説明

睡眠時無呼吸治療用の呼吸装置およびその制御方法

本発明は、呼吸マスク内に発生する脈動圧力を測定することで、ヒトの気道抵抗ROS測定を、特に呼吸治療中に可能にする睡眠時無呼吸症の治療用の呼吸装置に関する。装置は、リファレンス流を発生させるためのバルブフリーポンプも、呼吸マスク内にリファレンス流を導入するための導入チューブも使用しない。これに加え、回転数を変化でき、回転数に応じて圧力を作り出す電気駆動式の給気装置(1)と、給気装置の回転数を制御するための装置、特にコンピュータ(3)と、圧力マスク(6)内の圧力を設定するための圧力センサ(10)と、呼吸チューブ(5)とが接続され、前記圧力センサ(10)が運動中に電気圧力測定シグナル(u)を提供する呼吸マスク(6)を用いた睡眠時無呼吸症の治療用の呼吸装置であって、一定波長領域、好ましくは耳に聞こえない波長領域の周波数を用いて給気装置(1)の回転数の周期変動を制御し、給気装置(1)の回転数を周期的に変えたときに、その排出口に生じる圧力の変動に基づいて電気圧力測定シグナル(u)中に含まれる治療に影響を与える部分、特に治療圧力の設定に関係する交流電圧部分を制御することを特徴とする呼吸装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に従った睡眠時無呼吸治療用の呼吸装置であって、特にヒトの気道の流体抵抗またはその流体抵抗の変化を極めて正確に測定することに適した自動-CPAP(自動調節機能の付いたCPAP)に関する。さらに、本発明は、その呼吸装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
比較可能なCPAP治療実施のための装置としては、欧州特許出願公開第0705615号明細書中に、制御方法とともに記載されている。
【0003】
CPAP−治療(CPAP:持続的気道陽圧)の間、患者はCPAPが作り出す、圧力が自然の大気に対して高く維持された人工的な大気の中で呼吸する。高い圧力は、睡眠に入った後であって筋緊張が消滅したときに患者の柔らかな上部気道が虚脱するのを阻止する。気道、特に咽頭部の気道は、空気によって拡張した状態に維持されており、それによって患者は自発呼吸が妨げられずに呼吸運動できる。CPAPを用いない場合に、閉塞性睡眠時無呼吸症の患者では、夜間に呼吸停止が頻発(数百回を超える)する。その結果、患者は睡眠によって安らぐことができず、逆に異常なストレスが加わる。その結果として、昼間の永続的な疲労が生じる。病気を治療せずに放置すると、患者の生活の質が少なからず低下する。
【0004】
CPAP−治療では、治療の圧力が必要な大きさにされながら、可能な限り低く設定される。しかしながら、身体の状態は常に変化しているため、変化させずに治療圧を一定に保つことは最適とはいえない。それどころか異なる睡眠相が存在する夜間では、以前設定した治療圧力とは異なる圧力にその都度合わせることが有効な場合もある。用いる圧力が低すぎる場合には、閉塞性睡眠時も呼吸の症状が繰り返される。圧力が高すぎると、例えば外から心膜に加わる圧力によって心拍容積が減少するという副作用が現れる場合もある。
【0005】
ところが、気道が完全に開いている状態でも、脳の呼吸制御中枢が自発呼吸を止めて呼吸停止状態が現れる場合もある。中枢神経系を原因とするこのような呼吸停止状態は、中枢性無呼吸症と呼ばれる。中枢性無呼吸症の発生頻度は、CPAP圧が高い場合に多くなる。特に、中枢性無呼吸症は、圧力を高めると長くなる。圧力の上昇は、閉塞性無呼吸症の場合のみ自発呼吸の復帰に役立つ。したがって、中枢性無呼吸症と閉塞性無呼吸症とを区別することは、自動CPAPを制御するアルゴリズムの中で特に重要である。
【0006】
気道の閉塞または遮断は、自然呼吸で開いた口または鼻から肺までの通路の流体抵抗を上昇させる。中枢性無呼吸症では、自然呼吸の開口部から肺までの気道が開いている。そのため気道抵抗は小さく、患者の呼吸運動だけが欠けている状態となる。したがって、気道抵抗は、閉塞性無呼吸症を中枢性無呼吸症と区別するのに役立つパラメータであって、自動CPAPの自動圧力制御にとって重要である。
【0007】
独国特許出願公開第2508319号明細書には、患者がリファレンス管に繋がったマウスピースを使って、自由大気で呼吸する方法および装置が記載されている。バルブレスポンプが一定周波数を有するリファレンス流を作りだし、これが導入チューブを介してマウスピース内に送り込まれ、そこでの周波数が約10Hz、排気量が約1.5cmと一定となる。マウスピース内に作り出された脈動圧は、圧測定装置にて測定されて表示される。
【0008】
リファレンス管の長さおよび直径は、低頻度の自発呼吸の場合にインピーダンスが小さく、高頻度のリファレンス流の場合に大きくなるように定められている。このため、リファレンス流は、空気式のスロットルとして機能するリファレンス管を介して容易に外気に排出できる。しかしマウスピースの中には患者の気道も存在することから、ここにも大小はあるが流体抵抗が存在している。
【0009】
患者の肺の中に至る気道が完全または一部閉塞している場合は、リファレンス流もまた、その肺の中に入ることができない。この場合、マウスピース内のリファレンス流によって脈動圧が高くなる。
【0010】
患者の気道が開通している場合は、マウスピース内に供給されたリファレンス流が気道を通り肺の中に送られ、そこで体組織に吸収される。この場合、マウスピース内のリファレンス流が引き起こす脈動圧はわずかである。
【0011】
装置で測定された脈動圧は、体幹体積変動形を用いて測定できる実際の気道抵抗と良く相関している。測定値を得るのに脈動流シグナルを用いたことを明示するため、得られた測定値として一般的に指数「os」を用いて表示され、すなわち気道抵抗はROS(振幅測定値または振幅気道抵抗)として表される。
【0012】
このような例として、振幅性気道抵抗を測定することを目的に気道治療装置中に組み込まれている独国特許出願公開第2508319号明細書に記載の装置を用いて振幅性気道抵抗を測定する自動CPAP装置も知られている。この装置は、リファレンス管に呼吸チューブを利用し、マウスピースとして呼吸マスクを利用する。呼吸マスク内で測定された脈動圧は、気道抵抗の大きさを表し、CPAP−圧力の影響を調べるためのシグナルである。このような装置は、上記欧州特許出願公開第0705615号明細書に記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
この装置には、振幅性のリファレンス流の発生にバルブレスポンプを必要とし、このポンプが余分なコストの源になるという欠点がある。さらに、リファレンス流供給用の導入用チューブが余計に必要となるという欠点もある。
【0014】
本発明の課題は、呼吸マスク内に生じた脈動圧力を測定、特に呼吸治療中に測定することにより、ヒトの振幅性気道抵抗ROSを測定できる睡眠時無呼吸症の治療を目的とした呼吸装置を確立することである。装置は、リファレンス流を得るための追加のバルブレスポンプも、呼吸マスク内にリファレンス流を供給するための導入用チューブも用いない。さらに、睡眠時無呼吸症を治療するための呼吸装置を制御する方法も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この課題は、その特徴が請求項1に記載されている睡眠時無呼吸症治療用の呼吸装置にて解決できる。呼吸装置の好ましい別の態様が、従属する請求項2から5までに記載されている。上記請求項のいずれか一つに適した睡眠時無呼吸症治療用の呼吸装置を制御する方法が、請求項6に記載されている。
【0016】
課題を解決するために、給気マスク、呼吸チューブ、圧力測定チューブおよび圧力センサといった自動調整機能を持たないCPAPにすでに存在している構成要素を利用し、さらにこれら構成要素に別の機能を追加する。これに加え、電気的な機能段階またはソフトウエア処理時の制御も必要な要素である。
【0017】
呼吸装置は、患者、特に治療中の患者について、例えば制御装置またはコンピュータから送られる制御シグナルを用いて給気装置に供給される直流電圧の大きさ、または交流−供給電圧の周波数を変えることによって、その回転数が変化できる電気駆動式の給気装置を備え、さらに回転数に依存した圧力を作り出して、呼吸チューブを介して患者の呼吸マスク内に送り込み、呼吸マスク内の圧力が測定チューブによって圧力センサに送られ、それに基づいて電気シグナルを出力できる自動CPAPにて気道抵抗ROSを測定することを可能にする。
【0018】
本発明の特徴は、使用している供給電流のタイプごとに変化する供給電流の大きさまたは周波数を、周期的に変化する制御シグナルを利用して変化させることである。さらに制御シグナルは、給気装置の回転数、したがって発生する圧力の変動は振幅が小さく、そして周期が一定になるように調整され、とりわけ変動周波数はヒトに聞こえない波長とされる。
【0019】
圧力センサから供給される電気シグナルは、作られた人工的環境の強さに比例する直流電圧部分と、周期的な圧力変動に還元される交流電圧部分、および超低周波または超高周波の圧力変動から起こることがある偶発的な存在電圧部分から構成されている。したがって、選択的増幅をして、周期的な圧力変動にのみ起因する交流電流部分を濾過して取り出すことが有用である。これは、患者の振幅性の気道抵抗ROSを表す尺度の一つである。
【0020】
さらに、選択的増幅器が出力したシグナルを、整流器を用いて直流電圧に変換することも有用である。濾過格子を用いてさらに平滑化したシグナル電圧を得ることもでき、さらに、それを簡単な手段で制御装置またはコンピュータによる圧力制御の目的に合わせて加工してシグナルにすることもできる。コンピュータは、インストールされているプログラムを利用して、シグナル電圧の大きさから閉塞性睡眠時無呼吸症の治療に実際に用いている治療圧力を上げるべきか、下げるべきか、または変更せずにそのままに保つかを自動的に決定する。
【0021】
振幅性の気道抵抗測定用の公知の装置では、例外なく全ての構成要素、バルブレス脈動式ポンプ、リファレンス管、肺の気道抵抗および圧力測定装置が、マウスピースを第1の接続端とし外気電位を第二の接続端とした間に並列に配置されている。これに対し、本発明の装置は、脈動圧発生装置として機能する給気装置が、リファレンス管として働く呼吸チューブおよび肺の気道抵抗と直列に繋がっている。圧力測定装置は、直列に繋がったチューブおよび気道の抵抗の結合点を第1の端部とし、外気を第2の端部とする区間に発生する脈動圧力を測定する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の配置は、コストの追加を必要とする構成を必要としないという利点がある。装置は、CPAP内に既に存在している要素だけを使用し、それに追加の機能を割り振るだけである。そのため、給気は一定の圧力だけでなく脈動圧もつくらなければならない。最新のCPAPはいずれも、電気制御式の給気装置を備えている。給気装置に脈動圧力の発生を要求する追加の制御シグナルは、必ず装備されているコンピュータのソフトウエアを利用して準備できる。
【0023】
例えば、CPAP内に存在する圧力センサは、さらに脈動圧力を測定しなければならない。呼吸チューブは、患者に空気を供給するだけではなく、給気装置の脈動圧力を患者の呼吸マスク内のリファレンス流に変換するリファレンス抵抗または空気補償抵抗として役立つ。これ以外に必要なものとしては、経済的な電気機能ステップ、選択的増幅装置、整流器および濾過格子だけである。さらにこの機能ステップも、ソフトウエアにて経済的に実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を、実施例を用いてより詳しく説明する。
【0025】
本例では、直流電圧の供給を受けるモータ2を使用しており、給気装置1はモータ2の運転電圧の大きさに依存して圧力を作り出す。モータ2の運転電圧供給源は、直列に接続され、コンピュータ3で制御されている2つの成分UCPAPとuWSとからなる。これにより、モータ2は供給−直流電圧を維持し、これに小さな供給−交流電圧を重ねる。したがって、給気装置1が作り出す人工大気の圧力は、経時的に変化しない治療に依存した定圧部分と、それに重ねられた脈動圧力の部分とから構成されている。交流電圧供給源uWSの振幅は、可能な限り小さくなるように選択して、患者が周期的な圧力変動の発生を感じないようにすべきである。このような圧力を発生させるには、極めて高性能のモータ2の使用が必要なことは自明である。
【0026】
給気装置1が作り出す圧力は、給気部分の流体抵抗とCPAP内部呼吸システムの導管の流体抵抗とからなる内壁抵抗Rを有する通路を介して呼吸チューブ5に達する。呼吸チューブ5の流体抵抗および内壁抵抗Rは、給気装置1が出す脈動流部分に対するインピーダンスを作り出す。このインピーダンスは、圧力振動の定周波数、チューブおよびCPAPと給気装置2の内部構造の設定寸法によって一定であることから、測定装置のリファレンスインピーダンスとなる。呼吸チューブ5は、通常1.7mの長さで、例えば20Hzの周波数の場合にインピーダンスが高くなる。患者の普通の呼吸頻度である約0.2〜1Hzに関してチューブインピーダンスは小さく、自発呼吸を妨げることはない。
【0027】
呼吸チューブ5を介して送られる空気は、呼吸マスク6内で広い通路に達し、そこからさらに上部気道7、咽頭部を通り肺8の中に入る。気道抵抗RAWは、一列に続いており、開いた状態または閉じた状態の上部気道7および肺の気管支の流体抵抗を合計したものである。正確に、この気道抵抗は、周波数に依存するものであって、インピーダンスである。
【0028】
呼吸マスク6内の空気圧Pは、測定チューブ9にて圧力センサ10へと導かれて測定される。圧力センサ10は、治療に依存した直流電圧シグナルと20Hzの交流電圧シグナルuOSから成る圧力に比例した電気シグナルuを出力する。極めて小さい交流電圧部分は、脈動の周波数に基づいて調整される選択的増幅装置11を用いて増幅されてから整流器12にて直流電圧に変換される。濾過格子13で平滑化して電圧UOSを得る。この電圧UOSは、患者の振幅性の気道抵抗ROSを表しており、べつの医学的方法(体幹容積測定法・遮断法)で測定された気道抵抗RAWとよく相関することが知られている。睡眠時無呼吸症治療に好適な呼吸装置は、CPAP装置である。気道抵抗ROSは、上部気道7の断面積がある大きさに閉塞して変化したときにのみ発生する。
【0029】
電圧UOSは、コンピュータ3に送られ、そこでコンピュータのプログラムアルゴリズムを用いて治療圧力の定圧部分を治療の質に関して最適化できる。さらにそれは、ディスプレイ14を利用して二者択一的または追加して表示できる。CPAPシステムは、COが加わった呼気を排出するために、断面積約12mmの排気口15を有し、ほとんどが呼吸マスク内に直接取り付けられた4mmのチューブである。この排気口15は、一定の抵抗を有し気道抵抗と平行的に作用する。
【0030】
次に、患者4の上部気道7が開き、肺8の中まで通る場合を考える。この場合、給気装置1が作り出した脈動圧力部分は、リファレンスインピーダンスおよび患者4の気道抵抗RAWの直列接続を介してリファレンス流に送られる。このリファレンスインピーダンスは、周波数を選択することによって、健康な気道抵抗に対し大きな値として測定できるため、給気装置1が作り出す脈動圧力の合計は、比較的大きなリファレンスインピーダンスにほぼ等しくなる。患者の気道抵抗RAWが小さい場合は、脈動圧力はほとんど無い。また排気口15の流体抵抗も、小さな気道抵抗に比べて大きいため、ほとんど重要でない。呼吸マスク6内の脈動圧力は、測定チューブ9にて圧力センサ10に送られる。選択的増幅装置11で増幅した後に整流器12で整流し、濾過格子13で濾過して、気道抵抗ROSを表す電圧UOSを得る。気道が開いており、気道抵抗が小さいため、電圧uOSおよびUOSも小さい。さらに電圧UOSをコンピュータ3に送って処理してディスプレイ14に表示することもできる。
【0031】
次に、患者4の上部気道7が完全に閉塞している場合を考える。この状態では、気道抵抗RAWが無限大に大きい。この例では、給気装置1が作り出す脈動圧力部分はリファレンス流に送られ、リファレンスインピーダンスは流れとなって排気口15から外に流れ出ることができる。呼吸マスクでは、起こり得る最大の脈動圧力が排気口15の流れ抵抗での圧力低下となって現れ、それらは測定、増幅、濾過および平滑化されて、濾過格子13の出力で、考え得る最大の電圧UOSMAXになる。
【0032】
実際の運転で、濾過格子13の出力電圧は、閉塞の程度に応じて、ほぼゼロからUOSMAXまでの間の様々な値をとり、コンピュータ3にてチェックされる。コンピュータ3は、さらに圧力センサからの出力電圧uも取り込む。事前に、出力電圧からローパスフィルタ16を用いて脈動電圧部分を取り除いておく。コンピュータ3は、インストールされているプログラムアルゴリズムにより与えられた治療圧力が最適であるか監視するために、この電圧を必要とする。最適化は、コンピュータ3が常に、振幅性の気道抵抗ROSの変化依存度または電圧UOSの大きさの変化の依存度を調整してなされる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の装置の概略図である。
【図2】空気系の構成要素の等価回路図である。
【図3】呼吸マスク内の圧力シグナルの変化である。
【符号の説明】
【0034】
1 給気装置
2 モータ
3 コンピュータ
4 患者
5 呼吸チューブ
6 呼吸マスク
7 上部気道
8 肺
9 測定チューブ
10 圧力センサ
11 選択的増幅装置
12 整流器
13 濾過格子
14 ディスプレイ
15 排気口
16 ローパスフィルタ
CPAP 供給定電圧
OS 供給脈動電圧
CPAP−内壁抵抗
呼吸マスク圧力
AW 気道抵抗
OS 振幅性気道抵抗
呼吸マスクの電気シグナル
OS 振幅気道抵抗の電気シグナル
OS 整流・濾過された電圧uOS
OSMAX 考え得る最大の電圧UOS

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転数を変化でき、回転数に応じて圧力を作り出す電気駆動式の給気装置(1)と、給気装置の回転数を制御するための装置、特にコンピュータ(3)と、圧力マスク(6)内の圧力を設定するための圧力センサ(10)と、呼吸チューブ(5)とが接続され、
前記圧力センサ(10)が運動中に電気圧力測定シグナル(u)を提供する呼吸マスク(6)を用いた睡眠時無呼吸症治療用の呼吸装置であって、
一定波長領域、好ましくは耳に聞こえない波長領域の周波数を用いて給気装置(1)の回転数の周期変動を制御し、
給気装置(1)の回転数を周期的に変えたときに、その排出口に生じる圧力の変動に基づいて電気圧力測定シグナル(u)中に含まれる治療に影響を与える部分、特に治療圧力の設定に関係する交流電圧部分を制御する
ことを特徴とした装置。
【請求項2】
供給電圧(UCRAP,UWS)の高さを選択して給気装置の回転数を変化させる
ことを特徴とした請求項1記載の呼吸装置。
【請求項3】
交流または直流供給電圧の周波数を選択して給気装置の回転数を変化させる
ことを特徴とした請求項1記載の呼吸装置。
【請求項4】
周波数から決定された回転数の変化を、圧力センサ(10)が提供する電気圧力測定シグナル(u)を利用して、選択的増幅装置(11)にてさらに増幅し、それによってシグナル内に存在する定電圧部分と、低または高周波の圧力変化から生ずるシグナル部分とを分離する
ことを特徴とした先行請求項のいずれかに記載の呼吸装置。
【請求項5】
整流器(12)をさらに有し、それを用いて選択的増幅装置(11)から出力されたシグナルを、定電圧または定電流に変換する
ことを特徴とした請求項4記載の呼吸装置。
【請求項6】
呼吸装置の呼吸マスク内に、事前に設定した周波数の脈動振幅圧力を起し、
呼吸マスク内で測定した圧力から患者の呼吸抵抗を測定し、
測定した呼吸抵抗が、患者それぞれの呼吸抵抗の基礎値として測定した値に比べて高い場合に、患者に高い治療圧力で呼気を送り込み、
呼吸抵抗が基礎値近くなった時に、治療圧力を下げるか、またはそのまま維持する睡眠時無呼吸症の治療用の呼吸装置制御方法であって、
脈動圧力の振幅を得るために、電気駆動式の給気装置を用い、これを用いて治療圧力を発生させる
ことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−518482(P2007−518482A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−548154(P2006−548154)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014446
【国際公開番号】WO2005/068004
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(506119350)ホフリヒター ゲーエムベーハー (1)
【氏名又は名称原語表記】HOFFRICHTER GMBH
【住所又は居所原語表記】Mettenheimer Str. 12/14,19061 Schwerin,Germany