説明

眼鏡フレーム

【課題】テンプルを大きく開いた場合でもレンズには殆ど力が作用せず、デザインの幅を広げることができる眼鏡フレームを提供する。
【解決手段】樹脂製の外側フロント枠21の両端部に蝶番30を介してテンプル31を連結した外側フレーム20と、金属製の内側フロント枠51に一対のレンズ60を備える内側フレーム50とからなり、外側フレーム20が、ブリッジ23の内側面に凹部を備え、内側フレーム50が、ブリッジ53の外側面に凸部を備え、凸部を凹部に挿入して固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は眼鏡フレームに関し、特に、テンプルを大きく開いた場合でも、レンズに影響を与えることのない眼鏡フレームに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、眼鏡フレームは、一対のレンズを保持するフロント枠の両端部に蝶番を介してテンプルが連結されている。フロント枠としては、フルリムタイプ、ハーフリムタイプ、又はツーポイントと呼ばれるリムレスのものがある。
【0003】
使用者が通常眼鏡フレームを使用しているときは、フロント枠に対してテンプルが最大に拡開した状態(最大拡開状態)で使用している。すなわち、使用者が眼鏡フレームを購入する際に、蝶番の開き具合やテンプルの曲がり具合を調節して、テンプルが頭部に大きな力を及ぼすことがないように、また、頭部に密着するようにしている。
【0004】
しかしながら、眼鏡を装着する際や取り外す際には、使用者は、無意識に最大拡開状態よりもさらに大きくテンプルを広げている。このために、眼鏡フレームを長期間使用していると、次第にテンプルが頭部に密着しなくなり、使用に支障を来すようになる。また、時にはフロント枠に大きな力が作用して、レンズを破損させることもある。
【0005】
例えば、特許文献1には、テンプルを大きく開いた場合でもレンズに力が作用することのない眼鏡フレームが記載されている。図6に示すように、この眼鏡フレーム110は、L字状をなして、レンズ160の内側部を保持する左右一対のレンズステー122と、この一対のレンズステー122を連結するブリッジ123と、レンズステー122にそれぞれ連結される長尺の鎧部124と、この鎧部124に蝶番130を介して折り畳み可能に連結されるテンプル131とを備え、両レンズステー122にはレンズ160を保持するレンズ止め162が取付けられている。
【0006】
ここで、レンズ160は、レンズ止め162によって、レンズステー122にワンポイントで取付けられている。このため、テンプル131を大きく開いた場合でも、両レンズ160には殆ど力が作用しないようになっている。また、テンプル131とともに、長尺の鎧部124が弾性を有しているので、大きな拡開を繰り返しても、テンプル131及び鎧部124の弾性の範囲内とすることができる。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された発明のみでは、デザインの幅が限られており、樹脂製のフルリムタイプのフロント枠等には応用することができず、同様の機能を備える他のデザインを開発する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−76743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明の目的は、テンプルを大きく開いた場合でも、そのレンズには殆ど力が作用しない眼鏡フレームであって、斬新なデザインを備えるとともに、さらに幅広い展開が可能な眼鏡フレームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る眼鏡フレームは、樹脂製の外側フロント枠の両端部に蝶番を介してテンプルを連結した外側フレームと、金属製の内側フロント枠に一対のレンズを備える内側フレームとからなる眼鏡フレームであって、前記外側フレームが、ブリッジの内側面に凹部を備え、前記内側フレームが、ブリッジの外側面に凸部を備え、前記凸部を前記凹部に挿入して固定している手段を採用している。
【0011】
また、本発明の請求項2に係る眼鏡フレームは、請求項1に記載の眼鏡フレームにおいて、前記外側フロント枠が、フルリムタイプである手段を採用している。また、本発明の請求項3に係る眼鏡フレームは、請求項1又は2に記載の眼鏡フレームにおいて、前記内側フロント枠が、ナイロールタイプである手段を採用している。
【0012】
また、本発明の請求項4に係る眼鏡フレームは、請求項1乃至3の何れか1項に記載の眼鏡フレームにおいて、前記外側フレームが、前記蝶番の近傍に弾性体を備えている手段を採用している。また、本発明の請求項5に係る眼鏡フレームは、請求項1乃至4の何れか1項に記載の眼鏡フレームにおいて、ノーズパッドが、前記内側フロント枠に取付けられている手段を採用している。
【発明の効果】
【0013】
上記のような構成としたことにより、本発明の眼鏡フレームは、実用的であるとともに斬新なデザインを備えた眼鏡フレームであって、レンズに力を殆ど作用させることなく、テンプルを大きく開くことができる。また、デザインは、さらに幅広いバリエーションを備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の一例を示す眼鏡フレームの概略平面図である。
【図2】図1の眼鏡フレームの概略側面図である。
【図3】図1の眼鏡フレームの概略正面図である。
【図4】図1の眼鏡フレームの内側フレームの概略正面図である。
【図5】図1の眼鏡フレームの内側フレームを外側フレームから切り離した状態を示す概略平面図である。
【図6】従来の眼鏡フレームの一例を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1〜3は、本発明の実施の一例である眼鏡フレーム10を示しており、図1はその平面図、図2は側面図、図3は正面図である。眼鏡フレーム10は、外側フレーム20及び内側フレーム50により構成されていることを特徴としている。図4は内側フレーム50の正面図であり、図5は内側フレーム50を外側フレーム20の外側フロント枠21から切り離した状態を示している。
【0016】
すなわち、眼鏡フレーム10は、一見すると通常のフルリムタイプの外観を呈しているが、外側フレーム20と内側フレーム50とによって構成されている。そして、外側フレーム20には、外側フロント枠21、蝶番30及びテンプル31が含まれており、内側フレーム50には、内側フロント枠51及び一対のレンズ60が含まれている。
【0017】
外側フロント枠21は樹脂製であって、一対のリム22がブリッジ23によって連結され、その両端部を構成する鎧部24に、蝶番30を介してテンプル31が回動可能に取り付けられている。この例において、外側フロント枠21は、フルリムタイプで示されているが、ハーフリムタイプとすることも可能である。また、テンプル31については、樹脂製で示されているが、金属製とすることもできる。
【0018】
蝶番30は、外側フロント枠21に対してテンプル31を回動可能にするとともに、その回動範囲を制限するようになっている。すなわち、眼鏡フレーム10の使用状態では、最大拡開状態以上に回動しないようになっており、不使用状態では、テンプル31を内側に折り畳んでケースに収納できるようにしている。
【0019】
外側フレーム20は、蝶番30の近傍に弾性体32を備えていることが好ましい。ここで、蝶番30の近傍とは、鎧部24の一部、テンプル31の一部、及び蝶番30自身が含まれることとする。この例においては、蝶番30の鎧部24側の蝶片をU字状に形成して弾性体32としている。弾性体32の形状はU字状に限定されず、S字状などとすることもできる。
【0020】
そして、弾性体32は、少なくとも10°以上の角度で、弾性変形可能であることが好ましい。これによって、使用者が眼鏡フレーム10を装着したり取り外したりする際に、最大拡開状態よりもさらに、片側10°以上に開くことが可能であり、レンズ60の破損等を防止することができる。
【0021】
図4に示すように、内側フレーム50の内側フロント枠51は金属製であって、一対のリム52がブリッジ53で連結され、一対のレンズ60が取り付けられている。この例において、内側フロント枠51は、ナイロールタイプ(ハーフリムタイプ)で示されているが、フルリムタイプとすることもできる。
【0022】
図示された内側フロント枠51のリム52は、通常のハーフリムタイプよりも短く形成されており、使用者の鼻に近い部分のみで構成されている。すなわち、リム52の長さはレンズ60の外周の4分の1程度である。このような内側フロント枠51は、レンズ60との間で形状を合わせる部分が少なくなるので、製作が容易となり、レンズ60面の曲率が大きい場合には特に有利となる。
【0023】
図5は内側フレーム50を外側フレーム20から切り離した状態を示すとともに、内側フレーム50と外側フレーム20との結合方法を示している。内側フレーム50は、ブリッジ53の外側面(外側フレーム20側の面)に凸部55を備え、外側フレーム20は、ブリッジ23の内側面(内側フレーム50側の面)に凹部25を備えている。そして、凸部55を凹部25に挿入して固定することができる。固定の方法として、接着による方法も可能であるが、図示のようにねじ止めとすることにより、レンズ60の交換を容易にすることができる。
【0024】
本発明の眼鏡フレーム10は、外側フレーム20のブリッジ23と内側フレーム50のブリッジ53によって連結されている。そして、テンプル31は外側フレーム20に連結されており、レンズ60は内側フレーム50に取り付けられている。このため、テンプル31を大きく開いても、その力がレンズ60にまで影響を与えることはない。また、蝶番30の近傍に弾性体32を備えることにより、その影響を一層小さくすることができる。
【0025】
さらに、外側フロント枠21は、フルリムタイプとしたりハーフリムタイプとしたりすることが可能であり、内側フロント枠51は、ナイロールタイプとしたりフルリムタイプとすることが可能である。また、テンプル31は、樹脂製とすることも金属製とすることも可能である。したがって、デザインが幅広いバリエーションを備えることになる。
【0026】
なお、眼鏡フレーム10では、ノーズパッド61が内側フロント枠51に取り付けられる例を示したが、外側フロント枠21に取り付けることも可能である。また、弾性体32が、蝶番30の鎧部24側の蝶片をU字状としたが、テンプル31側の蝶片をU字状とすることも可能であり、鎧部24の一部やテンプルの一部をU字状等とすることも可能である。
【符号の説明】
【0027】
10 眼鏡フレーム
20 外側フレーム
21 外側フロント枠
23 ブリッジ
25 凹部
30 蝶番
31 テンプル
32 弾性体
50 内側フレーム
51 内側フロント枠
53 ブリッジ
55 凸部
60 レンズ
61 ノーズパッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製の外側フロント枠の両端部に蝶番を介してテンプルを連結した外側フレームと、金属製の内側フロント枠に一対のレンズを備える内側フレームとからなる眼鏡フレームであって、
前記外側フレームが、ブリッジの内側面に凹部を備え、
前記内側フレームが、ブリッジの外側面に凸部を備え、
前記凸部を前記凹部に挿入して固定していることを特徴とする眼鏡フレーム。
【請求項2】
前記外側フロント枠が、フルリムタイプであることを特徴とする請求項1に記載の眼鏡フレーム。
【請求項3】
前記内側フロント枠が、ナイロールタイプであることを特徴とする請求項1又は2に記載の眼鏡フレーム。
【請求項4】
前記外側フレームが、前記蝶番の近傍に弾性体を備えていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の眼鏡フレーム。
【請求項5】
ノーズパッドが、前記内側フロント枠に取付けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の眼鏡フレーム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−61396(P2013−61396A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198238(P2011−198238)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(302047282)株式会社フォーナインズ (26)
【Fターム(参考)】