説明

着脱可能なカートリッジを備えた濾過システムと、濾過システムの着脱可能なカートリッジの消耗を決定する方法と、この方法を果たすためのキット

カートリッジの残りの耐用期間及び/もしくは消耗のレベルを示すパラメータを、使用済みのカートリッジを取り替える目的で使用者に通知するために、このパラメータを決定及び/もしくは表示を行うための手段を備えた濾過システムにおいて、
このパラメータを決定するための手段は、パラメータの決定及び/もしくは表示を訂正するための手段と、使用者が任意で所望の訂正を設定するための手段とを有することを特徴とする濾過システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱可能なカートリッジを備えた濾過システムと、濾過システムの着脱可能なカートリッジの消耗を決定する方法と、この方法を果たすためのキットとに関わる。
【背景技術】
【0002】
着脱可能なカートリッジが設けられているいわゆる浸透形式の水の濾過システムを備えたジャグ、ケトル、ティーポットなどの手段を使用する時、定期的なメンテナンスを必要とする濾過カートリッジと部品との耐用期間を、測定及び決定する必要がある。
【0003】
比較的高い精度の装置が、この目的のために開発され、カートリッジの使用周期、濾過された水の量、及び/もしくは、最初の使用から経過した時間を計算し、これらのパラメータに従って、カートリッジの消耗の程度及び/もしくは残りの耐用期間を決定するために適用される。
【0004】
例えば特許文献1によると、処理される水の質が、濾過によって取り除かれるべき汚染物質の密度と質とに応じて変化し得るカートリッジの耐用期間に大きく影響することが、知られている。
【0005】
しかしながら、このようなシステムは、比較的高額且つ複雑であり、また多量の電気消費を伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】EP−1484097
【発明の概要】
【0007】
本発明の基礎を為している問題は、従来技術に記載された欠点を克服するように、構造的且つ機能的に形成された濾過システムを提供することである。
【0008】
この問題は、添付の請求項に記載の濾過システムによる本発明によって、処理及び解決される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の濾過ジャグのシステムの概略図である。
【図2】図2は、図1のジャグの蓋の部分の概略的な平面図である。
【図3】図3は、本発明のキットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の特徴及び効果は、添付の図に非制限的な例として示されている、好ましいが制限的でない本発明の実施形態の、下記の詳細な説明において、詳しく開示される。
【0011】
図1では、本発明に係る濾過ジャグの全体が、参照符号1によって示されている。このジャグ1は、本来知られている方法で、容器2を有しており、この容器2の中に、じょうご型のホッパー3が配置されており、濾過される水を溜めるためのタンク4が、このホッパーの上側の部分内に設けられている。そして、濾過された水を溜めるために適用されるタンク5が、前記容器2のホッパー3の下側の部分内に設けられている。これら2つのタンク4、5は、着脱可能な形式の濾過カートリッジ7を収容しているダクト6を介して連通している。この上側のタンク4は、着脱可能な蓋8により閉じられる。この蓋8には、前記カートリッジ7の残りの耐用期間及び/もしくは消耗のレベルを示すパラメータを決定及び/もしくは表示するための手段9が、設けられており、かくして、使用済みのカートリッジを取り替えるために、使用者にこのパラメータが通知され得る。例によると、これら手段9は、ディスプレイ11に関連して設けられた計測手段10を有している。このディスプレイ11は、例えば、完了された濾過サイクルの回数を第1のウィンドウ12に示し、カートリッジ交換前の残りのサイクル数を第2のウィンドウ13に示し、挿入されたカートリッジの最初の使用日を第3のウィンドウ14に示し、アラーム信号を第4のウィンドウ15に示すために適用される。さらに、この手段9は、前記ディスプレイの管理プログラムが、従来の計測手段と共に予めロードされている動作回路16を有している。この動作回路は、濾過される水の物理化学的パラメータの関数として、前記カートリッジの消耗の計測の必要な訂正を手動で選択可能にするように、コントロールパネルのシステム・リセット/スタート・キー17と2つ以上の1組のキー(この実施形態には3つのキー)18a、18b、18cとに接続されている。
【0012】
カートリッジ交換樹脂の実際の耐用期間が、カートリッジの残りの耐用期間と同様に、濾過される水の硬度に無視できない程度に依存しているので、前記パラメータは、代表的に、水の硬度によって示される。
【0013】
このパラメータは、同じ水源からの水で充填された場合、時間が多少経過しても、少なくとも濾過カートリッジの耐用期間を終えるまでの通常の期間内であれば、変化がない。
【0014】
例によると、各キーは、例えば高、中、低の硬度のレベルを示し得る。
【0015】
高硬度、例えば、フランス硬度40のオーダ(the order of 40 degrees French)の場合では、前記カートリッジは、最初に使用してから30日が経過しており、少なくとも200回の濾過サイクル(200リットルの濾過された水に相当する)を経ていると考えられる。
【0016】
中硬度、例えば、フランス硬度20のオーダの場合では、前記カートリッジは、最初に使用してから45日が経過しており、少なくとも250回の濾過サイクル(250リットルの濾過された水に相当する)を経ていると考えられる。
【0017】
低硬度、例えば、フランス硬度10のオーダの場合では、前記カートリッジは、最初に使用してから60日が経過しており、少なくとも300回の濾過サイクル(300リットルの濾過された水に相当する)を経ていると考えられる。
【0018】
従って、使用者によって手動で設定された水の硬度の関数として、前記カートリッジの残りの耐用期間及び/もしくは消耗レベルを示すパラメータの決定及び/もしくは表示を訂正するために、前記動作回路16にストアされているソフトウェアが、3つのキー18a、18b、18cにそれぞれ関連した3つの異なる計測オプションを提供する。
【0019】
電気的な制御システムが、機械的なコレクターに取り替えられても良い。機械的なコレクターは、例えば、濾過サイクルが終わるごとに段階的に回転駆動される機械的な指標ディスクと計測メカニズムとの間の伝達比に従って作用するように適用される。
【0020】
硬度を決定するために、主要水のプロバイダ(mains water provider)によって与えられるデータが参照されるか、水力工学の専門家及びこの分野の専門家が使用する適切な器具が使用される。
【0021】
代わって、例えば比色分析を用いて、硬度を決定するための、公知のカード20のキットが、ジャグと濾過カートリッジと共に、提供される。この形式のカードは、例えば、アクアリウム製品を販売している会社から、商業的に入手可能である。
【0022】
硬度に代えて、及び/もしくは、硬度に加えて、主要水のプロバイダ及び/もしくは分析研究所及びプラントインストーラーによって検出され得る処理される、水の物理化学的状態を示す他のパラメータ、例えば、塩素、硝酸塩、重金属の濃度が、所望の訂正のために検出及び使用され得る。
【0023】
かくして、本発明は、使用される濾過カートリッジの最良の使用法をほぼ損なうこと無く、使用をより簡潔にするという明瞭な効果によって、前述の問題を解決している。また、本発明は、電気的、機械的、もしくは電気機械的なシステムを使用する単純な方法で、実施され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジの残りの耐用期間と消耗のレベルとの少なくとも一方を示すパラメータを、使用済みのカートリッジを取り替える目的で使用者に通知するために、このパラメータを決定及び/もしくは表示するための手段を備えた濾過システムにおいて、
このパラメータを決定するための手段は、パラメータの決定及び/もしくは表示を訂正するための手段と、使用者によって任意で設定され得る所望の訂正を設定するための手段とを有することを特徴とする濾過システム。
【請求項2】
前記設定するための手段は、この訂正の少なくとも2つの異なる設定を可能とする請求項1に記載の濾過システム。
【請求項3】
前記設定するための手段は、手動の設定の形式である請求項1に記載の濾過システム。
【請求項4】
前記設定するための手段は、前記決定及び/もしくは表示するための手段の動作回路に接続されているコントロールパネルを有し、このコントロールパネルは、前記選択されたコントロールパネルのキーの関数として前記訂正するための手段を駆動させる前記請求項3に記載の濾過システム。
【請求項5】
前記訂正するための手段は、ソフトウェアの形式であり、前記設定するための手段によって選択された訂正の関数としてカートリッジの残りの耐用期間及び/もしくは消耗のレベルを示すパラメータの異なる決定を生じさせる請求項1乃至4のいずれか1に記載の濾過システム。
【請求項6】
前記訂正するための手段は、機械的もしくは電気機械的な形式である請求項1乃至4のいずれか1に記載の濾過システム。
【請求項7】
前記所望の訂正を設定するための手段は、濾過される水の硬度に関係している請求項1乃至6のいずれか1に記載の濾過システム。
【請求項8】
前記所望の訂正を設定するための手段は、塩素、硝酸塩、重金属の濃度から選択された1つもしくは複数のパラメータに関係している請求項1乃至7のいずれか1に記載の濾過システム。
【請求項9】
使用済みのカートリッジを取り替える目的でこのカートリッジの消耗のレベルを示すパラメータを使用者に通知するために、カートリッジの残りの耐用期間及び/もしくは消耗のレベルを決定するための方法において、使用者によって所望の訂正を設定することによって、このパラメータの決定及び/もしくは表示の訂正の工程を有することを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1に記載の濾過システムと、濾過される水の硬度を決定するための少なくとも1つの別の手段とを有するキット。
【請求項11】
前記濾過される水の硬度を決定するための手段は、例えば比色分析調査を用いて硬度を決定するための少なくとも1つのカードを有する請求項10に記載のキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−534565(P2010−534565A)
【公表日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518502(P2010−518502)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【国際出願番号】PCT/EP2007/006833
【国際公開番号】WO2009/015680
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(510028442)セルウィン・コーポレイト・リミテッド (2)
【Fターム(参考)】