説明

矯正器具を懸架した靴及びその製造方法

靴は、曲線を付けて踵カップと一体的に形成された三次元的なシャーシを少なくとも含む架橋された矯正システムを提供する。シャーシは、靴の主要な支持を提供すると共に、靴の形状と構造を決定する。シャーシは、第1素材と第2素材が一体的に形成され、これら両素材が矯正の利益を提供するために機能する中敷を支持する。靴底は、シャーシと中敷を積極的に支持するための、選択的に支持されると共にシャーシに結合される複数のポッドを含む。靴は、靴の土踏まず領域を手動又は自動的に調整する、動的土踏まずシステムをさらに含む。靴は、より快適で、生体力学的利点を提供し、軽量で、従来の靴に比べてよりスタイリッシュである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、靴の快適性と生体力学的側面を向上させるために懸架される、統合された矯正用中敷を有する靴に関する。
【背景技術】
【0002】
履物のデザイナーは、例えば快適性に対して外観やスタイルなど、互いに矛盾するデザインの選択に常に直面していた。このデザインの選択は、消費者が一日中快適でスタイリッシュな靴の望むことから、スポーツ,カジュアル,正装および普段着用の靴の市場において特に重要である。快適性とスタイルのバランスを調和するための挑戦に加えて、靴のデザイナーは、足のサイズと形の膨大な配列を説明しなければならない。例えば、何人かの人々は幅の広い足と高い土踏まずを持っており、他の人々は幅の狭い足と高い土踏まずを持っている。
【0003】
靴は、靴の上部,耐久性ボード及び/又は中敷,及び外底(すなわち靴底)の基本的な構成要素を備えている。靴の上部は、耐久性ボードが取り付けられた中底及び靴底より上の全ての部分を含む。耐久性ボードは、靴底から靴の上部を隔てる二次元レイヤーの素材である。靴底は、一般的にゴムのような合成高分子によって形成され、種々の厚みと靴底模様又は溝を有することができる。
【0004】
靴の構築において、殆どの靴は、取り外し可能であって解剖学的足に類似する寸法及び形状の三次元ブロックから成る製靴用の靴型を囲むようにして製作される。靴型は、解剖学的足の大きさ及び寸法とは異なるが、その代わりに、特定の機能を有する統計学的に決められた模型である。靴型は、伝統的に木材から彫られていたが、最近の技術ではコンピュータ数値制御(CNC)装置によってプラスチックや金属を機械加工することを可能にしている。靴型を作るのにどのような材料が用いられるかに関係なく、従来の靴構築技術に従うと、靴の構築のためには靴型の底面は平らでなければならない。靴型は、典型的に、靴の上部及び下部が形成された後に靴から取り外し可能なように、足の甲の周りに蝶番で動かされる。
【0005】
靴型が形成された後、足型の底部の平らな部分に沿って二次元の耐久性ボードが形成される。耐久性ボードは、上述の取り外し可能な靴型とは異なり靴の構成要素である。縫い合わせ工程または成形工程のいずれかは、細革と呼ばれる材料の剥ぎ取り、靴の上部を耐久性ボードに取り付けることを含む。靴底は、通常、耐久性ボードに固定される。その上、土踏まずの部分及び/又は踵の部分を、靴底に含めることができる。土踏まずの部分は、踵から足の親指の付け根にある膨らみの部分まで延びると共に、使用による靴の崩壊及び/又は歪みを防止するために靴のくびれた部位を補強するよう機能する。
【0006】
靴の構築は、公の装置及び技術を使用しているが、いまだ集中的な労務であって主観的な方法である傾向にある。伝統的に、靴は快適であるか、或いはスタイリッシュであるかであり、その両方はない。靴型の平坦な底部から耐久性ボードを形成することは、足に合っていない靴及び/又は不快な靴を生む結果となる。
【0007】
足に合っていない靴及び/又は不快な靴は、着用者の解剖学的な足,膝,脚,尻,さらに背中でさえも生体力学的な種々の問題を引き起こす。足裏の筋膜炎は、足に合っていない靴及び/又は不十分な弾力と支えによって引き起こされるか、或いは悪化させられる一般的な問題の一つである。足に合っていない靴に関連する生体力学的問題を軽減するか或いは解消までもする一つのアプローチは、足治療医により典型的に創造される特定の矯正器具を使用することである。しかしながら、特定の矯正器具は、高価であると共に、一定の型の靴にのみ適合するだけかもしれない。
【0008】
靴のデザイン,組み立て及び生産に関連する多くの変数は、快適,スタイリッシュ及びより生体力学的に使い易い靴であるために必要であり続ける。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
ここに記載されている靴は、踵カップと共に三次元的に成形される矯正用シャーシを含む。矯正用シャーシは、耐久性ボードとして機能する。矯正用シャーシは矯正用中敷を支持しており、この中敷は一体的に形成される第1素材及び第2素材を含み、両素材は靴の着用者に矯正の利益を提供ために作用する。靴底は、ポッド上の矯正用シャーシ及び、結合される矯正用中敷を積極的に支持するために、選択的に配列されて矯正用シャーシに結合した多数のポッドを含む。靴は、調整可能に土踏まずを支持するシステムをさらに含むことができる。この靴は、従来の靴に比べて、より快適で、生体力学的利点を提供し、軽量であり、よりスタイリッシュである。
【0010】
他の態様として、靴は、上面を有する矯正用シャーシ;矯正用シャーシの上面と補足的に適合すると共に重ね合わされる第1表面を有する中敷;多数のポッドを備え、各ポッドが選択的な配列で矯正用シャーシに結合され、矯正用シャーシの第1領域が夫々のポッドの離間距離に跨る靴底;を含む。
【0011】
さらに他の態様として、上面を有すると共に三次元的輪郭に構成された矯正用シャーシ;矯正用シャーシの上面と補足的に適合すると共に重ね合わされるように曲線を付けて形成される第1表面を有する矯正用中敷;及び、矯正用シャーシと結合される靴底;を含む。
【0012】
さらに他の実施形態として、靴は、踵領域,土踏まず領域,及び前方領域を有する矯正用シャーシ;矯正用シャーシの上面と補足的に適合すると共に重ね合わされるように曲線を付けて形成される第1表面を有する矯正用中敷;矯正用シャーシと結合される靴底;及び、矯正用シャーシの土踏まず領域を調整するために構成される動的な土踏まずシステム;を含む。
【0013】
さらに他の実施形態では、靴の矯正用シャーシに取り付けるための靴底は、矯正の利益を提供するための三次元的輪郭に構成された矯正用シャーシ、矯正用シャーシに結合される第1ポッド;矯正用シャーシに結合されると共に第1ポッドから第1距離を離れて配置される第2ポッドを含み、矯正用シャーシの第1領域は第1ポッドと第2ポッドの間の第1距離に跨り、第1距離は矯正用シャーシの第1領域が印加される力を動的に調整する、サスペンションシステムのように作用するように決められる。
【0014】
さらに他の態様として、靴を製造する方法は、三次元的上面を有する矯正用シャーシの取得し;シャーシの上面に補足的に適合して密着される曲線を付して形成された第1表面を有する中敷をシャーシ上に支持し;シャーシの領域が各ポッドの離間距離に跨るよう各ポッドが他方のポッドから離れて配置されるように、多数のポッドをシャーシに選択的な配列で結合し;靴の上部を靴に取り付けることを含む。
【0015】
最後の態様として、靴は、力の量を弾性的に支持し、三次元的な輪郭に構成された支持手段、靴の着用者に矯正の利益を提供するために、補足的に適合させる曲線をつけて形成されると共に支持手段の上面に密着させる第1表面を有する矯正手段、印加される力を支えるために支持手段と協働して機能する接触手段と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図面において、同一の符号は、同様の構成要素又は行為を示す。図面中の構成要素のサイズ及び相対的位置は必ずしも正確な縮尺で記載されていないかもしれない。例えば、種々の構成要素の形状及び角度は、図面の見易さを高めるために意図的に拡大するか配置されているかもしれない。
【0017】
【図1】図1は、一実施形態に従って提供される靴の側面図である。
【0018】
【図2】図2は、一実施形態に従い、踵カップと共に形成した矯正用シャーシの底部の等角投影図である。
【0019】
【図3】図3は、図2の矯正用シャーシの断面図である。
【0020】
【図4】図4は、図1の靴の断面図であり、靴の2つの前方ポッドに支持されると共に離間距離に跨る矯正用シャーシを示す。
【0021】
【図5】図5は、実施形態に従い、選択的に配列されると共に、矯正用シャーシに接着される多数のポッドを備える図1の靴の底面図である。
【0022】
【図6】図6は、突起部が一体的に形成される、図3の矯正シャーシの前方位置の断面図である。
【0023】
【図7】図7は、一実施形態に従い、矯正用シャーシの踵部及び前方部のみに選択的に配列されて接着されるポッドを備え、踵ポッドはねじれ抑制と接続される靴の底面図である。
【0024】
【図8】図8は、一実施形態に従う矯正用中敷の上面図である。
【0025】
【図9】図9は、図8の矯正用中敷の断面図である。
【0026】
【図10】図10は、一実施形態に従い、動的な土踏まずシステムを有する靴の側面図である。
【0027】
【図11】図11は、図10の靴の底面図である。
【0028】
【図12】図12は、図10の靴の土踏まず領域を通過する断面図である。
【0029】
【図13】図13は、図1の靴の土踏まず領域を通過する断面図である。
【0030】
【図14A】図14Aは、一実施形態に従い、多数の選択的なポッドを備えた靴底を有する靴の側面図である。
【0031】
【図14B】図14Bは、図14Aの靴の底面図である。
【0032】
【図14C】図14Cは、図14Aの靴の背面図である。
【0033】
【図15A】図15Aは、他の実施形態に従い、一例としての靴の上部及び多数の選択的なポッドを備えた靴底を有する靴の側面図である。
【0034】
【図15B】図15Bは、図15Aの靴の底面図である。
【0035】
【図16A】図16Aは、さらに他の実施形態に従い、一例としての別の靴の上部及び多数の選択的なポッドを備えた靴底を有する靴の側面図である。
【0036】
【図16B】図16Bは、図16Aの靴の底面図である。
【0037】
【図17A】図17Aは、さらに他の実施形態に従い、一例としての別の靴の上部及び多数の選択的なポッドを備えた靴底を有する靴の側面図である。
【0038】
【図17B】図17Bは、図17Aの靴の底面図である。
【0039】
【図18】図18は、一実施形態に従い、靴の製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
下記の説明において、種々の具体的な詳細は、本発明における種々の実施形態の完全なる理解を提供するために述べられる。しかしながら、本発明の実施形態の説明を必要以上に不明瞭化することを避けるために、靴に関連する公知の構造及びその組立部材は必ずしも開示又は記載されていない。
【0041】
文章中に特に要求がなければ、以下の明細書及び請求の範囲を通じて、“構成”や“構成される”といったような“構成”及びそれに類似する用語は、“含むものであって、それに限定されない”というように、含むという感覚で解釈される。
【0042】
加えて、以下の明細書及び請求の範囲を通じて、“靴”という用語は、スポーツ,カジュアル,正装及び普段着の靴といったように、種々の履物を含む幅広い用語として意味される。“靴”という用語は、例えばスキー用ブーツ,ハイキング用ブーツ、及び/又は登山用ブーツなどの、全ての種類のブーツも含む。従って、“靴”という用語は、多種多様な履物を含むように、全体的で広義に解釈されなければならない。“矯正”という用語は、特定の靴の構成要素が、矯正の利益を与え及び/又は矯正機能に役立つことを示すのに通常用いられている。矯正利益又は矯正機能の提供をすることは、靴の構成要素が通常、支えとなって、足及び/又は体を整列することを援助し、体の重さのバランスをとることを援助し、関節と筋肉で圧力を軽減することを援助し、及び/又は不快感や体のいろいろな部分の痛みを和らげるか、防ぎさえするために機能することを意味する。
【0043】
ここに提供した説明は、便宜のためだけであって、発明の請求の範囲または意味を解釈するものではない。
【0044】
以下の説明は、全体的に、より快適で美観的に満足する靴を製造するために構成及びアレンジした靴に関するものである。この靴の優れた点は、一つには、複数の独立したポッドの上に矯正用シャーシを懸架することによって引き出される。矯正用シャーシは、三次元的であり、この矯正用シャーシの三次元的形状に従う補助的輪郭の自己調節可能な矯正用中敷を支持する。全体に、ここに記述される靴は、追加的な快適さと生体力学的利益を提供することができ、より優美な輪郭と軽量なデザインを有し、やがて市場において多くの他の種類の靴に比べてより美観を満足させることができる。
【0045】
矯正器具を懸架した靴
図1に示す靴10は、靴上部12,靴底14,矯正用シャーシ16,及び矯正用中敷18を有する。靴10は、快適で、軽量構造にデザインされる。靴上部12は種々の形状,スタイル,デザインを採用することができ、例えば説明する実施形態に従いスポーツ,カジュアル,正装及び/又は普段着(例えばローファーやサンダル)用の形状にすることができる。靴上部12の形状,デザイン,及び/又は全体的な“外観”は、靴の用途に従い、幅広く多様に、及び/又は修正をすることができる。靴10を形成するために靴上部12を取り付ける種々の方法は、公知技術で知られているので、説明の簡潔のために取り付け方法のさらなる詳細な説明は省略する。
【0046】
図2及び図3に示す矯正用シャーシ16は、説明する実施形態に従い、解剖学的で、三次元的輪郭で、弾力性のある素材で形成され、一体化された踵カップ22を含むように形成されている。矯正用シャーシ16は、それが靴10の主要な支えを提供するので、解剖学的で、三次元的で、弾力性があり、耐久性ボードとして構成されるように機能する。解剖学的で、三次元的な輪郭と弾力性の組み合わせは、矯正用シャーシ16がより楽に解剖学的足の形状に適合することを可能にする。一体化された踵カップ22は、少なくとも若干の側方向の支持及び/又は側方向の圧迫を足の踵に提供する。二次元的な靴型から作られた靴とは異なり、力を印加したときに踵が平らになることを許す代わりに、より一層にカップ形状に形成された踵部を維持するための役割を果たす。より一層にカップ形状に形成された踵部を維持することは、より快適な靴10を作ることができると共に、着用者に生体力学的な利益を提供することができる。
【0047】
矯正用シャーシ16は、例えば一実施形態に従い、プレフォームファイバーボード,成形されたプラスチック化合物,減圧形成された熱可塑性ウレタン(TPU)といった種々の素材で作ることができる。TPUは、種々の異なる密度で得ることができる。加えて、矯正用シャーシ16は、靴のデザイナーによって決められる種々の形状と輪郭に成形することができる。さらに、矯正用シャーシ16は、変化する厚み“T”を有することができる。それは同じ目的と機能を果たす他の素材が矯正用シャーシ16を作るためにTPUの代替にできることと理解及び評価される。実施形態において、矯正用シャーシ16は、靴の上部の色と調和のとれた色にするなどのデザイン装飾を含む。加えて、靴10の市場での魅力を強化するために、ロゴ及び/又は他の特徴を矯正用シャーシ16に焼き付けることができる。
【0048】
図4は、靴底14の一組の前方ポッド24,26及び第2前方ポッド26により支持された靴10の断面図を示す。一例として、靴底14の前方ポッド24,26と矯正用シャーシ16との相互作用は詳しく説明されるであろう。しかしながら、靴10の前方領域,土踏まず領域,踵領域のどの位置にポッドが配置されるかは関係なく、矯正用シャーシ16に取り付けられるどのような2組のポッドでも本提案に適合可能であることを理解すべきである。
【0049】
矯正用シャーシ16は、第1外側部位30と対向する第2外側部位32によって接続された第1領域28を含む。第1前方ポッド24は離間距離34によって第2前方ポッド26と離れており、これは矯正用シャーシ16の第1領域28が過度の偏向量なしで、決められた量の力に耐え得ることのできる最大距離である。過度の偏向量とは、一実施形態において、第1領域28の少なくとも一部分が地面やその他の表面と接触するように十分に反ったときである。第1領域28は支持されずに離間距離34に跨っており、従って前方ポッド24,26間で懸架された状態にされている。前方ポッド24,26は靴10の重要な地面との衝突場所に配置される。
【0050】
前方ポッド24,26間で矯正用シャーシ16を懸架するというユニークな着想は、矯正用シャーシ16に加わる動的及び静的な力(例えば着用者の体重)の両方に積極的に順応及び適合し、矯正用シャーシ16の能力を有利に高める。第1領域28は、印加された力を各前方ポッド24,26に発するか或いは移送する。従って、第1領域28は、線形又は非線形のバネ弾性を有する梁として機能する。一般的に、矯正用シャーシ16は前方ポッド24,26に固定されるので、前記バネ弾性は非線形になると理解される。加えて、前記バネ弾性は、前方ポッド24,26間の離間距離34,前方ポッド24,26の高さ,矯正用シャーシ16への前方ポッド24,26の取り付け方法,矯正用シャーシ16及び/又は矯正用中敷18(詳しくは後述する)の厚み及び/又は材料,公知技術によって理解される他のパラメータなどの、多くのデザインパラメータを変えることによって調整及び修正をすることができる。
【0051】
図5は、説明する実施形態に従い、矯正用シャーシ16を懸架するために選択的に対にされた、一組の前方ポッド24,26及び一組の踵ポッド38を有する靴底14を示す。選択的に配置される靴底14のポッドは、靴10の柔軟性を強化すると共に、耐久性ボードに接着されるゴム又は高分子ポリマーの板片の同様の材料による靴底の従来の靴に比べて靴10の重さを減らす。
【0052】
靴10の靴底14は、一般的に、ジュロメーター,伸張性,強度,伸張率,引裂強度,及び磨耗指数のような一定の性能特性を満足するように製造される。これら性能特性の範囲は、この靴底14が取り付けられるであろう靴10の種類によって変えることができる。いくつかの靴がより大きな耐摩耗性を要求する一方で、他の靴はより大きなクッション特性を要求するなどである。加えて、性能特性のトレードオフや競合があるかもしれない。例えば、低い耐磨耗性は、柔らかい感触又はより優れたグリップ性を実現することに必要となる。靴底14のポッドは、エンドユーザー,小売店及び/又は製造メーカーによって指定される多くの性能特性に従って作られることが理解及び評価される。
【0053】
一実施形態において、前方ポッド24,26の選択的な配置は、一般的に、地面との衝突位置又は高い磨耗位置の統計的平均値によって決められる。例えば、多くの人々が足を回外するのに代えて回内するので、靴10の一実施形態においては、靴10の前方ポッドとして数が少なく及び/又は細いポッドを外端に有することができる。従って、靴底14が備える選択的に配置されたポッドは、軽量であるが丈夫な靴を作り出す。
【0054】
図6は、矯正用シャーシと一体的に形成されると共に少なくとも矯正用シャーシの底面から僅かに突出するダム39を有する矯正用シャーシ16の他の実施形態を示す。ダムは、ポッド24を支持するへこんだ領域と、下方に延びてポッド24を僅かに覆う縁を含む。図6から明らかなように、前方ポッド24は、模範的に示されるように、ダム39内に僅かに埋め込まれて接着されている。ダム39は、靴底14のポッドのための輪郭,安定した接合表面を提供する。
【0055】
一実施形態において、靴底14は、ポリウレタン,エチル酢酸ビニル(EVA),或いはEPQ(すなわちデュアル・デンシティなポッド)のようなものでさえ含む、柔らかいゴム製のコア43を覆う硬質ゴム製のケーシング41を備えている。他の実施形態において、靴底14は、VIBRAM(登録商標)のブランドゴム材料で作られる。
【0056】
ポッド24は、上述のダム39に接着したとき、水分の浸入を防止して、その結果としてポッド24の柔らかいコア材料43の劣化を防止することによって、ポッド24の寿命を有利に伸ばすことができる。従って、矯正用シャーシ16の底面に沿って流れる水は、ダム39に流れ、それからポッド24に流れ落ちるので、これにより矯正用シャーシ16とダム39の接合領域から水をしっかりと遠ざける。
【0057】
図7は、靴10のサイズ,ロゴ及び/又はブランド名が示されたカラープレート40を有する靴底14についての他の実施形態を示す。カラープレート40は、矯正用シャーシ16の土踏まず領域の真下に接着され、上述の土踏まずポッド36の代わりとなる。要求はされていないけれども、一実施形態において、ねじれ抑制42は踵ポッド38の間に提供される。ねじれ抑制42は、横方向の支持を加えて踵ポッド38間の望ましい空間量を維持し、横方向の力により踵ポッド38が横転したりせん断したりすることを妨げることができる。例えば、ねじれ抑制42は、踵ポッド38が過剰に離れたり接近したりするのを妨げることができる。
【0058】
図8及び図9には、説明する実施形態に従い、2種以上の異なる素材、2以上の異なる密度領域(例えば一の領域から次の領域までの素材の堅さ量)を構成することができる同種の素材、あるいはそれらの組み合わせによって形成される矯正用中敷18を示す。矯正用中敷18は解剖学的足の矯正を支援する手段として動作し、中敷18の異なる領域は解剖学的足に異なるレベルの支持及び/又は弾力を提供するために構成されることが理解及び評価される。
【0059】
説明される他の実施形態において、矯正用中敷18は、三倍密度EPQ素材で作られる。EPQは、異なる密度に形成可能な一方で、良好な弾性力及び復元力を伴うゼリー状の特性を有する。図8を参照すると、好ましい実施形態としての矯正用中敷18は、物理的に堅い密度のEPQ素材で形成される踵領域50、踵領域50の前方に中間堅さの密度で形成される第2領域51、及び柔らかい密度のEPQ素材で形成される中足骨領域52を含む。これに代えて、例えば踵領域50を物理的に堅い密度のTPU素材,第2領域51を中間堅さの密度のEPQ素材,中足骨領域52を柔らかい密度のEPV素材にするなど、領域50,51及び52を3種類の異なる素材で構成することができる。靴によって種々の素材の堅さ及び/又は柔らかさ(例えば各素材の密度)を変えられることは理解及び評価される。上記好ましい実施形態では踵領域50が他の領域51,52よりも堅いとして説明したが、この例における必須条件ではない。各領域50,51,52には互いに比較して異なるレベルの堅さを有することができ、及び/又は、好ましい実施形態に示した領域よりも多いか或いは少ない領域を備える矯正用中敷18とすることができることが更に理解される。
【0060】
踵領域50は踵を安定して受け入れるように作用し、第2領域51は解剖学的足の土踏まず領域を支持し、そして中足骨領域52は解剖学的足の足底筋膜を支持するように作用する。これら領域50,51及び/又は52の堅さによって、中敷18はシャーシ16と共に体重を靴底14のポッドに分散する作用をすることができる。加えて、傾くときに足が伸びる傾向にあるので、中敷18の構成は足の伸びの制御を補助することができる。中敷18は、望まれた方法で着用者の体重を分散することにより、着用者の回内及び/又は回外の量を減らすか或いは相殺することができる。加えて、中敷18解剖学的足の各部位を安定させ、及び/又は、足底筋靭帯の支持にクッションを敷くなど追加した支持の提供を支援可能にする。矯正用中敷18の構成は、足底筋膜の問題がまさにその一つである多くの生体力学的な問題を解決し、着用者に種々の矯正の利益を提供するためにカスタマイズされる。
【0061】
図10〜12には、他の実施形態に従い、靴底114,矯正用シャーシ116,矯正用中敷118,及び動的な土踏まずシステム120を含む靴100のいくつかの構成要素を示す。靴底114は、選択的に配置された複数のポッド122を備え、矯正用シャーシ116に一体化されている。矯正用中敷は、上述したように、第1素材124及び第2素材によって一体的に形成される。
【0062】
動的な土踏まずシステム120は、説明する実施形態に従い、第1部位130,嵌合部位132,中間部位134,ストラップ128の嵌合部位132を嵌め込むための受け入れ部材136を有するストラップ128を備えている。第1部位130は、矯正用シャーシ116の土踏まず領域138の一側面に連結されている。中間部位134は、土踏まず領域138の下を横切るように第1部位130から延びる。一実施形態において、溝140は、ストラップを受け入れるように矯正用シャーシ116の土踏まず領域に形成される。溝140は、ストラップ128の露出面142が、溝140に隣接する矯正用シャーシ316の表面と同じ高さになることを可能にする。
【0063】
嵌合部位132は、調整的に取り付け可能であると共に、受け入れ部材136にかみ合せられる構成である。受け入れ部材136は、矯正用シャーシ116に結合されている。一実施形態において、受け入れ部材は、多数のフック又はループを有するVIBRAM(登録商標)ブランドの締め付けシステムの一部である。同様に、嵌合部位132も、VIBRAM(登録商標)ブランドの締め付けシステムの無料の部分を備えている。受け入れ部材136は、矯正用シャーシ116の一部に接着されるか又は別の方法で固定される。
【0064】
図12は、矯正用シャーシ116の土踏まず領域138の幅“W”を横方向に増加させるために、第1位置146に調節される動的な土踏まずシステム120のストラップ128を示す。同様に、ストラップ128は、矯正用シャーシ116の土踏まず領域138の幅“W”を少なくするために、第2位置148に調節される。加えて、矯正用シャーシ116は、矯正用シャーシ116にもう少し柔軟性を付与するために土踏まず領域138にV字型の刻み目150を含むことができる。加えて又は代替として、矯正用シャーシ116は、追加的柔軟性を達成するために、土踏まず領域138の厚みを減らして形成することができる。
【0065】
図13は、解剖学的足の土踏まず領域を、土踏まず領域で自動的及び継続的に調節及び支持する、矯正用シャーシ202と矯正用中敷204を組み合わせた構成である、他の実施形態に従う動的な土踏まずシステム200を示す。矯正用中敷は、同種の素材で密度が異なるか、又は異なる素材の第1素材206と第2素材208を含む。矯正用シャーシ202は、両サイドの土踏まず領域212間に配置された中央の土踏まず領域210によって構成される。中央の土踏まず領域210は、距離214の分、両サイドの土踏まず領域212より上にオフセットされており、この距離214は矯正用シャーシ202の下面216から測って約1.0〜8.0mmの範囲にある。
【0066】
作用において、矯正用中敷204の第2素材208は、靴の土踏まず領域に印加される力(例えば体重)の量に応じて自己調整される。簡単に言うと、第2素材208は、TPU,EVA,又はEPQのような素材よりも堅くなくて、柔らかい素材で作ることができる。例えばEPQのゼリー状の品質のものは、解剖学的足の土踏まず領域に支持的に適合することを許容する。加えて、矯正用シャーシ202の剛性に組み合わされる第1素材206の剛性は、靴に加わる力を変化させるように、自動的及び動的に上下に曲がる弾性的な梁として機能する。靴の土踏まず領域に加えられた力が大幅に除去されると、第2素材が無圧縮であって大幅に無負荷な状態に戻るまでの間、第1素材206及び矯正用シャーシ202は大幅に無負荷な状態位置に戻る。
【0067】
図14A〜図17Bは、説明する実施形態に従い、上部310,靴底312,矯正用シャーシ316,矯正用中敷318を有する靴300の種々の構成を示す。図14A−14Cは、靴底312に形成された複数のポッド320を示す。ポッドは、靴300の前方位置及び踵位置に配列される。図14Cに示すように、踵ポッド320は、矯正用シャーシ316の踵カップを縦方向に支持するための縦部材322及び横方向の安定性を提供するための横部材で構成される。
【0068】
図15A〜図17Bは、種々の方法によってポッド320が配列された靴312の他のデザインを示す。これらの好ましい実施形態は、靴312のポッド320が任意の方法で配列可能であることを示すために提供される。図15A−17Bにて説明される各実施形態は、踵高さ、靴の形状やスタイルのばらつきに影響されない、矯正用中敷と関連する複数のポッドによって懸架される矯正用シャーシを含む。すなわち、図14A−17Bの好ましい実施形態は、単に一例であり、発明の範囲を制限し、狭くすることを意図するものではない。
【0069】
矯正器具を懸架した靴の製造方法
図18は、少なくともここに記載された実施形態に従う靴を作るための方法400を示す。より具体的には、三次元的な上部表面を含む矯正用シャーシは、ステップ402にて得られる。矯正用中敷は、ステップ404において矯正用シャーシ上に支持される。矯正用中敷は、補足的に適合させるための第1表面を含み、矯正用シャーシの上面に密接に接続される。靴の上部は、ステップ406にて、矯正用シャーシ及び/又は矯正用中敷の少なくとも一部に連結される。靴の上部は、縫い合わせ,接着,或いは利用可能ないずれの手法によって矯正用シャーシ及び/又は矯正用中敷に連結することができる。靴底に構成されるポッドの数は、ステップ408にて、選択的な配列で矯正用シャーシに連結される。一実施形態において、ポッドは矯正用シャーシに接着される。各ポッドは、隣接するポッドからの距離によって離れて配置されており、矯正用シャーシの中間領域は、矯正用シャーシ及び結合される矯正用中敷を支持するために各ポッド間の離間距離に跨る。
【0070】
最後に、ここで説明された靴10は、ここに記述されたように、完全に統合した機能的な矯正システムを形成するために必要な構成部品と共に靴製造プロセスの開始からデザインされる。矯正器具を懸架した靴というユニークなコンセプトは、靴の着用者にスタイリッシュで快適な靴を提供する。
【0071】
上述した種々の実施形態は、さらなる実施形態を提供するために組み合わせることができる。この明細書で付言される上記米国特許,特許出願及び公報のすべては、関連文献としてここに組み込まれる。外観は、さらなる実施形態を提供するために、必要に応じて、種々の特許,特許出願及び公報の装置,特徴,コンセプトを使用するために修正することができる。
【0072】
これらの及びその他の変更は、上述の詳細な説明を考慮して行うことができる。全体的に、請求の範囲において使用される用語は、明細書と請求の範囲において明らかにされる特定の実施形態に制限するように解釈されず、請求の範囲に従って動作する全ての種類の靴、靴の構成要素、及び/又は矯正用装置を含むように解釈されなければならない。従って、発明は開示によって制限されないが、その代わりに、発明の範囲は完全に以下の請求の範囲によって決定される。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面を有する、曲線を付けて形成されたシャーシと、
曲線を付けて形成されたシャーシの上面に十分に密着する第1表面を有する中敷と、
多数のポッドを備えた靴底であって、各ポッドは選択的な配列で、曲線を付けて形成されたシャーシに結合されると共に、曲線を付けて形成されたシャーシの第1領域が各ポッド間の離間距離に跨ることを特徴とする靴。
【請求項2】
請求項1の靴において、曲線を付けて形成されたシャーシから延びる突出部の多数をさらに備えたことを特徴とする。
【請求項3】
請求項1の靴の中敷において、中敷の面内に2以上の異なる密度領域を有する単一素材で形成されることを特徴とする。
【請求項4】
請求項1の靴の中敷において、2以上の異なる素材で形成され、中敷のそれぞれの領域で異なる素材の各々が異なる量の堅さを提供すことを特徴とする。
【請求項5】
請求項1の靴において、解剖学的足の足底筋靭帯の支持を提供するように、中敷の一部位がアレンジされていることを特徴とする。
【請求項6】
請求項1の靴において、中敷の一部位は、中敷の第2部位よりも堅いことを特徴とする。
【請求項7】
請求項1の靴において、中敷の踵領域は、中敷の中足骨領域よりも堅いことを特徴とする。
【請求項8】
請求項1の靴において、中敷の第1表面の少なくとも一部分が、曲線を付けて形成されたシャーシの上面の少なくとも一部分に接合されていることを特徴とする。
【請求項9】
請求項1の靴において、曲線を付けて形成されたシャーシの多数の領域の少なくとも一つは、第1外側部位と対向する第2外側部位によって接続された第1領域を含み、第1外側部位は靴底の第1ポッドに支持され、第2外側部位は靴底の第2ポッドに支持され、第1領域は第1外側部位から第2外側部位までの支持されていない距離に跨ることを特徴とする。
【請求項10】
請求項1の靴において、靴は普段着用の靴であることを特徴とする。
【請求項11】
請求項1の靴において、曲線を付けて形成されたシャーシは、一体化した踵カップを有するように成形されていることを特徴とする。
【請求項12】
請求項1の靴は、動的な土踏まずシステムをさらに備えており、動的な土踏まずシステムは、靴の土踏まず領域において、曲線を付けて形成されたシャーシ及び中敷の横方向の調整をするためのストラップを備えていることを特徴とする。
【請求項13】
請求項1の靴は、靴の土踏まず領域において、中敷に使用される素材の密度と組み合わされた、曲線を付けて形成されたシャーシの構造により形成される自動調整の土踏まずシステムをさらに備えていることを特徴とする。
【請求項14】
上面を有すると共に、三次元輪郭に構成されたシャーシと、
シャーシの上面に密着するように配置した第1表面を有する中敷と、
シャーシに結合した靴底と、を備えたことを特徴とする靴。
【請求項15】
請求項14の靴において、シャーシから延びる突出部の多数をさらに備えたことを特徴とする。
【請求項16】
請求項14の靴において、靴底は多数のポッドを含み、各ポッドは選択的な配列でシャーシに結合されていることを特徴とする。
【請求項17】
請求項16の靴において、シャーシの第1領域は、多数のポッドのうちの一組の離間距離に跨ることを特徴とする。
【請求項18】
請求項14の靴において、中敷の第1表面の少なくとも一部分が、シャーシの上面の少なくとも一部分に接合されていることを特徴とする。
【請求項19】
請求項14の靴において、靴は普段着用の靴であることを特徴とする。
【請求項20】
請求項14の靴において、シャーシは、一体化した踵カップを有するように成形されていることを特徴とする。
【請求項21】
請求項14の靴は、動的な土踏まずシステムをさらに備えており、動的な土踏まずシステムは、靴の土踏まず領域において、曲線を付けて形成されたシャーシ及び中敷の横方向の調整をするためのストラップを備えていることを特徴とする。
【請求項22】
請求項14の靴は、靴の土踏まず領域において、中敷に使用される素材の密度と組み合わされた、曲線を付けて形成されたシャーシの構造により形成される自動調整の土踏まずシステムをさらに備えていることを特徴とする。
【請求項23】
踵領域,土踏まず領域,及び前方領域を有するシャーシと、
シャーシの上面に十分に密着する第1表面を有する中敷と、
シャーシに結合した靴底と、
シャーシの土踏まず領域を調整するために構成した動的な土踏まずシステムと、を備えたことを特徴とする靴。
【請求項24】
請求項23の靴において、動的な土踏まずシステムはストラップと受け入れ部材を含み、ストラップは、第1部位,嵌合部位及び中間部位を有し、第1部位は、シャーシの土踏まず領域の一側面に連結され、中間部位は土踏まず領域の下を横切るように第1部位から延び、嵌合部位はシャーシに調整的に取り付け可能であり、受け入れ部材はシャーシに結合されていると共にストラップの少なくとも嵌合部位を嵌合するために構成されていることを特徴とする。
【請求項25】
請求項23の靴において、靴底は多数のポッドを含み、各ポッドは選択的な配列でシャーシに結合されていることを特徴とする。
【請求項26】
請求項25の靴において、シャーシの第1領域は、多数のポッドのうちの一組の離間距離に跨ることを特徴とする。
【請求項27】
請求項23の靴において、嵌合部位は多数のフックを備えており、受け入れ部材は多数のループを備えていることを特徴とする。
【請求項28】
請求項23の靴において、嵌合部位は多数のループを備えており、受け入れ部材は多数のフックを備えていることを特徴とする。
【請求項29】
請求項23の靴において、ストラップは、シャーシの土踏まず領域の幅が少なくなるように第1位置に調整されることを特徴とする。
【請求項30】
請求項23の靴において、ストラップは、シャーシの土踏まず領域の幅が大きくなるように第2位置に調節されることを特徴とする。
【請求項31】
矯正の利益を提供するために三次元輪郭に構成された靴のシャーシが取り付けられる靴底であって、
シャーシに結合する第1ポッドと、
第1ポッドから第1距離を離れてシャーシに結合する第2ポッドと、第1ポッドと第2ポッド間の第1距離に跨るシャーシの第1領域と、を備え、第1距離は、シャーシの第1領域が印加される力の量を積極的に調整するために機能するように決められることを特徴とする靴底。
【請求項32】
請求項31の靴底において、第1ポッドはシャーシに接着されていることを特徴とする。
【請求項33】
請求項31の靴底において、第1ポッド及び第2ポッドはシャーシの前方領域に結合され、前方領域は靴の土踏まず領域の前方位置にあることを特徴とする。
【請求項34】
請求項31の靴底において、第1ポッド及び第2ポッドはシャーシの踵カップの位置に結合されていることを特徴とする。
【請求項35】
靴を製造する方法であって、
三次元的な上面を有するシャーシを取得し、
補足的に適合するように構成されると共に、シャーシの上面に密着される第1表面を有する中敷をシャーシ上に支持し、
シャーシの領域が各ポッドの離間距離に跨るよう各ポッドが他方のポッドから離れて配置されるように、多数のポッドをシャーシに選択的な配列で結合し、
靴の上部を靴に取り付けることを特徴とする靴の製造方法。
【請求項36】
請求項35の方法において、中敷をシャーシ上に支持することは、中敷をシャーシに接着することを含むことを特徴とする。
【請求項37】
請求項35の方法において、多数のポッドをシャーシに選択的な配列で結合することは、ポッドをシャーシに接着することを含むことを特徴とする。
【請求項38】
力の量を弾性的に支持し、三次元的な輪郭に構成された支持手段と、
靴の着用者に矯正の利益を提供するために、補足的に適合させる曲線をつけて形成されると共に支持手段の上面に密着させる第1表面を有する矯正手段と、
印加される力を支えるために支持手段と協働して機能する接触手段と、を備えることを特徴とする靴。
【請求項39】
請求項38の靴において、矯正手段は、少なくとも2つの異なる密度を有する単一素材を備えていることを特徴とする。
【請求項40】
請求項38の靴において、矯正手段は、少なくとも2つの素材を備え、各素材は異なる量の堅さを有していることを特徴とする。
【請求項41】
請求項38の靴において、接触手段は、選択的配列で支持手段に取り付けられた多数のポッドを含み、多数のポッドの各ポッドは、支持手段の領域が離間距離に跨るように他方のポッドから離れて配置されていることを特徴とする。
【請求項42】
請求項38の靴において、靴内の解剖学的足を受け入れる受け入れ手段をさらに備えていることを特徴とする。
【請求項43】
上面を有する、曲線を付けて形成された三次元的なシャーシと、
シャーシに結合する靴底と、
シャーシに取り付けられる靴の上部と、を備えていることを特徴とする。
【請求項44】
請求項43の靴において、靴内に配置されたときに、シャーシの上面と補足的に適合するように構成された第1表面を有する中敷をさらに備えることを特徴とする。
【請求項45】
請求項43の靴において、靴底は多数のポッドを含み、
ポッドを受け入れる凹んだ領域とポットの一部を覆う縁とを有する、シャーシに一体的に形成されたダムをさらに備えていることを特徴とする。
【請求項46】
請求項43の靴において、靴は普段着用の靴であることを特徴とする。
【請求項47】
矯正用中敷を取得し、
矯正用中敷と密接に適合するための曲線を付けて形成された三次元的表面を有するシャーシと、矯正用中敷を重ね合わせ、
重ね合わされたシャーシと矯正用中敷に、靴の第3部位を組み合わせることを特徴とする靴の製造方法。
【請求項48】
請求項47の靴において、矯正用中敷を取得することは、矯正用中敷を構築することを含む。
【請求項49】
請求項48の靴において、矯正用中敷を構築することは、矯正用中敷に種々の堅さの領域を提供することを含むことを特徴とする。
【請求項50】
請求項47の靴において、靴の第3部位を組み合わせることは、重ね合わされたシャーシと矯正用中敷に、靴の上部を取り付けることを特徴とする。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【公表番号】特表2008−543526(P2008−543526A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519427(P2008−519427)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/024538
【国際公開番号】WO2007/002440
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(507422253)ピーエスビー シュー グループ, エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】