説明

着脱式入出力装置搭載電子計算機

【課題】電子計算機の動作時にて、消費電力に対する性能、重量に対する性能、体積に対する性能、セキュリティに関する性能、及び遠隔操作に関する性能を高め、更に故障時の部分交換性に関する性能を高める。
【解決手段】別の電子計算機が接続されると、その接続状態を感知し、接続状態の感知により、上記別の電子計算機の出力信号を受けて自らの出力装置に出力するように設定し、且つ、自らの入力装置を経て入力される入力信号を上記別の電子計算機に入力するように設定する切替装置を備えることを特徴とする電子計算機を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、性能の低下を最低限に抑えつつ、より小型、軽量、且つ低消費電力で提供される、可搬性の高い電子計算機およびそのシステムに関する。特に、処理装置を搭載した着脱可能な入出力装置を有し、その入出力装置を使用してデータ通信を経由して本体コンピュータの遠隔操作を可能にする電子計算機に関する。
【背景技術】
【0002】
ノート型電子計算機の液晶モニタのような主出力装置やキーボードおよびタッチパッドのような主入力装置は、電子計算機本体に固定されており、通常分離又は着脱は不可能である。つまり、それら主入出力装置を他の電子計算機に接続して入出力装置として使用することはできない。
【0003】
上記のように入出力装置を分離できないため、次のような不都合がある。まず、電子計算機本体を操作するためには、電子計算機全体、即ち消費電力の多い電子計算機本体のCPUやハードディスクなどが必要となる。このことは、移動先等にてバッテリで動作させる場合に消費電力に対する性能が低くなってしまうことを示す。また、電子計算機本体を操作するためには、重量の大きい電子計算機本体のCPUやそのヒートシンク、ハードディスクなどが必要となる。このことは、重量に対する性能が低いことを示す。また、体積の大きい電子計算機本体のCPUやそのヒートシンク、ハードディスクなどが必要となる。このことは、体積に対する性能が低いことを示す。また、電子計算機本体を操作するためには常に使用時に電子計算機全体が必要となることから、特にノート型電子計算機では計算機全体が盗難されてしまうことが生じやすく、その場合ハードディスクのデータが漏洩するおそれが強い。更に、CPUやハードディスクのような主要部品は、電子計算機の他の部品と密に結合しており、それらを交換するのならば電子計算機本体の分解が必須であり、この作業は非常に困難である。
【0004】
また、従来のデスクトップ型電子計算機における入出力装置は、自律的に動作する処理装置を搭載していないため、分離しようとしても電子計算機本体を直接に若しくは遠隔で操作する機能が備わらない。
【0005】
ところで、デスクトップ型電子計算機では搭載した処理装置や記憶装置が経年によって陳腐化した場合、外部のその液晶ディスプレイなどの映像表示装置やキーボード、タッチパッド、マウス、トラックボールなどの入力装置は機能的に十分使用できることが多い。従ってその場合、デスクトップ型電子計算機の本体のみが交換され、映像表示装置や入力装置は継続利用されることが可能である。
【0006】
しかしながら、従来のノート型電子計算機では、搭載した処理装置や記憶装置が経年によって陳腐化した場合、その液晶ディスプレイなどの映像表示装置やキーボード、タッチパッド、マウス、トラックボールなどの入力装置は機能的に十分使用できることが多いにもかかわらず、ノート型電子計算機全体が使用され得なくなってしまう。
【0007】
また、外出先ではノート型電子計算機を、帰還元(事務所など)ではデスクトップ型電子計算機を使用する場合、ノート型電子計算機が映像表示装置および入力装置を有しているにもかかわらず、デスクトップ型電子計算機のために別途映像表示装置および入力装置が必要となる。ネットワークログイン機能にてデスクトップ型電子計算機にログオンすることによってノート型電子計算機でも仮想的に外部電子計算機(デスクトップ型電子計算機)の映像を表示もしくは入力する操作をすることは可能である。しかし、ソフトウェアの用意およびその設定、ネットワークの設定など、その設定等が煩雑である。更に、ネットワークを介して接続しているため、その接続はネットワークの状況に依存して不安定であり、画面の表示、入力操作に遅延が生じる。
【0008】
なお、特許文献1は、プロセス制御電子計算機システムを開示し、このシステムは、別の電子計算機を遠隔で起動、停止するという操作を行うシステムである。特許文献2は、液晶画面を二枚同時に携帯するノート型パソコンを開示し、このパソコンは外部液晶表示装置に電子計算機の画面を表示させる装置である。特許文献3は、情報処理装置および情報処理装置用の情報格納装置、即ち、表示装置から着脱可能な電子計算機を開示する。この技術は、電子計算機本体の小型化および軽量化のための技術である。特許文献4は、入力装置の一部を着脱可能にする電子計算機を開示する。特許文献5は、電子計算機診断装置を開示し、該装置は、主電子計算機の自己診断結果を分離可能な副電子計算機に送信し自己診断結果を解析して主電子計算機の回復処理を行う、というものである。特許文献6は、省スペース型情報処理装置を開示し、該情報処理装置は表示装置と同等の幅の筐体の電子計算機を含む。特許文献7は、機能拡張装置及び電子機器を開示し、該機能拡張装置は、電子機器を接続することにより電子機器の機能を拡張するためのものである。特許文献8は、ノートパソコンの液晶ディスプレイ信号線連接構造を開示し、該構造は、液晶ディスプレイの信号線とマザーボードの連接、分離を簡単に行えるようにするためのものである。更に、特許文献9は、ドッキングステーションを開示し、該ドッキングステーションは、電子機器を接続することにより電子機器の機能を拡張するための機能拡張装置を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、電子計算機の動作時において、消費電力に対する性能、重量に対する性能、体積に対する性能、セキュリティに関する性能、及び遠隔操作に関する性能を高め、更に故障時の部分交換性に関する性能を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記の目的を達成するためになされたものである。本発明に係る電子計算機は、
第1のプロセッサとユーザインターフェイスを有する第1の装置、第2のプロセッサが搭載された第2の装置、とを有する電子計算機であって、前記第1の装置は、第2の装置と着脱自在であるように構成されており、
前記第1のプロセッサが電子計算機としての処理機能を備え、これにより、前記1の装置が、第2の装置との離脱時に、独立した電子計算機として機能するものであり、
前記1の装置が第2の装置に着装されると、前記第1のプロセッサは動作を停止し、前記第2のプロセッサは動作を復帰し、及び前記ユーザインターフェイスは、第2のプロセッサからの出力信号に基づいてデータを表示し、
前記1の装置が第2の装置から分離されると、前記第2のプロセッサは動作を停止し、第1のプロセッサは動作を復帰し、及び前記ユーザインターフェイスは、前記第1のプロセッサからの出力信号に基づいてデータを表示する。
【発明の効果】
【0011】
本発明を利用することにより、電子計算機の動作時における消費電力に対する性能、重量に対する性能、体積に対する性能、セキュリティに関する性能、及び遠隔操作に関する性能を高めることができる。更に、故障時の部分交換性に関する性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る入出力装置一体型電子計算機の斜視図(一部分解図)である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る入出力装置一体型電子計算機の斜視図(一部分解図)である。
【図3】本発明の第2及び第3の実施形態に係る着脱式入出力装置及び電子計算機の斜視図(一部分解図)である。
【図4】本発明の第2及び第3の実施形態に係る着脱式入出力装置及び電子計算機の斜視図(一部分解図)である。
【図5】本発明の第2の実施形態の利用例である。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る着脱式入出力装置及び電子計算機の斜視図(一部分解図)である。
【図7】本発明の第2乃至第4の実施形態に係る着脱式入出力装置及び電子計算機のブロック図である。
【図8】本発明の第2乃至第4の実施形態に係る着脱式入出力装置及び電子計算機の動作のフローチャートである。
【図9】本発明の第2乃至第4の実施形態に係る着脱式入出力装置及び電子計算機の動作のフローチャートである。
【図10】本発明の第5の実施形態と対比されるべき従来のノート型電子計算機の斜視図(一部分解図)である。
【図11】本発明の第5の実施形態に係る電子計算機の斜視図(一部分解図)である。
【図12】本発明の第6の実施形態に係る電子計算機の斜視図(一部分解図)である。
【図13】従来の一つのインタフェースであるVGAコネクタに割り当てられた端子および信号の割り当ての一覧表である。
【図14】本発明の第7の実施形態に係るVGA(VESA DDC)端子配置の一覧表である。
【図15】本発明の第8の実施形態に係るVGA(VESA DDC)端子配置の一覧表である。
【図16】本発明の第9の実施形態に係るVGA(VESA DDC)端子配置の一覧表である。
【図17】本発明の第10の実施形態に係る電子計算機の斜視図(一部分解図)である。
【図18】本発明の第11の実施形態に係る電子計算機の斜視図(一部分解図)である。
【図19】本発明の第11の実施形態に係る電子計算機の斜視図(一部分解図)である。
【図20】本発明の第12の実施形態に係る電子計算機の斜視図(一部分解図)である。
【図21】本発明の第12の実施形態に係るVGA(VESA DDC)端子配置の一覧表である。
【図22】本発明の第13の実施形態に係るVGA(VESA DDC)端子配置の一覧表である。
【図23】従来の検出端子を有するコネクタの模式図(図23(1))、及び、本発明の第14の実施形態に係る電子計算機における検出端子を有するコネクタの模式図(図23(2))である。
【図24】本発明の第14の実施形態に係る電子計算機における検出端子を有するコネクタの模式図である。
【図25】本発明の第15の実施形態に係る電子計算機の斜視図(一部分解図)である。
【図26】本発明の第15の実施形態に係る電子計算機のブロック図である。
【図27】本発明の第15の実施形態に係る電子計算機における状態の推移を示すフローチャートである。
【図28】本発明の第15の実施形態を実現するVGA(VESA DDC)端子配置の例の一覧表である。
【図29】本発明の第16の実施形態に係る電子計算機における映像信号オスコネクタ244の概略の正面図(図29(1))と、従来の映像信号オスコネクタの一例の概略正面図(図29(2))である。
【図30】本発明の第17の実施形態に係る電子計算機における映像信号メスコネクタ246の概略の正面図(図30(1))と、従来の映像信号メスコネクタの一例の概略正面図(図30(2))である。
【図31】本発明の第18の実施形態に係る電子計算機及び外部電子計算機における映像信号メスコネクタ及び映像信号オスコネクタを利用する際の、電子計算機及び外部電子計算機に関するブロック図である。
【図32】本発明の第18の実施形態における映像信号メスコネクタ、又は従来の映像信号メスコネクタと、本発明の第18の実施形態における映像信号オスコネクタ、又は従来の映像信号オスコネクタとの、接続の様子を示す図である。
【図33】本発明の第19の実施形態に係る電子計算機及び外部電子計算機における映像信号メスコネクタ及び映像信号オスコネクタの概略の正面図である。
【図34】本発明の第20の実施形態に係る電子計算機及び外部電子計算機における映像信号メスコネクタ及び映像信号オスコネクタの概略の正面図であり、第19の実施形態の具体的な例である。
【図35】本発明の第20の実施形態に係る電子計算機における端子配置を示すテーブルである。
【図36】本発明の第21の実施形態に係る電子計算機の斜視図(一部分解図)である。
【図37】本発明の第22の実施形態に係る電子計算機、外部電子計算機、及び中継器におけるコネクタに関するブロック図である。
【図38】本発明の第23の実施形態に係る電子計算機及び外部電子計算機における映像信号メスコネクタ及び映像信号オスコネクタの概略の正面図である。
【図39】本発明の第23の実施形態に係るVGA端子配置の一例を示す図である。
【図40】本発明の第24の実施形態に係る電子計算機及び外部電子計算機における映像信号メスコネクタ及び映像信号オスコネクタの概略の正面図である。
【図41】本発明の第24の実施形態に係るVGA端子配置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明に係る好適な実施の形態を説明する。
【0014】
[第1の実施形態]
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態に係る入出力装置一体型電子計算機1の斜視図(一部分解図)である。第1の実施形態に係る電子計算機1では、主としてノート型電子計算機を想定している。省スペース電子計算機のように、デスクトップ型電子計算機でありながら入出力装置が一体化されているものでもよい。
【0015】
第1の実施形態に係る電子計算機1は、別の電子計算機26の出力内容を自らの出力装置2に出力することができる切替装置6を有する。更に、この切替装置6は、電子計算機1の入力装置4の入力内容を別の電子計算機26に入力することもできる。
【0016】
別の電子計算機26と繋がらない場合(図1参照)、切替装置6に対する切替信号18は“H(high)”となっている。このとき入力装置4からの入力信号8は、切替装置6により入力信号A10として、電子計算機1に備わる処理装置A12に与えられる。入力信号A10を受けて、処理装置A12は出力信号A14を出力しこれを切替装置6に与える。出力信号A14を受けた切替装置6は、これを出力信号16として出力装置2に与える。
【0017】
第1の実施形態に係る電子計算機1が別の電子計算機26を接続する場合、切替装置6に対する切替信号18が“L(low)”となるように、別の電子計算機26、及び、第1の実施形態に係る電子計算機1と別の電子計算機26の間の接続が構成されている(図2参照)。このとき入力装置4からの入力信号8は、切替装置6により入力信号B20として、別の電子計算機26に備わる処理装置B24に与えられる。入力信号B20を受けて、処理装置B24は出力信号B22を出力しこれを切替装置6に与える。出力信号B22を受けた切替装置6は、これを出力信号16として出力装置2に与える。
【0018】
例えば、外出先ではノートパソコン(電子計算機1)を使用し、(自宅など)帰還元ではデスクトップパソコン(別の電子計算機26)を使用したい、というような場合を想定する。この場合、デスクトップパソコンには出力装置としてモニタ、入力装置としてキーボードやマウスが必要となる。ここで、第1の実施形態に係るノートパソコン(電子計算機1)に、第1の実施形態に係るデスクトップパソコン(別の電子計算機26)を接続すれば、ノートパソコンのモニタにデスクトップパソコンの出力信号を表示することが可能となり、ノートパソコンのキーボード及びタッチパッドでデスクトップパソコンに入力を行うことが可能となる。即ち、デスクトップパソコン用のモニタ、キーボード、マウスは不要となり、低コスト化および省スペースが実現できる。
【0019】
[第2の実施形態]
図3及び図4は、本発明の第2の実施形態に係る着脱式入出力装置31及び電子計算機56の斜視図(一部分解図)である。図に示すように本発明の第2の実施形態は、入出力装置(例えば、フラットパネルモニタ、キーボード、タッチパッド/トラックボールなど)が取り外し可能なノート型電子計算機である。ここでの入出力装置31は、補助記憶装置もなく低消費電力である副処理装置42を備えている。但し、副処理装置42はCPU及びメモリ部を含み、副処理装置42により必要最低限の処理ができるようになっている。
【0020】
第2の実施形態に係る着脱式入出力装置31は、電子計算機56の出力内容を自らの出力装置32に出力することができる切替装置36を有する。更に、この切替装置36は、電子計算機31の入力装置34の入力内容を別の電子計算機56に入力することもできる。
【0021】
第2の実施形態に係る着脱式入出力装置31が電子計算機56に着装する場合、切替装置36に対する切替信号48が“L”となるように、電子計算機56本体、及び、第2の実施形態に係る着脱式入出力装置31と電子計算機56の間の接続が構成されている(図3参照)。このとき入力装置34からの入力信号38は、切替装置36により入力信号B50として、電子計算機56本体に備わる主処理装置B54に与えられる。入力信号B50を受けて、主処理装置B54は出力信号B52を出力しこれを切替装置36に与える。出力信号B52を受けた切替装置36は、これを出力信号46として出力装置32に与える。
【0022】
電子計算機56本体と繋がらない場合(図4参照)、切替装置36に対する切替信号48は“H”となっている。このとき入力装置34からの入力信号38は、切替装置36により入力信号A40として、着脱式入出力装置31に備わる副処理装置A42に与えられる。入力信号A40を受けて、副処理装置A42は出力信号A44を出力しこれを切替装置36に与える。出力信号A44を受けた切替装置36は、これを出力信号46として出力装置32に与える。
【0023】
第2の実施形態に係る着脱式入出力装置31と電子計算機56は、通常一体化して利用されることが想定される。両者は夫々独立して利用されてもよい。ここで、着脱式入出力装置31に副処理装置A42が搭載されていることから、着脱式入出力装置31は分離時に簡易な電子計算機(例えば、PDAなど)としても動作し得る。
【0024】
また、ある電子計算機56本体から分離した着脱式入出力装置31は、他の電子計算機56本体に着装すれば、その電子計算機56の入出力装置となる(図5参照)。本実施形態に係る電子計算機56本体は、所謂「ドッキングステーション」の形状をしており、本体と着脱式入出力装置31とはドッキングステーションのコネクタで接続する。着脱式入出力装置31の切替装置36はコネクタ接続を認識して、電子計算機56本体の主処理装置B54と着脱式入出力装置36の副処理装置A42との間で、入出力信号を切り替える。
【0025】
図5に示すように、第2の実施形態では入出力装置31を分離できるため、分離した入出力装置31を本実施形態に係る他のパソコン(電子計算機)ででも使用できる。例えば、モニタを破損した場合でも、着脱式入出力装置31のみを交換すればよいため、電子計算機56本体におけるデータ移し替えやソフトウェアの再インストールの手間を省くことができ、従って使用不可となる時間を低減することができる。
【0026】
また、分離され得る副処理装置搭載入出力装置31は、本体と一体となっている場合と比較して軽量且つ小型である。副処理装置A42は、主処理装置B54より低消費電力のものにすることが可能であり、従って着脱式入出力装置31は本体と一体となっている場合と比較して低消費電力である。着脱式入出力装置31のみを移動途中などに落下等で破損してしまっても、この破損は電子計算機56本体とは無関係である。このことによりハードディスク内のデータを保護することができる。また、電子計算機56本体を鍵や鎖で什器などに固定できるため、盗難に対して充分な対策を立てることができる。着脱式入出力装置31にはデータが殆ど保持されないため、着脱式入出力装置が盗難されても情報流出の可能性は殆ど無い。
【0027】
[第3の実施形態]
図3及び図4は、本発明の第3の実施形態に係る着脱式入出力装置31及び電子計算機56の斜視図(一部分解図)でもある。以下に示すように、第3の実施形態は、特に、着脱式入出力装置31における切替装置36の切替動作に関するものである。
【0028】
図3及び図4に示すように、主処理装置B54が搭載されている電子計算機56本体は所謂ドッキングステーションの形態のものであり、着脱式入出力装置31はノート型パソコンの形態のものである。電子計算機56本体と入出力装置31とは、例えば接続コネクタ付きケーブルで接続する形態であってもよい。
【0029】
入出力装置に搭載される切替装置36は、主処理装置B54との間の入出力信号と、入出力装置A42の副処理装置との間の入出力信号との間で、切替を行っている。まず、電子計算機56本体着装時には、切替信号48は“L”になり、これにより主処理装置B54との間の入力信号B50・出力信号B52が有効になる。ここで入力信号A40には切替信号の情報が含まれており、その信号は副処理装置A42の割込処理装置に入力され副処理装置A42の停止および復帰を制御する。
【0030】
次に、電子計算機56分離時には、切替信号48は“H”になり、これにより副処理装置A42との間の入力信号A42・出力信号A44が有効になる。ここで入力信号B50には切替信号の情報が含まれており、その信号は主処理装置B54の割込処理装置に入力され主処理装置B54の停止および復帰を制御する。
【0031】
図7に示すように、入出力装置31を分離すると、副処理装置A42の割込処理装置82への入力が“H”となり、副処理装置A42の復帰処理が開始される。この復帰処理の詳細は図8左部のフローチャートに記載している。つまり、停止状態か否かが確認され(S04)、必要に応じて復帰作業を行った(S08)後、入出力が副処理装置A42に切替られる(S10)。
【0032】
また、入出力装置31を着装すると、副処理装置A42の割込処理装置82への入力が“L”となり、副処理装置A42の動作が停止される(図7参照)。この停止処理の詳細は図9左部のフローチャートに記載している。つまり、着装(S62)後、入出力が主処理装置B54に切替られる(S64)。
【0033】
一方、図7に示すように、入出力装置31を分離すると、主処理装置B54の割込処理装置102への入力が“H”となり、主処理装置B54の動作が停止される。この停止処理の詳細は図8右部のフローチャートに記載している。つまり、分離(S32)後、停止作業(S36)を行う。
【0034】
また、入出力装置31を着装すると、主処理装置B54の割込処理装置102への入力が“L”となり、主処理装置B54の復帰処理が開始される(図7参照)。この復帰処理の詳細は図9右部のフローチャートに記載している。つまり、着装(S80)後、停止状態か否かが確認され(S82)、復帰処理が行われる(S84)。
【0035】
前述のように、入出力装置31には副処理装置A42が搭載されているため、入出力装置31を分離した場合に副処理装置A42に入出力を切替ることで着脱式入出力装置31が独立した電子計算機として動作することができる。このとき、(電子計算機56本体の)主処理装置B54も、入出力装置31から独立したコンピュータとして動作することができる。
【0036】
また、電子計算機56の分離スイッチ106、若しくは入出力装置31の分離スイッチ104を開状態にすることによって、電子計算機56および入出力装置31を仮想的に分離した状態に遷移させることが可能となる。
【0037】
[第4の実施形態]
図6は、本発明の第4の実施形態に係る着脱式入出力装置31及び電子計算機56の斜視図(一部分解図)である。第4の実施形態は、第2及び第3の実施形態に係る着脱式入出力装置31及び電子計算機56と略同様のものである。但し、着脱式入出力装置31と電子計算機56とが遠隔接続する点が、第2及び第3の実施形態と異なる。遠隔接続により主処理装置及び副処理装置の入出力を切替えるには少なくとも2通り想定され得る。以下では、この差異を中心に説明を進める。
【0038】
(1)ネットワークを経由する接続
電子計算機56本体で、「WindowXP Professional(マイクロソフト社)」の「リモートデスクトップ接続」などのネットワークを経由する遠隔接続サービス機能を有効にしておき、主処理装置B54ではそのサービスを処理し副処理装置A42からは遠隔接続を行う。主処理装置B54の出力情報は、データ伝送路58を経由して副処理装置A42に送信され、副処理装置A42はその情報を出力装置32に表示する処理を行う。入力装置34の情報は、副処理装置A42によりデータ伝送路58を経由して主処理装置56に送信され、主処理装置B54はその情報を入力装置34からの入力として処理する。このようにすることによって、入出力装置31が分離された状態で、入出力装置31が仮想的に電子計算機56の入出力機器として動作することが可能となる。
【0039】
分離して遠隔接続が途絶えている間に、サスペンド・ハイバネーション・シャットダウンのような低消費電力モードとなって、電子計算機56本体が動作できないような状態となっている可能性がある。このような場合、電機計算機56本体において「WakeOnLAN(WOL)」機能のような遠隔起動命令受信機能を有効にしておけば、入出力装置31の副処理装置A42から遠隔接続を行うときに「マジックパケット(TM)」のような遠隔起動命令を送信することによって、本体を低消費電力モードから復帰させることができる。更に、復帰した電子計算機56本体の主処理装置B54から副処理装置A42にデータ伝送路58を経由してメッセージを送信することで、副処理装置A42が主処理装置B54の復帰直後に遠隔接続することが可能となる。
【0040】
第4の実施形態の上記のような接続形態において、副処理装置A42を電子計算機56本体から分離し遠隔接続した場合、副処理装置A42の補助装置を例えばネットワーク共有フォルダとして電子計算機56本体に認識させれば、本体の基本ソフトウェア上から副処理装置A42の補助装置が閲覧され得る。このことによって、分離した状態で入出力装置31をPDAとして動作させた状態で作成された文書等を、遠隔接続時に本体から編集することが可能となる。
【0041】
また、副処理装置A42を電子計算機56本体から分離し遠隔接続した場合、主処理装置B54の補助装置を例えばネットワーク共有フォルダとして副処理装置A42に認識させれば、副処理装置A42の基本ソフトウェア上から主処理装置B54の補助装置が閲覧され得る。このことによって、分離した状態で本体で予め作成された文書等を、遠隔接続時に入出力装置31から編集することが可能となる。
【0042】
更に、副処理装置A42を電子計算機56本体に物理的に装着した場合、副処理装置A42の補助装置を例えばUSBメモリとして本体に認識させれば、本体の基本ソフトウェア上から副処理装置A42の補助装置が閲覧され得る。このことによって、分離した状態で入出力装置31をPDAとして動作させた状態で作成された文書等を、装着時に本体から編集することが可能となる。
【0043】
(2)無線周辺機器を利用した接続
電子計算機56本体に対して入出力装置31を物理的に直接接続されたものであると認識させておき、認識させた本体と分離された入出力装置との間を、赤外線、Bluetooth、若しくはIEEE802.11系アドホック接続などの無線接続によって接続する。このようにすれば、入出力装置31は、直接接続するものとして動作し得る。
【0044】
上記のように接続すれば、電子計算機56本体は、AC電源に接続され得るため最大処理能力を発揮できる。従って、バッテリ接続時のように動作可能時間や消費電力を考慮する必要がない。入出力装置31の副処理装置A42は主処理装置B54の動作状態に関わらず一定の処理(即ち、主処理装置B54からの出力情報の処理および主処理装置B54への入力情報の送信)を行うため、消費電力は略一定である。そのため、本体の処理状況に関わらず、予め想定された動作可能時間の動作を期待できる。
【0045】
(3)上記(1)(2)の接続をした上での処理
本発明の第4の実施形態において、上記のような(1)(2)の接続を実現するには、少なくとも、本体および入出力装置が夫々独立した電子計算機として動作することが必要であり、更に、副処理装置A42及び主処理装置B54の相互に、データ通信を行うためのデータ通信装置(80、92)(図7参照)を搭載することになる。
【0046】
更に、図6に示すように、副処理装置A42から主処理装置B54に遠隔接続した上で、主処理装置B54が出力情報を副処理装置A42に伝送し副処理装置A42が入力情報を主処理装置B54に伝達することによって、主処理装置B54の出力情報が出力装置32に出力され、副処理装置A42からの入力情報が主処理装置B54に入力される。
【0047】
次に、図8及び図9によって、分離時(且つ遠隔接続時)、及び着装時における、着脱式入出力装置と電子計算機の動作の概略を示す。遠隔接続時には、副処理装置A42から主処理装置B54にデータ伝送路58を経由して遠隔起動命令が送信され(図8・S14、S38)、サスペンド等の状態から主処理装置B54が復帰する(図8・S40)。主処理装置B54が遠隔起動命令によって復帰すると、復帰した旨を副処理装置A42に通知する(図8・S42・S16)。
【0048】
また、入出力装置31が分離され遠隔接続されるとき、副処理装置A42の割込処理装置82への入力が“H”となり(図7参照)、遠隔接続処理が開始される(図8・S12、S14、S16、S18、S20、S22、S24、S26、S28)。
【0049】
入出力装置31が着装されるとき、副処理装置A42の割込処理装置82への入力が“L”となり(図7参照)、遠隔接続切断処理が開始される(図9・S66、S68、S70、S72、S74、S76)。
【0050】
また、入出力装置31が着装されるとき、主処理装置B54の割込処理装置102への入力が“L”となり(図7参照)、副処理装置A42の補助記憶装置76に対する認識処理が開始される。入出力装置A42が分離され遠隔接続されるとき(図8・S44、S46)、主処理装置B54の割込処理装置102への入力が“H”となり(図7参照)、副処理装置A42の補助記憶装置76に対する認識処理が開始される(図8・S48)。
【0051】
入出力装置A42が分離され遠隔接続されるとき(図8・S18、S20)、副処理装置A42の割込処理装置82への入力が“H”となり(図7参照)、主処理装置B54の補助記憶装置96に対する認識処理が開始される(図8・S22)。
【0052】
[第5の実施形態]
図11は、本発明の第5の実施形態に係る電子計算機201の斜視図(一部分解図)である。図10は、第5の実施形態と対比されるべき従来のノート型電子計算機の斜視図(一部分解図)である。
【0053】
従来のノート型電子計算機201(図10)は内部に映像出力切替器206を有しており、切替信号A218によって、映像入力信号A208を映像出力信号A216として本体の映像出力装置202に出力するか、映像出力信号B210としてインタフェースおよびコネクタを経由して外部映像出力装置212に出力するか、を選択している。
【0054】
これに対して、第5の実施形態に係る電子計算機201は、映像入出力切替器206の外部映像出力装置212と接続するインタフェース部分に映像入力信号B214が入力可能となっている。更にそのインタフェースの入出力の切替を切替信号B220で行うことが可能となっている。
【0055】
第5の実施形態に係る電子計算機201の映像を外部映像出力装置212に表示する場合、切替信号B220にて映像入出力切替器206の外部映像出力装置212と接続するインタフェースを“出力モード”とし、切替信号A218を操作して映像入力信号A208を映像出力信号B210として外部映像出力装置212に出力するようにすれば、対応可能となる。
【0056】
外部電子計算機222の映像を電子計算機201本体の映像出力装置に表示させる場合、切替信号B220にて外部電子計算機222と接続するインタフェースを“入力モード”とし、切替信号A218を操作して映像入力信号B214を映像出力信号A216として電子計算機201本体の映像出力装置202に出力するようにすれば、対応可能となる。上記インタフェースが“入力モード”となっている場合には切替信号220にて自動的に映像入力信号B214を映像出力信号A216として電子計算機201本体の映像出力装置202に出力するようにしてもよい。
【0057】
[第6の実施形態]
図12は、本発明の第6の実施形態に係る電子計算機201の斜視図(一部分解図)である。第6の実施形態に係る電子計算機201は、電子計算機本体の入力装置204の出力を外部電子計算機222へ入力する機能を備える。
【0058】
第6の実施形態に係る電子計算機201は、入力装置出力切替器及び映像入出力切替器206に、本体の入力装置入力224が接続されており、切替信号B220によって、本体への入力装置出力A226に出力するか、外部電子計算機222への入力装置出力B228に出力するかを選択することが可能となっている。
【0059】
電子計算機201本体を操作する場合には、切替信号B220を操作して入力装置入力224を入力装置出力A226として出力し、本体の入力装置コントローラに入力するようにすれば、対応可能となる。外部電子計算機222を操作する場合には、切替信号B220を操作して入力装置入力224を入力装置出力B228として出力し、外部電子計算機222の入力装置コントローラに入力するようにすれば、対応可能となる。
【0060】
[第7の実施形態]
第7の実施形態は、ノート型パソコンなどの電子計算機における外部映像出力インタフェースに既に割り当てられた信号に対して、外部電子計算機で使用する入力装置入力信号を割り当てることにより、形成されるインタフェース及び電子計算機に関するものである。なお、図13は、従来の一つのインタフェースであるVGAコネクタに割り当てられた端子および信号の割り当ての一覧表である。
【0061】
これに対して、図14は、第7の実施形態に係るVGA(VESA DDC)端子配置の一覧表である。図14では、PS/2のDATAおよびCLKの入力装置信号を、端子12のDDC−SDAおよび端子15のDDC−SCLに、割り当てる。
【0062】
この場合、電子計算機201の入力装置入力224を外部電子計算機222に接続することが可能となる。なお、外部映像出力装置212を接続した場合には、電子計算機201から映像自体は表示させることは可能であるが、SDAおよびSCL信号は使用できないため、DDCインタフェースではデータ伝送を行うことができない。
【0063】
[第8の実施形態]
第8の実施形態は、ノート型パソコンなどの電子計算機における外部映像出力インタフェースで未使用もしくは予約として割り当てられた信号に対して、外部電子計算機で使用する入力装置入力信号およびDDCインタフェースを切替で割り当てることとして、形成されるインタフェース及び電子計算機に関するものである。図15は、本発明の第8の実施形態に係るVGA(VESA DDC)端子配置の一覧表である。
【0064】
図15では、PS/2のDATA及びCLKの入力装置信号とDDCインタフェースのSDA及びSCLとを、端子4の予約信号および端子15の通常未使用であるID0信号に割り当てる。
【0065】
この場合、電子計算機201本体を外部電子計算機222の映像表示装置として使用するときには、まず端子4および端子15をDDCインタフェースとして割り当て、これにより外部電子計算機222が電子計算機201の映像表示装置の情報を獲得し、その後端子4および端子15をPS/2のDATAおよびCLKとして割り当てる。このようにすれば、電子計算機201の入力装置入力を外部電子計算機222に接続することが可能となる。
【0066】
尚この場合には、電子計算機201の入力装置入力を外部電子計算機222に接続すること、及びDDCインタフェースにてデータ伝送することが可能となり、電子計算機201を外部映像出力装置212に接続した場合に電子計算機201が映像を表示させることは可能である。但し、外部電子計算機222を接続した場合、電子計算機201はDDCインタフェースおよびPS/2インタフェースを適宜切り替える必要があり電子計算機201に搭載された映像入出力切替器206の構造はやや複雑になる。
【0067】
[第9の実施形態]
第9の実施形態は、ノート型パソコンなどの電子計算機における外部映像出力インタフェースで未使用もしくは予約として割り当てられた信号に対して、外部電子計算機で使用する入力装置信号を割り当てることにより、形成されるインタフェース及び電子計算機に関するものである。図16は、本発明の第9の実施形態に係るVGA(VESA DDC)端子配置の一覧表である。
【0068】
図16では、PS/2のDATAおよびCLKの入力装置信号を、端子4の予約信号および端子15の通常未使用であるID0信号に割り当てる。この場合、電子計算機201の入力装置入力を外部電子計算機222に接続することが可能となる。
【0069】
更にこの場合、電子計算機201の入力装置入力を外部電子計算機222に接続すること、及びDDCインタフェースにてデータ伝送することが可能となり、電子計算機201と外部映像出力装置212を接続した場合、電子計算機201は、従来の端子配置との親和性を保ちながら、映像を表示させることが可能となる。
【0070】
[第10の実施形態]
図17は、本発明の第10の実施形態に係る電子計算機201の斜視図(一部分解図)である。第10の実施形態に係る電子計算機201では、外部映像出力インタフェースに対して外部電子計算機の接続を検出する入力信号を割り当て、その信号を映像入出力切替器206の切替信号B220に接続するように設定する。このことによって自動的に映像入出力切替器206の入出力を切り替えるようにされている。
【0071】
先ず第10の実施形態に係る電子計算機201では、外部映像出力インタフェースのある端子に対して、外部電子計算機222の接続を検出する入力信号が割り当てられる。更に、図17に示すように、この入力信号は映像入出力切替器206の切替信号B220に接続されプルアップ抵抗が付加される。また、外部電子計算機222における対応する端子はグラウンドに接続される。
【0072】
上記第10の実施形態に係る電子計算機201では、外部電子計算機222が外部映像出力インタフェースに接続されると“H”状態であった切替信号B220が“L”状態に変化する。このことによって、映像入出力切替器206の入出力インタフェースが“入力モード”に自動的に切り替わる。
【0073】
そして、このとき外部電子計算機222の映像入力信号B214が電子計算機201の映像出力装置202に映像出力信号A216を経由して表示され、一方、入力装置入力224は入力装置出力B228として出力される。
【0074】
また、上記第10の実施形態に係る電子計算機201では、外部電子計算機222が外部映像出力インタフェースに接続されないと、“L”状態であった切替信号B220が“H”状態に変化する。このことによって、映像入出力切替器206の入出力インタフェースが“出力モード”に自動的に切り替わる。
【0075】
そして、このとき電子計算機201の映像入力信号A208が外部映像出力装置212に映像出力信号B210を経由して表示され、一方、入力装置入力224は入力装置出力A226として出力される。
【0076】
[第11の実施形態]
図18及び図19は、本発明の第11の実施形態に係る電子計算機201の斜視図(一部分解図)である。第11の実施形態は第10の実施形態とほぼ同様のものである。従って、両者の差異を中心に説明する。
【0077】
第11の実施形態に係る電子計算機201では、映像入出力切替器206の切替信号B220に切替スイッチ230を設ける。このことによって、手動で映像入出力切替器206の入出力を切り替えられるようになる。
【0078】
図18に示す電子計算機201では、映像入出力切替器206の切替信号B220に切替スイッチ230が付加されている。切替スイッチ230が「ON」にされると、“H”状態であった切替信号B220が“L”状態に変化する。このとき映像入出力切替器206の入出力インタフェースが“入力モード”に切り替わり、外部電子計算機222の映像入力信号B214が電子計算機201の映像出力装置202に映像出力信号A216を経由して表示される。
【0079】
切替スイッチ230が「OFF」にされると、切替信号B220が“H”状態となる。このとき、切替信号A218の操作を組み合わせることによって、映像入出力切替器206の入出力インタフェースを出力状態とせず、映像入力信号A208が電子計算機201の映像出力装置202に映像出力信号A216を経由して表示されることも可能となる。
【0080】
一方、図19に示す電子計算機201では、外部映像出力インタフェースのある端子に対して外部電子計算機222の接続を検出する入力信号が割り当てられている。この信号が映像入出力切替器206の切替信号B220に接続されることになるのであるが、その途中にプルアップ抵抗と切替スイッチ230とが付加されている。なお、外部電子計算機222の対応する端子はグラウンドに接続される。外部電子計算機222を電子計算機201の外部映像出力インタフェースに接続されると、切替スイッチ230が「ON」である場合、“H”状態であった切替信号B220が“L”状態に変化する。このとき映像入出力切替器206の入出力インタフェースが“入力モード”に切り替わり、外部電子計算機222の映像入力信号B214が電子計算機201の映像出力装置202に映像出力信号A216を経由して表示される。
【0081】
この状態で切替スイッチ230が「OFF」にされると、切替信号B220が“H”状態に変化する。このとき、切替信号A218の操作を組み合わせることによって、映像入出力切替器206の入出力インタフェースを出力状態とせず、映像入力信号A208が電子計算機201の映像出力装置202に映像出力信号A216を経由して表示されることも可能となる。
【0082】
図19に示す切替スイッチ230は、電子計算機201の外部に配置されてもよい。例えば、電子計算機と外部電子計算機222の間のインタフェース上もしくは外部電子計算機222上に配置されてもよい。
【0083】
[第12の実施形態]
図20は、本発明の第12の実施形態に係る電子計算機201の斜視図(一部分解図)である。第12の実施形態は、ノート型パソコンなどの電子計算機における外部映像出力インタフェースに既に割り当てられた信号に対して、外部電子計算機の接続を検出する入力信号を割り当て、その信号を映像入出力切替器の切替信号に接続することによって、映像入出力切替器の入出力を切替えるものである。
【0084】
図20に示す電子計算機201では、従来の外部映像出力インタフェースの端子9の+5VDCに対して、外部電子計算機222の接続を検出する入力信号を割り当て、この信号を映像入出力切替器206の切替信号B220に接続し同時に5V電源へのプルアップ抵抗を付加する。外部電子計算機222の対応する端子はグラウンドに接続される。
【0085】
この場合、外部電子計算機222を電子計算機201の外部映像出力インタフェースに接続することによって、“H”状態であった切替信号B220が“L”状態に変化する。このことによって、映像入出力切替器206の入出力インタフェースが“入力モード”に切り替わり、外部電子計算機222の映像入力信号B214が電子計算機201の映像出力装置202に映像出力信号A216を経由して表示される。
【0086】
図21は、第12の実施形態に係るVGA(VESA DDC)端子配置の一覧表である。図21及び図20に示すように、5V出力である端子9の+5VDCに5V電源へのプルアップが付加され、映像入出力切替器206の切替信号B220に接続される。このことによって、外部映像出力が接続された場合は5Vが出力されるため、既存の外部映像出力インタフェースに対して親和性を保ちながら拡張することが可能となる
【0087】
[第13の実施形態]
第13の実施形態は、ノート型パソコンなどの電子計算機における外部映像出力インタフェースで未使用もしくは予約として割り当てられた信号に対して、外部電子計算機の接続を検出する入力信号を割り当て、その信号を映像入出力切替器の切替信号に接続することによって、映像入出力切替器の入出力を切替えるものである。なお、第13の実施形態に係る電子計算機201の斜視図(一部分解図)は図20に示すものと略同様となる。
【0088】
図22は、第13の実施形態に係るVGA(VESA DDC)端子配置の一覧表である。第13の実施形態に係る電子計算機201では、従来の外部映像出力インタフェースの端子4の予約端子に対して、外部電子計算機222の接続を検出する入力信号を割り当て、この信号を映像入出力切替器206の切替信号B220に接続しプルアップ抵抗を付加する。外部電子計算機222の対応する端子はグラウンドに接続される。
【0089】
この場合、外部電子計算機222を電子計算機201の外部映像出力インタフェースに接続することによって、H状態であった切替信号B220がL状態に変化する。このことによって、映像入出力切替器206の入出力インタフェースが“入力モード”に切り替わり、外部電子計算機222の映像入力信号B214が電子計算機201の映像出力装置202に映像出力信号A216を経由して表示される。
【0090】
第13の実施形態では、予約端子である端子4にプルアップを付加し映像入出力切替器206の切替信号B214に接続することによって、既存の外部映像出力インタフェースに対して親和性を保ちながら拡張することが可能となる。
【0091】
[第14の実施形態]
本発明の第14の実施形態は、電子計算機における例えば外部映像出力インタフェース
を構成する端子及びコネクタに関するものである。図23(1)は、従来の検出端子を有するコネクタの模式図、図23(2)及び図24は、本発明の第14の実施形態に係る電子計算機における検出端子を有するコネクタの模式図である。本発明の第14の実施形態は、長さの異なる複数の検出端子を使用することによって、それぞれの検出端子が接触するまでの時間の差を利用し、データ伝送等を行う信号やバスの状態を変化させる。
【0092】
先ず、図23(1)は、従来の検出端子を有するコネクタを模式的に示している。信号端子に比べて検出端子が短く挿入時に信号端子が先に接触するようになっている。そのため、検出端子が接触するまでに信号端子の接触はより安定した状態になっている。このような構造では、オスコネクタ側(右側)とメスコネクタ側(左側)との両方で信号出力を行う場合、信号端子が接触した時点で信号の衝突が発生し、データの破壊および装置の劣化、損傷若しくは破壊が発生するおそれがある。また、検出メス端子は信号端子と同じ長さであるため、信号端子が接触した時点から検出端子が接触するまでの時間が短い。
【0093】
第14の実施形態では、検出端子を有するコネクタを図23(2)に示すような、異なる長さの複数の検出端子を有するコネクタとする。オスコネクタとメスコネクタのいずれも、検出端子Aは信号端子より長く、検出端子Bは信号端子より短い。そのため、検出端子Aが接触してから信号端子が接触するまでの時間が従来技術のものよりも長くなり、信号端子が接触してから検出端子Bが接触するまでの時間も従来技術のものよりも長くなる。
【0094】
なお、コネクタ未接続の場合は、メスコネクタ側の信号が出力されていて、オスコネクタ側の信号は信号が出力されていないものとする。コネクタ接続時には、メスコネクタ側の信号が入力モードとされ、オスコネクタ側の信号が出力されるものとする。
【0095】
図24(1)に示すように、コネクタの接続が開始し検出端子Aが接触すると、メスコネクタ側の入出力切替信号が制御され入力モードに変更される。コネクタの接続を継続すると、検出端子Aが接触した後、信号端子が接触する(図24(2))。このとき、信号メス端子は、従来の信号メス端子よりも短いことから接触するまでにより長い時間が必要となる。そのため、検出端子Aの接触による出力モードから入力モードへの切替および状態遷移時間に対して、より余裕をもって信号端子の接触が行われるようになる。
【0096】
更に、コネクタの接続を継続すると、信号端子が接触した後、検出端子Bが接触する(図24(3))。検出端子Bの接触によりオスコネクタ側の出力制御端子が制御され、信号端子に信号が出力される。このとき、検出メス端子Bは、信号端子さらには検出メス端子Aよりも短いことから接触するまでにより長い時間が必要となる。そのため、検出端子Aの接触による出力モードから入力モードへの切替および状態遷移時間、更に信号端子が安定して接触するまでの時間に対して、より余裕をもって検出端子Bの接触が行われるようになる。
【0097】
[第15の実施形態]
図25は、本発明の第15の実施形態に係る電子計算機201の斜視図(一部分解図)である。図26は、本発明の第15の実施形態に係る電子計算機201のブロック図である。本発明の第15の実施形態に係る電子計算機201では、第14の実施形態における長さの異なる複数の検出端子を使用することによって、電子計算機の映像信号の入出力と外部電子計算機の出力とを時間差から制御する。更に、接続に応じて外部映像表示装置への出力と外部電子計算機の入力とを使い分ける。
【0098】
第15の実施形態に係る電子計算機201では、従来の外部映像出力インタフェースのある端子に対して、外部電子計算機222の接続を検出する入力信号と、外部電子計算機222の映像出力制御端子を制御する信号とを割り当てる。前者の信号は、電子計算機201の映像入出力切替器206の切替信号A218に接続されプルアップ抵抗が付加される。対応する外部電子計算機側の端子はグラウンドに接続される。他方、後者の信号は、外部電子計算機222の映像信号出力器の映像出力制御端子に接続され(外部電子計算機で)プルアップ抵抗が付加される。対応する電子計算機側の端子はグラウンドに接続される。
【0099】
映像入出力切替器206は、切替信号A218入力が“H”状態のとき映像出力信号Bを出力し、“L”状態のとき映像出力信号Bの出力を停止し入力状態となるものとする。外部電子計算機に搭載される映像信号出力器は、切替信号A218入力が“H”状態のとき映像入力信号Bの出力を停止し、“L”状態のとき映像入力信号Bの出力を行うものとする。
【0100】
図26に示すように、コネクタ未接続時は切替信号A218が“H”状態となり、電子計算機の映像入力信号A208が映像入出力切替器206を経由して映像出力信号B210として出力され外部モニタ212に表示される。コネクタの接続を開始すると、まず検出端子Aが接触し切替信号A218が“H”状態から“L”状態に変化し、映像入出力切替器206は映像出力信号Bの出力を停止し、映像信号端子は入力状態となる。コネクタの接続を継続すると、映像信号端子が接触する。更に、コネクタの接続を継続すると、検出端子Bが接触し、外部電子計算機222の映像信号出力器から映像入力信号Bが出力され、映像信号端子を経由して電子計算機の本体モニタ202に表示される。図27は、これら状態の推移をフローチャートで示したものである。
【0101】
図28は、第15の実施形態を実現するVGA(VESA DDC)端子配置の例の一覧表である。第15の実施形態に係る電子計算機201では、従来の外部映像出力インタフェースで未使用もしくは予約として割り当てられた信号に対して、外部電子計算機222の接続を検出する入力信号と、外部電子計算機222の映像出力制御端子を制御する信号とを割り当てる。このことによって、既存の外部映像出力インタフェースに対して親和性を保ちながら拡張することが可能となる。
【0102】
[第16の実施形態]
図29(1)は、本発明の第16の実施形態に係る電子計算機における映像信号オスコネクタ244の概略の正面図である。本発明の第16の実施形態は、上記の第14の実施形態及び第15の実施形態で取り上げた映像出力インタフェースの、特にコネクタに着目するものである。
【0103】
図29(1)に示すように、第16の実施形態においては、誤挿入防止のためにコネクタに突起240を付加する。この突起240の存在により、第16の実施形態に係る映像信号オスコネクタ244は、従来の映像信号メスコネクタ(図30(2)参照)には物理的に接続されないことになる。このことにより誤挿入が防止される。更に、第16の実施形態に係る映像信号オスコネクタ244は、突起240を受け入れるための鉤穴を備える映像信号メスコネクタ(図30(1)参照)しか接続され得ないことになる。
【0104】
一方、図29(2)は、従来の映像信号オスコネクタの一例の概略正面図である。このオスコネクタには誤挿入防止のための突起が備わらない。従って、従来の映像信号メスコネクタと、突起240を受け入れるための鉤穴を備える映像信号メスコネクタ(図30(1)参照)との、いずれにも接続できる。
【0105】
[第17の実施形態]
図30(1)は、本発明の第17の実施形態に係る電子計算機における映像信号メスコネクタ246の概略の正面図である。本発明の第17の実施形態も、上記の第14の実施形態及び第15の実施形態で取り上げた映像出力インタフェースの、特にコネクタ部分に着目するものである。
【0106】
図30(1)に示すように、第17の実施形態に係る映像信号メスコネクタおいては、第16の実施形態で示した突起を受け入れるための鉤穴242が設けられている。この鉤穴242の存在により、第17の実施形態に係る映像信号メスコネクタ246は、上記第16の実施形態に係る映像信号オスコネクタ244を接続できることになる。
【0107】
一方、図30(2)は、従来の映像信号メスコネクタの一例の概略正面図である。このメスコネクタには、第16の実施形態に係る映像信号オスコネクタ244の突起240を受け入れるための鉤穴がない。従って、図30(2)の従来の映像信号メスコネクタは、従来の映像信号オスコネクタとのみ接続でき、突起を有する上記第16の実施形態に係る映像信号オスコネクタとは接続できない。
【0108】
[第18の実施形態]
図31は、本発明の第18の実施形態に係る電子計算機及び外部電子計算機における映像信号メスコネクタ及び映像信号オスコネクタを利用する際の、電子計算機及び外部電子計算機に関するブロック図である。図31の電子計算機及び外部電子計算機は、上記第16の実施形態及び上記第17の実施形態における映像信号(メス、オス)コネクタにより、接続されるものである。従って、映像信号メスコネクタ246は検出端子と誤挿入防止のための鉤穴242を備え、同様に映像信号オスコネクタ244は検出端子と誤挿入防止のための突起240を備える。
【0109】
図31に示すように、外部映像出力インタフェースにおいて、誤挿入防止用のためにオスコネクタに突起を付加しメスコネクタに鉤穴を付加する。このことにより形成される検出端子に、外部電子計算機の接続を検出する入力信号を割り当てる。更に、この検出端子を電子計算機201の映像入出力切替器206の切替信号入力A218に接続しプルアップ抵抗を付加し、対応する外部電子計算機側の端子はグラウンドに接続する。
【0110】
映像入出力切替器206は、切替信号A218が“H”状態のとき映像出力信号Bを出力し、“L”状態のとき映像出力信号Bの出力を停止して入力状態となるとされる。従って、コネクタ未接続時は、切替信号A218が“H”状態であり、電子計算機201の映像入出力切替器206を経由して映像出力信号Bが出力され外部モニタ212に表示される。
【0111】
コネクタ接続時には、突起240および鉤穴240が接触して切替信号A218が“H”状態から“L”状態に変化する。これにより映像入出力切替器206は映像出力信号Bの出力を停止し、映像信号端子は入力状態となる。このとき、外部電子計算機222から出力された映像入力信号Bが電子計算機201の映像信号端子に入力され電子計算機の出力装置202に表示される。
【0112】
図32は、本発明の第18の実施形態における映像信号メスコネクタ、又は従来の映像信号メスコネクタと、本発明の第18の実施形態における映像信号オスコネクタ、又は従来の映像信号オスコネクタとの、接続の様子を示す。
【0113】
従来の映像信号オスコネクタ244’は、鉤穴付き映像信号メスコネクタ246、及び従来の映像信号メスコネクタ246’に接続可能である。
【0114】
突起付きオスコネクタ244は、従来の映像信号メスコネクタに接続することはできない。これにより従来の電子計算機は、本発明に係る外部電子計算機222の映像信号を受け入れることがない。一方、突起付きオスコネクタ244は、鉤穴付きメスコネクタ246に接続する。
【0115】
これらのことにより、従来の外部モニタへの接続における互換性が保持され、且つ、本発明に係る外部電子計算機222が従来の電子計算機へ接続し誤動作させることが、防止され得る。
【0116】
[第19の実施形態]
図33は、本発明の第19の実施形態に係る電子計算機及び外部電子計算機における映像信号メスコネクタ及び映像信号オスコネクタの概略の正面図である。図33の映像信号メスコネクタ及び映像信号オスコネクタにおいては、原則的に信号割り当てを既存のものと同一(244’、246’)とし、拡張された接続検出(認識)信号および入力装置信号に対してはコネクタが追加されている(244α、246α)。
【0117】
図33に示すコネクタにおいて、既存の映像信号コネクタを有する外部モニタを接続する場合、映像信号コネクタの既存の互換部分を介して、電子計算機201の映像を外部モニタに表示することができる。
【0118】
本発明に係る外部電子計算機を接続する場合、映像信号コネクタの既存の互換部分に加えて、追加部分のコネクタも利用する。このことにより、本発明に係る電子計算機と外部電子計算機が信号を正しく遣り取りできる。つまり、接続された検出信号が電子計算機201の入力装置出力切替および映像信号入出力切替器206を操作するため、電子計算機201の入力装置の信号を外部電子計算機222に入力することが可能となり、外部電子計算機222の映像を電子計算機201の出力装置202に表示することが可能となる。
【0119】
[第20の実施形態]
図34は、本発明の第20の実施形態に係る電子計算機及び外部電子計算機における映像信号メスコネクタ及び映像信号オスコネクタの概略の正面図であり、第19の実施形態の具体的な例である。第19の実施形態の説明から明らかなように、第20の実施形態におけるコネクタは、拡張された接続検出(認識)信号および入力装置信号に対するコネクタと既存の映像信号コネクタを統合したコネクタであり、外部電子計算機を使用する場合に単一のコネクタで対応することができる。
【0120】
図35は、本発明の第20の実施形態に係る電子計算機における端子配置を示す一覧表である。図35の表では、PS/2のDATAおよびCLKの入力装置信号が、拡張端子E3及びE4に割り当てられ、外部PC映像信号イネーブル信号と外部PC接続認識信号が、拡張端子E1及びE2に割り当てられている。映像信号に関しては既存のVGA端子配置のままである。
【0121】
第20の実施の形態において、既存の映像信号コネクタを有する外部モニタを接続する場合、映像信号コネクタは従来と同一であるため、電子計算機は従来の端子配置との互換性を保ちながら映像を表示させることが可能となる。また、本発明に係る外部電子計算機222を接続する場合、拡張された接続検出(認識)信号及び入力装置信号、及び映像信号に関する端子を有する拡張コネクタが用いられる。このとき、電子計算機201の入力装置の信号を外部電子計算機222に入力することが可能となり、拡張コネクタ部分の検出信号が電子計算機201の入力装置出力切替および映像信号入出力切替器206を操作するため外部電子計算機222の映像を電子計算機201の出力装置202に表示することが可能となる。
【0122】
[第21の実施形態]
図36は、本発明の第21の実施形態に係る電子計算機201の斜視図(一部分解図)である。本発明の第21の実施形態では、電子計算機201に接続した外部電子計算機222から、電子計算機201の内蔵機器、及び電子計算機201に接続した外部周辺機器を利用できるようになっている。例として、電子計算機201の入力装置信号の外部電子計算機222への出力インタフェースとしてUSBインタフェースを使用するもの、及び、入出力装置出力切替器206にUSB集線装置(ハブ)を統合するものを想定する。
【0123】
外部電子計算機222が接続されていない場合、切替信号B220が非アクティブとなっており、入力装置入力224が電子計算機の入力装置出力A226に出力される。このとき、集線装置(206)に接続された内部機器250、及び外部周辺機器252を、入力装置出力A226に接続状態としてもよい。
【0124】
外部電子計算機222が接続された場合、切替信号B220がアクティブとなり、入力装置入力224が電子計算機201の入力装置出力B228に出力され、外部電子計算機222に入力される。このとき、集線装置(206)に接続された内部機器250及び外部周辺機器252が入力装置出力B228に接続状態とされている。これによって、電子計算機201の入力装置だけでなく、内部機器250及び外部周辺機器252も外部電子計算機222にて利用され得ることになる。このとき、集線装置(206)に接続された内部機器205及び外部周辺機器252を入力装置出力B228に接続状態とするかどうかを別の切替信号を利用して決定してもよい。
【0125】
[第22の実施形態]
図37は、本発明の第22の実施形態に係る電子計算機、外部電子計算機、及び中継器におけるコネクタに関するブロック図である。第22の実施形態では、電子計算機201に従来の外部電子計算機222’を接続する場合、両者の間に中継器260を配置する。
【0126】
これまでの記述から、本発明に係る電子計算機201は、本発明に係る外部電子計算機222と接続することが前提となっていることは明白である。従って、本発明に係る電子計算機に、従来の外部電子計算機222を接続した場合、予定された動作が行われないことが想定され得る。この不都合を解消するために中継器260が設けられる。
【0127】
中継器260は、外部電子計算機222’から入力された映像信号の出力を制御する中継装置262が搭載されている。該中継装置262は、プルアップ抵抗が付加されている切替信号入力Bが“L”状態の場合に、外部電子計算機222’の映像信号を電子計算機201側に出力し、“H”状態の場合には出力しないものとする。また、中継器260では、電子計算機と接続した場合プルアップ抵抗が付加された切替信号入力Aに接続される信号が、グラウンドに接続されている。
【0128】
中継器260は、電子計算機201から映像信号インタフェースに割り当てられた入力装置信号を、従来の入力装置インタフェースに分離することが可能となっている。また、中継器260は、本発明の電子計算機201以外への接続を防止するための誤挿入防止用のコネクタが使用されている。即ち、従来の外部電子計算機222’を中継器260に接続し、中継器を本発明に係る電子計算機201に接続することによって、従来の外部電子計算機222’を本発明の外部電子計算機222と、同等のものにすることができる。
【0129】
また、中継器260の切替信号入力A及び切替信号入力Bに接続・切断を行う切替スイッチ(図示せず)を配置し、中継器260上の該切替スイッチの手動により、電子計算機201本体の映像出力装置の出力の切替を行うようにしてもよい。
【0130】
[第23の実施形態]
第23の実施形態は、第5、第6、第9、第10、第12、第14、第15、第16、第17、及び第18の実施形態の特徴を統合した映像信号インタフェースコネクタに係るものである。図38は、本発明の第23の実施形態に係る電子計算機及び外部電子計算機における映像信号メスコネクタ及び映像信号オスコネクタの概略の正面図である。図39は、本発明の第23の実施形態に係るVGA端子配置の一例を示す。
【0131】
第23の実施形態における映像信号コネクタの+5VDC端子は、+5Vのプルアップ抵抗を有した外部電子計算機222接続の検出端子として割り当てられている。該端子は、コネクタ接続時に他のすべての端子が接続する前に、接触するようにされており、このため、電子計算機201の映像入出力切替装置の入出力を制御する切替信号Aが、先ず“H”状態から“L”状態に変化する。これにより、外部モニタへの映像信号出力が停止され入力モードへ変更することが可能となる。
【0132】
映像信号コネクタに誤挿入防止用突起及び鉤穴が設けられていることから、従来の映像信号オスコネクタを有する外部モニタは接続可能である。但し、従来の映像信号メスコネクタを有するノート型電子計算機には接続され得ないことになる。
【0133】
また、コネクタ接続時に誤挿入防止用突起及び鉤穴は、他の端子より短くされ、外部電子計算機接続の検出端子として割り当てられている。つまり、他のすべての端子が接続した後にここでの端子が接触する。このことによって外部電子計算機の出力を制御する切替信号Bが“H”状態から“L”状態に変化し、外部電子計算機の映像信号が電子計算機に入力され出力装置に表示される。
【0134】
更に、PS/2のDATAおよびCLKの入力装置信号を端子4の予約信号および端子15の通常未使用であるID0信号に割り当てることによって、電子計算機の入力装置信号を外部電子計算機に接続することが可能となる。
【0135】
このように映像信号インタフェースコネクタにおいて、検出信号を兼ねる誤挿入防止用突起及び鉤穴が設けられ、未使用および予約として割り当てられた信号に対して外部電子計算機で使用する入力装置信号が割り当てられ、更に、既に+5VDCとして割り当てられた端子に対して5V電源へのプルアップ抵抗を有した外部電子計算機の接続を検出する入力信号を割り当てることによって、既存の外部映像出力インタフェースに対して親和性を保ちながら機能を拡張することが可能となる
【0136】
[第24の実施形態]
第24の実施形態は、第5、第6、第9、第10、及び第12の実施形態の特徴を統合した映像信号インタフェースコネクタに係るものである。図40は、本発明の第24の実施形態に係る電子計算機及び外部電子計算機における映像信号メスコネクタ及び映像信号オスコネクタの概略の正面図である。図41は、本発明の第24の実施形態に係るVGA端子配置の一例を示す。
【0137】
第24の実施形態における映像信号コネクタの+5VDC端子は、+5Vのプルアップ抵抗を有した外部電子計算機222接続の検出端子として割り当てられている。該端子は、コネクタ接続時に他のすべての端子が接続する前に、接触するようにされており、このため、電子計算機201の映像入出力切替装置の入出力を制御する切替信号Aが、先ず“H”状態から“L”状態に変化する。これにより、外部モニタへの映像信号出力が停止され入力モードへ変更することが可能となる。更に、映像信号の端子が接続した後に、外部電子計算機の映像信号が電子計算機に入力され出力装置に表示される。
【0138】
更に、PS/2のDATA及びCLKの入力装置信号を端子4の予約信号および端子15の通常未使用であるID0信号に割り当てることによって、電子計算機の入力装置信号を外部電子計算機に接続することが可能となる。
【0139】
このように塩蔵信号インタフェースコネクタにおいて、未使用および予約として割り当てられた信号に対して外部電子計算機で使用する入力装置信号が割り当てられ、更に、既に+5VDCとして割り当てられた端子に対して5V電源へのプルアップ抵抗を有した外部電子計算機の接続を検出する入力信号を割り当てることによって、従来と同一のコネクタを有しつつ、既存の外部映像出力インタフェースに対して親和性を保って、機能を拡張することが可能となる。
【符号の説明】
【0140】
1、31、201・・・電子計算機、4、34、204・・・入力装置、6、36、206・・・切替装置、12、24・・・処理装置、26・・・別の電子計算機、42・・・副処理装置A、54・・・主処理装置B、56・・・電子計算機本体、212・・・外部モニタ、222・・・外部電子計算機。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0141】
【特許文献1】特開2002−189516号公報
【特許文献2】特開2002−312068公報
【特許文献3】特開2004−246634公報
【特許文献4】特開平5−94250号公報
【特許文献5】特開平10−97440号公報
【特許文献6】特開平11−259003号公報
【特許文献7】特開2000−89855公報
【特許文献8】実用新案登録第3064588号公報
【特許文献9】特許第3283853号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のプロセッサとユーザインターフェイスを有する第1の装置、第2のプロセッサが搭載された第2の装置、とを有する電子計算機であって、前記第1の装置は、第2の装置と着脱自在であるように構成されており、
前記第1のプロセッサが電子計算機としての処理機能を備え、これにより、前記1の装置が、第2の装置との離脱時に、独立した電子計算機として機能するものであり、
前記1の装置が第2の装置に着装されると、前記第1のプロセッサは動作を停止し、前記第2のプロセッサは動作を復帰し、及び前記ユーザインターフェイスは、第2のプロセッサからの出力信号に基づいてデータを表示し、
前記1の装置が第2の装置から分離されると、前記第2のプロセッサは動作を停止し、第1のプロセッサは動作を復帰し、及び前記ユーザインターフェイスは、前記第1のプロセッサからの出力信号に基づいてデータを表示することを特徴とする電子計算機。
【請求項2】
第1のプロセッサもしくは第2のプロセッサに搭載されたデータ通信手段からの信号に基づいて、前記第1のプロセッサの動作停止と第2のプロセッサの動作復帰を実施することを特徴とする請求項1に記載の電子計算機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【公開番号】特開2012−33180(P2012−33180A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200998(P2011−200998)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【分割の表示】特願2006−49965(P2006−49965)の分割
【原出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)