説明

着色ラベル

無ラベル外見を物品上に達成するため(場合により湿式接着剤法により)物品の予め選択された着色透明領域に固定することができる着色透明重合体ラベルにおいて、ラベル、ラベル添付物品、及びラベルを添付していない物品の各々のCIE色空間で測定した色パラメーターが、一緒になって条件(a)及び/又は(b):(a)(i)ΔCのモジュラスは約5より小さく、一層好ましくは約4より小さく、最も好ましくは約3.5より小さく、例えば、ほぼ0であり、ここで:ΔC=CL+A-C式1、式中、CL+A=(aL+A+bL+A)1/2及びC=(a+b)1/2;及び(ii)ΔLのモジュラスは約7より小さく、好ましくは約4より小さく、最も好ましくは約3より小さく、例えば、ほぼ0であり、ここで:ΔL=LL+A-L式2;及び(iii)ΔEのモジュラスは約10より小さく、一層好ましくは約6より小さく、最も好ましくは約4より小さく、例えば、ほぼ0であり、ここで:ΔE=(Δa+Δb+ΔL)1/2式3;式中、Δa=aL+A-a及びΔb=bL+A-b;及び(iv)ΔHのモジュラスは約7より小さく、一層好ましくは約5.5より小さく、最も好ましくは約2.5より小さく、例えば、ほぼ0であり、ここで:ΔH=(ΔE+ΔL+ΔC)1/2式4、及び/又は(b)透過色比(Rtrans)のモジュラスは0.9より大きく、好ましくは実質的に約1.0であり、ここでRtrans=2(EL+A)/(E+E)式5を満足することを特徴とするラベルが記載されている。これは、ラベルを添付する瓶のような特定の物品に対するラベルを、その物品に無ラベル外観を与える色整合を行う方法を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品に固定される、水性接着剤が適用されたラベル〔所謂、湿式接着剤(wet glue)ラベル〕(それらに限定されるものではない)のような着色ラベルの分野に関する。好ましくは、本発明は、物品にラベルの無い外見を与えるラベルに関する。着色透明(transparent)及び/又は半透明(translucent))バイオポリマー(bio-polymer)フイルム、例えば、セルロース及び/又はポリ乳酸から作られたフイルムを含むラベルのような、どのような適当なラベルでも本発明で用いることができる。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性フイルムから作られたラベルは、従来、予めラベル面状材料(facestock)の上に被覆した感圧性接着剤(ここではPSAとして示す)によって物品に固定されてきた。そのようなラベルフイルムには、ポリオレフィン、例えば、二軸配向ポリプロピレン(BOPP)が含まれる。PSAラベル面状材料は、剥離ライナーからラベルを付けようとする物品上に配布される。紙ラベルと共に屡々用いられている別のラベル張り付け方法は、水性媒体中に分散させた接着剤を別に用いる方法である。接着剤は、ラベルが物品に固定される時に適用される。これらは、屡々湿式接着剤(wet glue)ラベルと呼ばれているが、冷間接着剤(cold glue)ラベル又は適時接着剤(just glue)ラベルとも呼ぶことができる。
【0003】
ビール、ワイン、又はスピリッツのようなアルコール飲料の市場は、益々競争的になってきており、醸造所は、彼らの得意先を把握する方法を見つけ、彼らに自分たちの製品を購入してもらえるようにする方法を見つける必要がある。包装は、スーパーマーケットで販売する点で特に種々の販売促進宣伝の主要部分であり、製造業者の中で区別化する動きが活発になってきている。
【0004】
最近「無ラベル(no-label)」外観がPSAラベルにとって流行するようになってきている。なぜなら、小売業者が、この新しい形態の陳列棚の魅力から多くの利点を見出しているからである。無ラベルの外観は、物品に透明及び/又は半透明ラベルを適用することにより達成される。もしラベルが透明であると、その裏側(即ち、物品に接着される「内」側)の上の印刷は、直接物品に適用されたように見え、従って「無ラベル外見」と言う用語が用いられている。そのような内側被覆は、それらが物品の外側上にはないため、摩耗及び引き裂き(摩擦、溶媒による侵食等)から一層よく保護されている。
【0005】
しかし、湿式接着剤ラベルを適用するのに用いられている方法により、現在PSA市場で用いられている慣用的透明プラスチックフイルム(OPP、ポリエステル・PE、ポリエチレンフタレート・PET)は、透明湿式接着剤ラベルのための面状材料として用いた場合、種々の欠点を有する。これらの熱可塑性フイルムの性質は、慣用的湿式接着剤機械で用いられている紙ラベルとは異なっている。
【0006】
例えば、熱可塑性フイルムは、湿分に対する大きな障壁を有し(それらは水に対して半透過性ではない)、そのため湿式接着剤が乾燥するのに長い時間がかかり(従って、ラベルを適所に固定するのに一層時間がかかり)、それが高速ラベル添付ラインで欠点になることがあり、或は物品上のラベルの正確な位置付けが必要になる。このように、熱可塑性フイルムは、瓶のような物品に湿式接着剤ラベルを適用するために設定された慣用的製造ラインでは、紙ラベルの理想的な代替物にはなっていない。水性被覆は、屡々疎水性であるそのような熱可塑性フイルムに対してフイルムの表面処理をしないと、容易には両立することができず、充分接着しない。
【0007】
湿式接着剤ラベルを製造するため慣用的に用いられている基体は、透明ではない紙である。熱可塑性フイルムは透明であるが、熱可塑性フイルム及び湿式接着剤被覆について前に述べた欠点のため、許容可能な性能を有する無ラベル外見を物品に与えるためには、感圧性接着剤を使用する必要があった。従って、紙の湿式接着剤ラベルのためのラベル添付装置を現在用いている製造業者は、彼らが無ラベル外見へ移行したい場合、感圧性ラベルと両立する装置へ変えるための大きな資本出費及び混乱に直面している。
【0008】
本出願人の継続中の出願PCT/EP 02/02726には、PSAを用いずに透き通った(clear)ラベルの外見を与えるため、透明物品に透き通ったバイオポリマーラベル(例えば、セルロースフイルム)を適用する湿式接着剤法を使用することが記載されている。この方法は、紙の湿式接着剤ラベルに適した現存する機械を用いることができ、然も、紙よりも種々の利点を有するバイオポリマーラベルを使用することを可能にしている。バイオポリマーラベルは、無ラベル外見を達成するため透明か半透明にすることができる。バイオポリマー基体上の湿式接着剤は、外部からの被覆を用いる必要なく、合理的時間内に乾燥することもできる。この方法は、現存するラベルラインを湿式接着剤からPSAへ変える欠点を与えことなく、製造業者に透き通ったラベル外見のための別の経路を与えている。PCT/EP 02/02726の内容は、参考のためここに入れてある。
【0009】
しかし、思いがけないことに、本出願人はPSAラベルに比較して、湿式接着剤ラベルを用いて許容可能な無ラベル外観を与えるためには依然として問題が残っていることを見出している。
【0010】
PSAラベルは、ラベル原料を製造する間に予め適用された感圧性接着剤を有する。これに対し、湿式接着剤法は、湿式接着剤をその場でラベルに適用する必要がある。湿式接着剤を接着剤ローラーに適用し、次にゴム被覆パレットへ転写し、そこから接着剤がラベルの裏側へ転写される。次にそのラベルを、1分当たりラベル添付される物品が300〜500+になる典型的出力速度でガラス瓶又はPETボトルのような物品へ適用する。これらのライン速度、特に湿式と乾式、及び暖かいか冷たい瓶のような条件範囲では、湿式接着剤の接着剤転写特性を、慣用的PSAラベルの無ラベル外観に匹敵する満足すべき無ラベル外観が瓶の湿式接着剤ラベルで達成されるように、最適にするのは困難であることを本出願人は見出している。
【0011】
例えば、本出願人は、透き通ったセルロースフイルムのラベルを湿式接着剤を用いて透明フリントガラス瓶に適用し、許容可能な外観を達成することはできるが、予想外にこれは、着色瓶が用いられた場合には当て嵌まらないことを見出している。例えば、透き通ったセルロースラベル又は熱可塑性重合体のラベルを、緑色、琥珀色、褐色、又は黒色に着色したガラス瓶に湿式接着剤で張り付けることは、満足できる無ラベル外観を達成することができない。どのような機構によっても束縛されたくないが、本出願人は、接着剤を適用する方法により、PSAラベルと比較して、ラベルの下の欠陥が一層多くなるのであろうと考えている。驚いたことには、これらの汚点が、透明着色物品(例えば、着色ガラス瓶又はPETボトル)の上に透き通った透明ラベルがあると、一層容易に見ることができ、そのため無ラベル外観のイルージョンを損なうことである。更にどのような機構によっても束縛されたくはないが、本出願人は、これはラベル/接着剤/瓶総合体の光学的コントラスト性が最適になっていないことによるものであろうと推測している。
【0012】
従って、もしこの予想外の観察された問題を取扱うならば、ラベルを添付すべき物品の広い範囲の(好ましくはどのような)色又は明度でも、一層好ましくは物品(のみならず湿式接着剤ラベル)が半透明又は透明である場合、満足な又は改良された無ラベル外観を、湿式接着剤ラベルにより達成することができるようになるであろう。
【0013】
ここでの開示は、主にバイオポリマー(特にセルロース及び/又はポリ乳酸)から作られた湿式接着剤ラベルに関連するが、他の透明又は半透明面状材料(例えば、ポリオレフィン、例えばBOPPのような熱可塑性フイルム)に湿式接着剤を適用する満足すべき手段を見出すことができるならば、ここで確認し、解決される問題は、PSAラベルの場合に用いられる方法と比較して、湿式接着剤ラベル法の性質によって主に生ずるものなので、本発明は、それらの基材に同様に適用されることは認められるであろう。
【0014】
ラベル面状材料又はラベル接着剤の光学的性質を変更することができることを教示している種々の文献が存在する。
【0015】
EP 0664534A〔フジシール(Fuji Seal)〕には、熱収縮性ラベル(場合により1〜6重量%の範囲の量の酢酸ビニルを含むエチレン・酢酸ビニル共重合体のフイルムから作られたラベル)が記載されており、この場合そのラベルの屈折率は、容器に付けた場合の円周方向に1.512〜1.516の範囲にあり、容器の垂直方向には1.513〜1.520の範囲にあり、従って、ポリエチレンフイルムから作られた慣用的ラベルと比較して、加熱した時、ラベルの表面に皺、たるみ等が起きているとは到底思われない。これは、本発明の問題とは完全に異なった、別の種類のラベルで起きる問題を取扱っている。
【0016】
PSAの分野での幾つかの文献は、透明ラベルとして用いられるPSAについての比屈折率値を教示している。
【0017】
EP 1124213A〔ハインネッケン(Heineken)〕には、透き通ったPSAラベルが記載されており、この場合PSA層は、50μmを超えない粒径を有し、1.4〜1.6の屈折率を有する少なくとも一種類の無機粒状材料を含んでいる。これは、瓶のラベルの透明性を改良すると述べられている。
【0018】
WO 0130933A(3M)には、PSAラベルが記載されており、この場合感圧性接着剤は少なくとも1.48の屈折率を有する。感圧性接着剤は、置換又は非置換芳香族部分を含む少なくとも一種類の単量体を含む。
【0019】
PSAラベルの分野での文献は、湿式接着剤ラベルの分野で本出願人によって発見された問題とは無関係である。
【0020】
US 6306242〔ドロンゼック(Dronzek)〕には、ラベルを物品に適用した後、その場でそのラベルを硬化することにより、親水性接着剤で物品に重合体ラベルを適用する方法が記載されている。第5欄第30行〜第32行(同じく第8欄第46行〜第49行)には、この親水性接着剤のための重合体基材には、「透き通った、不透明、又は着色ポリプロピレン」(clear, opaque or colored polypropylene)が含まれると述べられている。この文献は、例えば、透き通ったラベルと着色したラベルとは何ら区別されていないので、透明ラベルと湿式接着剤を用いて無ラベル外見を達成する場合に直面する特定の問題を認識しているものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、ここで確認した問題の幾つか又は全てを解決すること、例えば、改良された無ラベル外見を与える物品ラベル添付方法を与えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
一般に、ここで行う種々の色空間パラメーター及び測定値を示すのに、本明細書及び特許請求の範囲で次の記号を用いる:
「L+A」は、物品のラベルを添付した領域で行われた測定、即ち、その場で半透明又は透明のラベル(その湿式接着剤を含む)と、半透明又は透明の物品の両方の組合せを通る透過又反射光(好ましく反射光)での測定値を示す。
「L」は、瓶の場合、ラベル内側になる側に適用された湿式接着剤を通ることを含めた(別に特定化されていない場合)無地(即ち、印刷されていない)半透明又は透明ラベルを通る透過光又は反射光(好ましくは反射光)で行われた測定を示す。
「A」は、湿式接着剤が適用されていないラベルのない半透明又は透明物品(又はその半透明又は透明部分領域)を通る透過光又は反射光(好ましくは反射光)で行われた測定を指す。
別にここで特定化しない限り、色空間測定は、試料をラベル添付物品上に置いた時に見られるように、その試料の前側から行われ、測定は反射光で行われた。
【0023】
本発明に従って用いられる一つの方法では、ラベルを添付した物品と、ラベルのない物品との差を直接測定する。
【0024】
この方法では、次のような式1〜4でΔC、ΔL、ΔE、及びΔHを定義する(L、a、及びbは、関連する試料により直接測定される):
ΔC=CL+A-C 式1
ここで、CL+A=(aL+A+bL+A)1/2 及び C=(a+b)1/2
ΔL=LL+A-L 式2
ΔE=(Δa+Δb+ΔL)1/2 式3
ここで、Δa=aL+A-a 及び Δb=bL+A-b
ΔH=(ΔE+ΔL+ΔC)1/2 式4
【0025】
本発明のラベル添付瓶は、好ましくは夫々の場合で独立に次の値を示す。
ΔCのモジュラスは約5より小さく、一層好ましくは約4より小さく、最も好ましくは約3.5より小さく、例えば、ほぼ0である。
ΔLのモジュラスは約7より小さく、一層好ましくは約4より小さく、最も好ましくは約3より小さく、例えば、ほぼ0である。
ΔEのモジュラスは約8より小さく、一層好ましくは約6より小さく、最も好ましくは約4より小さく、例えば、ほぼ0である。
ΔHのモジュラスは約7より小さく、一層好ましくは約5.5より小さく、最も好ましくは約2.5より小さく、例えば、ほぼ0である。
【0026】
本発明の簡単にラベルを付けた瓶は、ΔL及びΔEの両方のモジュラスが約4より小さく、一層便利には両方共約3より小さい場合のものを含む。
【0027】
ΔC、ΔE、及びΔHは、与えられた物品に関して、ラベルを湿式接着剤によりその物品へ適用した時、許容可能な無ラベル外見を与えるラベルのCIE色空間の領域を定めるように、実験により選択されている。どのような理論によっても束縛されたくはないが、本出願人は、これは、ラベル/接着剤/瓶総合体と、瓶との目で見たコントラストが充分低く、無ラベル外見を達成することができる場合であると考えている。
【0028】
しかし、本出願人は、別の仕方で整合した着色ラベルが満足な無ラベル外見を生ずることができるように、ΔL〔整合ルミネッセンス(matched luminescence)〕のための特定の範囲も必要であることを見出している。どのような理論によっても束縛されたくないが、本出願人は、他のCIEパラメーターに加えて、適当にルミネッセンスを選択することも、湿式接着剤層中の欠陥によって起こされる目に見える汚点を隠すのに役立つと考えている。ΔLの値の上限は、無ラベル外見を与える結果には明らかにならないような、明るい(例えば透き通った)瓶に暗い(例えば黒色)ラベルを選択して用いたりしないことも確実にしている。
【0029】
CIE L、C、H色空間差(CIE式色空間L、a、bに相当する円筒座標)は、透明試料を通る反射光で測定されたラベル添付物品とラベルのない物品との差としてここでは慣用的に測定されている。
【0030】
ここで用いられる上記パラメーターの各々は、さもなければ、国際照明委員会(CIE)標準CIE94に記載されているか、又はこの標準で用いられている方法と類似のものにより測定され且つ/又は定義されている。測定は、CIE94(ここで修正されたものを除く)で指定された標準参考試験条件、即ち、CIE D65、CIE観察方向10°、1000ルックス照度、灰色背景、最小試料間隔、均質試料構造、正常色覚で行われ、ここに定義したように反射光で測定が行われた。
【0031】
本発明に従って用いられた別の又は付加的方法では、着色試料と透き通った無着色標準(ラベル、ラベル付き物品、及びラベルのない物品)との差を測定する。
【0032】
ここで用いられている透過光の呈色比(Rtransとしても示す)は、ラベル添付物品複合体の色の、ラベルと物品別々の平均の色に対する比率から与えることができる。これは、次のように式5として定義することができる:
【0033】
【数1】

【0034】
式中、
L+A=[(aL+A)+(bL+A)+(LL+A)]1/2であり、これは、ラベルが添付された物品の透明/半透明領域についての色を記述しており、
=[(a)+(b)+(L)]1/2であり、これは、試料としてラベルについての色を記述しており、そして
=[(a)+(b)+(L)]1/2であり、これは、試料としてラベルが添付されていない透明/半透明物品についての色を記述している。
【0035】
最適色整合のためには、透過色比Rtransのモジュラスは、0.9より大きいのが好ましく、好ましくは実質的に約1.0である。
【0036】
ラベル+物品を一緒にした複合体の測定を用いた透過色比Rtransは、反射光に基づく一層慣用的な色整合から得られる結果とは区別することができる。並べた二つの透明着色物体は同じに見えるかも知れないが、互いに積み重ねると、色が変化し、そのため、ここに記載した方法は、与えられた色の透明物品に許容可能な無ラベル外観を達成するのに必要な湿式接着剤ラベルの色を同定し、選択するのに優れている。
【0037】
transの値及びここでの式を用いて、ラベルについての最適色値Eを決定し、特定の色値Eの与えられた物品及び例えばΔC、ΔH、及びΔLのようなパラメーターについて最適になるようにここで特定化した他の与えられた値によって満足できる無ラベル外見を達成することができる。
【0038】
本発明は、ラベルと瓶とその内容物との間のコントラストの視覚を最小にするために、思いがけなく発見された必要条件に関する。コントラストは輝度の差によって生ずることがある。本出願人は、無ラベル外観の許容度が、試料による反射及び透過光による散乱/反射光の強度に依存することを思いがけなく発見した。コントラストは、一定の輝度では、色の差によることもある。従って、コントラストは色及び輝度の標準(CIE Lab)測定値(即ち、L、a、及びbの値)に関連して定義することができる。最適値は、瓶と内容物とフイルムのCIE差ができるだけ小さく、即ち0に近い場合である。
【0039】
本出願人は、第一近似として、ラベル又は瓶の他のパラメーター(例えば、屈折率、反射量又は瓶表面とラベルとの差、又はガラス対ラベルフイルムのスペクトル分析)が、無ラベル外観を達成するのには余り重要ではなく、ここで考慮する必要はないことも思いがけなく発見した。
【0040】
従って、本発明に従い、広義には、無ラベル外見を物品で達成するための湿式接着剤法により、物品の予め選択された着色透明/半透明領域に固定することができる着色透明/半透明重合体ラベルが与えられ、それは、ラベル、ラベル添付物品、及びラベルを添付していない物品の各々のCIE色空間で測定した色パラメーターが、一緒になって次の条件(a)及び/又は(b)を満足することを特徴とする:
(a)(i)ΔCのモジュラスは約10より小さく、好ましくは約5より小さく、一層好ましくは約4より小さく、最も好ましくは約3.5より小さく、例えば、ほぼ0(例えば、±0.5)であり、ここで:
ΔC=CL+A-C 式1
式中、CL+A =(aL+A+bL+A)1/2 及び C =(a+b)1/2;及び
(ii)ΔLのモジュラスは約7より小さく、好ましくは約4より小さく、最も好ましくは約3より小さく、例えば、ほぼ0(例えば、±0.5)であり、ここで:
ΔL=LL+A-L 式2;及び
(iii)ΔEのモジュラスは約10より小さく、一層好ましくは約6より小さく、最も好ましくは約4より小さく、例えば、ほぼ0(例えば、±0.5)であり、ここで:
ΔE=(Δa+Δb+ΔL)1/2 式3
式中、Δa=aL+A-a 及び Δb=bL+A-b ;及び
(iv)(ΔH)のモジュラスは約7より小さく、一層好ましくは約5.5より小さく、最も好ましくは約2.5より小さく、例えば、ほぼ0(例えば、±0.5)であり、ここで:
ΔH=(ΔE−ΔL−ΔC)1/2 式4、
及び/又は
(b)透過色比Rtransのモジュラスは0.9より大きく、好ましくは実質的に約1.0であり、ここで
【0041】
【数2】

【0042】
用語「透明」とは、「透けて見えること」を意味するのに対し、用語「半透明」とは、光を伝達して拡散し、そのため反対側の目的物を明確には見ることができないこと、を意味する。しかし、本発明の内容において(明瞭に別のことを意味しない限り)、用語、半透明及び透明は、ここでは交換できるものとして用いられており、明細書及び特許請求の範囲中、一方の用語を他方の用語で置き換えてもよく且つ/又は他方を包含するものとして用いられている。
【0043】
どのような適当な湿式接着剤でも、それと組合せてどのような適当な透明及び/又は半透明湿式接着剤ラベル面状材料でも、ここに記載したように、無ラベル外観を達成するように着色することができることは認められるであろう。ここに記載したように着色することができる好ましい湿式接着剤ラベルは、PCT/EP 02/02726に例示され、具体的に示され、好ましいとされているものであるが、場合によりUS 6306242にも記載されている透明及び/又は半透明ラベルをここに記載したように着色することもできる。一層好ましい面状材料は、セルロース、BOPP、及び/又はポリ乳酸フイルムであり、最も好ましくはセルロースフイルム又はポリ乳酸フイルムであり、例えば、セルロースフイルムである。
【0044】
必要な場合、ここで別に特定化しない限り、ここでの色空間値を得るのに用いられる湿式接着剤は、ここでの例に記載されている慣用的湿式接着剤である。
【0045】
ここに記載する色整合方法は、ラベルを着色するどのような適当な既知の方法によっても達成することができ、例えば、次の方法の一つ以上及び/又はそれらの組合せにより達成することができる:
a) ラベルフイルムを、その中に染料及び/又は顔料を配合することにより直接着色する。
b) 適当な適用方法により一方又は両方の表面に着色ラッカーを適用する、
c) 適当なプリント方法により着色インクで基体の表面を着色する、
d) 透き通ったフイルムと組合せて用いられる着色半透明接着剤を生成させるため、慣用的透明湿式接着剤を着色する、及び/又は
e) ラベルフイルムと、それに適用される湿式接着剤の両方を着色する。
【0046】
ラベル+湿式接着剤の全体的希望の色は、上記(又は他の)方法のいずれかからの部分的組合せ及び/又は製品範囲から、市販されている適当な着色フイルムの特定の利用可能な色を選択することにより、もしここで計算したように希望の色空間値を持つようにフイルムが測定されるべきであることを知れば、達成できることも更に認められるであろう。
【0047】
着色は、顔料;粉末染料、液体染料、反応性染料のような染料;及び/又は染料及び/又は顔料のカプセル化物;を使用することにより達成することができる。
【0048】
本発明の方法で用いられることが判明している着色剤には、クリソフェニアナ(Crisofeniana)G280(黄)、ロジョー・エリアミナ(Rojo Eliamina)8BLEC(赤)、及びアザル・マリーナ(Azul Marina)15REC(青)の混合物;又は直接染料黄色指数(60%w/w)、直接染料赤色指数81(10%w/w)、及び酸性染料青色指数113(30%w/w)の混合物;が含まれる。
【0049】
しかし、用いられる特定の色及び絶対的夫々の濃度は、各場合で変わることは認められるであろう。なぜなら、それらはラベルを付けるべき選択された物品に改良された無ラベル外見を達成するためにフイルム及び/又は接着剤について必要になる色空間値に依存するからである。これらの値は、ここに記載するような与えられた物品について計算することができる。
【0050】
再生セルロースフイルムの場合、分散したセルロース(例えば、ビスコース)を含む液体中へ着色剤を添加し、それからセルロースフイルムを再生させる。フイルムを着色する方法は、ここに記載した本発明の方法により適当な色を達成するような簡単な計算により達成することができる。
【0051】
別法として、ラベルを各物品に適用する時、リアルタイムで着色を行うことができ、例えば、湿式接着剤を、それをラベルへ適用する直前に着色することにより行うことができる。この態様では、場合により、ラベルが添付される各物品の色を適当な手段(例えば、カメラ又は他のセンサー)により感知することができ、この情報を用いてラベルが添付される次の物品へ適用される接着剤に対し添加される着色剤(一種又は多種)の濃度及び/又は夫々の混合物を(例えば、他の手段の供給器により)調節することができる。この方法は、個々の瓶又は瓶のバッチ(例えば、異なった供給業者からのもの)の色の変動について、ラベルが添付された瓶の無ラベル外観が最適に留まるように調節する手段を与える。
【0052】
そのような接着剤着色方法は、着色フイルムと組合せて用いることもできる。フイルムの色は、ラベルを添付する物品の平均の色に対し最適無ラベル外見を与えるように、ここに記載したようにして選択することができる。次に湿式接着剤を、夫々の物品についての僅かな色の変動について調節し、夫々の物品の無ラベル外観を微調節するために、ラベル添付ラインでリヤルタイムで着色することができる。
【0053】
ラベルを物品に色整合する本発明は、次の利点の幾つか又は全てを(透き通ったラベルに関して)示す:
特に褐色ガラス瓶で見られる適用されたラベルの縁と、そのガラス瓶との改良された融合。
瓶の表面と、適用されたラベルの内側面との間にある接着剤層中に取り込まれた微細な泡の改良された遮蔽。
ゴム板上の転写跡又は汚点の改良された遮蔽、それにより、ラベルへ接着剤を転写するための瓶ラインで用いられるゴム適用パレットの表面欠陥又は仕上げに関して操作窓を著しく広くできること。
湿式接着剤紙ラベルの本体に印刷するのに現在用いられているオフセット・リト・シート供給法によりラベルを印刷することができるようにする、表面印刷される白色インクの不透明性の改良。
ラベル色設計パレットの一部分としてシングル・ヒット白色インク(single hit white ink)を用いた場合に見られる「ウエットTシャツ効果(wet T-shirt effect)」の解消。
どのような色の物品に対しても、極めて広い範囲の物品について無ラベル外観を達成できるようにラベルを正確に整合させることができる。
【0054】
このように、本発明の一つの態様は、ラベルを湿式接着剤法により与えられた色及び明度(CIE色空間でのその位置により定められる)の半透明物品に適用する場合、無ラベル外観を達成するためにラベルフイルムに必要な色及び/又は明度を前以て信頼性及び再現性を持って予測する方法を与える。これは、本出願人が、試行錯誤により見出した、物品に対する色空間領域が、透明/半透明ラベル・物品総合体を通って伝達された光及び/又は反射光でラベル添付物品を見た時、湿式接着剤法から必然的に得られる(例えば、PSAラベルと比較して)汚点を隠すのに充分であるように、ここでの等式及びそれらの等式の変数に対してここで与えたパラメーター限界を用いて本出願人が定めているからである。
【0055】
更に本発明の態様、具体例、及び好ましい特徴を特許請求の範囲に記述する。
【0056】
本発明を、比較として夫々透き通った透明セルロースラベル(図1)及び本発明の着色(異なった褐色)透明セルロースラベル(図2及び3)が湿式接着剤法により適用された五つの瓶の写真であるここでの図面により例示する。
【0057】
本発明を、次に単なる例示として、本発明を限定するものではない次の実施例に関連して詳細に記述する。最初に幾つかの一般的手段を記述する。
【0058】
ラベルの製造
次のように、比較ラベル及び本発明の方法で用いられるラベルとの両方についてセルロースラベルフイルムを次のようにして製造した。よく知られているビスコース法により再生セルロースフイルムを製造する慣用的やり方で製造機械を設定した。用いられたビスコースは9.3%のセルロース含有量をもち、得られたフイルムは、未被覆部62g/m及び被覆部64.5g/mの基体を持っていた。着色剤を除外した場合、得られたフイルムは、商標名セロファン(Cellophane)645E711としてUCBから市販されているような慣用的透き通った透明セルロースフイルムであった。別の態様として、未被覆部75g/m及び被覆部77.5g/mの基体を有するセルロースフイルムも製造し、ここに例示したフイルムと同様に試験した時、本発明の方法で満足すべき結果を与えた。
【0059】
場合によるラベル着色
場合により、適当な(例えば、褐色)染料又は顔料を、再生フイルム中へ吸収されるビスコース流に添加することができる。着色剤(種類及び濃度)は、得られたフイルムウエブの色が、ラベルを添付すべき着色(例えば、褐色)ガラス瓶について前に測定した色空間値に関してここでの等式を満足するように選択することができる。これにより、与えられた着色ガラス瓶(例えば、非常に暗いビールが充填された暗褐色瓶)に無ラベル外観を達成するのに必要な色を持つ透明なフイルムが得られる。
【0060】
接着剤
上に記載したようにして製造された、場合により着色したセルロースフイルムの一方の側に、2.5g/mの被覆重量で、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体の慣用的被覆で被覆した。次に、慣用的湿式接着剤ラベル添付装置によりラベルを添付する間の共重合体として同じ側に標準湿式接着剤である合成接着剤(水50%)を適用した。本出願人はこの接着剤を2.5〜3.5g/mの被覆重量で適用してもよく、依然として本発明の方法で満足すべき性能を与えることを見出している。
【0061】

指示した場合を除き、同じ種類の透き通った瓶をここでの実施例の各々で用いた。しかし、試験した瓶には或る範囲の種々の色(褐色)の瓶の効果に類似させるため、B、C、D、及びE(又は図1〜3ではe)で示す種々の染料の溶液を満たした。4種類の特別な明度及び色相の褐色液体を調製し、夫々の場合で同じ明度及び色相の褐色を同じ文字B〜Eで示してある(ここでの図1〜3)。与えられた色(ここでのCIEデーターにより定められる)がどのように達成されるかは無関係であることは認められるであろう。例えば、B〜Eは、夫々の試料について適当な染料(一種又は多種)を別々に選択し且つ/又は夫々の試料で異なった濃度で同じ染料(一種又は多種)を用いることにより作ることができる。比較として、空の透き通った瓶(Aとして示す)にもラベルを適用した。この方法は、(疑似)褐色瓶上の褐色ラベルの多くの異なった明度及び色相の組合せを試験する簡単な手段を与えた。これは、種々の等級の褐色を有する瓶を得ることは一層困難であるので、便利であったことが認められるであろう。
【0062】
ラベル添付
湿式接着剤紙ラベルのために設定した未修正(又はほんの僅かだけ修正した)慣用的ラベル添付装置を用いて慣用的やり方で瓶にラベルフイルムを適用し、その上に透明ラベルを与えた。
ここに記載した方法(及びここでの等式1〜5)を用いて、次のCIE値を、種々のガラス瓶に適用した種々のラベルについての実験データーから決定した。
【0063】
結果
種々の瓶/ラベルの組合せについて色空間座標(CIE)を、慣用的に反射光で測定した。得られたCIEデーター(モジュラス値)を下の表に小数点以下2桁まで与えてある(無次元、単位無し)。夫々の実施例について、番号(i)はラベルを張る前の瓶(指示に従い空か又は満たされている)を指し、番号(ii)は、関連するラベルが適用された後に得られたデーターである、一対のデーター組が与えられている。NAは、「適用できない」を示す(例えば、無ラベル外見では、ΔL、ΔH、ΔC、及びΔEは、ラベルが付けてない瓶については決定されなかった)。
【0064】
比較例
次の比較例を調製した(比較例I〜VIII)
【0065】
ラベル(比較例I及びII)
比較例Iは、商標名セロファン645E711としてUCBから市販されている透き通った無色の透明セルロースから作られたラベルであった。
比較例IIは、セルロースに添加した着色剤が、ラベルを添付した褐色瓶の色に整合しない(即ち、ここでの等式1〜4を満足しない)青色であった場合のラベルであった。
【0066】
ラベル添付瓶
透き通ったラベル(比較例III〜VII)
比較例III〜VIは、種々の褐色染料B〜Eを場合により充填した透き通ったガラス瓶に(上に記載したように)適用した透き通ったセルロースラベルを用いて作られた種々の比較ラベル添付瓶である。
【0067】
【表1】

【0068】
夫々のラベル添付瓶を目で検査し、反射光でラベルに見られる汚れ及び無ラベルの全体的イルージョンに基づいて粗い「合格」又は「不合格」を与えた。評価されたラベル付き瓶の写真をここでの図1に示す。データーから分かるように、本出願人は、必ずしも全ての曇りのない(無色)透明ラベルが、瓶に適用された時、満足できる無ラベル外見を生ずることができるとは限らないことを(予想に反して)思いがけなく発見した。このことは、例えば、暗い色の瓶〔(疑似)褐色瓶C〜E〕に適用された場合の曇りのないラベルが、予想外大きな値のΔL(輝度)を示している場合の比較例V〜VIから見ることができる。どのような理論によっても束縛されたくないが、本出願人は、接着剤の不均一な適用によって起こされる(発光)汚れが、暗い瓶の背景に対して曇りのないラベルを通して特によく見ることができると考えている。
【0069】
色が不整合のラベルと瓶(比較例VIII)
更に比較するために、ここに記載したように着色した青色セルロースラベルを褐色瓶に適用することにより、暗い瓶の上に暗いラベルがあるものを作り、記載したように測定した。このラベル付き瓶は、無ラベル外見試験に不合格であった。
【0070】
ΔL ΔC ΔH ΔE
比較例VIII=褐色瓶/比較例ラベルII 6.3 7.76 7.54 12.52
【0071】
本出願人は、本発明による次の実施例によって例示されるように、上で認定した問題を解決するための手段を与えている。
【0072】
例1〜10
ここでの表2〜3及び図2〜3を参照して、次のように本発明に従い瓶にラベルを添付した。
【0073】
ラベル
5つの瓶(1つは透き通り、4つは疑似褐色)の各々に、湿式接着剤法によりここに記載したようにセルロースラベルを添付した。2枚のラベルを用いた。例1〜5は、表2のデーターを参照して図2に示したように、或る色相(B1でここでは示してある)の暗褐色ラベルを用いた。例6〜10は、表3のデーターを参照して図3に示したように、B1とは異なった明るい色相(ここではB2として示す)の褐色ラベルを用いた。慣用的褐色染料を用いて、ここで用いた褐色セルロースラベルの二種類の異なった明度(B1及びB2)を(ここに記載した方法により)生じさせた。これらのラベル(B1、B2)を透き通った瓶に適用し、種々の褐色の色を染料B〜Eを用いて模造した。ここに記載した湿式接着剤法を用いてラベルを適用した。
【0074】
結果
次に、夫々のラベル付き瓶を、パラメーターΔL、ΔH、ΔC、及びΔEの各々について表Aに与えた等級付け条件に基づいて、反射光でラベルの上から見て汚点及び無ラベルの全体的イルージョンに基づき無ラベル外見の現れかたについて目で見て評価した。等級値の意味は、試験した夫々の例について「無ラベル外見等級」として表示した。これらのラベル付き瓶は写真にも撮り、それらをここでの図2(表2)及び図3(表3)に示す。
【0075】
【表2】

【0076】
次に、CIE値をこれらの合格したラベル/瓶組合せに関係付け、与えられた瓶に対し許容可能な無ラベル外見を生ずるラベルを予め選択することについて本発明の方法の妥当性を確認した。
【0077】
【表3】

【0078】
【表4】

【0079】
着色剤
ここでの例1〜10の褐色ラベルB1及びB2を、20及び9の夫々の重量比(B1及びB2)で添加した次の着色剤混合物を用いて(夫々の場合でフイルムウエブ速度を同じにして標準ビスコース浴へ添加することにより)ここに記載したようにして着色した。(夫々の染料は着色剤工業から市販されていた)。
【0080】
着色剤 重量比
直接染料黄色指数12: 0.6
直接染料赤色指数81: 0.1
酸性染料青色指数113: 0.3
合計 1.0
【0081】
例11(i)〜(vi)−ラベル付き褐色瓶
表4を参照してここに記載したように、更に暗褐色のガラス瓶にラベルを添付したが、これらの瓶はここでの図1〜3の写真には示されていない。種々の異なった色の褐色ラベル(ギリシャ文字α〜εにより示されている)を、同じ空の暗褐色瓶に湿式接着剤法により適用した。与えられたラベルの褐色の色は、適当な染料(一種又は多種)、顔料(一種又は多種)、及び/又はそれらの混合物をそれらの種々の濃度で選択することにより達成することができることは認められるであろう。夫々のラベル付き瓶を、上で述べたように試験し(例11(i)はラベルのない瓶である)、データーを表4に与える。
【0082】
【表5】

【0083】
これらの種々の褐色ラベル〔例11(ii)〜(vi)〕は、褐色瓶に整合し、無ラベル外見を達成することが見出された。上記表2及び3中の「無ラベル外見評価」についてのように計算した評価値は、他の例と比較して好ましい。色及び輝度が整合したラベルを使用することは、暗い色の瓶で無ラベル外見を達成するのに特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は、透き通った透明セルロースラベルを湿式接着剤法により適用した5本の瓶の写真である。
【図2】図2は、本発明の着色(異なった褐色の)透明セルロースラベルを湿式接着剤法により適用した5本の瓶の写真である。
【図3】図3は、本発明の着色(異なった褐色の)透明セルロースラベルを湿式接着剤法により適用した5本の瓶の写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無ラベル外見を物品で達成するため(場合により湿式接着剤法により)物品の予め選択された着色透明領域に固定することができる着色透明重合体ラベルにおいて、ラベル、ラベル添付物品、及びラベルを添付していない物品の各々のCIE色空間で測定した色パラメーターが、一緒になって次の条件(a)及び/又は(b):
(a)(i)ΔCのモジュラスは約5より小さく、一層好ましくは約4より小さく、最も好ましくは約3.5より小さく、例えば、ほぼ0であり、ここで:
ΔC=CL+A-C 式1
式中、CL+A =(aL+A+bL+A)1/2 及び C =(a+b)1/2;及び
(ii)ΔLのモジュラスは約7より小さく、好ましくは約4より小さく、最も好ましくは約3より小さく、例えば、ほぼ0であり、ここで:
ΔL=LL+A-L 式2;及び
(iii)ΔEのモジュラスは約10より小さく、一層好ましくは約6より小さく、最も好ましくは約4より小さく、例えば、ほぼ0であり、ここで:
ΔE=(Δa+Δb+ΔL)1/2 式3;
式中、Δa=aL+A-a 及び Δb=bL+A-b ;及び
(iv)ΔHのモジュラスは約7より小さく、一層好ましくは約5.5より小さく、最も好ましくは約2.5より小さく、例えば、ほぼ0であり、ここで:
ΔH=(ΔE+ΔL+ΔC)1/2 式4、
且つ/又は
(b)透過色比Rtransのモジュラスは0.9より大きく、好ましくは実質的に約1.0であり、ここで
【数1】


を満足することを特徴とするラベル。
【請求項2】
ラベルが、セルロース、セルロース誘導体、ポリオレフィン、及び/又はポリ乳酸から作られた重合体フイルムを含む、請求項1に記載のラベル。
【請求項3】
ラベルが、セルロースフイルム又はBOPPフイルムを含む、請求項1〜2のいずれか1項に記載のラベル。
【請求項4】
着色透明物品及び/又はその一領域へ湿式接着剤により固定し、無ラベル外観を達成することができる着色透明ラベルの製造方法において、
(a) 物品又はその一領域のL、a、b値を測定する工程、
(b) 式1〜5及びここに与えたパラメーター限界を用いてラベルに必要な対応するL、a、b値を計算する工程、
(c) 前記工程(b)で計算したL、a、bの値を有するように重合体透明ラベルを着色する工程で、然も、場合により前記着色方法が:
(i) ラベルを、その中に染料又は顔料を配合することにより直接着色すること;
(ii) 一方又は両方のラベル表面に透明着色組成物を適用すること;
(iii) 顔料着色又は透明インクでラベルの表面を印刷すること;及び/又は
(iv) 接着剤をラベルに適用する時に、透き通った湿式接着剤配合物を着色して着色透明接着剤層を生成させること;及び/又は
(v) 希望の全色空間値を達成する前記方法のいずれかの組合せ;
の少なくとも一つから選択されている、着色工程、
を含む製造方法。
【請求項5】
着色透明物品及び/又はその一領域に適用するラベルを製造及び/又は適用する方法において、
(a) 請求項1〜4のいずれか1項に記載のラベルの、その少なくとも一方の表面に、接着剤が中に分散した水性組成物を被覆する工程、
(b) 前記シートの少なくとも反対側の表面、場合により両方の表面を処理して印刷性を改良する工程、
(c) 前記フイルムを乾燥して過剰の水を除去する工程、
(d) 前記ラベルを物品に適用する工程、及び
(e) 場合により物品の上にラベルを固定するためにその物品を乾燥する工程、
を含むラベル製造及び/又は適用方法。
【請求項6】
着色透明物品及び/又はその一領域に湿式接着剤ラベルを添付してその上に無ラベル外観を達成する方法において、
(a) 物品又はその一領域のL、a、bを測定する工程、
(b) 式1〜5及びここに与えたパラメーター限界を用いてラベルに必要な対応するL、a、b値を計算する工程、
(c) 前記工程(b)で計算したL★、a★、bの値を有するように重合体透明ラベルを着色する工程で、然も、場合により前記着色方法が:
(i) ラベルを、その中に染料又は顔料を配合することにより直接着色すること;
(ii) 一方又は両方のラベル表面に透明着色組成物を適用すること;
(iii) 顔料着色インクでラベルの表面を印刷すること;及び/又は
(iv) 接着剤をラベルに適用する時に、透き通った湿式接着剤配合物を着色して透き通った着色接着剤層を形成すること;及び/又は
(v) 希望の全色空間値を達成する前記方法のいずれかの組合せ;
の少なくとも一つから選択されている着色工程、
(d) 前記工程(c)で製造された着色ラベルを前記物品の前記測定された領域へ、湿式接着剤を用いて適用し、無ラベル外観を有するラベル付き物品を達成する工程、
を含むラベル添付方法。
【請求項7】
請求項4に記載の方法により得られた又は得ることができるラベル。
【請求項8】
剥離ライナーに隣接して、請求項1〜3又は7のいずれか1項に記載のラベルを含むラベル面状材料。
【請求項9】
ラベル付き物品で、ラベルがその上で無ラベル外観を有し、前記物品が、
(i) 請求項5〜6のいずれか1項に記載の方法により得られた又は得ることができ、且つ/又は
(ii) 請求項1〜3及び7のいずれか1項に記載のラベルが、水性接着剤組成物によりそれに固定されている、
ラベル付き物品。
【請求項10】
着色透明ガラス又はPET容器を含む、請求項9に記載の物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−512594(P2006−512594A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−522485(P2004−522485)
【出願日】平成15年7月17日(2003.7.17)
【国際出願番号】PCT/EP2003/007775
【国際公開番号】WO2004/009721
【国際公開日】平成16年1月29日(2004.1.29)
【出願人】(502358717)ユ セ ベ ソシエテ アノニム (13)