説明

石材塗装板、石材塗装板熱器具、及び岩盤浴装置

【課題】容易に石材の層を形成することができ、全体の厚みを均一に薄くすることができ、軽量であり、割れがたく、良好な遠赤外線効果及びマイナスイオン効果を奏する石材塗装板、該石材塗装板を備える石材塗装板熱器具、及び該石材塗装板熱器具を備える岩盤浴装置を提供する。
【解決課題】シリカ及びアルミナを主成分とし、希土類鉱物及び/又は遠赤外線放射物質を含み、機能性材料を含む無機材料45〜75質量%と、特殊アクリルエマルジョン樹脂10〜40質量%と、メチルセルロース、エチレングリコール及び可塑剤を含む添加剤7〜15質量%と、水8〜20質量%とを配合して石材塗料を得る。該石材塗料を金属製又は合成樹脂製の板に塗装して石材塗装板を得、該石材塗装板の下側にヒータを配した石材塗装板熱器具5,5,5を脚載置部2、臀載置部3及び背もたれ部4の中央部に配してリクライニング式であり、折り畳み可能な岩盤浴座椅子1を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製又は合成樹脂製の板に石材塗料を塗装してなる石材塗装板、該石材塗装板を備える石材塗装板熱器具、及び該石材塗装板熱器具を備える岩盤浴装置に関する。
【背景技術】
【0002】
岩盤浴は、浴衣等を着衣した状態で、加温された石板の上に寝そべることで、穏やかな発汗作用を得ることを目的としている。従来、天然の温泉(鉱泉)がない場所で、岩盤浴を行う場合には、石板の下側に温水を循環させるか電気ヒータを配することにより、石板を加温していた。
【0003】
従来、家庭内で発汗作用を得るための温熱具としては、10〜20mm程度の石板を使用した業務用の温熱器具をそのまま家庭用としたもの、面状ヒータをドーム状に配した温熱ドーム、面状ヒータ若しくは線状ヒータにセラミック板又はプラスチック板を配した温熱器具、電話ボックス状の箱体内に蒸気を循環させる箱型サウナ、遠赤外線効果及びマイナスイオン効果を奏する鉱石粉末を添加した、ヒータ若しくは電子レンジで加温するように構成されたゲル又はゾルがある。
【0004】
特許文献1には、ケース体の上に金属板で被覆した電熱ヒータを配し、この電熱ヒータの上に、粉末状又は顆粒状のラジウム鉱石をモルタルに混入させて固めて成形した石板を配した岩盤浴用ユニットの発明が開示されている。
【特許文献1】特開2007−006967号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記業務用の温熱器具は、質量が100〜200kgであり、重いため気軽に使用することができない、耐震工事が必要である、持ち運びが難しい、石板が割れやすい、値段が高い、昇温が遅いという問題点がある。
温熱ドームは、ヒータ機能のみを有しており、遠赤外線効果及びマイナスイオン効果を奏せず、嵩張るという問題点を有する。
セラミック板は鉱石を砕き、焼結して得るため、却って製作費用が高くなる、質量が100kg以上と重い、昇温が遅いという問題点を有する。
【0006】
箱型サウナも嵩張るという問題点を有する。
ゲル又はゾルは袋体に詰めなければならないため破裂の危険がある、表面に出ないためイオンが減衰する、昇温が遅いという問題点を有する。
特許文献1の岩盤浴用ユニットも石板自体がモルタルを含むので重く、全体的に嵩張るという問題点を有する。また、この石板の厚みを2mm程度に加工するのはほぼ不可能であり、厚みを2mm程度にすることができたとしても、非常に割れやすく、実用的でないという問題があった。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、金属製又は合成樹脂製の板に、シリカ及びアルミナを主成分とする無機材料、バインダ、添加剤並びに水を含む石材塗料を塗装して構成することにより、金属製又は合成樹脂製の板に、容易に、安価に、石材の薄層を形成することができるとともに、全体の厚みを均一に薄くすることができ、軽量であり、割れがたく、良好な遠赤外線効果を付与する石材塗装板を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、無機材料は希土類鉱物及び/又は遠赤外線放射物質を含み、バインダは特殊アクリルエマルジョン樹脂であり、添加剤はメチルセルロース、エチレングリコール及び可塑剤を含み、石材塗料は、無機材料45〜75質量%と、特殊アクリルエマルジョン樹脂10〜40質量%と、添加剤7〜15質量%と、水8〜20質量%とを配合して構成することにより、割れがたく、薄型化された石模様の層を、さらに良好に金属製又は合成樹脂製の板に形成することができ、さらに良好な遠赤外線効果に加え、マイナスイオン効果を付与する石材塗装板を提供することを目的とする。
【0009】
そして、本発明は、前記石材塗装板と、電気絶縁体で覆われた面状又は線状の電熱体とを重ね合わせて構成することにより、軽量であり、加温したときの表面の昇温速度が速い石材塗装板熱器具を提供することを目的とする。
【0010】
さらに、本発明は、座部又は床部に、前記石材塗装板熱器具を配して構成することにより、軽量でコンパクトであり、割れにくく、漏電及び破裂の危険がなく、加温したときの昇温速度が速く、良好に遠赤外線効果及びマイナスイオン効果を付与し、安価である岩盤浴装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、前記床部は、背もたれ部、臀載置部及び脚載置部からなり、各部に前記石材塗装板熱器具を配するように構成することにより、背中部、臀部及び脚部を各別に効率よく暖めることができ、全身から良好に発汗させることができる岩盤浴装置を提供することを目的とする。
【0012】
そして、本発明は、リクライニング式であり、折りたたみ可能に構成することにより、座椅子としても使用することができるとともに、携帯及び収納に便利である岩盤浴装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1発明に係る石材塗装板は、金属製又は合成樹脂製の板に、シリカ及びアルミナを主成分とする無機材料、バインダ、添加剤並びに水を含む石材塗料を塗装してなることを特徴とする。
【0014】
本発明においては、金属製又は合成樹脂製の板に、容易に、安価に石材の層を形成することができる。そして、厚みが薄い金属製又は合成樹脂製の板に石材塗料を塗装して構成することで、全体の厚みを均一に略2mmまで薄くすることができ、軽量である。薄くできるので、この石材塗装板にヒータを配して加温したときに、表面の昇温速度が速い。
そして、セラミック板及びプラスチック板を金属板に積層した場合と比較して、薄くしても割れがたい。
また、シリカを含むので、良好な遠赤外線効果が得られる。
【0015】
第2発明に係る石材塗装板は、第1発明において、前記無機材料は、希土類鉱物及び/又は遠赤外線放射物質を含み、前記バインダは、特殊アクリルエマルジョン樹脂であり、前記添加剤は、メチルセルロース、エチレングリコール及び可塑剤を含み、前記石材塗料は、前記無機材料45〜75質量%と、前記特殊アクリルエマルジョン樹脂10〜40質量%と、添加剤7〜15質量%と、水8〜20質量%とを配合してなることを特徴とする。
【0016】
本発明においては、割れがたく、薄型化された石材塗着層を、さらに良好に金属製又は合成樹脂製の板に形成することができる。そして、さらに良好な遠赤外線効果に加え、マイナスイオン効果が得られる。
【0017】
第3発明に係る石材塗装板熱器具は、第1又は第2発明の石材塗装板と、電気絶縁体で覆われた面状又は線状の電熱体とを合わせてなることを特徴とする。
【0018】
本発明においては、石材塗装板が薄いので、加温したときの表面の昇温速度が速い。
【0019】
第4発明に係る岩盤浴装置は、座部に、第3発明の石材塗装板熱器具を配してなることを特徴とする。
【0020】
本発明においては、昇温速度が速く、軽量でコンパクトであり、割れにくく、漏電及び破裂の危険がなく、安全であり、良好に遠赤外線効果及びマイナスイオン効果を有し、安価である岩盤浴装置が得られる。
【0021】
第5発明に係る岩盤浴装置は、床部に、第3発明の石材塗装板熱器具を配してなることを特徴とする。
【0022】
本発明においては、昇温速度が速く、軽量でコンパクトであり、割れにくく、漏電及び破裂の危険がなく、安全であり、良好に遠赤外線効果及びマイナスイオン効果を有し、安価である岩盤浴装置が得られる。
【0023】
第6発明に係る岩盤浴装置は、前記床部は、背もたれ部、臀載置部及び脚載置部からなり、各部に前記石材塗装板熱器具を配してあることを特徴とする。
【0024】
本発明においては、背中部、臀部及び脚部を各別に効率よく暖めることができる。そして、全身から良好に発汗させることができる。
【0025】
第7発明に係る岩盤浴装置は、リクライニング式であり、折りたたみ可能であることを特徴とする。
【0026】
本発明においては、座椅子としても使用することができるとともに、携帯及び収納に便利である。
【発明の効果】
【0027】
本発明の石材塗装板によれば、金属製又は合成樹脂製の板に、シリカ及びアルミナを主成分とする無機材料、バインダ、添加剤並びに水を含む石材塗料を塗装して構成するので、金属製又は合成樹脂製の板に、容易に、安価に石材の層を形成することができ、全体の厚みを均一に薄くすることができ、軽量である。そして、割れがたく、良好な遠赤外線効果を付与する。
【0028】
そして、本発明の石材塗装板によれば、無機材料は希土類鉱物及び/又は遠赤外線放射物質を含み、バインダは特殊アクリルエマルジョン樹脂であり、添加剤はメチルセルロース、エチレングリコール及び可塑剤を含み、石材塗料は、無機材料45〜75質量%と、特殊アクリルエマルジョン樹脂10〜40質量%と、添加剤7〜15質量%と、水8〜20質量%とを配合して構成するので、割れがたく、薄型化された石材塗着層を、さらに良好に金属製又は合成樹脂製の板に形成することができ、さらに良好な遠赤外線効果に加え、マイナスイオン効果が得られる。
【0029】
また、本発明の石材塗装板熱器具によれば、石材塗装板と、電気絶縁体で覆われた面状又は線状の電熱体とを合わせて構成するので、軽量であり、加温したときの表面の昇温速度が速い。
【0030】
さらに、本発明の岩盤浴装置によれば、座部又は床部に、前記石材塗装板熱器具を配して構成するので、昇温速度が速く、軽量でコンパクトであり、割れにくく、漏電及び破裂の危険がなく、遠赤外線効果及びマイナスイオン効果を有する。
【0031】
また、本発明の岩盤浴装置によれば、床部は、背もたれ部、臀載置部及び脚載置部からなり、各部に前記石材塗装板熱器具を配するように構成するので、背中部、臀部及び脚部を各別に効率よく暖めることができ、全身から良好に発汗させることができる。
【0032】
そして、本発明の岩盤浴装置によれば、リクライニング式であり、折りたたみ可能に構成されているので、座椅子としても使用することができるとともに、携帯及び収納に便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る岩盤浴座椅子1を示す斜視図である。
岩盤浴座椅子1は、リクライニング式の座椅子であり、脚載置部2と、臀載置部3と、背もたれ部4とからなり、背もたれ部4の上部には、枕部6が設けられている。
脚載置部2、臀載置部3、及び背もたれ部4の中央部には、それぞれ、石材塗装板熱器具5,5,5が載置されている。
【0034】
図2は、図1のII−II線断面図であり、図3は石材塗装板熱器具5を示す斜視図である。
脚載置部2は、前記石材塗装板熱器具5と、該石材塗装板熱器具5の下方に配されるベニヤ板部23と、該ベニヤ板部23の下方に配される、硬質ウレタンからなる第1クッション材22と、石材塗装板熱器具5,ベニヤ板部23,及び第1クッション材22を包囲する包囲部21とを備えている。
【0035】
包囲部21は、石材塗装板熱器具5,ベニヤ板部23,及び第1クッション材22の四方を包囲し、縦断面視が釣鐘状を有する、チップウレタンからなる第2クッション材21bと、該第2クッション材21bを包み込む、合成皮革製の外カバー部21aと、第1クッション材22の裏面をカバーする合成皮革製の下カバー部21cとを備えている。
【0036】
石材塗装板熱器具5は、アルミニウム製の金属板52の一面に、後述する石材塗料を塗装し、石材塗着層51を形成してなる石材塗装板53と、電気絶縁体で覆われた面状又は線状の電熱体をアルミ箔等で被覆してなるヒータ55とを、例えば接着テープからなる接着層54で接着して構成される。接着層54は、粘度が高く、80℃程度の熱に耐えられる接着剤から構成されるものであれば特に限定されないが、作業上の簡便性の観点から前記接着テープから構成するのが好ましい。
ヒータ55は、石材塗装板熱器具5の表面が35〜60℃まで昇温し、この温度を保持できるものであれば特に限定されないが、岩盤浴座椅子1の長時間の使用に際して問題が生じないように、岩盤浴座椅子1は、タイマ、サーモスタット及び電磁波カット部材(図示せず)を備えるのが好ましい。
なお、金属板52は、アルミニウム製に限定されず、ステンレス鋼製等であってもよい。さらに、金属製の板でなく、合成樹脂製の板を用いることもできる。
【0037】
前記石材塗料は、シリカ及びアルミナを主成分とし、希土類鉱物及び/又は遠赤外線放射物質を含み、酸化チタン、ゲルマニウム、銀、銅、白銀、金等の機能性材料を含む無機材料45〜75質量%と、バインダとしての特殊アクリルエマルジョン樹脂10〜40質量%と、メチルセルロース、エチレングリコール及び可塑剤を含む添加剤7〜15質量%と、水8〜20質量%とを配合してなる。
前記無機材料の具体例としては、ゲルマニウム含有鉱石、御影石、長石、トルマリン等の天然鉱石が挙げられる。天然鉱石は、硬度がモース硬度で4以上のものであれば特に問題なく使用できるが、硬い方が質感がより石らしくなるので好ましい。また、無機材料として、セラミック粉末も含まれ得る。
希土類鉱物としては、モナザイト、ジルコン、ラジウム鉱石等が挙げられる。また、希土類鉱物として、ラドン温泉の湯花も含まれ得る。
石材塗装板熱器具5の外観を良好にするために、前記機能性材料の含有量は石材塗料全質量に対し25質量%以下とするのが好ましい。
石材塗料の各成分の配合量が上記範囲である場合、割れがたく、薄型化された石材塗着層51を、良好に金属板52に形成して石材塗装板53を得ることができ、この石材塗装板53を石材塗装板熱器具5に適用した場合に、良好な遠赤外線効果及びマイナスイオン効果が得られる。
【0038】
石材塗着層51は、金属板52に、石材塗料を塗布し、又は吹き付け、表面をローラ又は板材で平らにした後、乾燥させることで得られる。
【0039】
臀載置部3及び背もたれ部4も、脚載置部2と同様に、石材塗装板熱器具5と、該石材塗装板熱器具5の下方に配されるベニヤ板部(図示せず)と、該ベニヤ板部の下方に配される、第1クッション材(図示せず)と、石材塗装板熱器具5,ベニヤ板部,及び第1クッション材を包囲する包囲部31,41とをそれぞれ備えている。
【0040】
本実施の形態に係る石材塗装板53は、縦横のサイズが同じである場合、質量を従来の石板を使用したものに比較して著しく小さくすることができる。
石材塗装板53の厚みは所望の厚みにすることができるが、金属板52を含めても略2mmにすることができる。
そして、セラミック板及びプラスチック板を金属板に積層した場合と比較して、薄くしても割れがたい。しかも適度に粘度を上げることで、金属板52を曲げても割れないものができる。このような石材塗装板53の物性は、本発明の石材塗料により実現される。
石材塗装板53が薄いため、石材塗装板熱器具5の表面の昇温速度は非常に速い。
【0041】
石材塗料に前記酸化チタン等の機能性物質、遠赤外線放射物質及び希土類鉱物等を含有させて良好な岩盤浴効果を引き出したい場合には、前記機能性物質、遠赤外線放射物質及び希土類鉱物等を含有する石材塗料を石材塗装板53の表面部にのみ塗装し、前記機能性物質、遠赤外線放射物質及び希土類鉱物等が表面にのみ含有されるようにすれば、コストダウンを図ることができる。
【0042】
本実施の形態に係る岩盤浴座椅子1は上述したように、リクライニング式の座椅子であり、背もたれ部4を起こした状態で、通常の座椅子として使用することができる。ヒータ55を使用しない場合でも、石材塗装板53から希土類鉱物に起因してマイナスイオンが生じる。そして、低めに温度を設定して使用すれば、日常暖かい座椅子として、マイナスイオンを浴びながら緩やかに岩盤浴を行うことができ、高温に設定すれば汗をかきながら毒を出すデトックスが業務用の岩盤浴用装置と同様に、家庭で気軽に行うことができる。
【0043】
図4は、岩盤浴座椅子1を岩盤浴ベッドとして使用する状態を示す斜視図である。
岩盤浴座椅子1の背もたれ部4をリクライニングすることにより、ベッドとして使用することができる。ヒータ55により加温することで、全身を均一に暖めることができ、全身に均一に遠赤外線効果及びマイナスイオン効果が付与され、全身から均一に発汗させることができる。
【0044】
図5は、岩盤浴座椅子1を寝袋付き岩盤浴ベッドとして使用する状態を示す斜視図である。
断熱性の寝袋7により体を包み込むことにより、熱を逃さず、より本格的に岩盤浴を楽しむことができる。
【0045】
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2に係る岩盤調座布団9を示す斜視図である。
岩盤調座布団9は、実施の形態1に係る石材塗装板熱器具5と、石材塗装板熱器具5のヒータ55の下部に配した、硬質ウレタンからなるクッション材(図示せず)と、石材塗装板熱器具5の外周を硬質ゴム(図示せず)で止め、前記クッション材及び硬質ゴムを布地で包み、ヘムで留めてなる包囲部91とを備えている。
【0046】
本発明の実施においては、座した状態で、石材塗装板熱器具5により加温することで、遠赤外線効果及びマイナスイオン効果が得られる。
【実施例】
【0047】
(実施例1)
実施の形態1に係る岩盤浴座椅子1を作製した。
まず、特殊アクリルエマルジョン樹脂25質量%と、希土類鉱物5質量%(対全質量)を含む無機材料60質量%と、メチルセルロース、エチレングリコール及び可塑剤を含む添加剤7質量%と、水8質量%とを配合して石材塗料を得た。
これを400mm×400mmのアルミニウム製の金属板52に塗布し、乾燥させて、石材塗装板53を得、石材塗装板53の下側に、接着層54を介してヒータ55(24V・50Wの直流のヒータ)を配し、3個の石材塗装板熱器具5を得た。これら3個の石材塗装板熱器具5を脚載置部2、臀載置部3及び背もたれ部4に一個ずつ配して、岩盤浴座椅子1を得た。
【0048】
この岩盤浴座椅子1の質量は8.5kgと非常に軽く、通電後、5分で表面温度が40℃になり、昇温速度は非常に速い。従来の厚み10mmの石板の略6分の1のスピードである。
この岩盤浴座椅子1は、椅子として使用できるので邪魔にならず、折り畳んで持ち運びできる家具として使用することができる。
【0049】
(実施例2)
実施の形態2に係る岩盤調座布団9を作製した。
まず、特殊アクリルエマルジョン樹脂25質量%と、機能性材料としての酸化チタン、及び遠赤外線放射物質としての長石をそれぞれ7質量%(対全質量)含む無機材料60質量%と、メチルセルロース、エチレングリコール及び可塑剤を含む添加剤7質量%と、水8質量%とを配合して石材塗料を得た。
これを、500mm×500mmのステンレス鋼製の金属板52に塗布し、乾燥させて、石材塗装板53を得、石材塗装板53の下側に、接着層54を介して、300mm×350mmのヒータ55(100V・200Wの直流のヒータ)を配し、石材塗装板熱器具5を得た。この石材塗装板熱器具5を中央部に配して岩盤調座布団9を得た。
この岩盤調座布団9の質量は3kgと非常に軽く、中央部は通電後、3分で表面温度が40℃となり、昇温速度は非常に速い。
【0050】
従来の御影石からなる石板、及び実施例1の石材塗装板53それぞれを300mm×300mmにカットし、下側に300mm×300mmのヒータ(19V・15W)を配し、昇温速度を比較した。
石板の厚みは10mmであり、石材塗装板53の厚みは2mmである。
室温24.1℃にて、前記ヒータで加温した場合、従来の石板は表面温度が45℃になるまで45分要したのに対し、実施例1の石材塗装板53は15分で表面温度が45℃になった。従来の石板は、御影石以外でも速さは変わらなかった。
【0051】
実施例1の希土類鉱石粉末を5質量%含有する石材塗料を塗装してなる石材塗装板53(400mm×400mm×2mmを、マイナスイオン測定装置(商品名「EB−12」:株式会社エコホリスティック製)により20回測定し、平均値を算出したところ、750/cm3 のマイナスイオンが放出されていることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態1に係る岩盤浴座椅子を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】石材塗装板熱器具を示す斜視図である。
【図4】岩盤浴座椅子を岩盤浴ベッドとして使用する状態を示す斜視図である。
【図5】岩盤浴座椅子を寝袋付き岩盤浴ベッドとして使用する状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る岩盤調座布団を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
1 岩盤浴座椅子
2 脚載置部
21、31、41 包囲部
21a 外カバー部
21b 第2クッション材
21c 下カバー部
22 第1クッション材
23 ベニヤ板部23
3 臀載置部
4 背もたれ部
5 石材塗装板熱器具5
51 石材塗着層
52 金属板
53 石材塗装板
54 接着層
55 ヒータ
6 枕部
7 寝袋
9 岩盤調座布団
91 包囲部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製又は合成樹脂製の板に、シリカ及びアルミナを主成分とする無機材料、バインダ、添加剤並びに水を含む石材塗料を塗装してなることを特徴とする石材塗装板。
【請求項2】
前記無機材料は、希土類鉱物及び/又は遠赤外線放射物質を含み、
前記バインダは、特殊アクリルエマルジョン樹脂であり、
前記添加剤は、メチルセルロース、エチレングリコール及び可塑剤を含み、
前記石材塗料は、前記無機材料45〜75質量%と、前記特殊アクリルエマルジョン樹脂10〜40質量%と、添加剤7〜15質量%と、水8〜20質量%とを配合してなる請求項1に記載の石材塗装板。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の石材塗装板と、
電気絶縁体で覆われた面状又は線状の電熱体と
を合わせてなることを特徴とする石材塗装板熱器具。
【請求項4】
座部に、請求項3に記載の石材塗装板熱器具を配してなることを特徴とする岩盤浴装置。
【請求項5】
床部に、請求項3に記載の石材塗装板熱器具を配してなることを特徴とする岩盤浴装置。
【請求項6】
前記床部は、背もたれ部、臀載置部及び脚載置部からなり、各部に前記石材塗装板熱器具を配してある請求項5に記載の岩盤浴装置。
【請求項7】
リクライニング式であり、折りたたみ可能である請求項6に記載の岩盤浴装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−200629(P2008−200629A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−40880(P2007−40880)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(507057309)株式会社nemours (1)
【Fターム(参考)】