学系は2つの接眼レンズを含み、スクリーンは2つのこのようなスクリーンのうちの1つであり、各々がそれぞれの接眼レンズに隣接して位置する、請求項10に記載の機器。
【請求項17】
眼科用機器であって、
検査中に眼の画像を取込むための画像取込み手段と、
画像をコンピュータ読取り可能なファイルに変換するためのデータ処理手段と、
前記ファイルをデバイスに記録できるようにするために、データ処理手段を携帯型メモリデバイスに取外し可能に接続するためのコネクタとを含む、眼科用機器。
【請求項18】
コネクタはメモリカードスロットまたはUSBソケットを含む、請求項17に記載の機器。
【請求項19】
機器は、間接的な頭部装着型検眼鏡を含む、請求項17または18に記載の機器。
【請求項20】
機器は、使用者の頭部に機器を装着するためのヘッドバンドと、ヘッドバンドによって担持され、使用時にメモリに接続されるディスプレイスクリーンとを含み、
ディスプレイスクリーンは、使用者がヘッドバンドの取外し後に前記画像を見ることを可能にするために、メモリに記憶された画像を表示するよう動作可能である、請求項17から19のいずれかに記載の機器。
【請求項21】
ディスプレイスクリーンは、ヘッドバンドの前部から間隔を空けた位置に配置される、請求項20に記載の機器。
【請求項22】
ディスプレイスクリーンはヘッドバンドの後部に位置する、請求項21に記載の機器。
【請求項23】
機器はヘッドバンドの後部に装着されるバッテリハウジングを含み、ディスプレイスクリーンはバッテリハウジング上に搭載される、請求項22に記載の機器。
【請求項24】
バッテリハウジングが1つ以上のバッテリを収容するバッテリパックを含む、請求項23に記載の機器。
【請求項25】
ディスプレイスクリーンは機器に解放可能に搭載可能なディスプレイモジュールを含む、請求項20から24のいずれかに記載の機器。
【請求項26】
モジュールは前記メモリを含む、請求項25に記載の機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2013−506516(P2013−506516A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532664(P2012−532664)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【国際出願番号】PCT/GB2010/051641
【国際公開番号】WO2011/042723
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(502115349)キーラー・リミテッド (1)